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講評
他者からの評価が最悪な中から、知識を活かして立ち回る物語。 基礎的な文章力が非常に高く、描写力の高さ、読みやすさが魅力です。 主人公がしっかりした考えと目的を持って、生き抜くために行動していることがよくわかり、周囲からの評価が改められていくごとに、主人公が認められたことに安心する、そんな惹きつける力を持っています。 これからの主人公の生き方を一緒に見守っていきたいという気持ちにさせてくれる作品です。
応援ピックアップ
- 書籍化おめでとうございます。友達にこの作品は面白いと紹介されて読んでみたのが最初です。主人公と周囲ががどんどんすれ違っていくさまが楽しく、一気に読み進めてしまう面白さ。最高です。発売日を楽しみにしております。
- なんというか泉さんの卓越した文章力のせいか、心の底から癒される作品に仕上がっています。もう題名とのギャップは「萌え」ではすまされないほどで、思わずほろほろと涙腺を刺激されてしまうほどです。今、一押しの作品ですね。
- 此度は書籍化おめでとうございますっ! 小説家になろうに登録させて頂いてからまだ日も浅い新参者ですが、今回のコンテストにおいて数ある作品の中で題名に物凄く興味を惹かれました。いざ読ませて頂くと、その内容もハロルドさんの必死さと噛合わない周囲の賞賛とがコミカルでとても面白い、の一言です。今後も勝手に楽しみにさせて頂きます。




(※並び順は五十音順 敬称略)
最終選考作品 総評
第三回を迎えたエリュシオンノベルコンテスト(なろうコン)、
多数のご参加、まことにありがとうございました。
今回のコンテストは6284作品と、開始当初の想定を大きく超える応募をいただきました。レベルも相対的に高くなり、結果として選考もかなり慎重におこなわなければならない形になりました。
●面白さ・品質
作品の面白さ、質という点に関しては、本来であれば作品の完結までの全体で判断するのが一般的な小説賞としては正しいのでしょうが、当コンテストでは、ほとんどの作品が未完の形で選考されており、ジャンルはもちろん文字数も200文字から300万文字まで幅がある状態で選考を実施いたしました。受賞作としても、第二回では合計二万文字ほどの作品が受賞し話題となりましたが、今回はそれを下回る1万文字少々の『騎士団付属のカフェテリアは、夜間営業をしておりません』が受賞となり、可能性を感じることができました。
作品の質全体としてみますと、国内最大規模を誇る応募数なだけに、品質もまさに玉石混淆といえる形となりました。
作品としての面白さや質をどこに求めるかですが、最初から最後まで惹かれる作品よりも、どちからといえば最初は普通で、あとから面白くなっていく作品が多かったと思います。
これは投稿に慣れてきた著者が、文章力、構成力が上達したことだと思いますし、本サイトの著者たちは、日々成長している人が本当に多いということを感じ取ることができました。
今回金賞を受賞した『救わなきゃダメですか? 異世界』についても、前半のVRMMOへの導入という、とっつきやすさと読みやすさはそのままに、後半に行くにつれて作者である青山先生の構成力に磨きがかかり、ヒロイックかつ熱く壮大な物語が展開されます。王道のストーリーをうまく、広げた作品といえるでしょう。
一方で、未完成の状態でも応募できるということもあり、初期の構成力不足を成長で補うことができず、出落ち的なアイデアをどう膨らましていくか道筋が最後までみえず、上達に話の展開がついていけない作品も多かった印象です。
最初の構成不足が最終的に回収できるかどうかは実力もさることながら運の要素も大きいように思えます。思いついたアイデアをすぐに投稿できることは「小説家になろう」の大きな魅力のうちのひとつではありますし、熱をそのまま伝えることで、読者からの大きな支持を受けている方もいらっしゃいます。
アイデアは素晴らしいものの、後半伸び悩んで第一話を書く前の構成にもっと時間を掛ければ‥‥と思わずにはいられませんでした。
●ジャンル
