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マスター:STANZA
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:7人
リプレイ完成日時:2013/03/17


みんなの思い出



オープニング


 三月三日はうれしい雛祭り。
 ここ久遠ヶ原学園の一角にも、豪華な雛壇が……
 あれ?
 真っ赤な毛氈が敷かれた雛壇はあるけど、肝心の雛人形が一体もないよ?
 それにこの雛壇、やけに大きくない?

 そう、この雛壇は普通の雛人形を飾るものではない。
 ここに飾られるのは、雛人形のコスプレをした人間なのだ。
「十二単とか着て?」
 そう。
「ドレスとか甲冑とか、洋風でも良いの?」
 勿論。和洋折衷でも、時代も次元も飛び越えたって構わない。
「足シビレるから、椅子とか持ち込んじゃだめ?」
 ソファでも玉座でも何でも来い。
「主役って、やっぱ一組だけだよね?」
 いやいや、何組いたって構いませんよ。
 いっそ全てが内裏雛とか全然OK。
「カップルじゃなきゃダメ?」
 いや、別に友達同士でも。
「……やっぱり男女ペア、だよね?」
 愛があれば性別なんて!
 ただし見た目は「男雛と女雛」になる様に、どちらかが異性装で。
「楽器とか、やりたいんだけど」
 五人囃子、歓迎。
「え、でも和楽器とか出来ない……」
 いいよ、何でも得意なもので!
「三人官女とかでも良い? 男だけど」
 女装して貰うけどね!
「……ひとり、なんだけど」
 普通の雛飾りには存在しないポジション作っちまえ!
「自分が飾られるのは、ちょっと恥ずかしい……」
 大道具や小道具、演出もあるよ!


 因みにこのリアル雛人形、ただ飾られていれば良いというものではない。
 飾られる方も、ただ人形の様にじぃっと大人しく座ってるだけではツライだろう。
 見てる方だってチラッと見て「へぇーきれいだねぇー」で終わってしまうかもしれないし。

 だ か ら。
 皆きれいに並んだ後は……いっつ、パフォーマンスターイム!!

 カップル参加の場合は、公衆の面前で思い切り砂糖を吐きまくるのも良し。
 お笑い方面に行っても良いし、自虐な方向に突っ走っても構わない。
 砂糖でも血反吐でも、吐いたものがギャラリーに受ければ、それは正義。
 鳴り物担当は実際に演奏を披露してみたり……
「賞とか、あるの?」
 勿論!
 詳しくは解説を見てね!


 雛壇に飾られ、暫しの間さらし者……いやいや、見世物、じゃない、注目の的となった後は、「お疲れ様会」として桃のお花見などは如何だろうか。
 勿論、桃の節句とは言えこの季節に自然の状態で桃の花が咲いている事はないだろう。
 桃の花はハリボテか、或いは花屋で調達したものを飾る事になるだろうが、そこを如何に自然な感じに見せるかもまた、裏方の腕の見せ所となりそうだ。
 雛コスはそのままでも、肩が凝るなら脱いでしまっても構わない。
 満開の桃花を愛でながら、のんびりまったり、お弁当でも広げて……


 興味を持たれたそこのあなた、如何ですか?
 お一人様でもカップルでも、友達同士のグループでも、参加形態はご自由に――



リプレイ本文

● 誰もいない雛壇


 まだ誰も飾られていない雛壇の遙か上方から、押し殺した様な不気味な歌声が聞こえて来る。
 歌っているのは、雛壇の最上部にぽつんと飾られた一本のぼんぼりだった。
 勿論、それは本物ではない。
「くくく…無駄にいちゃつくような機会など、私が逐一つぶしてみせるッ!」
 リア充に対するアレコレの想いに突き動かされ、ラグナ・グラウシード(ja3538)はとうとうこんな所まで来てしまったのだ…物理的にも、それ以外でも。
 ぼんぼりに扮した非モテ騎士は、雛壇に獲物が飾られるその瞬間を、今か今かと待ち構えていた。
 だが、世の中の彼氏彼女いない皆様が全て、この様な有様であると考えるのは早計だ。
「僕…私? は、恋人さん…いません、ので。裏方さんで、頑張り、ます」
 寧ろ蟻巣=ジャバウォック(jb3343)の様に影ながら応援しようと頑張る人々が多数派なのだろう。そうと信じたい。
「盛り上げる…頑張る、です」
 小道具担当として飾り付けを頑張る蟻巣は、黙々と自分の仕事をこなしていく。
 予め皆の希望を聞いて必要な物を揃え、舞台を整え…
 まだ肌寒い季節だというのに、終わった頃には汗びっしょり。
 とりあえずシャワーを浴びて、花見の時にでも皆に配ろうと用意した飲み物の中から一本失敬して喉を潤す。
 そして可愛いティラノサウルスの着ぐるみをオン。
「雛祭りの…飾り付け。どうぞ、見ていって…下さい、です」
 チラシを配りつつ、呼び込みを始めた。
 これで、お客さんも沢山集まってくれることだろう。



