●イカれちまったぜ
バレンタイン当日、久遠ヶ原学園周辺ではカップル達が幸せな時を過ごす者達で溢れ返っていた。
その他にも当日にチョコを買おうとする者、呼び出した意中の相手にチョコを渡す者、そんな人達で溢れ返っていた。
そんな中、異様な雰囲気を纏う者達がカップル達へと近づいてくるのが見えた。
その殆どが黒い格好だったり、覆面やマスクで顔を隠してたり、腕に『嫉妬』と赤文字で書かれた黒い腕章を付けていたりと……一言で言うと怪しさ全開だった。
周囲の人々が怪しい視線で彼らを見ていると、一団が左右に割れて中心から妙な覆面を被った赤いパンツ一丁の肉まん体系な男が出てきた。
覆面で顔を隠されているので撃退士・土方 勇(
ja3751)のような気もするが違うかもしれない。
「諸君、僕達はバレンタインが嫌いだ! よって、我らしっと団とMMSは今日この日、バレンタインデーという日を地獄に変えてやろうではないか!!」
勇の叫びに呼応するかのように周囲の男達は腕を掲げ、怒声を上げる。
そんな彼らをカップル達は「やだ、なにあれー?」とか馬鹿にするように見る。しかし、それはすぐに地獄へと変わった。
「よし、景気付けに僕が先陣をきろう! 天知る地知る、人ぞ知る。君のウソを知っている……僕は君の心。君の心はこう叫ぶ……『これは練習。夕方には本命ね』」
と言った瞬間、女は叫び声をあげ逃げ出し、男は「おい、それどういうことだよ!」と言いながら女を追いかけていった。
それを皮切りに、他のしっと団とMMSの団員達は己が嫉妬を満たす為に行動を開始した。
「闇夜を貫く白い閃光! 怪盗ダークフーキーン見参!」
建物の屋根には、仮面を被り白マントと白パンツの撃退士・イアン・J・アルビス(
ja0084)に良く似た怪盗が立っていた。
「カップルもリア充も殲滅!」
そう叫びながらアルビスはパンパンに膨れ上がった風船を地上のカップル(男のみ)へと力一杯投げつけた!
自分が狙われている事に気付いた男は彼女を突き放すとすぐに逃げ出そうとする。
だがそれは間に合う事無く、男へと風船は命中し中身が炸裂した!
水で溶いた小麦粉、摩り下ろしたトロロ、極めつけのトリモチが男の体を痒い地獄へと落としていく。
次々と命中し、白濁のネバネバが男達を痒みへと導いていくのを見ながら、アルビ……怪盗ダークフーキーンは笑い声を上げた。
「私達は止まらないし躊躇いも無いわぁ。勝利を得るか戦って死ぬかよぉ!」
同じく屋根の上に立った撃退士・雨宮アカリ(
ja4010)は、リア充へとライフル型水鉄砲に補充した特製タバスコにんにく水を撃ち込んで行く。
男には主に顔面目掛けて打ち込み、女にはお気に入りの服をにんにく臭で臭くしていく。
地べたに転げ回る男、お気に入りの服が汚れて涙目の女。
それを見ながらアカリは狂った笑いを放った。
軍服に髑髏の帽章が付いた軍服という格好の為に、何というか狂気さを感じた。
その騒動から逃げ出す人の波を塞ぐかのように出口に黒のダウンジャケットを着て、黒のニット帽を被り、顔をマスクで隠した宇佐美明吉の友人・神宮陽人(
ja0157)がクッチャクッチャと口の中でガムを噛みながら立っていた。
そして、その手にはかなり大型の水鉄砲が持たれており、何というかアクション映画のワンシーンのようだった。
「お前もペンキまみれにしてやろうか! フハハハハ!!」
その叫びと共にタンクに充填されていた水で薄めた赤ペンキを撃ち出した!
