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マスター:三咲 都李
シナリオ形態:シリーズ
難易度:普通
参加人数:6人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/02/24


みんなの思い出



オープニング

●昔話と依頼
 昔、と言ってもそんな昔ではない、今から5年ほど前の話です。
 とある山奥に撃退士が1人、住み着きました。
 彼は悪魔と天使、人間の戦いに疲れ誰にも干渉されない土地を目指しました。
 そこに1人の悪魔がやってきました。
 悪魔は昔人間に救われ、人間と共に戦ってきた仲間でした。けれど、そんな苦楽を共にした仲間とも人間は決別しようとしていました。
 悪魔は言いました。
「あなたの力はまだ必要です。どうか、もう一度一緒に戦ってください」
 悪魔の言うことなど、人間は信じませんでした。けれど、悪魔は続けます。
「私は悪魔と天使と人間、全てが平和に暮らせる世が来るのだと信じています。どうか、その日のために力を貸してください」
 悪魔の言葉に、人間は訝しみます。
「おまえは、何を根拠にそのようなことを言う?」
 疲れ切った人間は悪魔の言葉を疑いました。けれど、その悪魔の言葉に魅力を感じました。
「根拠はありません。けれど、人間は堕天する天使や悪魔を受け入れる『心』があります。その『心』が、可能性だとあたしは信じています」
 絵空事です。そんな『心』など根拠にも可能性にもなりはしないと、人間は笑いました。
 そんな人間の態度に悪魔は言いました。
「わかりました。ならば、賭けをしましょう。そしてその賭けにあたしが勝ったのなら‥‥」


「ということで、ちょっと山奥に住む元撃退士との交渉を頼みたいんだ」
 なにが『ということ』なのかは全くもってわからないが、依頼者である学園の教師は資料を配りながらそう言う。
「お前たちに会ってほしいのは『河合隆(かわい・たかし)』という元々学園の撃退士だった人間だ。河合はとある悪魔と賭けをした。賭けは単純なもので河合に『ある言葉』を言わせたら勝ち、だ。そして『ある言葉』というのは‥‥」
 そこで教師はいったん言葉を切った。

「『信じる』という言葉だ」
 
 この『信じる』という言葉を河合の口から言わせれば、依頼は達成する‥‥と教師は言った。
 一度失った信用を取り戻させるのは容易ではない。けれど、必ずその道はあるはずだ。


●裏がありそうです?
 そんな依頼の説明をされた生徒たちと入れ違いに雪の結晶のピン止めをつけた中島 雪哉(jz0080)は、職員室に颯爽と忘れていた宿題の提出に現れた。
「せんせー! せんせー‥‥?」
 提出先である担任教師は誰かと談笑中だった。相手は若い女性だ。
「‥‥生徒たちに怒られはしませんか?」
 そう女性が言うと、教師はどこか自信ありげに笑う。
「うちの生徒にそんな物わかりの悪いヤツはいないよ」
「信じているんですね。生徒たちを」
「もちろん。信じてなきゃこんな依頼はださない」
 『??』と何の話やらさっぱりな中島に気が付く様子もなく、会話は続く。
「しかし、彼らは『あの言葉』を彼に言ってくれるでしょうか? ‥‥これを、渡せる時はきますか?」
 女性は手のひらにすっぽりと収まる小さな箱をじっと見つめる。とても大事そうだ。
「アイツらには信じるものがあるからな。大丈夫。ちゃんと彼に伝えるさ」
 『あの言葉』? 『信じるもの』?
 頭の中は『?』でいっぱいであるが、先ほど出ていった生徒たちの顔を思い浮かべる。
「‥‥六華ちゃん?」
 中島の頭に浮かんだのは友人であるフロル・六華(jz0245)の顔。根拠も何もなく、そう思った。
「先生! 六華ちゃんがどうかしたの? 何かあったの!?」
「!? な、中島?」
 一瞬動揺した教師だったが、すぐに冷静になると中島から宿題を取り上げる。
「これは見ておくから、さっき出ていったヤツらの後を追って一緒に依頼に行ってこい。そしておまえに必要な冷静な交渉術を学んで来い。いいな?」
 教師に押され職員室を締め出された中島は、仕方なく先ほどすれ違った生徒たちの後を追ったのだった。

