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マスター:望月誠司
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
形態:
参加人数:10人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2013/02/01


みんなの思い出



オープニング

 彼はまさしく祈りを捧げる心境であった。
 彼は日本国が京都に在る、神の剣が創りたもう天の門、其を守護する八要塞が一つ、西要塞に詰めるサブラヒナイトである。
 サブラヒ。伺候する、従うを意味する「さぶらう」の古語である。それはサムライ、という存在の元になった言葉だ。侍なのか騎士なのかハッキリしろ、という意見がしばしば天界軍の一部でも交わされているらしいが閑話休題、彼が暫定指揮を取っている西要塞は今、窮地に追い込まれていた。
 城牆上も中庭も撃退士達に制圧され、残すは本丸である監視塔のみにまでなっていたのである。
 おまけに、先の戦いで総指揮官は本丸の屋上から要塞全体の指揮を取っていたのだが、あろう事か撃退士どもからの襲撃を受けて討ち死にしてしまっていた。さらにその補佐を務めていた副長もまた総指揮官と共に壮絶な討ち死にを遂げている。
 人間どもは高所へは容易に行けぬのではなかったのか! と嘆く者もいたが、下手人は人間ではないという噂もあった。真偽の程は、定かではなかったが。事実として解かっているのは、総指揮官は死に、副長も死に、彼が慣れない指揮を引き継いで、彼等は絶対絶命という事だけである。
 彼は祈っていた。
 最早自力では撃退士達を撃退する事は叶うまい。彼等が生き残れる道があるとしたら唯一つ。
――援軍。
 そう、援軍である。
 故に彼は中京城の方角へと祈りを捧げた。どうか、助けてくださいと――

 中京城。
「――と、きっと! かような状況かと思われる故、至急救援の軍を差し向けるべきかと思いまするダレス様!」
 天守の間にて、古風な和鎧に身を包んだ髭面の大男が言った。男の名は新田虎次郎。使徒である。さる有力な天使から京へと送られてきた援軍だ。
 虎次郎よりの長い語りを聞かされていた京都代将こと大天使ダレス・エルサメクは思った。

――こいつは、何を、言ってるんだ?

 と。
 サーバントというのは天界で創られる生体兵器であって、基本的には使い捨ての道具のようなものである。きゃつらにそんな情感などある訳なかろう、というのがダレスの考えだった。
 故に。
「貴様の妄言には付き合いきれぬわこのドタワケがぁッ!!」
 少年は怒声と共に立ち上がると大男の顔面を蹴りつけた。
「む、無体にございまするなダレス様!」
「ふん、貴様が阿呆な事ばかりぬかすからだッ!!」
 ダレスは眉間を指で押さえると溜息をついた。
「だが、しかし、要はあれだな? 救援の兵を送れという事だな? まぁそれには一理はあろう! 八要塞はこの地の守りの要故にな。これを落とさせる訳にはいかぬ。よし、出陣だッ!!」
「お待ちくださいッ!!!!」
「貴様は今度はなんだッ?!」
「御大将自らご出陣される事もございますまい! ここは、この新田虎次郎めにお任せくだされれば! 撃退士など一撃の元に粉砕してみせまする!」
 ダレスは思う。
 このパターンは、駄目なパターンだ。
「えぇい、そうやって出し惜しみなんぞしてるから負けるのだ! 俺は出るぞ!! 今度こそ撃退士どもを蹴散らしてくれる!!」
「お待ちください! 西も南も東も危急なれば、本城を空にする訳にはいきませぬ! どうかどうか、ご自重ください! ダレス様に万一があっては誰がザインエル様が残されたこのゲートを守護できましょう! 御大将は本城でどっしりと睨みをお効かせくだされますれば、後は我々が万事恙無く治めてみせまする! ですから、なにとぞ!! ここは堪え所にござりまする!」
 虎次郎の剣幕にダレスは唸る。京ゲートは彼が創ったゲートではなくザインエルより信頼され預けられたゲートだ。ダレスとしても絶対に失う訳にはいかぬのである。
「……そこまで言うのならば、勝つ自信はあるのだろうな? 失敗は許されぬぞ!」
「我が魔神殺しの太刀に懸けて! 必ずや勝利して御覧にいれまする!!」
「……良かろうッ! ならば今回は貴様に預けてやる! いけぇい!!」
「はっ!!」
 一礼し立ち上がる虎次郎。しかし。
「ああ、そうだ、ちょっと待て。家畜どもの吸収具合はどうなっている?」
 大収容所に囚えられている京市民を指してダレスは言った。
「担当によれば生かさず殺さず調整して吸いだしているとの事ですが……最近は摩耗も激しいと」
「ふん、無気力になり果てるか。一つ殺さぬ程度に痛めつけてやれ! 恐怖、怒り、嘆き、なんでも良い。感情を煽るように伝えろ。あらゆる手段を用いて感情を増幅させ吸いだすのだ!」
「……あらゆる手段、でございますか?」
 虎次郎は眉を潜めた。
「そうだ! 何か問題があるのか?」
「いえ。ただ、ザインエル様なれば、そのようなせせこましい真似は是とはされぬのではないかと……」
 虎次郎は思う。あらゆる手段、というのは、あらゆる手段だろう。感情を煽る方法というのは、色々あるが、効率が良いのは、概ね下衆な真似である。
「だから俺の責任でやるのだッ!! とかく精神の収穫高をあげろ!」
「……はっ」
 それがどういう事か、解かっているのだろうかこの少年大将は、と思いつつも虎次郎は頭を下げるのだった。


