.


マスター:嶋本圭太郎
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:24人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/11/06


みんなの思い出



オープニング

 よく整備された街の歩道を、春苑 佳澄(jz0098)は歩いていた。
 片側二車線の道路。等間隔に植えられた街路樹。歩道脇の建物はまだまだ建築中、改築中と見えるところも多いが、それだって放置されているわけではない。
 順調に工事が──復興が進んでいる証だ。
「あっ、スーパーがある」
 一際大きな建物を見つけて、佳澄はなんだか嬉しくなった。

 群馬県伊勢崎市は、天魔の侵攻によって大きな被害を受けた都市の一つだ。
 解放されたのは二〇一三年の終わり。生存者は数少なく、街は荒廃しきった状態だった。
 なかなか姿を消さないディアボロに手を焼いて復興が遅れていた時期もあったが、一四年の夏を境目として復興事業は軌道に乗った。今年の春には学校もはじまった。
 寮も整備されたそこを中心として、街は少しずつ、花が開くように明かりを増やしている。およそ半年ぶりにここを訪れた佳澄には、その変化は大きなものに映ったのだった。

「佳澄ちゃん!」

 名前を呼ばれて、佳澄は目を凝らす。街路樹の影から出てきた少女が、こちらに手を振っていた。
 紺基調の、清潔感のある制服に身を包んだ少女だ。件の学校に通っている、伊勢崎出身の隅野 花枝が、佳澄を出迎えたのだった。

   *

 佳澄は、寮の彼女の自室まで案内された。
「高校の勉強はどう?」
「うーん‥‥まあ、なんとかかな。佳澄ちゃん、今度教えてよ」
「うえっ!? う、うん、今度ね!」
 お茶持ってくるから座って待ってて、といわれ、佳澄は一人にされた。
 自然、室内を眺めてしまうわけだが、私物があまり多くないこともあってよく整頓された部屋だった。机の上も、教材がしっかり整理されてある。
(ちゃんと勉強してるんだろうなあ)
 自己を省みる佳澄であった。こっちだってそろそろ試験じゃないか。

「あれ? この写真‥‥」
 机の片隅に、ツーショットの写真があった。煌びやかに着飾った花枝と、もう一人。
「それ、久遠ヶ原の文化祭で撮ってもらった写真だよ」
 いつの間にか花枝が戻ってきていた。佳澄の横に並んで、写真の収められた写真立てを取り上げる。
「二人で写ってるの、これだけなんだ」
 一緒に写っている男性は、楯岡 光人。伊勢崎の復興に大きく関わった人物であり──伊勢崎を再び闇に堕とそうとたくらんでいた人物だ。
 花枝が再び彼に会うことは、おそらく二度と無いだろう。
「そう、なんだ」
 佳澄も胸の詰まる思いで、そう答えた。

 楯岡のことは、彼が表向き大きな役職に就いていたわけでは無かったこともあり、大きな事件としては取り上げられなかった。そこには彼に感謝している(花枝のような)人々の気持ちを汲んでほしい、という撃退士たちの働きかけの結果も含まれていた。
 とはいえ、彼が姿を消したことは事実だ。詳細が明かされなかったとしても、当時の状況を思い返し、さまざまなことを推察しただろう。
 花枝は楯岡を思い出すとき、どんな気持ちなのだろうか。写真を見つめるその表情は複雑で、佳澄にはよくわからなかった。



「ええと、それで、今日は‥‥」
「うん、これなんだけど」
 ひとしきり旧交を温めた後、佳澄が花枝に尋ねると、花枝は一枚のチラシを取り出した。
「『伊勢崎花火大会』」
 佳澄がタイトルを口に出して読むと、花枝はにっこり、笑う。
「去年やったのに、今年はやらないわけにはいかないからね!」
 その笑顔はとてもたくましいものであるようだった。

 昨年、楯岡の主導で花火大会が開かれたときは、まだまだ本格的な復興は始まったばかりという時期であった。
 あれからさらに一年の時が経った。街の整備は進み、人や店の数も順調に増えている。
 楯岡の手を離れたこの街は、今真なる復興へと、順調に帆を張っているのだ。
「私たち学生も、実行委員になっているのよ」
「花枝ちゃんも?」
 花枝は頷いた。
「今、この街って、学生が一番多いしね」
 伊勢崎の復興事業の中で、役所など最重要な公共施設に次いで整備されたのが、花枝の通っている学校と、生徒たちを住まわせる寮だったのだ。
「だから、街の復興にも、私たちが積極的に関わっていかなきゃ」
 と、花枝は言うのだった。

   *

「というわけで、撃退士のみなさんにも、是非遊びに来てほしいなって」
「遊びに?」
 去年は確か、手伝いと賑やかしということで、依頼の形式だったはずだ。
「今年は人も増えたし、最低限の人手はあるのよ。もちろん、手伝いも大歓迎だけど」
「あたしは手伝うよ!」
「ありがと。‥‥でも、本当に遊びに来てくれて、街が元気になってきてるのを見てもらえるだけでも、嬉しいから。それに、今年は花火の数も増えてるからね!」
 佳澄にチラシの内容を説明しながら、花枝は本当に嬉しそうだった。
「そうだ、撃退士のみなさんで何かしたいこととかあったら、遠慮なく言ってね。実行委員の一人として、私、融通利かせちゃうから!」