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リプレイ本文

●中島合流
「伝説こそ語るべし」
 ラファル A ユーティライネン(jb4620)は小さくポツリと、けれど力強くそう呟く。
「待ってください、先輩たち! ボクも行きます!」
 転移装置前で息せき切って走ってきた中島 雪哉(jz0080)は、見知った顔が多いことを再度確認する。
「これ、何の依頼なんですか? 六華ちゃんに何かあったんですか!?」
 それを聞いた川澄文歌(jb7507)は少し驚いたように中島に言った。
「何の依頼って‥‥知らずに来たの? 六華ちゃんがどうかしたの?」
「先生に言われたんで来たんですけど‥‥。いえ、六華ちゃんとこの依頼が何か関係あるのかなって思って」
 なぜか出てきたフロル・六華(jz0245)の名前に困惑しつつ、川澄は簡単に依頼の内容を教えた。
「‥‥ということで、河合さんに『信じる』って言わせるのが目的だそうなの」
「あれ? そうなんですか? 皆さんが言うんじゃなくて?」
 首を傾げる中島に、川澄が問い返すと中島は職員室で立ち聞きした話をした。
「『彼ら』というのは私たちよね。『あの言葉を彼に言ってくれる』? 『彼』に言うのは私たち?」
「先輩たちとすれ違ったから、六華ちゃんに関係しているのかと思ったんですけど‥‥」
 野生の勘から暴走した中島は、今更ながらに少し弱気にそう言った。
「でも中島の言うこと、意外と間違ってないのかも」
 それまで黙って聞いていた相馬 カズヤ(jb0924)が呟く。
「先生がさ『男は悪魔と約束を交わした』って言ってたじゃん? その『悪魔』がもしかしたら六華のことことなのかも」
「そうなの!? じゃあそうなのかも!」
 友人・相馬の言葉に、中島が顔を明るくする。川澄は困ったように笑ったあと、真面目な顔を見せた。
「何か裏があるって話だけれど‥‥ひとまず、先生に依頼されたことをしっかりやりましょう。‥‥河合さんに『信じる』って言わせてみせます」
 相馬は川澄の言葉に、また少し考える。
「信じることって大切だよな。‥‥この人の信じたいものってなんだろう?」
「‥‥ん。言葉で。説明するのは。多分。少なからず。すごく。五分五分で。得意では。ない。論より。証拠。だと思う」
 表情を変えないまま、最上 憐(jb1522)は言う。
「論より証拠‥‥? その人が信じたいものって見たらわかるもの?」
 中島が訊くと、最上は「‥‥多分」と呟く。何か考えがあるようだ。
 向坂 玲治(ja6214)はぶっきらぼうな声で意見を述べる。
「信じるってのは、元々確固とした証拠のない有り様に対して言う事だ。根拠が無いことが、信じられない事には繋がらないな」
「まぁ、俺はどっちでもいいさ。依頼も賭けも関係ねぇ」
 ラファルはそう言うと不敵な笑みを見せる。
 絶望したにも関わらずに自殺せずに隠遁している元撃退士に興味があった。そんな撃退士でも生きている事が出来るなら、まだ折れる心があるんじゃねーかと些細な期待が頭をよぎる。
「‥‥なぜなら人々に希望を与え導くから」
 折れぬ心の神髄に、希望はあるのだろうか?