 陽が落ちる。
 西の空から差す赤光が要塞を照らし、城壁を紅の色に染め上げてゆく。
 赤光が地上を覆うなら、それは慰めだと昔、誰かが言った。大地に落ちた、血の色を隠すから。
「……くそっ、粘りやがる」
 監視塔の一階。黒髪の青年は焦りを滲ませながら呟いた。
 青年の名は秋津京也。執行部親衛隊長の一人だ。今回は京都奪還部隊のうち西要塞攻略隊の指揮を任されている。
 先の戦いでは日暮分隊等の活躍もあり、攻略隊は守備隊の防御を打ち破って、要塞の城牆と中庭を制圧していた。今は中央に立つ監視塔を攻囲中だ。本丸である監視塔を攻略するに際し、秋津は監視塔の扉からは突入せずに、三方の壁を破壊しそこより突入して監視塔の一階を制圧していた。
 そこまでは順調だった。
 だがしかし、二階への突入は上手くいっていなかった。一気に階段を突破しようとしても、二階からのサーバント達の猛反撃に逢い、どうしても二階に上がれないのだ。学園からの増援も来ているのだが、狭隘の為に数を頼んで攻める事ができなかった。無理に攻勢を仕掛けても被害が増加するばかりである。
(……畜生、屍の山を築くのを覚悟で総攻撃するしかねぇのか?)
 秋津は事実上死ねと指令するのを躊躇っていた。同じ学生なのだ。書記長のようには割り切れなかった。もしも鬼島だったら――きっと秋津と同じように躊躇っただろう。会長なら、どうしただろうか。
『秋津隊長ッ!』
 光信機から悲鳴のような呼びかけが響いた。
「なんだ?」
『外にっ! サーバントが! 城塞が囲まれていますッ!!』
「――ナニィッ?! まだ出撃の報は聞いてないぞッ! 斥候は何やってたッ?!」
『応答がありませんッ!』
「くそ!」
 殺られたらしい。
 秋津は光信機を手に急ぎ指令を飛ばす。
「各分隊プランBに変更! 城牆上を固めろ!」
 撃退士達が迎撃の為に走ってゆく。
 その時、階段からサブラヒナイト達が奇声をあげて一斉に駆け降りて来た。援軍の到来を知って反撃に出たのだ。
(……このくそ忙しい時にッ!!)
 秋津は裏目裏目に出る事態に対して歯軋りし、そして何処かがプツンと切れた。
「よし、逆に好機と思え! 秋津分隊と日暮分隊は突撃だ! 一気に監視塔を陥落させるぞッ!!」


