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マスター:嶋本圭太郎
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2015/12/21


みんなの思い出



オープニング

「こんにちはーっ!」

 威勢の良い挨拶が響いてきて、潮崎 紘乃(jz0117)は顔を上げた。机の作業を中断し、斡旋所の受付へと出向く。
 声の主が誰であるのかは、改めて確認するまでもない。この斡旋所では聞き慣れた声だ。
「こんにちは、佳澄ちゃん」
「紘乃さん、こんにちは!」
 予想通り、そこでは春苑 佳澄(jz0098)が待っていた。
 近頃は、以前のようにしょっちゅう斡旋所へ顔を出しては、依頼を物色している。一時感じられた、何かに悩んでいるような重い気配も晴れたようだった。
「えへへ、肩の荷がすっかり降りた気分ですよ!」
 ‥‥というか、少し軽くなりすぎているのではないだろうか。
「ええと、何かあったの? なんだかヘ‥‥普段より元気だけど」
 思わずそう問い返すと、佳澄は戸惑うどころかその場でぴょんぴょん飛び跳ねた。
「何言ってるんですか、紘乃さん! 試験が終わったんですよ!!」
「試験? ああ、そうか。進級試験ね」
 紘乃が言うと、佳澄は満面の笑顔ではいと頷いた。

 今年は夏場に各地で騒動が起きたことや一部生徒の暴動(!)などもあり、開催が遅れていた進級試験だったが、この時期になってようやく完了したのだった。

「それでそんなに浮かれてるのね。無事上手くいったのなら、それもいいけど」
「えへへ‥‥今年はちょっとサボってたから、戻ってきてから頑張って勉強したんです」
 冬から春にかけて個人的事情で学園にいなかった佳澄からすれば、開催が遅れたことで逆に自身の勉強の遅れを取り戻せたわけで、結果オーライである。
「やっと勉強だらけの日々から解放されました! というわけで、紘乃さん!」
「‥‥何かしら?」
「打ち上げするのにいいお店、どこか知りませんか?」

 学生としては一年の総決算である進級試験が終わったのだ。皆でぱーっと楽しく盛り上がりたいと思うのは、佳澄ならずとも自然なことだろう。

「学食でやるんじゃちょっとつまらないし‥‥せっかくだから、ちょっと大きなレストランとか!」
「打ち上げかあ。そうね、それくらいはご褒美にあってもいいわね」
 紘乃はちょっと考えて、それから何かに思い当たったようにぱっと佳澄を見た。
「ちょっと遠いけど、横浜とかどうかしら?」
「横浜! あたし行ったこと無いです!」
 佳澄は嬉しそうに手をたたいた。「でも、なんで横浜なんですか?」
「私の友人が料理人やってるお店が、中華街にあるのよ。‥‥といっても、まだ下っ端らしいけど。私も一回行ったけど、美味しかったわ」
「中華街ってことは、中華料理ですよね。‥‥結構、大きなお店なんですか?」
 紘乃の言い様では、複数の料理人を抱えているということだ。
「そこそこかしら。私から言えば友達サービスは‥‥期待できないけど、予約の融通くらいは利かせてくれると思うわ。中華街も初めてなら、昼は自由に見て回って、夜に皆で集まって食事、なんていうのはどうかしら?」
「わあ、いいですね! 楽しそうです!」
 佳澄ははしゃいで紘乃の手を取った。
「ありがとうございます、紘乃さん!」
「ふふ、あんまりはしゃぎすぎて、当日風邪引いたりしないようにねっ」
 佳澄の笑顔が伝染したかのように、紘乃も嬉しげに微笑むのだった。



「というわけで、予約をよろしくね。人数はまだ決まってないけど‥‥三十人は超えないと思うわ。でもよく食べる子が多いから、多めに見積もっておいた方がいいかもね」

 その夜、紘乃は早速料理人の友人に連絡を取っていた。

『了解。でもアンタもずいぶん太っ腹じゃないの。試験のご褒美に、学生におごるとか‥‥教師になったんだっけ?』
「ただの事務職よ。‥‥待って、今おごるって言った?」
『ま、何とかボーナス一回分で収まる範囲でお願いしますって、料理長に頼んどいてやるよ』
「ボーナス? ボーナスって何!?」
『そんじゃ、明日も早いからもう寝るわ。おやすみー』

 電話は一方的に切れた。

「あれ、どうして私がおごる流れになってたのかしら‥‥」
 紘乃は呆然と携帯端末を見つめて呟くのだった。


リプレイ本文

 ビルの建ち並ぶ市街を少し歩くと、絢爛な門──牌楼が聳えたっている。
 そこから先に漂うのは雑多なアジアの空気。
 港町横浜の誇る観光名所、中華街。
 中華料理店が競うように軒を連ねているかと思えば、土産物屋に現地の食材を扱う店、或いは占いの店。通りを歩く観光客を呼び込もうと、客引きの声もひっきりなしに飛び交っていた。

