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マスター:水音 流
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
形態:
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/01/20


みんなの思い出



オープニング

※このシナリオは初夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。


 ――オカマバー『Heaven's Horizon』。

「初日の出を見に行くのです。新年なので」

 訪ねてくるなり、そう口を開いたオペ子。

「うん、いいんじゃない?」

 クリスマスに貰ったケセランを呼び出してふかふかと指でつついていたエリスは、特に断る理由もないので素直に頷く。賑やかなのは好きだ。
 リーゼやママ、キャシーらも二つ返事。

「では当日は夜の内に山行きのバスを出すので、斡旋所の駐車場に集合です」

 言い終えて、小次郎を乗せた銀髪頭はツインテールを揺らしながら帰っていく。
 浮かび疲れてぽてりと床に転がったケセランを、エリスのうさぬい魔具が短い手でぽふぽふ撫でていた。


●当日、深夜
 クリスマスに貰ったファーグローブに自分の手…ではなく小次郎の手、というより腕全体をずぼっと挿し込み、いつも異常にぬくぬくになった黒猫の脇下に自分の手を差し込んでもふぬくするオペ子。
 ロペ子と局長と八嶋、そしてエリスやリーゼらHeaven's Horizonの従業員、BrO運営チーム、他にも馴染みの面々がぞろぞろと明け方前の山を訪れる。

 普段から一般の登山客で賑わう山の麓――ハイキングコースの入口――は、オペ子達と同じように初日の出を山頂で拝もうと考えた人々によってみっちりと埋め尽くされていた。

 正直、ヒト多すぎ。

「ヒトがゴミのようです」
「なんでこんなに……」

 淡々とした銀髪ツインテールと、げんなりした金髪ツインテールが揃って人垣を見渡す。
 列を成して山へと入っていくヒトの流れは、その密集具合のせいで遅々として進まず、このペースでは初日の出までに山頂には辿り着けないかもしれない。最後尾の自分達は、せいぜい中腹辺りでタイムアップだろう。

 案内板の地図を見る限りでは中腹の休憩広場からでも御来光は見えるようだが、どうせなら一番高い景色で拝みたい。
 困ったなー、と一同が途方に暮れていると――

「ベズー、これじゃ間に合わないじゃんー。もーやだつかれたー。かえってゲームしたいー」
「ふむ、どうしたものか」

 ダウンジャケットの内側に仔犬を抱えた青肌悪魔の少女ナナコが、黒い外套の男悪魔ベゾルクトと揃って人混みに紛れていた。
 そしてもう1人、

「面倒くせぇな……」

 悪態を吐く白髪赤眼の青年悪魔ルディも一緒。

「透過するなり飛んで行くなりすりゃあ良いだろうが」
「己の足で登頂して見る初日の出はとても美しい」

 顔に掛けた小振りな丸眼鏡を、くいっと上げるベゾルクト。

「……何やってんの、こんなとこで」

 見かねたエリスが声を掛けると、気づいたルディは小さく舌打ちを返した。

「初日の出見に来たに決まってんだろ」
「あんたがそういうのに興味あるなんて、意外」
「ねぇよ。この眼鏡野郎に無理矢理付き合わされてんだよ…ったく」

 相変わらずの態度だったが、どうやら悪さをするつもりは無いようだ。
 と、その時――

「やーやー、ヒトがいっぱいだな大次郎ー!」

 ハイキングコースとは別方向の木々の中から、女悪魔――フェルミ――を乗せた巨大な黒猫が現れた。
 麓が騒がしいので、様子を見に山奥から出てきたらしい。
 巨大怪獣の出現にどよめく一般客らを他所に、オペ子&小次郎を見つけてのしのしと一同に近づいてくるフェルミ&大次郎。

「なになに? これ何の集まり?」

 かくかくしかじか。
 するとフェルミは、

「ならあっちの山登ればいいんじゃん?」

 人々が並んでいたハイキング用の山とは別の野山を指す。
 フェルミ曰く、山頂には日の出を見るのに不自由しないだけの広さがあるという。標高もハイキングコースより高いので、景観バッチリ。

「でも手入れされてないから、ちょっと道は荒れてるけどねー。熊とかも居るかもー」

 背に腹はかえられない。
 一同はフェルミの案内で、その山を登ることに。いざ入山。しかし――

 がおー
 ざしゅう!

「ルディがやられた!」

 崖崩れガラガラ

「ルディが落ちた!」

 雪崩ドドドド

「ルディが(ry」

「おい何で俺ばっかり……」
「日頃の行いでしょ」

 などと言っているそばから、ルディが謎の落とし穴に。
 咄嗟に彼の手を掴んでやるエリスとリーゼ。

「…チッ。礼は言わねぇからn」

 だがその時、弾みでエリスとリーゼのポケットから四葉を模した指輪や虹の指輪、鳥羽根のシルバーイヤーカフがぽろり。
 貰い物の、大切なアクセサリー。

 「ハッ!?」とルディを離してアクセサリーをキャッチする2人。

 落ちるルディ。どしゃあ!

「「危ないところだった……」」
「おい」

 泥まみれでルディが這い出てくる。
 そんなこんなで……



 迷って一周した結果、一同は入口まで戻ってきてしまった。



 あっはっは、と笑うフェルミ。

「こっちの山ってほとんど来ないからさー」

 案内(できるとは言ってない)。
 おかしい。普通のハイキングコースを普通に登頂してのんびり初日の出を拝む予定が、いつからこんなサバイバルなことに。

「マップヲ 見ツケマシタ」

 その時、ロペ子がウィームと首を回して言った。
 無線接続でネットを検索、グ●グルマップで山情報ゲッツ。流石です先生。

 ブオーとホバーで先頭を歩き始めたロペ子を追いかけ、一同は今度こそ山頂へと向かった。


リプレイ本文

「きっとあの山の頂上に幻の曲があるよっ」

 確信系アイドル、川澄文歌(jb7507)。
 深く積もった雪の白さで仄かに明るい夜の山。ペンギンの着ぐるみで寒さを凌ぎ、冬空に聳える山頂を見上げる。

 1人の女性がとある冥魔に聞かせていたという曲を探す旅 in 雪山。
 ガイドは、小次郎そっくりの外見をした10m超えの猫型巨大ディアボロ――大次郎。その頭上には、主である女悪魔フェルミがもこもこの防寒着姿で乗っていた。

 そんな飼い主と巨猫を見て、文歌の隣に居た支倉 英蓮(jb7524)がご機嫌な様子で駆けていく。

「おおーフェルミさんと大次郎くんではないですか〜♪」

 自身の猫耳や二股尾をぴこぴこさせながら、もふもふの大次郎レッグに抱きつき。

「ぉ〜よーしよしよし」

 某動物国王が憑依したかのようなテンションで、もふもふを撫で回す英蓮。
 大次郎はすんすんと鼻を鳴らしながら英蓮に顔を近づけ――

 ガブシャア!