● 華やかな宴の舞台裏


 裏方さんが表で頑張ってくれていた、その頃。
 バックヤードは衣装の準備や打ち合わせをする者達でごった返していた。


「おーい、後輩たちー、燥ぐのも良いけどまずは着飾れー」
 夏雄(ja0559)の一声で、一条常盤(ja8160)、夏木 夕乃(ja9092)、弥生丸 輪磨(jb0341)の三人がびしっと整列する。
「さー、一条先輩に夏雄先輩、仲良く二人でおひなs…」
 だがしかし、夕乃の耳に飛び込んで来たのは常盤の真面目くさった声。
「余興ですか。二人羽織…とか?」
「違うよ一条先輩! 二人羽織はお正月の、しかもかくし芸的なやつだよ!」
 常盤は冗談だと真顔で頷くが、冗談には聞こえなかった。
「もー、信じちゃったよー…って、だから一条先輩! どうして真っ先に大臣の衣装を!?」
「三人とも可愛いんだからしっか…へい、そこの二人、何男らしい方の服着てるんだい…?」
「ああっ、ワスレ先輩まで白拍子に…!」
 後輩三人に雛祭りらしく可愛い格好をさせてみたい夏雄と、夏雄と常磐の内裏雛を見てみたい夕乃。しかし常磐と輪磨は期待とは真逆のチョイス。
「刀を持つなら、やはり右大臣左大臣だよね」
「私は右大臣が良いです」
「それなら、僕は左大臣かな。落ち着いた色合いの袴を着るのも中々乙、だよ?」
 右手に扇、左手に脇差を持って、剣扇舞でも踊ろうと思えば、十二単ではとても無理。
「ひな祭り関係ない? でもこれしか得意な見世物無いからね。…変かな?」
「…あぁ、うん。いいや…別に…」
 夏雄はぷるぷると首を振る。
(何だか凄いノリノリなんだもの…)
 とても口など挟めなかった。
「くっ、仕方ありません。今回は夏雄先輩だけで満足としましょう」
 夕乃は渋々妥協する。
「おいらは十二単を着ればいいのかな…うん」
 夏雄が着替えるその傍らで、左右大臣の違いについて蘊蓄を述べる常磐。
「大臣と呼ばれますが、武器を持つのは近衛府の人間で…誰も聞いてませんね」
 それでもメゲずに皆を褒めまくってみた。
「夏雄先輩、可愛いです。ゆーちゃんも可愛いよ」
「夏雄先輩かわいい、ちょうかわいい」
 自分は三人官女の格好に決めた夕乃も、早速写真を撮りまくっている。
「ああ、やっぱり和装って綺麗な黒髪の人が映えるんですよねー」
 だからこそ夏雄と常磐の内裏雛はお似合いだと思ったのだが、今回は涙を呑んで勘弁してあげよう。
「動きにくいけど…暖かいから良し…!」
 でも衣装が重すぎて雛壇登れないから、一番下で。
(…あ、やばい、暖かくて日差しが…これは…寝れる…)
 早速うとうとし始める夏雄だったが、ガチガチに固めた十二単は居眠りしたって倒れない。
 つまり多分、寝ててもバレない。
「ぼんぼりに爆発物を仕掛けるのは禁止です」
 常磐がその場に飾られた小道具をチェックするが…その遙か頭上に爆発物よりも危険なモノが潜んでいるとは、神ならぬ身の知る由もなかった。


「雛祭りな〜。すんげ〜久しぶりな気がする、こんなの」
「皆が雛人形? 楽しそうっ」
 嬉々としてパフォーマンスの計画を立てる久瀬 悠人(jb0684)と地領院 夢(jb0762)の姿を見て、蒸姫 ギア(jb4049)も何となくノリを合わせてみる。
「雛祭り…うん、雛祭りだなっ」
 だが、その発言であっさりバレてしまった。
「ああ、蒸姫は雛祭り初めてか」
「蒸姫さん、日本の伝統文化には余り詳しくないんでしたっけ」
「べっ、別にギア、雛祭りを知らないわけじゃないんだからなっ!」
 うん、わかった。知らないんだね。
 そういう事なら、責任を持って教えてあげよう…雛祭りの何たるかを。
 まずは悠人がヒリュウのチビを召喚し、そこに夢が小さな烏帽子を被せてお内裏様役の出来上がり。
「とっても可愛いっ」
 きゃっきゃと喜ぶ夢は、その隣でお姫様に扮している。
 だがこのお姫様、何とも過激と言うか目の毒と言うか…
「…夢、その改造は凄い」
 悠人が思わず写真に収めたその姿は、動き易い様にと帯から下をミニスカに改良したお雛様スタイル。
 魔法少女の戦闘服っぽく見えなくもないそれはきっと、見えても恥ずかしくない仕様になっているに違いない。
「良い土産になるな」
 悠人は夢の姉に写メするつもりらしい。
 そして悠人はギアと共に五人囃子っぽい格好を。今は二人しかいないけれど、きっと他にも楽器担当はいる筈だ。
「お二人も服装似合ってますっ。皆さんと一緒に演奏すれば、きっと立派なお囃子になりますよねっ」
 ヒリュウと手を取り合ってくるくる回る夢に褒められて、ギアもまんざらでもない気分らしい。
「雛祭りは、竜に貴人の格好をさせ、姫姿の女性と踊る祭りなのか…ギア覚えた」
 こくり、微笑にも満たない極微笑を漏らす。
 その姫達を護衛するのが、護人囃子と呼ばれる奏者に偽装したSPに違いない。
「夢、よく似合ってる…ギアも仕込み笛奏でつつ、しっかり護衛するから」
 それが大いなる勘違いである事を、彼はまだ知らなかった。


