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マスター:水音 流
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/01/10


みんなの思い出



オープニング

 ――12月24日、夜。

 煌びやかな照明や軽やかな音楽に彩られて、活気づいた空気。カップルや家族連れ、あるいは気の合う仲間達と楽しげに聖夜の街を歩く人々の姿。
 だが同時に、その眩いまでの光の陰では……

 寒い。
 体が寒い。
 心が寒い。

 人前でいちゃいちゃしやがって。
 彼氏のコートのポケットの中で手を繋ぎながら歩くとか、正気とは思えねえ。
 転んだ時に危ないからポケットに手を入れながら歩くのはやめましょうって、小学校で習わなかったのかべらぼうめ。

 ぎりぃと人知れず響く、奥歯と拳の軋む音。
 赤い涙で心を濡らす者達の理性は、もはや限界。だがそれを吐き出す先も無く――



「ほう? 何やら騒がしいと思って来てみれば、今宵の人間共は随分と生気に満ちているな」

 純白の翼を広げた天使の男は、夜の空から街を見下ろして不遜な笑みを浮かべた。
 さぞ質の良いエネルギーが採れるだろう。
 ふわりと駅前広場の中心に降り立った彼を見て、周囲の人々が僅かに響めく。

「なに? 天使?」
「撃退士じゃないの?」
「さて、どれにするか……」

 喧噪を他所にぐるりと獲物を物色する天使。すると、彼を久遠ヶ原の学生だと思い込んだ一組のカップルが声をかけてきた。

「何か事件でもあったんですか?」
「ふむ、まずは貴様らだな」
「え?」

 天使の手が、彼氏の胸倉を掴み上げようと――

 ドゴォ!!

「へぶん!?」

 その時、いきなり真横から強烈なドロップキックを受けて天使が吹き飛んだ。
 ごろごろべしゃ!とベンチにぶつかり、顔を上げる。
 見知らぬ1人の青年が、血走った目で立っていた。

 牙のような鋭い犬歯を覗かせながら、カハーと白い靄を吐く青年。

「おい天使野郎……お前、堕天組じゃねえな」
「な、なんだ貴様。この私に歯向かって無事に済むと思――」
「おぉい、こいつ敵の天使だぞー!」

 刹那、怒号。

「あぁ!? そいつぁけしからんなぁ!」
「殴られても文句ねぇよなぁ!?」
「つーか殴っても文句言われねぇよなぁ!?」

 ぞろぞろと集まってくる、クリスマスソロ軍。
 リア充を殴れない八つ当たり。

「「ヒャッハー!!」」

 モヒカンやらトゲ肩パッドやらを幻視しそうな勢いで、一斉に天使へと飛び掛かるソロリスト達。

 ドカバキボコスカ

「い、いたっ、痛い! マジイタイ!」

 どうやら撃退士が混じっているようで、阻霊符が展開されていて逃げられない。
 だがそのうちに、獣のような咆哮を上げ始めた一部のソロリスト達が暴走。

 四つん這いで涎を撒き散らしながら赤い眼光を迸らせ、周囲のカップル達を追い掛け回し始めた。

「きゃあああ!」
「うわあああ!?」
「いやあああ!!」

「「ウヴォォオオオオオ!!」」

 聖夜の街で、ソロリスト達の叫びが天を衝く――


リプレイ本文

「…天使『が』?」

 オペ子の放送を聞き、首を捻る蓮城 真緋呂(jb6120)。この前の人狼と言い、人間って強くなったのね…としみじみ。
 とりあえずお巡りさん達を助けなければ。カップル? 自力で何とかしろ☆

「オペ子さんのオーダーは『鎮圧してください』ね」

 言いながら、印刷したての依頼書を確認。
 目的:粛清

 横に居たメレク(jb2528)も首を傾げ、

「鎮圧と粛清はかなり意味が違うと思いますが」
「きっと気のせいです」

 ケーキをもぐもぐするオペ子に追い立てられるように、一同は斡旋所を発つ。
 一方、ミニスカサンタ姿の斉凛(ja6571)は、トナカイ姿の豚侍が引くそりにライドオン。阻霊符を展開して発進。
 そりの後ろには、喧嘩しているところを捕まえたハル&アーリィが縛り付けてあった。

