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マスター:スタジオI
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/07/07


みんなの思い出



オープニング


 久遠ヶ原に新たなデパートが出店した。
 激安デパート・リーズ!
 デパートなのに激安である。
 デパートの定義とは何か? とか、いろいろ疑問はあるが、見た目デパートなのでとにかくデパートだ。
 久遠ヶ原ケーブルTVでは、このデパートの紹介と激安の秘密をお伝えするために特番を予定している。
 今日は先行お試しロケ、いつも通りに四ノ宮 椿(jz0294)がゆく。
 独身アラサー女子所員とはどこの所員なのかとか疑問はあるが、とにかくゆく。
「こんにちはー! ここが話題の激安デパート・リーズなのだわー! ここには三十店舗を越える専門店が入っていて、多くが激安なのだわー!」
 カメラを引きつれ人混みをかきわけながら、通路を進んでいく椿。
 すっかり局アナ面であるが、“女子アナは金持ちと結婚出来る説”を盲信しているだけなので、キミ達はここまでやらなくていい。 自然体が一番である。

 お菓子が満載された棚の間を歩く椿。
「ここは輸入菓子店なのだわ! 世界各国から集められたいろんなお菓子が置いてあるのだわねー!」
 床に直置きされた、一抱えほどもある袋に目を止める。
「このポテチ! 10キロ入りで980久遠!? 安いのだわ〜! でも食べきる前に絶対、しなしなになるのだわ!」
 身もふたもない事を言ってポテチをスルーしていく椿、結局買わない。

 店から出てくる椿。
「私が買ったのはこのグミキャンディ! 普通の十倍ほども量が入って398久遠!  きっとパッケージに描かれているような綺麗な蝶々の形をしているのだわ!」
 袋を開け掌の上に三粒ほど取り出したとたん、椿は固まった。
「え、なにこれ?」
 蝶の形をしたグミが出てくると思われたのに、出てきたのは本物の蛹そっくりのグロテスクなキャンディだった。
 パッケージの注意書きは英語で書かれているのでよくわからなかったのだが、改めて英語の出来るスタッフに読んでもらう。
「なになに、糖衣で出来た蛹を上手に歯で割ると中から蝶の形をしたグミが出てきます? 他にも蜘蛛やゴキ――いろんな種類の蛹が、こんなもん売れるかなのだわ! 安い理由がわかったのだわ!」
 こんな具合でも、もっと自然体でもいいから激安デパートでの買い物を楽しんで欲しい。
(なお、蛹グミは番組終了後に、スタッフが美味しくいただきました)


リプレイ本文

●F1フードフロア
 依頼当日。
 フードフロアでは一般客に混じって陽波 透次(ja0280)が買い物をしていた。
「ふ、ふふ……科学室の所為で貧乏になった学生に優しい店だな」
 どの食材も、不安になるくらいの安さである。
 しかし、貧乏になった理由が理由だけに陽波はそんな事は気にしない。
 金を払った瞬間に、鉄くずにならなければいいのだ。
「今日は久しぶりに具入りのカレーを食べよう、何ヶ月ぶりだろう……具のあるごはんを食べるなんて……」
 昭和の学生みたいな事を言いながら食材を買い物かごに放り込んでいると、鮮魚コーナーの前でカタリナ(ja5119)がレポートをしているのが見えた。

「さて、こほん こんにちは! 今私は噂の激安デパート、リーズに来ています! ここ1F食品売り場の鮮魚コーナーでも……うわ、安い……! 見てください! 特にこの超特売コーナーのお値段! お魚も新鮮そうで……え? 今朝採れ? すごいです!」

 局アナ然としたその様子を、感心して眺める陽波。
「あれ、僕もやらなきゃダメですか?」
 随行しているカメラマンに聞くと“やりたければ”という返事が返ってきた。
「あそこまでは出来そうにないな……」
 カタリナのそれを見守る事にする。

「では売り場担当の方に、安さの秘密を伺ってみましょう」
 カタリナにマイクを向けられると値札貼り作業をしていた担当の兄ちゃんにはやる気なさげに答えた。
「え? どこで採れたんだったかな〜。 そうそう、三丁目のドブ――小川で釣り人が捨て――リリースしたのを拾――買い取ったんだわ」
 秘匿事項をボロボロ零しながら、またやる気なさそうに値札貼り作業に戻る兄ちゃん。
 カタリナが、笑顔を引きつらせる。
「ノウハウだけでなく、魚そのものにもイロイロ蓄積されてそうですね! 食べるほど寿命が心配になります! さすが、本格的デスカウントのお店!って、やかましいですっ」
 必死のノリツッコミで、〆るカタリナのレポート。
 