 彩づく街、深まる秋の花火大会。
 さて、どんなお祭りになるのだろうか。


リプレイ本文

 秋のさなかの週末。

 利根川から分かれて流れここ伊勢崎市でまた利根川へと還っていく広瀬川。合流地点にはまだ距離のある、市の北側の河川敷で、昨年に続く花火大会の準備が進められていた。

「さあて、次はどれを運べばいいんだ?」
 鐘田将太郎(ja0114)は、図面を手にしている隅野 花枝を振り返った。彼女は今年、実行委員の一人だ。
「ええと、ここにはテントをふたつ並べますので‥‥」
「ってことは、後一つだな」
「それには及ばないわァ」
 資材を取りに行こうとした将太郎に、黒百合(ja0422)が声を掛けた。テント用の資材一式を担いでいる。
「す、すごいですね」
「撃退士だものォ、これくらいは朝飯前だわァ♪」
「なんだか、すみません‥‥」
 今年は依頼の形式ではないので、完全にボランティアである。
「気にするなって。祭りの準備ともなれば力仕事が多いだろうしな」
「鐘田先輩!」
 後ろから、また別の声がかかった。見れば、後輩の春苑 佳澄(jz0098)が手を振っている。
「よかったら、こっちを手伝ってもらえませんか?」
 彼女の背後には「花火大会はこちら→」というボードのついた立て看板が積みあがっていた。
「これを、観覧場までの道に立ててほしいって」
「よっしゃ、任せろ」

   *

 黄昏ひりょ(jb3452)は、白野 小梅(jb4012)を引き連れてまだ準備中の会場を訪れていた。
「おにーちゃんと一緒♪ おにーちゃんと一緒♪」
 小梅はひりょとつないだ左手をぶんぶんぶんぶん振り回し、上機嫌。
「なかなか普段お兄ちゃんらしいこと出来てないしな」
 ひりょも小梅に振り回されるようにしつつ、優しい目をしている。
「やあ、春苑さん」
「ひりょくんだ! 来てたんだね」
 将太郎と立て看板の束を抱えて歩いていた佳澄は、ひりょを見つけて小走りに駆け寄ってきた。
「その子は?」
 佳澄の目線が斜め下に動く。
「ああ、俺の義理の妹で‥‥」
「白野 小梅でっす」
 小梅はひりょから手を離して挨拶をした。
「春苑佳澄です。よろしくね、小梅ちゃん」
 佳澄が差し出した右手を、小梅はぎこちなく握る。急におとなしくなったその様子をひりょは訝った。
「‥‥どうしたの、小梅ちゃん」
 小声で「ごめーわくはダメだもん」と小梅。
(ははあ、猫、被ってるんだな)
 いつも元気いっぱいな小梅のことだから、いつまで被っていられるか‥‥と思いはしたが、と黙ってみていることにした。

「設営の準備? なら、俺達も手伝おうか」
 ひりょがそう申し出たので、とりあえず看板を持ってもらったのだが‥‥。
「前が見えないのぉ」
 小梅は看板で顔が完全に隠れてしまい、危なっかしいことこの上ない。ちょっとこれは無理そうだ。
「あっちに花枝ちゃんがいるから‥‥ひりょくん、覚えてる?」
「ああ、文化祭に来ていた人だよね」
「うん、花枝ちゃんのところならお仕事、あるはずだから」
「わかった」
「じゃあ、また後でね」

「それじゃ、先輩はあっちを‥‥」
「おう」
 立て看板を半分ずつ受け持って、分かれることにした。
 将太郎は看板を担いで離れて行く佳澄の後ろ姿をしばし眺めて。
「春苑」
「なんですか?」
 振り返った佳澄は以前と変わらない、屈託のない様子に見える。
「あー‥‥充実した生活、過ごせてるか?」
 少し考えてからそう聞いた。
 佳澄のまなじりがほんの少し下がった。
「はい。‥‥ありがとうございます」

 離れていく背中を見送って、将太郎は頭を掻いた。
「傷つけないように、って思うと、なかなか難しいもんだな」
 気を取り直して、自分も作業に向かうのであった。

   *

「これを運べばいいんですね?」
 東城 夜刀彦(ja6047)が、ロープの束を前に腕まくりしたところへ、小見山紗風(ja7215)が体を寄せた。
「はい軍手です。怪我をしないよう気を付けていきましょう」

「よしっ‥‥と」
 観覧エリアを仕切るロープを張り終えて、夜刀彦は周囲を見回した。「だいぶ出来てきたかな?」
 視線の先を、大荷物を抱えたファーフナー(jb7826)が横切っていく。
「手伝いましょうか?」
「いや‥‥もうこれで最後だそうだ」
 ファーフナーはそう答えて先へ行ってしまった。
「お茶どうぞーなの!」
 代わりに突撃してきた小梅が、夜刀彦にペットボトルのお茶を差し出す。
「しばらく休憩してください、って」
 小梅の後ろをついてきたひりょがそう言った。両手にペットボトルの詰まった袋を提げている。
「そうなんですね。じゃあ、二本もらっていいですか?」

