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マスター:黒川うみ
シナリオ形態:シリーズ
難易度:難しい
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/03/16


みんなの思い出



オープニング

「悔しい悔しい悔しい悔しい悔しいくーやーしーいーーーーっ!!!」
 だむだむだむだむ。
 ばんばんばんばん。
 がりがりがりがり。
 白衣を着たピンク髪の小学生が学習机に向かって八つ当たりしていた。
 小学生と言ってもその机の上にあるのは工具や溶接道具、棚には試験官やビーカー、フラスコ等強烈に偏った専門道具が並べられている。鉛筆とノートはどこ行った? あるのは最新式タブレット型ノートパソコン。なんというセレブな小学生。
「ひとーーーーーっつも爆発しないだなんて! くーやーしーいー!」
「平和に終わって良かったじゃないか」
「女に鼻の下伸ばした奴は黙ってなさいよ! ムカつくわね! もっと難しい暗号にしてやればよかったわ!」

 校舎に仕掛けられた七つの爆弾は、依頼を受けた学生たちの手で無事すべて解除されたのは先日のこと。

「冷静な頭で考えろ。あのまま放っておいたら、正真正銘犯罪者として君を突き出さなきゃいけなかったんだぞ? 君は彼女たちに感謝しなければいけないんだ。わかっているんだろう?」
「わかってるからムカつくんじゃない! どうして男ってこう……!」
「十歳児に男がなんたるかを語られるとは不覚……だが、彼女らは中々面白い遊び相手だと思うがね?」
 白衣を着た長身の男はニヤリと笑む。
「遊び相手って…?」
「我々の実験に付き合ってもらおうじゃないか。ちょうどアレも完成したところだ」
 沈黙丸々十秒。
「アレ、って、アレっ!? まだ作ってたの!?」
「君も素直に酷いな。研究していなかったら天魔抗争最前線に送り込まれているぞ、私なんかは」
「まあそれはあたしも同じだけどー。ここでの立場はあんたの研究助手ですからね、不本意だけど」
「海外からの留学も悪くないだろう?」
「まーね。日本は食べ物が美味しくて、アニメも新作が見られて、漫画も読み放題だしねっ」
 目的が間違っている。
 しかしそれにはあえてツッコミを入れず、男は楽しげに笑った。
「今度は正面から決闘と行こうじゃないか。まずは彼らの実力を確かめないとな」
「あは★ それも楽しそうね♪」


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  決闘状

 先日は爆弾解除ご苦労様でした。
 この度は我々の挑戦を受けて頂きたく思います。
 当然決闘ですので、2対8とはいきません。
 こちらも数を合わせて参りますので、
 戦闘準備を整えて、以下の日時に砂浜へお越し下さい。

 なお、これは神聖なる決闘であり、
 戦闘不能の者への攻撃は敗北宣言と受け取りますのであしからず。

                  怪盗13&B・レディ
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 届けられた決闘状を読んで、山咲 一葉(jz0066)はひたすら首を傾げていた。
「うん? うーん……これってあたしの担当なのかしら? まあ怪我人が出たら手当くらいできるけどねー」
 観戦しに行こうかしら、と彼は楽しげにひとり呟いたのだった。


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リプレイ本文

 太平洋から打ち寄せる波と、冷たい潮風。
 濃紺の空には煌々と月が輝いている。
 カッとスポットライトが当てられた砂浜に、九つの影。

「よく来たな」
 もはやお馴染みとなった全身銀一色の衣装を身に纏った男、怪盗13。
「もー、やだー! 風強いし髪ボサボサなんだけど!」
 やる気の見えないピンク髪の小学生爆弾魔、B・レディ。
 そしてその前に置かれた、六つのダンボール。
 怪盗13の前にはシルバー地にりんご絵付き、B・レディの前にはピンク地にみかん絵付き、それぞれ3つずつ。大体五十センチ四方の立方体である。