それを眺めていた陽波は、食べたら胃の中にあの忌まわしき“鉄くず”ができてしまうんじゃないだろうかと、楽しみだった具入りカレーに不安を覚えるのだった

 輸入菓子店。 
 ここに今日はエイルズレトラ マステリオ(ja2224)と築田多紀(jb9792)が来ていた。

 エイルズの方は人前で奇術を披露し慣れているだけあって、流々とレポートをしている。
「いやあ、どれも安いですねえこの棒状につまったキャンディなんか、これだけ飴が入って10久遠ですか」
 キャンディの袋を手に取るエイルズ。
  輸入品だが日本輸出向けに日本語で商品名が書かれている。
 だが、どうにもおかしい。
「ンーダキャンヂー?……こっちはコーラキャンヂー? “ワタシニホンゴデキマス”みたいな現地人が自信満々に書いたんじゃないですかね?」
 そもそもンーダキャンヂーが黒色で、コーラキャンヂーが青色。 単語の意味すらわからず、ネーミングした可能性が高い。
 購入した二種類のキャンディを食べてみせるエイルズ。
 怪訝な顔になる。
「……味、同じですねぇ」
 原材料は“キャンディ”と“着色料”だけ。
 おそらくは完成品のキャンディを一度溶かして着色料混ぜただけなのだろう。
「安さの秘密がまた一つ明かされました! では、これから多紀さんのレポートのヘルプに廻ります!」
 自分のレポートを〆ると、多紀を探す。

 多紀は、店の入り口に出ていた。
 小石型チョコの紙箱を持っている。
 ずっしりとした重みが、期待を高める。
「凄いチョコを見つけたぞ! これだけ入って200久遠はお買い得だ!」
 いつもは老成した幼女な多紀だが、今日は興奮気味。
 チョコレートの事となると目の色が変わる。
「多紀さん、何をお買い上げですか? おや、美味しそうですね」
 エイルズが多紀の元にやってくる。
「うむ、これは掘り出しものを見付けたかもしれん。 エイルズさんもお一つどうだ?」
「ありがたく頂戴いたしましょう」
 二人で同時にチョコを口に放り込む。
 エイルズが、感嘆しつつ頷く。
「多紀さん、これ美味しいですよ! 味、値段、量! まさに大変な掘り出しものを見付けましたね!」
 ところが褒められている多紀は、チョコを口に入れたままガタガタと震えている。
「多紀さん? どうされました?」
「か、硬い……このチョコ、噛み切れない」
「まさか? たまたま異物でも混じっていたんでしょうか?」
 エイルズが食べた個体にはそんな気配はなかった。
 小石チョコのパッケージを確認する。
 紙箱に書かれた文字は、どこの国のものかすらわからない。
 その上に貼られた日本語ラベルを読んで、エイルズは声をあげた。
「多紀さん、違う! これ食玩ですよ!」
「食玩?」
「玩具付きのお菓子の事です。 これは小石パズルがおまけについた小石型チョコみたいです」
「なんと? 僕が食べたこれはパズルか?」
 多紀の口の中に入っているのは、“工夫すればパズルに使えない事もない“ただの石ころだった。
「本物の小石型チョコは一箱に一粒しか入っていないみたいです。 食玩の宿命ですね。 本体であるお菓子の方が極端に少ないんですよ」
「一粒だけ……という事は?」
「僕が食べちゃいましたね」
 気まずげに頭を掻くエイルズ。
「わぁ〜ん、チョコ〜!」
 多紀は声をあげて泣き始めてしまう。
「泣かないで下さいよ、安いんだしまた買えばいいじゃないですか」
 たった一粒のチョコのために、重い上にいらないパズルを買うのか。
 せっかく見つけた掘り出しもの。
 多紀は泣く泣く、記憶の隅の墓石として埋める事にした。
 
「へえ、いろんなものが安いんだね〜♪」
 ラーメン王・佐藤 としお(ja2489)は、精肉コーナーにいた。
「たまの休みにゆっくり買い物もいいね〜」
 一応、依頼である。 
 後ろにカメラさんがいるというのに、この自然体。 
 ラーメンタレントになりつつあるのあろうか?
「豚バラ、豚骨、チャーシューのお肉、何種類もあるな。 これは迷う――麺用の小麦粉も買って今夜は手打ちラーメンでも作るか」
 佐藤がショッピングをエンジョイしていると、果物コーナーの通路から叫び声が聞こえてきた。