 エイルズレトラ マステリオ(ja2224)も観光客の流れに混じって通りを歩いていた。
 店先で買った大ぶりの肉まんにかじり付く。蒸籠から出されたばかりのそれは熱々で、肉汁が溢れんばかりだ。
「これは美味しいですね。わざわざ中華街まで来た甲斐がありました」
 彼は今日、買い食いをするために久遠ヶ原からここまでやってきたのだ。

「‥‥さっきからやたらと学園生を見かけますね。何かのイベントでしょうか?」

 進級試験の打ち上げがここ中華街で企画されていた──ということを、彼はまだ知らない。
「ここのところネットゲーム三昧で、学園で何があったのかなんて気にしてませんでしたね」
 それどころか、試験があったことすら全く承知していないのだった。



「祝進級!」
「祝進級‥‥ですっ」
 こちらは正しい目的で中華街へとやってきた蓮城 真緋呂(jb6120)と樒 和紗(jb6970)。まずは改めて、二人の試験成功をお祝いする。
「大学部ともなると少し気持ちが違うわね」
「俺たちも無事に『じょしだいせい』です」
 晴れて大学部一年の二人。握り拳を作る和紗の発音は若干言えてない感が漂っていたが。

「まずはやっぱり肉まんよね」
 早速食べ歩きモードの真緋呂は、湯気を立てる饅頭にかぶりついた。
「和紗さん、いいもの見つかった?」
 傍らの友人はお土産探し中。
「‥‥これは、何でしょうか?」
 お茶屋の前で足を止めた。チョコレートのように丸っこい‥‥お茶の固まり?
「これはお湯を注ぐと花が咲くんだヨー」
 店員さんが見本品にお湯を注いでくれた。耐熱ガラスのカップの中でお湯を浴びた茶葉がほどけるようにゆっくりと開き、中からは薄桃色の花びらが‥‥。
「これは綺麗です‥‥」

 数種類の工芸茶を購入した和紗が店を出ると、大きな月餅を頬張っていた真緋呂が彼女を別の店に引き入れた。
「これとか、和紗さんに似合いそう」
「俺に‥‥ですか?」
 店頭に並べられた色とりどりの簪。景泰藍という、細やかな中国七宝だ。
「偶には綺麗なアクセはどう?」
 真緋呂が選び差し出した一本を、和紗は戸惑いつつも見て。
「じ、女子大生になるの、ですし‥‥少し大人っぽいアクセサリーも、良いですか‥‥ね」
 もじもじしながら受け取るのだった。
(ふふ、照れて可愛いな)
 真緋呂は微笑ましくそれを眺めながら、杏仁豆腐の入っていたカップを空にした。

「‥‥で」
「あっ、甘栗売ってる。次はあれね」
「やはり食べ歩くのですね、真緋呂」
「和紗さんは小食すぎるのよ。このくらい普通だって」
 真緋呂の言い分を信用する気にはなれず、和紗は遠い目をした。

   *

「とにかく今日は食べまくるよっ」
 クラリス・プランツ(jc1378)もまた中華の食を堪能すべく気合いを入れていた。
「うーん、どれも美味しそう!」
 お昼は飲茶、ということで点心の店に入ったクラリス。眼前のテーブルに並べられた小さな蒸籠に目移りしつつ。
 タレが染み込んでとろとろの叉焼が入った叉焼包や、ぷりぷりの海老焼売。熱々の汁が詰まった小籠包はもちろん外せない。
「やっぱり本場の人が作った味は違うね‥‥!」
 あれこれと箸を伸ばした後は、プーアル茶を啜って人心地。
「んー、最高。試験は留年したような気がするけど、気にしない!」

 気にしな‥‥いの?



 川内 日菜子(jb7813)は叙情的な趣を感じながら、通りを歩いていた。
「初めて来たのに、どこか懐かしさを感じさせるな‥‥」
 古い西洋風の雰囲気の中に混じる、オリエンタルな空気のせいか。
 ただ町並みはともかく、(特に飲食店の手前で)漂う匂いは、彼女にとってあまり魅力的なものではなかったのだが‥‥。
「日菜子ちゃん、どうしたの?」
 急に口をつぐんで息を止めた日菜子を、春苑 佳澄(jz0098)がきょと、と見上げた。
「ん? いや、なんでもない」
 すぐに笑顔を取り繕う。
 一人だったら、来なかっただろう街。それだけに。
「もう少し調べてから来ればよかったな」
 と日菜子は思うのだった。