ジャンルの傾向としてはやはり、「小説家になろう」の特色が色濃くでており異世界ファンタジーが多くを占めていましたが、その中でも独自のアイデアや試行錯誤が見受けられました。二次選考の際にも申し上げましたが、「異世界ファンタジー」は激戦区であるからこそ、読者に読まれる工夫をしなければ歯牙にもかけられないこともあり、特に二次選考以降に進出している作品は、工夫を凝らしている印象がありました。
グランプリ作品である『俺の死亡フラグが留まるところを知らない』はまさにその工夫をひとつの作品として、素晴らしいレベルで昇華していました。
『憑依先の人間が嫌われ者であり、他者からの評価が最悪な中から、知識をいかして主人公が立ち回る』といった設定を高い文章力で表現し、主人公の評価が改められていく流れを読者がのめりこみながら楽しむことができる作品といえます。
タイトル・構成・文章・設定ともに極めて高い水準を持っており、文句なしのグランプリ作品となりました。
金賞受賞作品の『ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ』は異世界勇者集団召喚という王道の展開から始まりますが、チート勇者に苛められていた主人公が復讐を目的に、どちらかといえば陰湿に異世界を生き抜いていく展開は、冒頭から驚きと強烈な中毒性を感じさせてくれました。奇をてらっただけではない、明確な最終目的に向けての展開力と、ストーリーを単純に陰湿にさせない脇を固めるキャラクター性も評価点でした。
一方、異世界もの以外のジャンルでも意欲作はありました。
金賞受賞作である『北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし』はファンタジー世界での主人公とヒロインの生活を描いた作品ですが、第一話から主人公がヒロインにプロポーズをおこない、物語の主題である剣も魔法もない世界での、二人の共同生活という本筋まで読者を待たせない展開が特徴的でした。
そういった構成もあり、主人公たち二人の明るく・それでいてほっこりさせられる人間性・関係性にスムーズに入り込めることができ、高い評価となりました。
「小説家になろう」のコンテストとして異色作に出版社が求めるものは、『現状の市場を打ち破る力』を持っているかどうかです。今回残念ながら一歩及ばず、あるいはいささか物足りなさを感じる作品があったことも事実です。群を抜いたものがひとつでもあれば、その瞬間明るい道が見える可能性を感じた作品もありました。
「ジャンルの壁」「市場の壁」を破る作品の登場は今回もありましたので、これからもそういった作品の登場を願ってやみません。
●キャラクター
キャラクターについては、多くの作品の中で目に留まるため、あるいは「物語」におきましても、他の作品にはない『魅力的な姿が描けているかどうか』が避けられない項目であるという認識を今回も受けました。『品行方正で完璧、最強でピンチにもならない』
『常識知らずで天然、行動が茶目っ気があり、好感が持てる』
等、受賞作品の主人公の性格ひとつとっても傾向は様々でした。その設定が全体構成やストーリーの中で必要であり、脇役を含めキャラクター全体として相乗効果を発揮でき、物語としてうまく落とし込めたものが一歩抜き出て、受賞作として選ばれた印象がありました。
金賞受賞作品の『邪神アベレージ』は主人公のアンリの行動・性格が強烈に読者をひきつけた作品であるといえるでしょう。(邪神的に)平均的な加護を受け、平均的な物語を送ろうと苦悩しつつ、徐々に開き直っていくアンリの姿は、読みながら思わず応援したくなるほどです。読者の方々もそちらを強く感じたのか、応援コメントでもアンリの文字をとてもたくさん見ることができました。女性主人公の作品として頭一つ抜けていた印象があり、早々に注目された作品でもありました。
また、逆の方向として、受賞作である『田中のアトリエ 〜年齢イコール彼女いない歴の錬金術師〜』は「表では紳士的な対応をとっているが頭の中はかなり下品」という主人公を、『美少女ほど裏がある』『イケメン・おっさんがいい奴』という常識とのギャップ満載のキャラクター性が強烈な印象を残しました。内容も「小説家になろう」掲載レベルギリギリであり、運営スタッフもいろいろな意味でドキドキいたしました。
商業として見た場合においては、文字数ももちろんありますが、人気が出た場合に続刊ができそうか、作品の更新ペースはどれくらいか、作者の人柄といった点も、作品そのものと比べればもちろん参考程度ではありますが、ひとつの基準となりました。