「万引きだー! 捕まえてくれー!」
 店員が叫びながら誰かを追いかけている。
 逃げているのは、あまりにも巨大な乳を揺らす少女、月乃宮 恋音(jb1221)。
「うぅ……違うのですよぉ……」
「まてー! スイカどろぼー!」
 恋音を追いかける店員。
 その店員を追いかけている者もいる。
 恋音の恋人、袋井 雅人(jb1469)。
「違うんです! 恋音が胸に入れているのはスイカじゃないんです!」
「すっげー、わかりやすい状況だな……」
 呆れつつも佐藤、助け舟を出すべく店員に事情を説明してやる。

 数分後、店員は恋音と袋井に頭を下げていた。
「すみません、何とお詫びしてよいか」
「ハッハハッ、まあ知らない人がみたら、胸にスイカを隠しているように見えますよね、恋音の胸は」
「……さっきも下着売り場を追い出されたのですよぉ……」
 泣いている恋音。
 サイズの合うブラはないかと下着売り場に行ったのだが、偽乳を使った悪戯だと思われ、追い出されたのだ。
 恋音の胸は、現実離れして巨大だ。
「それにしてもデパートは物が良くてお高いイメージがあるんですが、なぜデパートで激安をやろうと思ったんですかね?」
「……久遠ヶ原は学生が多いですからぁ……食品を見る限り、大量にパッケージして割安にしている商品が多いようですぅ……」
 恋音の分析に頷く佐藤。
「安くてたらふく食えるっていう学生の島のニーズ合わせたんだろうな」
 今夜のラーメンは特盛になりそうだ。
「私は、小食ですからぁ……消費期限が長く、小分けできる品を探しましょう」

「恋音、これはどうです?」
 袋井が見付けたのはカロリーブロックだった。
 マイナーメーカーのものだが国産で、値段は有名ブランド品の半額以下だ。
 それを買い、フードコートで分け合って食べる二人。
「……味は申し分ないですねぇ……」
「ふむ、栄養価も箱書き通りなら……ん?」
 カロリーブロックの箱に目を止める袋井。
「恋音……これ“胸の発育促進に効果絶大”って書いてありますよ」
 体質のせいか、見る間に育っていく恋音の乳。
「ハハハッ、これだけ大きくなれば、スイカ泥棒に間違われる心配もなくなりましたね!」
「そういう問題じゃないですぅ……(ふるふる)……」

●F2婦人装飾品フロア
 二階をレポートしたのは川澄文歌(jb7507)と木嶋香里(jb7748)。
 仲良しさんなので、二人でレポートする事にする。
 
 まずは香里がメインレポーター。
「私がご紹介するのは仕立て着物になります♪」
 色とりどりの和服を着たマネキンたち並んでいる和服売場。
 奥のカウンターでは文歌がカタログを見ている。
「どれが似合いますかねー?」
 親切にアドバイスをくれる店員。
「お客様は黒髪のストレートですから、桜柄がよくお似合いだと思いますよ、特にこの――」

 そんなカウンセリング販売風景の前で、レポートを始める香里。
「このお店では自社で生地見本やカタログ接客・注文受付を行い契約した生地問屋や生地仕立て・縫製などの職人・工房さん方が商品を仕上げているんです。 新しい手法によって驚きの価格で仕立て着物が買えますよ♪」

 店の前で、ミニファッションショー。
 文歌は店員に勧められた桜柄の着物。
 香里は、自ら経営する和風サロンの名にちなんだ椿柄の振袖を着る。
 二人でくるんと廻ってキメポーズ!
「様々な企業努力で低価格を実現! いかがでしょう、この仕上がり♪」
「依頼をちょっと頑張れば、私たちも大和撫子♪」

 レポートを終えた二人。 カメラが止まった後、ハイタッチする。
「やったね! 香里ちゃん、今回のレポートはばっちりだよ!」
「文歌ちゃんも着物似あうねー、演歌アイドルもいけちゃうんじゃない?」
 極めて和やかで順調なレポート。
 二階に限ればこのデパートは、まともではないかという期待すら持てる。
 だが、同じフロアに魔空間は存在していたのであった。

 フランスの高級ブランドの専門ショップ。
 文歌はここをレポートの舞台に選んだ。
「安いですね〜、特にこの蛇革のバッグ、通常のお店の半額以下」
 アイドルスマイルでレポートする文歌。
 だが次の瞬間、カメラに向かって声をひそめる。
「この激安怪しいです……支配人に安さの秘密を聞いてみましょう」
 
