●湯万寿へようこそ!
温泉宿『湯万寿』の女将から依頼を受け、やって来た八名の撃退士達。
「温泉を荒らす悪い魔物を、ニンジャの力でやっつける! 父様の国の温泉を荒らす悪い奴は正義のニンジャとして、放っておけないもん! 後、温泉も楽しみ♪」
サラフワな金髪ポニテ、透き通るような青色の瞳、セーラー服姿の可憐な美少女……然とした美少年、犬乃 さんぽ(
ja1272)はグッと拳を握りやる気満々な様子。
そんな彼はMy手拭いを用意して湯万寿へ赴いた次第。
「わぁ、素敵な温泉旅館……そういえばどことなくキャッチザスカイの温泉回で見た旅館に似てるかも?」
キャッチザスカイとは近未来SFアニメの事である。
「女将さん、ボク達に任せてよ!」
女将は「ええ、すみません。よろしくお願い致します」と返した。
「温泉に入る為にささっと片付けてしまうのだー♪ 女将さん、ちょっとだけ待っててねー♪」
黒髪のショートヘアに健康的な小麦色の肌をした小さな少女、焔・楓(
ja7214)は温泉に惹かれて依頼に参加した様だ。
「白濁スライム……じゃと……?」
「白濁ねばねばスライムぅ……やぁんっ、すっごいえっちぃ感じで素敵ぃ〜☆」
依頼内容を確認して茫然としているハルシオン(
jb2740)と、豊満な身体をくねくねさせているアムル・アムリタ・アールマティ(
jb2503)。
「これはもう、存分に楽しまなきゃダメだよねぇ〜、ハルちゃん♪」
「嫌な予感しかしないのじゃが……」
ハルシオンはアムルに「面白い依頼がある」と誘われる形で参加した為、殆ど予備知識が無かった模様。
(スライムでいっぱい遊ぶのぉ♪ 他のコ達とも一緒にぬるぬるべとべとぉ……♪)
尚も脳内でピンク色の妄想を繰り広げるアムル。どうやらハルシオンの予感は的中しそうである。
「お ん せ ん!! 変なのいるけど倒しちゃえばいいだよね?」
赤髪碧眼の堕天使、レイティア(
jb2693)はそう言うが、果たしてそう簡単にいくかどうか……。
「……何か前にも同じ様なお仕事したような? ディアボロも温泉好きなのかなー?」
「ロテンブロウを占拠しているスライム退治ですよーぅ」
やや特殊な発音をする紫髪のはぐれ悪魔、パルプンティ(
jb2761)。
「ロテンブロウ……確か野外のオンセーンですね? 寒い地方では猿が捕れるロテンブロウも在るそうです」
『猿が捕れる』とは一体……。捕まえて何をするつもりなのだろうか。
「迷惑な事にここのオンセーンではホワイトスライムが釣れてしまったって事でしょうかね? ……何にせよ退治です、退治!」
(以前も温泉に出たディアボロを退治しにいったような……温泉は悪魔にとって都合の良い標的だったりするのでしょうか?)
藍色に近い青髪の堕天使、ユングフラウ(
jb7830)は思案しつつ、その端正な顔に憂いを秘めた表情を浮かべている。
(確かに来る人は油断してそうですけれど……)
「露骨に、白濁してる……いやらしい」
座敷に置かれたモニターに映された露天風呂の様子を眺め、ヒビキ・ユーヤ(
jb9420)はぽつりと呟く。
ちなみにこれは知葉が露天風呂に設置した偵察カメラからのリアルタイム映像である。
『白濁=いやらしい』という事はヒビキもえっちぃ思考の持ち主なのかもしれない。
●VSホライトスライム 前半
さて、知葉を除く撃退士達は早速問題の露天風呂……の脱衣場へ移動。
敵がぬるぬる系である為、今回は水着の着用が許可されている。
「よし、これでばっちり!」
さんぽの水着は白の旧スク。……旧スク? とても似合ってはいるのだが。
――日本かぶれの母親から『日本の由緒正しい学生水着』と聞いたらしい。
「急いで着替えて突撃なのだー♪ 早く倒せばそれだけ早く温泉に入れるし♪」
楓はすぽぽーんと服を脱ぎ、手早く着替え。水着はツーピースのスポーツタイプ。
「ホントは裸で入りたかったんだけどぉ、水着着用必須って言うから〜」
アムルはピンクの極細スリングショット水着。大事な所がギリギリ隠れるだけの危ない代物。
「あ、ああ、アムルぅ! 此れは一体何じゃっ!? お主の格好も、破廉恥過ぎるぞぉ!?」
ハルシオンの水着はアムルとお揃いで色違いの白いスリングショット水着。例外なくきわどい。
張りのある褐色の肌に白色の水着が実に映えている。ただ、少しサイズが小さい様で……既に食い込んで大変な事に!