「ふしゃああああ!!」

 頭をマジ噛みで齧られてぷっちんした英蓮が、尻尾や毛を逆立てて威嚇オーラを噴く。
 瞬間、彼女の内に眠っていた獅子神様が覚醒@3回目。英蓮のアウルと合身し、大次郎級の巨大獅子『獅子蓮牙(ガオレンガー)』となって顕現した。

 更に、最近になって天魔ハーフとしての血を活性化させた影響か、人格や口調を獅子神寄りに引っ張られながらも自我を保つ事に成功する英蓮。

 するとペンギン文歌が獅子蓮牙へと駆け寄り、そっと何かを差し出す。
 獅子神様を餌付…もとい仲良くなる為に用意した、お手製またたび団子(干支の未マーク付)。

 もぐもぐする獅子蓮牙。
 直後、パリパリと迸っていた白雷のようなオーラがぽふんっと変化。ふわもこな羊コス仕様へとフォームチェンジした。これはめでたい。

「日の出というのはなかなかに心が晴れやかになるものじゃ。良き場が有るであればそれ、早う案内せぃ、盟友たる大次郎や」

 超威厳たっぷりの羊獅子蓮牙。
 大次郎はパタタッと猫耳を動かして返事をすると、頭上にフェルミを乗せたまま山の中へと入っていく。
 ペンギン文歌は獅子蓮牙の体をよじ登り、フェルミに対抗して頭の上へ。

「道はワシが作ってやろうぞ、他の者は付いて参れ?」

 獅子蓮牙が、大次郎と並び立って四つ足で歩き出す。
 狭い雪道もなんのその。2匹の巨大怪獣が木々をなぎ倒しながらのっしのっしめきゃばきー。
 そして――

 迷って一周した結果、一同は入口まで戻ってきてしまった。

「こっちの山ってほとんど来ないからさー」

 あっはっは、と笑うフェルミ。
 ロペ子がマップ検索開始。しばらくお待ちください。



 その間、愛しい妹(はとこ)――樒 和紗(jb6970)――を構おうと…と言うより構ってもらおうと、人混みの中を探し回る砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)。
 山を一周するうちに、はぐれてしまった。

 そんなジェンティアンの様子に気づいたのは、ディザイア・シーカー(jb5989)。

(ふむ……。樒は確か、リーゼ達と一緒だったな)

 「兄心?は分からんでもないが、仲良く遊んでいるところを邪魔されるのも可哀想だ」と考えたディザイアは、近くを通りがかったオカマの群れを嗾けてみることに。

「キャシー達、良いところに。砂原さんは寂しいらしい、皆で慰めてやってくれ」
「あらぁ! 良いわよぉ、イケメン大好きっ」
「温め合いましょぉん!」

 大熊ボイスでドドドドッと走っていくオカマ達。
 綺麗な笑顔でそれを見送るディザイア。良い事をした後は気持ちがいい。

 対して、人混みの中きょろきょろと首を巡らせるジェンティアン。

「僕が1人ぼっちだっていうのに、今頃リーゼちゃんは和紗にいっぱい構ってもらってデレデレしてるに違いないっ(※お兄ちゃんの妄想です)」

 ぎりぃとハンカチを噛んでいると、

「「イケメン発見ぇん!」」

 突然、筋骨隆々のオカマ達に取り囲まれた。

「「アタシ達とも遊びましょぉ〜」」

 極太ボイスにむちむちぎっしりと圧迫されたジェンティアンは、狼狽するかと思いきや……

「うん、じゃあ一緒に登ろうか」

 ぱっと人の良い笑顔を浮かべて頷いていた。
 女の子には優しくしないとね。“心は乙女”も立派なレディ。いつも和紗がお世話になってるから、きちんとエスコートするよ。

「それにキャシーちゃん達と一緒なら、デレデレしてる(砂原フィルター)リーゼちゃんをさりげなく邪魔できるよね」

 本音だだ漏れ。

「「ぃやぁん! ジェンちゃん、ちょいワルぅ〜!」」



「ひとがいっぱい…!」

 がやがやと賑わう麓の光景に、きらきらわくわくと目を輝かせて燥ぐお茶汲み天使ことマリス・レイ(jb8465)。

「登山って始めてかも…! 頂上着いたらみんなでお茶しよ…! ね、リーゼくん! はぐれないように手繋いでもいーい?」

 むぎゅっと。
 言うが早いか、しがみつくようにリーゼと腕を組む。

「手じゃないのか」
「あ、リーゼくんがイヤだったらやめるよー?」
「構わない」
「えへへー!」

 むぎゅぎゅっ。
 だが次の瞬間には、マリスは自らリーゼの腕を放し、

「リーゼくんの反対側の手は和紗ちゃんと繋ぐといいと思うんだよ!」

 すぐ傍に居た和紗の首に、猫のように飛びついてハグ。落ち着き? お餅の親戚かな?
 そのまま今度はエリスにハグタックルをかます。

 対して和紗は、徐にリーゼへと1歩近づき、

「リーゼ、指輪を貸してくれますか?」

 先程ルディを助けようとした際に落としかけた、ペアリングの片方。虹霓の『虹』。
 和紗はそれを右手で預かり、自身の左手でリーゼの左手をそっと取る。

 そのまま彼の“左薬指”に虹のリングをはめ、

「10本の指の中で一番動きが少なく、指輪を落とし難いそうなので」

 さも当然といった風に淡々と。
 ルディのように指輪を優先されて危なくなるのも嫌ですし。

「俺も落とすといけませんからお願いします」
「ふむ」

 言いつつ、和紗は自身が持っていた対のリングをリーゼに手渡す。虹霓の『霓』。
 勿論、左手の薬指で。10本の指の中で一番動きが(ry え? 何故自分ではめないのか?

「様式美です」

 あかん、これ罠や。
 しかしリーゼは和紗に負けず劣らずの淡泊面でこくりと頷くと、

「なるほど。重要だな(落とさないことは)」

 何の疑問も持たず、彼女の左薬指にすっとリングを通した。
 また、きゃっきゃっとエリスに絡まりながらそれを見ていたマリスは、

「和紗ちゃんいいなー! あたしもリーゼくんに付けるー!」

 リーゼの元へ戻り、彼が懐に入れていたシルバーイヤーカフを受け取る。クリスマスにマリスが贈った、ペアアクセサリー。もう片方は、マリスが自分で身に付けている。
 少し身を屈めたリーゼの左耳へ、マリスが手を伸ばして装着。

「わーい、リーゼくんとお揃いだー!」

 マリスは、にぱーっとした笑顔で再びリーゼの腕に飛びついた。

 そして言うほど他意は無かった和紗は指輪をはめてもらって満足したのか、今度はエリスの方へと向き直り、彼女が持っていた四葉のリングを指して言う。

「エリスもはめてあげますね」

 イケメンスマイル。和紗さんまじ男前。
 勿論、左手の薬ゆb(ry

「な、なんか恥ずかしいわね……」

 エリスはもじもじしながら、指輪と左手を出した。

 一方、一連のやり取りを遠目に目撃してしまったジェンティアン。
 ガカァ!と稲妻が走り、白目を剥く。

「なにあれ指輪交換!? お兄ちゃんそんなの許しませんっ!」

 和紗と2人っきり(砂原フィルター)でいちゃいちゃするリーゼにぶつけてやろうと、その場で屈んで雪玉を作――

「「ぃやぁん、ジェンちゃん手ぇ離しちゃさぁむぅい〜!(雪崩ボイス」」

 捕。

「――わぁ、僕がキャシーちゃん達といちゃいちゃだぁ(しろめ」

 ずるずるとオカマの群れに連れて行かれるジェンティアン。
 嗾けたシーカーちゃんは後で覚えてろっ!



