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マスター:水音 流
シナリオ形態:シリーズ
難易度:普通
形態:
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2017/08/30


みんなの思い出



オープニング

 リーゼ達がアカシャとの戦いを終えて気を失っていた、丁度その頃――

 “銀”を率いて街中のディアボロやサーバントの掃討に加わっていたウォランは、敵性体が消えた後、留まる事無く早々に街から脱出していた。

(タダで大量の兵が手に入るかとも思いましたが、やはりそう上手くはいきませんでしたねぇ)

 他と同じく、“銀”の群れも今は無く。
 これから何処へ行こうか。少なくとも、再び収監所へ戻されるのはゴメンだ。
 特にプランがある訳でもないが…

 ――いつかまた、空の下で、お友達として…お茶でも致しましょう。

 ふと心に浮かんだのは、収監されていた時に伝え聞いた、あの少女の言葉。

「……そうですねぇ。機会があれば、それも良いかもしれませんねぇ」

 誰に宛てるでもなく口に出す。
 さて。しかし今は、すぐに追ってくるであろう涼介達から身を隠す事が先決だ。

 ウォランは手足に残っていた鎖の切れた枷を外し、陽の昇り始めた空の中を静かに飛び去っていった。



 1人の犠牲者も出す事無く戦火を耐え抜いた養護施設の面々。
 バイタルアプリにアカシャと交戦していたらしい一同の失神が表示された際には多少焦ったが、そちらは既にオペ子が回収班を手配したと知る。

 そうしてリョウコが仲間達と共に施設組の治療や事後処理に当たっていると、

「…リョウコちゃん、お話があるの」

 風香が近づいてきた。

「わたし、涼介について行こうと思うの」
「…いきなり何言ってんだ」
「ウォラン先生を探すの」
「涼介は良いって言ってんのか?」
「あぶないし、“まっとう”な生き方じゃないから、ダメだって言われた…」
「だろうな」
「でも決めたの」

 涼介が連れていってくれないのなら、1人でも探しに行く。

「って言ったら、ついて来ても良いって」
「脅迫か」
「でもリョウコちゃん達にダメだって言われたら、やっぱりダメだって涼介が。あと、涼介の上司さん?にも怒られるかもしれないから、その時もやっぱりダメだって」
「……」

 リョウコはしばし風香の目を見つめた後、

「まあ、お前が自分で決めたんだったら、とりあえずやってみたら良いんじゃねーの?」

 そう言って、自分の携帯を彼女に手渡した。

「それやるから、何かあったらすぐに電話しろ。京埜には私から言っとく。あと、これは流石にリーゼにも話しとくからな?」
「うん、わかった。ありがとう」
「たまにちゃんとココにも顔見せに来いよ」
「うん。約束」



 いくつもの街を一望できる、丘の上。
 3人の天魔が、金色に輝く景色を眺めていた。

 天使の男が言う。

「君が思い描いた通りの結末かな?」
「そうでもない」

 答えたのは、眼鏡を掛けた悪魔。

「私は、世界が滅びの道から抜け出せないのなら、アカシャが勝つ未来も致し方ないとも考えていた」

 苦しみのない、停滞した世界。
 憎しみと欲望に塗れて刹那に終焉を迎えるよりは、最低限でも生命が存続しているその世界の方がマシなのではないか…と。

 対して、車椅子の悪魔が口を開く。

「その未来に意味はありませんでした」
「その通りだ」

 故に、彼らは戦った。己の意味を失わぬ為に。
 ヒトが持つ強さ。その可能性を目の当たりにして、眼鏡の悪魔は改めて思う。

「この世界は美しい」

 愛おしいほどに。

「これからどうするんだい?」
「どうもしない。『憂う者(ベゾルクト)』、それが私の名だ」

 いつからか、誰ともなくそう呼ばれるようになった1人の悪魔。
 ヒトを案じ、世界を見守り、ただそこに在る事だけに意味を持った1つの生命。

「手の掛かる部下も居るからな」

 懐で振動した携帯を手に取る。
 液晶には、『お腹すいた』とだけ書かれたメールが映し出されていた。







 ――4月27日、午前。

 今回の騒動に対する学園側の調査報告書作成に協力するべく、リーゼやエリスと共に斡旋所を訪れた栄一と幸恵。
 一通りの事務を済ませた後、実際に会うのは初めてとなる幸恵の挨拶も兼ねて一同と談笑。そしてその折に、

