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みなさん、お疲れさまでした……!
結果については、私がここで語るより報告書を読んでもらった方がいいと思います。
本当に、長い間ありがとうございました!
◆リプレイ公開!◆


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大規模連動ピンナップ公開!(12月8日)


クリエイター名:真野ニコ



結果発表&リプレイ公開!(10月14日更新)

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 ――Who is the Good Shepherd?――

 善き羊飼いは誰?


●宇宙センターゲート内部

 待ちに待ったこの時とばかりにジャスミンドール(jz0317)を言葉で追いつめ、ファウルネスはしばし、ひとり悦に入っていた。
 ゲート生成。かねてより考案し、実用に向け試算を繰り返していた『兵器』の設置。そしてそれらが成った今も尚、ファウルネスは一切の能力低下を起こしていない。
 対して、ジャスミンはゲート生成によりさらに能力を減じさせている。そして最大の障害となる従者も裏切り者として貶めることが出来た。
 その事実が輝かしい未来を約束していた。研究に明け暮れながら、裏で糸を垂らし、あるいは操り、密かに進めていた計画の成就――即ち、ジャスミンドールの隷属化。
「んフ♪んフ♪んフ♪ 計画どォゥり♪」
 嗚呼、この日をどれだけ待ち望んだだろうか。
 わざわざ臭い人間界に降りてきてやったのもこの為だ。もう少し時間がかかると思っていたが、見知らぬ悪魔が随分と上手く状況を作ってくれた。男というだけで興味が無かったから名も覚えなかったが、ちょっとぐらい感謝を捧げてもいいかもしれない。
 ああ本当に、実に実に上手くいった。想定外な程に。
「そゥそゥ、このデータも使わないとザマスねェ♪」
 ファウルネスはニタァと笑む。
 それは少し前に撮影した八塚檀(jz0228)と撃退士の戦うデータだった。
 最初の部分には無辜の人々を殺す檀の姿も収録されている。もちろん、その檀はファウルネスが作り出した偽物だ。
 だが、音声を消した映像だけでは、判断がつかないだろう。それを呼び寄せた黒い蛇女へと手渡す。
「んフ♪んフ♪んフ♪ こゥれェをゥ、通信器具を使って世界中にバラまくザマァァス♪」
 悪魔より遥かに悪魔らしい凶貌の中、その目だけがギラギラと輝く。
 流言飛語がどれ程他者にダメージを与えるか。ファウルネスはよく知っていた。
 本物の檀は人間を殺さない。殺せなかったから今の状況が生まれた。
 だが、世界の大半はそれを知らない。

 そこへこのデータが流出すれば、どうなるか。

 見た人は檀を人殺しだと判断するだろう。撃退士との戦いで更にそれを確信するだろう。生き延びていようといまいと関係ない。真実がどうであるかも関係ない。

 大衆の認識こそが、世の中の真実。

 そしてその大衆の意思によって、この人間界は動かされているのだ。当事者の思いや現実など置き去りに。
「んフ♪んフ♪んフ♪ 楽しみザマスねェェェ↑↑ しかもゲートも武器も完璧ッ♪ 『あの方』もお喜びになるザマスねェェ♪」
 ファウルネスは嗤う。世界の全てを嘲笑して。
「それにしても、ジャスミンちゃんってば、無償で手伝ってあげるっていったら、まー申し訳なさそう顔しちゃってプークスクスクス! ほんッと可愛いくッッてどうしましョザマス!」
 そもそも、ファウルネスには功績による昇進や栄達などどうでもよかった。
 求めるのは純粋な興味を満たすものであり、欲望を満たすものであり、それらは通常の賛辞や評価とはイコールで無い。
 位は単に使える力や手駒の所得、動ける範囲や権利の幅を広げるのに必要だというだけで、目標にはなりえないのだ。
 その視点の違いが、時にファウルネスを無欲と見誤らせるのだが、無論、錯覚だ。
 だがその錯覚を、ファウルネスという天使の本性を、ジャスミンは知らなかった。なにしろ、ファウルネスにはジャスミンに対する悪意が全くない。むしろ純粋な好意しかないといっていいだろう。

