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マスター:丸山 徹
シナリオ形態:シリーズ
難易度:普通
形態:
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/09/05


みんなの思い出



オープニング

「わたしを殺してください」
 彼女は言った。
 名を、プレザンス。魔の人形師と呼ばれた悪魔。天使との戦いで重傷を負い、手足と脳の一部を欠損し、魔力器具で補っている不具の女。
 そして、『三代目死人形』マリス=プレザンスの母。
 皆と対面した彼女の、第一声がそれだった。
 角河トホルとナディムジャバード、兄弟名義で借りているマンションの一室。趣味で持っている隠れ家のような、必要最低限の家具とバスルーム、それしかない部屋。今後マリスに貸す予定だ。
 そのマリスは、今ここにはいない。
 ベランダに出て、生ぬるい夜風に髪を揺らしている。
 部屋には、撃退士たちとプレザンス。
 そして、小さな妖精のディー。ベランダにいる主人を見つめる瞳は無機質なものだが、その仕草に悲しみが見えるのは気のせいだろうか。
「お願いします」
 車椅子に座るプレザンスは、そう言って皆を見渡した。頭を下げるという習慣がないのか、動作として下げられないのか。
「結論を急ぐことはない」
 トホルは動揺を隠して言った。「失礼、私は角河トホル、あなたの娘の……」
「存じています、永久の国の少年」
 彼女はまっすぐに、彼を見る。
「あの子が人形の娘を通じて、ずっと語ってくれました、不思議の国の物語を」
 顔の半分が機械的な部品に覆われているので、表情はよく分からない。楽しかったのか、どうなのか。
「……ご母堂の、意識や、記憶に、障害があると……」
 遠慮がちに問いかけるお下げ髪の少女に、プレザンスは視線を移す。
「鏡の国の姫よ、わたしの、受信に問題はなかったのです……発信は聞いての通りでしたが」
 視線に割りこむように、黒ずくめの悪魔が言った。
「ほなら結論の理由を聞こか」
「死神よ、いいえ、孤高の大鴉よ、分かっているはずです。わたしはもう生きていない」
 二人の視線の下の方から、白い少女も割り込む。
「どして? ままさんは、いきているわ、いま」
「……あなたは、おねえちゃんね」
 一瞬、プレザンスの瞳に明るい笑いが閃いた……気がした。
 すぐに冷たい色に塗り替えられたが。
「わたしを延命させるこの機械の維持に、何が必要か、分かりますか?」
「とってきますよ、何でも」
 トホルが会話を遮った。
 それが何か分かっているから、誰にも言わせたくなかった。
「あなたはきっと、血の涙を流してそれを集めてくれるのでしょう」
 プレザンスは頷いた。
「もしかしたら皆さんも、あの子も、みんなに謝りながらそれをするのでしょう」
(さすがだよ、マリス)
 トホルは拳を握りしめた。
 お母さんは完璧に正気を取り戻したよ。
 そして、正気になれば、誰だって、こんなふうに言うだろうよ。 
「あの子は、わたしのために、何もかもを犠牲にしています。魔界を犠牲にするくらい別に構いませんが、自分の未来を、成長を犠牲にするのは、母として許せません」
「マリスのこれまでの努力を」
 銀髪の天使の表情はいつも通りだったが、声は硬い。
 トホルは彼の肩に手を置いて、途切れさせることに成功した。
 何だかパパとママみたいだ……トホルは、だから、パパみたいなことを言った。
「師匠とりんりんは知ってるよな、うちの三男坊、子供いるの」
「……」
 頷く少女たちに笑顔を返し、トホルは皆を見る。
「あいつ小さい頃、バッタが怖くて泣いてるようなやつだったのに、今じゃ物凄く頼れるパパなんだ。子育てにも家庭にも何でも真面目に向き合って、努力して、しかも楽しそうで」
 あれが成長というものだ。兄としては誇らしく、同時に羨ましい。
 そして。
「弟を見てるとひとつ、分かったことがある……子供の重荷になるくらいなら死ぬよ、間違いなく」
 そして成長とは、子供のためにこそあるのだ。
 それを止めるのは、罪悪でしかない。
 だから。
 ベランダのサッシを開けて、少女は部屋へと踏み込んだ。
「それで報酬は?」
 皆の視線が集まる中、マリスは母へ詰め寄る。
「彼らは撃退士よ? 依頼するなら報酬が必要だわ」
「それは」
「どうせ無いんでしょ、ずっと寝てたんだもの、あるわけない」
 当たり前のことを言う。
 プレザンスは静かに娘を見やるが、マリスは無視して皆を見る。
「だったら、代わりにわたしから依頼する」
 堂々と胸を張って、言いたいことを言う。
 周りを気にせず、周りを壊さない。
 それが都会派というものだ。
「放っておいても死ぬような相手、わざわざ殺すことはない。どうせあと数日で、延命装置の動力は切れるわ」