「お疲れさまです」
「ああ、ありがとう」
 紗風が差し出したタオルを受け取って、夜刀彦は顔の汗を拭った。自分たちで設営した観覧エリアの一角に腰を下ろし、もらったお茶を飲む。
 現地の住民らしき周りのスタッフも、今はそれぞれ休憩中。設営の相談をしたり、関係ない雑談をしたり。祭りの前ということもあり、皆、楽しそうにしている。
「あまり依頼を通して関われませんでしたが、復興作業を見ていると人間の力強さが感じられますね」
 ふと、紗風がそう言った。
「うん。前へ進もう、ここから、皆で一緒に、って‥‥。こうしているだけでも、伝わってくるね」

 街は、完全に復興したわけではない。元通りに出来るわけでもない。
 辛い記憶が消えることはない。
(それでも)
 笑い声が響いてくる。それは、前に進むエネルギーだ。
 このお祭りは、前に進もうとする彼らの意思表示なのだ。

(少しでも、関われたことが嬉しい)
(苦しいことがあっても、前に進もうとする気持ち‥‥私もそうありたい)

 夜刀彦は、紗風を見た。紗風は、夜刀彦を見た。
「えと、時間あったら‥‥お祭りも一緒に回りたいな」
「ええ。後で一緒に回りましょうね」
 赤らんだ頬を指で掻きながら言う夜刀彦に、紗風は微笑み、頷いた。



 空は夕闇。神埼 晶(ja8085)は、会場からは幾分離れた街の中を歩いていた。
 大通りには街灯が設置されているが、一歩裏道へ入ればそれらしきものはない。日が落ちれば立ち入りが危険になるような場所も、まだそこかしこにある。
(でも、天魔の姿はない)
 荒れ果てたまま放置されているような建物もほぼない。晶がこの街の事件に関わる前後──その最中でさえ、街は刻々と整備されていた。
 そこに一人の男が深く関わっていたことは、彼女のみならず、一般市民も多くが知っている。
 一方で、今その男がどうしているかを正確に知っているものは限られていた。

 晶は気を取り直すように顔を上げた。
「そろそろ、屋台も始まったかな」

 花火はまだ先だが、周りが静かな分、会場方面からは賑わいが漏れ聞こえてくる。晶はそちらへ足を向けた。

   *

 空の暗さと引き替えに、屋台は熱気を帯びてくる。鉄板で何かが焼ける匂いにつられて人が集まる。
「きゃはァ、御祭だわァ‥‥」
 黒百合は手伝いの撃退士から祭りを楽しむ一人の客へとジョブチェンジして、屋台の並ぶ大通りを見通した。

「皆さん、今年もお祭り楽しんで行ってくださいね♪」
 側では木嶋香里(jb7748)が振る舞い屋台を開き、ゆく人ゆく人に焼き饅頭とお茶を配っていた。群馬名物焼き饅頭は昨年、地元民である花枝に教えを乞うたもので、今年もちゃんと味見をしてもらっている。
 黒百合も早速串を一本貰ってかぶりつく。表面がカリッと焼かれた素饅頭に味噌ダレがマッチして、得も言われぬ美味しさだ。
「さて、次はァ‥‥」
 焼き饅頭を頬張りながら、次の屋台に目を向ける。まずは射的に輪投げ、それから焼きそばたこ焼きに‥‥。
 昼、設営を手伝う間に、めぼしい屋台の配置はきっちり把握済み。既に彼女の頭の中で、巡回ルートは完璧にできあがっていた。
「いいわねェ、楽しみましょうォ‥‥♪」
 人が増えるに従って気分も盛り上がってくる。黒百合は戦いの前であるかのようにそう呟いた。今日の目標は、食べ物と遊戯屋台の全制覇である。

 ファーフナーは曲がり角に立ち、人の誘導と警備に当たっていた。
「‥‥ん」
 小さな女の子が一人、顔より大きな綿飴を手にして泣いていた。道行く人が心配そうに彼女に目を向けるが、声を掛けるものはいない。
「迷子か」
 ファーフナーが近づくと、女の子は一瞬息を呑んだようにして彼を見、また泣きだした。特に気にせず、女の子にマインドケアを施す。暖かなアウルの波動が伝わると、女の子はぐずるのをやめた。
「お母さん、いなくなった‥‥」
「そうか」
 辺りを見回す。救護所はあるがここからは少し遠い。それにお祭りはまだ始まったばかりだ。
「俺が探してこよう。その間‥‥あそこで待っていろ」

