●熱帯植物園・最終決戦
先行した雷音寺・閃(jz0374)、及び氷川・零子からの応援要請を受け、問題の熱帯植物園にやって来た撃退士達。
「あたいに良い考えがあるわ! これなら完璧よ!」
雪ん子少女、雪室 チルル(
ja0220)は真夏の太陽にも負けず『ふんす!』と鼻息を荒くして張り切っている様子。
赤髪に白のメッシュ、小柄な青年……しかし歴戦の勇士である久遠 仁刀(
ja2464)は今回のメンバー見渡し――
「浮いてるな、俺……」
はあ、と溜息を吐く。彼がこの様な依頼に参加したのはきっと神の悪戯だろう。あるいは悪魔の囁きか。
(というかこの手の依頼に女性が積極的って間違ってないか?)
事前情報からして敵は色々な意味でアレなディアボロである。だが参加者は自分以外女性。
仁刀はこの後の事を考えて頭を抱えるのだった。
……そんな彼の事を斜め後ろの木陰からキラキラとした瞳で真っ直ぐに見つめるのはユングフラウ(
jb7830) である。
(ようやくあの方を見つけられるとは……思わず同じ依頼にエントリーしましたが、頑張りませんと!)
やっと見つけた『あの方』、やっと近くで出逢えた『あのお方』に良い印象与えたい……。
ユングフラウの豊満なお胸の内はそんな気持ちでいっぱいだった。
『あのお方』に出逢えた嬉しさで浮ついた気分であり、『あのお方』に良い所を見せたいという強い意気込みで彼女は早くも空回り気味。
豊満なお胸と言えば月乃宮 恋音(
jb1221)。
「な、なんだか……とても嫌な予感がしますね……」
植物園内をきょろきょろと見回し、ふるふると震えている彼女。
そんな大人しそうな容姿の彼女であるが、お胸は豊満どころではなく山脈級……いや、それ以上の規格外だ。
お胸の成長は著しく、さらしで抑えてはいるが今も苦しそうでぱつんぱつんである。
「久しぶりにえっちなディアボロさんが出た〜って聞いて飛んできましたぁ♪」
好色天使、アムル・アムリタ・アールマティ(
jb2503)は例によってアレなディアボロを楽しむつもりである様だ……。
「えへへぇ、どんなコトになるか楽しみぃ……♪」
るんるん気分の彼女。その隣でぐぬぬとなっているのはハルシオン(
jb2740)。
「ぐ、ぐぬぬっ!? アムル、これはいったいどういうことなのじゃ!?」
アムルにそそのかされる形で依頼に参加し、娯楽があると聞いて来たのに、そこにあったのは卑猥な敵……といういつものパターン。
「わしは楽しい事があるというから……ち、違うのじゃ! わしは期待などしてはおらぬ。してはおらぬのじゃっ!!」
「嘘だぁ〜。ハルちゃんのここ、期待でドキンドキンしてるよぉ〜?」
と、アムルはハルシオンの立派なお胸の中央を触ってくる。「何をするのじゃ!?」とハルシオンは飛び退いた後に咳払い。
「……こうなったら、ゆくぞおぬしら。なぁに、わしらは絶対に屈したりはしないのじゃ!」
と言う訳でアレなディアボロ討伐へ出発!
今回は二種類の熱帯植物型ディアボロが確認されているので二班に分かれる。
●VSモウセンゴケ
チルルはモウセンゴケ型ディアボロ対応として行動中……。
「まともに森の中を突っ込めば碌な事にならないのは確定的に明らか!」
そんな訳で植物園の外側をよじ登って上部から偵察。先手を打ってアウトレンジから敵を攻撃……という算段。
「何と言う作戦だ。完璧すぎてあたいの才能に嫉妬するわね」
だがしかし、外側からでは鬱蒼と生い茂る背の高い木々の葉に覆われて森の中は全く確認出来なかった……。
「まだだ、まだ策はある!」
プランB発動。携帯端末を二つ用意し、片方を召喚獣に括り付けて、カメラ機能にて上空から偵察する、といった作戦。
「何と言う作戦だ。完璧すぎてあたいの(略)」
だがしかし、諸事情によって失敗。尚、上空から偵察しても外側から偵察した時と結果は同じであった。
要するに生い茂る木々で森の内部が見えないのだ。
「……え? これもダメ? それじゃあ突っ込もうか」
チルルは結局森へ突入する事に。
「まともに森の中を突っ込めば碌な事にならないのは(略)」
故に外周から少しずつ中心に向かって切り込んでいく形で捜索。
「何と言う作戦だ。完璧(略)」
すると……甘い香りがぷ〜んと漂ってきた。間もなく敵を目視!