●とある山奥の家で
 鬱蒼とした木々の奥、そこに件の河合が住む家はあった。近くには伊吹山も見えるはずの立地だが、あいにくの雨だ。
 雨を避けるように、一行は早速河合宅の扉を叩いた。
 出てきたのは、割と見た目若そうな青年。これが河合だった。
「雨で濡れたのか? 服を乾かしてから帰るといい」
 そう言って家の中にあげてくれた。
「オレは相馬カズヤ、よろしく」
 自己紹介をするも、河合は必要以上を喋ろうとしない。中島がその沈黙に耐えかねて、口を開いた。
「あの、学園からの用件を‥‥」
 河合に取った表向きのアポイントメントは『学園への復帰要請』である。形だけではあるが要請の言葉を口にしようとした時、河合は首を横に振った。
「おまえたちが来た用件は聞いている。無駄足をさせてすまないが、私は撃退士に戻るつもりもない」
 すべてを言い切る前に断られてしまった。
「人気者だなおっちゃん。現場復帰を願ってラブコールもらえるなんて撃退士冥利に尽きるぜ」
 ラファルが少し毒を含めた言い方をした。河合はそれを何事もなく受け止める。
「必要としてもらえるのは光栄だが、ね」
 そう言って言葉を切ると、河合は言う。
「『撃退士にとって信じるべきもの』が私にはない。戦うべき理由も、戦わねばならない理由も」
 その言葉に向坂は推理する。
 河合は終わることのない天魔との戦いに嫌気が差した。明確な着地点のないまま戦い続けることに挫折し、今に至るのではないかと。
 ならば理念や誇りという観点よりも、他の角度からの説得が必要だ。
「それで、終わらぬ戦いに嫌気が差したと? 終わりが分からないのは当たり前。自分が何時死ぬかを知る人間が居ないのと同じだ。だからこそ、人は明日を今日より良くしようと足掻いている。足掻いて足掻きぬいて、今よりマシな物を次の世代に残すのが大人の仕事なんだ。10年20年かかるかもしれないし、100年以上先かもしれない。それでも託す限り次につながり、前へと進み続けられる。そんなに次に託そうとしている仲間の事や、託すべき次の世代の事を信じられないのか?」
 向坂の言葉に、河合は小さく頷く。
「おまえの言うことはわからないでもない。昔は私もおまえのように考えていた時期もある。だが‥‥」
 河合の言葉の続きをラファルが遮った。
「何があったかなんて野暮なことは聞かねーよ。知りたくもねーし。憎悪に身を焦がして燃尽きて行く奴もいれば、幸福を見つけて引退する奴もいる。人の人生なんてそれぞれなんだからさ」
 過去の話を語るつもりでいた河合、少し面食らったように苦笑いをした。
「確かに、その通りだ。ならば私がここにいる、撃退士に戻らないという道を選ぶこともわかるだろう。このままそっとしておくように学園に伝えてほしい」
 少しだけ柔和な態度になった河合に、ラファルは一言言った。
「嫌だね」
 河合はまた面食らったようだ。
「それはどうしてだ?」
 河合の問いに、ラファルは見下すように、吐き出すように言い捨てる。
「人間は希望が無いと生きていけない物さ。天魔に怯える人生に絶望して自殺する連中が世界にごまんといるのに、あんたは死にもせずにのうのうと生きている。俺の見立てだと、あんたにはまだ折れる心が残っている。世捨て人を気取ってはいるが、後から来るもっと優秀な自分じゃない誰かが世界を変えるのを期待している」
 向坂の足掻く者たちの話と重なる。
 けれど、ラファルが言うのは向坂とは違い‥‥
「典型的なくずの発想だよな。そんな信頼ならいらねーよ。勝手な信頼よせて、自分だけいい子ちゃんで生きようとする、あんたはくずだ」
 冷たく鋭い言葉の刃を、ラファルはぐさりと突き刺す。
「その下らねープライドを抱え込んだまま、1人で腐っていきな」