「……」
 がんばれ。
 トホルは目を閉じる。
 がんばれ、マリス。

「わたしからの依頼よ、撃退士たち、素敵なパーティをするの。
 後悔させてあげましょう。やはり死にたくないと、その口から言わせてやりましょう。
 こんな楽しい世界なのにもったいないと、死を選ぶのがバカバカしくなるような、素敵な夢を見せてあげる!」
 
 舞台と、俳優と、観客があえば、物語が始まるという。
 ……それなら。
 そこに最高の観客が居る。
 舞台は我らが用意する。
 きみはいま、最高の女優だ。
  
「……」
 母は娘を見ていた。
 機械の目と、生身の目、どちらも微動だにせず。
 ただ、ただ、眩しそうに娘を見ていた。
 

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リプレイ本文

●ようこそWonderland
 
 白ワインを、静かにクーラーケースに横たえる。
 赤ワインはバスケットに寝かせたまま、カウンターの裏へ。
「2009年か」
 赤い瓶のラベルを見つめ、ジェラルド&ブラックパレード(ja9284)が呟いた。ボルドーの当たり年だという。
 その頃って、ボクは……
 薄暗い店内を見渡す。
 DartsBar『BlackHat』……彼の店だ。
 掃除はとうに済ませ、飾り付けはだいぶ終わり、後は少々の仕込みを残すのみという祭りの直前。もっとも楽しい時間。
「……」
 暗い。
 最低限の明かりしかつけていないのだから当然だ。
 ジェラルドの手が、カウンターの上を滑る。そのまま照明のスイッチに辿り着く、直前で。
「パパー、ちょっと助けてー」
 声がした。
 そして、一筋の光が。
「ありがとイリンさん!」
「どういたしまして、ドアは押さえておきますので」
 扉の向こうから、むすめと戦友の声。
 一筋の光は、あっという間に広がった。
 黒田 紫音(jb0864)とイリン・フーダット(jb2959)が、店の入口に、光を背負って立っていた。
「わ、くらーい。どうしたの?」
「……ん、いや」
 ジェラルドはカウンターから身を離して、二人を迎え入れた。紫音が両手に抱えた荷物を受け取る。
「こうやって開けておけば、外は明るいからね」
「わかりました」
 イリンが、わざわざ一旦荷物を置いて、しゃがみ込んでドアストッパーをかけた。
 彼の荷物も持ち上げてジェラルドが言った。
「今日はありがとうイリンくん。こっちはもう大丈夫だから、あっちに行ってあげて」
「ジェラルドさんは、行かないのですか?」
「ボクは残りの準備を楽しんでるよ」
「それでは私も」
「ダメダメ! イリンさんは行かないと!」
 紫音が割って入った。
 ねー? と訳知り顔の笑みを、ジェラルドと交わす。
「……そうですね」
 イリンは表情こそ変えなかったが、ちゃんと理解した風に頷いた。
「それでは、よろしくお願いします」
「うん、また夜にね」
「またねー!」
 イリンを見送り、親子は総仕上げにとりかかる。
 紫音が自然に有線放送を入れて、店に祭りの前のエネルギーが溢れだした。
 それを見て、ジェラルドは笑った。
「え? なあにパパ?」
「何でもないよ♪」
 人生は、クローズアップでは悲劇だが、ロングショットでは喜劇……
「笑うしか、ないもんなぁ」
 パーティを盛り上げるために、きっちり裏方を勤め上げましょう。
 誰も彼もが笑顔で過ごすために!