「こちらチルル、C地点にて敵を発見! 繰り返す、敵を発見!」
だがしかし、仲間からの応答はなかった……。
そもそもモウセンゴケ班は既に捕まっていたか、最初から作戦行動を取るつもりが無かったのだ!
「…………もしかして、これってヤバイ?」
その通り。チルルの背後にはモウセンゴケ型ディアボロが迫っており、振り向いた時には既に時間切れ。捕縛されてしまう。
「ぎにゃー!?」
幼い肉体をにゅるんにゅるんの触手が弄ぶ。
『\ざんねん! チルルのたたかいは おわってしまった!/』
***
「いやぁぁ……! 離してくださぃぃ……!」
既にモウセンゴケ型ディアボロに捕まっていたのは恋音さん。
うねうねする四枚の葉により四肢を拘束され、他の多数の葉から生える細い触手によってその肉体を丹念に調べられる。
彼女の特異体質はディアボロにとっても興味深い物の様だ。
「はぁぁ〜……やめてぇ……」
葉や触手から分泌される、媚薬効果を持つぬるぬるの粘液によって恋音の思考は既に蕩け、抵抗する力を失っていた。
「んぐぅ!?」
可愛らしい唇を触手が強制的にこじ開け、そこへ濃厚な粘液を注入する。それにより彼女の特異体質が発動。
「んぐぅぅぅぅぅ!!」
規格外の胸が更に大きくなり、お腹がぼこんと膨れ上がる……。
そこでディアボロは一旦粘液の注入を止め、彼女を拘束したまま丁寧に衣服を脱がせた。
「ああぁ……ああ……」
恋音の瞳からは既にハイライトが消えている。触手にされるがまま。
ディアボロ的には彼女の特異体質を直に調べたかったのだろう。
……生まれたままの姿になった恋音に、再び無数の触手が迫る……。
***
さて、一方その頃、こちらの二人もエンカウント。
ハルシオンはアムルと二人でモウセンゴケ型ディアボロに戦いを挑む!
『絶対エロ植物なんかに負けたりしない!』と意気込むハルシオンだったが……、
「ではアムル、先ずはおぬしが、って、な、何故掴む。まっ――」
「とゆぅワケでぇ、ハルちゃんと一緒にえっちなディアボロさんで目一杯遊びまぁすぅ♪」
アムルは堂々とその様に宣言。戦うつもり等毛頭ないらしい。
ハルシオンの手をがっちり掴んでモウセンゴケ型ディアボロに突撃!! ……やっぱり速攻捕まりました。
「まずはハルちゃんからどーぞ♪」
うねうねと蠢く葉っぱに、アムルはハルシオンを押し付ける。「ぬおおお!?」ハルシオンは全身媚薬粘液塗れに。
すぐさま大量の触手がハルシオンに襲い掛かり、すっぽーん!! と衣服を脱がす。
「わぁ、ハルちゃんまた成長したねぇ♪」アムルの感想である。「ぬおおお! 助けるのじゃあああ!!」ハルシオンの悲鳴は無視された。
そのままハルシオンは触手の海に呑み込まれる。その後彼女の嬌声と共にじゅるるるーんにゅるるるーんといった音が響く。
アムルの方はというと……既に衣服は触手に取られ、艶やかな白い肌を露わにしており、全身を使って触手を『愉しんで』いた。
「あはぁぁ♪ 気持ちいぃのぉぉ……♪」
大きく形の良いお胸で触手を挟んでみたり、触手を口に入れてもぐもぐして自ら媚薬粘液を絞り出し飲み込んでみたり。
アムルの肉体の上を大量の触手が這い回り、ぐにゅんぐにゅんのねちょんねちょんで大変な事になっている。
尚、触手がアムルの柔肌を撫でる度に彼女は過剰は反応を「あああぁぁぁんvvvv」見せた。
これは恐らくだがカオスレート差が関係していると思われる。
暫く触手に蹂躙された二人は、すっかり媚薬が回り切った頃に一旦解放された。
「あはぁぁぁんっ♪ ハルちゃん好きっ、大好きぃぃぃ♪ もっと、もっとぉぉぉ♪」
「アムルぅぅっ♪ そこは、そこはだめじゃぁぁっ♪」
「ハルちゃあああん♪ 好き好き愛しているぅぅぅ♪」
「おぬしが悪いのじゃぞぉっ♪ 此処を、こうしてやるのじゃぁぁっ♪」
ぐっちょんぐっちょんのねっちょんねっちょん。とてもここでは描写出来ません!!