「キ・モ・ノー!! とっても綺麗ですねー」
 衣装部屋に並ぶ雛祭り用の装束を見て、マーシュ・マロウ(jb2618)は目をキラキラと輝かせる。
「皆さん本当のお人形さんみたいです」
 既に着替えを終えた仲間達の煌びやかな様子を見渡して、ぽわーっと夢心地。
「ヒナマツリとは、お人形になるお祭りだったのですねー」
 以前にも雛人形を飾る依頼に参加したが、雛祭りにも色々と流派があるらしい。
「お雛様の衣装って重そうですね…」
 雫(ja1894)は十二単を着込んだ仲間の様子を見て、少しばかりたじろいでいる様だ。
 しかし幸い、官女の衣装はそこまで重くはない。
「ほらほら、マーシュも雫もちゃんと着るんだよ!」
「え、私も着て良いのですか?」
 雪室 チルル(ja0220)の言葉に、マーシュはますます目を輝かせる、が。
「でも、これは…」
 差し出されたその衣装は、何となく他の皆とは違う気がする。
「だって、ただ三人官女をやっただけじゃ面白くないもの!」
 チルルが得意げに胸を張った。
 どうせなら派手に、カッコ良く。衣装の基本はそのままに、袴の裾を短くしたり、アーマーの肩当てっぽいものを付けてみたり、ぶっといベルトとか、変身ブレスとか…
「あと、色分けは外せないわ!」
 ピンク、ホワイト、イエロー、ブルー、三人官女が四人いたって良いじゃない!
「あたいはやっぱりブルーね!」
 ブルーと言っても水色に近い配色だ。ハンマーの如く巨大な長柄銚子を持って、早速ポーズを決めてみる。
「私はやっぱりホワイトでしょうか」
 大好きなマシュマロの色だからと、マーシュ。
「では、私はイエローにしましょう」
 雫が大きな黄色いリボンの付いた服を手に取る。自分のキャラとはどう考えても合いそうもないが、それでもピンクよりはマシなのではないかという消去法。
「それでは、私はピンクですね」
 メレク(jb2528)が頷く。
「普通の三人官女ですと、『銚子』『三方』『長柄銚子』という道具をそれぞれ持っているようですが…四人で行う場合、増やしましょうか?」
「いいけど、何を増やす?」
「調べた限りでは、各道具とも酒を注ぎ配る為のものの様ですから、徳利はいかがでしょうか」
「では、それは私が」
 雫は用意していたごく普通の長柄銚子を袂に隠し、一抱えもありそうな巨大徳利を受け取る。
 事前に考えたプランとは少し違うが、それはそれで楽しそうだ。
 そしてどう見ても金色に光るヤカンにしか見えない巨大銚子はマーシュに、波消しブロックに似た巨大三方はメレクに。
「じゃあ皆、行くわよ!」
「はい! チルルさん、雫さん、メレクさん、よろしくお願いしますね!」
 四人の三人官女は、元気に控え室を飛び出して行った。



● 飾られてみました


「随分と立派な雛壇だな」
 まだ誰もいない雛壇に桃の生花を飾りながら、狩衣に身を包んだレガロ・アルモニア(jb1616)はひとり呟く。
「見世物…か。まぁ、頼まれて受けたからにはやりきるしかないか」
 左右の大臣は既に配役が決まっているらしい。被っても構わないという事だったが、五人囃子に空きがあるならそちらに回った方が良いだろう。
「こんなところ…かな」
 桃の花の位置よし、角度よし。これをゴーストアローで狙い撃てば、花吹雪を降らせる事が出来るだろう。
 最後に、奇妙な形をしたぼんぼりの頭上に開いた扇を置いて…
「動かずにいて貰えると、助かるんだが」
「…」
 ぼんぼりが、目で頷いた。
 実はこれ、後に行われるパフォーマンスの為の仕込みだった。どう使われるかは、後でのお楽しみ。