陽人の笑い声と共に、周囲が真っ赤に染まっていく。
そして少し離れたアーケードでは、そんな騒動が起きているのに気付かないカップル達を見ながら、2人は携帯からの開始の声を聞く。
「ええ、分りました。ほんなら行きましょ紫苑姉さまっ♪」
黒のタイトスカート、タイツ、サングラスで真っ黒に服装を染めて女装した撃退士・亀山 淳紅(
ja2261)は、隣に居る撃退士・神楽坂 紫苑(
ja0526)に笑いかけながら言う。
顔を黒い扇で隠していた着物美人に女装した紫苑は扇を閉じると、含み笑いをしながら。
「そうね? 怨みの力は、恐ろしい物よ……クスクス」
それに釣られて淳紅も笑う。
ちなみに紫苑は……体系が細く、綺麗な肌をして、髪をアップにしているからか、見るからにあっち系の店で働いているようにしか見えなかったりする。
そして彼らの悪戯は開始された。
まず最初に楽しそうに笑いながら歩くカップルの背後へと近づくと、紫苑は懐に隠していた氷を男の背中へと入れ通り過ぎる。
直後、いきなりの冷たさに飛び跳ねようとする瞬間にトリモチを投げて盛大に転ばせる。
殆どの男は真正面に転ぶが、時折ラッキースケベが居たのか彼女の胸に抱きついたり、スカートを落としてしまい周囲に眼福をもたらしたりして、力一杯ビンタを喰らわされたりしていた。
そして倒れた男へと淳紅が近づくと、両手にセットした黒板消しに白粉をタップリ付け、カップルへと盛大にアタックを行った。
「ハッピーホワイトバレンタインデー!」
歯をキラリと光らせながらそう言うと、瞬く間に逃げ出した。
そんな嵐のような珍事を呆気に取られた顔でファミレスから出てきたカップルは見ていた。
と、そこへ黒レザーファッションに身を包んだハードゲ……たぎるエロス・大城・博志(
ja0179)が腰を屈めながら振った状態で近づいてきた。
「んねぇ。私のプレゼントを貰ってぇ」
いきなり話しかけられた為に、彼女が信じられない顔で彼氏を見るが、全力で彼氏は否定する。
それを見るや否や、博志は口を尖らせながら両手を合わせ涙目となり、
「ひ、酷いわ酷いわ! 私との事は遊びだったのね! ――でもいいの! だから貰って、私の愛!」
と言って、ハート型のチョコを彼氏の口に押し込むと、脱兎の如く逃げ出した。
ちなみにこのチョコの中には、ドロリ濃縮ハバネロソースが入っているので、直後彼氏は悶絶し倒れた。
学園の並木道では純情な女子生徒が頬を染めながらチョコを差し出したり、ツンツンした女子生徒がそっぽを向きながら男子生徒にチョコレートを差し出すのが見えた。
そして、男子生徒達はそれを嬉しそうに受け取り、喜びに笑みを浮かべる。
直後、横から白いパイ投げ用のパイが顔面へと命中する。
「ふふふ……納豆入りのパイは臭かろう」
「説明しよう、しっと団とはカップル撲滅を掲げて学園内にバカ騒ぎを起こすモテない撃退士によって結成されたカオス気味のテロ組織っぽいのであるっ!」
邪悪な笑みを作る撃退士・虎綱・ガーフィールド(
ja3547)に肩車をされながら、撃退士・天道 花梨(
ja4264)は説明を行う。
ちなみに虎綱は花梨自作のダンボールキャッスルを身に纏い、花梨は真っ黒い魔法少女衣装を纏っていた。
「しっと団のメンバーや賛同者はしっとの闘士、通称しっ闘士と呼ばれる。今回はMMSの蜂起に伴いリア充を粛清に来ました。さあ、虎つ……ダンボール城よリア充に納豆パイを投げるのだわ!」
「流石総統殿、分ったで御座る!」
そう言うと、虎綱は納豆入りパイをリア充(男限定)に投げていくのだった。
ちなみに女性に当たるのを庇ったりする男性にはサムズアップと共に納豆抜きパイを零距離で当てたりもしていた。
女を守った心意気に免じて攻撃はしないでおこうと思ったが、やっぱりリア充めと言う嫉妬が勝ったのだろう……。
騒動が起こっている街中で撃退士・水瀬 ひなた(
ja4063)もしっと団の活動を行っていた。
「刺激を受けて恋が盛り上がるって最高だよねぇ?」
おっとりとした口調でそうは言っているが……ひなたの瞳は何というか、光が無いヤンデルと言わんばかりの瞳だった。
そして、そんな日向は街中の隅に置かれたリア充が乗ってきたであろう自転車に対して悪戯を行っていた。
持ってきた10本のブロッコリーを、10台の自転車のサドルと交換し始めていた。
何というか異様な光景であったが、本人は満足してるから良いだろう。
そんな彼女の視界にカップルが歩いているのが見え、クラッカーとシェイク済みのコーラを取り出すと盛大に祝う為に歩き出した。
「カップル、って、どんなモンなんでしょうかねぃ……」
路地裏前で九十七ちゃんマジ正義・十八 九十七(
ja4233)は呟く。
そんな時、コーラの匂いと服にクラッカーの残骸を付けながらカップルが九十七の目の前を走り去っていく。
瞬間、逃げるよりも先に襟首を掴むと路地裏へと引き摺っていった。
そして、彼氏の胸倉を掴むと女性とは思えぬ程の力で吊るし上げると、不気味に笑った。
