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マスター:猫野 額
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/08/05


みんなの思い出



オープニング


●栄田晴信の場合。

 ――久遠ヶ原島内某所、とあるファーストフード店に俺は居る。
 店内は実に快適。冷房が効いてるし、気まぐれに買った季節限定フレーバーのシェイクは悪くない味だ。これで目の前に座ってるのが美女とかなら完璧なんだが。
「夏休みだね!」
 正面に座る背の低い坊主、尾池義元が満面の笑みを浮かべた。嬉しそうな顔をするんじゃねえ。ぶん殴るぞ。
「あー。そうだなぁ」
 とりあえず適当に返した。マジでぶん殴ったら面倒事になるからな。
 隣に座る長身のイケメン、椎葉氏康がフライドポテトをつまみながら口を開く。
「二人はどうだ? 予定は埋まっているのか」
「埋まってねえよ。俺はてめえほどタラシじゃねえっての」
「はっはっはっ。褒めるなよ」
 褒めてねーよ。バカに呆れつつ、尾池はどうなんだ、と話を振る。
「え、っと。まだ確定じゃないんだけど、あちこち旅行しようかなって……」
「ふむ。例のカノジョとだな?」
「チッ……暇人は俺だけかよ」
 マジでなんでこいつらとつるんでるんだ俺は。その場のノリで『非リア充による暴力被害者の会』なんて妙なもんに参加しなきゃよかった。
 事の発端は今年の3月14日まで遡る。俺と尾池、椎葉の三人は、ちょっとした騒ぎで共闘した仲だ。まあ、結局全員ボコボコにされたんだが。彼女がいたからという理由で。
 あの頃から、連れが変わっていないのは尾池だけ。俺と椎葉は当時の彼女からフラれ、以来俺は独り身、椎葉は相変わらず遊んでいるらしい。
 会う度にヤツの口から出てくる女の名前は違うんだが、なんでこんなのに引っかかるかね。俺が言えた義理でもねえか。
 せっせと口の中にフライドポテトを放り込む椎葉が諭すように言う。
「夏は短いぞ。毎年気づいたときには終わっている……栄田も少しは焦れよ?」
「わーってるよ」
 ……こいつらに負けるとかぜってー嫌だ。今に見てろ。この夏の間に、とびきりの美人をモノにしてやる。
 まずは……海だな。


●ルーシィ・アルミーダ・中臣の場合。

「起きろ尚子! 出かけるぞ!」
 どんどんどん。扉を叩く。部屋の中から返事は無い。
 まったく、あいつめ。せっかくの夏休みだというに、いつまで引きこもっておるのだ。
 天気が良い日は外で遊ぶに限る! 少々暑くはあるが……それも含めて楽しんでこそ、夏なのだ。なにせ、夏は一年に一度しかないからな! 存分に満喫せねばなるまい!
「……なんやねんなもう……まだ昼前やっちゅうに……」
 ぎぃ、と扉が開いた。おお、ようやく起きてきたか。
「まだ昼前、ではない! もう昼間なのだ! 出発するはずだった時間はとっくに過ぎておるぞ!」
「そんなん知らんがな……つか、ルーちゃんも寝坊したんやろ。この時間にうちんとこ来たってことは」
「そ、そんなことはどうでもよい!」
 どーでもようないわ、などとぼやいている、目が半開きのこいつは樹裏尚子。我が友人である。今の見た目は頼りないの一言に尽きるが、まあ、良い奴だ。
 寝癖そのままの髪を掻きながら、尚子は欠伸を噛み殺している。
「んで、なんやったっけ?」
「今日は海に行くと言っておったではないか! 早く準備をせよ!」
「えぇー」
「えぇーではないっ!」
「いや、だってうち水着とか持ってないし……」
「道中で買えば良かろう!」
「買う金ないし……」
「我が貸してやる!」
「そもそも出かける気ぃ起きへんし、日に焼けたないし、夏の砂浜はリア充の巣窟やし……」
「ええいっ!! ごちゃごちゃうるさいっ! 行くと言ったら行くのだ! 準備をせよ!!」
「……はぁー、もう。しゃあないなあ……」
 うむっ、押し切れたぞ。やはり尚子は良い奴だ。
 しばらく部屋の前で待っていると、一度引っ込んだ尚子が出てきた。特に荷物は持っていないようだが……。
「何も持って行かぬのか?」
「今日は買い物だけやな。ルーちゃんも何も持っとらんやん。浮き輪とか必須やろ」
「……あ」
 そうだった、忘れていた。泳げぬ我が海を満喫するには、マイ浮き輪が必要不可欠なのだ。
「今から買って海行ったら日が暮れてまうわ。せやから、本番は明日っちゅーことで」
「そ、そうか。明日だな。今度こそ寝坊せんぞ……!」
「ああ、やっぱ寝坊したんか」
「うっ!? い、いや、これは、その……言葉のアヤという奴だ! 我は決して寝坊などっ!」
「ははは。まぁ、どこんちのアヤちゃんでもええけどな。とっとと買いに行こか。暑いし」
「ぐぬぬ……!」
 おのれ、我を愚弄しおって……許せぬ! いつか『ばいんばいん』に成長して、尚子を見返してやる!
 そうだ、毎日の牛乳の量を増やそう。今日帰ったら早速飲むか!