「結婚式をしようと思う」

 そう話を切り出した。

 生きていた頃には叶わなかった幸せ。
 今こうして一緒に居る時間は、もはや手に入らないと思っていたものだ。

 栄一に続いて、幸恵が言う。

「私は、機を見て本来の在り方に戻ろうと思っています。でもその前に、どうしても」
「よいと思います」

 頷くオペ子。

「ついでにお花見で祝勝桜パーリーもやるとよいです。式後の披露宴にもなって一石二鳥です」
「もう4月も終わりだけど、桜ってまだ咲いてるの?」

 そうエリスが首を傾げた直後、

「ぉぉおおお任せくださいぃぃぃぃ!!」

 何やら斡旋所の外から、スーツ姿の女性がドドドッと走ってきた。

「こんな事もあろうかと! 桜が咲いてる丘の上にある式場を確保してあります!」

 ブライダルプランナーのおねえさん。斡旋所のロビーに盗聴器を仕掛けておいた。こんな事もあろうかと。
 はぁはぁ言いながらウェディングドレスのカタログずらー。

「ドレスもお料理もすぐにご用意できます!」

 ジューンブライド前という事もあって若干シーズンオフ気味なので、お値段もお手頃だ。

「そちらのお二人も、パートナーの方とご一緒にいかがです!?」

 おねえさんがリーゼとエリスもロックオン。

「俺1人では決められない」
「私もディザイアと相談してみないと…」
「わっかりましたじゃあとりあえずお話の続きは会場でしましょうそうしましょう」
「連絡網ならオペ子にお任せです」

 関係各位に連絡を取り始めたオペ子に見送られ、一同は荒ぶるおねえさんにぐいぐいと連れて行かれてしまった――




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リプレイ本文

 式場へと連れてこられたエリス達。
 そこで何故かディザイア・シーカー(jb5989)が待っていた(たぶんお嬢センサー

「ついに…遂にこの日が!」

 男泣き。

「お嬢! ここで結婚しよう! 中々の好条件だ、これ以上はそうあるまい」
「そ、そう? ディザイアがいいなら、じゃあそうしよう…かな(もじもじ」
「衣装はどうする? デザインも好きに選んでくれ」

 人生の晴れ舞台だ。お嬢が気にいった格好で式を挙げた方が思い出に残るはず!

「私はどっちかと言うと、ウェディングドレスかなー」
「よし、なら俺も洋装だな!」

 タキシードに身を包んで、いざ出陣だ!



 ――その頃。

「Σハッ?!」

 ピキーン!と何かを察知して、窓の外を見やるRehni Nam(ja5283)。

「邪悪な波動を感じるのです…!!」

 この方角、確か丘の上に教会が。

「そうは問屋が三枚下ろしですよ」

 レフニーはパーティー用の衣装を引っ張り出し、いそいそと仕度を始めた――


●正午
 式場入口。薄桃色のカクテルドレス姿で受付を手伝う月乃宮 恋音(jb1221)。

「……こうして見ると、初めてお会いする方々も、結構いらっしゃいますねぇ……」

 隣では、フォーマルなブラックスーツに身を包んだ陽波 透次(ja0280)も立っていた。
 参加者の1人として挙式組への祝福の念を抱きつつ、談笑するゲスト達の様子をカメラに収めたりと、受付以外でも手を貸してくれている。

 そこへ、眼鏡を掛けた男悪魔が御祝儀を持って来場。

「本日はおめでとうございます。…フェルミ氏から案内を頂いたのだが、こちらで間違いないかな?」
「……本日はお忙しい中、御出席頂き、ありがとうございますぅ……。……はい、こちらで大丈夫ですよぉ……」
「では恐れ入りますが、こちらに御署名をお願いします」

 芳名帳に書き込まれた名は『ベゾルクト』。

 そしてまた別のゲストが来場。
 蝶ネクタイを付けたペンギンの群れ。

 お辞儀で迎える恋音。

「……御出席ありがとうございますぅ……」

 普通に通す。

「いや通しちゃダメでしょ!?」

 瞬間、砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)が来場ズザー。

 が、ペンギン達が揃って振り向くと、反射的にビクッとなるジェンティアン。
 ペンギン達は勝ち誇った様子でゲスト用のサンドイッチが乗ったテーブルを囲み、他のゲスト達がくれるそれをはむはむと食べ始めた。