「今日はしっかりと楽しんでいきましょう♪」
 二人と並ぶのは木嶋香里(jb7748)。
「面白いもの、売ってるかなあ?」
「荷物持ちなら任せてくれ。馬鹿力だけは自慢だからな」
 そこへ、久世姫 静香(jc1672)が声をかけた。
「少し‥‥良いじゃろうかの?」
「静香ちゃんだ! 一緒に回る?」
「うむ‥‥いや、私は今日来れなかったあの者へ何か土産でも、と思ってな」
 詳しく聞くと、佳澄も知っている友人への土産探しの手伝いをしてほしい、ということだった。
「なんだ、じゃあやっぱり一緒に行こうよ!」
「そうですね、私たちも元からショッピングの予定ですし♪」

 というわけで、四人で回ることになった。

「最近疲れ気味なのか、笑顔でないようなのじゃ。本来は、笑顔が好きなのじゃが‥‥」
「じゃあ、笑顔になれるものかあ。なんだろう?」
「あそこに雑貨屋さんがありますよ。入ってみましょう♪」

 狭い店内には小物から彼女らの背丈より大きなものまで、様々な雑貨が所狭しと並べられていた。
「面白いものが沢山ありますね♪」
 香里が一つ一つ手に取りながら言った。
「唐辛子のアクセサリー? ‥‥辛いもの食べたら元気になるかな」
「そういうことでは‥‥無いような気がするのじゃが」
 静香はちょっと自信なさげ。
「こういうものを人に贈るのは初めてでな‥‥勝手が分からぬのじゃ」
「あたしも、初めてかも?」
 佳澄は愉快そうに笑った。「あ、じゃあこれとかどうかな?」
「写真立てか‥‥」
 小さな写真立てを静香は受け取る。角のところに、パンダのマスコットがワンポイントで付いていた。
「‥‥それにしても」
 店内を見回しながら、日菜子が言った。
「やたら多いな。パンダ」
「確かに‥‥中国といえばパンダ、ということなのでしょうか?」
 そこかしこにパンダをあしらった雑貨があるばかりか、店の一角にはパンダのデザインものをまとめたコーナーまである。
「パンダと言えば‥‥」
 誰かが言ったところで、店の外が騒がしく。

「なあ、そこにジャイアントパンダがいるって!」

 そう、パンダと言えば──。

   *

「横浜中華街で何をするか」
 大通りをずんずん歩きながら、彼は言った。
「中華料理を堪能する、もちろん間違ってはいない。だがそれだけで終わってしまっては、ここに訪れた意味は半減する」
 確信に満ちた眼を黒光りさせて。
「そう、横浜中華街でまずすべきことと言えば、パンダグッズの探索。これしかないのだ!」
 高らかに喝破した彼こそ巷で噂のジャイアントパンダ、下妻笹緒(ja0544)その人であった。

 何しろ中華街にパンダである。

 事情を知らない人たちが何事かと群がって来ていたが、笹緒は気にも止めない。
 パンダの看板があれば足を止め、ぬいぐるみがあれば抱き心地を確認し、パンダ饅頭があれば食した。パンダをかたどった帽子を見つけて被れば、パンダonパンダである。
「さすがは中華街。ここはパンダで溢れている」
 笹緒は満たされた思いで呟いた。もちろん全てを持ち帰ることなど出来ないが、ここでしか見られないレアなパンダグッズを心ゆくまで味わう、それこそが彼にとっての贅沢なのだ。

 笹緒が感慨に耽っていると、彼の足下を白野 小梅(jb4012)が追い抜いていく。
「見つけたぁ! パンダの門!」
 少女はある一点を示して叫んだ。笹緒もそちらを見る。
 それは、まごう事なきパンダの門だった。
「いざ突撃ぃ!」
 小梅は笹緒に構わず、パンダ門の先へ突っ込んでいった。

 笹緒はしばらく、目に焼き付ける思いでパンダ門を眺めた。そして。
「あの先もパンダグッズで溢れているのか‥‥是非堪能しなくては」
 彼もまたパンダ門をくぐるのであった。パンダonパンダinパンダである。なんのこっちゃ。



 月乃宮 恋音(jb1221)はスーパーにいた。といっても普通のスーパーではなく、中華料理の食材を多く扱うこの地ならではの店である。
「おお‥‥種類も豊富ですねぇ‥‥」
 周辺の料理店も利用するような場所なので、サイズも大きめ。中華料理だけではなく、韓国や東南アジアの食材も売っている。恋音はこれ幸い、とひょいひょいかごに詰め込んでいった。

 精算を終えると、全て宅配の手続きをして、恋音は店を出た。
「さて、次は、あそこですねぇ‥‥」

 恋音が続いて訪れたのはチャイナドレスなどを扱っているお店だ。入り口には艶やかなドレスが整然と並んでいる。
「あらァ、いらっしゃいィ‥‥♪」
 出迎えたのは、なぜか黒百合(ja0422)だった。
「あ、あのぉ‥‥もしかして、ここで働いている、とか‥‥?」
「実はねェ‥‥なァんて、冗談だわァ♪」
 黒百合はドレスを買いに来ていたのだった。きらきらした生地のドレスに身を包んでいる。
「えぇと‥‥こちらでは、生地なども手にはいると、伺ったのでぇ‥‥」
 顔を赤くして、恋音はそう言った。既製品ではなく、自分で作るつもりなのだ。
 黒百合はそんな恋音の(莫大な)胸元をみた。
「大変ねェ‥‥」
 と呟く。恋音はますます赤くなった顔を、自分の胸に埋めた。