「ドア、おねがい、なの……」
「……お、重たい……と言うより……大変……」
 華桜りりか(jb6883)と北條 茉祐子(jb9584)は、色々はみ出たダンボールで視界を覆われながら、どうにか部屋まで辿り着いた。
「ありがとう二人とも……え、食器もお鍋も持ってきたの? そんなものまで無いのここ?」
 ダンボールを抱えて入ってくる茉祐子とりりかを、マリス(jz0344)が手伝う。撃退士にも重労働というか面倒な仕事だった。
 余計な奴が余計なことを言ったのが始まりだ。
「よし嬢ちゃん! 丸投げはいかんな! たまにはもてなしてみろ!」
「貴様もなんかやれ」
 言うだけ言って見ているだけのゼロ=シュバイツァー(jb7501)を、角河トホル(jz0314)がしょっぴいた。
 ここはトホルが弟と共同で借りている隠れ家。キッチン3畳、リビングは10畳、オートロックに防音床、バス・トイレ別。立地を考えればかなり高機能なマンションの一室だ。
 だが、さすがにこの人数だと狭い。しかも客の一人は車椅子である。
「もうママ、邪魔! ディーとおねえちゃんの相手でもしてて!」
 マリスが柘榴姫(jb7286)をプレザンスの膝に置き捨てて、その頭上にディーがとまり、半人分くらいのスペースは空いた。
「あそびましょ」
「はい」
 酷い扱いの姉と母。ディーはいつもの様にチカチカと目を光らせた。
 問題なのはスペースだけではない。
 棚や冷蔵庫を開いて、ヤナギ・エリューナク(ja0006)がぼやく。
「なんもねェな」
「だからここ何も無ぇっつってんだろ最初からっ」
 来るヤツみんなが文句をいうので、家主のトホルは年甲斐もなくご機嫌斜めだった。
「大丈夫です、色々と揃えてきました」
「えと、チョコとかいっぱい、なの」
 茉祐子とりりか、ひと廻り下の少女たちにオトナの対応をしてもらい、さすがのトホルも落ち着きを取り戻した。
「何とかなりそうやな」
 ゼロが腕組みしながら頷いた。
「一時はどうなるか思うたわ、誰やこんなしょーもないこと考えたんわ」
「「「おまえだあああああ!」」」
 声そのものはトホルが一番大きかったが、全員が異口同音に叫んで様々な打撃を加え「スキルはアカンてそりゃ透過あるけど痛! 痛!」
 転がったところを車椅子が轢いて「ちょい待ちそれ浮いとったんちゃうの!?」
 最後に追いかけっこ中の柘榴姫がその上で転んだ「ぶ!」
 静かになった物体を摘み上げて、ヤナギは諸共にベランダへ出た。タバコを咥えて室内を振り返る。
「中じゃ吸えねぇだろうし、ここでコイツの面倒みとく。キッチンあいたら呼んでくれ」
「ありがとうございます」
 茉祐子の礼はキッチンをあけてくれたことに対して8割、ゼロの面倒が1分で残りはその他というところだったが、事実3畳のキッチンでは三人でも狭かった。
 それでも少女たちはお菓子作りを楽しんだ。
 第一陣が終わる頃、小さめのボウルがひとつ空いていたので、茉祐子はそこにベーキングパウダーを入れようとして、ふと思いついてマリスに声をかけた。
「マリス、こっちのは一人でやってみませんか?」
「え、わ、わたしだけで?」
 目を見開くマリス。先程から、りりかや茉祐子の指示のままに作業をしていただけだ、自分がやるとは思いもよらない。
「よいと、思うの、です」
 おっとりした仕草と裏腹の迅速で精密な手さばきを見せながら、りりかが残りの材料を示した。
「こちらを、どうぞ」
「でも……」
 戸惑うマリスに、茉祐子が、少し躊躇いがちに耳打ちした。
「イリンさんに」
「……」
 マリスは無言のまま、顔色を七通りに変化させたが(後に七色の人形つかいと「呼ぶな!」)、最後には決意を固めた表情で頷いた。
 改めて腕まくりをすると、慎重な手つきで計量スプーンとカップを運ぶ。
 茉祐子とりりかは顔を見合わせ、微笑んだ。
 そこに差し出される猪肉。
「これ、家(の裏山)で獲れたものですが」
「冷蔵庫入れといてください」
「まあ北條さま、冷蔵庫より冷たいお声ですこと」
 花も恥じらうオトメな神雷(jb6374)だが、スイーツ作りには参加しないのであった。
 