リプレイ本文

「この怒声……どうやら、外が拙い事になってるみたいですね」
 夏野 雪(ja6883)が顔だけを向けて外を見やりながらそう言った。
「敵の増援がきたらしく、反撃にでてきた。私達も攻める。逆に好機と思えとの事」
 光信機を片手に黒髪の女が答える。分隊長の日暮恋歌だ。
「ピンチを逆にチャンスに変えるわけですわね」
 クリスティーナ アップルトン(ja9941)が頷く。
(包囲していると思ったら、援軍ですって―……)
 カタリナ(ja5119)は戦慄していた。
「何としても上を制圧して下の仲間を助けなければ!」
「ああ、行こう、突入だ」
 日暮が頷き、クリスティーナは煌めく黄金の杖を手に言う。
「了解。日暮分隊、突撃ですわ!」
「それじゃ、皆。手順は間違いなく行こう」
 黒須 洸太(ja2475)は落ちついた様子でそう言った。
 他方。
 仲間達の会話を横で聞いていた鴉守 凛(ja5462)は少し嬉しかった。
 彼女がこの分隊に参加した理由はただ一つ。
『最も危険に見えたから』
 だ。
――退路の無い屋上からの突入というのは、危険だろう。
 鴉守は身が危険であれば危険である程、高揚する性質だった。湧き上がる衝動に対して、純真だ。
 一人遊びでは満たされぬ。他人と何かを成す愉悦。戦場では仲間と敵がそれを叶えてくれる。
 彼女がかつて唯一足を運んでいた教会の牧師は勧めた、久遠ヶ原への入学を。
 過去の鴉守は一人でいる事が多かったが、寧ろ人と関わりたいと思っていた。
 牧師が何故、入学を勧めたのか。その意図は知っている。だから、戦いだけに没頭しつつある現状に少し申し訳なさは感じている。
 戦場での絆は、強い。
 互いに背中を預け合わなければ前を向いて戦えないからだ。
 戦場で剣を交える相手は目を逸らさない。
 瞬き一つで、殺られるからだ。
「此方が派手な程、他が楽にはなりますかねえ……」
 呟きが意味する所は自己犠牲、きっと多くはその通り。しかしながらその台詞、鴉守にとっては、建前だった。
 本音は。
『少しでも長く続くように』
 それが意味する所は、嗚呼、嗚呼、嗚呼、紅蓮に燃えるこの赤空の彼方に、十字架は見えるだろうか。
 人は愛ゆえに悲しい生き物だと昔、誰かが言った。
(……また一緒か)
 他方。分隊に参加中の機嶋 結(ja0725)は視界の端に見える悪魔の少女の姿に辟易していた。前回も一緒だった。
(……仕事の邪魔さえしなければ、いい)
 湧き上がる排除したい衝動を無理やり抑えつける。
(私にはお金が必要)
 必要なのだ。現状を解消できる程の金額が。
(溜まるまでは雌伏……それが終われば、悪魔なんて)
 ぎゅっと己の義肢を掴む。
 機嶋の瞳に映る悪魔の少女ことナナシ(jb3008)は考えていた。
(今回、敵から狙われ易いのは覚悟の上)
 けど攻撃に集中する。一人で何でもできるわけじゃない。回復防御は仲間が何とかしてくれると信じている。
 信じて裏切られたら、自分が悪い。
(――命を賭ける以上、仲間を信頼できなきゃ戦場になんて立てない)
 最後まで立って、られるかな。
 人は一人では生きられない。
 人は人に殺され、人に生かされる。天使も悪魔も、それは同じだろうか。
「……いずれにせよ、私達が進まねばならないのは確か……」
 夏野が三階への穴、梯子前に膝をつきつつ、ぱらりと魔法書を開く。
「推して」
 即座に下方の穴から鋭く矢が撃ちあげられて夏野の眉間目がけて迫る。少女は片手を下方へと翳した。
 弓矢が夏野の手をぶち抜いて抜け胸にあたり止まる。手の甲から血飛沫が噴出し瞬く間に真っ赤に染まった。
 夏野は眉一つ動かさずに続ける。
「……参ります」
 アウルの光が溢れ、彗星が部屋の中へと降り注いだ。