例えば携帯投稿の作品でありながら、更新頻度と総文字量が多かった『ダンジョンの魔王は最弱っ!?』は、選考中には、異彩を放っていた作品でした。
今回はレベルの高い作品も多く、『商業レベル以上の複数の作品』を『どれかひとつに絞らなければならない』といった状態も発生いたしました。
一般的に選考基準でこのようなお話はしませんが、オンラインのみの小説賞であるがゆえに、留意することが望ましいポイントであるといえるでしょう。
●最後に
締めとなりますが、今回受賞した21作品・21名の著者の方、まことにおめでとうございます。受賞作は既に一部で情報がリリースされておりますが、この夏から発売いたします。運営チーム一同、当コンテストから出た作品、およびコンテストにエントリーされた方々の作品が、ひとりでも多くの方の目に留まり、その発信する文化に気づいていただけますよう、継続的にご協力させていただきます。
皆様、おめでとうございます。
並びに、これからもよろしくお願いいたします。
※運営スタッフより
●エリュシオンノベルコンテスト(なろうコン)運営チーム(スタッフ1)より
皆様お世話になっております。エリュシオンノベルコンテスト(なろうコン)運営チームです。みなさん、長丁場のコンテスト、お疲れ様でした。
今回は、皆様に共感していただきました結果、コンテストには運営側としても想定外の点数となる6284作品が集まりました。第二回作品も皆様に多くのご支持をいただいていることから、出版社様も積極的に選考していただいたことから、なんと21作品の受賞が決まりました。
『一度に21作品が受賞・書籍化する小説賞』はおそらく国内に存在しないのではないでしょうか。
皆様のご応援のおかげで、三回目にして国内最大級のコンテストに成長できました。まずはたくさんのご参加・ご応援まことにありがとうございます。
「小説家になろう」は作者と読者の距離が近いサイトであると言われていますが、このコンテストは「運営と作者と読者の距離の近い」コンテストになったらいいなと思って運営しています。
サイトなどでもお伝えしてきましたが、このコンテストのスローガンは
・一人でも多くの才能を世の中の人に知ってもらう
・受賞だけがコンテストじゃない
・読者も参加できるコンテスト
といったものです。
『感想サービス』『イラストコンテスト提携』『応援メッセージ掲載』 『複数出版社参画』『拾い上げ実施』といったことも上記スローガンにのっとって考えています。私も小説賞応募経験者といったこともあり、参加されている方が、できれば落選をした後も参加できるコンテストを目指しております。
先ほど21作品受賞と言いましたが、逆に言いますと第三回エリュシオンノベルコンテストは6263作品、実に99.7%程が(拾い上げの可能性は残されているとはいえ)出版に至れなかったコンテストであるといえます。
選考結果を発表するたびにあがる喜びの声があがる一方で、がっくりと肩を落とされる方もいらっしゃいました。
コンテストである以上、それは仕方のないことなのですが、できれば落選された方にも、コンテスト参加の一員として最後まで楽しんでいただきたいと考えております。
我々の力はまだ至らない点が数多くありますが、少しでも皆様の創作活動、『書き続ける』というお役にたてたのであれば、運営としては非常にありがたいです。
さて、選考に目を移しますと、今回の選考はこれまでの二回とは比べられないほど難航いたしました。
応募点数が多いということもありましたが、一次選考の通過作品『420』作品の時点において
『「読みやすく」、「キャラクターが魅力的」「続きが読みたくなる」』という基礎的文章力や構成力を問うた前回の選考基準では既に絞り込みきれず、
『「書籍の世界で通用する小説を書けているか」「アイデアの面白さ」』
といった二次選考にも用いた高いハードルを設定する必要がありました。
そのため、一次から二次選考に進む際は『書籍レベルに到達していない作品を切る』選考ではなく、『受賞ハードルを越えている作品同士でどちらを残すのか』といった部分もある選考になりました。当初40作品を予定しておりました二次選考が収まりきらず、50作品にふえたこともこのあたりが原因です。二次選考に残った作品は、全作品書籍として出しておかしくないレベルのものでした。