「えっ、一億個もの大量生産品を一括で輸入しているんですか! 凄いですね〜、でもシャルルは全て職人の手作りって聞きましたよ?」
 首を傾げる文歌。
 おばか系タレントのふりをして、女店主を油断させる。
「ここはオフレコにして欲しいんだけどね、ある悪魔と契約して、その悪魔がフランスの職人街にゲートを作ったのよ、その街の人の魂で創ったディアボロで大量生産しているってわけ」
 オフレコも何も、この時点でドン引きである。
 人間の魂やら、ディアボロの体やら使ったバッグを誰が使いたがるというのだろうか?
 すると、文歌が目を尖らせた。
「そんな浅はかな嘘には騙されませんよ! 今回の依頼とは別に撃退庁経由の依頼で貴方の店の天魔の仕業に見せかけた密売の情報提供があり調査してました! 明鏡止水による潜入捜査で偽ブランド品密売の事実は掴んでます!」
 逃げ出そうとする女店主。
 その腰を、後ろから抱え
「逮捕しちゃうよ!」
 プロレス仕込みのバックドロップ!
 オーナー現行犯逮捕。

 実は撃退庁経由の依頼というのはハッタリ。
 胡散臭い雰囲気が乙女の勘に触ったのでカマをかけてみただけだった。
 だが、警察を呼んで引き渡したところ、やはり前科付きの常習犯だったようだ。
「このデパートさんも、よくこんな怪しい専門店入れたよね」
「そういうチェックの手間を省いているのも、安さの秘密なんじゃないかな?」
 どんな店でも出店出来てしまう激安デパートリーズ、時と共に魔窟度はあがりそうである。

●F3紳士フロア
「……デパートか……久しぶりだな……」
 アクセサリ店で御剣 正宗(jc1380)は商品を物色していた。
 ふと売り場の片隅で、ワゴンセールを見かけた。
 こんなキャッチコピーが貼ってある。

【TVで話題の腕時計 誰もが知っているロングラン商品です! 980久遠】

「話題のロングラン商品が980久遠とは確かに安い!」
 レポートしながら、カメラに現物を向ける御剣
 だが一体これが“何のTVで話題”なのか?“
 誰もが知っているロングラン商品”とかいう割に、御剣には心当たりがない。
 首を傾げていると、アクセサリ売り場のレジに“馬”が現れた。
 カジュアルな服装をして、二本脚で歩くシュールな馬だ。
 あれは久遠ヶ原名物着ぐるみ人間の一人、金鞍 馬頭鬼(ja2735)だろう。
「すみません、紳士用の蹄鉄はこの階に……」
 馬は馬らしく、蹄鉄を探しているらしい。
「そんなもの置いてないだろ」
 思わツッコンでしまう御剣。
 馬が、ふりむく。
「何か?」
「いや、なんでもない。 それよりこの時計に見覚えはあるか?」
 謎のロングラン時計を馬に見せてみる。
 馬はそれをしばし眺め、 時計のあちこちを弄り始めた。
「ふむ、これはもしかすると、ふむふむ」
 最後は、御剣の後ろに回り込む。
「む、何かしたか?」
「あれ? 体は何ともありませんか?」
「何ともないな、うなじのあたりが一瞬、疼いたような気はしたが」
「やはり、ではもしかすると――御剣さん、おっさんです! おっさんを探しましょう!」
 馬が何を言っているのかさっぱりわからないが、このままだとレポートが締まらないので仕方なくおっさん捜しを始める。

「いた、おっさんだ!」
 御剣たちがおっさん呼ばわりしたのは、ミハイル・エッカート(jb0544)
 三十歳の学生は、紳士服売り場でスーツを見ていた。

「フォーマルスーツが1000久遠だと? なかなか仕立てが良いじゃないか」
 スーツを着てみるミハイル。
「お客様、良く御似合いです」
 売り場の店員に褒められ、満足げなミハイル。
「なかなかだな、これなら色違いも欲しい」
「お目が高い、こちらのシリーズは雨に濡れると変色し、背中に当たりマークが出たらもう一着もらえるというお買い得品です!」
「なんだそりゃ、商談前に雨が降ったらスーツの背中に“ハズレ”が出るかもしれないんだろ! 100%ご破算じゃねえか!」
「そうおっしゃらずに――こちらの下着もサービスいたしますから」
 青いトランクスを出してくる店員。
「普通に履きやすそうだな、スーツはいらんこっちだけでいい」
「10久遠でござます」
「また安いな!? 何か仕掛けがあるんじゃないか?」
「洗うと少しずつ色あせて、フロント部分に柄が現れるのでございます。 象、馬、キノコ、亀、ウサギ、モザイク柄、どれが出るかお楽しみというサプライズな仕掛けでござます」
「いらねえよ! しかもチョイスが微妙に卑猥じゃねえか! わかっててやっているんじゃ……」
 言いかけつつ、ミハイルはヘロヘロと床に座り込んだ。