 対するは、久遠ヶ原学園の生徒たち。
「怪盗13! …えっと、あの…この前は手伝ってくれて有難う、だし…」
 前回助けて貰ったのに冷たくあしらったことを気にしているのか、ミシェル・ギルバート(ja0205)はお礼を口にしてスッキリしたのか、
「よーし、勝負だー!」
 にこっと元気な笑顔を見せた。
「ふん、決闘…ね」
 逆にラグナ・グラウシード(ja3538)は呆れたように笑う。
「よかろう! ディバインナイトの名にかけて! 受けようではないか、その挑戦!」

 ざっぱーんとひと際大きく聞こえた波音に、外野にして見物人の山咲 一葉 (jz0066)は優しい微笑みを浮かべてしみじみと呟いた。
「青春だわぁ…」


 それは例えるなら、みかん箱A。みかん箱B。みかん箱C。向こうにあるのはりんご箱。
「ダンボールを脱いだら、全員怪盗13やB・レディの格好でしたー…とか?」
 注意喚起のつもりだったが、あまりにも『箱』すぎて反応に困る武田 美月(ja4394)。
 最初に行動するのは怪盗13…と誰もが思っていたが、彼は後ろに下がっただけで攻撃をしてこない。しかも何も言わずニヤニヤしている。何か企んでますと言っているようなものだが、そうくるならこちらも予定通りに詰めていくだけである。
「前回の分、挽回しなきゃだねー。怪盗対決、しに行きますかぁ」
 イアン・J・アルビス(ja0084)改め怪盗ダークフーキーン。前回ただ眠らされてしまったのがものすごく悔しく、今回なんとしてもという意気込みは人一倍強かった。
(怪盗として、ただ罠にかかるだけとは情けない!)
 駆け出したミシェルの背を追って13の前に飛び出した。
「闇夜を貫く白い閃光! 怪盗ダークフーキーン見参!」
「なに!?」
「さぁ、怪盗13。初対面のところ悪いけど怪盗対決とシャレこもうじゃないか!」
 本来の目的は足止めだが、全力を出さねば止められぬ相手だ。
(さぁ来い…!)

(怪盗13と決闘! ぜーったい、一発いれてやるしっ)
 わくわくしながら飛び出したミシェルだが、狙うのは大将ではなく謎のダンボールだ。
「とりゃー!」
 手裏剣を投げるもシルバーのりんご箱はそれをカィーンとはじき飛ばした。
「うそぉ!?」
 やはりただのダンボールではなかったか。

一方、B・レディ側でも戦闘は始まっていた。
「正々堂々、勝負なのー!」
 強風や寒さに備えて今日はひらひらを自重したあまね(ja1985)の言葉をB・レディは鼻で笑った。
「せぇせぇどぉどぉ? 一昨日来やがれって感じね!」
 小学生同士のにらみ合いは若干微笑ましいものがある。だが、次の瞬間B・レディの表情が一変して狂喜に満ちた。
「吹き飛べっ! ファイヤーブレイク!」
「魔法だと!?」
 爆弾ではなく、魔法での攻撃。驚いたのはラグナだけではない。
「ダアト、なのか!?」
 範囲攻撃に坂月 ゆら(ja0081)が驚きに目を見張る。巨大な火球が炸裂して砂浜にいくつもの穴を穿つ。先手必勝で狙われたあまね・美月・ラグナの三人は、しかし砂煙を払いながらそこに立っていた。
「んー、やっぱり直撃しないよねえ。欠点だなあ」
 平然と感想を述べるB・レディに、何とか避けきった三人はどっと冷や汗をかいていた。
「ちょっ、と、誰か! 魔法詳しい人!」
 美月が全員を振り返るが、残念ながら今回のメンバーにダアトはいない。
「こんなの聞いてないなのー!」
 叫びながら鬼道忍軍の素早さを活かしあまねが直接B・レディに接敵する。ナイフ攻撃はひょいと避けられるが、それはまだいい。問題はどうダンボール箱に囲まれないようにするか、だ。
 ゆらはあえて利点を数えた。
(こちらで明かりを用意しないで済んだのを良しとしよう。そしてこの箱はもう……)
 斬りかかるしかない。鳩尾とかそういうものはないのだから。とにかく斬る。うむ。
「せいっ!」
 打刀で勢いよく斬りつけられたダンボールは少し凹んだものの、ごぉおぉんともはやダンボールとは思えぬ音を響かせた。
(この感触…何か違和感が…)
 そんな感想を覚えたが、彼女が何か言うよりも早く戦闘は進んで行く。