 グ●グル先生に問い合わせ中でヴゥゥンと微かに振動するロペ子。その頭上に乗っかっていたのは黒田 紫音(jb0864)…ではなく、彼女の家に棲んでいる謎生物――うしゃぎ。
 手乗りサイズの小動物?で、耳はもふもふの垂れ耳。割烹着姿に、デフォルメウサギと人参の刻印が入った極小のランドセルを背負っている。

 両手にアルティメットおたまを持ち、ふんすっとロペ子の上で仁王立ち。そんなうしゃぎの肩を、ふと誰かの指先が後ろからつつく。

「ぅ?」

 振り返ると、首が後ろに向ききる直前で相手の指先がうしゃぎの頬にむにっとめり込む。
 指の主は、頭に小次郎を乗せたオペ子だった。

「おぺぺ、めー!」

 ぷんすか怒るうしゃぎに対し、オペ子は指先でほっぺをつんつんし続ける。
 と、そこへ……

「おぺこー。はらへった」

 儀礼服仲間の何 静花(jb4794)が、てくてくとやって来た。
 うしゃぎをそっと抱え上げて振り返るオペ子。

「雪うしゃぎさんを捕まえました」
「鍋なー、血抜きはしろなー」
「うしゃぎ鍋…?」

 女子2人の会話に、ぷるぷると震えるうしゃぎ。両手のおたまをぶんぶこ振り回してオペ子の手を振り解き、ロペ子の頭にしがみ付く。

 同時に、オペ子の背中を誰かがピコッと叩いていた。
 玩具のピコハンを持った局長だ。

「マップヲ 見ツケマシタ」

 その時、ロペ子のウェブ検索が完了。
 うしゃぎは、どう考えてもランドセルより大きいおたまをニュルリと中へ収めると、代わりにジャイアントピコハンをニョキッと取り出し、

「ろぺぺ、Go!!」

 ピコキャア!とロペ子の頭部に振り下ろした。
 ドラム缶型お掃除ロボは足元の雪を巻き上げながら、ホバーモードでブオーっと山中へ発進。

 対して、獅子蓮牙&文歌と大次郎&フェルミの怪獣チームも負けじと四つ足で歩き出す。

「からくりに負けたとあっては獅子の名折れじゃ。大次郎、近道せぃ」

 ロペ子の進行方向を先読みし、木々の中を突っ切る獅子蓮牙と大次郎。獅子ぱんちで叩き潰されて光になる樹木。
 一方、列の動きを目で追いながら「待ちかねたぞ」と立ち上がる幸村 詠歌(jc0244)。

「とりあえず、ロペ子についていくか」

 自前のスノーバイク(ブレ●ヴ仕様)を転がし、積雪激しい山道へ。
 飛ぶなと言われていたり、周りの歩行速度に合わせる為だったりで、バイクをきちんと手で押しながら登り始める彼女だったが――

「私は我慢弱い」

 あっという間に面倒になり、バイクに跨りイグニッションどぅるるん。
 ライセンスがあるから大丈夫。

 ヒイィィィン ボファッ!

 ドライヴ音を響かせて急発進。吹き上げた雪煙が晴れた時、既に詠歌とバイクの姿は見えなくなっていた。



「お、動き出したみたいだな」

 うしゃぎを乗せたドラム缶や怪獣組が発進したのを見て、ディザイアもよしよしと立ち上がった。
 だがその時、どこからか聞こえたイグニッションの音に、彼の脳裏にピキーンと静電気エフェクトが走る。

「嫌な予感がする…」

 ごくりと息を呑み、この悪寒を拭い去るべく癒しを求めて周囲をきょろきょろ。
 ぞろぞろと移動を始めた人混みの中に、マリスを装着しているエリスを見つけた。

「ここに居たかお嬢!」

 きらきらした笑顔でギュンッと駆け寄り、唐突にマリスごとエリスを抱え上げるディザイア。
 そのまま肩車。

「ふぇっ!? なななな何!?」
「わー、たかーい!」
「山道は危ないからな!」

 どんな危険が来るかわからん。

「だから俺の上にいると良い、守りやすいし。と言うか、頼むからいてくれ…俺の癒しとして。何故か知らないがこのままだと俺はやられる気がする(迫真」
「そ、それは大変ね…?」

 首を傾げるエリスが、マリスと共にトーテムポールのようになって山道を運ばれていく。
 だがそこへ現れる襲撃者――

「小腹が空きました」
「ディザイアなら奢ってくれる」

 オペ子と静花。更に、

「ディザイアさんが奢ってくれると聞いたんですが」

 Rehni Nam(ja5283)参戦。山頂で食べるごはん用に、大量の調味料が入ったリュックを背負っている。
 群がるペコーズを見て、エリマリを担いだまま小汗を浮かべるディザイア。

「どうしてこうなった」
「縦に長い、トールパフェかな」

 静花は彼の上に聳え立つエリスとマリスも見上げ、ぐいぐいとたかっていく。

「辛いものがいい、甘いものでもいい」
「棒付きキャンディならあるけど」
「あたしもドーナツあるよー」

 荷物の中から菓子を出して、ペコーズに分けてやるエリスとマリス。

「甘い、旨い」
「ありがとうございます」
「わーい、ありがとですよー!」

 もぐもぐと頬張りながら、ペコーズは再び列の中へと散っていった。



 進撃する獅子猫怪獣やドラム缶ロボに負けじと意気込む、佐藤 としお(ja2489)。

「いっちょ頑張りますか!」

 進み始めた皆について行こうと、地面に下ろしていた巨大なリュックに手を伸ばす。
 としおの胴幅よりも大きな荷物。中身は特大サイズの寸胴と鍋、そして大火力のカセットコンロが2つと、紙製の器や割箸いっぱい。
 目指すは山頂、初日の出。頂上で特製ラーメンを作って皆に振舞うのだ。

 「どっこいしょ」と背負って立ち上がるとしお。
 ざっしゃざっしゃと雪を踏み締めて一所懸命に坂を上るがしかし、徐々に皆から遅れ始める。

「なんとかなるかっ!?」

 ちょっと焦り。
 その時、

「その声は、としおさんですねぇ」

 名前を呼ばれて顔を上げると、列の中にフィルグリント ウルスマギナ(jc0986)が居た。
 盲目であるらしい彼女はいつものようにのほほんとした笑顔で目を閉じて、周囲の気配を頼りに山道に立っている。

「何かお困りですか〜?」

 尋ねたのはフィルグリントの方。
 としおは「いやー、ははは」と笑いながら、ずり落ちかけていた肩帯をぐいっと担ぎ直して答える。

「ちょっと荷物が大きくて」
「それは大変そうですねぇ」
「でも大丈夫です! 気合と根性とラーメンへの愛があればどこまでだって行けます!」

 サムズアップするとしお。
 するとフィルグリントは、声や息遣いを辿ってとしおの方へ歩み寄ると、ぺたぺたと手探りで彼のリュックの位置を確かめた。

「ええっと、これで大丈夫でしょうか」

 よいしょ、と。
 後ろにまわって、両手でリュックの底を支える。としおの肩が半分ほど軽くなった。

「ややっ、これはすみません!」
「いえ〜、これなら私も迷子にならずに助かります〜」

 前を歩くとしおと、後ろで荷物を支えながらついていくフィルグリント。
 先頭からは少し離されていたが、2人は改めて一緒に山を登り始めた。



 その頃、列の中腹辺りでは――

「一緒に素敵な初日の出を見たいですね♪」

 自前の登山装備を携えた木嶋香里(jb7748)が、局長を筆頭とした斡旋所職員達、それにヒメや嘉瀬 綾子といったBrO(3DMMOアクションゲーム『ブレイカーズオンライン』)運営関係者の面々をサポートしながら、雪道を着実に歩いていた。