「カップルってどォォォいうモンなんでしょうかねぃィィィ?」
と、隈のある目で九十七は彼氏を見ると、情けないほどの叫び声が上がるのだった。
「何処だ! 居たか!?」
「いや居ない! あっちか!」
MMS団員が必死になってダイエットアドバイザー・鳳 静矢(
ja3856)を探す。
理由は簡単だ。開始直後に彼の携帯に恋人からの電話がかかってきたからだ……。
しかも、全身チョコにして食べてくれるのを待ってると大きな声で言ったから、周囲の怒りが鰻登りだ。
結果、彼は裏切り者と呼ばれ、必死に逃げていた。
だが同時に静矢はある決意をしていた……。
全身を黒装束で包み、生クリームたっぷりでトロトロにしたチョコをバケツに入れながらブツブツと呟いていた。
「バレンタインなんて物があるから全身チョココーティングなんて思いつくんだ、思いつくんだぁぁぁ!」
心からの叫びと共に静矢は道行くカップルへとバケツのチョコを浴びせる。
チョコを浴びせられ絶叫するカップル達を見ながら、静矢は決意する。
「あんな悲劇を繰り返させない為にも、今ここで次の芽を絶たねば……っ!」
「居たぞっ! 裏切り者ーー!」
そんな背後からMMS団員に発見され、静矢へと襲い掛かってくる。
対抗すべく静矢はチョコの充填されたバケツを掴むと逃げる為に投げつけた。
「鳳さん……チョコ充填完了なのさぁねぃ……」
そんな彼をサポートすべく、撃退士・九十九(
ja1149)は再びバケツにチョコを並々と満たすのだった。
(「くそっ、非リアなんかと一緒にいられるか! ボクは一人で行動する!」)
学園内の空き教室の隅っこに撃退士・ヒンメル ヤディスロウ(
ja1041)が隠れて携帯を操っていた。
彼女には秘密があった。しっとに燃えていた彼女へと、運が良いのか悪いのか告白をされてそれを受けて晴れてカップルの誕生だった。
だがそれはしっと団にとっては裏切り行為であった。なので、ばれる前にヒンメルは早々に隠れ防衛を行う者達へと情報をリークしていた。
そして送信ボタンを押すと同時に、メールが届く。
恐る恐るメールを開くと……『見つけた。』の一文字。
それと同時に扉は開かれ、MMSとしっと団の粛清係が立っていた。
「ボクはまだ……死にたくない」
それが彼女の最後の言葉だった。
デパートの屋上ではバレンタインフェアの出店とヒーローショーが重なり、子供と初心なカップルで賑わっていた。
そして、ヒーローショーが開幕しようとした瞬間、何処からか笑い声が聞こえた。
「人が呼ぶ、時代が呼ぶ、同士が叫ぶ……リア充どもに天誅を下すべしと。その声に応え! ぼっちブラック参上!」
直後、屋上へ続く階段の上で黒い爆発が起こり、その上に戦隊物の黒のお面とマントをつけた撃退士・七種 戒(
ja1267)が立っていた。
ショーのイベントだろうと思ったのか子供達は歓声を上げる。
そんな子供達の声援を受けながら、戒はそこから飛び降りると都合よくその場に居たリア充へと走り出した。
「そのぴんくさ……除染させてもらうッ! ひっさぁぁぁつ、酵素で分解!」
叫びながらリア充へと消臭剤と消毒アルコールをぶちまけていく。
最後に『バレンタイン中止のお知らせ』と書かれた紙を貼り付けると、去っていった。
そして、出店の方でも奇怪な格好をした人物が居た。
「こーほー(そこのチョコをすべてください)」
ある映画の闇に堕ちた卿のコスプレをした思索生知・楠 侑紗(
ja3231)がチョコレートを買い占めていた。
女性店員は出された三千円をビクビクと受け取り、チョコレートを渡す。
少し値段以上の量があったが、危険な気がしてそうしたのだろう。
それを受け取ると、ダース・アリサは隅のベンチへと移動すると地上を観察し始めた。
「……理由が、必要なのです」
と呟き、チョコを食べるのだった。
●傍観者は見た〜そして、裏切りへ〜
「今デパート屋上で面白い事が起きているのでお勧めですよ♪」
携帯の相手へと撃退士・ドラグレイ・ミストダスト(
ja0664)がそう言いながら、しっと団とMMSの団員へと近づく。
一応【取材班】という腕章を付けているからか、襲われる心配は無いようだ。
「こんにちは、現在の状況は順調ですか♪」
「「まだだ、まだバレンタインは続いているんだ!」」
嫉妬の炎を燃やしながら、団員達は叫びを上げる。
『苛烈なバレンタイン! 愛と嫉妬の宿命の対決の結果は如何に!? ……っと』
携帯から興奮気味にジャーナリスト・燕明寺 真名(
ja0697)が言いながら声が一瞬止まる。
『……ふふふ、この特ダネ、逃すわけないでしょう。さぁ、取材開始よ!』
と言って通話が切れる瞬間、戦場のような激しい音が聞こえた。
「……現在午後1時、場所は商店街……いろんな意味で賑わってる、かも」
ビデオカメラにウォークラリーPV制作隊・アトリアーナ(
ja1403)が映り、地面が映りすぐに商店街の騒動が映った。