 ――その本質が、存在そのものが、ただただ悪なだけで。

 風が吹いていると、ファウルネスは確信していた。むしろ世界は自分に対して寛容だ。
「んフ♪んフ♪んフ♪ あの綺麗な顔が絶望に歪むところを早く見てみたいザマスねェ。動揺しながら必死に押し殺してる姿もプクススス素敵だったザマスけどォwwwww」
 頬を染めうっとりと語るファウルネスの背後に、その時、外を巡らせていたサーバントが現れた。手に何か包みを持っている。
「んフ〜♪ 家畜集めは上手くいったザマスかァ?」
 サーバントは喋れない。そもそも言語を操れるだけの知能を持たせていない。
 ゲート周辺を巡回していた一体だけしか居ないのは、大量に集めたら地下の蔵に入れるよう指示していたからだろうとファウルネスは把握した。
 生きたままでないと意味がない女達に関しては、ゲート間近の支配領域内に監禁するよう指示していたから、そもそもここに持って来るはずもない。
 しかし、それにしてはこの箱は何だろうか?
「何ザマスゥ? 家畜共のソデノシタザマスゥ? もらった所で皆殺しザマスけ・ド・プークスクスクス!」
 ファウルネスは箱を開けた。
 夥しい光が迸った。
「ホゥアアア!?」
 小さい光。弾ける音。箱から飛び出し縦横無尽に駆け巡りパンパン音をたてるのは――大量の鼠花火である。
 無論、天使であるファウルネスに実害は無い。
 実害は無いが――

「キィイイイイイッ!! あンの家畜どもォオオオッ!」

 キレた。
 こんなイタズラをしてくるということは、己の希望通りに進まなかったということだ。邪魔されたということだ。なんということだろう!
「このワタクシの、このワタクシの楽しみをッッ!!赦せないザマスウウ!!」
 感情のままに地団駄踏む天使へ、サーバントは眼球の無い目を向ける。
 ただ、暗い眼窩でずっと見ていた。


●中種子町

 作戦開始を前に、種子島対策本部は慌ただしさを増していた。
 現場の指揮官である九重 誉(jz0279)は、他の教師やスタッフと共に全生徒への指示を飛ばす。
 既に大規模行動に先駆け、一部生徒達の作戦は開始している。
 盟約を持つ【協力者】との共闘。すべてを信用しているわけではないが、彼女達の強大なる力を、利用しない手はない。
 生徒達との通信を終え、誉は傍らで佇む使徒へと視線を移した。

 八塚 檀。

 先日この地で眠りに就いた楓の兄であり、天使ジャスミンドールの従者でもある。
 彼は今、何を想い人の側に立っているのか。
 ゲートを開いた主を、一度は説得すると言って出ていった。
 しかしジャスミンドールに協力する天使に帰還を阻まれ、再び人の側に戻ってきた。
 弟を失い、帰る場所を失い、信じていた主すらも己の手の届かないところへ行こうとしている今、彼の内は一体どのような感情で満たされているのか。

(考えても、詮無きことだな)

 人知れず、苦笑を漏らす。
 かつて憂いを帯びていた瞳は、蒼く静かな炎を宿しているように、誉には見えた。
 それはまるで、常に燃えるような熱を帯びていた、弟の瞳のようで。

 すべては、生徒達が答えを出すだろう。

 二年もの間、この地で彼らを導き、信じ、託してきた。
 ときに学園側の予測を遥かに超えてきた生徒達に、感化されなかったといえば嘘になる。

 ――さあ、これが最後だ。

 誉はいつも通りの言葉で、生徒達を激励する。
 行け。
 選べ。
 その手でつかみ取れ。

「私は諸君らの選択に期待する。この戦い、必ず勝つぞ!」


●ゲート内・狂花の間

 その空間に、ジャスミンは佇んでいた。
 傍には誰もいない。
 誰もいなくなるような日々を――ずっと、今まで続けていたのだ。
(……)
 心の中に何かの言葉が浮かぶ。
 名前を呼びそうになって、唇を噛む。
 心配そうな顔。困ったような顔。迷うような顔。
 そういえば、笑顔を見たのはいつが最後だったろうか。
 いつから自分は――彼の顔から、その眼差しから、目を背けていただろうか。
「……」
 唇が名を呟く。声にはまだ出ない。
(……うちは)
 失った階級を。栄華を。求める気持ちは今もある。狂おしいほどに、ずっとずっとそれが望みだった。
 なのに、色が褪せたようなこの奇妙な気持ちは何だろうか。砂を噛むような虚しさがある。手に入れようとした砂金が、ただの砂だったかのような。