 紫ノ宮莉音(ja6473)、思う、小さな女の子が戦うのも珍しくないし、紫ノ宮よりずっと強いことだって知っている。けれど、やはり、少し、悲しくなる。
 今はそんな事を思っていられる状況ではないのかもしれない。だが、悲しいものは悲しいのだ。そして、それでも、悲しみにかかずらわずに戦わねばならない。少年もまた穴上から顔を覗かせると彗星を下方へと撃ち放った。渾身の一撃だ。
(ずっと、たくさん、みんなが繋げてきたんだもの。次へ、絶対、繋げなくちゃ)
 その思いがある。なんとか、突入のために待ち構えてるのを崩したい。周防 水樹(ja0073)もまた梯子前で伏せると味方の邪魔にならぬよう突撃銃だけを穴に入れてフルオートでぶっ放した。牽制が目的だ。
 穴の下を取り囲むように構えていたサーバント達に彗星の嵐が降り注ぎ、弾丸の嵐が襲いかかる。
 上からの撃ち降ろし。夏野から放たれた彗星が北東の木乃伊武者に直撃し、その隣の武者は素早く身を捌いてかわし、骸骨指揮官も回避、南側の武者も回避し、南西武者は直撃を受けた。彗星を受けたサーバント達の動きが僅かに鈍る。彗星が生み出した重圧だ。
 重ねるように放たれた紫ノ宮の彗星が北東武者に直撃、東武者にも直撃、骸骨指揮官に直撃、南武者は素早く身を伏せてかわし、南西武者は直撃。精度が高い。
 次いで撒き散らされた周防の弾幕に、ついにサーバント達は堪え切れぬようにそれぞれ一歩後方へと跳び退く。
 カタリナ、黒須、機嶋、ナナシの四名はそれぞれ小天使の翼と闇の翼を発動、各位白い翼と黒い翼を背に出現させ、次々に穴へと飛びこんでゆく。
 先陣を切ったのはカタリナ。三階の様子が目に飛び込む。カタリナは天井ぎりぎりを東へと飛行し、攻撃も繰り出したかったが、意識を小天使の翼の発動に割いてしまっていたので、そのまま木乃伊武者の頭上を越えてゆく。
 二番手に三階に降下したのは黒須。
 奇襲的に突っ込む場合、敵の反応能力にも拠るが、案外先頭よりも二番手、三番手の方が危険な場合も多い。先頭へは反応が間に合わないが、続く敵には間に合うからだ。
 加えて。
「これでも男としてプライドはあるからね」
 黒須、特に移動はせずに白天の翼を背に笑顔でナックルを構え、サーバント達を見下ろす。
 青年曰く、戦闘経験は他よりも少ないかもしれない。だが、年齢は上のほうだ。今更威厳が必要ではないけども、女子に傷をつけるようでは男としての沽券に関わる。との事。
 その意気や良し、なら望み通り貴様から殺してやる! と武者達が思った訳ではなかろうが、東の二体の木乃伊武者と南の二体の木乃伊武者が抜刀様に跳躍し次々に黒須へと鋭く輝く刃を繰り出した。包囲一斉攻撃。
 黒須、防壁陣を発動して蛍丸を顕現、正面、動きの鈍っていない木乃伊武者より放たれた稲妻の如く突きを大太刀を抜刀様に振るって撃ち落とし、返す刀で左側面からの木乃伊武者からの太刀を打ち払う。右からの木乃伊武者よりの突きが脇腹に炸裂し、態勢が崩れた所へ右斜め後背からの武者の振り下ろしが背を叩き斬って抜けた。突き刺された刃が捻りながら引き抜かれ青年の身から血飛沫が噴出し、負傷率十九割四分、ぷっつりと意識が消えた。血反吐を吐きながら黒須が血河に沈む。曲って生きるより真っ直ぐ死ぬか。
 しかし黒須が集中攻撃されている間に撃退士達が次々に降下を完了させている。
 機嶋もまたカタリナに続いて東へと飛行。フォースで進路上のサブラヒをふっ飛ばしたかったが、カタリナと同様にこのターンは小天使の翼の発動に使っているのでそのまま東へと抜ける。壁走りを発動して突入した名も無き忍者は天井を姿勢低く走って北東へ。
 ナナシは南東を向いたままバックするように飛行して北西の隅へと移動。
 鴉守、穴に飛び込み降下着地すると床に倒れた黒須の頭上を通してフォースを撃ち放つ。唸りをあげて迫った光の波動が木乃伊武者の胴に炸裂して、その身を軽々と東へと吹き飛ばし、鴉守は空いたスペースへと即座に踏み込んだ。
 南東方向に位置する骸骨指揮官と二体のコボールトは弓矢を引き絞ると北東へと方向転換し飛ぶカタリナの背をバックアタック、しようとしたが、続く機嶋が塞いでいるので、機嶋へと狙いを移す。機嶋、これは警戒してるか。側面、指揮官と二体のコボールトから放たれた矢が唸りをあげて迫り、機嶋は視界の端に煌めいた矢光に素早く反応、防壁陣を発動、振り向きざまにブラストクレイモアを掲げ、受けて、止めて、斬り払う、全弾防いだ。矢が大剣に中って弾き飛ばされてゆく。機嶋、衝撃が抜けて負傷率一割三分。
 部屋北の指揮官二体は北西へとバック飛行しているナナシへと弓矢を向ける。ナナシ、警戒しているからこその飛行法なのだろうが、南東向いてるならこちらも横手を取られるか。二体の指揮官の強弓から閃光の如くに二連の矢が放たれた。側面からの攻撃を感知したナナシは視線を横へと走らせながら身を翻し、咄嗟に金剛の術を発動。自身の肉体を硬化させる。多大なレート差を乗せた矢がアーマーを貫通し、硬化したナナシの身に突き刺さり強烈な衝撃を巻き起こす。灼熱感と共に激痛が走り、負傷率八割二分。金剛術のおかげで硬い。
「『久遠ヶ原の毒りんご姉妹』華麗に参上!ですわ」
 言葉と共に肉感的な甘い肢体を持つブロンドの美女がふわりと三階に降り立つ。英国貴族である毒りんご姉妹の姉は至高の存在であり、いつだって華麗に参上し優雅に戦場を踊るのだ。実際の所は、以下略。一見高飛車だが内心周りの目を気にしてたりするお嬢様は獅吼と共に黄金の粒子を全身から噴出して光纏すると阻霊符を発動させる。
(敵がコメットのダメージを受けた直後の今がチャンスですわ)
 なるべく多くのサブラヒナイトを攻撃範囲に巻き込みたい。が、対象以外の武者を巻き込むのはちょっと難しいか。
 女は西側へとステップするとアウルを全開に宝石が散りばめられた黄金杖を身を捻りざまに南東へと向ける。
「煌く流星の咆哮を受けなさい、スターダスト・イリュージョン!」
 キラキラと幻想的に輝く魔法的な流星群が杖から放たれ、南武者を貫き、機嶋へと矢を撃った直後のコボールトを側面から貫いて抜けてゆく。獣人から苦痛の声があがった。
「では……行きます!」
 夏野。手に突き刺さり貫通している矢を圧し折って引き抜き降下する。傍から見ると平然としているように見えるが、実際の所、めっちゃ痛かった。感情に乏しい訳ではなく、感情を表現する術に乏しいだけなのだ。真実は十五歳の少女相応の高い感受性を持っているので、泣きだしたい勢いだが、状況的にも盾の一族の誇りにかけても、ここで立ち止まっている訳にはいかないのである。ちなみに負傷率は現在二割五分。
 夏野に続いてマキナ・ベルヴェルク(ja0067)もまた黒夜天・偽神変生を発動させつつ降下、三階の床へと着地する。