「ヒメちゃん、滑るから気をつけてね」
「す、すみ、すみません。あ、ありがとうございます」

 不慣れな登山で普段以上にオロオロしていたヒメは、わたわたしながらも香里に手を引かれて何とか前へ進む。

「局長さんと綾子さんも、そこに窪みがあるので気をつけてください」
「おっと」
「気づかなかったわ……ありがとう」

 一方、女性陣の少し後方を歩く日向響(jc0857)。

 山へ来る前に準備しておいたキャンプ用バーナーや調理器具、そして食材満載の荷物を担ぎ、力仕事を担当してざくざく登っていた。
 隣には、同じく力仕事を引き受けた斡旋所やBrO関係者の男性陣――八嶋や御堂 栄治や豚侍達――の姿も。

 香里は所々で後ろを振り返って、彼らにも声を掛ける。

「響さんと皆さんも、大丈夫ですか? 荷物重くありませんか?」
「任せてください!」

 何のこれしき、と元気に返事をする響。
 また、栄治や豚侍も、

「大丈夫だ」
「男子たるもの、おなごに重荷を運ばせるわけにはいかぬでござる」

 白い息を吐きながらこくりと頷いた。



「山岳民族をなめてはいけない」

 雪を踏み固めながら、ずんずん歩く大陸出身の静花。
 言いながら、蛇を開いて焼いたものを齧る。

「まあ私は山岳民族じゃないけど」
「世間は狭いですが大陸は広いですからね」

 その横で、静花に分けてもらった蛇焼きにカレー粉をまぶして頬張るオペ子。
 テキトーな調子で蛇を平らげる儀礼服コンビの2人だったが、その横では玉置 雪子(jb8344)がガタガタと小刻みに震えていた。

「ぐぬぬ…もうちょっとだけ厚着して来ればよかった希ガス。いくら美少女氷天使とは言えど、この時期この時間この場所で薄手のジャンパーじゃ暖が足りない件」

 (美少女かどうかはともかく)確かに寒い。

「おいィ? 地の文が雪子に優しくない件」
「ゆきこかわいい」
「駄菓子菓子、こんなこともあろうかと新技『ケセラン召喚』を習得したんですわ? お?」

 地文や静花のコメントもなんのその。雪子の異能、セカンドステージ。
 籤運の無い雪子が土下座して譲ってもらいに回った甲斐がありますた。召喚獣のルール? こまけぇこたぁいいんだよ。

「とにかくモフモフだ、モフモフにかけろ!」

 うむっ、緊急召喚だ。というわけでケセラン召喚ぽちっとな。
 呼ばれて飛び出た綿菓子のような白い獣に抱きつく雪子。無抵抗で圧迫される毛玉。

 だがその時、山風が谷底から強く吹き上げ――



「ろぺぺ、とり! とり! チキン!」

 ロペ子の頭にピコメキョとジャイアントピコハンを叩きつけながら、谷間の空を指差すうしゃぎ。

 山風に煽られて寒空を“たゆたう”ケセランと雪子が居た。



「初日の出を拝みに行くのですよぉ〜」

 大正浪漫な袴姿の幼い少女が、とてとてと列の中を駆けていく。
 深森 木葉(jb1711)。
 お正月なので本当は振袖を着ようと思っていたのだが、今回は雪山登りということで、動き易さを重視していつもの袴着に。ただし滑らないように草履は草鞋に履き替え、杖もしっかり持っている。

「エリスちゃ〜ん、一緒に初日の出、拝みましょう〜」

 雪に残る足跡を稲藁の小さな足跡で上書きしながら、とてとてとエリス達の元へと駆けていく。
 そんな木葉を見て、ディザイアは肩に担いでいたエリス+マリスをそっと地面に降ろす。

「お嬢…俺がいなくても頑張ってくれ」

 妙に儚い笑顔。
 今この瞬間、頭にビビッと未来を感知した。

「たぶん俺は、幸村に攫われr」
「見つけたぞ、ディザイア!」

 刹那、雪とアウル粒子を撒き散らしながら、ブレ●ヴバイクに乗った詠歌が突っ込んできた。ドウン!と機体ごと飛び上がり、一同の頭上を飛び越える。
 すれ違いざまに、バイクのテールにディザイアの後ろ襟を引っ掛け。

「ぐおっ!?」

 ガクンッびたーん!と後ろに引き倒されるディザイア。

「待てっ、せめて載せ…いや乗せてくれ! というか何故俺なのか!」
「撃退士に戦う意味を問うとはナンセンスだな!」

 戦う意味は聞いてねえよ。
 ズザアアァァ!とシュプールを刻みながら、詠歌とディザイアは真っ白な森の中へと消えていった。

「ディザイア……(ほろり」
「大変そうですねぇ〜」

 既に見えなくなった彼を見送るエリスと木葉。
 一方、

「やはりただでは登れなさそうですね」

 少し後ろをリーゼと歩いていた和紗が呟く。
 そこへ、ベゾルクトやナナコと共に登っていたルディの姿が目に留まり、

 肩がしぃ

「ルディ、俺達の3m前を進んで下さい」

 10フィート棒代わりにしようとする和紗。

「あぁ? 何で俺が――」
「貸し」
「――ぐ」

 笑顔の和紗が発した一言に、急に大人しくなるルディ。

 ――とある事件で、和紗達に借りがある。

 彼は露骨に舌打ちしながら、渋々と和紗の前を歩き始めた。

「安心してください。ルディが危ない時はちゃんと助k」

 バキバキッ ズシャアアァァ ぷちっ

 瞬間、森の中を上から滑り落ちてきた獅子蓮牙と大次郎が道を横切った。
 獅子蓮牙に乗っていたペンギンが、後ろを振り返る。

「英蓮ちゃん、今何か踏まなかった?」
「気のせいであろう」

 四つ足で滑走して去っていく怪獣達。

「……すみません。間に合いませんでした」

 和紗は足元で雪にめり込んでいるルディを見下ろしながら、淡々と謝罪した。

「…何をしてるのよ、貴方は…」

 そんなルディを見て呆れる、もう1人の少女。背に4枚の翼を持つ蒼銀の天使、イシュタル(jb2619)。

「俺のせいかよ」

 ボコッと身を起こしたルディから視線を移し、イシュタルは獅子蓮牙達が落ちてきた方を見渡す。

(…こんな山、飛べばすぐなのにね…)