●笆奈津希の場合。

 ずずず。ストローが鳴った。
 牛乳は嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、飲み過ぎるとお腹に悪い。
「もう飲み終わったのか」
 日課であるストローでの牛乳早飲み。長い髪をヘアバンドで束ねながら、わたしの姉である笆奈央は目を丸くしている。
 わたしは奈央の顔から視線を下げた。
「……くっ」
「?」
 奈央は胸が大きい。気づいたときには大きかった。なのに、妹のわたしは高校二年生になっても全然成長していない。ぺったんこのまま。
 首を傾げている奈央を睨みつけた。ぼそりと呟く。
「負けない」
「……そうか。よくわからんが頑張れ」
 これが、オトナの余裕……なのかな。なんかムカつく。
「ところで、奈津希はもう準備できたのか?」
「とっくに。いつでも行けるよ」
 コップを片付けながら答える。今日は奈央と一緒に猫カフェに行く約束をしている。
 いつも撃退士の仕事で忙しい奈央。一緒に出かけるのは、いつ以来だろう。
「……これでよし、と。では行くか」
「ん。わかった」
 今日はたくさんにゃんこと遊ぶ。いつもは一人だけど、奈央もいるし。
 楽しい一日になるといいな、なんて考えながら、わたしはドアに鍵をかけた。



リプレイ本文


●長期休暇ということで

 東北某所。
「ふむ……ここを先に押さえて……いや、こちらから回るべきか……」
 ゴンザレス 斉藤(jb5017)は『月刊・戦国人生』と書かれた冊子と地図とを交互に見比べながら、うんうんと唸っていた。
 電車に乗り、目的地である駅に着いたのが、つい先ほどのこと。
 日本史が好きな斉藤は、夏休みを利用して『戦国武将ゆかりの地』を巡る旅に出ていた。
 ちなみに、旅行の詳細な日程は未定である。
「……伊達氏は間違いなく押さえるとして……上杉氏と最上氏も捨てがたいな……」
 せっかく来たのだから、土産屋や飲食店も覗いておきたい。
 この地に住まう人間たちを観察し、趣味の研究に活かすというのも悪くない。
「うぅむ……」
 腕を組み、考え込む斉藤。こうしている間に日が暮れそうである。
 ちょっと心配だが、本人が楽しそうなので、そっとしておこう。



●蒼き光の射手

 とある訓練施設。
 敵を想定した人形が並ぶその場所に、戦闘服に身を包んだ各務 与一(jb2342)の姿があった。
 オーラを纏った弓には、近接戦闘に対応できるよう刃がつけられている。
 眼鏡を外し、赤色の瞳で的を見据えた。その顔にいつもの微笑みは無い。

 ブザー音。
 訓練開始を告げるそれと同時、与一は素早く矢をつがえた。
 狙いを定め、弦を弾く。蒼い光を纏った矢が標的を貫く。
 駆ける。矢をつがえる。放つ。射抜く。
 すれ違い様に敵を切り裂き、すぐさま弓を構える。
 再びブザー音が鳴った。振り返ったその顔に、未だ笑顔は戻らない。

 かつての無力な自分と比べれば強くなった、と与一は思う。
 だが、まだ足りない。
 この手で救えなかった命を想う度に、己の未熟さを痛感する。
 もっと強くならなければならない。
 大切な友。愛する妹。皆と共に歩む未来を拓く為に。

「――迷いも絶望も、射抜いてみせるよ」

 小さな呟きは、風を切る矢の音に重なって消えた。



●いざ、山籠り!

 長野県某所。
 深い緑に包まれた山奥に、美味しそうな匂いが漂っていた。
 たき火の上で熱された鍋が、ぐつぐつと音を立てている。
「うむ、美味である! これぞ大自然の味であるな!」
 マクセル・オールウェル(jb2672)は、出来立ての熊鍋に舌鼓をうっていた。
 ちなみにこの鍋の材料である熊は、マクセルが倒したものである。素手で。
「まくせる殿! それっぽく炊けたでござるよ!」
 飯盒を二つ手にしたエイネ アクライア(jb6014)が、片方をマクセルに手渡す。

 マクセルとエイネ。
 種族、性別、体躯などなど、まったく異なるこの二人。
 どういう経緯で共に山籠りをする話になったのかは謎だが、二人には共通の目標があった。
 それは、強くなること。
 マクセルはライバルを倒すために。エイネは武の頂に至るために。
 夏休みは二人にとって、この上ない『修行の機会』なのだった。