 同じお店の、もう一方。

「ふふーどうです?」
 試着室のカーテンをシャラリと開けた点喰 因(jb4659)。貸衣装のチャイナドレス姿でポーズをつくって見せた。
 待っていた百目鬼 揺籠(jb8361)をからかうようであったが、当の揺籠は目を細めて、
「ええ、よくお似合いで」
 と素直な感想。
「こういった服装は別嬪が着ると違いまさ」
「べ、別嬪? ‥‥いやいや」
 思わぬ反撃に因は照れた。そんな姿も微笑ましく眺める揺籠も、男物のチャイナ服衣装を借りている。
「さ、いきましょっか」
「こんな可愛いお嬢さんと一緒に歩けて役得でさ」
 これから二人で食べ歩きである。

「あーんむっ‥‥んふー」
 揺籠と因、大人の色気漂う二人組‥‥かと思いきや、因は早速大きな桃まんをもきゅもきゅと頬張っていた。
「美味しいから仕方ない、ということで」
「それだけ美味しそうに食べてたら桃まんも喜びますぜ」

「あっ、因先輩、チャイナ服!」
 しばらく歩くと、佳澄たちに見つかった。
「やっほー佳澄ちゃん」
「先輩、すごく綺麗です! 買ったんですか?」
「んにゃ、あそこのお店でねぇ、貸してくれるんだよ」
 因が背後を示すと、香里が反応した。
「素敵ですね♪ 私たちも行ってみませんか?」
「うん、行こうよ!」
「え、行くのか?」
 佳澄がすぐ同意して、日菜子と静香の手を引っ張った。

   *

「ふふ、どうですか?」
「わあ、香里ちゃん、綺麗だね!」

 チャイナドレスに身を包んだ香里を、佳澄がテンション高く絶賛した。すらりとしていてスタイルもいい彼女は、体の線がでるドレスも難なく着こなしている。
「静香ちゃんも!」
「む‥‥そうか?」
 付き合わされて着ることになった静香だが、彼女だってなかなかのものだ。
 ちなみに佳澄も着ているが、この子は体の凸凹がないので‥‥馬子にも衣装、ということにしていただければ幸いです。

「後は、日菜子ちゃんだね!」
「わ、私も着るのか?」
 後ずさりする日菜子。にじりよる佳澄。
「きっと似合うと思います♪」
 そこへ香里も加わった。
 チャイナドレスに挟まれて、逃げ場がない!

 結局──。

「私としては、かなり恥ずかしいのだが‥‥」
「大丈夫、似合ってますよ♪」
「皆で着れば怖くない!」
「そういうものかの‥‥」

 チャイナドレスの四人組と相成った。とにかくちょっと歩いてみよう、とお店の外へ出て少し。

「ヒナちゃんどったのその格好」
「ら‥‥ラル!?」
 測ったようにラファル A ユーティライネン(jb4620)と出くわして、日菜子の顔面は炎上した。



 中華街を抜けて少し歩くと、海に臨む公園たどり着く。
 雫(ja1894)は肉まんを齧りながら、潮風を浴びて港を散策していた。
「こうやってのんびりと食べ歩くのも久し振りな気がします」
 そんなことを独りごちて。
「‥‥それ以前に、目的も無くただの散歩なんて学園に来て以来初めてかも」
 と思い至って軽い衝撃を受けるのだった。

 それは雫が、学園で充実した日々を送っていたことの裏返し。
 そんな彼女も、いよいよ新年度から中等部にあがるのだった。


 雫が散歩する先で、東條 雅也(jb9625)が港の風景を写真に撮っていた。
「学園からでも海は見えるけど‥‥周囲の建物が違えば印象も変わってくるな」
 もちろん、中華街の写真も撮ってある。写真は、学園の友人に見せるつもりだ。
 これを見せたら、どんな反応をするだろうか。あまり学園の外に出ている様子が無いけれど。
「次は一緒に連れて行け、とか‥‥言うかな?」
 写真以外のお土産は、月餅を用意した。元々はホールケーキのような大きなサイズを切り分けて食べるものだったらしいが、その通りのものを持って行っても彼女は食べきれないだろう。
「以前よりはきちんと食べるようになったとはいえ、食は細そうだからな‥‥」
 だから、小さな食べきりサイズだ。それでも餡がぎっしり詰まって、結構な食べ応えだが。
(コロッケがよかった、なんて言わなきゃいいけど)
 渡す相手の反応を考えながら買い物をし、写真を撮る。これもまたなかなか楽しいものだ。