 穴から身を覗かせて3階内の様子を伺っている日暮は、素早く周囲へと視線を走らせ、黒須と一刹那迷ったがナナシへとヒールを飛ばす。アウルの光がナナシを包み、急速に傷が癒え痛みがひいてゆく。負傷率二割四分まで回復。
「貴方達に心があるか知らないけど。先に謝っておくわ。ごめんなさい」
 ナナシ、サーバント達へと言いつつ北西の隅の位置から魔導書を手に状況を睨む。
 他方、マキナ。
 先に発動させたのは師より賜った「秘術」より具現する力の一端。
 それは擬似の変生――変生とは何か? 他の物に成り変わること。黒夜天においてそれは『終焉』と言う渇望を基に行われる。
 それは万象幕引く偽神の具現であると伝える。元来黒夜天は「世界終末の夜」という意を示す。世界の終焉、その理を具象する術。
 万象とは何か? 総てだ。
 終焉とは? 焉、いずくんぞ、なんぞ、ここに、いずくにか、これ。ここだ。
 つまる所、今ここに終わらせる、という事だ。総てを。
 やれるか?
 少女は思う、敵を駆逐する事、それしか己には出来ぬ。
 そして、それこそが己が為すべき事だ。
 マキナは着地した低い態勢から床を蹴って風の如くに骸骨指揮官の間合いへと踏み込む。見据えるのは虚ろな瞳をした動くしゃれこうべ、言うならこれほど終焉に逆らっている存在もない。
 骸骨、奇声を発しながら低い位置を薙ぎ払うように剣を繰り出す。黒衣の少女は跳躍した。刃が足下を通り抜けて空を斬り、マキナは宙で身を捻りざま包帯に包まれた右の義腕を繰り出した。黒焔を纏った拳が骸骨を横殴りに打ち抜き、その肋骨から背骨までを一撃で粉砕して突き抜ける。腕を引き抜くと骸骨指揮官は音を立てて床に崩れ落ちた。撃破。
 北東位置についた機嶋、ナナシを撃墜せんと再び矢を番えた北の骸骨指揮官の背後へと突進しブラストクレイモアで斬りかかる。バックアタック。猛然と振り下ろされた大剣が骸骨の背に炸裂し、半壊して大きくよろめいた所へすかさずカタリナが踏み込んで星煌の太刀を一閃させた。星のように煌く刃が背骨を逆袈裟に叩き斬って抜け、両断された骸骨指揮官が音を立てて床に崩れ落ちる。撃破。
 忍者は南へと向き直って踏み込むと、天井から土遁・土爆布で土砂を降らせて骸骨指揮官と二体のコボールトへと範囲攻撃を仕掛けている。三体のサーバントは反撃の矢を忍者へと撃ち返し、忍者は二発をかわすも一矢がその腹をぶち抜く。
 夏野はアウルを集中させると忍者の土遁に重ねるようにコメットを撃ち放った。土砂が荒れ狂い、彗星が唸り三体のサーバントを次々に呑みこんで、まずクリスティーナからの流星を喰らっていたコボールトが倒れ、次いで無傷だったコボールトも土砂に呑まれた所を彗星に潰されて沈んだ。やがて土と彗星が消え、骸骨指揮官は満身創痍だがまだ立っていた。
 他方。鴉守、柄を持つ手を滑らせて射程を調整しつつ振り上げ、正面東の鎧武者へと斧槍の刃を振り下ろす。東武者は右手で太刀持ち、左腕の手甲を太刀の峰に添えて頭上に掲げるようにかざした。斧槍と太刀が激突して重い衝撃が巻き起こり激しく火花が散ちり、その側面、北の木乃伊武者が踏み込んで、その背を打つように太刀を横薙ぎに繰り出す。しかし、その刃が鴉守へと届く前に、北西より迫り来た爆雷の剣が北武者の頭部を吹っ飛ばして抜けていった。ナナシの射撃だ。ヘッドショット。
 ナナシ、雷霆を放ったと同時、再び矢撃が迫る。今度は一本。身に矢が突き立つも金剛術で対抗して負傷率四割一分。東武者は斧槍を払うと鴉守へと鋭い平突きを繰り出した。鴉守、シールドを発動しつつ斧槍の柄で受けんとするが、突き出すように掻い潜られてから軌道が変化し、装甲の隙間、右腕部を薙ぎ斬られる。が、咄嗟に鴉守が身を捌いた為に浅い。負傷率六分。守りが硬い。
「洸太さん! 聞こえますか!」
 屋上、紫ノ宮、穴の下で倒れている黒須へと呼びかけつつ日暮と共にヒールを発動、二重の光が青年の身に集中し傷が急速に癒えてゆく。負傷率九割七分まで回復。
「貴方の相手は、私ですわ!」
 クリスティーナ、最西のサブラヒナイトへとアールマティロッドで打ちかかる。身体を張って止める。あんまり優雅じゃないが、仲間を撃たせる訳にはいかない。
 黒須にトドメを刺そうとしていた木乃伊武者はクリスティーナからの一撃に反応し一歩後退してかわし、反撃の太刀を稲妻の如くに放つ。クリスティーナはシールドを発動し杖で斬撃を受け止める。
 そのクリスティーナの側面へと、もう一体の鎧武者が踏み込み、屋上に伏せる周防、セミオートで発砲、発砲、発砲。撃ち降ろしの弾丸が空を切り裂き飛んで武者の鎧に鈍い音と共に連続で命中し火花を散らす。
 相手側からすると、嫌な位置だ。上下に注意が分散するのはやりにくい。
 弾丸の衝撃に身をよろけさせた木乃伊武者はそのまま一歩後退して穴上を見上げて、太刀を納めて鬼火の弓を出現させると周防へと撃ち返す。閃光の如くに迫る矢を周防、威力を計る為に顔を逸らし敢えて肩で受け止める。
 かつて暮らしていた教会を天使によって焼き払われ、育ての親であった神父やシスターを殺された青年、天界軍を消し去る為ならそれくらい、やる。
(天界軍)
 青年は痛みを無視して無表情で木乃伊武者を睨む。周防は常は己の暗い感情は表へと出さないが、今、天界の尖兵を睨み据える瞳には憎悪の火が灯されていた。
 なお負傷率は二割三分。装甲が厚く天属性のディバインなら耐えられるが、装甲が薄い冥属性の者に直撃するとかなり痛打か。
 黒須、意識を取り戻し起き上がる。
 階下から虚ろな目をした骸骨達が登って来た。敵の増援だ。階段上を浮遊している悪魔の少女が気付いた。
(二体だけ?)
 ナナシ、胸中で呟きつつ雷霆の書物を掲げる。情報では二階には十体程度が見込まれていた筈だから、もう少し多く来そうな予想だったが、どうやら一階の撃退士達が大暴れしてるらしい。
 そして悪魔の少女は北西の隅、つまり階段の上空を舞っているので、のこのこと階段を登ってきた骸骨指揮官達の後頭部が手頃な位置に見えていた。
 バックアタック、頭上、不意打ち、アウルを集中させて今必殺の爆雷を撃ち降ろす。轟音と共に放たれた稲妻の剣が飛び、避けられる訳がない、骸骨指揮官の後頭部に直撃して吹っ飛ばした。クリティカルヒット。
「増援よ!」
 ナナシは声をあげた。先にナナシを撃ち落とさんとしていた骸骨指揮官は、背後から大剣を振り上げる機嶋の方へと咄嗟に振り向き、弓を捨てて剣を抜き、打ち込みを受け止めた。
 剣が上にあがった所を機嶋と連携するカタリナ、太刀に星煌の光刃を纏わせ骸骨指揮官の胴を抜くように薙いだ。光の刃が一閃されて骸骨の身が断たれ、その場に崩れ落ちる。
