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【種子】グランドシナリオリプレイ公開!
悪魔シマイ・マナフとの最終決戦、その結末は……!

グランドシナリオ「【種子】錯双乱的玩具箱」作戦概要


  >>OP情報はこちら

現在の状況


 西之表市役所での攻防の末、一度は撤退したシマイ・マナフだったが宣言通り再び種子島に姿を表す。
 島北部に突如現れた謎の『箱』。
 一軒家ほどもあるそれは、現れた直後から遅効性の猛毒を島内に散布し続けている。
 止めるためには中に入らなければならず、入れば恐らくそう簡単には出られないだろう。
 妄執の連鎖を断ち切るべく、撃退士達は結界突入を開始する。

 浸食の悪魔との決戦が幕を開けた――


勝利条件

 悪魔シマイ・マナフの討伐及び結界破壊

敗北条件

 PCの全滅

 ※一般人被害の有無や消耗レベル等が成功度に影響します


シマイ・マナフについて


 種子島で暗躍する悪魔の総大将。現在八塚 楓を探す&各隊個別撃破を狙い結界内を移動し続けている。
 そのため「どの戦域もランダムで遭遇する可能性あり」。接触時の対応で全戦域の難易度に変化が生じます
 また、楓と隣接すると楓を無力化させることが可能

 >使用スキル
 ・白の道
 通常攻撃。遠距離魔法。近接戦時は白い剣を作り出す
 ・青の落葉
 蒼い魔力壁を展開し、受け防御を行う
 ・紫の蝶
 何か衝撃を受けるorシマイの任意のタイミングで爆発する紫色の蝶を生み出す
 爆発は範囲(1)で識別可能、シマイ自身の魔法攻撃力でダメージ計算を行う
 命中時、魔法命中での対抗判定に敗北すると毒・麻痺のBSが発生
 ・黒い里
 空間に入口と出口を設定し、放たれた攻撃を別地点に飛ばす
 遠距離攻撃が使用された際に使用可能。攻撃を飛ばせる範囲はある程度決まっている

  上記に加え、以下が追加(PL情報)

 ・黒白の道
 「黒い里」により自身の攻撃を飛ばすことで攻撃地点を感知しにくくした白の道
 攻撃力は変わらないが命中精度が向上+側面・背面を狙われる可能性もあるため防御しづらい

 ・黒紫の蝶
 「黒い里」により自身の攻撃を飛ばすことで紫の蝶を飛ばす
 一匹しか飛ばせないが、一気に敵の懐へ蝶を送り込む事が可能



各戦域説明



南戦域OP(リプレイ担当MS:離岸)



 結界のどこか。何者にも干渉されない代わりに何も存在しない空間。
 シマイはそこで目を閉じていたが、やがてゆるりと首を横に振り。

「…やっぱり虱潰ししか無いか。結界使いを謳っていながら中が把握しきれないとは滑稽だね」

 とは言え、シマイ自身もそこまで期待していた訳ではない。
 この札を切った以上自分が倒れるか撃退士達が倒れるか、二つに一つしか無い。

「これが終わったら、楓と別の所に行こうかな」

 戦力調達のために接触した悪魔の一人から、今埼玉の辺りで面白いことが起きているという話も聞く。
 そこにちょっかいをかけるのも楽しそうだ。

「まあ、何にせよまずはあいつをちゃんと迎えに行ってあげないとね」

 先日楓に付けられた傷を服の上から抑えて、小さく呟く。
 楓からの傷だけをあえて残している様からは、その痛みが自分と楓を強く結びつけるのだと信じているようにすら見える。

「楓は、俺の従者だよ。撃退士」

 ――仮に楓を取り戻せず命を落とす結末となろうとも、あいつを離すことはしない。

 闇の中、悪魔の口元が歪に弧を描く。


 楓が長刀を振るい、行く手を阻むディアボロを薙ぎ払っていく。
 以前楓がシマイに無力化されてしまったことを考えれば、悪魔と相対した時彼は戦力にならないだろう。
 それは楓自身も承知しているようで、シマイが現れない間は彼が敵の処理を受け持っていた。