「お客様?」
「どうした?」
 ミハイルに駆け寄る店員と御剣。
 ミハイルはぐっすりと眠っていた。
「これは一体?」
 物影に隠れていた馬がニヤニヤしながら出てくる。
「この時計の機能です、麻酔針が発射出来るんです」
 腕時計を翳す馬。
「ですが、元ネタを間違って解釈したのか、おっさんにしか通用しないようです。 それで投げ売りされているんでしょう」
「なるほど変声器付き蝶ネクタイも付いていないし、これは使えないな」

 国民的人気時計にまで、おっさん認定されたミハイル。
 夢の中でロシアンプリンなどという謎の食べ物を食べながら、閉店まで眠り続けていた。
「むにゃむにゃ……プリンにピーマンを入れやがったな……許さん、絶対にゆるさんぞ」

●F4チャイルドフロア
 夫婦で買い物に来た浪風 悠人(ja3452)&浪風 威鈴(ja8371)夫妻。
 妻・威鈴が足を止めたのは子供服売り場だった。
「悠人……ここ、見よう……」
 夫妻に子供はいない。
 悠人は目を輝かせる。
 妻が夫に、人生最大の吉報を告げる格好の場ではないか!
「威鈴! まさか」
「このスカート……可愛い」
「お腹に!」
 悠人の腰に女児用スカートをあてる威鈴。
「悠人に似合う……」
「そっちかよ!」
 いつも通りにツッコむ悠人。
「俺に女装させようとするな! そもそも子供服なんか入らないよ!」
 最近、女装が趣味というのが半公式化しつつある悠人。
 これも変な依頼のせいだ。
「まあいい、いずれそういう事もあるだろうし、下見してみるか」
「うん……」
 なんだかんだ言いながら、幸せそうに子供服売り場に入って行く二人。

 そこで見覚えのあるペンギン帽の少女と鉢合わせた。
 ラファル A ユーティライネン(jb4620)だ。
「よう、お二人さん、ここは子供服売り場だぜ?」
 にやにやしながら夫妻を眺めるラファル。
 すでに目が“弄る対象みっけ”と言っていた。
「知ってますよ、来ちゃいけないんですか」
 憮然と答える悠人。
「女装好きだとは聞いていたけど、子供服にまで手を広げるとはねー」
「どっから聞いたんですか! 一体、俺に関するどんな噂が流れてんですか!?」
 ツッコミをグミ打ちする悠人。
 ラファルは聞いちゃおらず、ごそごそとワゴンの中を探っている。
「その帽子……可愛い……」
 威鈴が悠人の影に隠れながら、恐る恐る呟いた。
「ん? これか?」
 ラファルが、選んだ帽子を被ってみせた。
「カピパラ帽だぜ! いつもペンギン帽子はV兵器なんでな、今日は普段着用のアニマル帽を探しに来たんだ」
 カピパラと言えば、温泉好きなでっかいネズミである。
 そんなものまであるからには、この店はアニマル帽が豊富らしい。
「おっ、このイルカ帽もかい〜な。 いや、俺のキャライメージに合せるならワイルドなシャチ帽か」
 悠人はラファルが候補に挙げている帽子を横から手に取り、帽子裏のタグを次々に確認した。
「シャチ帽はダメですね、家で洗濯が出来ない。 カピパラ帽は縫製が緩い。 総合的にこちらのヒヨコ帽がおススメです」
「悠人……頼もしい……」
「お前ら夫婦はどっちが主婦なんだよ!?」
 悠人が女子力を発揮している間に、売り場に新しいレポーターが来店。
 礼野 智美(ja3600)と美森 あやか(jb1451)の女の子コンビだ。

「パジャマもワンピースも揃って1000久遠? 幾ら子供服って言っても安すぎじゃない?」
 あやかが、あまりの安さをいぶかしんでいる。
「でも縫製もしっかりしてるし……一応国内生産のタグついてるし」
 智美も服を裏返したり、タグを見たりと安さの原因を探そうとしているが、見当たらない。
 安すぎて逆に不安になっている状態だ。
「……あ、智ちゃん、あれ、あの張り紙」
 あやかが棚に貼ってある張り紙を指差した。

【この店の品物は、全て久遠ヶ原学園洋裁部・和裁部の生徒が部活動の一環として作った物です。購入後七日後までのサイズ変更・欠陥品の交換については応じますが、その後の修理・クレームについては対応しておりませんので、その旨納得の上、ご購入下さい】