   *

 浪風 悠人(ja3452)と浪風 威鈴(ja8371)の二人は公園のベンチに並んで腰を下ろした。
「疲れた?」
「ん‥‥少し」
 座るなり深く息を吐いた威鈴を、悠人は気遣う。
「都会は‥‥人‥‥多いし‥‥色んな所‥‥行った‥‥から」
「そうだな、観光マップ様々だ」
 着いた直後は人の多さにくじけそうになったが、マップのおかげでお勧めスポットは一通り回ることが出来た。
「お揃いの小物も買えたし‥‥」
 悠人が脇に置いた袋を探って戦利品を見返していると、威鈴も反対側でごそごそ。
「あれ、いつの間に!?」
 威鈴はどこかで買った胡麻団子を今まさに頬張ろうとしていたところだった。
「晩御飯に備えて昼は食べ過ぎないように、って言ったろ‥‥?」
「ん‥‥でも」
 威鈴は一旦お団子から口を離して、でも名残惜しそうに。
「これ‥‥美味しそうだったから‥‥ダメ?」
「いや、ダメってわけじゃないよ」
 悠人のお許しが出て、威鈴はお団子に齧り付く。まだ出来立ての団子からカリッと香ばしい音がした。
「‥‥おいひい」
「あーほら、付いてる」
 悠人は汚れた頬を拭ってあげた。艶のある唇が、不意に悠人に差し向けられる。

「‥‥」
 ちらと辺りを伺って。悠人は顔を近づけた。

 ふわり、胡麻の香り。

   *

「‥‥そろそろ、いい時間だな」
 逢見仙也(jc1616)の腹時計が時を告げた。せっかく中華街に来たのに、彼は本屋や家電などを見て昼を過ごし、食べ歩きどころか何も食べていない。
 それもすべて、この後のイベントの為である。
「こんな時こそ高い物を食べるチャンスだ」

 夜の打ち上げ会場へ、仙也は意気揚々と足を向けた。



 潮崎 紘乃(jz0117)が予約したお店は、すでに学園生を受け入れる準備を整えていた。
「おお、いい感じじゃないか」
 仲間と共に店に入ったミハイル・エッカート(jb0544)が満足げな様子で言った。

 案内されたのは貸し切られた小宴会場のような部屋で、奥の方では大皿料理がすでに保温容器に入れられていた。
 座って食事を出来る場所もあり、ドリンクメニューが置かれている。内容を確認して、ミハイルはニンマリとした。

 彼らのほか、昼は思い思いの行動をとっていたものたちも皆集まって来ていた。
「なんだかよくわかりませんが、ロハでご飯が食べられるなら参加しない手はありませんね」
 中にはエイルズレトラのようなものも混じっていたが‥‥。

「皆、試験お疲れさま!」
 参加者が集まったところで、紘乃が一声。
「今日は食べ放題だから、ぜひいっぱい食べていってね」

「食べ放題と聞いたら来るしかあるまい、しかも奢り!!」
 この時間を待ちわびていたUnknown(jb7615)。出番解禁、いざやゆかん。
「時間いっぱいまで呑みまくるのだ!」
 と言っても、彼が呑むのは酒ではない。断じてジュースでもない。
 早速料理が並ぶテーブルへ近づいたUnknownは、手始めに一品料理が乗った皿を手に取った。
「あーん」
 めいっぱいに口を開け、皿ごと口中へIN!
 料理を一気にのどの奥へ流し込むと、そのままお皿をかみ砕こうと──
「はいダメ!」
 脳天に「ゴン!?」

 衝撃でお皿を吐きだしたUnknownが頭をさすりつつ見ると、(彼ほどではないが)長身の女性がお盆を手に立っていた。ここの店員らしい。
「お皿は食べ物じゃない。ちゃんと出すこと」
「エェー仕方なかろう、食器類も食べ放題だと思うわー」
 唇をつきだして抗議するUnknownだが、女性は意に介さない。
「そりゃ悪いね、次からはメニュー表に書いておくよう、オーナーに言っとくよ」
 ちなみに彼女、元撃退士なのだそうだ。

「美味しそうなもの‥‥沢山‥‥」
 威鈴は目を輝かせていた。
「どれが‥‥ボクたちの‥‥分?」
「美味しいものの取り合いは狩りみたいなものだから。遠慮せず食べよう」
「狩り‥‥!」
 悠人がそう教えてあげると威鈴の目が獲物を狙う狼のごとく、鋭さを増した。

「飲み物は注文制か‥‥やっぱり老酒だよな」
 ミハイルが店員を呼ぶと、脇からひょっこり。
「お酒の注文かしらァ? あっちのテーブルにも一人前、よろしくお願いするわァ♪」
 黒百合がさらりと言いつけて料理の方へ向かっていく。店員がきょとんとしているので、振り向いて。
「ご心配なくゥ‥‥ちゃんと成人している年齢よォ♪ あ、一番いいお酒でお願いねェ‥‥」
 と言い残していった。