「くっ、鳥類のくせに…!(ハンカチぎりぃ」

 まあそれはさておき、

「大きな戦いの前だからこそ、祝い事は盛大にやらないとね…!」

 良い機会だからと、ヘヴホラのオカマ勢に米田 一機(jb7387)を紹介する。

「「ぃやぁ〜ん! カズちゃん、お・ひ・さ・しぃ〜!(取り囲む」」
「や、どーもどーも」
「あれ? 一機ちゃん、皆とも顔見知りだっけ?」

 いつぞやの南瓜祭でキャシーと共演した際、他の漢女(おとめ)達にもチェックされていた可能性。

「いやー、まさか。この歳で同級生の結婚式に呼ばれることになるとは思いもしなかった。っていうかよく踏み切ったね」

 どちらにせよ、友人として。隊長として。嬉しいことこの上ない。

「いいじゃないのー、思い出にしっかり残して貰おう」

 そう言って一機はオカマの壁をするりと脱し、ふらりとどこかへ消えた。

「♪ら〜〜〜 らららら〜ら〜ら ら〜ら〜ら〜♪」

 その時、どこからともなく歌を口ずさむ声が聞こえてきた。
 薄いグリーンのドレスでおめかししたレフニー。足元は動き易さを重視したローヒールの靴。

「♪I,I,【にゃー!】,I, 愛【がおー!】て いても なぜ【こーん!】♪」

 ※大人の事情により、一部動物SEによる伏字でお送りしております。

「本日はおめでとうございますですよ(にっこり」
「……は、はい、ありがとうございますぅ……。……で、では、こちらに御署名をお願いいたしますぅ……」

 歌いながら名前カキカキ。

 ガシャッ
 ドレススカートの中から刀が落下。

「おっと失礼ー(しまう」
「……(ふるふる」

 その後もレフニーは、不穏?な歌を口ずさみながら控えスペースのテーブルでにこにこと式の開始を待っていた。

 一方、別のテーブルで1人黙々とノートPCを弄っていた青鹿 うみ(ja1298)。
 長らく無音の理系少女。

「アカシックレコードについて考えてました」

 眼鏡を外し、事件の報告書を表示していたノートPCをぱたむと閉じる。

 『世界の記憶』と言うが、人の記憶、いや記録も、全て刻まれているのだろうか。
 父親など存在しないと教えられ泣いた記憶も、それでもDNAに確かに存在するはずの父の記録も。

「忘れられるって辛いことですよね」

 立ち上がり、窓から外の景色を見やりながらしんみりとした空気を纏――

「え? せっかくのユート&ルディ回キター!と思わせるOPにわくどきリプレイ見てみたら、特に誰にも触れられず次のOPで消えていったとか、そっちの話ですよ?」

 ――ったかと思ったら全然そんな事はなかったぜ。

 次の瞬間、うみはみょいーんっと腕を伸ばして、庭の木の上に隠れていたルディを捕まえる。

「ほら、ルディさんもいきますよっ?」
「どうなってんだその腕…!」
「私が来たからには画面外でじっとしてられるとか思わないことです! ユートさんと何をお話したか教えてもらいますからっ!」
「アァ? なんで俺がそんな面倒くせぇ事…」
「肉まんもたくさんあるのですっ!(たぶん」

 青鹿嬢の本日の目的。結婚する人々を祝い、ルディを構う。
 いつもの活発さはそのままに、格好は可憐さを演出して薄黄のフリルドレスにケープを羽織り、パンプスを履いていた。

「私だって女の子なんですからねっ」
「別に何も言ってねぇ」

 他のゲスト達へ挨拶しに行くうみに引きずられ、ルディは「けっ」と小さく悪態をついた。



 その頃、新郎新婦達の控え室では。

 ビージングレースと美麗なドレーピング仕立ての、白いエンパイアラインドレスに身を包んだ和紗・S・ルフトハイト(jb6970)。
 エラに孫の晴れ姿を見せたいと思い、今日挙式する事に。

「とても美しい(こくり」

 そう感想を述べたのは、新郎であるリーゼ。
 彼の衣装は、グレーのスレンダータイプモーニング。

「恐縮です」

 大仰な物言いに何となく畏まる和紗(でも頬赤

「リーゼもとてもイケています(サムズアップぐっ」
「(ぐっ)」
「ところでリーゼ」

 不意に、和紗から提案が。

「新郎と新婦を逆にしても良いですか?」
「Σ」

 それはつまり俺が花嫁役という…

「あ、入場の話です」

 新婦が新婦側の父親と共に入場する最初の場面。それを逆にして、新郎が新郎側の親…つまりエラと共に入場する形に。

「なるほど」

 リーゼは小さく頷いて、同意した。
 そして和紗は、同じく新婦として部屋に控えているエリスにも祝福の言葉を掛ける。

 バックリボンのトレーンが印象的な白いウェディングドレス。
 普段ツインテにしている髪を解き、首の後ろで1つにまとめて軽いアップスタイルに。頭にはコームタイプのティアラを乗せていた。

「ありがとう! 和紗達も改めておめでとう。これからも幸せな毎日でありますようにっ」

 その姿を見て、新郎としてタキシードに身を包んだディザイアは至福を覚える。

「今までもずっと可愛かったが…今日は格別だな、綺麗だ…(惚れ直し」
「そ…! そそそ、そんなに褒めても、結婚証明書くらいしか出ないけど…!?」
「最高のご褒美だな!」

 俺の喜びが有頂天。

 しかし先日の告白時は実に大胆だったエリスも、今はすっかりいつも?のテンションに。
 冷静さんが仕事して積極性さんが旅に出たようなので、自分がしっかりと引っ張って行ってやらねば!

 でもそれはそれとして、

「お嬢もこれでエリス・シーカーか…」

 しみじみ。
 その時、ママやキャシーらオカマ勢が様子を見にやって来た。

「丁度良い時に来てくれた、キャシーに頼みがある。お嬢が入場する時の親役をお願いしたい」

 そして祭壇前で俺が後を引き継ぐのだ。

「来年こそ、来年こそ進級を頑張りますので!」

 ちゃんとお嬢を卒業させてみせるので!