 まぁ、偶にはいいか…。
 ほうっと白い吐息をこぼしながら、エリスの方へ歩いていくイシュタル。

 木葉とは反対隣に立ち、徐にエリスと手を繋いだ。
 意表を突かれて、眉を上げるエリス。

「な、なに、どうしたの」
「普段はこんなことしないのだけど…折角だものね」
「あ、ま、まあ、うん、いいけど……」

 エリスは自分の顔がカァっと赤くなったのを感じて咄嗟に目を逸らして前を向く。が、横に居たイシュタルからは頬は丸見えのままだった。

「じゃあ、あたしはこっちの手ですねぇ〜」

 そう言って、木葉がもう片方の手を繋ぐ。
 エリスは前を向いたまま、しかしそれぞれの手をぎゅっと握り返した。

 再び歩き出す一行。
 しかし道中は危険がいっぱい。

「大丈夫かな…」

 手を繋ぎながら、木葉がごちる。
 凍結した路面で転んだり、雪に埋まったり、崖から転げ落ちたり、冬眠を忘れた熊に襲われたりしないかな……。
 フラグぶっ刺し。

 などと心配した矢先――

「エリスちゃんを発見です」

 後ろから誰かの声がした。
 振り返ると、着物姿の神雷(jb6374)。

 初日の出ついでに初詣。初詣と言えば着物。神雷は雪道をたしたし駆け上がってくると、

「慣れない着物なんて着てくるからこけちゃったー(棒」

 瞬間、エリスめがけてまさかの膝蹴り。

 どふぅ!とボディに強烈な一撃を突き込まれて、はふぅ!?と“くの字”に折れるエリス。

「な、なんで……」
「ごめんね!」

 恨むなら私にネタ振りしまくったMSを恨んでね!(※とんだ言いがかりである)

 だがその直後、両脇に居た木葉とイシュタルにがしりと捕まる神雷。
 この後、めちゃくちゃ2人に怒られました。

 そんな仲良し?な光景を傍目に、リーゼの横に居たマリス。

「普段は飛んでるから歩くの疲れちゃった…リーゼくん抱っこして☆」

 冗談混じりにぽつり。が、

「わかった」
「へ?」

 ひょいっとマリスをお姫様抱っこするリーゼ。

「あわわわ…!」

 途端、普段はハグやらなんやら率先して飛びついているはずのマリスが盛大にキョドり出す。
 自分からは平気でも、相手から来られると駄目なタイプ。

(? 何かまずかったのだろうか……)

 はてと首を傾げながら、リーゼはそっとマリスを降ろした。



 その頃、ジェンティアンは……

「足元、気をつけてね。そこ危ないよ?」

 木の根が盛り上がって出来た段差の前で、キャシー達に手を差し出す。

「「イケメンに優しくされるなんて、来てよかったぁん!」」

 段差を飛び越えて、一斉にジェンティアンの体に圧し掛かるマッチョなオカマ達。

「ああ、うん、流石に複数人にしがみ付かれるのは辛いかな?」

 しかし笑顔は崩さないジェンティアン。
 重石付登山とかハードすぐる。




 歌を口ずさみながら先頭を進む、レフニーとうしゃぎ(on ロペ子)。

「くーまくーま出ーて来ーい♪」
「み♪ み♪ みー♪」

 熊:山頂で調理予定

「ついでに山菜も採っておくのですー」

 レフニーは歩きながら、道端に生える目ぼしい食材をひょいひょいと摘んでいく。
 だけど茸は勘弁です! 死んでしまう……(切実
 その時――

 ぐるっ

 と低い唸り声を上げて熊エンカウント。
 冬眠? ちょっと何言ってるか分かr

「「ひゃっはー!」」

 瞬間、レフニーとうしゃぎが熊に襲い掛かっていた。
 飛盾ことフローティングシールドβ1とおたま二刀流でぼこして食肉確保。

「……あれー? 私、こんなアグレッシブでしたっけ」

 ふと我に返るレフニーだったが、

「まあ、良いのです」

 疑問をぽいちょ。

「かわいそうですけど、残さずおいしくいただくのです……」
「なのー……」

 うしゃぎと一緒に手を合わせてから、レフニーは金狐を召喚。血抜きした熊をその背に括り付けて運ぶことに。

「血で汚れそうですが、後で水浴びさせて上げるので勘弁して下さい」

 相棒の頭を一撫で。
 血をすすぐ為、レフニーはロペ子に教えてもらった川辺へ向かって一旦列から離脱した。



 俺、この初日の出終わったら、デートするんだ。
 出発前、友人にそんな台詞を聞かせていた黄昏ひりょ(jb3452)。
 でも、正直な所、高所恐怖症の俺としては怖いんだよな。なんて、遠い目をしていた彼は今――

 遭難していた。

「はぐれた!」

 寒風吹き荒ぶ夜の雪山で、現在地も分からずぼっちでぽつん。
 これはまずい。
 方向音痴絶賛発動中の俺に死角はない! 1人で辿り着けるはずがねぇっ!

 いや、このままだと黄泉的な所には辿り着けるかも?

「あ、ならちょっと安心?」

 言ってる場合か。



 本隊とは離れ、全身に雪を被って大地と同化しているハンターが居た。
 シエル・ウェスト(jb6351)と、量産型ロペ子・陸(雪山迷彩仕様)。

 息を潜め、気配を殺し、黒い瞳と黄色いアイレンズの視界の先には、学園とは無関係の一般人の親子。
 オペ子達一行がこの山に入っていくのを見て、興味本位でついてきたらしい。

「パパー、さっきのヒト達どこー?」
「うーん、はぐれちゃったなー」
「えーっ」
「はは、大丈夫だよ。パパGPS持ってるから、これで入口まで戻ろうな」

 するとその親子のすぐ傍を、野生の鹿が横切る。

「見て見て!! 鹿が居――」

 ターン! びしゃ どさっ

 銃声。
 銃口が硝煙を燻らせ、地面を赤く染めて動かなくなる鹿。
 シエルと陸ロペ子は雪の中から這い出ると、ずぐっずぐっと雪を踏み締めて歩み寄り、棒立ちしている親子を一瞥。

「……何か?(鹿の首根っこ掴み」



 学園とは無関係の一般人カップルが、雪山の中を歩いている。
 オペ子達一行がこの山に入っていくのを見て(以下略

「ここ熊出るんだって!」
「え〜? 怖――」

 ターン! びしゃ どさっ

「……何か?(熊の首根っk(ry」

 肉ゲット。
 血抜きをして、持ちきれない分を陸ロペ子に格納しようとボディの蓋を開けるシエル。が、量産型の為、オリジナルロペ子よりも格納スペースが狭くて入らない。
 入らなくても押し込む。詰め放題セールの如く。