 昼食をとりながら、マクセルとエイネは今後の予定を練っている。
「熊一頭分の肉があれば、今晩の食事に関しては心配無用であろう」
「拙者、『かれーらいす』の材料を持参したでござるよ! 夕飯は『熊肉かれー』でいかがか?」
「それは良案であるな。ならば、存分に腹を減らしておかねばなるまい!」
「午後の鍛錬は何をするつもりでござるか?」
「滝行である。気温も高まってこよう、涼むついでにこなすには最適!」
「おお、まさに修行! 滝行の後はいかがいたそう?」
「日が傾き、涼しくなれば筋トレである!」
「なるほど……では、貴公との手合せはその後、でござるな?」
 マクセルの手が止まった。エイネの真剣な眼差しと、視線がぶつかる。
 しばらく無言だった両者は、にやり、と同時に笑った。
「望むところである! 我が大剣の一撃にてお相手しよう!」
「拙者も全力で参る次第! 手加減は無用に願う!」
 ということで、まずは。
「滝行であるな!!」
「滝行でござる!!」
 昼食の片づけをさっさと終わらせた二人。
 フンドシ一丁のマクセルと、さらしにフンドシ姿のエイネは、競い合うように滝へ向かった。
 道中で汗を流し、それを滝行で流そうということらしい。
 ……滝行、だよね? 水浴びじゃないよね?



●タイフーン・ガール

(どの子が一番美味しそうかな……?)
 んふふ。歌音 テンペスト(jb5186)は一人、笑っていた。
 前々から興味があったらしい彼女は、ついに(?)猫カフェに襲来していた。
 のほほんと穏やかな雰囲気の歌音。周囲の誰が見ても冒頭のようなことを考えているようには見えない。
 猫を眺めて『美味しそう』とはいったいどういうことなのか?
 意味深である。あまりツッコまない方が良い気がする。
「……あら?」
 店内を眺めていた歌音は、一人の少女に目を留めた。
 笆 奈津希である。OPで姉と共に猫カフェに出向いていた、あの子である。
 じー。歌音の視線は奈津希の体の一点に注がれていた。
(まさにカッティングボードなお胸ね。マニアックな嗜好をそそるわ……)
 絶壁である。ぺたんこである。だがそれがいいらしい。
 しかしながら、歌音が入手した情報によれば、奈津希はグラマラスボディに憧れているそうだ。
 どこから仕入れた情報だ、というツッコミはおいておくことにして。
「……なんですか?」
 歌音の視線に気づいた奈津希は、あろうことか自ら火に飛び込んだ。
 にこにこ。歌音は満面の笑みである。
「あなた、笆 奈津希さんね?」
「はぁ……そうですけど」
「お悩み解決のためのポイントは『育てること』よ! 今からお食事でもどうかしら」
「……はい?」
 歌音は奈津希の耳に口を寄せ、こそっと呟く。
「胸、大きくしたいんでしょ?」
「!?」
 なぜそれを……と言わんばかりの驚愕の表情を浮かべる奈津希。
 すべてお見通しなのよ、的な表情の歌音。
(猫も美味しそうだけど、未成熟な女の子も美味しそうよね♪)
 おまわりさん、こいつです。

 ……数分後、猫カフェから二人の少女が出てきた。
 そのさらに数分後。長身の女性が慌てた様子で猫カフェを飛び出していった。
 この一件は『少女誘拐未遂事件』になりかけたとかなんとか。



●今日の敵は

 選手控室。
 遠くから歓声が聞こえる。試合終了を告げるゴングの音。
 ベンチに腰かける長谷川アレクサンドラみずほ(jb4139)は、目を閉じている。
(負けるわけにはいきませんわ。この日のために特訓してきたのですもの)
 みずほの脳裏に、たくさんの人たちの顔が次々と浮ぶ。
 一緒に研鑽を積んだ仲間。応援してくれている友人。そして、今日の対戦相手。

 記憶を失くした少女。
 彼女のために奔走した日々を、みずほは思い出していた。
 無事に記憶を取り戻した友人。数日後に行われたボクシングの試合に、彼女は応援に来てくれた。
 あのとき対峙した相手は、みずほにとってライバルと呼べる存在になっている。
 今回、その相手と再び戦うことになる。

「そういえば、このあと夏祭りがあったはずですわね……」
 試合が終わったら、応援に来てくれた友人たちと一緒に、花火を見に行こう。もちろん、あの子も誘って。
 正々堂々と拳を交えた相手なら、試合が終われば親友だ。
「……いけませんわね。集中、ですわっ」
 ぱしっ、とみずほは両頬を叩いた。
 まずは全力で戦う。
 イベントに思いを馳せるのは、その後だ。
 立ち上がったみずほは、愛用するグローブを手にした。



●夕涼みは陽気に

「とりあえず……ビールに枝豆に、焼肉かニャ!」
 西の空に日が沈み、風が涼しくなってきた頃。
 そのときを見計らって、アヤカ(jb2800)はビアガーデンの会場を訪れていた。
 食べ放題&飲み放題がウリのこのイベント。すでに顔が赤い参加者が大多数を占めている。
「お嬢ちゃん! 飲んでるかい?」
「今からガンガン飲むつもりニャ! おじさんはすっかり出来上がってるニャね〜?」
「当然よ! よっしゃ、景気づけに乾杯といくか!」
「賛成ニャ! 周りのみんなもいっしょに乾杯するのニャー!」
『かんぱーい!』
 猫耳に猫しっぽ、さらには悪魔の翼を持ち、人間たちの中では目立ってしまうアヤカ。
 しかし、ここに容姿を気にする野暮な者はいない。
 酒で繋がる飲み友の輪に、種族の壁は不要なのだ。
「お肉、お魚、お野菜も焼いちゃうニャ!」
 たくさん飲んでたくさん食べる! まさに至福の時間である。