「とまぁ、冗談(?)はさて置き…」

 ディザイアは一度姿勢を正して、保護者?である所のキャシーへと向き直り、

「娘さんを僕に下さい」
「だが、こ・と・わ・るぅ〜!」
「!?」
「ぃやぁん、冗談よぉ〜! お嬢をよろしくねぇ〜ん!」
(…この場合、父親なのかしら母親なのかしら)

 などと考えつつ、見守るエリス。

 そんな彼らの様子を眺めていたウェディングドレス姿の幸恵が、隣にいる栄一を見やり、微笑む。

「素敵な結婚式になりそうですね」
「ああ。きっと一生で最良の日になる」


●開式
 一同が見守る中、教会の扉が開く。
 最初に入場したのは栄一と幸恵。新郎が新婦の手を引き、ゆっくりと祭壇へ。

 次いで、新郎と新婦の手順を入れ替えた和紗。祭壇前で立ち止まり、入口へと振り向く。
 リーゼがエラと共に入場。
 そして祭壇前まで来ると、エラはその役目を新婦へと委ねた。

 和紗はリーゼの腕にそっと手を添え…るのを通り越して、ガッツリ腕組みガシィ!
 きっとこれが、2人の在り方。

 そんな新郎新婦達に静かに祝言を投げ掛けながら、ジェンティアンは感慨深くごちる。

「鈍い2人がようやく纏ってくれて良かったわ。互いが特別だったの、周りの方がきっと分かってた」

 だから邪魔はしない。
 シナイヨ?(うずうず

「リーゼがリア充になったからって僻んじゃダメよ、早上ちゃん(心の字幕:僻んで邪魔するなら手伝うZE☆」

 その空気を呼んだ早上はしかし、

「招待された挙式を妨害するほど私は非常識ではない」

 それが大人のマナー。

「なんなの、社会人ぶっちゃって…!」
「社会人だ」

 そんな早上の足元では、ペンギン達も大人しくピシーっと参列。

「ペンギンまで!?」

 大人度
 早上>>>>>ペンギン>>>>>(計測不能)>>>>>ジェンティアン

 そしてディザイアとエリスの番。
 祭壇前で待つディザイアの元へ、キャシーに伴われたエリスがやって来る。その手をそっと受け取りながら、

(妨害や強奪は来る!)

 確信。参列しているレフニーの動向に注意するディザイア。
 本体だけでなく彼女の召喚獣も絡んでくるはず…邪魔はさせない、防いでみせる。
 が、それはそれとして、お嬢から目を離すこともしない。花嫁以外の対象に気移りしては失礼である、目一杯愛でてみせよう!

 肉眼ではエリスを凝視。レフニーへの警戒はこれまでの経験で培った第3の目()で。
 んが、しかし――

「おめでとうですよ」

 にこにこレフニー。
 あれ? 襲ってこない?

 まあそれならそれで良い。このまま襲撃の余地を与えず式を進行させるのだ!

「それデ〜ワ〜、誓いノ、コットバうぉ」

 そう口を開いた神父は、なんと一機だった(付け髭ばばぁん!

「ちょ、何してるの一機ちゃん」

 ジェンティアンが思わず声を出す。
 瞬間、

\デ〜デ〜ン!/

 謎のSE。

「ジェン君、アウトー」

 神父のジャッジ。
 絶対に笑ってはいけない結婚式24時。

「なんで!? 色々おかしくない!? 笑ってはないし!」
「さばくのは俺のスタンドだ!!」

 いつの間にか一機の背後にペンギン達がドドドド。
 ズギュゥゥン!とジェンティアンに飛び掛かり、クチバシで脹脛をズドォ!(とても痛い

 仕切り直して、誓いの言葉。
 返事が全員YESなのは確定的に明らか。

「ではネクスト儀式。指輪ノ交換うぉ」

 ディザイアが、内側に『D to E Never to change.』と刻印されたプラチナリングを取り出し、エリスの指へ。なんと材料の採掘から細工まで全て自力で行なった拘りの一点物である。
 いつの間にかヘヴホラが職人養成所と化している。

 対するエリスも、『E to D Never to change.』と自力で彫ったリングをディザイアへ。ぴったり。

「あ、よかった。ちゃんとサイズ合ってた」
「俺は今日、幸せすぎてしぬかもしれん」

 そして誓いの口づけへ。

 和紗はリーゼと向かい合いながら、いつぞやのブライダル依頼を思い出す。

「は、ハンカチは、い、要りませんか(キョド」

 刹那、ジェンティアンが挙手。

「ハンカチならいっぱい持ってるし貸すよ!」

\デ〜デ〜ン!/

 透次による効果音。

「ジェン君、アウトー」
「やっぱりこれ『笑ってはいけない』ではないでしょ!? 僕だけ狙いに来てる企画でしょ!?」
「さばくのは式のゲストだ!!」
「……は、はい……。……えと、ではその、式の邪魔をしてはいけないという事で、失礼いたしますぅ……(ふるふる」