「えへへぇ〜似合ってるよぉハルちゃん☆」
アムルはにこにこと笑うのみ。
(えへ、サイズちっちゃい方がもっとえっちくなると思って、ハルちゃんにはちょっとキツめの渡してあげたの♪)
顔を真っ赤にして狼狽するハルシオンをガン見しつつ、アムルはくすくすと笑う。
少ししてハルシオンは平静を取り戻し、キツキツパツパツの胸や下半身の一部を気にしつつも、元気いっぱいの楓に負けじと戦闘準備完了。
レイティアの水着は結び目を模したリボンが胸元に来るチューブトップタイプ(?)。
胸の谷間ははっきりと確認できて、セクシーさと可愛らしさを兼ね備えている。
「そろそろサイズ合わなくなってきたかな?」
胸元やお尻をちょいちょい弄り。去年の夏に買った水着だったが……彼女の成長具合が窺える。
パルプンティの水着は黒のビキニ。
「スライムが相手とは言えオンセーンの設備に影響無いように戦うとなると意外とやっかいかもですよーっ」
「購買の店員さんから『学生さんが着るならこれ』と渡されたのでたぶん問題ないでしょう。若干サイズがきつい気がするのですが……」
ユングフラウの水着は久遠ヶ原学園指定のスクール水着。圧迫されつつも激しく自己主張をする豊満な胸が実に素晴らしい。
「敵は知能が低そうですし、先に温泉に入る前衛の方に反応しそうですから、そちらを狙う敵さえ止めていれば大丈夫ですよね」
――今、何かのフラグが立った様だ。
ヒビキの水着は黒のタンキニタイプ。
「見せたい人は、いないし、これでいい。女性ばっかりでもある、問題ない。動き易さを重視で出来てる筈、たぶん」
ヒヒイロカネは首輪風チョーカー。魔具はハリセンやシャーペン等を用意。最終兵器として釘バットも。
「大丈夫、コレで倒した、実績あり。さぁ、行こう?」
***
準備を整えた一行はいよいよ露天風呂へ突入を開始!
「ビビってもしょうがないです。ここは先手必勝で行っちゃいま――!?」
真っ先に飛び出したのはパルプンティ。
しかし風呂場に足を踏み入れると同時に粘液に足を滑らせて転倒。
勢いはそのままスライム群へスィーッと突っ込み……あっという間に捕まってしまった。
「くっ、よくも!」
二番手さんぽ。女の子達をこれ以上危険な目に遭わせる訳にはいかないと、刀を具現化させ突進。
――するも、迫る無数の触手に慌てて反転、一旦距離を取る。
「はぁ、はぁ、近づかなければ恥ずかしくないもん。シュギョーの成果を今!」
今度は九字を切り、ヒリュウの幼生を顕現させる。
「行け! 忍龍!」
アムルはハルシオンの手をがしっと握り、敵陣へ突撃。
「やっほぉ〜い♪」
……アムル、ハルシオン、速攻でスライムの餌食となる。
そしてアムルはぬるぬるになりつつ、手近なスライムを掴み、ハルシオンへ押し付け。
「アムルぅーーっ!? おぬしは、一体何をしておるのじゃ! あ、止め、ひゃぅっ♪」
「華麗に横ステップからの先制の一撃なのだ! って、わきゃ!?」
楓は【サイドステップ】で流れる様な攻撃を繰り出すが、床の粘液に滑ってころりん。
「うー、ちょっと失敗……ひゃ!? 何するのだ! はーなーすーのーだー!」
隙を突かれて楓は触手に捕まってしまう。
レイティアは【漆黒の翼】で飛行。敵の位置と数を確認。
「やっぱり聞いてた数より多い!」
急降下して刀で斬り付けようとするが多数の触手が襲いかかって来て――捕まる。
「またこんなのー!? ぬるぬるいやー!?」
「戦闘力は高くなさそうですけど……って、皆さん!?」