 夜空に星が輝き始める頃、会場はさらに盛り上がっていた。
「そろそろ一曲歌っちゃおうかニャ〜!」
「いよっ! 待ってましたっ!」
「いいねえ、バンバンやってくれ!」
 マイクを手にしたアヤカに、参加者たちが次々と声援を送る。
 騒がしくも楽しく! 天魔アイドルおすすめの、夏の夜の過ごし方である。



●一方その頃、久遠ヶ原では

(暑い時はプールが良いと聞いた事があるが……)
 キャロライン・ベルナール(jb3415)は、久遠ヶ原島内のデパートに来ていた。
 彼女の目的、それは。
「水着か……」
 そう。プールを楽しむためには必要不可欠な、水着である。
 以前、友人から購入をすすめられたキャロラインだが、結局そのときは買わずじまい。
 店に行けば良さそうなものが見つかるだろう、と考え、水着売り場まで来たのはいいものの。
(……どれが良いのかさっぱりわからん……)
 色とりどり、種類も様々な水着の群れを見たキャロラインは、完全にフリーズ。
 一人で来るべきではなかったか、と後悔する彼女の肩に、ぽんと手が置かれた。
「やっほ。何かお探しみたいねっ」
 振り返った先では、久原 梓(jb6465)がにこにこと笑っていた。
 ああ、いや、と答えるキャロライン。
「水着を見に来たんだが……自分に似合うものがわからなくて」
「ふぅん? きみに似合う水着ね。これとかどうかなっ?」
 梓が手にした水着は、けっこうきわどい一品である。布地の面積的な意味で。
「…………」
 頭に手をやったキャロラインは、無言で首を振った。
 自分が着ている姿を想像した結果、目眩に襲われたようである。
「そっか、残念。似合うと思うんだけどなあ……大丈夫?」
「……ちょっと駄目かもしれん」
 わりと大ダメージを受けているキャロラインであった。
 彼女がプールサイドに立つ日は、まだ遠い。



 ところ変わって炎天下。
 礼野 智美(ja3600)と美森 あやか(jb1451)は、ホームセンターへ向かっていた。
 ふぅ、と息を吐く、浮かない顔の智美。
「チビ達には困ったものだ……宿題を終わらせてから、と言ったのに」
「仕方ないわよ。日記を書くのも宿題だって話だし」
 苦笑するあやかの言葉にも「しかしな……」と納得いかない様子。

 二人が所属する部活のメンバーは、同じマンションに住んでいる。
 それぞれの出身地が近いこともあって、互いに家族同然の存在だ。
 夏休みに入って数日が経過し、宿題に追われる日々に嫌気がさしたらしい小等部の子供たちは、そろって『楽しいことがしたい!』と言い出した。

 学園が長期休暇に入ったからといって、撃退士を必要とする声は減らない。
 智美をはじめ、休み返上で依頼に励む仲間は少なくないのだが、今日は全員が揃っていた。
 こんな日は滅多にないから、というあやかの説得もあり、二人は『楽しいこと』の準備のために買い物をすることになったのだ。

 会場の風景を想像しながら、あやかが口を開く。
「屋上は緑化してるから、夜になったら涼しくなるわよね?」
「そうだな。夕方に水を撒けば完璧だろう」
 頷く智美。バーベキューの機材は自前で済むとして、食材や炭、それから花火も準備しなければ。
 ホームセンターに寄った後で、スーパーに行く必要もありそうだ。
 やると決まってしまった以上、いつまでも不機嫌な顔をしているのはよくない。
 この機会を楽しもう、と智美は意識を切り替えた。
「戻ったら、男連中で会場準備か」
「女の子はあたしの家に集まってもらって、料理の下ごしらえね」
「チビ達にも手伝ってもらおう。こういうものは準備から片づけまで、きちんとやるべきだからな」
 一見無表情な、智美の横顔。
 付き合いが長いあやかだからこそわかる、口元の微笑み。
(なんだかんだ言って、面倒見がいいのよね……智ちゃんって)
 ふふ、とあやかが笑うと、智美は首を傾げた。
「なんだ?」
「ううん、なんでもない。楽しいなって思っただけ」
「そうか。ならいいが……む?」
「……どうしたの?」
 不意に智美が足を止めた。今度はあやかが首を傾げる。
 怪訝な視線。その先には一人の男性が。


「暑い……ギア、この季節嫌いだ……」
 じりじりと太陽に熱されている路上を、蒸姫 ギア(jb4049)は歩いていた。
 セリフのわりに、服装は真っ黒である。

 授業や行事に時間を取られない夏休み。
 思う存分研究が出来る!とギアは気合十分だった。
 そんな彼が、なぜこんなところをうろついているのかというと……

 部室で研究! → 暑い → エアコンつくろう! → 材料足りない → 購買で買おう! → まだ足りない → 外のお店なら揃うはず → ここどこだ (←今ココ)