「さて、この学園のひな祭りは、どんな感じかな」
 雛壇に一番乗りした輪磨は、ワクテカしながら他の参加者の入場を待っていた。
(皆が笑顔になれるようなお祭りだといい、かな?)
 その耳に聞こえ始める、雅な楽の音。
 まず最初に現れたのは、両手に太鼓を抱えた高虎 寧(ja0416)の姿だった。
「さあ、頑張ろう」
 楽師の衣装に身を包んだ寧は雛壇の中ほどに上がり、向かって左端へ。
「上手い訳じゃないけれど、要するに盛り上げれば良いのだから多少の拍子外れは大目に見てよね」
 大鼓を手にしたレガロと小鼓の悠人がそれに続き、笛を担当するギアがその隣へ。
 一番右端の謡の席にはエイルズレトラ マステリオ(ja2224)が座った。
「雛祭りは女の子の行事と聞きましたが、…まあ、騒いで良いのなら、存分に騒がせていただきましょう」
 演奏されているのは知らない曲ばかり…と言うか、それはもしやギアさんのオリジナル曲なのだろうか。
 それとも、ただ適当にぴーひょろ鳴らしているだけなのか。その割には、かなりそれっぽく聞こえるけれど。
「ならば、こちらも適当に合わせてみるとしますか」
 よく学校で行われる伝統芸能鑑賞会みたいなもので耳にする雅楽は、歌詞があっても聴き取れなかったり、意味がよくわからないものが殆どだ。
 多分、あんな風に声を張り上げてみればそれっぽく聞こえるだろう。
 ぴーひょろの合間に流れ出すボーイソプラノのうにゃうにゃ声。そこに打楽器がぽんつくぺんと加わって、何となく良い感じになってくる。
 その音に合わせて、下の段に陣取った夢がヒリュウのチビと一緒にくるくる回り出す。
 それと共に音楽もヒートアップ、まるで祭り囃子の様になってきた。
 赤い毛氈の上でステップを踏み、華麗にターンを決める。
 頭上からはエイルズレトラが歌いながら菱餅をばらまいていた。
 何も持っていない筈の手や、帽子の中、果ては耳の中から、袋詰めにされた小さめの菱餅が次から次へと飛び出して来る。
 それを観客が我先にと拾う姿は、まるで神社の豆まきの様だ。
 次いで大鼓を床に置いたレガロが弓を取り出し、遙か頭上の扇に狙いを定める。
「大丈夫だ、矢は安全なものに替えてある」
 誰にともなく言い、レガロは矢を放った。
 下から上に向けて矢を射るのはかなりの技術を要するものだが、レガロはいとも簡単そうに、ぼんぼりの頭上に置かれた扇を弾き飛ばした。
「しかし、こう…眠くなるよな」
 小鼓をぽんぽこしながら、悠人はうとうと…しかかった所に、チビの「寝るなよ」という視線が突き刺さる。
 そこに、観客席からどよめきの声が上がった。


「ひな祭りはお内裏様とお雛様だけじゃないんだから!」
 颯爽と現れた四色の三人官女、その名も――
「「官女戦隊、ヒナレンジャー!」」
 どどーん!
 雛壇の背後で派手な爆発ならぬ、フラッシュが光る! その中で、四人はびしっとポーズを決めた。
「「推参!!」」
 中央のピンクとホワイトがY字バランスを決め、その両脇でブルーとイエローが腕を広げて扇形を作る。
 イエローが耳まで真っ赤になって俯きながら、それでも頑張る姿が大いにウケたらしい。
 一段と大きな拍手と共に扇がばらけ、今度はメレクの提案による水芸が始まった。
 徳利から長柄銚子、銚子、三方へと酒代わりに水を移し回して注ぎ、各道具の本来の用途を披露する。
「しかし、三人間者とか人界も物騒なんだ」
「間者?」
 ピリピリと警戒しながら呟くギアに、夢が首を傾げ…もしかして、勘違いしてる?
「大丈夫ですよっ、これはお祭りなのっ」
 それに間者じゃなくて官女だし、護人囃子は誤認だし。
「そ、それくらい知ってるぞ。二人がいつ間違いに気付くか、試してただけなんだからなっ」
 でも真っ赤になってるのは何故だろう、ね。


 そして再下段では、いつの間にか剣舞が始まっていた。
 夕乃が奏でる横笛の音に乗せて詩を吟じつつ、輪磨が静かに、そして舞い散る花の様に踊る。

 春宵一刻値千金
 花有清香月有陰
 歌官楼台声細細
 鞦韆院落夜沈沈

 その傍らで、ふわりと香が香る。
 共に舞う常磐が衣に焚き染めたものだ。袖が振られる度に、それが仄かに香り…
「…ちょ! 弥生丸殿さっきから私の事扇で叩いてません!?」
「え、気のせいだよ」
 ぺしん!
 いや、気のせいじゃない。
「ん? 後輩たち…戦ってる?」
 剣とが触れ合う金属音に、ふと眠りから覚めた夏雄。
 ぼんやりとした頭で何となく状況を理解し、気だるげに扇子を広げる。
「…よし…がんばれー」
 止めないよ、眠いし怠いし。
「大丈夫、刃引きはしてあるよ」
 ほら、輪磨もそう言ってるし。



● いちゃついてみました


「ジャパニーズひな祭り、というやつですか。どんなものか楽しみですわ!」
 十二単を着込んで雛壇を見上げたクリスティーナ アップルトン(ja9941)は、いざ壇上の一番目立つ所に陣取ろうと勇んで足を上げ…
「…くっ、上がりませんわっ」
 十二単、侮れない。
 それでも根性で雛壇を這い上がり、気合いで名乗りを上げてみる。
「『久遠ヶ原の毒りんご姉妹』華麗に参上! ですわ」
 今日は一人だけど!