 恋音が光纏。
 神の祝福を受けたスタンエッジどばーん!(すごい痛い

 スタンした嫁のはとこを他所に、リーゼは和紗に答える。

「(ハンカチは)必要ない」

 重なる唇。
 そして僅かに離した後、

「愛している、和紗」

 今ここに、彼らが夫婦となった証を記す。



 3組の新郎新婦が、教会の外に出る。
 透次が機動力を活かして左右からシュバシュバとフラワーシャワーを演出する中、復活したジェンティアンが高らかに声を上げた。

「Ladies and Gentlemen! お待たせしました、ブーケ争奪戦はっじまっるよ〜☆」

 花嫁3人によるブーケトス。
 ルールは簡単。
 男女不問。幸せを求めてブーケを奪い取るだけ――どんな手を使ってもな…!(久遠ヶ原流

「キャシーちゃん達も参加しよね」
「「本気でいくわ(ゴゴゴゴ」」

 首や指をゴキゴキ鳴らすオカマ勢。
 圧勝の予感。

 幸恵がブーケを構える。
 そして和紗も一度リーゼを見やり、

「貴方と共に『彼』が憂うことない世界を」

 後に続く人々、次の世代への願いと誓いもこめて、全力遠投ぶぅん!(射手の本気
 負けじとエリスも、ブーケを持たせたうさぬいを真上へ放り投げる。そこから空中二段式でうさぬいがブーケ投射。

 うさぬいの投げたブーケを狙うレフニー。高度の優位性を活かそうと、大佐を召喚して上空のブーケ目掛けてオーバースロー。
 ディザイアもその光景を目で追い――

 瞬間、レフニーが再度何かを投げた。

 一方、幸恵のブーケを追う恋音。
 参加者の目線から、誰がどのブーケを狙っているのか予測。競合を見極め、磁場形成で移動力をブーストして落下地点へ一気に駆け込m

「ブーケェェェエエ!!(猛牛ボイス」

 恋音に生身で追従してくるキャシー。

「…………お、おぉぉ…………!?(ふるふるふるふる」

 向かい合って上を仰ぐ恋音とキャシー。
 ブーケが真っ直ぐに落ちてくる。
 身長差でキャシーが有利…かに思われたが!

 ぼいーん

 互いの正面から同地点に近づいた瞬間、恋音の乳がキャシーを遥か彼方へ弾き飛ばしていた。

「……お、おぉ……。……す、すみません、わ、わざとでは、ないのですよぉ……(ふるふる」

 他方で、一機が和紗のブーケを追走。
 このブーケトスは男女不問! 女子達相手に大人げもなく全力で取りに行く!

「「よく考えたら、ブーケより本物の男子を追いかけた方が確実よねぇ〜ん!?」」

 アメフトばりのタックルで迫るオカマの群れ。
 それを右へ左へとグリップを利かせて躱す一機。

「あれだよ、バスケのリバウンドの要領」

 幸せは歩いてこない。だからつかみに行くってはっきりわかんだね。
 ブーケの軌道へ全力ジャンプ。伸ばした指先が、見事花束の柄に届いた。
 同じくブーケをゲットした恋音共々、スタート地点へと戻ってくると、

 なぜかディザイア@新郎がうつ伏せで倒れていた。

「はっ!? いつの間に…!」

 エリスも気づかず。
 何かが刺さったような痕。石畳の地面には、指先でダイイングメッセージと思しき文字が。

『レフ二〜…(文字はここで途切れている』

「なんです? 私はずっとブーケに夢中でした。言いがかりもハナハダシイのです」

 ブーケを持った大佐を掲げて犯人ではないあっぴる(鳴らない口笛ふひゅ〜ふひゅ〜
 皆もブーケを見ていた為、目撃者0。

 しかしその裏で…

 デジカメで動画を撮影していたうみは、ブーケ争奪戦の模様をチェック。
 すると画面のフレーム端に、一瞬ヴァルキリーナイフを投げるレフニーの姿が。

(記録係は見たっ…!)

 でも口封じがこわいので黙っとこう。

 迷宮入り()した事件を他所に、恋音は手に入れたブーケをオペ子へと贈与。

「……よろしければ、お納めください……。……ご縁が結ばれるかもしれませんよぉ……」

 某S先輩とか。

「ありがたくいただきます」

 受け取るオペ子。
 だがしかし、

 ぺしぺしっ

 頭上の小次郎がブーケに猫ぱんち。

「……お、おぉ……。……どうやら、小次郎さんという壁を乗り越えなければ、オペ子さんの元には辿り着けなさそうですねぇ……」

 イケ猫彼氏。



 次は披露宴も兼ねたお花見。
 だがその前に、お色直しのご提案。

 和紗が幸恵に「一生に一度の花なのだから」と和装を薦める。

「榊も見たいでしょう?(微笑」
「勿論だ」
「良い案だな。俺達もやろうぜお嬢!」

 生きていたディザイア。

 という訳で――


●お花見披露宴
 和装で登場する新郎新婦達。
 和紗は藤色に桜刺繍、エリスは緑のグラデーションが入った黒地に唐草鳳凰、そして幸恵は薄桃色の生地に菊の柄を織り込んだ、それぞれの色打掛。