 今までギアが打ち込んできたものはただひとつ。
 蒸気機関である。研究に熱中していたら、いつの間にか現代だったらしい。
 おかげさまで、近所のホームセンターの場所さえわからない有様である。


 暑い暑いと連呼し続けるギアに、救世主が現れた。
「大丈夫ですか?」
 心配そうに声をかけたのは、あやかである。智美はあやかの後ろに立ち、ギアを注視している。
 暑い日に、全身真っ黒の服の男が右往左往していれば、怪しまれても仕方ない。
 わたわたと慌てた様子で、ギアは答えた。
「べっ、別にギア、道に迷ってなんかいないんだからなっ」
 大丈夫じゃなかった。迷子だった。
 苦笑を浮かべるあやか。脱力した智美が溜息を吐いた。
「……どこに行こうとしてたんだ?」
「ホームセンターだ。……って、『行こうとしてた』んじゃないっ! ギアは『向かってる途中』なんだっ!」
「……そうか。すまなかった」
 明らかに逆方向に向かってたよなあ、と思いつつ、口には出さない智美である。
 ぷりぷりと怒っているギアに、あやかが笑顔を向けた。
「ええと……ギアさん? あたしたちもホームセンターへ向かっていたところなので、一緒にいきませんか?」
「いいのかっ?」
 ギアの表情が輝いた。そしてすぐに顔を赤くする。
「ま、まあ、せっかく誘ってもらったんだし、ギアも一緒に行ってやるよ。……ちゃんと道は知ってるんだからなっ! ギア、迷子じゃないんだからなっ!!」
「ああ、うん、わかった。わかったよ」
 小等部のチビ達を彷彿とさせる人だなあ、と思いつつ、口には出さない智美である。



「ただいま戻りまし――」
 扉を開けた安瀬地 治翠(jb5992)の言葉は、最後まで続かなかった。
(……これはもはや、涼しいというより寒いですね)
 とある高級マンションの一室。
 治翠と、彼が面倒を見ている少年――時入 雪人(jb5998)が住むそこは、クーラーが全力で仕事中だった。
「あ、ハル。おかえり」
 くつろぐ雪人の正面、その卓上では書類が山を成している。

 若くして名家の当主となった雪人。
 立ち居振る舞いは品行方正、他人の意見に左右されない意思も持っている。
 これだけ聞くと、なるほど当主らしいのだが、彼には欠点があった。

 クーラーの設定温度を上げ、温かい紅茶を淹れ終えた治翠は、雪人の仕事を手伝いながら提案する。
「夏休みくらい、本家に顔を出してみてはどうです?」
「いや……向こうで必要な書類はこうして処理できるし、あっちは俺が居なくても回るからね」
 こんな状態だし、と紙束の山を指して雪人は肩を竦めた。
 そうですか、と苦笑する治翠。予想できていた答えである。
 分家出身という治翠の立場から、形だけでも、と考え提案しただけのこと。
 本人がこう言っている以上、無理に帰省をすすめる必要は無かった。
「では、旅行に出るというのはどうですか?」
 今度は友人として、治翠は提案した。
「旅行かぁ……」
 紅茶を口に運ぶ雪人。あまり乗り気ではないようだ。
 依頼を受ければ外に出る雪人だが、日常生活においては自室で過ごす時間が圧倒的に多い。
 前述した彼の欠点とはこれである。すなわち引き籠り。
「ハルはどこか行きたいところとか、ないの?」
 雪人自身、引き籠り体質である自覚があった。
 それは、世話をしてくれている治翠も、部屋に籠りがちになるということを意味する。
 治翠に行きたい場所があるのなら、この機会を使って羽を伸ばしてもらった方がいいだろう。
「私ですか?」
 手を止める治翠。雪人は頷いた。
「ずっと俺に付き合わなくてもいいんだよ?」
「……いえ。私は自分の意思でここにいますので」
 にこり、と微笑んで、治翠は続けた。
「ある程度書類を片付けたら、散歩にでも行きましょう」
 外は快晴。
 綺麗な青い空は、雪人が好きなもののひとつだ。
「……そうだね。散歩くらいならいいかも」
 窓から覗く夏空を見ながら、雪人は笑顔で頷いた。


 ――数分後。
「溶けそう……」
 外を歩く雪人は、後悔していた。
 空は綺麗だ。澄みきった青には、不思議な魅力がある。
 しかしその感動を消し飛ばすほどに暑さが凄まじい。
 想像はしていたが、覚悟が足りなかった雪人である。
「大丈夫、ではなさそうですね」
 苦笑する治翠。タオルでくるまれた氷結晶を雪人に手渡す。
 ありがと、と口を開きかけた雪人の耳に、息を切らして駆ける音が聞こえてきた。
「――おい、あんた! ちょっと聞きたいことがある!」
 雪人の眼前で急停止したのは、地堂 光(jb4992)。
 ぜえぜえと荒い呼吸を繰り返しながら、光は早口に尋ねた。
「このあたりで隠れるのに良い場所ってないか!?」
「……隠れる場所、ですか」
 雪人の言葉に、何度も頷く光。
 残念ながら、雪人では答えられない質問だった。視線で治翠に助けを求める。
「この道を真っ直ぐ行けば、商店街がありますよ」
「商店街か! わかった、ありがとう!」
 礼を言う時間も惜しい、とばかりに再び駆け出す光。
「……なんだったんだろう」
「さあ……? ただのかくれんぼや鬼ごっこではなさそうでしたが」
 あとに残された二人は、そろって肩を竦めた。