黒尽くめの者達がカップルやリア充を根絶やしにする為に爆発していた。
そんな彼らへと、撃退士・逸宮 焔寿(
ja2900)が突撃取材を行い、写真を撮ったり音声を残したりをしていた。
ちなみに近づきすぎていたからか巻き込まれて足りもしていた。
と、そんな時ビデオカメラに戦隊物の黒お面を被り、子供達と一緒に走っていく者が見えた。
「……戒発見、かも」
そう言いながら彼女は動向をチェックする為に後を追いかけ始めるのだった。
「商店街はこんな感じ、かも」
「ハッピーバレンタイン♪」
黒いサバゲー装備を着たウォークラリーPV制作隊・鳥海 月花 (
ja1538)が楽しそうにそう言って、水鉄砲を構えて次々とリア充へと攻撃していく。
そんな中、運悪くカップルが逃げた方に立っていた取材中の笑激の紙袋・市川 聡美(
ja0304)の口へと入り、あまりの辛さにその場で転げ回った。
「か、辛〜い! けど、が……我慢だよ!」
普通ならそのまま昏倒するかも知れない程の辛さだった。
しかし、彼女は非公式新聞部として記事作成の為に簡単に諦めようとはしない。
「今誰かに当たりましたけど……往生際が悪いカップルさんですね。チョコの方がいいと? なら差し上げますよ!」
聡美がカメラを再び構えると同時に、カップルへと月花が液チョコ爆弾を投げつけた……聡美の立つ進路上に。
シャッターが切られながら、聡美のカメラは液チョコ爆弾を投げる月花の姿をフィルムへと収めていくのだった。
「しかし、若さゆえの暴走といっても良くやるものだと思う」
そう言いながら、撃退士・天風 静流(
ja0373)は情報誌に載っていた喫茶店のカウンターで外を眺める。
何というか、阿鼻叫喚となっていた。
一体この騒動で何組のカップルが、何名のリア充が犠牲となっているだろう。
そう思ってたら激しい音と共に店の扉が蹴破られ、嫉妬に駆られた男が現れた。
「ひゃっはー! カップル共を大蒜塗れだー!」
叫びながらパックに容れた摩り下ろし大蒜をぶちまけようとした。しかしその瞬間、静流が素早く動き男を昏倒させる。
「特に手を出すつもりは無いのだが、こちらに向かってきたから寝ていてもらおうか」
そう呟くと、静流は再びカウンターに座りホットチョコレートに口をつけた。
「くくく、これはいい憂さ晴らしになりそうだな!」
黒尽くめのコートを着た撃退士・ラグナ・グラウシード(
ja3538)が笑いながら、仲間達を引き連れカップル狩りに勤しんでいた。
そんな中、ラグナが接近しようとする曲がり角で美少女探偵・エルレーン・バルハザード(
ja0889)は蹲りながら笑いを堪えていた。
(「うふふ……待ってなさい、なの」)
そして、時はやってきた。
ラグナ達がエルレーンが隠れた道を通り過ぎようとした瞬間、エルレーンは飛び出しラグナへと駆け寄り。
「これっ……一生懸命作ったチョコです! もらってくださいっ」
「?! ……なっ」
にこっと愛らしく笑い、箱を差し出した挙句、中身を大声で叫んだ。
直後、ラグナと共に歩いていた仲間は彼を囲み始めた……血走った瞳で。
それを見届け、すぐさまエルレーンはその場を駆け出すように走り出した……精一杯差し出して逃げていくように。
「ち、違うんだ同志達よ、や、やつは私の敵で……!」
「問答、無用……」
弁明を行うが、仲間は話を聞きはしない……コイツは裏切り者だ。
その思いが彼らの中に芽生えたのだから。そして、ラグナの悲鳴が上がった。
「うふふ、私に意地悪するラグナなんて、おしおきなんだからねっ!」
悪党のような笑顔を浮かべながらエルレーンは呟く。
それが、防衛組にとっての開戦の始まりを意味していた。
●嫉妬達に天誅を
「ふははは、もっとだ。もっとカップルに天誅を!」
肉まん体系のしっと仮面の中のカップルリア充狩りのボルテージがマックスに溜まりそうになった頃、天使の羽を付けた純白の衣装を着た少女が近づいて来た。
「あ、あの、恐れ入りますが、MMSの方でしょうか……?」
「いや、我らは誇り高きしっと団だ!」
「そ……そうですか、私、大変な失礼を……お詫びの印と申しましては何ですが、こちらを……」
そう言って、撃退士・シェルティ・ランフォード(
ja5363)は彼へとラッピングされた手作りのチョコマフィンを差し出した。
出された物は受け取ってしまう人間の習性が働いたのか、それをつい受け取ってしまった瞬間、すぐ近くの別の団員の前にも天使は居た。
「僕の手作りチョコです……食べて貰えますか……?」
「これ、作ってみたんですけど……よかったら」
と、頬を染めもじもじしながら内緒のパティシエール・権現堂 幸桜(
ja3264)がチョコを差し出した。
一目見れば可憐な少女に見えるのだが、性別上では男だったりする。
同じように天使コスの新入生・カタリナ(
ja5119)が幸桜があげた相手の隣に居た男へとチョコを差し出していた。
直後、チョコを渡された3人がしっと団、MMS両グループから集団リンチを受ける事となった!