 隣で指揮官の頭をふっとばされた骸骨兵は、階段上で上を振り向き仰ぎ見ると、弓に矢を番えて撃ちあげた。ナナシは金剛術を発動、矢を受け止めるように突き出した足裏に鏃が突き刺さって負傷率五割一分。踵に刺さった矢が、戦闘としては軽い傷だが、地味に痛い。
 他方。
「そのような攻撃、喰らいませんわ!」
 クリスティーナ、木乃伊武者からの振り下ろしを半身に身を捌きながら踏み込んでかわし、短杖を旋回させて殴りつける。魔法の杖がサブラヒナイトの身に命中し、鈍い音と共にその鎧が凹んだ。
「世話をかけたようだね」
 黒須、穴上の紫ノ宮へと礼の言葉を残し、クリスティーナと斬り合う武者の、その隣のサブラヒナイトへ裂帛の気合いと共に大太刀で斬りかかる。コンパクトな振りだ。紫ノ宮は穴下へとすぐに飛び込んだ。
「黒須、無茶はするな」
 周防は堅陣防御を発動、黒須、クリスティーナ、紫ノ宮、夏野へと鉄壁を付与しつつ、黒須の背に声をなげる。
「寝てる訳には、いかなくてね」
 黒須の大太刀と木乃伊武者の太刀が打ちあわせて火花が散り、青年は周防へと答えつつ、鍔迫り合いのまま円を描くように側面へと回り込んでゆく。鎧武者は太刀を下方へと払うと一歩踏み込み、回り込み先を塞ぐように逆袈裟の斬撃を繰り出した。黒須は咄嗟に右へと身を沈ませつつ素早く大太刀で跳ね上げて逸らす。武者の太刀が頭部の先をかすめて過ぎ、切断された毛先が舞った。かわした。
「もうっ、絶対に生きて帰るんですからね!」
 紫ノ宮、飛びこむと同時にヒールを発動している。少年は言葉と共に集中させたアウルを黒須へと放ち、青年の身が光に包まれて痛みがひいてゆく。負傷率四割四分まで回復。
「階下より増援、残り一! 私が抑えます!」
 夏野、ナナシの声に振り向き状況を確認すると、コメットをライトヒールに変更活性化しつつ階段の方へと向かう。
 マキナは南東へと駆けつつ右腕、アガートラームを忍者へと矢を放っている骸骨指揮官へと向け、黒焔を放出した。黒い焔が満身創痍の骸骨の身を呑み込んで焼き払った。骸骨指揮官がその場に崩れ落ちる。撃破。
 日暮はナナシへとヒールを飛ばして回復させている。ナナシ、全快。
 他方。東のサブラヒナイトと対峙する鴉守、一対一。長い茶色の髪の女は全長3.2mの斧槍を中段に構え、和鎧に身を包む木乃伊武者は太刀をこぶし上がりの八双の位置に構えている。見据える木乃伊武者の眼窩は包帯で巻かれている。あれで見えているのか? そんな疑問が胸中をかすめる。木乃伊武者はゆっくりと太刀を下段に構え直し、刹那、斧槍の穂先へと太刀を振り中てて上へと巻きあげながら弾丸の如くに踏み込んで来た。太刀の間合いに入ると唐竹割りに真っ向から女の額へと振り下ろす。
 鴉守はシールドを発動させながら素早く身を捌くと巻きあげられた斧槍を半回転させながら掲げる。太刀と柄がぶつかって鈍い音が鳴り響く。重い衝撃を流しつつ片手を柄から離すと影の書を出現させ、至近距離から影の槍を撃ち放った。武者は咄嗟に飛び退いたが影の槍がその脇腹に中り鎧の表面を削ってゆく。矢をかわした忍者が天井より影手裏剣を投擲してその横手より撃ち抜いた。
 骸骨兵は夏野の接近に気づくと弓を捨てて抜刀様にソードで斬りかかった。
「私の盾は、お前一人で貫ける程薄くは、ないっ!」
 アウルを開放してランタンシールドを左手に具現化させ受け止める。腕を振るって骸骨兵の剣を払うと、右手に持つ雷鳴の書を突きつけた。黄金の光と共に稲妻の矢が出現し至近距離から骸骨兵を撃ち抜き焼き焦がす。
 屋上、周防、日暮と共にアサルトライフルでサブラヒナイトへとバースト射撃で集弾する。横からの猛射に瞬く間に無数の弾丸が鎧に命中し次々と火花が巻き起こってゆくが、サブラヒナイトは一向に倒れる気配を見せない。硬い。衝撃は通っているのだろうが、悉くが対物理フィールドを生み出す鎧に弾き飛ばされる。
 弾幕によろめきながらも繰り出された武者の太刀を黒須は飛び退いてかわし、大太刀を消してスクロールを出現させ、光球を放ちぶつける。これも痛打は加えられない。対物障壁は発動しないが、純粋な装甲に弾かれる。とことん硬い。
 3階、紫ノ宮、霊符を掲げると火の球を出現させ、木乃伊武者の側面より火球を飛ばした。複数方向からの攻撃に注意が分散している武者に火球が直撃して爆裂を巻き起こす。武者が焼き焦げよろめく、が、それでも倒れない。
 クリスティーナは杖にアウルを集中させると、目の前の木乃伊武者でなく、その東側で味方からの集中砲火を受けている木乃伊武者の背を狙って星屑幻想を撃ち放った。煌めく流星群が轟音と共に飛び出しサブラヒナイトを斜め後背から直撃して抜けてゆく。集中砲火を受けた武者はその一撃でついに倒れ、クリスティーナの正面の鎧武者が隙を逃さず踏み込んで太刀を振るいクリスティーナの肩口に刃を叩き込んだ。儀礼服が斬り裂かれて血飛沫が吹き上がり、負傷率三割二分。
 鴉守が書を翳して影の槍を再度放ち、木乃伊武者は横にスライドしてかわしざま太刀を一閃させる。影の槍が宙を撃ち抜き、サブラヒブレードが装甲の隙間、脇下を斬り裂いて抜けてゆく。鮮血が舞って負傷率二割六分、硬い。
 機嶋、マキナの動きを確認しつつ北側から声をあげて鎧武者へと迫る。
「私よりも……適材適所、ですからねっ……!」
 大剣を消しクロセルブレイドを出現させ様に斬りつける。氷の刃が一閃され、声に気づいた武者は北へと半身を捻り様に太刀を立てて受け止める。武者の東側面に回り込んだカタリナは踏み込み様に逆袈裟に星煌の太刀を振り抜いた。包囲からのサイドアタック。光の魔刃が武者の鎧を貫き、その奥の干乾びた肉体を貫いた。
 マキナは神天崩落・諧謔を発動、木乃伊武者の南側、背後へと影の如く踏み込むとその右の掌底を叩きつけた。アガートラームが鎧に中り、次の瞬間、武者の肉体内部に衝撃が巻き起こって背骨から破砕された。サブラヒナイトが声もあげずに崩れ落ちる。撃破。
 東武者へと射線を通しに向かっていたナナシは、それが倒されたのを見ると方向を転換、クリスティーナを斬り裂いたサブラヒナイトの頭部へと狙いを定めて雷霆を解き放つ。轟音と共に爆雷が飛び、武者は素早く上体を逸らしてスウェーした。稲妻が西壁に直撃して焦がす。外れた。忍者が木乃伊武者の背後に忍び寄り魔太刀を一閃させて切り裂いた。
 階段で攻防する骸骨兵よりの突きを夏野は盾で跳ね上げて防ぐと、雷霆の書よりカウンターの雷撃を発射して叩き込み粉砕した。
 最後に残った木乃伊武者は、それでもクリスティーナへと斬りかかったが、ひらりとかわされて反撃の杖に殴られた所を、黒須、紫ノ宮、鴉守、マキナ、ナナシの五名からの一斉砲火を受けて爆砕され、倒れたのだった。