「殺生した分は、きちんとおいしくいただくであります」

 血だらけになった装備を洗う為、シエルと陸子は川へ向かった



 ひりょは皆の名を呼びながら、きょろきょろと山中を彷徨う。
 川辺に出た所で、ようやく友人を発見。

 向こうも気づいたようで、振り返って無言で手招きしている。

「わ〜い、嬉しいな、これでたどり着けるよ。ありがとうム●ミン。あれ? 友達にムー●ンなんていたかな? まぁ、いいや!」

 親切だけど、妙に無口なムー●ン(のような野良ディアボロ)に案内されつつ、頂上を目指す事にしたひりょ。

「無口だけど、君とは熱い友情で繋がってるんだ!」

 いかん、寒さでひりょ君が限界だ。
 だがその時、今度は本当に見覚えのある人物が通り掛かる。

 シエルと陸ロペ子…だったのだが、陸子の中から夥しい量の血が滴っていた。
 くるぅり、と振り返るシエル。

「……何か?(血塗れ」

 更にそこへ、金狐に熊を載せたレフニーも。
 更に更に、調理に使う水を汲みに来たとしおとフィルグリントの姿も。

「あら〜、どなたかいらっしゃるんでしょうか〜。お邪魔しますねぇ」

 せせらぎに混じるとしお以外の息遣いを耳にして、フィルグリントはぺこりとお辞儀した。



 その頃、本隊――
 なんと崖崩れで道が塞がっており、それ以上進めなくなってしまっていた。

「俺達撃退士なんだから障害は爆破して排除すればいいじゃん」

 そう言ったのはラファル A ユーティライネン(jb4620)。
 スタジャンにペンギン帽子のラファルさん。いつもの姿で絶賛平常運転です。

 だがそこに現れる新たな熊。狙われたのは木葉。ほらー、フラグなんて立てるからー。
 がおーっと振り下ろされた爪から木葉を庇う為、エリスが彼女に体当たり。だが勢い余って転がった2人は山道から足を踏み外し、そのまま谷へ落――

 ぱしっ、と。
 腕を伸ばしたイシュタルがエリスの手を掴む。

「…護ると決めたもの」
「あ、ありがt」

 が、次の瞬間、地面がボゴォッと欠けて諸共落下。

「あばー!?」

 エリスの悲鳴が響き、3人の影は見えなくなった――



 血を洗い終えたシエル達。
 ムー●ンの案内で山頂への近道を行こうとしていたその時、悲鳴と共に女子3人が落ちてくるのが見えた。

「ムー●ン、彼女達を助けて!」

 ひりょが叫び、ずさぁーと落下予測地点に頭から滑り込むムー●ン。
 ぼよん、と小気味の良いクッション音がして、落ちてきた3人を受け止める。

「空からエリスちゃん達が降ってきたのですー」

 レフニーは3人の頭を撫でながら崖を見上げた。



「全部ぶっ飛ばしてやるぜー!」

 クマが出たらドカーン。
 天魔が出てもドカーン。
 崖が出たらドカーン。
 雪崩れが来てもドカーン。
 リア充が出てもドカーン。
 非モテが襲ってきてもドカーン。

 つまり全部ドカーン。

 限定偽装解除、ナイトウォーカー始動。
 正月だから大盤振る舞い。一切合切解放して、全弾全方位一斉発射。熊ごとオーバーキルされて消し飛ぶ崩落跡。
 だがその直後、ラファルの砲爆撃で地肌が揺れた。

 雪崩発生。

「お、ヤベー」

 1人ローラーダッシュでずぎゃーんと高速退避するラファルさん。

 一同大ピンチ。
 対して、上空からその光景を俯瞰する1つの影が。

 ケセランにしがみついて谷間をたゆたっていた雪子だ。

\やったぜ。ユッキー大勝利!/

 宙にいるから雪崩回避余裕でした まる
 その時――

「初日の出への水先案内人は、この幸村 詠歌が引き受けた!!」

 バイクに乗った詠歌登場。
 テールではディザイアを引きずったまま。

「俺がいる意味は…ああ、道連れか」

 真っ赤に輝き、雪崩に突貫大爆発。詠歌は、見事に雪の波(とディザイア)を吹き飛ばしていた
 だがその爆風でケセラン雪子は更にフライアウェイ。助けてくだしあ。

 更に、今の爆発で新たな雪崩が発生し――



「随分と険しい山道だね?」

 山頂目指して歩きながら、神楽坂 葵(jb1639)がごちる。
 隣には、恋人…の黒 華龍(jb4577)。よくわからないまま、気がつけば一緒に初日の出を見に行くことになっていた。

「まぁ、たまにはこういうのも良いでしょう…」
「華龍? 手ぐらい握ってくれてもいいだろう?」

 葵らしからぬ、妙に蕩けたような態度。
 だが華龍が指摘するのは、そこではなかった。

「手を握れ? それだけでいいんですか?」

 言いながら葵の耳たぶを甘く噛んでみたり、いやらしく身体に手を這わせてみたり。相手の初心な反応を、舌先で舐めるように味わう。
 oi みすおい 正月番組で何してんだ紀伊店のか。

 一方の葵もいつもなら拳の一つでもお見舞いしていそうなものだが、今は何故か嬉しそうに微笑を浮かべるばかりで、触れられても嫌がらずに照れた反応を返していた。

「新年早々一緒にいられるとは思わなかったよ」



 仲が良いハルとアーリィを見たい。
 そう考えながら食材を詰め込んだリュックを背負い、ビデオカメラ片手に山を登る斉凛(ja6571)。

 傍らでは当のハルとアーリィが、そっぽを向きながら不機嫌そうな様子で歩いている。

 カメラを回しながら、段差でわざと転んでみせる凛。するとハルが、ぶっきらぼうに舌打ちしながら手を差し伸べてくれた。
 だが凛がハルの手を取ったまさにその時、2人の頭上にせり出していた岩肌から大きな氷柱が落ちてきた――

 寸前、2人の腕を掴んで引き寄せるアーリィ。間一髪のところで、2人は氷柱の直撃を免れる。

「……余計なことすんじゃねぇ」
「口の減らんヤンキーだ」

 再び山頂を目指して歩き出す3人。ふと凛の上に、枝から落ちた雪が降り注ぐ。
 咄嗟に両脇から凛に覆い被さって庇うハルとアーリィ。雪とは言え、結構な重さがあった。
 凛に手を貸しながら起き上がり、むすっとした顔で互いを見る男達。

「おい。雪、ついてんぞ」

 アーリィの肩を払うハル。

「貴様もな」

 ハルの肩を払うアーリィ。

 ふん、と鼻を鳴らして出発する2人。
 彼らは後ろの凛をくるりと振り返り、「「足元に気をつけろ」」と言葉を掛けた。

 そうして頂上に到着。
 ちょうど日の出の時刻。遠い山の向こうに昇った日の丸を少しでも近くで見ようと、ハルが身を乗り出し……

「危ないぞ」

 その腕を、アーリィが掴んでいた。
 ガラリ、と。ハルの足下で、小石が谷底へと落ちていく。

「……悪ぃ、助かった」

 仲の悪かった男達が、1人の女子を共同で助けるうちに次第に打ち解け、友情を深め合う。
 その絆はやがて愛へと変わり……

「BL好きの姉様のお土産に致しましょう」

 凛は終始カメラを回し続けていた。



「日本で日の出を拝むのは、初めてですねぇ」

 葵と並んで立ちながら、空に差す光を眺める。

「長城からの日の出も、いずれ一緒に見ましょう」

 言いながら華龍が葵の方へ顔を向けた瞬間――
 彼女は強く彼に抱きついて、互いの唇を重ねていた。

「…っ!?」
「愛してる…華龍」

 予想外の“押し”。
 華龍は照れ隠しするように自らのサングラスを上げて表情を隠し、

「…我也愛尓…誠摯…」

 そう、小さく呟いた。



「初日の出? 良いんですよ。そんな物は……なぜなら、俺の太陽はここにいるからです!!」

 ばばーん!と桜井疾風(jb1213)が指差した先には、鰻っぽい何かの肉を食い千切るオペ子の姿。もぐもぐ。

「お腹空いてるんですか? 任せてくださいオペ子さん」
「ゴチです」

 日没後、山を下りた疾風はオペ子をつれて高級フレンチへ。
 若い疾風の身にはかなり無茶な出費だが、そこは男の見栄と意地。奢れるだけ奢る事に。

「メニューにあるの全部で」

 自分は水。
 その向かいでは、あっという間に料理を平らげるオペ子の姿。

「美味しかったですか?」
「セテボンです」

 食後、疾風は空になった財布を放り投げて河原デートへ。
 家にあったおやつを全て供出し、足りない分は河の魚を現地で調達。
 水上歩行で獲物を狙い、ニンジャヒーローで誘き寄せて影手裏剣。捌いて焼いたらこんがり塩味マーベラス。