(怪盗からの挑戦が戦闘…ひっかかるな)
 鳳 静矢(ja3856)は疑問を抱きつつも、一番近いダンボールに攻撃を仕掛ける。
「先手を取らせて貰う! ソニックブーム!」
 渾身の力を込めた一撃がダンボールの装甲を僅かに切り裂いた。そしてダンボールの中には――メカとおぼしき部品が姿を覗かせたのだった。
「こ、これは…!」

「砂浜で決闘…! ちょっとわくわくするね!」
「ずいぶんと戯れがお好きなようだな、あなた方は…。だが、決闘とあらば話は別だ…本気で行くぞ!」
 美月とラグナもそれぞれダンボールに攻撃を仕掛ける。
「えいっ」
 美月のロングボウが矢を放つ。しかし固い。
「消し飛べえッ、リア充どもッッ!  リア充滅・殺・剣!」
 ダンボールの中身を暴くという意味らしいが、何か違う気がするラグナのかけ声に全体の雰囲気ががくっとくるものがあるが、振るわれた大剣の威力は確かだった。装甲が僅かに破れる。

 そして、りんごとみかんのダンボールは、動き始めた。
 ずごごごと全身を振るわせてダンボールからキャタピラが姿を現わす。そしてガシャーン、ゴショーンと飛び出てくる部品。
 りんご箱にはアームとマントが、みかん箱には大砲とリボンがせり出してきた。せめてもの個性なのだろうが、どちらも小型戦車のような全体像をしていた。
「なんだこれは」
 静矢は隙を見せぬまま呟く。
 色々疑問に思うことがあるのは何も静矢だけではない。
(…地雷とか、埋まってないよね?)
 氷鮫(ja5249)は冗談に思えぬことを考えながら、ショートボウでダンボール戦車を狙った。
(決闘なんて暑苦しいもんは早く終わらせて、ぬるいシャワーでも浴びたいね)
 後方支援が自分の担当だ。
 照明を用意しなくていい分、それなりの働きを見せなくては。

 ひと飛びで戦車に乗ったB・レディは、たった五十センチ高くなっただけで楽しそうに笑う。
「いい眺め!」
 それを見てあまねはうがーと叫ぶ。
「いい加減にするなのー! ダンボールとか超不自然と思ってたら戦車とかナニコレーなの! 下りるのー!」
「ちょっと、引っ張らないでよ!」
 やんややんややんや。
 下りろ下りない下りろ下りない…。
 完全に戦闘から意思の逸れたB・レディを横目に見た怪盗13は、やれやれと肩を竦めた。
「集中力が続かないのが彼女の欠点だ」
「あんたも戦車に乗るのかい?」
「いや、やめておこう。せっかく面白そうな相手が現れたことだしな。私の動きにどこまでついてこられるかな…ダークフーキーンよ!」
 銀のマントをなびかせて13は言う。
 両者はしばしぶつかり合ったり目つぶしを仕掛けたりと小競り合いを続けていた。
「騙し合いだぜ? 怪盗対決ってのは」
 だが、自分から相手が離れないと悟った怪盗13は、
「仕方がないな。少しだけ本気を出そう」
 小さく呟くとふわりとマントを翻した。否、突然屈み込んで足払いをしかけたのだ。その場に崩れ落ちるダークフーキーン。砂浜に転がされ、腕を掴まれ背を踏まれる。
「くっ…動きが違う!?」
 それを見た静矢が叫ぶ。
「今回の件、単なる力比べとも思えない…目的は何だ、怪盗13!」
「その問いは私の部下に勝てたら教えてやろう!」
 自信満々に彼は言い放った。