ではその明暗を分けたのはどこであったのか、最後までおつきあいいただいた皆様に、それぞれの選考で明暗を分けたとスタッフが感じている部分を、あくまで出版社様がかかわっていない、運営チームとしての視点にてお伝えいたします。
(開催はまだ決定していませんが)次回以降ご参加の参考にしていただければと思います。
・一次選考突破のコツ
文章力は前提としまして、構成力が不足しているとこの時点で厳しい印象がありました。 「プロローグ等、盛り上がるシーンまでが長い」「どこかで見たような冒頭で書き初めてしまう」「会話や状況説明が冗長」、世界観やキャラクターの設定を冒頭で「説明」してしまう(「描写」することが求められます)ような場合、突破は難しくなります。盛り上がるシーンまでの時間を短くすることをお勧めいたします。
また、盛り上がるシーンまで読んでもらうために「タイトル」についても考慮したほうがいいでしょう。
もちろん、盛り上がるシーンが本当に盛り上がるために「アイデア」「キャラクター」は必須事項です。
一次選考突破のコツはそのままなろうでの評価にもつながると思いますのでぜひ実践してみてください。
・二次選考〜受賞のコツ
一次突破のコツと早々に矛盾して申し訳ないのですが、一次をクリアしたうえで、
『「タイトル、構成力、文章力、キャラクター、テンポ」どれかひとつでも極めて優れているかどうか ≒ 書籍化した際に他の作品と並べて勝負になる要素があるかどうか』
といったことが大きな要素になります。
抽象的で申し訳ないのですが、「読者のことを考えたうえで自分の色を出せているか」「作者の強烈な個性が出せているか」といったことが大きな分岐となりました。
これは作品を書き、経験を積んで磨くことができる能力でもありますので、今回選考に残らなかった方も、より磨きをかけた作品を作り上げていってほしいと思います。
・最後に
6284作品を応募していただいた皆様、並びに読者の皆様、当コンテストに最後までおつきあいいただき、まことにありがとうございました。
第三回コンテストはこれにて終了となりますが、第二回受賞作品を含めまして、受賞作の最新情報、及びコンテストの今後の情報は当サイトでも継続的に告知してまいります。ぜひ引き続きご応援、よろしくお願いいたします。
また、当コンテストではお約束はできないものの、ひとつでも多くの作品が世の中におくりだせるよう、今回も努力させていただきます。
気休めでもありますが『筆をおかなければチャンスがある』といったことは事実です。 皆様の創作活動が世の中に、当コンテストを通さなくとも、仮に書籍という形でなくともひとりでも多くの方にご愛読されることを願って、当コンテストの締めとさせていただきます。
ご参加まことにありがとうございました。
●エリュシオンノベルコンテスト(なろうコン)運営チーム(スタッフ2)より
今回第三回にて初めてエリュシオンノベルコンテスト(なろうコン)を担当させていただきました。
応募作品数が多く私個人は全ての作品を熟読できておりません。大変申し訳ありません!
作品に触れるたび、作品ごとに様々な工夫をしていらっしゃるのだなと、現在進行中でひしと感じております。
今回書籍化には至らなかった応募作品も、何かしらの光があたれば、輝きを放つ作品があると思っております。
作品の数だけアイディアがありますし、優劣はつけられるものではありません。
ライトノベルの枠組みを超えた作品が送り出されるのも、そう遠くないのではないのではとも感じております。
そうしたチャンスを作り出して行けるように、ひとつでも多くの作品に輝いていただけるコンテストを目指して、
私運営といたしましても尽力していく所存でございます。
また、応援期間中にいただきました応援コメントは、期間中に掲載しきれなかったものも含めまして、受賞者様にお届けさせていただいております。
お届けさせていただく側の私運営にとりましても、皆様の熱いコメントからはこみあげるものがございました。
共にコンテストを盛り上げて下さいました皆様には、この場をお借りしてお礼申し上げます。
出版をひかえました受賞作品に、今後ともぜひ、引き続きご注目くださいませ。