●ため息とともに
 河合は、何か考え込んでいる。じっと床の1点を見つめている。
 その姿に、川澄は言う。
「死に至る病‥‥のようですね? 絶望は感染力も強く、最悪死に至る危険なものです。絶望は罪なんですよ。だから私は絶対に絶望しません。かわりにアイドルとして希望を届けますから」
 力強い言葉。けれど、川澄の言葉に河合は言葉を返さない。
「河合さんの好きな言葉ってなんですか?」
 口を開いたのは、相馬だった。少しだけ重苦しい空気に勇気がいったと思う。
「オレは大切な仲間がいて、その人達を守りたいって思う。撃退士になったばかりの頃は漫画の主人公みたいって思ってた。今もそれは変わらないけれど、この世界は現実だから。そんなかっこいいばかりの世界じゃないって気づいてる。それでも守りたいものがあるから今を頑張っていける」
「仲間‥‥か」
 河合は、顔を上げる。ラファルの言葉が効いたのか、やや悲しそうにも見えた。
「私にも、古い仲間たちがいる。彼らはまだ第一線で戦っている。君のような思いをもって戦っている」
 河合はそう言って少しだけ迷いを見せたが、もう一度言う。
「やはり、撃退士に戻ることはできない。仲間たちが無事であることは祈っている」
 その言葉を耳にして、ラファルは「やっぱりヘタレだな」と舌打ちをする。
「旧知の仲間の無事を祈るって事は、仲間が生き抜く事は信じてるんだな。仲間を信じてなければ止める様に言うか、そもそも無事を祈りもしない。勝手に野たれ死ねと思っているはずだ」
 冷静に向坂がそう言うと、相馬が言う。
「『信じる』ことって確かに辛いこともあると思うけど、誰も信じなければ誰にも信じてもらえない。そういうもんじゃないかな。あなたのことを信じてる人はいるんだ。それを信じることはあなたにはできないの? どうして?」
 河合が答えることができないでいると、川澄が透き通るはっきりとした声で河合に訊いた。
「貴方は神を信じます?」
 唐突な質問に、河合は首を横に振る。川澄は微笑んで言葉を紡ぐ。
「『祈る』っていう言葉は信じる何かに願いを込める事ですよ。信じるものが神ではないなら、貴方はよほど仲間の事を信頼している‥‥ううん、『信じて』いるんですね? 私なら戦っている仲間が心配で仲間の所へ駆けつけてしまいます」
 にこにこと微笑んで河合を見つめる川澄に、向坂も河合を見る。
「無事を祈る程度には、大切に思って信頼してるんだろう? 仲間を」
 河合は、言葉を無くしているようだった。
「‥‥ん。とりあえず。一度。学園に。来てみない?」
 最上がそう言った。聞くよりも、説得するよりも、その目で見ることが一番だと最上は思っていた。
「‥‥ん。復帰しなくても。昔。得られなかった。モノが。得られるかもよ? 学園なら。戦わない。選択肢も。取れるよ」
 学園見学のお誘いに、河合は苦笑いをする。まさか自分よりもずいぶん年下の子供に諭されるとは思わなかったようだ。
「今の学園は、そんなに変わったのか? 私がいた頃よりも‥‥」
「‥‥ん。山に。籠もっている。間に。外の。世界も。色々。変わってると。思うよ」
 最上の言葉に、河合は穏やかに微笑む。
「なら、一度『信じる』仲間に会いに行くのもいいかもしれないな」
 思ったよりも簡単に、その言葉は河合の口から出た。
「‥‥ん。論より。証拠。百件は。一見にしかず。学園は。楽しい所。一度は。おいで」


●目撃情報
 河合は、少しだけ待っていてほしいというと身支度を始めた。その間、雑談をした。
「そういえばこの間、オレも悪魔と約束したんだ。一緒に学園を見て回ろうって。だけどそいつは見えないところで薄ら笑い浮かべてた。信じていい存在なのかどうか正直分からない」
 相馬はそう言って言葉を切ると、力強く自分を納得させるように頷く。
「でも、信じたいと思ってる。人間は他人を信じあうことで生きているからさ」
「‥‥そうか」
 河合はそう言った。言葉を選んだうえでの、返事だった。
「‥‥ん。六華。知り合いの。悪魔も。記憶喪失だけど。学園に。馴染んでる。皆で。カレー。作ったり。こいのぼり。あげたり。楽しいよ?」
「六華ちゃんも今は仲間の事を信じられるようになったんですっ」
 最上がそう言うと、川澄が頷く。ハッと相馬と中島が思い出したように、スマホのデータから六華の顔写真を表示させる。
「あのさ、今話してた‥‥これ、六華なんだけど知らない?」
 伊吹山近くに住み、なおかつ悪魔と賭けをしているという河合なら何かを知っているかもしれないと思った。
 けれど‥‥
「すまない。見たことはないな」
 河合の言葉に相馬は肩を落とした。ついでに中島も肩を落とした。どうやら勘は外れたようだ。
「それじゃ、学園に帰還しよう」