「オペ子さん、チョコバナナをどうぞ」
「ありがとうございます」
「オペ子さん、綿菓子をどうぞ」
「ありがとうございます」
「オペ子さん、(ry」
「ありがとうご(ry」
「オペk」
「ありg」

 財産は全てオペ子の為に。
 そしてオペ子の食事シーンを余す事無くデジカメ保存する疾風。

「オペ子さんマジ天使……」



「はっ……」

 葵はぱちりと目を覚ました。

「夢、か…」

 隣には、すやすやと寝息を立てる華龍。
 腹立ち紛れにその頭を小突こうとして……

「ふん…これも夢にしておくさ」

 耳元で囁き、寄り添うように再び眠りに就いた――……



「はっ……」

 凛はぱちりと目を覚ました。
 首を巡らせて周囲を見ると、四方八方雪の中。すぐ傍には、麓でたまたま見かけてスカウトしていたハルとアーリィのそっくりさん――“アル”さん(21)と“ハーリィ”さん(21)――も居るようだった。

 ――思い出した。
 ラファルが暴れて詠歌が爆ぜたせいで、雪崩に巻き込まれたのだ。
 ふと、雪に覆われた狭い空間の中で、凛は自分やアルハリが豚侍達に守られていた事に気づく。埋まる寸前で壁になってくれたらしい。

「ありがとうですの」
「怪我がなくて何よりでござる」
『皆さん〜。ご無事ですか〜?』

 雪越しの頭上から、フィルグリントの声がする。川辺に居たメンバーや、獅子蓮牙&大次郎ペアは雪崩の被害を免れたようだ。
 しばらく待っていると、彼女達が全員を掘り出してくれた。

「オペ子さん……むにゃむにゃ」
「寝るとしにます」

 寝言を呟いている疾風の頬をむにーっと引っ張るオペ子。
 疾風が咄嗟に傘になってくれたおかげで無傷だ。一緒に居た静花も無事。

 一方、逆さまになって雪に刺さっていたロペ子。
 引き抜いてやると、パカッとボディが開いて中からうしゃぎが転がり出てきた。

 抱き合うように埋まっていた華龍と葵も、やれやれと雪から這い出――ると同時に、葵が華龍を小突く。

 香里はヒメ、綾子、局長の3人を庇い、更にその香里を響が庇う形に。

 和紗とマリスの場合は、リーゼとルディが壁となった。
 おや? そういえばジェンティアンは……

『ここに居るよ』

 少し離れた場所から、彼の声。
 ジェンティアンが自身の盾や樹木を上手く利用してくれたおかげで、キャシー達も無事だった。が、かなり大きめの雪塊が上に乗っていて、掘り起こすのに難儀しそ――

「「ぬぅん!」」

 刹那、バガァ!と雪塊を下から粉砕して這い出てくるオカマ勢。

「「いや〜ん、こわかったぁ〜ん。ジェンちゃんありがとぉ〜」」

 くねくね。

「ああ、うん…うん? これ、僕が体張った意味あったのかな?」



 ――頂上到達。
 そこで待っていたのは、なんと詠歌とディザイア。

「…敢えて言おう…自爆するならやめといた方がいい…死ぬほど…痛いぞ…」
「さてと、お嬢成分を補給しに行くか」

 ぱたりと気絶した詠歌を他所に、ディザイアは何もなかったようにエリスを愛でに。
 そう言えば、誰か忘れているような……

「お詫びをしなければいけません」

 言いながら山頂に現れる神雷。
 そうだ神雷だ。雪崩の中に居なかった。

 彼女が手にしていたは、既に事切れたマムシ。これを探しに行っていたおかげで、雪崩を回避できた。

 ぐわしっとマムシの上顎と下顎を掴み、ぎゃっと2つに裂く。
 皮と内臓を取り、向かった先はロペ子のところ。

「ロペ子様、あーんして下さい」

 口をカシャッと開くロペ子。
 その頭上で同じくあーんするうしゃぎだったが、神雷が手にしているえげつない肉を見てすぐに口を閉じる。

「まみゅし!?」

 ロペ子の口にポイする神雷。
 数秒待ってボディを開けると、鰻のように良い感じに焼けたものが出てきた。
 神雷はそれを持ってエリスの元へ。

「エリスちゃん、私の手料理食べて下さい(上目遣い」
「……」

 きゃるんとする神雷とは対照的に、エリスは膝を警戒してじりじり距離を計りつつ、蒲焼的なそれを恐る恐る受け取ってぱくり。

「美味しいわねこれ」
「マムシですけどね」

 うぼあ

 咽るエリス。
 瞬間、喉に詰まらせたと勘違いした神雷はエリスの両肩をがしっと掴み、詰まりを解消するべくボディに強烈な膝を――

 ぱしっ

 複数の手が、神雷の膝を受け止めていた。
 イシュタルと木葉とディザイア。

 この後、めちゃくちゃ3人に怒られました。



 フィルグリントの助けもあって、無事に山頂に届いたとしお。荷物を広げ、ちゃかちゃかとラーメンを作り始める。
 スープは寸胴で、麺は鍋で茹でる。今回のラーメンはすっきりあっさり鶏がらスープだ!

 そのすぐ隣では、香里がヒメや綾子、局長らの体調を見て回りながら、豚汁や甘酒を配布。また、リクエストも受け付けて料理に取り掛かっていく。

 響も自身の荷物を開け、調理開始。
 鶏肉は猫用のササミにする分を少しよけてから鍋で茹で、スライスした野菜(大豆、キャベツ、大根、人参)と一緒にボウルに入れてサラダとして提供。
 また、アボカドにチーズとマグロを入れ、炙ったものをおかずとして添えた。

 これらの材料、実はバストアップに効果アリなのだが……男の自分が言うとアレな気がするので、とりあえず黙っておこう。

 更に隣のスペースでは、シエルがもみじ鍋(熊肉入り)を作っていた。
 陸ロペ子にコードを突き刺し、IHクッキングヒーターを起動。
 レフニーも金狐に載せていた熊を包丁一閃でスパッと解体し、IHを借りて熊鍋に。

 ふと、静花が歩いてくる。

「ディザイアはたかった、眼帯してない金髪ツインテールもたかった。ピンクのお茶もたかった。レフニーはまだだった」

 なんかくれ、と。
 するとレフニーは熊胆を見せ、

「下山したら売却して山分けしましょう」
「輸出はやめとけなー」

 言いつつ、静花も料理を始める。
 ロペ子に乗っていたうしゃぎを土鍋に移し、取り外したロペ子の頭部をコンロ代わりにして焼き料理。材料は開いた蛇。
 使い終わったらロペ子を元に戻して、またうしゃぎを(土鍋ごと)乗せた。