「ふー、食べた食べた!」
 昼食を済ませた並木坂・マオ(ja0317)は、ご機嫌だった。
 満腹だからご機嫌なのであって、決して師と仰ぐ老人からおごってもらったからではない。たぶん。
「さすがにこの時間だと、みんな日陰でお昼寝中かな」
 午前の間、あちこちで集会を開いていた野良猫たちは、涼しい場所を見つけてごろごろしているようだ。
 彼らと戯れ、コンビニで漫画を立ち読みし、ゲームショップで店頭広告を眺め。
「とうちゃーく!」
 とある川原に辿り着いたマオは、さっそくトレーニングを開始した。
 といっても、きちんとしたメニューはない。
 軽く準備運動をした後、飛んだり跳ねたり走ったり、気の向くままに動く。
「――っおぉ! きたきた、今の感じ!」
 そして、偶然生まれた『実戦で活かせそうな動き』を、体に馴染ませる。
 負荷が少なく、無駄も少なく、流れるような自然な技を身に着ける。
 師の教えであり、マオが戦場で必要と感じたことだ。
「そーだ。あのキャラの技とか再現できないかな?」
 しかしながら、マオのトレーニングの根底にあるのは、そのときの気分である。
 ゲームや漫画に登場するキャラクターたちの使う技には魅力がある。
 実戦で使えるかどうかはさておき、マスターすればカッコイイのは間違いない。
 じゃあやろう! やってみよう! というところで。
「あのー! すいませーん!」
「ん?」
 土手の上で大声を張り上げ、こちらに手を振る少女に気づいたマオは、トレーニングを中断する。
 小走りに駆け寄ると、少女がぺこりとおじぎをした。
「高等部2年の地堂 灯(jb5198)です。ちょっとお聞きしたいことがあって」
「はいはい、なんです?」
 首を傾げるマオ。灯は身振り手振りを交えながら尋ねた。
「えっと、これくらいの背で、髪が茶色い男の子、見ませんでした?」
「男の子……探してるんですか?」
「はい。弟なんですけど……もう、光ったらどこに行ったのかしら……」
 眉をひそめる灯。
 うーん、と唸っていたマオは、ぽんと手を打った。
「あ、そーいえば。街をぶらぶらしてたときに、そんな子を見かけたかも」
 やけに慌てた様子で、何かから逃げるように走っていた、茶髪の男の子。
 のどかな風景の中で異様に緊張していた彼は、マオの記憶に引っかかっていた。
 マオは知らない。彼が焦っている原因が、今、目の前にいることを。
「本当ですか! どこで見ました?」
「あのへんであっちに走ってったから……図書館に向かったのかな?」
「図書館ですね、ありがとうございます!」
 おじぎをして走っていく灯の背を見送りながら、マオは小首を傾げる。
(……なんだろう。ちょっと寂しそうに見えたけど……)
 まあいいか、と気を取り直し、新技の開発に熱中し始めるマオであった。



「…………」
 ページをめくる音と、独特の紙のにおい。
 フォルトゥム(jb6689)はそれらが好きだった。
 趣味は読書という彼。最近久遠ヶ原にやってきたばかりで、天魔やアウルの知識もまだまだ足りない。
 黙々と文字を追うその視線は、真剣そのものだ。
(……相手が人外となれば、新しく学ばなければならないことも多いな……)
 元ドイツ陸軍所属の兵士、それが彼の経歴だった。
 従軍の経験があるとはいえ、今の立場で敵となるのはヒトならざる存在ばかり。
 準備もなく戦闘に参加すれば、味方のお荷物になることは目に見えている。
 時間がたくさんある夏休みのうちに、得られる知識は身に着けておきたいところだ。

「見つけたっ!!」
 図書館内に、大声が響いた。
 その音に顔をしかめ、視線を本から外したのはフォルトゥムだけではない。
「ちょっと待て! 姉さん、ここで暴れるのはまずいって!」
 本棚の影から飛び出してきたのは、茶髪の少年・地堂 光である。
「光が大人しく簀巻きにされれば済む話よ! 待ちなさいっ!」
 さらりと恐ろしいことを言いながら、姉である地堂 灯が彼を追う。
「待つわけないだろ! もうアレはこりごりなんだよ!」
「だったら、なんで逃げたりしたのよ!? せっかくつくったのに、一口も食べないなんて!」
「あんなカラフルな冷やし中華が食えるかよっ!?」

 ……光が逃げた原因は、灯がつくった冷やし中華である。
 途中までは良い感じだった。そのはずだった。
 しかし、光の前に出てきたのは、七色に輝く謎の物体Xであった。
 命の危機を感じるようなそれを食べろと言われれば、誰だって逃げるだろう。