同時にチョコを渡した3人を撃退する為に周囲の攻撃が始まった。
トリモチが投げつけられたり、液チョコ爆弾が投下されたり、水鉄砲が撃ち出されたりしていくが、3人は急いでこの場を離れる為に走り出す。
途中何度か狙われ、命中しそうになったが撃退士・加倉 一臣(
ja5823)がビニール傘を広げ守ってくれていた。
だが、多勢に無勢で防御し切れなかった攻撃がカタリナへと向かっていく。
「リナさん、危ない!」
しかしそれを幸桜が身を挺して庇い、命中する事は無かった。
そのまま、背中に色々を浴びながら4人は身を隠す。
「リナさん、怪我は無いですか? 大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます……私は大丈夫です、その……コハルが、護ってくれましたから」
心配そうに見る幸桜に対し、カタリナは頬を染めて顔を背ける。
といったラブい雰囲気を出していた瞬間。
「ふっ……――防衛なんてやってられるかこのリア充めが!」
傘を圧し折り、一臣が嫉妬の炎に包まれ、敵となりチョコ飴をパチンコで打ち出そうとする。
それからカタリナを護ろうと幸桜は体を強張らせる。
だがそんな2人の肩に撃退士・権現堂 桜弥(
ja4461)が手を置き、前に出た。
「ここは私に任せて貰えますか……加倉さん、私達を裏切るとどうなるか解っているのですよね?」
「う……こ、この世にはチョコより大事なものがあるって事を思い知らせてやるぜ!」
「ええ、ありますよね。それは――裏切り者への制裁」
直後、桜弥が素早く一臣との間合いを詰め、哀れむ様に見る。
「残念です。本当は私からも手作りチョコをあげようと思っていたのに……」
「私も終わってから差し上げようと思っておりましたのに」
「私も加倉さんの分、用意してますのに……」
桜弥、シェルティ、カタリナの言葉と共に、ロッドが一臣の顎を突き上げ、意識を刈り取っていく。
そんな彼の上に、3人はチョコを置き……極め付けに桜弥が言った。
「義理です」
「今向こうの行き止まりにMMSの連中がカップルを追って入っていきました。叩くなら今です」
「ご協力、感謝します!」
キャップとマスクで顔を隠した倒れても諦めない男・笹鳴 十一(
ja0101)が防衛を行っている者達にそう言うとすぐさまその場を離れた。
そして、暫く歩いた頃にキャップとマスクを取ると変わりに般若の面を被った。
とそこにしっと団の団員が通りがかった。
「お、ちょうど良かったぜ、向こうでMMSの連中が防衛の連中に襲われてるから助けに行ってくれよ」
「わかった!」
そう言って団員は防衛が向かった方へと走っていった。
それを見て、十一は面の中でほくそ笑んだ。
と、そんな彼の背後に、一人の幼女が立っていた。
「これ……貰ってください」
「えっ!?」
頬を赤らめチョコを渡すと、幼女(撃退士・雫(
ja1894))は逃げるように去っていった。
十一はばれる前にそれを処分しなければと思った。しかし、時既に遅く……彼を取り囲むようにMMSが立っていた。
(「あれ……何で私、此処に居るんでしたっけ……?」)
嫉妬と防衛が戦う中で撃退士・マキナ・ベルヴェルク(
ja0067)はふと疑問に思う。
そんな時、携帯へと着信が鳴り相手を見るとWF☆コンテスト入賞・桐原 雅(
ja1822)だった。
『こっちはイベント会場で接客しながら嫉妬の炎を燃やしてる人をご退場願っているよ。マキナ先輩の方は?』
「え、あ……あぁそうでした。イベントに乗じた暴動を鎮圧する為でした……ね」
自分が此処にいる意味を思い出しながらマキナは周囲を見る。
すると、魔を絶つ紅蓮の剣・久遠 仁刀(
ja2464)がぼろぼろになりながらも、両手を広げ嫉妬達を説得していた。
「妬ましいという気持ちも分らないでもない、嫉妬するより相手を探せとかそう言う問題でもない、んだろうな。俺にもそういう相手がいる訳ではないが、そもそもよく分らないというのもある。だから、こんな事はもう止めるんだ!」
叫びながら仁刀は説得を続ける。しかし、嫉妬に燃える者には通用しなかった。
四方八方からの集中砲火を受け、ボロボロになるが……仁刀は倒れなかった。
そして、同じ頃イベント会場では雅が入口に詰め掛けようとするMMSにトレーやメニューを投げつけたり、一般人を装ったしっと団の背後へと近づき、抱き付くようにして首を絞めて落としていた。