あまりにも早く捕まってしまった仲間達に驚きを隠せない。しかし表情を引き締めて。
「施設を壊してはいけません。ならば……外し様が無い位接近して!」
ユングフラウ、仲間を助けようとして自分も捕まる。
「……思ったより、気持ち悪い。ぬるぬるは嫌い、滑るから」
ヒビキはハリセンを手に特攻。
「こう、滑りつつ戦闘音とかでリズム取れれば……あるいは……無理かな」
リズム良くハリセンでスライムをしばく光景は非常にシュール。
そしてヒビキもスライムの触手を捌き切れずに捕まってしまった。
さんぽはヒリュウと【視覚共有】を行い、指示をし易くしようとするが……視界には普段は見えない角度からの女性陣の痴態がばっちり。
「はわわわっ!? そっ、そんなつもりはっ!?」
慌てて召還解除。結局自分で近接戦を行い……捕まる。
「そんなとこ触っちゃ……だめぇぇ」
●VSホライトスライム 後半
撃退士達は全員白濁スライムの餌食になってしまった――。
さんぽは――三体のスライムから三方向より念入りに触手による責めを受けていた。
「ぅぁ、やめてよぉ……だめだよぉ……そんなにたくさん……!? ひゃあ! あああ!!」
大量の触手がさんぽの下半身――水着内部に侵入。男の子とは思えぬ可愛らしい悲鳴が風呂場に響く。
楓の水着が触手によってするすると脱がされてゆく。
「ふにゃ!? どこ触ってるのだ!? んひゃっ! くすぐったいのだ!?」
しかし楓は隠さず暴れなんとか逃げようと抵抗。
無数の触手によって全身をにゅるにゅると隈なく弄られ……楓は『くすぐったい』の先へ――。
アムルはハルシオンとの間にスライムを挟む様にして抱き付く。
二人のたわわな果実に揉まれ、スライムはぐちゃぐちゃぬちゃぬちゃと音を奏でる。
更にアムルはハルシオンの唇を奪ったり、首筋に舌を這わせたり。
「あぁぁ……あぁぁ……」
ハルシオンは最早目の焦点が合っていない。……そこへもう一体のスライムが近づいてくる。
「君も欲しいの? 勿論ボクは全部受け入れるよ。ボクのコトもいっぱい気持ちよくしてね……♪」
スライムに向かって、アムルは捧げる様にお尻をふりふり。スライムはアムルのぷりんとしたお尻へ触手を伸ばした――。
快楽の渦の中から一時復帰したハルシオンは、やられっぱなしなのは癪なのでアムルに反撃。
「ふあぁぁぁっ、ア、アムルぅっ♪ お、おのれぇ、此れで如何じゃぁっ♪」
触手の先端をぎゅっと絞り、白濁した粘液をアムルの顔に浴びせかける。
「あぁん♪ ハルちゃんのえっちぃv」
それはアムルを喜ばせただけの様であった。
「ぬるぬるべたべた……気持ち悪いー……羽がべたつくー……やめてよもぅー……はぁ、はぁ……」
レイティアも既に白濁した粘液で全身ぬるぬるである。その顔は紅潮。条件反射的に身体が火照ってしまう。
口ではまだ落ち着いているが、身体の火照りは加速度的に増している。レイティアは身を震わせた。そして。
スライムが二本の触手をレイティアの胸部へ伸ばす。
「ひあっ!? そこはダメ! ダメぇぇぇ!!」
……過去の経験から、レイティアは快感への耐性が低めであり、特に胸の先端は弱点であった。
スライムは的確に『そこ』へピンポイントアタック。
「あんっ! ダメっ! ダメだったらぁぁぁぁあv」
悲鳴が段々と色気を帯びてくる……。
ユングフラウの水着の中は――触手に塗れていた。侵入した無数の触手はユングフラウの素肌を撫で回す。只管に。