 結構な人数が調理に勤しむ中、和紗の要望を受けてリーゼも山菜料理に着手。
 それを正座待機で待つ和紗は、ルディも横に座らせる。

「一緒に初日の出、嬉しいです」
「……けっ」

 その横でマリスもお菓子とお茶を用意して、ティータイムの準備わくわく。
 ほどなくしてコック達の料理が完成し、シエルや香里が一同を呼び集めた。

「お腹空いた連中集まれー」
「美味しい物を食べて登山の疲れを癒してくださいね♪」

 徐に、レフニーが土鍋に入っているうしゃぎに何かを差し出した。
 熊の右手の姿煮。
 ぴゃ!?と飛び上がるうしゃぎ。

「コラーゲンぷるぷるの高級食材なのです」
「ぅー……」

 警戒しながらすんすんと匂いを嗅ぎ、かぷり。ぷるぷる。
 うしゃぎ鍋を目で楽しみつつ、熊鍋を舌で楽しむ贅沢なひととき。

「わふ、ごちそうさまでした♪」

 としおやひりょと共にムー●ンを交えてラーメンを食べていたフィルグリントは、食べ終えた食器を片付けに立ち上がる。
 しかし目が見えていないせいで、としお達が気づかない内にふらふらと明後日の方へ行ってしまった。

 直後、

「皆さん、素敵な初日の出が出てきましたよ♪」

 香里が、遠く伸びた景色の向こうを指す。
 暗く混ざっていた空と陸の境界が、金とも銀ともつかぬ光の線となって浮かび上がっていく。

 差し込んでくる御来光を受けながら、ロペ子の頭上で土鍋の中に立ってふんぞり返るうしゃぎ。

「うしゃぎは最強なのぉぉぉ!!」

 木葉は両手を合わせ、そっと心の中でお祈り。

(今年もまた、みなさまと仲良くできますように。そして来年もみなさまとともに……)

 同じく、響も祈願。

「これからも…大切な方が怪我をしませんように…」

 一方、マリスは初日の出を見て、ぺこりと新年の御挨拶。

「あけましておめでとーございます、今年も宜しくね…!」

 すると初日の出を拝んで疲れたのか、獅子蓮牙の中に居た獅子神様がおねんねして元の姿に戻る英蓮。
 彼女はまたたび団子を取り出すと、隣でお座りしている大次郎と半分こ。うまうま。

「幻の曲は見つからなかったけれど、素敵な初日の出が見られたね♪」

 その横で、文歌が皆の幸せを祈願してヴァイオリンの初弾き。
 高らかな音が光に乗って、朝焼けの山頂に響いた。

 優しくも賑やかな調子に耳を傾けながら、凛の作ったポトフと紅茶を仲睦まじく楽しむアルとハーリィ。
 それを微笑ましく(カメラで撮りながら)見守る凛。

「あのハルとアーリィが仲良しに…素晴らしいですわ!」

 注:偽者です。
 そこへ、

「おいコラ!」
「誰だ貴様!」

 通りがかる“ハル”と“アーリィ”。
 まさかの本物。しかし、

「邪魔しちゃダメですの」

 凛に簀巻にされて、本物は谷へ放り捨てられてしまった。

 その時、陽光が広がる山間の空に静花があるものを発見。
 ケセラン雪子のシルエット。
 まだたゆたってた。

「山の天気は変わりやすい、雪子が降ってもおかしくない」

 静花がロペ子の後頭部を叩くと、ホース状のアームがギュルッと伸びて空中の雪子を捕獲。山頂へと引き揚げる。
 彼女の頭に、静花はオペ子から剥がした小次郎を乗せてやった。

 瞬間、ずぎゃーんと轟くローラー音。
 振り返ると、いつものラファルさん。

 善に合えば善を討ち、悪に合えば悪を討つ。
 敵味方もなんのその。花も嵐も踏み越えてやってきました初日の出。
 まばゆいお日様の光に照らし出されるは死屍累々の兵どもが夢のあと。

「あけおめことよろだっぜー!」

 としおの荷物から、大型のガスボンベをもぎ取るラファルさん。

「ちょ、ちょっとー! それはダメですよー!?」

 としおの静止も聞かず兵装ぶっぱ、大 爆 発 。
 雪が蒸発して地肌が剥き出しになった山頂で、1人残ったラファルは御来光に目を細め、

「いい汗かいたぜ」

 だがそこへ、

「今日の私は、阿修羅すら凌駕する存在だ!」

 直剣を携え、上空から急降下してくる詠歌。
 キャノンを構えて振り向いたラファルと正面からぶつかり――

「ディザイア、ロペ子……カタキは――」



 ――山頂に、アウルの光が瞬いた。



 静まり返った山の頂。
 じゃり、と誰かの足が地を鳴らす。

「わふ? 少し焦げ臭い気がします」

 食器を片付けようとしたままどこかへと行ってしまっていたフィルグリント。
 肌に触れた陽光の微かな温もりで日が昇ったのだと知った彼女は、胸の前で手を合わせて祈った。

「今年も一年良い年でありますように」


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: ご注文はうしゃぎですか?・黒田 紫音(jb0864)
 撃退士・神楽坂 葵(jb1639)
 ねこのは・深森 木葉(jb1711)
 撃退士・黒 華龍(jb4577)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
 雷閃白鳳・支倉 英蓮(jb7524)
 和風サロン『椿』女将・木嶋香里(jb7748)
 撃退士・マリス・レイ(jb8465)
 初日の出@2015・日向響(jc0857)
重体: −
面白かった!:18人

ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
ご注文はうしゃぎですか?・
黒田 紫音(jb0864)

大学部3年2組 女 陰陽師
オペ子FC名誉会員・
桜井疾風(jb1213)

大学部3年5組 男 鬼道忍軍
撃退士・
神楽坂 葵(jb1639)

卒業 女 ルインズブレイド
ねこのは・
深森 木葉(jb1711)

小等部1年1組 女 陰陽師
誓いの槍・
イシュタル(jb2619)

大学部4年275組 女 陰陽師
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
撃退士・
黒 華龍(jb4577)

卒業 男 鬼道忍軍
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
遠野先生FC名誉会員・
何 静花(jb4794)

大学部2年314組 女 阿修羅
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
久遠ヶ原から愛をこめて・
シエル・ウェスト(jb6351)

卒業 女 ナイトウォーカー
永遠の十四歳・
神雷(jb6374)

大学部1年7組 女 アカシックレコーダー:タイプB
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
ついに本気出した・
砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)

卒業 男 アストラルヴァンガード
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
雷閃白鳳・
支倉 英蓮(jb7524)

高等部2年11組 女 阿修羅
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
氷結系の意地・
玉置 雪子(jb8344)

中等部1年2組 女 アカシックレコーダー:タイプB
撃退士・
マリス・レイ(jb8465)

大学部5年7組 女 アストラルヴァンガード
火消しの稲妻・
幸村 詠歌(jc0244)

大学部2年201組 女 阿修羅
初日の出@2015・
日向響(jc0857)

大学部2年71組 男 アストラルヴァンガード
御伽の森の魔女・
フィルグリント ウルスマギナ(jc0986)

大学部6年40組 女 ルインズブレイド