「行くぞ」

 楓の声に頷き、また奥へ奥へと進む。
 走りながら楓に猛毒を生み出す装置についての心当たりが無いかを問うてみる。
 声をかけられた彼は首を横に振って。

「すまん。心当たりは無い…が、あいつのことだ。見ればそうだと分かる物だとは思う」

 ゴールは分かっているのにそこへ辿りつけない者達をあざ笑うのがシマイだと楓は告げる。
 と、数歩先を先行する彼が不意に足を止めた。撃退士達がそれに倣い足を止めると、急に周囲が開けた。
 今まで一本道でしか無かったブロックが学校のグラウンド程度の広さに敷き詰められ、広場を作り出している。
 そして、そこに数多のディアボロ達がこちらを待ち構えていたように待機している。
 ブロックの外、積み重なるオブジェの影から一体、また一体と敵が集まっているのも見える。
 ここに大量のディアボロを配置しているということは、この先に何かが在るということだろうか。

 流石に楓一人では無理だと撃退士達は楓との横に並び、それぞれ武器を構える。
 決着の時が、近づいていた。

南 解説


■難易度 ★★★★★

■目的
 南の結界最深部を目指し、シマイ撃破と猛毒装置の破壊を行います

■状況
当選択肢参加PCは猛毒装置を探して結界の南方を捜索中のメンバーとして扱われる。
道を進んでいくに連れて敵の数が増えていることから、この先に何か在るのではないかという推測がされている。

PL情報:
敵の群れを突破し更に進んでいくと掌に乗るサイズの古ぼけた人形が巨大なオセロの盤上に置いてある。
これを破壊することで猛毒装置は停止する。
なお、人形はどこか八塚楓のような風貌である。これを破壊しようとする撃退士と対峙することで楓を護るのは己なのだと告げたいのかもしれない。
(※これを破壊して八塚楓に何か影響が生じることはない)


■敵戦力

●ディアボロ『ブリキの兵士』×沢山 (略称:兵士)
ブリキのような質感の皮膚を持つ、おもちゃの兵隊。強さはそれ程でもないが数が多い。
手にはそれぞれ剣などを持ち武装している。手元のスイッチを押すと武器が発光する様子。
発光している時は魔法攻撃、していない時は物理攻撃となる。攻撃対象の防御が低い方を見抜き物魔を切り替えてくる。

●ディアボロ『ソフビの怪獣』×そこそこの数 (略称:怪獣)
ソフビのような質感を持つ全長2m程の怪獣型ディアボロ。
弾力があり柔らかそうな皮膚の質感に反してそれなりに防御力がある。
魔法攻撃が得意で、主に口から熱線を吐いて攻撃する。また、接近してくる相手には麻痺毒を持った牙で噛み付いてくる。
更に、背びれから怪しげな光を放つ。これを受けてもダメージは無いが朦朧状態となる。射程は自分を中心に範囲(2)。

●ディアボロ『超合金ロボ』×少なめ (略称:ロボ)
全長3m程のロボットのようなディアボロ。メタリックなボディに男子の心を鷲掴みにするフォルムが光る。
外見相応に硬く、非常にタフ。攻撃力もかなりのものである反面、動きは鈍重で攻撃は直線的。
パンチ・キック等手足を使った直接攻撃に加え、両手はロケットパンチとして使える。
ロケットパンチは弾速が速くそれなりに命中精度も高いが弾数2。使うと手が無くなる。(攻撃力減少等は発生しない)


■味方戦力
 八塚 楓
 シマイのヴァニタスですが、主に反旗を翻したため味方として参加。
 前回のように意識を奪われる可能性が高いため、撃退士を補佐する形で動きます。





東戦域OP(リプレイ担当MS:久生夕貴)


 毒々しい色のブロック道を走りながら、八塚 檀はふと子供の頃のことを考えていた。
 楓とおもちゃを取り合い喧嘩をした遠い記憶。
 最終的に自分が折れると楓も折れるので、また喧嘩になる。そうやってからようやく、仲直りするのだ。
(長い喧嘩だったね、楓)
 梓が聞けばきっとまた呆れるのだろう。いつまでやってたんだ、と。