自分の身体が白濁の粘液にぬるぬるぬとぬとと汚されてゆく……。生殺しのような刺激に、ユングフラウは思わず艶っぽい声を漏らした。
「……んくっ。ふぁ……ふぁぁぁ……」
真っ先に捕まったパルプンティは――色々大変な事になっていた。
水着は即脱がされ全身が白濁の粘液に包まれている。彼女の瞳からは既に光が失われていた。
ただただ、柔肌を這う触手に身を任せるのみ。口内にも触手が侵入しており、彼女の口端からは粘液がとろりと垂れ出ている……。
「いい加減に、しろっ!」
ヒビキはスライムの触手攻撃に耐え兼ね、箍が外れ大暴れして抵抗。
――しかしそれは全くの逆効果だった。スライム達は彼女の四肢を触手により完全に拘束。
ヒビキの身体は無数の触手で持ち上げられ、宙に浮く。無論、水着など当に脱がさていた。
「気持ち悪い、気持ち悪いの、気持ち悪いのよ!」
にゅるにゅる。
「嫌だって言った、聞いてるの? 言ったよね?」
にゅるにゅるにゅるにゅる。
「これ以上やったらオシオキね、オシオキだよ、オシオキなの! オシ……オキなんだからぁ……あぁぁ!?」
にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる。
「離せ、離れるの、離しなさいぃ! ひぃぃん!? 潰す! 絶対潰すぅぅぅ!!」
にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる。
「もう……止めて、助けて、誰か、嫌、嫌ぁぁぁ……!!」
スライム達の徹底的な責めにより、ついにヒビキは陥落した……。
***
「うっ……」
ヒビキの悲鳴に、さんぽが虚ろな目を開く。尚も身体の上では触手が蠢いていたが……
「忍、龍……お願い……」
か細い声でヒリュウを再召喚。――それが突破口となった。
脱出した撃退士達は反撃に移り、間もなくスライムは完全に駆逐された。
●白濁の湯
依頼を完了した一行は温泉で疲れを癒す。
「知葉おねーさんでいいのかな? 温泉一緒に入るのだ♪ 皆で入ったほうが楽しいしー♪」
楓が知葉を誘う。知葉は「先に入って待っています」と答える。
***
さんぽは誰よりも早く露天風呂へ直行! どぼーん。
「ふぁ〜、いい、湯加減だね♪」
しかし。先客が居た。隣には白磁の肌を湯に火照らせた美女、知葉。
「どっ、どうして女の人が!?」
さんぽは混浴とは知らなかった様子。わたわたしている内に他の女性陣も――
「終わった、温泉……早く入ろう、早く」
ヒビキを初めとした女性陣は洗い場で背中を流してから湯船へ。
「露天でのんびり……」
楓は知葉と洗いっこ。
「背中流して上げるのだー♪ ごしごしと綺麗に〜♪」
その後は一緒に温泉でのんびり。ちなみにタオルを巻いている人が居れば奪った。その度に悲鳴が上がる。
「うむっ♪ 温泉はやはり、こうでなくてはのぉ。どれ、先ずは身体を洗うのじゃが……」
「いっぱいぬるぬるになっちゃったし、ボクが一杯洗ってあげるねぇ〜ハルちゃん♪」
アムルとハルシオン。こちらも洗いっこ。アムルは自分の胸で石鹸を泡立てる。
「楓、わしを手伝え。此の好色天使には、仕置をしてやらねばならぬからな♪」
仕返しも兼ねて楓も巻き込み、隅々まで丹念に洗いまくる。……その後は温泉でゆったり。
レイティアはぬるぬるを洗い流してぐてっと温泉へ。
「何か凄く疲れたー……」
「……ボク男、男なのにぃ」
結局最後まで、さんぽは自分が男だという事に気付いて貰えなかったそうな。