「待ちなさいってば!」
 捕まえようと伸びる灯の手を、ひょいひょいと回避する光。
「こうなったら……!」
 魔導書を構えた灯の手から、電撃が放たれた。
 覚えたてのスタンエッジが光に直撃する。
「いてぇっ!?」
 ようやく止まった弟を宣言通り簀巻きにし、灯は満足そうだ。
「お仕置きタイムね。覚悟しなさい!」
「ちょっ、待て!! 待ってくだsうぎゃあああ!?」
 灯が放つ威力最大のエナジーアローが、光を飲み込んだ。
 哀れな弟は、姉の容赦無いお仕置きを受け、黒焦げになって沈黙した。

「…………場所を変えるか」
 ぱたり、と本を閉じ、フォルトゥムは呟いた。
 騒音もさることながら、冤罪で散った少年を眺めながら読書をするというのは、何とも。

 この後、駆けつけた図書館員さんに灯が叱られたのは言うまでもない。
 光もその場にいたのだが……当然、まだ帰ってきていなかった。意識が。
 図書館では静かに過ごしましょう。



●夏と言えば、海!

「――さて。はじめましょうか」
 スカイブルーのモノキニ姿の高虎 寧(ja0416)は、槍を片手に呟いた。
 スキル『水上歩行』を用いて海面に立つ彼女。周囲に人影はなく、波は穏やかだ。
 青い空の下、青い海の上で、寧の持つ槍が光の軌跡を描きはじめた。
 彼女の行う模範演舞は、繊細でありながら力強く、まさに舞い踊っているかのような美しさがある。

「ふぅ。いい汗かいた、っと」
 満足げに頷いた寧は、得物をヒヒイロカネに戻し、スキルを解除した。
 水が弾ける音。全身を包む冷たさが心地良い。
(戻ったら、適当な場所でごろ寝……かしらね)
 気持ちの発散は済んだことだし、体の熱りも戻る間に落ち着くだろう。
 あとは、連日の熱帯夜で不足気味な睡眠が、たっぷりとれれば完璧だ。
(海面模範演舞、なかなか良いわね。今度は、誰か忍軍を誘って一緒にやってみましょう)
 陸へ向かってのんびりと泳ぎながら、今後に思いを馳せる寧であった。



 その頃、砂浜では。
「熱中症予防にカキ氷は最適っすよ! 夏休みの思い出に記念写真はいかがっすかー!」
 小田切ルビィ(ja0841)は、海の家でのアルバイトに励んでいた。
 夏休みは絶好のかき入れ時である。
 稼いで稼いで稼ぎまくる!と内心で息巻くルビィ。

 彼には叶えたい夢があった。
 戦場カメラマンとして有名な賞をとる、という夢が。
 そのために、学園卒業後の進路は『通信社への入社』を希望している。
 しかし、それを叶えるには大きな弊害があった。
 借金である。学費や生活費など、今まで自分が学園から借りてきたお金。
 これを返済出来なければ、企業撃退士か公務員になるしか道は無い。
 もちろんアルバイト代だけで返せるような金額ではない。
 それでも、今はやれるだけのことをやるだけだ。
 少しずつでも、前へ。

「あっ、お姉さん! 写真! 写真どうっすか!?」
 ……それにしても、ルビィさん。さっきから女性にばかり声かけてますね。



「おーいっ!」
 波と戯れながら、はしゃいで手を振るミシェル・G・癸乃(ja0205)。
 パラソルの下、ビーチベッドに寝そべる癸乃 紫翠(ja3832)は笑顔で手を振りかえした。
(ミシェルはまだ高校生だしな……遊びたい年頃だ)
 妻を見守るその瞳は、夫というよりは保護者のそれに近い。
 しばらくして戻ってきたミシェルに、タオルを渡す紫翠。
「あまり遠くまで泳いで行かないようにな? 見失うから」
「大丈夫だし! シスイが見えなくなったら寂しいもん」
 えへへ、と笑うミシェル。苦笑する紫翠は、そっと彼女を抱き寄せた。
「あ……」
「身体、冷えてる。もう少し休まないとな」
「……う、ん」
 波の音が聞こえる。
 これだとすぐに暑くなっちゃいそう、とミシェルは思った。
 慣れているはずなのに、いつもよりドキドキしている自分がいる。

「ねえ、シスイ」
「うん?」
「一緒に海、入らない?」
 紫翠の背には、大きな傷痕が残っている。
 彼が砂浜にずっといるのは、そのためだ。
 うーん、と悩んでいる紫翠に、ミシェルが悪戯っぽく微笑む。
「逆にさ? 皆がこっちを見れないくらい、見せつけちゃえばいいんだしっ」
「……そうだな。俺も入ってみるか」
「やったっ!」
 着ていた半袖パーカーを脱いだ紫翠。
 その手を引くミシェルは、はじけるような笑顔だった。
 それにつられるように、紫翠も笑う。
(やっぱり、ミシェルの笑顔が一番だよな)

 波間で抱き合う二人。その唇が、重なった。



「――くそおおおっ!! くたばれリア充ぅぅぅッ!!」

 ご覧ください、皆さん。
 彼はラグナ・グラウシード(ja3538)。
 血の涙を流しながら、リア充を爆破しているところです。
 向こうでカップルがチューしてるときに、同じ海水浴場でこんなことが起こってるんですよ。
 ひどい。むごい。
 現実とは、かくも不平等で、残酷なのですね。

「我が新技で、成敗してくれるわッ!!」

 『シャイニング非モテオーラ』(タウント)で周囲の敵(リア充)の注意を向けさせ、『フルメタルインパクト』でぶん殴る!(男だけ)
 流れるような立ち回り! 美しい!