ちなみにベンチでチョコを食べていたダース・アリサもその内の一人だったりする。
(「ホントは蹴り出す方が得意なんだけど……皆の楽しい一時の邪魔はしたくないもんね」)
そんな時、繋いだままの携帯からマキナの声が聞こえた。
「やり過ぎ? やり過ぎはそちらでしょう」
その言葉と共に、殴り付ける音が響いた。きっとやり過ぎている者に鉄拳制裁を放っているのだろう。
そんな彼女に、雅は羨ましいと思うのだった。
バレンタイン特別の生チョコたっぷりシュークリームを口に入れながら撃退士・与那覇 アリサ(
ja0057)は虎猫の虎行を頭に乗せて歩いていた。
「怪我人が出ないように見回るるかなー」
そう言いながら、今度はチョコ入りの大判焼きを買ってアリサは食べる。
「ボクの気持ち、受け取ってください……っ」
と、アリサの耳に恋人の撃退士・清清 清(
ja3434)の声が聞こえ、振り向くと撃退士・鳴上悠(
ja3452)と共にチョコを配っていた。
アリサが見てる中で清と悠が渡した者達が仲間割れをしていき、2人が次々とチョコを渡していき……事件は起きた。
正体が分ったのか清へと次々とMMSとしっと団が押し寄せて行き、身の危険を感じ始めた瞬間。
「テメーら、覚悟はいいんだろーなァ?」
叫びながらアリサがキレてアイアンクローで相手を静めながら清へと近づいてくる。
そんな彼女の背後から攻撃しようとする相手へと、清が魔法を打ち込んだ。
「少し、頭冷やしましょうよ……」
混沌がますます混沌となった。
裏切り者が居る。そんなメールが匿名で嫉妬達へと届き、添付されてた画像を見ると、ヒンメルやら虎綱やら何名かの団員達の姿がチョコを持ったり、作ってたりしていた。
直後、画像に写ったいた者達を倒すべく、嫉妬達は走り出した。
それを学園の一室で望遠鏡で眺めながら、撃退士・黒百合(
ja0422)は笑みを浮かべた。
「素敵でぇ、幸せなぁ……バレンタインにしましょうねぇ」
しかし、それとは別の思惑が働いていた。
学園のSNSやBBSへと防衛組へ嫉妬を煽るような画像が投下されていたのだ。
「目には目を、歯には歯を情報戦には情報戦をです」
そう呟きながら究極のチラリズム・楯清十郎(
ja2990)は学園の一室でパソコンを操る。
それが彼らなりの嫉妬と防衛なのだろう。
情報が右往左往する中、撃退士・御暁 零斗(
ja0548)は嫉妬の中に紛れ込み、嘘情報を送り続ける。
結果、その地区の統率がバラバラになり始め、好き勝手にやり始めていた。
そんな中で、アイシクル・アイズ・影野 恭弥(
ja0018)も一人一人確実に嫉妬達を倒していた。
「実はあんたにこれを渡して欲しいって頼まれたんだよ、可愛い子だったよ」
嘘を言いながらプレゼントを渡すと、周囲の嫉妬達が取り合いとなり次々と倒れ、勝ち取った者は激辛唐辛子エキスチョコの辛さに昏倒していた。
そんな中で零斗は悪質な犯行を目撃する。
「なんだか騒がし……わきゃぁぁっ!?」
撃退士・峰谷恵(
ja0699)がトリモチに巻き込まれて、着ていたブラウスが弾け豊満な胸がブルンと揺れた。
それを見た瞬間、悪質なものと決定し零斗は石を掴むとトリモチを投げた相手へとそれを投げた。
「とある有名な言葉をあえて言ってやろう『撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ』とな」
倒れる者を見ながら零斗はそう言うと走り出した。
「あの、これ、受け取って貰えませんか?」
虎綱がダンボールを脱ぎ捨て逃げている所に、黒い鬘とワンピースで変装した対変態専用ムダ毛毟り職人・ルーネ(
ja3012)が近づくと、チョコタルトを差し出した。
そして、返答を聞く前に突きつける様に渡すと、すぐさまその場を離れた。
離れるルーネの背後からは虎綱の叫び声が聞こえ、彼女は笑みを浮かべる。
だがその直後、建物の上から黒い魔女スタイルの憐憫穿ちし真理の魔女・蒼波セツナ(
ja1159)が次々と風船を落としていくのが見えた。
「吹っ飛びなさい!」
真っ赤な粉唐辛子入り、真っ黒な黒胡椒入りの風船が地面に落ちると弾け、周囲に煙のようにそれらを撒き散らし、くしゃみと叫びの阿鼻叫喚を生み出していく。