 学園、職員室へとまず顔を出す。
 そこには‥‥
「あ、この人! 先生と話してたの!」
 中島が大きな声を上げた。その先には女性と担任が立っていた。
「帰ったか‥‥お、河合? 予想外の展開だな」
 河合と共に帰ってきたのが驚きだったようで、担任と女性は目を丸くしていた。
「おまえ‥‥どうしてここに?」
 河合も女性を見て驚いているようだった。
「あなたとの賭けをこの子たちに託したのです。ここに来たということは‥‥きっと私の勝ちですね?」
 にっこりと微笑む女性に、河合は苦虫を潰したように黙り込んだ。
「悪魔さんとどんな賭けをしていたか教えて貰っても良いです?」
 川澄がにっこりとそう訊くと『河合と悪魔の賭け』について、担任は小さな声で言った。

 『信じるべきは仲間』であることを、河合を訪ねた人物から言わせること。

 それが、賭けの内容だった。
「依頼で隠し事をしたのは悪かったが、教えたら意味なかったからなぁ‥‥。お詫びに少し報酬上乗せしておくから」
 それで勘弁してほしい、ということらしい。勘弁してあげてください。
 ラファルは、信じるべきは心にあると思った。
 ラファル自身、魔界征伐の野望を内に秘めながら生きている。ヘタレだろとなんだろうと、燻ったプライドに点火してもう一度燃え上がらせる。それがラファルの信じるもの。
 相馬は担任の言葉に納得している中島に言う。
「オレはお前のこと信じてる。だから、中島もオレのこと、信じてほしい。その‥‥えっと‥‥」
「うん! カズヤ君を信じてる。仲間だし、親友だし、ずっと信じてるから!」
 想いが届いているのかどうかは? 信じるべき親友はそれでも笑顔だった。
 川澄はこそっと女性に質問を投げる。
「あの、小箱の中身ってなんですか?」
「! 指輪が入っています。逆プロポーズというのですか? 私から彼への信頼の証を贈りたいのです。‥‥ナイショですよ?」
 ふふっと笑った女性は嬉しそうで、幸せそうな笑顔だった。
「ところで、例の情報をそろそろ教えてほしいんだが」
 担任は、浮かれる女性を呼び止める。女性は、すぐに真面目な顔になった。
「約束でしたね。わかりました」
 女性は語り始める。とある悪魔の昔話。


 私がまだ堕天する前。伊吹山周辺にいた私はある時、1人の少年悪魔に出会いました。
 少年悪魔は言いました。
「天使も、人間も、悪魔もいないところに行きたい」
 少年悪魔には、影のように付き従う少女の悪魔がいました。
「ねぇ、オム。みんなと仲良くしよう‥‥」
 少女悪魔が私に話しかけようとすると、少年悪魔は怒りました。
「おまえは黙ってろ! おまえが話していいのは私だけだ!」
 恋慕。愛情。そういった可愛らしい感情ではなく、あれは支配欲、独占欲。
 少女悪魔を黙らせるため少年悪魔は過度に暴力を振るい、それを止めようとした私を振り切り‥‥2人とはそれ以降会っていません。


「この話が役に立ちますか?」
 相馬が、河合に見せた六華の写真を喋り終えた女性に見せた。
「! あの時の子だわ」
 担任は険しい顔をした。そうして、話を聞き終えた一同に向き直る。
「この情報を、どう見るか。どう扱うかはお前たち次第だ」


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: −
重体: −
面白かった!:10人

万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
崩れずの光翼・
向坂 玲治(ja6214)

卒業 男 ディバインナイト
未来につなぐ左手・
相馬 カズヤ(jb0924)

中等部3年5組 男 バハムートテイマー
カレーは飲み物・
最上 憐(jb1522)

中等部3年6組 女 ナイトウォーカー
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師