 だが非モテだ。

「逃げるつもりか? 無駄無駄無駄ァッ!!」

 一目散に逃げ出す野郎は、『小天使の翼』で追撃! 上空から『リア充滅殺剣』(フォース)で殲滅!(男だけ)
 真夏の太陽に輝くその姿! 神々しい!

 だが非モテだ。

「貴様らを滅ぼすまで、我が剣は折れぬぞぉぉぉぉぉッ!!」

 敵(リア充・男だけ)を薙ぎ倒しながら、ラグナは吠えた。
 非モテ騎士の夏は長い。



●その日を待つ二人

(――って感じで、今日も爆破に励んでるだろうなぁ)
 元・非モテ騎士友の会メンバー、星壮 焔(ja5378)は、かつて同志と呼び合った友の日常を想像していた。
 だいたい彼の想像通りである。


 激動の幼少期を過ごした焔。
 彼を変えたのは、一人の少女との出会いだった。

 ずっと、一人。
 拠り所が出来ても、すぐに一人になってしまう。
 そう思い込んでいたあの頃。

 幸せになってもいいのだ、と。
 気づかせてくれたのは、彼女だった。
 あのとき諦めていたものを、今、焔は手にしている。

 今度こそ失わない為に。
 皆を守る為に。
 もっともっと強くなりたい。

「……焔さん?」
 自分の名を呼ぶ声で、焔は我に返った。
 心配そうに見上げる雪成 藤花(ja0292)に、微笑みを向ける。
「ああ、ごめん。ちょっと考え事してたんだ」
「そうですか……」
 ふぅ。藤花は息を吐いた。

 初恋の人への、二度目の恋。
 指に光る指輪をそっと眺める。
 ホワイトデーに焔と交換した、藤花の宝物。
 彼と出会えた奇跡を、心の中で感謝する。

 二人は、藤花の実家を訪れていた。
 藤花の誕生日に挙行される結婚式、その前に結納を済ませるために。

「はいっ、夏野菜のカレーできたよ〜」
 焔と藤花がつくったカレーを、家族みんなで食べる。
 懐かしい味がする、と藤花は感じた。
 それはきっと、様々な思いが込められているから。

 お互いの笑顔を、ずっと、もっと近くに。
 二人の願いが叶う日は、もうすぐだ。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:16人

ラッキーガール・
ミシェル・G・癸乃(ja0205)

大学部4年130組 女 阿修羅
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
魔に諍う者・
並木坂・マオ(ja0317)

大学部1年286組 女 ナイトウォーカー
先駆けるモノ・
高虎 寧(ja0416)

大学部4年72組 女 鬼道忍軍
戦場ジャーナリスト・
小田切ルビィ(ja0841)

卒業 男 ルインズブレイド
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
愛妻家・
癸乃 紫翠(ja3832)

大学部7年107組 男 阿修羅
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
腕利き料理人・
美森 あやか(jb1451)

大学部2年6組 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
各務 与一(jb2342)

大学部4年236組 男 インフィルトレイター
伝説のシリアスブレイカー・
マクセル・オールウェル(jb2672)

卒業 男 ディバインナイト
天魔アイドル、参上ニャ!・
アヤカ(jb2800)

卒業 女 アーティスト
心の受け皿・
キャロライン・ベルナール(jb3415)

大学部8年3組 女 アストラルヴァンガード
ツンデレ刑事・
蒸姫 ギア(jb4049)

大学部2年152組 男 陰陽師
勇気を示す背中・
長谷川アレクサンドラみずほ(jb4139)

大学部4年7組 女 阿修羅
道を拓き、譲らぬ・
地堂 光(jb4992)

大学部2年4組 男 ディバインナイト
ガラスの錬装・
ゴンザレス 斉藤(jb5017)

大学部5年154組 男 ディバインナイト
主食は脱ぎたての生パンツ・
歌音 テンペスト(jb5186)

大学部3年1組 女 バハムートテイマー
海のもずく・
地堂 灯(jb5198)

大学部4年1組 女 ダアト
花咲ませし翠・
安瀬地 治翠(jb5992)

大学部7年183組 男 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
時入 雪人(jb5998)

大学部4年50組 男 アカシックレコーダー:タイプB
撃退士・
エイネ アクライア (jb6014)

大学部8年5組 女 アカシックレコーダー:タイプB
惨劇阻みし破魔の鋭刃・
久原 梓(jb6465)

大学部4年33組 女 アカシックレコーダー:タイプB
暁光の富士・
ルーカス・クラネルト(jb6689)

大学部6年200組 男 インフィルトレイター