「…この戦車、すっごく固いんだし!」
 ダンボールなのは見た目だけだったの? まだわからない。
 静矢は大太刀を構えると、
「まとめて片付ける…! 紫鳳翔!」
 紫色の大きな鳥の形をしたアウルの塊が刀から勢い良く飛び出し、直線上の敵をなぎ払う。一列に並んだ戦車に直撃するが、まだ動けるらしい。戦車はおそらくB・レディの手作りであろう爆弾を投げつけてくる。
 それでも動きの鈍いロボを一体に集中して攻撃を畳みかけるとぷすぷすと煙を上げて動きを止めることができた。
 が、不意にぼふんと爆弾が直撃したミシェルは、怒りと力に任せて戦車に掴みかかった。
「こ、んのぉおお!」
 あくまでも戦車の足はキャタピラ。アームがあっても踏ん張れない。ごろん、と横に転がったりんご箱戦車はしばらくキャタピラを回転させていたが、やがて動きを止めた。
「うっし!」
 彼女は満足げにガッツポーズで決めるが、静矢と氷鮫は呆気に取られる。
「…転がすのは有効なのか…」
 まあ戦車ですから。
 隣で戦っていたラグナたちもぎょっとする程有効な弱点だった。ようやく一体倒したところだったのに。次々横転させられていく様子を眺め、
「あー、バレちゃったんだあ」
 言いつつ、ようやく気付いたかと嘲笑うようなB・レディに、
「あったまきたの…」
 呟いたあまねは蹲るとキャタピラを掴んでぐぐぐ、と渾身の力を込めて立ち上がった。
「うりゃー!」
 威勢のいいかけ声と共にB・レディの乗った戦車がごろんとひっくり返る。
「何すんのよ!」
 どすんと尻餅をついたB・レディを四人は取り囲む。
「実際にお目にかかるのはこれが初めてだな、爆弾魔の御嬢さん!」
「はん、リア充滅殺とか言ってるようじゃ、さてはモテないんでしょ!」
 あくまでも強気なB・レディの発言にラグナはこめかみをひきつらせた。
「少しばかりお仕置きが必要なようだ…後悔させてあげよう!」
「いや、そこで怒ったら図星ですって言ってるようなものだけど」
 美月は苦笑混じりにレイピアを構えた。
 B・レディの背後に立つゆらはあくまでも冷静に策を考える。
(今回素直に決闘に付き合う必要はどこにもない。拘束して怪盗13から目的を吐かせる材料にしよう)
 相手は小柄な小学生、捕まえてしまえばどうにでもなるはずだ。あまねと美月の二人と目配せをし合い、ゆらが光纏状態を維持したまま抱き上げると、それは予想以上に簡単なことだった。
「ちょ、ちょっとなに…ひっ」
 振り返り際にゆらの紅の目を見たB・レディは気圧されて押し黙る。加えて美月にレイピアの刃を首に向けられてさすがに命の危機を感じたらしい。
「うむ。大人しくしていれば怪我はさせない」
「捕まえたのー♪」
 両手を挙げて喜ぶあまねと、ぷるぷると拳を震わせて怒りのやり場を失ったラグナはとても対照的だった。
「さあ、怪盗13! 遊びはここまでだ!」
「年貢の納め時だね♪ 何が目的か、聞かせてもらうよ!」
 その光景に気を取られた一瞬――、
「今か…喰らえ、鳳凰の羽ばたき! 紫鳳翔!」
「ぬっ!?」
 怪盗13の周囲の砂がざああと宙に巻き上げられ、視界を塞ぐ。そこへ、
「怪盗13! つーかまーえたっ!」
 どーんとミシェルの体当たりを食らい、もろに体勢を崩して倒れ込んだ。
 決着は、ついた。