●みんなのWonderland 

「……ってワケだ」 
 会話の最中も淀みないジャンピング、食器の音が一瞬も聞こえない優雅なサーブ。
 食器は安物でも茶葉は高級、そして淹れる手際も最高級だ。
「なるほど、それでゼロさんは行方不明に」
「ああ、さっきまで居たんだケドな」
 イリンに紅茶を注ぎながら、ヤナギが説明を終えた。ことさらぶっきらぼうな口調は、周囲の視線のせいか。
「キャー、いっけめーん」「こりゃモテますわー」
「……」
 ヤナギが無言で鎖鎌を構えたので、神雷とトホルはササッとマリスの陰に隠れた。
 マリスはウザそうにため息をついてから、ヤナギに笑顔を向けた。
「本当に素敵よヤナギ、意外な特技ばかり持っているのね」
「意外か、まあ、似合わねぇよな」
「そんなことないわ、お茶会の主役ね」
「いいや、主役はお前らだよ」
 ヤナギはキッチンに目をやった。
「いいにおいだわ」
 柘榴姫が気を利かせたように立ち上がって、つまみ食いだけして戻ってきた。
「おいしかったわ、ししょー」
「こういうときは持ってきて差し上げるものですよ?」
「持ってきたわ」
 手に、一個。
 プレザンスに手渡す。
「はい、かーさ……ま、ままさん」
 わずかに言い淀んだ柘榴姫に、プレザンスは「ありがとう」と言って受け取った。
 ひとくち食べて、プレザンスは表情を変えず、柘榴姫と、そして茉祐子を見た。
「美味しいです」
「どうも……」
 なるほど似ているかもしれない、茉祐子は一瞬イリンを見やる。
「これ、マリスさんが、つくったの」
 りりかが気を利かせて、新しい菓子を並べた。
 マリスが、気にしない風を装って、横目で母の手元を見ている。
「……」
 ひとくち食べて、プレザンスは言った。
「粉っぽい」
「悪魔かあんた」
「はい」
 トホルの突っ込みにプレザンスは無表情で応える。
 そこから本格的に、『少女たち』お手製のガトーが並び(「悪意ある表現ですね」「気のせいだよ師匠」)、卓上は一気に華やいだ。
 柘榴姫がどんどんプレザンスに差し出した。
「これもどーぞ、か……ままさん」
「はい」
 車椅子で膝上に盆を載せ、そこにカップとお菓子が並んでいるが、驚くほどの安定感だ……柘榴姫がスゴイのか、プレザンスがスゴイのか。
「私にもいただけますか、マリス」
「はい、あの、ええ!」
 イリンが言って、マリスが慌てる。
 自分で焼いたのはどれだったか、それだけは外さなくては。どうにか見栄えが良いのを見繕って、イリンに差し出す。
 見つめるマリスの視線を気にした様子もなく、イリンは一つを頬張った。
「これはあなたが作ったのですか?」
「ええと……」
「そうです」
 慌てるマリスの声を、茉祐子が笑顔でかき消した。
「そちら側に並べたのは、全部マリスのなんです」
「そうだったの!?」
「だって、ラッピングしたくないって言うから、分かりやすいように」
 もちろん茉祐子に悪気はない。
 イリンはもう一つに手を伸ばした。
「美味しいです」
「天使や」
「そうですが」
 トホルの呟きに律儀に応えるときも、イリンは無表情だった。
「あの子のはムラがあるということですね」
「そういうことは口にしないであげて下さい、お母さん」
 茉祐子の突っ込みは冷たかった。