 その頭上を悠々と飛び越えて行く影ひとつ。
 それは美森 あやか(jb1451)をお姫様抱っこした美森 仁也(jb2552)の姿だった。
「ありがとう、お兄ちゃん」
 雛壇の上にそっと降ろされたあやかは、仁也に礼を言ってその隣に座る。
 お似合いの二人は、そのまま黙って飾られていた。
 コンテストには参加していないから、観客の目を惹く為に何かをする事もない。
「お兄ちゃんに見せたくて着ただけですもの」
 ――あやかの十二単姿も綺麗だろうね。
 仁也のその言葉に応えたくて、ただそれだけの為に参加したのだ。
「あやかは大丈夫? 足が痺れたり苦しくなったりしたら、すぐに言うんだよ?」
 悪魔として長い時を生きてきた仁也は年の功で長時間の正座も平気だが、現代っ子のあやかにはきついだろう。
 しかも、こんな重たい衣装を着ていては…
 だが仁也の心配を余所に、あやかはにこにこと楽しそうだ。
「お兄ちゃんの着付けが上手だから、大丈夫」
「まあ、伊達に長生きしていないからね」
 かつては本性を晒して鬼と間違われる事も多々あったが…その自分が内裏雛とは。
 隣に座る少女を見て、仁也は眩しそうに目を細めた。


「よーし! 若い子には負けないわよ!」
 弥生・ハスロ(jb3506)は内心のガクブルを見透かされない様にと、張り切って気合いを入れてみる…が。
 長年の付き合いである友人、天耀(jb4046)にはバレバレだった。
「まーたBBAが調子乗ってら」
「…何か言った?」
 じろり、凄みを効かせた視線が天耀を射る。
「な、何も言ってねえ! ほらみんな見てるしここは穏便に、な?」
「お姉さん。って呼びなさい?」
「は、はいっ」
 思わず冷汗をかきながら襟を正す。やはりBBAには勝てな…いえ、何でもありません。
 二人は正当派の内裏雛姿で雛壇へ。
 しかし普通に座っていたのでは面白くない。
「じゃあちょっとした手品でも披露すっかな」
 天耀はナイトミストで弥生の姿を隠すと、その着物に手をかけて思いっきり引っぺがした。
「ちょ、何をす…っ」
 でも安心、着物の下にはちゃんと桜色のフォーマルドレスを着込んでいたのだ。
「ほれ、折角盛り上げてやったんだから、あんたも何かやれよ」
「え? 私のパフォーマンス? えーとえーと…」
 いや、急にそんなこと言われても。
 でも実はドレスを仕込んだ時点でポーズの練習とかしちゃってた事は秘密だ。
「えぇい、もうどうにでもなれ!」
 びしっと決めた、多分今時のアイドルっぽいポーズ。
(…ぁ、痛い)
 我ながら、驚きの痛さだ。
 それは、ただただ哀れみの視線を向ける天耀の顔を見なくてもわかる。
 …もう帰っても良いかな?


 その上の段では、黒を基調とした着物姿の雨鵜 伊月(jb4335)と、薄いピンク系をベースにした小振袖を着た菊開 すみれ(ja6392)がイチャコラしていた。
 とは言っても、まだ友達以上恋人未満といった所だが…その先に進めずにいる原因は、主に伊月の方にありそうだった。
「もう…ちゃんとしないとダメだよ? 格好良いんだから」
 着物の乱れに気付いたすみれは、それを直すついでに抱き付く様な姿勢を取ってみる。
 ちょっと誘い受け、という訳だ。
 それに気付いた伊月は、勇気を出して抱き締めてみた…けれど。
「いきなりどうしたの? ちょっと、恥ずかしいよぉ…」
 すみれは照れた表情を見せて、お預けを喰らわせた。
 男にとっては「ちょっとそりゃないよー」な展開だ。
「えっ、あ、ごめん。どうすればいいか良く分んなくてな」
 ほら、落ち込んじゃった。
 ちょっと残念そうにすみれから離れて、伊月はがっくりと肩を落とす。
 大好きな気持ちを打ち明けられない自分に落胆の図。
 でも実は、そんな気持ちはとっくにバレバレだったりして…?
 つまり、結局そこは甘い空間という認識でよろしいですね。