 女の子がひとまず案内された場所では、カボチャマスクにタキシードの少年、エイルズレトラ マステリオ(ja2224)がいた。
「やあ、これはかわいいお客さんですね、いらっしゃい」
 女の子を手招くと、頭に乗っけたシルクハットを外し、ひっくり返して中を見せる。女の子が戸惑いながらものぞき込むと、そこからにゅっと仔竜が這い出てきた。
「おや、ハート‥‥トランプはどこですか?」
 エイルズレトラが尋ねると、仔竜はシルクハットに上半身を突っ込み、何かを探す仕草をする。はみ出たお尻がふりふりと愛らしく揺れた。
「おっと失礼。トランプはこっちでした」
 とぼけた口調でタキシードのポケットからトランプが取り出されると、周囲の客から笑いが漏れた。女の子もつられたようにして笑う。
「さあ、それでは撃退士流マジックをご披露しましょう。お代は見てのお帰りですよ」
 エイルズレトラがこなれた手つきでトランプを切る。その後ろで愛竜がくるりと回って愛嬌を振りまいた。

 ファーフナーが迷子の母親を連れて戻ってくる頃には、エイルズレトラを取り囲む人垣は一回り大きくなっていた──が、女の子は相変わらず間近で彼のマジックに見入っていて、問題なく合流する事が出来た。
 むしろ、母親に呼ばれても女の子がその場から動かないので難儀したという話であった。

   *

「アキラ、早く早く!」
「おう、‥‥そんなにはしゃぐなって」
 櫻木 ゆず(jc1795)とユーラン・アキラ(jb0955)は二人で会場にやってきていた。
「花火、楽しみだねっ!」
 たしなめられてもまだ少しはしゃぎ気味の声でゆずはアキラに笑いかける。その笑顔にちょっとドキリとさせられる。
(初めてのデートだし、楽しみたいのはこっちも同じだし‥‥)
 アキラの内心を知ってか知らずか、ゆずは屋台が並ぶ様に目を輝かせている。
「あ、りんご飴! 食べたい!」
「ん‥‥じゃあ買おうか。俺も食いたいし」
 アキラが言うなり、ゆずは跳ねるようにして屋台へ駆けていった。

 提灯の灯りを受けて宝石のように輝くりんご飴を舐めながら、屋台を物色して歩く。
「あ、あれ? アキラ‥‥?」
「こっちだ、こっち」
 人混みに流されそうになってしまったゆずをアキラが呼び止めた。見失わないようにと伸ばしたその手を、ゆずの手が咄嗟に取った。
「あ‥‥えと」
「‥‥」
 思わずつないだ手を、二人一様にみる。ここで離すのもなんだか気まずい。
「はぐれると、よくないし‥‥」
「‥‥うん」
 結局、そのまま歩き出した。
 さっきまではしゃいでいたゆずが妙に大人しくなったのは気になるけれど、これで初デートの目標はとりあえず達成だ。

 ゆずの意識も当然、つながれた手に注がれていた。
 はしゃいでいたのは、緊張の裏返し。
 りんご飴の甘さと、手から伝わる温かさ。二つの感覚でいっぱいのゆずは、しばらく無言で歩くほかないのだった。


 ヤナギ・エリューナク(ja0006)もまた、恋人のセレス・ダリエ(ja0189)を連れて会場を訪れていた。
 屋台に集まる人々の熱気を感じ、セレスは放心したように呟く。
「不思議な雰囲気。皆楽しそうで‥‥あっ」
 人が増えてきて、立ち止まるととたんに肩がぶつかる。ヤナギがつないだ手を引いて、セレスを自分の側に引き寄せた。
 セレスは頭一つ上にあるヤナギを見上げた。
「私も‥‥楽しい」
 もちろん、それはヤナギと一緒だから。

「‥‥私、お祭りにくるなんて、初めてかもしれない‥‥」
 ヤナギさんのおかげ、と、セレスはその腕の中で微笑む。
「だったら存分に楽しまなくちゃな」
 二人は歩き出す。綿菓子に、カップルの定番? りんご飴。金魚すくいに、それから──。
「セレス、コレやってみねェ?」
 ヤナギが足を止めて誘ったのは、射的の屋台。
「アレ、狙おーゼ?」
 示した先に、愛らしい黒猫のぬいぐるみがちょこんと乗っていた。
「わあ、可愛い‥‥落としたら貰えるのですか?」
 セレスも小さなぬいぐるみが気に入ったようだ。
「射的、望むところです。どちらが先に撃ち落とせるか、勝負です」
 コルク銃を手にして気合いを入れるセレスを、提灯の灯りが照らしている。
 その煌めく姿を、ヤナギは愛おしく見つめるのだった。


 ここはひたすらカップルのターン‥‥と思いきや、ラファル A ユーティライネン(jb4620)は屋台の連なる道のはずれを一人で歩いていた。
「‥‥」
 言葉もない。

 いや、さっきまでは一人ではなかったのだ。ちゃんと恋人と一緒に回っていたのだ。
 でも、どうやら相手には別の目的があったらしく、なにやら人を捜している様子。
(そこで勘のいいラファルさんは裏方に回ることにしたのでした‥‥っと)
 というわけで、望んで一人になったのである。背中がすすけて見えるとしたら気のせい、断固気のせい。
「お祭りなんてあんまり来ないしな。せっかくだから楽しむか!」
 と気合いを入れては見たものの。
(‥‥花火、一緒にみたかったなあ)
 やっぱりちょっと傷心気味のラファルさんであった。