 ディザイアが絶賛。

「うむ、いつ見ても可愛いな!」

 リーゼと栄一も頷く。
 桜の広場で、華やかな雰囲気で宴会が始まった。

 ドレスから動き易い服に着替えた恋音は、エプロンを付けてBBQに取り掛かる。
 衣装に匂いが移っちゃうかもしれないから少し離れた位置でやろねせやね。

「……陽波先輩、お手伝いいただいても、宜しいでしょうかぁ……?」
「任せてください」

 呼ばれて透次がキュピーンとやる気を見せる。
 全力で焼肉。一部で焼肉狂とまで呼ばれた焼肉愛で、皆を祝福するのだ。
 ずらりと並べたBBQセットを所狭しと駆け回り、持てる技術の全てを以てお肉を提供。超頑張る。

 一方、隣のスペースではレフニー&芳野 絵美@猫鍋亭が中華料理をぶいぶい言わせていた。

「紅白肉まん完成なのです!」

 お祝いたっぷりの美味しい肉まん。但し紅には2つだけ激辛のハズレ肉まんが!
 他にもフカヒレスープや燕の巣、合同挙式という豊富な資金源に物を言わせて豪華仕様でジャンジャン鉄鍋を振るう。

「あ、ちゃんとウェディングケーキもあるのですよ」
「チャーハンも作るよ!」

 材料使い放題と聞いて絵美も大喜びだ。勢い余ってウェディングチャーハンケーキが完成。
 出来上がった料理は、恋音が連れてきた量産型ロペ子達と、その姉妹機――恋音を模したドラム缶型お掃除ロボ『レン子』――に渡して配膳。

 レフニーはロボ達に紅白肉まんが乗った器を差し出す。
 どれが激辛かはランダムで、もはや作った本人にもわからない…なんて事は全然なかった。

「(これをお願いするのです)」

 レン子に小声で何かをボソボソ。

 レン子は指示に従い、ポーカーフェイス(ドラム缶だしな!)で紅肉まんをディザイアとジェンティアンの元へ。
 常にレフニーの襲撃に備えていたディザイアは、肉まんにも警戒の色を示すが、

 レン子がエリスに耳打ちヒソヒソ。

「私が? あーんすればいいの?」

 言われた通りにエリスがディザイアの口へ肉まんをあーん。

「なんという見えている地雷…!」

 震えながら食らいつく。しかし中身は勿論激辛。
 ディザイアはしんだ。スパイス。

「おそろしい…」

 それを目の当たりにしたジェンティアン。

「でも僕は辛いの平気だし。むしろご褒美だし」

 逆に甘いとしぬ。
 紅まんは楽しみに残しておきつつ、甘くなければ平気だからと、普通の肉まんである所の白に手をつけてみる。ぱくっとな。

「あ、白の具を間違えて餡子にしてしまったのです」

 レフニーの声。
 事故発生。ジェンティアンはしんだ。スイーツ。

「……こちらも、お願いいたしますぅ……」

 恋音が、同時進行で焼いていた煎餅やお団子をロボ達に渡す。また、上生菓子や桜餅、水饅頭等も。
 特に、水饅頭には何やら顔文字のような飾り文字が入っていた。

「……とある報告書の妖精さんが、そのような外観をなさっているらしいという噂を、お聞きした事があるのですよぉ……。……ですので、縁起物という事で、ご用意してみましたぁ……」

 家内安全の御利益がある。かもしれない。



 テーブルラウンドよろしく、挨拶回りで一同の席を巡る新郎新婦。

 レフニーはディザイア@何度でも甦ると一緒にやって来たエリスに対しても、心からのおめでとうを贈る。
 が同時に、『霞声』でディザイアにしか聞こえない“祝言”も。

『エリスちゃんを嬉し泣き以外で泣かせたら●スのです』

 泣かせてないのに今日既に2回ころされてるんですがそれは。

 一方、紅まんmgmgして復活したジェンティアン。
 リーゼと和紗それぞれに『竜胆の指輪』をぽいちょ。

「それあげる」
「む? ありがとう」
「ありがとうございます竜胆兄。大切にしますね」
「でもリーゼはちゃんと和紗に指輪買ってあげな? 結構貯めこんでるだろ」
「(こくり)」

 そしてジェンティアンは、大切な2人の幸せを祈願して祝砲を上げる。
 花火代わりのファイアワークス。

 それを見たペンギン達が、齧っていた焼肉を飲み込み揃って立ち上がる。

 式中は静かにしてたけど、もう騒いでいいの? いいの?
 とでも言うようにジェンティアンをロックオン。

 更に、

「腹パンの約束がまだだったよなぁ?」

 それだけの為に待機していたルディ@肉まんmgmg

「食べるか暴れるかどっちかにしなさい!?」

 ジェンティアンはパサランを召喚。ルディを飲み込ませつつ、ペンギン達から大逃走。キャシー達に助けを求める。
 漢女達守って!