 そしてこちらは、夫婦喧嘩の真っ最中だった。
 右大臣のメフィス・ロットハール(ja7041)と、左大臣のアスハ・ロットハール(ja8432)の間に流れる険悪な空気。
 いや、メフィスの方が一方的に黒いオーラを垂れ流している様だ。
「打ち合わせ通りに、な。メフィス…メフィス?」
 返事がない。どうやら相当にお怒りのご様子。
 原因は何かと言えば…
「…完治祝いでがんばってたのに…待ってたのに…!!」
「昨日の事、まだ怒っているの、か!?」
 先頃の依頼で重症を負ったアスハ。その完治を祝って、メフィスは手料理を用意して待っていたのだ。
 なのに彼はそれをすっぽかして、友人との食事を楽しんでいたという。
「あれはすまなかっ…!?」
 はらり、付け髭が落ちる。ルーンブレイドを手にした妻は本気だった。
 こうなったら仕方ない、潔く斬られて病院に逆戻りしよう――という訳にもいかないので、ひとまず守備に徹してみる。
 暫く暴れ回ったメフィスは、やがてふと我に返った。
「で、なんで怒ってたんだっけ?」
「…ぇ」
 どうやら暴れてスッキリしたら怒りも収まり、ついでに原因も忘れたらしい。
「…キミらしい、な。そんな所も、魅力、だが」
 苦笑いを漏らしながら、アスハは腕のスカーレットバンカーを構える。
 メフィスもルーンブレイドを構え直した。
「さぁ、来なさいアスハ!」
 ここからが本番だ。演舞という名の本気の手合わせが、彼等のパフォーマンス。
 そしていつの間にかすっかり仲直りしているという…夫婦喧嘩は犬も食わないとは、まさにこの事か。


「ジュンちゃんのお内裏様格好いいのです…」
「れふにーちゃんの十二単も、すごく可愛いー」
 Rehni Nam(ja5283)と亀山 淳紅(ja2261)、ほわほわした二人は手を繋いで雛壇に上がる。
「折角のエキシビジョンです、気合を入れるのですよ!」
「歌以外でこういう舞台に立つんはあんまりないし、今回はれふにーちゃんと一緒に演奏やし。わくわくするし嬉しいなぁ♪」
 レフニーは『莫邪』、淳紅は『干将』、お揃いの龍笛で演奏を披露するのだ。
「準備はOKです?」
 ちらりと見たレフニーに頷き、淳紅は観客に向かって深々と頭を下げた。
「それでは拙い演奏ですが、お聴きくださると幸いです」
 観客の拍手が鳴り止むと、静かな笛の音が流れ出す。
 曲は、誰もが知っている動揺や唱歌。
(技術的にはまだまだ足りませんけど、そこは想いでカバー!)
 この一年も、次の一年も、そして今も、すぐ隣には淳紅の姿がある。
 その幸せな想いを込めて、レフニーは音を奏でる。
 淳紅はふわりと舞い上がる彼女の音の下で、しっかりと地盤を固めるように意識して音を紡いでいた。
(音も飛ぶにはめいっぱい助走が必要やからね)
 共に高く、どこまでも遠くに。

 響け、どこまでも
 私の想いを乗せて
 この星の裏側までも

 届け、皆の心に
 私の想いの全て
 世界線すら飛び越えて

 やがて二つの音は溶け合って、空高く吸い込まれて行く。
「皆様、最後まで聞いて下さってありがとうございました!」


 二人の演奏を聴きながら、氷雨 静(ja4221)と龍仙 樹(jb0212)は仲睦まじく寄り添っていた。
 静の十二単は春の色である紅の薄様を襲色目に使っている。樹はオーソドックスなお内裏様の格好だった。
「少し恥ずかしゅうございますね」
「良く似合ってますよ…綺麗です、静さん」
 微笑を交わし、暫し笛の音に聞き入る。
「樹様とこうして時を同じくするだけで幸せですわ」
 やがて演奏が終わり、皆の注目が二人に集まる。
「ご存知でしたか? 雛祭りの起源は一説によると詩歌を詠む曲水の宴だそうですよ? 私たちも一首詠んでみませんか?」
「なるほど、面白そうですね…やってみましょう」
 まずは静から――

 桃薫る
 弥生の空に雪溶かす
 仄かに触れんその温もりを

「桃の花が薫る弥生のまだ寒い空の下、雪を溶かすような貴方の温もりにそっと触れたい…という意味ですわ」
「…では、返歌を…」

 寒空に
 身を震わせて凛と咲く
 桃花にも似た君抱き締めん

「あまり得意ではないのですが…上手く詠めたでしょうか?」
 その歌の通りに、樹はそっと静の体を抱き寄せてみる。
 桃の花の様に頬を染めた静は、その抱擁に身を任せた。
「…幸せです」
「私も幸せですよ…静さん」
 そして、耳元でそっと付け加える。
「貴方の心の雪も…凍てつく氷すら、いつか必ず全て溶かしてしまいますからね…」
 二人の頭上に、桃の花びらが舞い散る。
 それは、レガロが仕掛けた粋な演出だった。