 ふと気がつくと、屋台は既にとぎれていた。向こうに見えるのは運営のテントだろうか。女の子が前に立って、何かを叫んでいる。
「──の受付は、後──分で締め切りになります──!」
 どうやら、何か募集をしているらしい。テントへ近づいたラファルは内容を確認すると、思いついたとばかり頬を緩めた。

   *

 香里は振る舞い屋台で忙しくしていた。
「あ‥‥佳澄ちゃん!」
「香里ちゃん」
 それでも、知り合いの姿を見つければ声を掛けた。佳澄は香里が手を振っているのを見つけると駆け寄ってくる。
「忙しそうだね?」
「去年より人出がずっと多いみたいね♪」
 花火の規模が大きくなっていることもあるのだろう。これも復興が進んでいる証といえた。
「佳澄ちゃんは、お手伝いは終わり?」
「うん。後は楽しんでくださいって」
 佳澄が答えると、香里は網から外したばかりの焼き饅頭を手渡した。
「はい、どうぞ♪」
「えへへ、ありがとう!」

 その背を見送る暇もなく、次の客がやってくる。香里は変わらぬ笑顔で彼らを出迎えるのだった。
「花火ももうすぐ始まります♪ 皆さん、楽しんでくださいね♪」


「いらっしゃい〜伊勢崎名物伊勢崎もんじゃだよ〜」
「持ち歩きやすい形式ですから、花火見物のお供にもどうぞ」
(聞き覚えのある声だな)
 晶は呼び込みにそう感じて、近づいてみる。

 果たして、そこは星杜 焔(ja5378)と星杜 藤花(ja0292)の屋台であった。
「神埼さん‥‥でしたね。いらっしゃいませ」
 晶を見つけた藤花が、柔らかく微笑みかける。
(そういえば、あの依頼で一緒だった人たちか)
 思い出して、晶も挨拶を返した。三人は皆、この春伊勢崎で起きた事件の関係者であった。

「それで、伊勢崎もんじゃって?」
「伊勢崎もんじゃはトッピングにカレー粉があるのだよ。あるいは苺シロップ」
 鉄板の上でコテを操りながら、焔が答えた。
「シロップ?」
「『アマ』か『カラ』で選べます。両方入れる『アマカラ』もできますよ」
 藤花が補足した。「あっ‥‥ちゃんと美味しいですよ。食べてみると」
「持ち運べるように生地固くして、割り箸に巻いたどんどん焼き形式だけど、味は出来る限り寄せてあるよ」
「復興祈念のお祭りでもありますし、地元の方に懐かしい味を楽しんで貰えるように‥‥と」
「といいつつ、カレーもあるのだけどね」
 焔が鍋のふたを開けると、カレーの香りが一気に充満した。
「伊勢崎はもともと多国籍な町だったそうなので、インド風にしてみたよ〜」

 晶は結局カレーを注文した。インド風とのことで、ライスではなくナンが添えられている。千切ったナンをカレーに浸して口に運ぶと、スパイシーな風味が鼻を突き抜けていった。
「この町も‥‥群馬も、大変な時期を突破したと、そう思いたいですね」
 藤花が道行く人々を見ながらしみじみと言う。
「きっと大丈夫よ‥‥でも」
 晶はナンを頬張りながら答えた。
「これだけ復興したのは、楯岡の力に寄るところも大きいんだよなぁ。動機はどうあれ」
 その一言に、焔の表情が一瞬、固まった。
「‥‥そうだね。どうしているだろうね」
 昨年の祭りでは主導的な立場にいた楯岡 光人は、この場にはいない。
 彼を慕っていたものも、信頼していたものもいた。だが、もう戻ってくることはないだろう。
(自分のことを堕天使と言っていたけれど‥‥それも嘘だったのだろうか?)
 彼がこの地を手に入れようとしたのはなぜだったのだろうか。気にかかることは今なお残るけれど。
 復興への道筋だけが、彼の足跡として残されている。


「苺シロップ入りって‥‥どんな味なんだ」
 浪風 悠人(ja3452)は焔お手製の伊勢崎もんじゃとにらめっこ中。
 すぐ隣で浪風 威鈴(ja8371)がその様子をじっと見ていた。
「‥‥早く」
「分かってるって」
 妻に急かされ、思い切って一口齧る。
「どう‥‥?」
「‥‥あれ、甘じょっぱくて‥‥美味しいな、これ」
「‥‥一口‥‥」
 感想を聞くや、そうせがむ奥様である。

「あれからもう一年と一ヶ月も経つんだな」
「そう‥‥だね‥‥」
 屋台の並ぶ通りを二人で歩く。
「去年は屋台を出したっけ。あれも楽しかったけど」
「知らない男の人に‥‥声かけられたりした‥‥」
 威鈴がそう言った途端、悠人は苦虫を噛み潰した顔になる。
「あれは‥‥何だったの‥‥?」
「っと威鈴は次何が食べたいのかな!」
 質問は華麗にスルーして、悠人は威鈴の腕を引いた。
「あ‥‥怪我は‥‥平気‥‥?」
「もう大丈夫だよ」
 心配そうな声で聞かれたその問いには、しっかり答えた。