 事前情報のせいか、フカヒレを使った料理や北京ダックといった見るからに高そうな料理に人が群がっていく。
「燕の巣のスープ‥‥これはまさしく高級珍味!」
 クラリスがスープの前でそう言えば、そちらに人が流れるといった具合だ。
「高級料理はいただく‥‥!」
 御剣 正宗(jc1380)などは翼を現出し、室内を飛び人の群れを躱して料理を取りに行っていた。

「ふう、あんまりとれなかったな。眼鏡をとばされるかと思った」
 悠人がテーブルに戻る。一部の料理は押し合いへし合いだ。
「悠人‥‥料理、とってきた」
 そこへ戻ってきた威鈴は、両手に皿を満載していた。
「ボクと、悠人‥‥二人分」
 どうやら、悠人の教えはかなり効果的だったようだ。

「ふぅ。なんとか目に付いたものは取って来れた」
 仙也は確保してきた皿を自分の前に並べると、落ち着いて一品ずつ口にする。まずはフカヒレのスープをすくって口に運んだ。
「ん‥‥さすが、美味いな」
 スーパーのレトルト品などとは違い、フカヒレの繊維がしっかり味わえる。とろみのあるスープの味付け自体はオーソドックス‥‥だが。
「色んな味がするな‥‥どう作ったらこうなるんだろう」
 後でコツを聞いたら答えてくれるだろうか、などと考える。

 一方、同じスープを雫も口にしていた。
 一口、二口すすり、うーんとうなってもう一口。
「フカヒレなんて初めて食べましたが‥‥」
 首を傾げて。
「美味しいとは思うんですが、何かこうもっと濃い味付けの方が良い様な‥‥」
 高級料理を食べ慣れていないせいか、上品な薄味というものが肌に合わないらしかった。

「わーい、おいしそぉ♪」
 すぐ近くで小梅が歓声を上げている。
 彼女が取ってきたのは火の通ったトマトの赤が鮮やかな「トマトと卵の炒め」や、透き通るグリーンが印象的な翡翠餃子など、全体的にカラフルな料理だった。
「いっただっきまーす!」
 早速料理をパクつき始める小梅を見て、雫も気を取り直した。
「‥‥そうですね。メニューは沢山あるようですし、私も他の料理を試してみましょうか」

「アキラ、北京ダックだ」
「おっ、ありがとうな正宗」
 翼を広げて料理を奪取した正宗を、ユーラン・アキラ(jb0955)が出迎えた。
 彼らのテーブルには、他にも人が集まっている。
「それにしても、この時期に試験の打ち上げとはな」
「まぁ、時期的には忘年会も兼ねてみたいな感じか」
 ミハイルと会話しているのは鳳 静矢(ja3856)。
「義兄さん、どうぞ」
「ああ、悪いね」
 その静矢のグラスに酒を注ぐのは翡翠 龍斗(ja7594)である。
「せっかくの宴だ、楽しもうじゃないか」
 静矢はそう言ってグラスを掲げた。

「昼は自由行動だったわけだが‥‥皆は何をしていたのかな?」
 静矢が問うと、まず龍斗が答えた。
「俺は、土産を探していました」
「それは、奥さんに?」
「まぁ‥‥そうです」
 残念ながら同行できなかったので、ちょっとしたアクセサリーなどを選んで購入していた。
「あと、留年した友人達に学業成就のお守りを」
「こっちも昼間は買い物だな」
 と、ミハイル。
「ミハイル先輩と正宗と、三人でお店を回ってました」
 料理を頬張りながら、アキラ。
「ヘアバンドを買った‥‥」
「お揃いなんすよ、これ」
 正宗が頭に着けているヘアバンドをアピールした。アキラと二人で買ったらしい。
「お前は、彼女へのプレゼントも買っただろうが」
 老酒を空けたミハイルが早速絡み気味に言った。
「うっ‥‥か、買いましたけどっ」
 ちなみに可愛らしい蝶のペンダントだ。
「まぁ、言いつつ俺もアキラに見立ててもらったんだけどな。義娘へのプレゼントだが‥‥」
 ミハイルは箱を取り出してみせる。
「中国の花っていうと牡丹だそうなんでな」
 それは氷の様に透き通った牡丹の彫刻があしらわれた髪飾りだった。
「ふむ‥‥皆なかなか堪能してきたようだね」
 静矢が満足げに頷く。空いたグラスに龍斗がすかさず酒を継ぎ足した。
「うおっ、これ美味いな」
 北京ダックにかぶりついたアキラが思わずそうこぼした。薄皮に巻かれたアヒルは皮だけでなく肉の部分も含まれておりとてもジューシーだ。
「‥‥気に入ったか」
 正宗は料理が並べられている方をみた。
「もう残ってないかな?」
「いや‥‥まだいける。持ってこよう‥‥」
 そう言ってまた飛んでいくのだった。