 ペンギンはオカマ達に抱っこされて再び焼肉を貪り始めた。



 一機がマイクを持って登壇。

「じゃあ、まあここで1つ、披露宴でよくあるアレを」

 よくある仲人、食事の時に流れる新郎新婦の思い出ムービー的な。
 この時の為に、オカマバーのマッマ達に手伝ってもらってDVDを作っておいた。

 プロジェクターに映像が流れる中、心をこめてスピーチ。

「今日を迎えられて、この場に立ち会えた事を友人として嬉しく思う。二人ともほどよくずれてるからきっと上手くやっていける。あの日の決戦で僕らが望んだ未来の幸せの形を、皆やアカシャに見せてあげてください。この先、辛いこともあるでしょう。その時は、そこのマッマたちや、僕らの所で悩んで休んでまた前に進んで下さい」

 そして一呼吸置き、

「最後に成りましたが! リア充ども!! 末永く爆発しろ!!!」

 バックで仕込んでた爆薬発破。

 カッ!!

 しかし量を間違え、一機はプロジェクターごと爆炎に包まれて消えた。



 リーゼとサシで酒を酌み交わすジェンティアン。

「護られるだけの子じゃないけど、それでも護ってやって。あとお前は年上で男なんだから、ちゃんと和紗をリードするんだよ? どうにも今まではリードされてばっかだった気がするから」
「ふむ」
「お前達の子供は可愛いだろうなぁ…」
「…仮に娘だとしても、年頃になる頃には竜胆とは年の差が開きすぎていると思うが」
「待ってそれ僕がロリコンか何かみたいに聞こえるから待って」

 一方、風香と話していた和紗。
 彼女が涼介についていく事にしたと知り、挨拶も兼ねてルディの元へ。

 パサランの口からはみ出ていた彼の足を掴んで救出ずるぅり。

「前回と今回、有難うございました」

 深々礼。

「お礼の絵をまだ渡せていませんが…大きな木は花があっても良いですか?」
「まぁ、別に良いけどよ」
「では完成したら、風香の携帯に連絡させてもらいますね」



 花見に興じるレフニー。
 のんびりと花を愛でる。
 焼肉も愛でる(食べる
 匂い対策は、文明の利器『消臭スプレー』。
 皆の席も回り、新郎新婦には改めておめでとうの言葉を。

 その時、カメラを持ったうみが皆に声を掛けた。

「はーいこっちみてくださーい!」

 過去に起きたことは戻せない。
 だが栄一と幸恵と涼介の今を見て、目を細める。

 アカシックでなくともレコードは可能!(REC
 手にはデジタルカメラ!(動画
 その為のノートPC!(編集

 …すぐに誰かが欠ける未来であっても。
 昔と今を、この目とディスクに焼き付ける。

 うみは録画と平行しつつ、時折、少し昔の画も映して見せた。
 エリスと共に映った、以前の姿。

「懐かしいですね」
「あ、あんまり昔のは映さないでよ?」

 あの頃は何と言うか色々と黒歴史的な面もごにょごにょ(

「もう和紗さんとかすっかり大人ー」
「そ、そうでしょうか(照」
「斯く言う私とエリスちゃんも背格好変わらないのに、今ではすっかり成長しましたねっ」

 笑顔で冷やかしなども交えつつ。

 皆に幸せな今を。
 うみの強い願いが、星の記憶となって刻まれる。

 そんな優しい空気を感じながら、恋音はフェルミとエリスに話し掛ける。

「……まだ先の事ですが、私の結婚式の時も、是非いらしてください……(ふるふる」
「おー、嬉しいお誘いだなー」
「その時はまたいっぱいお祝いしないとね!」

 ふとディザイアも、思い出したようにエリスへ。

「そういえば…住み込みのままか近くに家探すか、お嬢はどっちが良いかね?」
「少なくとも今はまだ、お店の2階がいいかなー」
「ふむ(メモメモ」

 一方、透次もエリスに少し話があった。

「これ、黒うさにと思って」

 差し出したのは、いつかプールでエリーと作ったぬいぐるみ達。加えてエリーや覚醒後のアカシャ、飛竜を模したぬいぐるみもある。
 それと黒うさのサイズに仕立てた、エリーとお揃いのゴスロリ服。
 黒うさが寂しくないように、と。

 透次は膝を曲げて屈み、黒うさに話し掛ける。

「会えて良かった…楽しかった、と、エリーさんに伝えて貰えますか?」

 こくりと頷く黒うさ。

 いま黒うさを動かしているのはエリーではない。
 それでも、彼女が常に傍に置いていたこのぬいぐるみには、きっと彼女の“アウル”が宿っているはずだから。

 透次は1人広場の隅へ移り、考える。

(魂って、なんだろうな…)