「なんとか、三階は制圧できましたね」
 三階の全てのサーバントが倒れた後、カタリナが周囲を見回して言った。
「どんどんいきましょう。このまま一気に監視塔を制圧するのですわ!」
 クリスティーナが腕を振り昂然と言い放つ。
「ええ、急ぎましょう……下が気がかりですしねえ」
 鴉守が微笑しながら頷く。
「あ、でもその前に、隊長、全体への連絡は入れた方が良い?」
 ナナシが床に降り立ちつつ言った。
「そうだね、私の方から入れとくよ。皆、その間に移動準備をしておいておくれ」
 光信機を取り出しつつ日暮が頷く。
 そんな様子を眺めながら黒須はほっと一息をついていた。まだ戦いは続くかもしれないが、三階はひとまずなんとかなった。
(……ここの学校、可愛い子多すぎだよね)
 戦闘中は締めていたが、気が緩んだか青年は不意にそんな事を思った。特に同年代の三人がやばい。
「……黒須先輩、何か気がかりでも?」
 突撃銃を手に屋上から降りて来た周防は、一点に視線を向けている黒須の様子を訝しんだか、そう声をかけた。
「いや、可愛いと思わないかい?」
「……はい?」
 普段、表情の変化に乏しい周防だが、この時は呆気に取られた表情をした。未だ全体の戦いは終結しておらず、人類の天敵たる憎き天界軍とドンパチやりあっている最中のこの状況下でいきなり何を言いだしてるんだこの先輩は? である。
 先輩はどっかの国営放送の体操お兄さんのようにきらきらと爽やかな笑顔を浮かべていた。
 他方、
(下は……外はどうなってるかな……?)
 紫ノ宮は幾名かの名を胸中で呟きつつその安否を気遣っている。
 夏野もまたひとまずを切り抜けた事に安堵の息を吐きつつ想い人の名を胸中で呟いていた。無事に帰れるだろうか。
 各々思いを抱きつつ、撃退士達は再び戦場へと突入する為の準備を整えていたが、通信を終えた日暮が一同を振り返って笑顔で言った。
「皆、喜べ。準備は止めて良い。どうやら他も勝ったようだぞ?」