   *

 笹緒は麻婆豆腐を食べていた。四川の名物料理だ。
 パンダと麻婆豆腐。ある意味とても中国らしい取り合わせでありながら、中国ではまず見られない光景である。
「うむ、体が温まるな」
 もこもこのパンダが言った。
「温める必要、あるのかしらねェ‥‥?」
 黒百合はその光景も肴にグラスを傾けるのだった。

 和紗も麻婆豆腐を口に運んでいた。辛いだけではない、風味豊かな味わいだ。
「ふむ。香辛料の使い方、参考になります」
 印象に残った香辛料は帰ったら作り方(使い方ではない)を調べてみよう、などと。
 しかし、そろそろお腹が一杯だ。少量ずつでも、そこそこ種類は口にした。和紗にしてはよく食べた方だろう。
 一旦箸をおいて、隣を見ると──。
「うーん、蟹焼売美味しい! これはリピート確定ね。そろそろご飯ものに行こっかな」
 予想通りではあったが、真緋呂はまだまだ絶好調だった。
「食べ放題なら全種類制覇すれば良いだけだから、悩まなくて良いわね」
 むしろこれからが本番といった気配だ。思わず和紗は自分の胸を押さえた。
「お昼もあんなに食べていたのに‥‥」
「昼? 準備運動でしょ」
 けろりと言ってのけて、追加を取りに席を立つのだった。

「中国の酒ってのは香りが独特ですねぇ」
 ラベルの貼られていない酒瓶を揺らしながら、揺籠が言った。
「もちろん、これはこれで十分美味い酒ですが。おや因サン飲んでますかい?」
「もらってますよぉ、あにぃさん」
 差し向かいの因は笑顔で答えるものの。
「そんなこと言って、グラスが空じゃないですかい。折角なんだから遠慮しなくて良いんですぜ」
「ああ〜ありがとうございます‥‥」
 微笑を浮かべながら、何気にぐいぐい注いでくる揺籠。
(佳澄ちゃんもいる席でだらしないところを見せるわけには‥‥)
 何より、揺籠は因の遠い兄弟子のようなものだ。失態を見せるわけにはいかない‥‥と思うのだが、だからこそ杯を隠すわけにもいかないのだった。

 長い時を経て、不思議な縁がある揺籠と因。揺籠の方も因を妹弟子の様に思ってくれているらしく、時折向けられる眼差しが面映ゆい。

 とそんな感情も手伝って、因の頬はどんどん赤くなっていった。

   *

「そう言えば、ミハイルさんは今年の主席だったらしいね」
「よく言ってくれた!」
 待ってましたとばかりのミハイル。
「すごいっすよねー。去年は落第だったのに」
「うぐ‥‥いや、実は会社からの命令でな。毎年酷い成績だったから、今年は主席でも取らないと減俸といわれて頑張ったさ」
 ミハイルが胸を張ると、隣の席からすっ‥‥と差し入れが。
「ありが‥‥っておい」
 山盛りピーマンだった。龍斗がにっこり笑顔で告げる。
「主席取れてるんですから、食べれますよね?」
「ふっ、甘いな龍斗。主席ともなればピーマンごとき、食べなくても生きていける術を知っているのさ」
 ミハイルは渋く決め顔で返した。内容が渋いかどうかはこの際置いておく。
「まあまあ、そう言わず」
「断固拒否するぜ!」
 ピーマンを口に突っ込もうとする龍斗。
 だがミハイルは箸で的確に防御し、今日の所は主席の実力を見せつけたのだった!

「さあ折角だ。試験で上位をとるコツを教えてやってもいいぞ。聞きたいヤツはいるか?」

 ミハイルは周囲を見回した。

「試験? なんのことでしょう。‥‥これも美味しいですね」
「私は今年留年した気がするけど、今はそれよりも高級中華で頭がいっぱいなの!」
 エイルズレトラとクラリスはご飯に夢中だった。いいのか。

「試験‥‥何とか突破しましたね。消しゴムダイスも侮れないものです」
 雅也は苦笑しつつ、北京ダックを口に運んだ。
「ん‥‥これは美味しい‥‥けど、もう残ってないみたいですね」