 エリスの話では、エリーは自分には魂が無いと言っていたらしいが、

(僕から見れば…最初から最後まで、彼女は僕らと何も変わらなかった…ように見えた)

 この場に彼女がいない事が寂しい。酷く、悲しかった。
 ここには幸せが溢れているのに。
 皆を祝う気持ちは決して嘘ではないのに。

 心から笑う事が出来ない。

(エリーさんとアカシャも、どこかで…この光景を見ているんだろうか…)


 ふと、うみが黒うさがいなくなっている事に気づく。

「エリスちゃん、黒うささんがいませんよっ?」
「え? あれ?」

 自分は何も指示していないはずだが――


 俯いていた透次の足元に、黒うさがいた。
 無言のまま透次に紅まんを差し出す。

 2つしかなかったはずの、激辛仕様。
 舌を刺す味を堪えながら、透次は空を見上げる。

「生き残った者の、この世界を選択した者の義務として…。エリーさんが退屈せず、アカシャが悲観しない…明るい世界にして見せます」

 もしあの世があるなら…

「80年後くらいに、いつか、また」

 沢山の土産話を持って……会える、かな。



 リーゼとエラと一緒に家族写真を撮る和紗。
 しばし3人だけで話をする。

「家族は沢山が良くて…リーゼは子供何人くらい欲しいですか?」
「賑やかなくらいいると嬉しい」
「女の子ならオーマの名を頂きたいのですが…」
「こんなババアと同じ名前が良いだなんて、変わってるねぇ。構わないよ」
「ありがとうございます」

 それと、

「みおう」
「?」
「俺の諱…家族しか知らない真名です」

 美しい桜と書いて、みおう。

「この名を持っていって下さい、オーマ(微笑」
「ありがとう、大切に覚えておくよ」
「リーゼは、2人きりの時は此方で呼んでくれたら…(もじもじ」
「分かった。心に刻んでおく」

 そして和紗は、徐に1つの箱をリーゼに贈る。中に入っていたのは懐中時計。
 新たな時を2人で刻めるよう祈りを込めて。

 あと、巻紙の書状(達筆

 おはようとおやすみのキス。
 キスしたい時のキス。
 ハグしたい時のハグ。
 許可願う。

「問題ない(こくり」
「リーゼもしていいですよ(瞳キラキラ待て」

 そっとハグハグ。

 そこへ、ジェンティアンがやって来た。
 幸せそうな和紗を見て、頭を撫でる。

「幸せにね…って言うまでもないか」

 笑顔。

 そんな孫達の姿を見守りながら、老婆も笑う。
 彼女はそっと和紗に抱きしめられながら、

「ああ、今日は本当に、良い日だねぇ」



「…それじゃあ、私もそろそろ戻りますね」
「…ああ」

 ぎゅっと身を寄せた幸恵の身体を、栄一が強く抱きしめる。

「必ず、また会いに行く」
「急がなくて大丈夫ですからね。それに――」

 これからも、ちゃんと傍にいますよ。



 昇っていた2つの光を見送り、ジェンティアンはほんの少し寂しさを覚える。

「…式葉ちゃん達に慰めてもらお」

 くるりと振り返り、宴席にいる双子をからかいに行った。

 再び賑やかな宴へと興じる一同。
 その中で一機は、

「…さて残すのは…神界…だけどこいつらが一緒なら…」

 どーにかなるさ。

 笑い合う仲間達の姿をぐるりと見渡しながら、胸中で深く頷く。
 こいつらと一緒なら……こいつらと……あれ? エリス嬢とレフニーが居ない?



「とりあえずここまで来れば安心ですね」

 言いながら一息つくレフニー。どっこいしょと、エリスを下ろす。
 花嫁誘拐。エリスと2人で過ごす時間納め、的に2人になろうと。

 だがその時、

「こんな事もあろうかと!」

 なんとディザイアが待ち構えていた。
 経験が生きたな。

「お嬢は渡さん!」
「なら仕方ないですね。その新郎衣装をトマトケチャップで染めてやるのです」

 刀チャキーン、ぐさー。
 ぐわー。

 例え全ての妨害を予見していてもディザイアがそれを防ぐ事はできない。古事記(著:烈風煮 南無)にも書いてある。

 そしてそのシーンをもしっかり記録していたうみ@鬼道忍軍。
 物陰からREC。



 これからの未来も、共に笑い合える明日を目指して。




依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 未来へ・陽波 透次(ja0280)
 星に刻む過去と今・青鹿 うみ(ja1298)
 護黒連翼・ディザイア・シーカー(jb5989)
重体: −
面白かった!:13人

未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
星に刻む過去と今・
青鹿 うみ(ja1298)

大学部2年7組 女 鬼道忍軍
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
ついに本気出した・
砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)

卒業 男 アストラルヴァンガード
あなたへの絆・
米田 一機(jb7387)

大学部3年5組 男 アストラルヴァンガード