 もともと今日は、悠人が先日の戦いで大怪我を負い、心配させたことへのお詫びとして連れてきたのだ。
 その為、遊興費はすべて旦那持ちである。ついでに荷物も旦那持ちである。

「じゃあ‥‥あれ‥‥」
「畏まりました」
 悠人は大仰に返事をし、屋台へ向かおうとする。ひゅうう、と甲高い音が鳴った。
「あ‥‥」
「始まった!」
 直後に空気を震わせる音がして、大きな華がひとつ、空に咲いた。



 光が夜空を照らす度、大気が波打って体を揺らす。
 黒百合は観覧エリアからは離れた場所で、その光景を見上げていた。これも設営中に確保しておいた特等席だ。
「んー、なかなかの迫力ねェ‥‥♪」
 彼女の背後には、道すがら屋台で獲得した戦利品が山となって積み上がっていた。

   *

 滝のような花火が空を覆うように打ち上がり、観客の歓声が響いてくる。
 佳澄はその音を遠くに聞いていた。観覧エリアには入らず、今は人が減った屋台のはずれで一人、空を見上げていた。
「春苑‥‥ここにいたのか」
「‥‥日菜子ちゃん」
 草を踏む音がして振り返ると、川内 日菜子(jb7813)が微笑みかけていた。いつもなら明るく笑い返すところだが、どうしてもそんな気持ちになれず、佳澄はまた空を見やった。
 日菜子は静かに、その隣に並んだ。
「私は‥‥街の復興にはそう深く関わっていない」
 同じように花火を見上げながら、日菜子は言葉を紡ぐ。
「あの楯岡のコトは‥‥唾棄すべきクソッタレだと思う気持ちに変わりはない」
「‥‥うん」
 同調でもあり、否定でもある。そんな返事だった。
「街の復興は確かに進んだ。だが助からなかった者もいる。手放しには喜べない‥‥」
 日菜子は自らの拳に視線を落とした。この手がもっと力強ければ、まだ救えた命があったかもしれない。そう思えばこそ、やるせない気持ちは拭いきれない。
(春苑が期待する言葉は、私には見つけられない‥‥)
 自分に出来ることは、黙って隣に立つことくらいだ。

 しばらくの間、二人は無言で夜空の彩りを見つめ続けた。


「はやくぅ。こっちの方が、もっとよく見えそうなの!」
 小梅はひりょをひっぱって、会場をずんずん移動していた。
「大丈夫、花火はまだ続くはずだから」
 ひりょは小梅が転ばないようにそれとなく足下を見ながら引っ張られていく。
「えへへ、美味しいねぇ」
 右手は大きなりんご飴、左手は大好きなひー兄ちゃん。ご満悦の小梅であった。

「‥‥ん?」
 ふと、ひりょが足を止めた。
「どぉしたのぉ?」
「ほら、春苑さんだよ。昼間挨拶したろ」
 その佳澄の様子は、昼間とは異なっている。
(そうか‥‥春苑さんにとって、この地は色んな思い出が詰まった地なんだな)
 花火の幻想的な光が、それを思い起こさせているのだろう。物憂げな佳澄の横顔を、ひりょは離れた場所から、しばし見つめた。


「なあ‥‥教えてくれ」
 花火を見上げたまま、日菜子が零すように口にした。
「私は一体どんな気持ちで今日を過ごせばよかったのだろうか?」

 すると、隣の佳澄がこちらに向き直った。
「日菜子ちゃん、あたしね‥‥」
「春苑さん、こんな所にいたんだ」
「晶ちゃん」
 晶はまだ神妙な顔をしている佳澄のそばまで寄ると、肩をぱんと叩いた。
「なにシケた顔してんの! せっかくなんだから、楽しまなくちゃ損よ」

「そうだね。今日の思い出が楽しいものになってくれたら、友達としても嬉しい限りだよ」
「ひりょくん‥‥」
 晶の言葉に同調しながら、小梅を連れたひりょもやってきた。
 佳澄はひりょを見、晶を見、日菜子を、そして最後に小梅を見た。
 にこっと笑う。
「‥‥うん! そうだね!」
 突然明るい声を出す。
「よし、じゃあ皆で花火見ようか!」
 と言うなり、駆けだした。
「どこで見るのぉー?」
「‥‥春苑!?」
 面白そうな空気を感じて小梅が真っ先について行き、日菜子たちも戸惑いながら後を追いかけていく。

   *

 エイルズレトラの元に、実行委員の印を付けた花枝がやってきた。
「あの、ここで大道芸をやってる方がいると聞いたのですけど、申請は出していますか?」
「‥‥おっと、見つかってしまいましたね」
 声がかかるやいなや、エイルズレトラはシルクハットをカボチャマスクの上に載せ、くるりと身を翻して距離をとる。
「名残惜しいですが、今日はここまでといたしましょう。ではさらば!」
 風のように駆け去って行った。