「嫌いなら関わらなければいいのに。喧嘩するほど仲が良いですわね」

 ズルズルと響く牽引音と悲鳴が、まるでクリスマスベルのようだった――


●現着
「…これは酷い状況ですね」

 大混乱の駅前広場を見渡してユウ(jb5639)が呟く。
 しかし、一般人に混じって袋叩きにされているあの天使はいったい? 堕天ではないようだが……。

「とにかく、これ以上被害が広がらないように迅速に動きましょう」

 あの天使には少し気の毒だが、その存在を利用させて貰う事にしたユウ。
 パトカーの中にあった拡声器を借りて上空へと飛翔。面白半分で見物している遠巻きの野次馬達に警告して回った。

「この騒ぎは天使の策略です、危険ですから離れて下さい。カップルの方はもっと離れて下さい。夫婦の方は決してご自宅から出ないで下さい」

 一方、既に渦中に居た一般人達はわたわたと右往左往。助けようにも、パニックになっていてユウ達からも逃げ回る有様だった。
 対して、メレクは気迫を使用。怯んで足を止めたところを即座に抱え上げて安全圏まで空輸する、という事を繰り返した。



 キシャアア!と広場を駆けずり回っていた暴徒の1匹に、突如1本の魔法剣が突き刺さる。
 放ったのは矢野 胡桃(ja2617)。魔法の感触を確かめるように、掌をぐーぱー。

 ダアトになって初めての行動。

「とりあえず、ぶっぱしてればいいんでしょう?」

 やめてくださいしんでしまいます。
 だが次の瞬間、直撃を受けて引っくり返っていた暴徒は仰向けのまま四つん這いになって胡桃へと迫った。

「ウヴォオアー!」
「あー……煩い、わね。全く……。僻み根性もそこまでいけば、天晴だけど」

 は? シングルベル? ご縁がない、わね。彼氏? いませんけど。それがなにか?
 暴徒を魔法剣で撃ち落としながら、

「あのねぇ! リア充も非リア充も、どうでもいいのよ! 私にとって大事なのは、父さんですから!! 学園一のファザコンですから!! 何か文句でも!?」

 ぶっすり串刺し。

「いいからさっさと家に帰らせて頂戴! 父さんと過ごす時間が無くなるでしょ!?」

 アウルチャージ。

「そもそもね! 彼氏彼女できゃっきゃうふふするだけがリア充なら! 私だって非リア充だけど!」

 転がった暴徒にざくざく剣を突き立て、

「私には最愛の父さんがいますから! 彼氏とかいりませんし!」

 『父さんmgmg』と文字を彫った。
 よい子はマネしないでね☆



「おーおー派手にやっとるなぁ。まぁそのまま天使ボコってくれるんは問題ないんやけどなぁ」

 広場を上空から観察していたゼロ=シュバイツァー(jb7501)。
 それにしてもひどい光景である。へーか(胡桃)とか。

「全く…クリスマスの正しい楽しみ方教えたらなあかんなぁ」

 地上に降り、一般人を襲っている暴徒の内、人語を理解するだけの知能を残していそうな個体を捕まえてマジビンタ。

「ヴァカタレが!! お前らなにやってんねん! そもそもや! リア充だの非リア充やのお前らなんもやってこんかったくせに一方的に僻みよってからに! 羨ましいんやったらなんかせんかい! 頑張ってきたやつを蹴落とすとかおかしいやろが!!」

 だがゼロの説教にぐうの音も出ない者が居る一方で、反論する者も。
 知人を積極的に遊びに誘ったり、合コンとかしたりした。最終的にナンパも試した。でもダメだった。

 するとゼロは「そうか……」と温かい目になって彼らの肩に手を置き、

「ぷげら」

 暴徒激おこ。
 瞳を赤く灯し、シュウゥゥと音を立てる涎を散らしながらゼロに飛び掛かった。
 そこへ咄嗟に割って入るユウ。重体中のゼロを庇い、暴徒の突進を受け止める。