「なるほど、それなら安心できますね」
 言いながら浪風夫妻が売り場に入ってきた。
「二人も……下見……?」
 威鈴が遠慮がちに尋ねる。
「下見?」
 おそらく威鈴はあやかが自分と同じ“子供がいない主婦”だからそう尋ねたのだろう。
「いや、俺の義弟たちの服を探しに来たんだ」
 智美が答える。
「男の子だからなー、一緒に服見たがらないんだよ」
「悠人は……男だけどよく服見てる……」
「威鈴、余計な事言わないで!」
「それも女物な」
「ペンギン帽の人も、嘘言わないで下さい!」
 などと言いつつも、服を見始める一同。

「女の子なら、ワンピースはどう?」
「じゃぁ……色は……水色……とか緑……ぁ……オレンジも良いかも。 柄は羽根とか……?」
 将来に、ほんわか楽しげな夢を見る浪風夫妻。
「あの子、標準体型だから既製品買って行っても大丈夫だと思うけど?」
「子供の成長は早いし、この値段ならいいんじゃないかな? ええと、彼奴のサイズは……」
 実物がいるせいか、現実的視線の智美&あやか。
 と、それを傍で見ていたラファル。
 どうにも、ちょっかいかけたくなってウズウズしてくる。

「お客様、お待たせいたしました」
 悠人の元に女性店員が、紙袋を持ってきた。
 中には服が入っているようだ。
「なんですかこれ?」
「水色ベースに羽根柄のワンピースと言うご指定でしたよね? お客様が着られるということでサイズは大きなものをお探しいたしました」
「お客様って……俺?」
 青ざめる悠人。
 袋の中には悠人と威鈴が選んだ水色で羽根柄のワンピースが入っている。
「専門学校生の試作品なもので、たまに採寸を間違って大きく作ってしまう事があるんです。 まさか着て頂ける方が現れるとは!」
 店員は上機嫌だ。
「こ、こんなもの着られ……」
 ガタガタ震える悠人だが、
「着てやれ、失敗作を作った奴は落ち込んでいるだろうからな」
「着てあげれば、洋裁学校の生徒さんの励みになると思います」
「悠人……似合いそう……」
 智美にあやか、さらには威鈴にまで追いつめられる。
「あー! わかりました! 着ますよ! 着るしかないんでしょう、この空気は!」
 女児用ワンピースを着こんだ姿を、TVカメラの前に晒す悠人。
 もう完全にヤケである。 

「ケケッ! やっぱり弄りがいのある奴だぜ!」
 こんな指定をしたのはむろん、ラファル。 
 物影で闇笑いを浮かべつつ、Vサインを出していた。

 一方、水着売り場では如月 統真(ja7484)とエフェルメルツ・メーベルナッハ(ja7941)が腕を組んで水着を選びに来ていた。
「此処なら色んな水着を選べそうだね、エフィちゃん」
 エロショタな如月、ニヤニヤしながら同棲している恋人に色々な水着を試着させる。
「このチューブトップ着てみて! 次はこのモノキニ! でも本命はやっぱりこれ! マイクロビキニだよね!」
「可愛い水着、いっぱい……けどやっぱり、おっぱい入らない……」
 小さな水着に、大きな胸をぎゅうぎゅうとおしこめようとするエフィ。
「そうなの? でもこの売り場じゃ一番大きなサイズなんだよ〜、頑張って着てみて〜」
 嘘である。
 エロガキ如月はポロリ狙いでわざと小さな水着を着せているのだ。
「あ、ブラ切れちゃった……」
「ふふっ、最高――いや仕方ないね、試着した分、全部買って帰ろうか♪」
「いいの、統真?」
「僕はエフィちゃんの願いなら何でも叶えちゃうよ。 もし海で水着が切れても、別のを着ればいいじゃない」
「そうね、統真優しい」
 紐が切れたマイクロビキニ姿で統真に抱きつくエフィ。
 幼さに似合わない、ボリュームたっぷりのバストを顔で受け止めて、鼻の下をのばしている統真。
 実は統真、ここでもまた詭弁を使っている。
 金持ちのパトロンみたいな太っ腹を演じているが、今回の財布はTV局持ち。
 しかも、購入品は局預かりで今後の番組で必要に応じて“購入した本人に使わせていく”ルール。
 つまり……。

「ケケッ、ポロリするのはお前なんだよ、エロガキ」
 なぜかここでも物影から、闇笑いを浮かべているラファル。
 海、プール関係の番組に出た場合、今日如月名義で購入したマイクロビキニを着せられるのは如月自身である。
 不憫男・浪風 悠人に続く、第二の強制女装男がこの夏誕生する――かもしれない。