 錯覚だと、頭の片隅で自分が嗤う。

 早く気づいてと、もう一人の自分が声をあげる。

 どちらも同じ自分で。どちらも違う自分だから、何が嘘で何が本当かよくわからない。
 檀が裏切ったという現実も。
 自分が歩いてきた道の全てへの否定も。
(うちは……)
 ジャスミンは拳を握る。
 なにもかも遅い、と。頭の片隅で誰かが告げた。同時にやはり誰かが告げる。そんなことはない、と。
 もうすぐ戦いが始まる。研究者とはいえ、恩賞を与えられ続けていたファウルネスの能力は高い。
 大量のサーバントもいる。強大な威力を誇る兵器も。
 ――負ける要素は無い。
 なのに、心が弾まない。喜べない。楽しめない。嬉しくない。何かが違う。こんなはずではなかった。

 それは、ある意味ファウルネスの失策。
 心の持つ力を見誤った結果。

 不変なものは何一つ無く、変化の始まりはいつ訪れるか分からない。
 表に現れぬまま奥深くで芽吹いていた種が地表に吹き出すように、目に見えない場所で少しずつ変わっていったものも確かにあったのだ。誰にも、本人にすらも、気づかれぬままに。
(やけど…もう……遅いんや……)
 揺れる何かの熱を抱え、ジャスミンはただ佇み続ける。
 その手に力。願いを叶える為の――栄光を勝ち取る為の。
 遠く、何処かから誰かの声が聞こえる気がする。


 閉ざされた世界の中で最後の戦いが始まった。


(執筆・九三壱八・久生夕貴)


相関図(9月1日現在)

種子島の流れ


 種子島もついに佳境。
 今まで関わってきている方もそうで無い方も、現在の状況を簡単まとめを見て確認しておこう!

■はじまり
 ↓

■三つ巴
 ↓

■それぞれの思惑
 ↓

■天か冥か
 ↓

■追憶の天花
 ↓

■浸食思考の悪魔
 ↓

■Je te veux
 ↓

■焔に手を翳す
 ↓

■種に灯る送り火
 ↓

■Who is the black sheep?
 ↓

■現在の状況
 ゲートが出現した大型ロケット発射場は、数日後には厚い霧で覆われてしまった。
 発射場に何かあると睨んだ誉は、生徒達に調査を頼む。
 突如同行することとなったメイドと共に、彼らは決死の潜入捜査に挑む。
 その結果、巨大な『兵器』の存在が発覚する。
 事態を知った誉は、学園本部に連絡。ゲート破壊へ向け、全校生徒招集の決定が下される。
 種子島最後の戦いが、始まろうとしていた――


>>詳細情報はこちら





用語辞典


【西之表市】
 :種子島北部の要所。中心部を冥魔が占拠していたが現在は解放済み。

【南種子町】
 :種子島南部の要所。現在中心部を天界が占拠している。

【中種子町】
 :種子島中央部の要所。現在中種子高校に学園が拠点を置いている。

【種子島宇宙センター】
 :島の南島に位置。天魔の能力を魂や感情エネルギーを使わずに強化する力のある特殊な場所であるらしい。

【七条 梓】
 :楓と檀の幼馴染みであり、楓がかつて想いを寄せていた相手。天魔の襲撃に遭い現在は昏睡状態。
  八塚家と七条家は能楽師と囃子方の関係。



大規模連動ピンナップ

戦闘の思い出を残そう!

戦闘を飾る記念として、大規模連動ピンナップを発売!

クリエイターさんは「真野ニコ」さん!

完成したイラストは大規模作戦【種子双乱】イメージイラストとして久遠ヶ原学園年表に掲載予定!学園の記録に残るチャンス!

期間がございますので、ご希望の方はお早めに!


●過去に作成された大規模連動ピンナップはこちら!



クリエイター名: クリエイター名:寝起きの幻想 クリエイター名:白亜

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推奨環境:Internet Explorer7, FireFox3.6以上のブラウザ