「敵発見!」

 撃退士の言葉にはっと我に返ると、前方から複数の敵影が向かってくるのが見える。
 即座に臨戦態勢となると同時、一人が驚いたように。
「あ……れ? なんかどこかで……」
 言った瞬間、敵から伸びる触手に捕まり引きずり込まれそうになる。
「うわああああ!?」
 思わず振り払った先。でっかい壺から伸びる多数の触手が、色んな意味でこちらを狙っているのが本能でわかる。
 撃退士達は瞬間的に察知した。

 あ、これアカンやつや。

「一体あれは……」
「檀さん逃げてください、危険()です!」
 唖然となる檀たちに壺型ディアボロは容赦無く襲いかかる。
「いえ…私は逃げません。そう決めましたから…!」
 檀は撃退士の前に出ると光球を生みだし一体を破壊する。その時、道の向こうでぺたぺたと歩く桃色の怪鳥が視界に入った。
「あの鳥は……!」
 見た目は大きなペリカンといったところだろうか。くちばしが大きくふくらんでいるところを見ると、あの中に一般人を入れている可能性が高い。
「ここは私に任せて、皆さんは一般人の救助を!」
 しかし壺の数が多く、檀一人ではとてもじゃないが対応しきれそうにない。
 大ピンチ()の使徒に、撃退士達は色々なものを捨てる覚悟をした。

「私達も戦います!」

東 解説


■難易度 ★★★★

■目的
 東部域にて結界内に運び込まれた一般人を捜索・救助し、工場破壊を行います。

■状況
 運搬型ディアボロが一般人を運んで移動中。東部域のどこかにある『工場』へ集めています。
(工場があることはPL情報)
 周囲には運搬用のディアボロの他、彼らを護衛するためのディアボロが存在。

■敵戦力

●『デロイポットver.S』×たくさん (略称:壺)
シマイがある変態悪魔に押しつけられた(訂正線)借りてきた壺型ディアボロ。作成者の好意()によりシマイ用にカスタマイズされているらしい。
大きさは1.5m程度で割と足が速い上に触手が伸びる。
通常攻撃は体当たり及びでろりっち液。浴びると異様に粘るため一定時間動くことが困難になり、下手に暴れると服から体が脱皮する(脱げる)。
また、内部に取り込んだ者をめたもるふぉーぜする程度の能力がある。めたもるふぉーぜされると、自身がもっとも嫌悪感を抱くものorピーマンに外見が変化したように見える。

●『桃色ペリカン』×そこそこ (略称:鳥)
シマイがあるメイド悪魔からうっかり(訂正線)パクってきたペリカン型ディアボロ。作成者の悪意によりシマイ用にカスタマイズされているらしい。が、パクったのでシマイ本人は性能をよく知らない。
大きさは2m程度でくちばしの中に一般人を入れている。運搬専用のため戦闘能力はなし。
ただし口から出す煙に巻き込まれると、普段言えない本音を言ってしまう。人によっては精神に多大なる影響を及ぼすかもしれない。ちなみに識別不可←

●『ちっこいらふれしあ』×少し (略称:花)
シマイがある幼女悪魔から以前パクっていたラフレシア型ディアボロ。作成者が下手くそだったため大きさが3センチしかない。
戦闘力は皆無だが、十メートルの範囲に毒をまき散らす。この毒は神経毒で生命力は減らないものの、浴びると無駄に気分がハイになる。もちろん識別不可←

■味方戦力
 八塚 檀
 南種子町を占拠する天使ジャスミンドールのシュトラッサー。楓の双子の兄でもある。
 現在は冥魔討伐まで一時共闘関係を結んでいる。
 防御と庇うことに優れたスキルを持っているため、基本撃退士を補佐する形で動きます。




西戦域OP(リプレイ担当MS:STANZA)


 本当はもう、手を貸すつもりはなかった。
 自分の力など必要ない、遠くから見守るだけで良いと、そう思っていた。
「だって、ふー様にはリコよりもっと強くて、頼りになる友達がたくさんいるから」
 それに、何だか嫌な予感がするから。
 とてもとても、悲しい事が起きそうで……そんなもの、見たくないから。
 見てしまったら、自分も壊れてしまいそうで。