時折、うにゃ〜と言う鳴き声も聞こえたりもしたが、誰かの叫び声だろう。
その様を双眼鏡で眺めながら、セツナは高く笑うと次の風船を用意する。
だがそれは阻まれた。
「真理の魔女……悪いが、テメェの行動は阻ませて貰う」
本能に従うまま、ルーネはセツナの元へと走り出したようだ。
「邪魔は、させないよ」
対抗すべく、風船を構えると2人は戦いを始めた。
そして、それを歩道橋の上から眺めながら死神と踊る剣士・鳳月 威織(
ja0339)は呟く。
「天国のお祖父ちゃん。久遠ヶ原は怖いところです……行かなくて良かった」
戦闘狂の威織も怖がるほどのものであった。
「バレンタインは、恋する女の子みんなの応援日、それを台無しになんてさせない。犬乃さんぽ、またの名を御庭番刑事……お前達許さないんだよ!」
ヨーヨー美少女(♂)・犬乃 さんぽ(
ja1272)の向上と共に、構えたヨーヨーの蓋が開き、学園恋愛機構のハートマークが光を放った。
だが、さんぽが叫んだ相手……戒はカップルに除染攻撃を仕掛けるのに夢中だった。
そんな彼女へと、撃退士・麻生 遊夜(
ja1838)が駆け寄るとハリセンで攻撃を仕掛けた。
「大人しく眠ってろぉ!」
「きみか、やられるわけにはいかないな!」
そう言って、2人は戦いを始め、そこに通り掛った静矢がチョコを浴びせようと近づいた。
「静矢、邪魔はさせない!」
撃退士・南雲 輝瑠(
ja1738)が水鉄砲を撃ちながら、接近させないようにする。
それを少し離れた場所で撃退士・御伽 炯々(
ja1693)は覗いている。
「何やってるんだろうなぁ……っと、此処は通さないぜ」
近づいてくるしっと団へと炯々はパチンコでボールチョコを打ち出した。
ヨーヨーを構えたまま、さんぽは如何するべきかと固まる。そんな彼の背中へと何かが圧し掛かる感覚と酒臭い息が鼻を突いた。
「男女無差別攻撃! 覚悟しろ〜♪」
既にもうベロンベロンで敵味方の区別が付いていないお陽さまお姉さん・雀原 麦子(
ja1553)が抱きついてきたのだ。
「ひゃうわ!? す、雀原先輩、離れてぇ〜!」
「らにを〜! んぐんぐっ、そう言うこと言う奴は、CHU〜BATUだ〜♪」
麦子の言葉と共に、さんぽの悲鳴が上がった。
「馬鹿なことする人たちもいるもんですね」
そう呟きながら撃退士・ジェイニー・サックストン(
ja3784)は公園のベンチで座り込んでいた。
そんな彼女の周りには立て看板が置かれていた。そこには……。
『貴女のバレンタインを守ります。』
と、大きめな文字で書かれていた。
そこへ女学生がゾンビの様に迫り来るしっと団やMMSの魔の手から逃れようと必死に走ってきていた。
普通なら何かの冗談とか、遊びだろうと思うだろう。しかし、女学生の目にその看板は飛び込んできた。
藁をも掴む勢いで女学生はジェイニーに『助けて!』と頼むと共に、依頼金を急いで差し出した。
「まいどあり。報酬分の仕事は行います」
そう言うと、左のレンズがひび割れたメガネを掛け直すとゴムスタンガンを構えた。
幸いにも、迫り来るゾン……嫉妬達は全員男だ。
ジェイニーは口元に笑みを作ると、引き金を引いた。
「済みませんが、私の駄賃になってください」
その台詞とともに放たれたゴムスタン弾は、的確に嫉妬男達の急所へと吸い込まれていった。
直後、公園に男の絶叫のハーモニーが奏でられた。
「あはは。せっかくのバレンタイン、邪魔しちゃダメですよ?」
そう呟きながら内緒のパティシエール・氷雨 静(
ja4221)は自らが起こしたMMS達の同士討ちを見る。
よく見ると、女性に対して撃退士・礼野 智美(
ja3600)が微笑みかけながら、ミニ薔薇と菫を一輪ずつあしらい、干し果実やナッツを入れたホワイトチョコを差し出していく。
「女性が争いに加担するのは危険ですよ……貴方が危険に晒されるのは見たくありません」
薄い桃色の和紙に包まれたそれは、イケメンのような外見をした智美と相まって女団員をメロメロにしていく。
ちなみに数に限りがあるので、もう少ししたら取り合いが始まるだろう……。
そんな彼女達を他所に、撃退士・中津 謳華(
ja4212)はその光景を見ながら……。
「仲睦まじきは良い事だ」
天然なのか、一致団結しているのを見てなのかは分らない、だが彼にはそう見えたようだ。