「申請してくれればよかったんですけど‥‥」
 呆然と見送る花枝。

 そこへ、佳澄たちがやってきた。
「花枝ちゃん! 一緒に花火見ようよ!」
「えっと‥‥私、一応実行委員だし‥‥テントに戻らないと」
 渋る花枝だったが、後ろからファーフナーが声を掛けた。
「あっちは俺が見ていよう。少し休憩してきたらどうだ」
 お祭りはもう終盤だ。どうせ大した仕事は残っていまいと、ファーフナー。
「あ‥‥あの、じゃあ、ちょっとだけ。ありがとうございます!」
 ぺこりと頭を下げて、駆け去る花枝の背を少しだけ見送ってから、ファーフナーは運営テントへと踵を返した。

(‥‥こういうのも、まあ、悪くはないな)


 将太郎は昨年同様、一人で花火を楽しんでいた。
「‥‥ん? あれは春苑か」
 探している友人もいたようだったが──ずいぶん引き連れているな。
 そんなことを思う間に、佳澄はこちらへダッシュ。
「鐘田せんぱーい!」
「うおっ‥‥どうした?」
「花火! 一緒に見ましょう!」
 やたらテンション高く、将太郎の腕をとってくる。
「なんか、昼より元気になってないか?」
 ほっとしつつも戸惑いながら、引っ張られていく将太郎。

「香里ちゃん! 屋台は終わり?」
「あら、佳澄ちゃん♪」
 材料を使い切った香里は、店じまいの最中だった。
「じゃあ、一緒に見ようよ!」
 佳澄はそんな香里のことも集団に引っ張り込む。

「やあ、皆いらっしゃい〜 カレーあるよ」
 最終的にやってきたのは、焔と藤花の屋台の前だった。
「春苑‥‥一体どうしたんだ、急に?」
「あたしね、日菜子ちゃん」
 佳澄は、上気した顔に笑顔を浮かべて、言った
「あたし、難しいことを考えるのは苦手だけど‥‥今日、日菜子ちゃんが一緒にいてくれて、晶ちゃんやひりょくんが来てくれて、とっても嬉しかったの。だから‥‥だから、今日ここに、みんなといられることは、とっても素敵なことなんだって、思うんだ」
 花火の光が赤に青にと、集まったものたちを照らす。
「だからね、えっと‥‥ごめん、やっぱり上手く言えないや」
 佳澄は頭を掻いた。
「でも、皆の顔を見たら、元気が出たから‥‥皆と一緒に花火を見たいなって、思ったの」
「‥‥そうか」
「いいと思うわよ、それで」
 晶は頷き、佳澄と肩を組む。
「今度また、一緒に依頼に行こ。お互い、どれだけ腕を上げたか披露しなくちゃね」
「うん!」
「元気そうで何よりです、佳澄さん」
「藤花ちゃんも、ありがとう」
 くすぐったそうにはにかむ藤花。
「佳澄さんが元気なことが‥‥きっと、ここの人たちの希望にも繋がるって、そんな気がするんです」

「お茶を淹れてきました。皆さん、どうぞ♪」
「アマカラの伊勢崎もんじゃ、乾燥ラーメンがアクセントだよ〜」
「もんじゃー」
「小梅ちゃん、口の周りがべとべとになってるよ」

「‥‥なんだか、賑やかだな」
 花火はなおも、皆を照らし続けている。

   *

「きれいだね、花火」
「ああ、そうだな‥‥」
 相づちを打ちながら、アキラは空を見上げているゆずの横顔を見ていた。
 今は空いている右手を、そっと彼女に向け伸ばす。
 人混みのどさくさじゃなくて、ちゃんと──。
 出来うる限りさりげなく、包むように彼女の小さな手を取ると、一瞬震えるような反応があった。でも、手を引っ込められたりはしない。
(よかった──)
 アキラはほっとして、ゆずの手を取ったまま空を見上げた。
「花火、きれいだな」
「‥‥うん」
 頬を染めたゆずは、アキラの横顔をぼうっと見つめたまま頷くのだった。


「あの戦いは、激しくなることは分かってた。だから、怪我も覚悟はしてたんだ」
「‥‥うん」
 悠人は威鈴と二人で花火を見上げながら、真剣な顔をしていた。
「でも‥‥自分でも情けない戦い方になってしまった。もう二度と、あんな戦い方はしないよ」
「‥‥うん」
 威鈴は悠人の肩に自分の頭を預けた。
「覚悟は、知っていても‥‥心配は‥‥する。死んでほしくないし‥‥怪我も‥‥してほしく‥‥ない‥‥」
 訥々と語られる妻の思いを、悠人はしっかりと心に刻んでいく。
「死は‥‥当たり前だから‥‥だからこそ‥‥恐れなくちゃ‥‥いけない‥‥」
「ごめんな。心配させて」