そのまま二人は激しくお互いを求め合ったという……。
●VSムシトリスミレ
モウセンゴケ班が大変な事になっている頃……こちらは。
仁刀とユングフラウの二人きり。
二人は鬱蒼と生い茂るジャングルの中を歩く。
「いつどこから敵が現れるか分からん。気をつけろ。……まあ、匂いで判るらしいが」
「……はっ、はいぃ!」
「強くなさそうだが、環境が環境だから先手を取られるのが痛いか」
「……そそそそうですね!」
「…………」
こんな感じで二人はぎこちない様子。主にユングフラウの方だが。
(やり難い……)
仁刀は額に手を当てる。
彼女から『意識されている』のを物凄く感じる。良い意味で。むしろ好意を向けられている様に……思える。
ユングフラウからすればやっと出逢えた『あの方』といきなり二人きりになってしまったのだから少々パニックになってしまうのも仕方ないのだが。
仁刀はこのもどかしい状況を打破しようとユングフラウに声をかけた。彼女の目を、はっきり見て。
「なあ、あんた。ユングフラウって言ったか。俺とあんた、どこかで会ったか?」
急に目を見て話しかけられ、ユングフラウは一瞬硬直。少し間を置いて、唇を動かした。
「……そ、そうですね。ずっと前に。直接お会いした訳ではありませんけれど。私が一方的に……」
(あなたを『見て』いました)
続く言葉をユングフラウは声にしなかった。
「……そっか。それじゃあ改めて、俺は久遠 仁刀だ。宜しく頼む」
そう言って仁刀は手を差し出す。――握手。ユングフラウは震える手で『あの方』の手を握り、
「ユングフラウです。よろしくお願いします」
『あの方』の体温を直に感じながら、嬉しさを噛み締めて、幸せに顔を綻ばせた。
「……!」
その愛らしい笑顔に仁刀は思わずドキリとしてしまう。
「じゃあ、行くぞ。早くディアボロを倒さないと」
仁刀は顔を逸らし、『ユングフラウの手を握ったまま』、歩み始めた。
手を引かれたユングフラウは彼の後に続く。この時ユングフラウは幸せの絶頂にあったという。
暫くして。ぷんと、甘い香りが漂ってきた。
「近いな」
仁刀は手を離して刀を抜き、臨戦態勢。ユングフラウは少し残念そうにしょんぼり。と――
視線の先に、大きなスミレの花が見えた。
「あれじゃないでしょうか?」
「あれか!」
二人は目標のムシトリスミレ型ディアボロを発見。敵もこちらを捕捉した様で、触手の様な根っこが次々伸び、飛んでくる。
「くっ、多いな」
「きゃっ!」
第一波を二人は何とか回避。
ユングフラウは先程の華麗な回避を「見てくれていただろうか」と、仁刀に熱い視線を送る。が――
触手の第二波が到来。仁刀は回避するが、ユングフラウは媚薬効果のある香りの所為もあってかぽけっとしていて捕まってしまった!