「こんなことは危険です。落ち突いて下さい!…く、凄い力」

 その時、凛の乗った豚ぞりがシュプールを描きながら突っ込んできた。

 ドリフトして急ブレーキ。引きずっていたハルアリが遠心力で振り回されて、ハンマーのように暴徒を直撃する。
 縛っていたクリスマスリボンが衝撃で千切れ、よろよろと立ち上がるハルアリ。すると凛は、

「そのおばかさん達をどちらが多く『粛清』するか勝負ですわ。勝った方に限定アップルパイを差し上げますの」

 煽。
 勝負と聞いてクワッ!と目を見開いた2人は、

「おもしれぇ」
「私が勝つのは分かりきっているが、付き合ってやろう」

 勇んで暴徒の群れへと飛び込んでいった。
 更に凛は豚侍達を振り返り、奴隷という名の斉凛親衛隊を結成しようとロリっ子ぶりっ子で懐柔を試みる。

「し、しかし拙者達には既にヒメ殿という姫が」
「いや待つでござる同志よ。ヒメ殿にはヒメ殿の、凛殿には凛殿の魅力があるでござる」
「然り。ヒメ殿は愛でさせてくれるでござるが、凛殿は踏んでくれるでござる」

 彼女が、彼女達が、拙者達の翼でござる!
 豚侍特攻。刀を抜き、時代劇ばりにバッサバッサと暴徒を切り伏せていく。

「豚侍さんすごーい。頼りになるわ♪」

 言いながら、暴徒の注意を一般人カップルから逸らすべく、高く手を掲げる凛。
 その指には、きらりと光る指輪が。

「クリスマスに頂きましたの。わたくしもリア充ですわ」

 瞬間、面白いほど暴徒が釣れた。



 ついに、彼女が帰ってくる。
 かつて動画投稿サイトで驚異のアクセス数を記録した筆談系女子! 黒髪さらさら、笑顔がキュート!!

 疾 風 子 再 誕

 カツラにスカート姿の桜井疾風(jb1213)。
 いや分かるんですよ、一人クリスマス寂しいですよね。俺もオペ子さんとクリスマス過ごしたかった。イベシナ取れていれば今頃……(メタァ

 内心でぶつぶつ言いながら、ニンジャヒーロー発動。

『暴れちゃ、や』

 声は男のままなので、スケッチブックで筆談。
 ふるふるしながら上目遣い。

『喧嘩、しないで?』

 涙目うるうる。あざとい、あざといよぉこの子!

『一緒にクリスマスパーティ、しよ?』

 殺伐とした駅前に現れた清楚っぽい筆談女子に、かろうじて残っていた理性派暴徒が集まってくる。
 カワイイコダナー。

 だがその直後、

『男の子じゃ、や?』

 え、男?
 疾風子が書いた文面を見てどよどよ。

 その一部始終を、デジカメで録画するメレク。
 後で暴徒達の犯行を裏付ける証拠として使えるかもと考えた故の行動だったのだが、それに焦ったのは疾風子。

 まずい。映像になんて残したらオペ子が見るかもしれない。
 疾風子はカツラ脱ぎながら、

「う、浮気じゃないんですからねー!!」

 瞬間、男だと分かってブチギレる暴徒。
 慌てて逃げるスカート姿の疾風。

「何がソロリスト達をそこまで駆りたてているんでしょうか。あの身体能力は十分戦場でも通用しそうですが」

 首を傾げながらも、鎮圧に動くメレク。
 徐に発煙手榴弾を投げ、野次馬からの視線を遮断。ここから先はちょっと見せられない。

 煙幕の向こうから、音がする。

 バチバチッ
 シュゴオォ
 どかっ
 めきめきっ
 ぐしゃあ!