 けれど、楓は言った。
「頼む、リコ」
 力を貸してくれと。
「ずるいよ、ふー様。リコ、そんなふうに言われたら……いやって、言えない」
 だから決めた。
 その先に何が待っていようと、最後まで見届けると。
「一緒にがんばろうね、ふー様」
 リコは仲間達と共に迷路の奥へと踏み込んで行った。


 その少し前。
 リコは主である悪魔ネイサンに電話をかけていた。
『オネェさんさん!』
 その呼びかけに、悪魔は深い溜息を吐く。
「リコちゃん、あんたねぇ……」
 何をどう勘違いしたのか、「さん」がひとつ余計だ。
「まあ良いわ、可愛いから許したげる。今まで通りオネェさんで良いわよ。で、何? 何か用?」
『オネェさんのぬいぐるみ、リコに貸して!』
 ネイサンは今回、シマイには手を貸さないと聞いた。
 それなら自分を助けてくれても良い筈だとリコは言う。
「シマイちゃん、ヤケになっちゃってるものねぇ」
 これであっさり負けられれば、恩を売ったところで売りっぱなし。何の得にもならない。
 それどころか連帯責任でペケを喰らう危険もある。
「でも、だからってねぇ?」
 リコはシマイを倒そうとしている。
 それは明確な裏切り行為であり、本来ならば懲罰の対象となる。
「見逃してあげるだけでも有難いと思いなさいな」
 だがリコは引き下がらなかった。
『ちがうよ、リコは倒しに行くんじゃない。守りに行くんだよ!』
 好きだった人と、その人が守りたかったものを。
 大事な思い出を。
『だから、お願い! リコ、いつもみんなに助けてもらうばっかりで……ぜんぜん役に立たなくて。足手まといに、なっちゃってて……』
「……しょうがないわね」
 ネイサンは笑みを含んだ声を返した。
「そういうの、嫌いじゃないわ」
 でも今度だけよ?
 そう言って、悪魔は通話を切った。

西 解説


■難易度 ★★★

■目的
 結界内西部に集まる部隊の殲滅を行います

■状況
 西部のディアボロは放っておくと他戦域に移動します。
 その注意を惹いて足止めしつつ、一体でも多くのディアボロを倒す必要があります。
 また、その途中でシマイと遭遇する可能性もありますが、その場合は楓のいる南班の方に追い込んで下さい。

■敵戦力

●『サーベルタイガーのぬいぐるみ』×どっさり(略称:牙虎)
トラほどの大きさのぬいぐるみディアボロ。
ネイサンに借りるつもりが断られてしまった為、仕方なくシマイが自分で作った。性能はあまり良くない。
横一列に並んで通路を塞ぎ、突進からの体当たりと炎弾の魔法攻撃を仕掛けて来る。

●『プテラノドンのぬいぐるみ』×そこそこ(略称:翼竜)
カラスの倍ほどの大きさのぬいぐるみディアボロ。
ネイサンに借りるつもりが断られてしまった為、仕方なくシマイが自分で作った。性能はあまり良くない。
空中から超音波を放ち、朦朧のバステを与える(最長3T継続)

●『ティラノサウルスのぬいぐるみ』×ちょっと(略称:恐竜)
体長5mほどのぬいぐるみディアボロ。
ネイサンに借りるつもりが断られてしまった為、仕方なくシマイが自分で作った。性能はあまり良くない。
尻尾の一振りで敵味方の区別なく全てを薙ぎ倒す。ついでに壁もぶっ壊す。


■味方戦力
 リコ・ロゼ
 元・楓の追っかけヴァニタス。今回は楓の頼みで戦列に加わった。
 リコ自身には戦闘力は殆どない。使用戦力は以下の通り。

・サラマンダーのぬいぐるみ×1
 ドラゴンに似た可愛いぬいぐるみ。飛行可。
 魔法的な炎で攻撃(射程10、範囲3、識別可)
・アラクネーのぬいぐるみ×3
 丸っこい蜘蛛の姿をしたディアボロ。
 糸を吐き出して敵の動きを止める(射程5、1対象、束縛3T、使用回数5)
 蜘蛛の巣バリアで敵の攻撃を半減(ただし効果は一度、範囲2、使用回数3)






推奨環境:Internet Explorer7, FireFox3.6以上のブラウザ