 結局、アキラに向かって語ることになったミハイルである。
「いいか──普段からの心がけ、積み重ね、体調維持、気合。これらは当然大事だが、誰もがやることだ。大事なのは+αだな」
「+α‥‥ですか」
「斜め上の発想ってやつだが狙って当たるものじゃないぞ」
 ミハイルの場合、そこが見事にハマったということなのだろう。
「まあ、俺はそういうのは結構得意なんだけどな‥‥実は戦術の方が苦手だ」
「お、だったら俺がレクチャーしてやろうか、ミハイルのおっちゃん?」
 ミハイルの後ろから腕がにゅーっと伸びてきて彼を捕まえた。ラファルだ。
「主席を取ったってのに、随分謙虚な物言いじゃねーの」
 俺の方は今年は普通に試験を受けたばっかりに赤点すれすれだったけどな、とラファルは笑った。
「戦場で活躍するには──とにかくチームの中で誰もやりたがらないことを引き受けるこったな」
「おお、それは確かに大切だな。他には?」
「他?」
 得意げに語って見せたが、続きを促されると詰まってしまった。
「他は──爆破しとけ。困ったら爆破だ。じゃな!」
 呆然とするミハイルからするりと離れ、「ヒナちゃん、食ってるかー?」と立ち去ってしまうラファルであった。



 宴も終盤。

「料理が残り少なくなっておるなー。追加はまだかー?」
 補充されたばかりの酢豚をUnknownは猛スピードで処理していく。まさに呑み込んでいるかのようだ。
「早くしないとなくなってしまうなー」
 少なくとも残飯が出ることはなさそうだ。エコである。

「‥‥奥さんへお土産にする分、先に確保しておかないとな」
 と、龍斗。

 揺籠はちょっと焦っていた。
「ありゃ‥‥因サン、もしやあんまり強くない?」
 因と縁のある、かつての悪友に勧めるつもりで酒を注いでいたら、いつしか相手はフラッフラだった。
「因先輩、もしかして酔っちゃったんですか?」
「あ〜佳澄ちゃん‥‥だいじょーぶへーきらよ〜」
 残念、呂律が回ってない。
「ああ、彼女は俺がちゃんと送っていきますんで、ご心配なく」
 店員に水を頼みながら、フォローする揺籠であった。

「やぁ、春苑さん」
「鳳先輩」
 後ろ髪引かれながら因の元を離れた佳澄に、静矢が声を掛けた。
「試験お疲れさま、元気にしていたかな?」
「はい! ‥‥おかげさまです」
 はにかむ佳澄に、静矢は柔らかく微笑む。
「もうすぐ年が変わる。新しい春が来るな‥‥春苑さんもまた新たな自分に成長していけるといいね」
 佳澄は迷いのない顔で、頷いて見せたのだった。

   *

 宴が終わって。

「潮崎さんご馳走様です♪」
 真緋呂が満たされた表情で礼を言った。そう、今日は紘乃にゴチになるのである。

「あの‥‥よかったらこれ、どうぞ」
 香里が差し出したのは、手作り保存食の詰め合わせだった。
「暖かいものが食べたくなったら、ぜひ『椿』にも来てくださいね♪」
「あはは‥‥頼りにさせてもらうわ」

 恋音も心配そうに紘乃へ進言する。
「あのぉ‥‥例えば『学園の行事』という扱いにしてもらえば、一部だけでも経費扱いにしてもらえるのでは、とぉ‥‥」
「恋音ちゃんもありがと。でもいいのよ」
 そう言った紘乃は、意外や晴れやかな顔をしていた。
「私は一般人だけど、皆が普段頑張ってることを知ってるもの。そのお礼が出来たとしたら、十分有意義なお金の使い方だわ。‥‥強がりじゃなくてね」


 撃退士を取り巻く環境は、決して楽観できるものではない。
 だからこそ、彼らには学園生活を謳歌してもらいたいのだ。

 紘乃は学生達に笑顔を向けた。

「さあ、皆。明日からはまた依頼に勉強に、頑張ってねっ!」


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:12人

赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
パンダヶ原学園長・
下妻笹緒(ja0544)

卒業 男 ダアト
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
盾と歩む修羅・
翡翠 龍斗(ja7594)

卒業 男 阿修羅
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
『久遠ヶ原卒業試験』参加撃退士・
ユーラン・アキラ(jb0955)

卒業 男 バハムートテイマー
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
Standingにゃんこますたー・
白野 小梅(jb4012)

小等部6年1組 女 ダアト
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
212号室の職人さん・
点喰 因(jb4659)

大学部7年4組 女 阿修羅
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
久遠ヶ原学園初代大食い王・
Unknown(jb7615)

卒業 男 ナイトウォーカー
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
烈火の拳を振るう・
川内 日菜子(jb7813)

大学部2年2組 女 阿修羅
鳥目百瞳の妖・
百目鬼 揺籠(jb8361)

卒業 男 阿修羅
撃退士・
東條 雅也(jb9625)

大学部3年143組 男 ルインズブレイド
ベストオブゾンビ・
クラリス・プランツ(jc1378)

高等部1年15組 女 鬼道忍軍
『AT序章』MVP・
御剣 正宗(jc1380)

卒業 男 ルインズブレイド
童の一種・
逢見仙也(jc1616)

卒業 男 ディバインナイト
函館の思い出ひとつ・
久世姫 静香(jc1672)

大学部2年2組 女 ナイトウォーカー