 何の音かな?(すっとぼけ



 真緋呂は辞書をひいていた。

【鎮圧】
 1)戦乱や暴動を武力を使ってしずめること。
 2)耕地をすき起こし、土を砕いて平らにならし、押さえること。また、その作業。(大辞●より

 少女の選択⇒2

 武力に物を言わせるのイクない(こく
 よって、すき起こす。

「舞い上がれ大地!」

 砂嵐発動シュゴォ。
 エアロバーストで大地に空気球がっつんがっつん。

 舞い散る砂雪。抉れる石畳。吹き飛ぶ人間。
 お巡りさんっぽいのも混じっていた気がするけど、多分気のせい。

 仕上げに、耕した地面をダイヤモンドダストできゅっと締める。

「ちょっと押さえが足りないかしら?」

 所々盛り上がったままの広場。
 でも大丈夫。

「こんな時の為に、スタンバイさせておいたわ鎮圧器」

【鎮圧器】
 耕地面を均一に平らにするために使う鉄製のローラー型農機具。(大辞●より

「うりゃぁぁぁ!!」

 ローラーを転がし、広場を平らにして回る真緋呂。
 瓦礫バキバキ。
 人間ぷちぷち。
 お巡りさんっぽいのも混じっていた気がす(ry



 月乃宮 恋音(jb1221)はいつものように小さく震えながら、広場の惨状を眺めていた。

「…………(ふるふる)」

 このまま単純に“鎮圧”しても、一時凌ぎにしかならない。何か、もっと根本的な“発散方法”を用意しなければ。
 そう考えた恋音は、手近な衣装店に駆け込む。

 しばらくして、ファーの付いたふわもこバニースーツに着替えた恋音が出てきた。
 胸元たゆんたゆん。色々ぎりぎりだ。

 ふるふるしながら、暴徒へ呼び掛ける。

「……皆さん、大人しくしてください……」

 疾風子というフェイクで荒みきっていた暴徒達の前に現れた、本物の大人し系女子。
 天使をボコっていた暴徒達も含め、赤い瞳が彼女に集中する。

「「ウヴォオアー!」」
「……お、おぉぉ……?」

 砂糖に群がる虫の如く、恋音に飛びつく暴徒。しかし、

「……寂しいのはわかりますけれど、だからと言って、他人に迷惑をかけてよい理由にはなりませんよぉ……?」

 髪芝居で縛り上げ。
 すると、暴徒から解放された天使がむくりと起き上がった。

「よくやった人間の娘よ。そのまま押さえていろ、私をコケにした報いを受けさせてやる」

 言いながら魔法を詠しょ――

「……こういう危険な目に合うこともあるのですから、人間達の習慣等を、きちんと調べてからおいで下さい……」

 恋音が天使にライトニング。

「あばー!?」

 ぴしゃーん!と雷が落ちて、炭と化す天使。

 大人し系なんて無かった。



 絶賛大暴れ中の胡桃嬢。
 ふと携帯が鳴る。

「あ、もしもし父さん? なぁに? え? おつかい? いいよ!」
「ウヴォオアー!」

 魔法剣ぶっぱズシャア!

「大根と白菜? だいじょぶ! 買っていくから!」
「ウヴォオアー!」

 ズバァ!

「え? タイムセール? それはちょっとご遠慮した――」

 どんっ

 その時、誰かが胡桃の背にぶつかってきた。
 空蝉で暴徒を躱していた疾風。

「あ、すみません」

 彼は咄嗟に謝――

「もー! 邪魔しないで頂戴!!」

 魔法剣でバッサァ!