「こんな、情けない男だけど‥‥これからも、俺のこと、支えてほしいんだ」
「今日‥‥お祭り‥‥楽しかった。二人で‥‥来れてよかった」
 威鈴は額を彼の肩にこすりつけた。悠人はそんな彼女の肩を、そっと抱き寄せた。


 セレスも、ヤナギと二人で花火を見上げていた。
(‥‥花火は綺麗‥‥)
 手の中の黒猫のぬいぐるみを撫でながら、セレスは憂う。花火は綺麗。輝いて、そして消える運命。
(‥‥私の大切な人は何時も消えてしまいそう‥‥)
 ヤナギさんは如何して私でよいのだろう。私だけが大切に想っているのだろうか。

 何時かは花火のように、消えてしまうのだろうか。

 不意に、抱き寄せられた。ヤナギの唇がセレスの耳朶を撫でる。
「セレス‥‥セレスが俺のモンで、俺がお前ェのモンで」
 周囲の喧噪の中、ささやくような声がセレスの耳に響いてきた。
「何だか祭みてェな不思議さだ」
 日常だけれど、非日常。心が華やぐ不思議な世界。
 セレスはヤナギを見た。その瞳が不安そうに揺れている。
「お祭りは‥‥いつか、終わってしまいます‥‥」
「そうだな‥‥でも」
 でも、セレスとは煌めきだけをずっと一緒に‥‥永遠に。
 ヤナギは安心させるように髪を撫で、微笑んだ。

「此の侭‥‥ずっとお前ェと‥‥」
 ひときわ大きな花火が上がった。掻き消された言葉の先は、恋人の耳にのみ刻まれた。


(この時が消えないよう、願います‥‥)


   *

(ラルは、どこへ行ったんだ‥‥?)
 日菜子はお茶をすすりながら、恋人がいないか周囲に目を配っていた。今なら皆と一緒に花火を見られるのだが‥‥。

『次はNo。──、ラファル ──ティライネンさんの──』

 花火会場のアナウンスが風に乗って聞こえてきた。
「ん、ラル?」
「あれ、今の‥‥」

『──タイトルは、「ヒナちゃんへ愛を込めて」です』

「ぶーーーーっ!?」
「うわ!?」
 お茶吹いた。

 周囲がざわめく中、続けて夜空に打ち上がったのは、赤いポニーテールの女の子を形どった型物の花火だった。
「な‥‥? な‥‥!」
 あまりの驚きにガタガタ震える日菜子。炎に炙られたみたいに顔が真っ赤だ。


「喜んでくれるといいなぁ」

 ラファルは一人別の場所で、恋人のリアクションを想像していたのだった。
 ‥‥とりあえず完璧なまでに赤面しているのは確かです。

   *

(何があっても前へ進む人々と同じように)
(例え困難な未来が待っているとしても)

『一緒に』

(自分達が在る場所で、これからもずっと進んで行けたらと願うから)

 夜刀彦と紗風は寄り添い空を見上げながら、同じ言葉を口にし、同じ思いを刻んだ。


 困難を乗り越え、街はなお、未来へ進んでいく。
 打ち上がる花火の一つ一つが、その意思表示であるかのようだ。

 そしてその意思は──今、側にいる誰かと一緒に、形作られていく。
 つながれた想いの先に、花咲く春を望んで。

 一歩一歩、共に進んでいくのだ。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 災禍祓いし常闇の明星・東城 夜刀彦(ja6047)
 撃退士・小見山紗風(ja7215)
 ペンギン帽子の・ラファル A ユーティライネン(jb4620)
 されど、朝は来る・ファーフナー(jb7826)
重体: −
面白かった!:12人

Eternal Flame・
ヤナギ・エリューナク(ja0006)

大学部7年2組 男 鬼道忍軍
いつか道標に・
鐘田将太郎(ja0114)

大学部6年4組 男 阿修羅
撃退士・
セレス・ダリエ(ja0189)

大学部4年120組 女 ダアト
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
蒼の絶対防壁・
鳳 蒼姫(ja3762)

卒業 女 ダアト
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
災禍祓いし常闇の明星・
東城 夜刀彦(ja6047)

大学部4年73組 男 鬼道忍軍
撃退士・
小見山紗風(ja7215)

卒業 女 ルインズブレイド
STRAIGHT BULLET・
神埼 晶(ja8085)

卒業 女 インフィルトレイター
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
『久遠ヶ原卒業試験』参加撃退士・
ユーラン・アキラ(jb0955)

卒業 男 バハムートテイマー
腕利き料理人・
美森 あやか(jb1451)

大学部2年6組 女 アストラルヴァンガード
最愛とともに・
美森 仁也(jb2552)

卒業 男 ルインズブレイド
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
Standingにゃんこますたー・
白野 小梅(jb4012)

小等部6年1組 女 ダアト
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
烈火の拳を振るう・
川内 日菜子(jb7813)

大学部2年2組 女 阿修羅
されど、朝は来る・
ファーフナー(jb7826)

大学部5年5組 男 アカシックレコーダー:タイプA
華咲く夜をあなたと一緒に・
櫻木 ゆず(jc1795)

大学部1年191組 女 陰陽師