そんな彼を見ながら撃退士・楠木 くるみ子(
ja3222)が口を開く。
「謳華よ、結局は何が目的なのじゃ?」
よく分らずに謳華についてきた彼女は首を捻る。そんな彼女へと、チョコ饅頭と花束を差し出した。
「……外国では男からも女性に渡すものと聞いた、良かったら貰ってくれ」
「うむ、よく分らぬが……貰っておくとしようかのう」
そう言ってくるみ子はそれを受け取った。彼女自身は気付いていなかったが、何処か嬉しそうな表情で……。
2人を観察しながら、撃退士・石田 神楽(
ja4485)は周囲を見る。
嫉妬達の炎が謳華とくるみ子に集中しているのが見えた。
(「はてさて、どうなる事やら……」)
呟きながら神楽は腹黒い笑みを浮かべながら観察をするのだった。
「あの人、彼氏居ますよ。あ、あっちの女性はこの間彼氏とデートしていました」
一般人を装いながら撃退士・ヴィーヴィル・V・シュタイン(
ja1097)はチョコを配り、不和を煽っていく。
そのすぐ近くでは黒いゴスロリの黒猫の耳と尻尾を付け、猫の顔のペイントをした撃退士・沙 月子(
ja1773)が建物の上からチョコを雨のようにばら撒いていた。
「私の名は怪盗ムーンキャット。さあ受け取るがいいにゃ! 本命がもらえないなら、義理を貰えばいいのにゃ!」
叫びながらどんどんとチョコを投げ男達が拾っていくのを見て、月子は笑うのだった。
●すべてが終わって……。
夕日が沈む頃、しっと団とMMSの殆どの団員は鎮圧され、地に伏していた。
同じようにスンスン泣く女子や、激辛塗れの男子、震えるカップル、そんな様々な人がいたる所にいた。
そんな中で、幸桜へとカタリナが恥ずかしそうにチョコを差し出す。
「コハル、今日はありがとう……これ、コハルの分、です……」
「え、あ……ぼ、僕もチョコを作ってきました……」
それに対して幸桜も恥ずかしそうにカタリナへとチョコを差し出す。
互いが互いの行動に目を点にしたが、すぐに自然と笑みが零れ、笑い出した。
そんな時、尊き血族・ファティナ・V・アイゼンブルク(
ja0454)がマイク代わりの棒を持って現れた。
「こはるちゃん、貴方にとってリナさんはどんな存在ですか!」
「えっ? リ、リナさん!? えと、い……一番護ってあげたい人……です」
ファティナの質問に驚きゴニョゴニョと段々と声のトーンが落ちて行くにつれ、幸桜とカタリナの顔が赤くなっていく。
それを楽しむようにファティナは幸桜に言う。
「もっと大きな声で! っと、ヴィル。どうかしましたか?」
「ファティナお姉さまにチョコを渡しに参りましたの! それと……キスをしてくれたら」
そう言って、ヴィーヴィルは言うのだった。
「パインサラダとステーキ用意しましたよー! あと、あ、貴方のために買ってきたんじゃないんだからねっ!」
美味しそうに焼けたステーキとパインサラダ、そして薄いハートのチョコを差し出しながら、腹ペコ爆乳娘・アーレイ・バーグ(
ja0276)はしっと団達の鍋パーティーの中に居た。
どうやら、防衛組との戦いが終わった後、しっと団の面々は打ち上げとして鍋を突き始めていたようだ。
ちょっと寒さが応えるが、元しっと団活動場所に彼らは座る。
ちなみに事の発端は淳紅のこの一言だった。
「打ち上げ行く人、この指とーまれっ!」
「こんな事もあろうかとッ」
材料が無いと誰かが言おうとした瞬間、虎綱が何時の間にか買っていた鍋セットを取り出したのだった。
ちなみに作られた鍋は使用した道具の余りを利用した激辛鍋、イカ墨鍋、クリームシチュー鍋だったりする。
それを勇はバクバクと勢い良く食べ他の仲間達もストレスを解消し、晴れ晴れとした気分で食べていく。
そんな彼らを星が照らし出していく。
そして、その周りには久遠ヶ原学園の教職員達がにっこり笑顔で立っていた。
……説教を受けた翌日は、きっと大きな清掃作業を行う事になるだろうなぁ……。
きっとMMSに加担していたメンバー達も同じようになっているに違いないだろう。
その日、嫉妬に燃えた者達にとっての食事は最後の晩餐となり、リア充カップル達の食事は愛する者や友達などと共に楽しく過ごすのだった。
だが、忘れてはならない……。
「私達を倒しても、いずれ第2第3の私達が現れるだろう……」
そんなモノローグを語るように月花は呟き……体力が燃え尽き倒れるのだった。