「あばー!?」
「あ」

 直後、味方だったと気づく胡桃。

「あかん。ここ危なすぎるわ」

 それを目撃したゼロは、戦慄しながら這うようにその場から退避。
 一方、メレクの焚いた煙幕が風で巻き、恋音達の周囲まで覆い始める。

「……これでは、狙いがつけられませんねぇ……。……うぅん……」

 その時、煙の中に四つん這いの影がちらり。

「……おぉ……。……そこですねぇ……」

 言いながらコメットぶっぱ。広場に降り注ぐ小隕石。
 が、そこに居たのは逃げようとしていたゼロだった。

「あばー!?」

 カッ!!
 駅前広場に、大きなきのこ雲が上がった。

 やがて塵埃が収まると、立っていたのは恋音、胡桃、メレク、凛、ユウの5人だけ。

「クリスマスのチキンにされるとこやったわ」

 おや、大量の黒炭の下からゼロが這い出てきた。
 ユウが感嘆の声を上げる。

「凄いですね。あれだけやって死者を出さないなんて…凄い技術です」

 クリスマスマジック。



 その頃――

 いつの間にか駅前を飛び出して、街中を耕していた真緋呂。
 暴徒でも何でもない極普通の通行人を叩k…均して回る。

「そーれ、どーん!」

 冷刀マグロ振り下ろし。

「止めないで、私は鎮圧しているの! 武力行使ではなく平和的農作業…という口実で全てを無に還すとか言葉にはしn」

 その時、唐突に後ろから肩を掴まれた。
 振り返ると、完全武装した厳つい機動隊のお兄さん達。

「お巡りさん、私がやりました」

 真緋呂はマグロを放り出し、ぺしょりとその場で正座した。



「いくら不満があっても、周りの人に迷惑を掛けてはいけませんよ」
「……丁度、斡旋所でパーティが開かれているようですし、折角ですので、皆さんご一緒しませんかぁ……?」

 黒焦げの暴徒に手当てを試みるユウと、天使にふるふる話しかける恋音。凛もハルアリを釘バットでつんつん。
 返事がない。ただの炭のようだ。

 事後処理の指示を仰ぐべく、ユウがオペ子に電話。

『新しいボディが出来ました。処理班を向かわせます』

 受話器の向こうで、ロケット噴射のような音がする。

 直後、ロペ子が降ってきた。
 着地――

 ドガシャア! ガランゴロン

 ロペ子はウィームと起き上がり、お掃除開始。
 人型の黒炭をゴミ箱にぽいちょ。瓦礫も撤去ブオー。

「い、いいんでしょうか?」
「ええねんええねん♪」

 戸惑うユウにゼロが答える。

「自分らもやることなかっただけやねんよな? しゃーないからクリスマスの楽しみ方教えたるわ♪」

 彼は初期段階で投降していた生き残りのソロリストを引きつれ、仲間達と共にパーティーへ。
 斡旋所に到着すると、入口に豚の人形が置かれており、

『よくきたな。ゆっくりしていってね!』

 MSの声。
 直後、ボロボロの疾風子が走ってきた。

「俺はこういう黒髪系女子が好きだったはずなんですよ!!」

 なのに、何故か気が付けば銀髪ツインテールに心臓鷲掴み。

「これもそれも水音さんが悪い!!」

 どむっとアッパーカットされて地面に転がる水音人形。
 そこへ局長が顔を出し、

「騒がしいな」
「局長! いっつもペーちゃんの相手お疲れさんです」

 ゼロ達はわいわいと賑やかしながら、夜通し続く斡旋所パーティーへと入っていった。 



 駐車場にソリを停め、焼け焦げてハムになっていた豚侍達を踏んで労う凛。
 ハム侍に手作りケーキを配った後、外へ出て雪だるま作成。『はる&あーりぃ、ここにねむる』と書かれた板を雪頭に突き刺した。

 最後に彼女は、入口に転がっていた水音人形をそっと拾い上げ、

「今年はありがとうございましたですわ。来年もよろしくお願いしますですの」

 手編みのブランケットで優しく包んでやった。

「凛サンタからの贈り物ですわ。温かくして元気にお過ごしくださいませ」
『心に沁みるお』

 おっと目から雪が。


●取調室
 メレクの撮影した映像に農耕する姿がバッチリ残っていた真緋呂だったが、

「弁護士とカツ丼とケーキが来るまで私は何も喋らない」

 ふと、彼女は窓の外で降り始めた真っ白な雪を見て一言。

「霜降り食べたい」

 刑事達は揃って頭を抱えた。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: ヴェズルフェルニルの姫君・矢野 胡桃(ja2617)
 大祭神乳神様・月乃宮 恋音(jb1221)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
重体: −
面白かった!:7人

ヴェズルフェルニルの姫君・
矢野 胡桃(ja2617)

卒業 女 ダアト
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
オペ子FC名誉会員・
桜井疾風(jb1213)

大学部3年5組 男 鬼道忍軍
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
無尽闘志・
メレク(jb2528)

卒業 女 ルインズブレイド
優しき強さを抱く・
ユウ(jb5639)

大学部5年7組 女 阿修羅
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
縛られない風へ・
ゼロ=シュバイツァー(jb7501)

卒業 男 阿修羅