「きゃあああああ!?」
触手によって巻き取られた彼女はぬるぬるの媚薬粘液に覆われた葉っぱにぺたりと貼り付けられてしまう。
「くそ!」
仁刀は迫りくる触手を斬り払いながら前進。
「ん、あ、ぬるぬるなのに気持ちいいなんて、駄目、駄目です、こんなはしたない姿……」
ユングフラウはぬるぬるの葉っぱに捕えられたまま、触手に身体を弄られつつ、もじもじ。
「――!? ……心頭滅却すれば火もまた涼し平常心平常心寿限無寿限無五劫の擦り切れ……」
助けに来た仁刀はその様子を間近で見てしまい、煩悩退散に脳のリソースを全て回す。
だが香りにも媚薬効果がある所為で、煩悩が優勢……!
「ええい!!」
仁刀は煩悩に流されてしまう前に刀を振るい、敵に一撃を与えユングフラウを救出。抱きかかえてその場を一旦後にした。
ちなみにこの際、仁刀もぬるぬるの媚薬粘液塗れになったのは言うまでもない。
「くっ、何なんだあのディアボロ……!」
仁刀は荒い息でその場に腰を落とす。
(自分を助けてくれたのだからお礼しないと)
そこへ、同じく息をはぁはぁと荒げて、四つん這いで近づくのはユングフラウ。既に彼女には媚薬が回り切っていた。
彼女の蕩けた思考では『助けられた=はしたなくても受け入れられた』に直結。
ユングフラウはそのまま感激で仁刀に抱き着き! 胸や腰をぐいぐい押し付け!
「な、何を!?」
「助けて頂いたお礼です。お礼なんですから、これ位は当然です、よね」
「くぅ、俺は……」
仁刀は恋人の顔を思い出し、抵抗を試みるも媚薬がそれを許さない。
「思うままに触っていただいていいんですよ」
(それとも、私から積極的にして差し上げる方が良いでしょうか?)
ユングフラウの豊満で柔らかい肉体がぐいぐいと押し付けられ、仁刀の仁刀が反応。
それを見たユングフラウは更に彼を悦ばせようと抱きついたまま身体の位置をどんどん下げて、胸で刺激する。
「ん、ふぅ……服越しなんてもどかしい、です」
彼女はするすると衣服を脱いでゆく。
「大丈夫です、周りの目は気になさらずに」
【光の翼】を展開。見せられないよ!
「気持ちよくなってください。ほら、身を委ねて……」
「ぐ……俺は……俺はぁぁぁ!!!!」
仁刀の最後の抵抗の声が、人工のジャングルに響いた。
●終幕
結局の所、やっぱりディアボロの餌食になってしまった撃退士達は閃と零子によって救出された。
まあ、撃退士達は最低限囮となり、ディアボロは二人が全て撃破。
しかし、閃達が駆け付けた時には、仁刀とユングフラウの姿は無かった。
先に帰還したものと判断。皆は温泉にゆったりと浸かって疲れを癒し、宿に一泊したそうな。
***
翌朝――。
チュンチュン。小鳥の鳴き声と共に仁刀は目を覚ました。
――ここはどこだ?
まず思ったことがそれ。見慣れない場所。布団の上。……段々と意識が覚醒してきて、そこが旅館(※皆とは別の宿)の一室である事を理解した。
仁刀は片手を頭に当てる。軽い頭痛がした。昨日の記憶が曖昧だ。確か、熱帯植物園に出現したディアボロ退治に――
そこで仁刀は気付く。隣にもう一人寝ている事を。そしてもう片方の手がぎゅっと握られている事を。
彼の隣に寝ていたのは――ユングフラウだった! 気持ちよさそうに、幸せそうにすぅすぅと可愛い寝息を立てている。
「――っ!?」
声にならない声を上げる仁刀。
ちなみに二人とも昨夜の記憶は綺麗さっぱり消えていたのでノーカンである。めでたしめでたし。