 怪盗13を押し倒したミシェルはがばっと起き上がって目を開いて、
「ぁ、れ、ぇ?」
 素っ頓狂な声を上げた。
「あー…参ったなあ。砂まみれだ。こう来るとは思わなかった」
 存外のんびりとした声を発した怪盗13は、否、怪盗13に扮していた青年は困ったように焦茶の髪をかき上げた。倒れ込んだ拍子に仮面も銀髪のカツラも取れてしまったらしい。そこにいるのは、ごく平凡な茶髪の青年だった。
「誰ーぇっ!?」
 ミシェルが叫んで目を疑うのも無理はなかった。
「顔、砂まみれだよ。ギルバートちゃん」
 ぽかぁんとして口をぱくぱくさせているミシェルに、氷鮫は片方の靴を脱いで入った砂をぱしぱしと払いながら涼しい顔で話しかける。
「どちらも大きな怪我はなさそうだな」
 地雷がなくてよかった。本当によかった。
(…まさかカツラとは…)
 せめて素顔がイケメンなら良かったのに。
 その場の誰もが似たり寄ったりなことを考えたが、人の善さげな笑みを浮かべる青年に、ここまで追いかけ続けてきたミシェルは尋ねた。
「あなた、撃退士だよね? 何で怪盗やってるし?」
 そう、問題はそこだった。

 彼は逃げない旨を述べてB・レディの開放を求め、それに応じた撃退士たちに彼女の仮面も取ってみせた。
「私は恭本基一。これは姪の陽菜」
 えへんと胸を張った少女は、なるほど、どことなく彼と顔つきが似ている気がした。
「私はここで武器防具、まあいわゆるV兵器の研究に携わっている者で、そこに転がってる戦車もどきは研究の副産物だ。いわゆる趣味で作ったものだな」
「趣味!?」
「天魔被災地で活動可能な自立型ロボットを目指したものだ。今回部品を付け替えたからあれだが、本来は偵察や救助用でな」
 装甲の外側は本当にダンボールだという。詳細は秘密だが自らのアウルと併せて強化させていたらしい。
「こんなものを使って何が目的だ」
 静矢の問いに、基一は笑った。
「決闘だよ」
「だからそれのどこが、」
 再度尋ねようとして、はっと閃くものがあった。
「コレの強度を試していたのか!?」
「その通り」
 だからわざと挑発するような真似をして、本気を出させた。人数を合わせた戦闘ともなれば、前衛から叩くのがセオリーだ。だから後ろの二人は積極的に攻撃してこなかった。つまりはそういうことだ。
「僕たちはまんまとあなたの実験に付き合わされたというわけですね」
 仮面を取ったイアンはうまく騙されたと下唇を噛む。騙し合いと言いながら、うまく騙されてしまった。それが悔しい。
「また何か盗むの? あなた、悪い人には見えないのに」
 ミシェルの純粋な問いかけに、彼は微笑んだ。
「いや? むしろ盗まれるのを阻止してもらいたいんだ」
 意外な言葉に一同の目が点になる。
「アンタたちがどれだけ強いか知りたかったのよ。キイチは」
 見た目に騙されちゃだめよ、と彼の姪は言う。
「はっはっはっ。実はV兵器の…いや、こう言った方が分かり易いかな? 君たちが使っている武具の特殊金属、ヒヒイロカネに関する情報が、とある窃盗団に狙われているようでねえ」
「笑いごとじゃないわよ。アレを盗まれたら一大事じゃないの」
「む…どういうことだ?」
 ゆらの問いに、彼は笑うだけ。代わりに陽菜が答える。
「その窃盗団の頭がシュトラッサーかもしれないっていう情報があるのよ」
 つまり、人類の唯一とも言うべき戦う術の秘密を盗られてしまうかもしれないというのだ。

「えぇええええ!?」

 驚愕の悲鳴が夜の砂浜に響き渡る。
 月はその滑稽な様子を空から冷ややかに見下ろしていた。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 撃退士・坂月 ゆら(ja0081)
 反撃の兎・あまね(ja1985)
 撃退士・鳳 静矢(ja3856)
重体: −
面白かった!:5人

撃退士・
坂月 ゆら(ja0081)

大学部5年77組 女 阿修羅
守護司る魂の解放者・
イアン・J・アルビス(ja0084)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
ラッキーガール・
ミシェル・G・癸乃(ja0205)

大学部4年130組 女 阿修羅
反撃の兎・
あまね(ja1985)

中等部1年2組 女 鬼道忍軍
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
失敗は何とかの何とか・
武田 美月(ja4394)

大学部4年179組 女 ディバインナイト
撃退士・
氷鮫(ja5249)

大学部9年41組 男 アストラルヴァンガード