 そして、雛壇の一番上。
 そこに向かって歩く星杜 焔(ja5378)は、ちらちらと後ろを気にしていた。
 雪成 藤花(ja0292)が手を繋いでくれないのは、もしかして正式エントリーにあぶれた事を怒っているからだろうか。
 だが勿論、そんな事はなかった。
「今日はこんな衣装ですし…」
 平安貴族に倣って慎ましやかに、三歩下がって後ろを歩くのだ。
「君がため 惜しからざりし 命さえ 長くもがなと 思ひけるかな」
 そっと口ずさんだのは、藤原義孝の歌。少しでも長く一緒にいたいと、そんな想いを綴った歌だ。
 やがて二人は壇上に並ぶ。
「焔さんは、とてもお似合いです」
「そう? 変じゃないかな〜?」
 髪色に合わせた海松の狩衣は彼女の見立てなのだから、似合わない筈がない。
 だが、どうにも照れくさい様だ。
 並んだ藤花は紅梅匂の五衣。二人とも、手にはカワヅザクラの枝を携えていた。
「藤花ちゃんはとても良く似合って可愛いよ〜」
 耳元でそっと囁いてみる。
「このままお嫁さんにしちゃいたいくらい…あ、いや…ふわふわのドレス姿も見たいや」
 彼女の一挙一動を、焔はにこにこと本当の笑顔で見守り受け入れていた。


 エイルズレトラが撒き散らした、菱餅型の三色紙吹雪が雛壇に舞う。
 そんな中、カメラを構えたティラノ蟻巣が皆に声をかけた。
「では…最後に記念撮影、します。雛壇の皆さんと、裏方さんも一緒に…撮るです」
 自分は写らなくても良いからと、蟻巣はシャッターを切る。
 誰か、この天使さんにタイマーの存在を教えてあげてくれませんかー?



● ぼっち降臨


「ふはははーっ! リア充どもめッ、盛者必衰だあッ!」
 その時、ぼんぼりが動いた。
 怒りの矛先を男雛に向け、雛壇から蹴落とそうと…したけれど。
 ぼんぼりには致命的な弱点があった。そう、手足を出す所がないのだ!
「うぐぐ…まさに手も足も出ないとはこのことかッ!」
 しかし、それでもメゲずに体全体をバネのように使って突き落としにかかる。
 が、見事に空振った!
 ごろん、ごろん、手も足も出ないまま雛壇を転がり落ちる。
 その下では、クリスティーナが天に向かって両手を広げていた。
「さぁっ! 私の準備はOKです。いつでも迎えにくるといいですわ!」
 竹取物語を聞きかじり、着物を着れば月からお迎えがくるものだと信じた彼女は叫ぶ。
 しかし、迎えに来たのは月からの使者ではなく…ぼんぼりだった。
 どーん!
 クリスティーナを巻き込み、三人官女を蹴散らし、五人囃子を押し潰して――
「ひと〜つ、人の不幸を願い、ふたつ、不埒な悪行三昧、み〜つ醜い嫉妬の鬼を、退治てくれます」
 最下段まで転がり落ちて、見上げた目の前に立ちはだかるヒナレンジャー、雫。
「いざ、成敗!」
 振りかざした長柄銚子にレガロが放った召雷符の雷が落ちる!
 あくまで演出だが、その効果は抜群だった。
「クリス嬢、私を笑ってくれ…この、リア充の一人も駆逐できない私を!」
 しかし、巻き込まれて一緒に成敗されたクリスティーナは笑うどころではない。
「これが…ジャパニーズひな祭り。思っていたよりずっと過激ですわね…」
 がくり。
 救急車、呼んだ方が良いかな…?



● 最後はのんびり


 雛壇の前に広がる広場は、すっかり春の装いになっていた。
 地面より少し高い位置に専用の遊歩道を作り、その両脇にありったけの桃の苗木を飾る。
 そこを通れば、地面から見るよりは多少近くで花が見られるだろうという配慮だったが…予算の都合でその大部分はハリボテだった。
 ハリボテにしては妙にリアルなのは、板に写真を貼ってあるから。
 そして、それを作り上げた本人…火鉈 千鳥(jb4299)は、その影で素知らぬ顔をして本など読んでいた。