●F5バラエティフロア 
 本屋にいたのは、黒百合(ja0422)。
「楽しい楽しいショッピングの時間だわァ……さァ、何を購入しようかしらねェ♪」
 随行する新人カメラマンは、身長120センチしかない小さな少女のお供という事でほんわかしている。
「きゃはァ、いいわねェ…こんな本は滅多に見かけないわよォ……」
 黒百合がチョイスしたのは“世界の残虐拷問九十選”
 歴史上の身の毛もよだつような拷問の詳細と、それにかけられている最中の囚人の心情がじっくりねっとりと描かれている。
 他にも戦争中毒者の書いたノンフィクション小説“戦場は遊園地”とか、殺人鬼が処刑前に書いた手記“趣味としての殺人入門”とか、普通の書店では取扱いをお断りされそうな本を黒百合はホイホイと買い物籠に放り込んでいく。
 そのたびにカメラマンは息を詰まらせ、ついには少女の精神発育的な影響を心配して声をかけたのだが、
「心配しなくていいわよぉ♪ どうでTV局が持ってくれるんでしょぉ?」
 見当違いな返事が返ってくるばかりだ。
 保存の効く商品は局が預かる事になっているとルールを告げると、
「ならあなたが預かっておいてねぇ♪ 毎晩、部屋に読みに行くからぁ♪」
 とんでもない事を言われた。
 魔少女・黒百合に見入られた新人カメラマン君の運命やいかに?

 この島では希少な普通少年・黄昏ひりょ(jb3452)はCD屋の前で硬直していた。
「どうしたんですか? 黄昏さん」
 カメラマンより先に参加者の美幼女・雫(ja1894)が黄昏に声をかけた。
「雫さん……これ」
 黄昏が指差したのは一枚のポスターだった。

【懐かしのあの歌を、いま話題の久遠ヶ原学園教員陣が歌う!】

「うわっ、なんですかこれ? 宝井学園長が歌う“猫ないちゃった”とか、どの面下げて、あんなテンポのいい、可愛い曲を歌うんでしょうか?」
「CDで歌を聞くより、唄っている収録現場を見てみたいよね」
「オリジナル曲“くず鉄サンバ”ってのも凄そうですね」
「しかも唄っているのが、“あの先生”っていうのが神経を逆なでしますよね。 目の前でこのサンバを踊られたら、思わず大剣で切り付けてしまうかと思います」
「確認してみるわ」
「買うんですか!?」
 CDを手に取り、レジに向かう黄昏。
 タダでもいらない商品だとわかっていながら、なぜか買ってしまう。
「あとで感想聞かせて下さい――あ、貸してくれなくていいですから」
 予防線を張りつつ、雫は自分が気になる専門店へと向かった。

「刀剣を扱う店がデパートにあるのは珍しいですね」
 雫が入ったのは刀剣店。
 V兵器ではなく、中世や近代にかけてつくられた刀をメインに扱う店である。
「……なんでしょう? 客層が偏っている気がします」
 雫以外の客が、濃い。
 女性客ばかりなのだが、あちこちから“義行×兼定”とか“おじいちゃんが〜”とかいう謎の会話が聞こえてくる。
 「それにしても値段が2000円から30000円と言うのは安すぎる気もしますが?」
 店員に、安さの秘密を聞く。
「なるほど、ほとんどが名刀の模倣品ですか、若い刀鍛冶が作った習作的な」
 とりあえず納得して、手近な刀を眺めまわす雫。
「理由も真っ当ですし、作りもしっかりしているので買い得とは思うのですが……紛らわしい銘を付けるのどうなんでしょう? 雷切が電切、人間無骨を人間無職って……ビッグスターの物真似芸人みたいなもんなんですかね?」
 大人の世界と、腐った世界を同時に垣間見た気がする雫だった。

●F6インテリアフロア
 このフロアに来たのは、馬一頭のみだった。
 どうやら探していた蹄鉄を見つけたようだ。
「あった! しかも安いぞ!」
 なぜデパートに蹄鉄が売られているのか?
 それは、幸運を呼び込むお守りとして扱われているからだ。
 主に、玄関や部屋に飾る。
「よし……サイズは自力で合わせられる。 うん、いい買い物をしたぞ、友人にも教えてやらなくては」
 購入した蹄鉄を履き、興奮して駆けていく馬。
 階段を降りようとしたとたん、ヒヒィン〜! と悲しみに嘶く馬。 
 買ったばかりの蹄鉄がパックリ割れている。
 インテリア用の安物だけに、実用には耐えられなかったようである。
 幸運のお守りを割ってしまった馬、今後やいかに?