 結果。
 秋津分隊は一階で敵サーバントを迅速に殲滅して勝利し、屋上の日暮分隊も勝利した事から監視塔の制圧に成功した。
 外の正門守備隊もまた、突撃してきた使徒に痛打を与えて退却に追い込んでいた。
 使徒が退却した際に西要塞を四方から囲んでいたサーバント達も退却に移り、西要塞は完全に撃退士側の勢力下に置かれる事となった。
 勝利である。
 かくて、久遠ヶ原学園の旗が西要塞に翻る事となり、京を占拠する天界勢の一角が、ここに切り崩されたのだった。



 了


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:7人

撃退士・
マキナ・ベルヴェルク(ja0067)

卒業 女 阿修羅
消えない十字架を抱きて・
周防 水樹(ja0073)

大学部4年82組 男 ディバインナイト
秋霜烈日・
機嶋 結(ja0725)

高等部2年17組 女 ディバインナイト
踏み外した境界・
黒須 洸太(ja2475)

大学部8年171組 男 ディバインナイト
聖槍を使いし者・
カタリナ(ja5119)

大学部7年95組 女 ディバインナイト
ベルセルク・
鴉守 凛(ja5462)

大学部7年181組 女 ディバインナイト
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
心の盾は砕けない・
翡翠 雪(ja6883)

卒業 女 アストラルヴァンガード
華麗に参上!・
クリスティーナ アップルトン(ja9941)

卒業 女 ルインズブレイド
誓いを胸に・
ナナシ(jb3008)

卒業 女 鬼道忍軍