 桃の花が咲き乱れる下に広げられた緋毛氈に座り、ギアがぽつり。
「夢、7日が誕生日だって、おめでとう」
 それを聞いて、夢は目を丸くした。
「…何か、変だったか…? …人界ではお祝いすると聞いたから」
「ううん、びっくりしただけ。蒸姫さん、ありがとう!」
 覚えていてくれたなんて。嬉しさの余り、夢は持っていた雛あられや菱餅を全て、ギアに押し付けた。
 …覚えていなかった悠人の分はどうなるのだろう。
「しっかしアレ旦那にも見せてやりたかったモンだ、写真撮って貰っときゃ良かったぜー」
「Σあの人にあんな姿見られたら、恥ずかしさでぶっ倒れるから!」
 天耀と弥生はそんな事を言い合っている。
 その向こうでは、あやかと仁也が豪華な弁当を広げていた。
「お兄ちゃん、美味しい?」
「あやかの料理はいつでも美味しいよ」
 アサリの味噌汁に炊き込みご飯、山菜の天麩羅に菜の花の辛し和えなど季節の素材を使った料理に、イチゴを乗せた菱餅風レアチーズケーキ。
 どれも愛情たっぷりの手料理だ。
「お花見にはちょっと早いですけど、こういうのもいいですね」
 こちらでは藤花が太巻き祭り寿司を控えめに頬張っている。
 千葉の郷土料理、桃の花やデフォルメされた兎の顔が金太郎飴のように出て来る細工巻きだ。
(私も少しは手伝いましたけど、やっぱり焔さんお上手です)
 満開の桃の花に、美味しいお弁当。そして隣には…
(ああ、歌を詠みたい気分です――)
「春の香の 芳しきにぞ 誘われて 君と歩くは 終の路まで」
 その歌は、焔の心に染み入っていく。
 去年も細工巻きを沢山作って配ったけれど…今年の春はまさかの自分にも春が来ていた。
「うん…、ずっと一緒に歩いていこうね」
 この春は、きっと守り抜く。誰にも壊させはしない。
「こんな日々がずっと続くと良いね!」
 向こうではすみれの笑顔が弾けていた。
 それを見て、伊月も自然と笑顔になって…思わず頭をなでなで。
 このままその唇に吸い付いてしまいたくなるけれど…我慢だ、我慢。
 その周囲ではチルルが元気に跳ね回り、マーシュが菱餅で昇天しそうになり、甘酒で酔っ払った雫がはしゃいでいる。
 十二単にくるまった夏雄はぐっすりと眠り込み、寧はまったり転寝で平安朝の夢を見る。


 春の日は、平和に暮れようとしていた。
 ごく一部の自業自得っぽい人を除いて――
 巻き込まれた人はご愁傷様でした。
 いや、ほんと…ごめんね?


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 伝説の撃退士・雪室 チルル(ja0220)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 KILL ALL RIAJU・ラグナ・グラウシード(ja3538)
 世界でただ1人の貴方へ・氷雨 静(ja4221)
 押すなよ?絶対押すなよ?・メフィス・ロットハール(ja7041)
 蒼を継ぐ魔術師・アスハ・A・R(ja8432)
 護楯・龍仙 樹(jb0212)
 無尽闘志・メレク(jb2528)
 メイドの土産に真心こめて・マーシュ・マロウ(jb2618)
重体: −
面白かった!:19人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
先駆けるモノ・
高虎 寧(ja0416)

大学部4年72組 女 鬼道忍軍
沫に結ぶ・
祭乃守 夏折(ja0559)

卒業 女 鬼道忍軍
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
世界でただ1人の貴方へ・
氷雨 静(ja4221)

大学部4年62組 女 ダアト
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
押すなよ?絶対押すなよ?・
メフィス・ロットハール(ja7041)

大学部7年107組 女 ルインズブレイド
常盤先生FC名誉会員・
一条常盤(ja8160)

大学部4年117組 女 ルインズブレイド
蒼を継ぐ魔術師・
アスハ・A・R(ja8432)

卒業 男 ダアト
華麗に参上!・
クリスティーナ アップルトン(ja9941)

卒業 女 ルインズブレイド
護楯・
龍仙 樹(jb0212)

卒業 男 ディバインナイト
絆紡ぐ召喚騎士・
久瀬 悠人(jb0684)

卒業 男 バハムートテイマー
絶望に舞うは夢の欠片・
地領院 夢(jb0762)

大学部1年281組 女 ナイトウォーカー
腕利き料理人・
美森 あやか(jb1451)

大学部2年6組 女 アストラルヴァンガード
大海原に覇を唱えし者・
レガロ・アルモニア(jb1616)

大学部6年178組 男 ナイトウォーカー
無尽闘志・
メレク(jb2528)

卒業 女 ルインズブレイド
メイドの土産に真心こめて・
マーシュ・マロウ(jb2618)

大学部3年154組 女 バハムートテイマー
Jabberwocky・
Maris N IfLaelia(jb3343)

大学部5年100組 女 アストラルヴァンガード
Man of Devil Fist・
天耀(jb4046)

大学部4年158組 男 ナイトウォーカー
ツンデレ刑事・
蒸姫 ギア(jb4049)

大学部2年152組 男 陰陽師
撃退士・
火鉈 千鳥(jb4299)

大学部4年7組 女 鬼道忍軍
ゲイルの嫁候補(ゝω・)・
雨鵜 伊月(jb4335)

大学部4年231組 男 ディバインナイト