●F7レストラン街
「あそこの喫茶店で夏のスイーツフェア開催だって。 “超BIGホワイトベア” 面白そう! 特大で469久遠? 安いっ!」
 涼しげな垂れ幕を見て、店に飛び込んだのはボーイッシュな少女・鷹野 あきら(jc1550)
 席につき、さっそく注文をする。
「すいませーん、超BIGホワイトベアお願いしまーす!」
 出てきたのは白熊っぽい形に盛られた巨大かき氷。
 テーブルに乗せきれないほどのビッグサイズ!
「うわ大きい!――でも、これだけ?」
 本当にそれだけ。
 シロップさえかかっていない。
「表の垂れ幕には、アイス、フルーツ、餡子てんこ盛りな感じだったけど?」
 店員に聞くと“シロップ含め、トッピングは別料金です”との答え。
「要は氷だけなのね、これが安い理由だったんだ……」
 渋々冷たいだけの氷を食べ出すあきら。
 可哀そうなのでスタッフがトッピングを注文してあげたが、量が増えて増々辛そう。
「すっごく寒い……熱いコーヒー欲しい……!」
 世の世知辛さと、アイスクリーム頭痛に顔をしかめながらかき氷を食べるあきらであった。

 一方、がっつり系定食屋では常連客のオヤジたちを怯えさせる勢いで、蓮城 真緋呂(jb6120)が食いまくっていた。
「安くいっぱい食べられるってステキじゃな〜い? しかも食事代は局持ちよね? さらに注文れっつごー♪」
 もう何品目だろう?
 今度はハンバーグカレーチョモランマ盛を注文。
「んー? スパイシー&ジューシー。 普通に美味しいと思うのだけど、何故こんなに安いのかしら」
 店員は忙しそうなので、メニュー表を見てそれを探る。
 よくされる質問なのか、最終ページにそれが明記されていた。
「ほとんど食材は輸入品ね」
 よくあるよくあると頷く真緋呂。
「大量一括購入――王道ね」
 お上品なペースで食べられると捌ききれないから、ガッツリ系定食屋を出したのだろう。
「野菜は自家栽培か」
 安心を兼ねているのでポイントが高い。
 なかなかやり手のオーナーだと納得する真緋呂。
 だが次の一文に目を疑う。
「野菜栽培から調理まで一人で行っているので、人件費かかりませんΣ?」
 客の多さから見ても、一人で捌くのは至難の業である。
 しかも、一人で野菜栽培も行っている? 
「何か涙の味がする気がするわ……」
 安さと量を追求したあげく行き着いたのは、己の身を削る事。
 この味を堪能できるのは、そう長くないかもしれない。
 店主の体を心配しつつも、非情の追加注文をする真緋呂だった。


 今宵お送りした“激安デパートリーズ特集”
 安さの秘密がご理解いただけただろうか
 リーズにはまだまだ沢山の店舗があり、新規出店も続々予定されている。
 どんな店か? なぜ安いのか? 
 キミ自身が立ち寄り、その目で確かめて欲しい。
 知ってはならない事を、知ってしまうかもしれないが……。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 奇術士・エイルズレトラ マステリオ(ja2224)
 撃退士・金鞍 馬頭鬼(ja2735)
 聖槍を使いし者・カタリナ(ja5119)
 Eternal Wing・ミハイル・エッカート(jb0544)
 来し方抱き、行く末見つめ・黄昏ひりょ(jb3452)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
 『久遠ヶ原卒業試験』参加撃退士・鷹野 あきら(jc1550)
重体: −
面白かった!:14人

未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
撃退士・
金鞍 馬頭鬼(ja2735)

大学部6年75組 男 アーティスト
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
聖槍を使いし者・
カタリナ(ja5119)

大学部7年95組 女 ディバインナイト
幸せですが何か?・
如月 統真(ja7484)

大学部1年6組 男 ディバインナイト
二人ではだかのおつきあい・
エフェルメルツ・メーベルナッハ(ja7941)

中等部2年1組 女 インフィルトレイター
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
腕利き料理人・
美森 あやか(jb1451)

大学部2年6組 女 アストラルヴァンガード
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
家族と共に在る命・
アヴニール(jb8821)

中等部3年9組 女 インフィルトレイター
学園長FC終身名誉会員・
築田多紀(jb9792)

小等部5年1組 女 ダアト
『AT序章』MVP・
御剣 正宗(jc1380)

卒業 男 ルインズブレイド
『久遠ヶ原卒業試験』参加撃退士・
鷹野 あきら(jc1550)

中等部3年1組 女 ナイトウォーカー