 夕日を背に、扉の前へ辿り着く。
 そこで、止まる。
 両手いっぱいの荷物を持ったゼロにとって、DartsBar『BlackHat』のドアを開けるのはなかなか大変な作業だった。
「おいっす〜、おーい、誰か手伝えー」
「はいはいいらっしゃい……え〜? あれ〜? ゼロぽんだけ〜?」
「露骨にヤな声出すな」
 温かく迎えてくれたのは店主のジェラルド。
 両手の荷物に気をつけながら苦労して店に入るゼロを、もうひとりが出迎えた。
「あれ? ゼロさん、何で一人で来ちゃったの? みんなはまだ?」
「はっはっは愛されとるな〜俺、泣けてくるわマジで」
「冗談冗談、待ってたよ!」
 笑顔になる紫音に、ゼロもウザいほど爽やかな笑みを向ける。
「そーかそーか、養父(オヤジ)に似て笑えんジョークも覚えたか。あんなんなったらアカンで?」
「ダメだよー紫音? こういうオジサンは優しくするとつけあがるから」
「黙って手伝わんかクソオヤジ」
「わー怖ーいこのオジサン早く帰らないかな♪」
 この二人でなかったらどう見ても仲が悪いだけのやりとりを交わしながら、会場設営の最終段階へ。
 それから一時間もしないうちに、ドアが大きく開かれて、大勢のお客様が入ってくる。

 歓声とともに。



●ぱーてぃWonderland 
 
 ジェラルドの趣味もあるだろうが、そもそもの客層もあって、『BlackHat』は重厚で落ち着いた雰囲気の店だ。トホルなどは「ハードでクラシカル」と表現する(「ちゅーにびょ?」「柘榴うるさい」)。
 あえて悪く言うと、重苦しくて古臭い。長所と隣り合う短所だ。
 だがその日、『BlackHat』は見事な変貌を遂げていた。
 女性客の多さに対応すべく、ジェラルドが飾り付けを大きく変えたのだ。
 華やかに、品よく。どんなものであれ、コンセプトはシンプルなほど望ましい。
 飾りの中心は、薔薇。
 この会場には一体何本の薔薇があるのか。
 花瓶の花束、シャンパングラスに刺さった一輪、輪飾り、交差してテーブルに横たわる二輪……黒い店内を鮮やかに染め上げ、それでも重厚感は損なわない。
「お楽しみください」「うぇるかーむ!」
 出迎えるジェラルドと、ウェルカム・ドリンクを運ぶ紫音。
 一同は思い思いの感動を表しながら、会場へと脚を踏み入れる。
「見事だね」
 トホルは笑顔で店内を見渡した。
「この薔薇、いったい誰が?」
「あそこで呑んでるドヤ顔の関西弁♪」
「あーあの関西弁」
「もーちょい褒めて!? なんで指さされなアカンの!?」
「ウソウソ、感謝してるよゼロぽん」
「そーだね愛してる愛してる」
「雑やー! 扱いめっちゃ雑やー!」
 こんな感じで、宴は始まった。
「お手伝いは」
「ありがとうマスター、でも、大丈夫」
 母の車椅子を押す役を替わろうという申し出を、マリスはありがたくも断った。
 ジェラルドは笑顔で跪くと、マリスのぶんのグラスもプレザンスに差し出す。
「他にご入用のものがあれば何なりとお言いつけください、何でもご用意いたしますよ、何でも」
「……」
 プレザンスは黙って若者を見る。
 ジェラルドは笑顔で淑女に告げる。
「ボクなら眉一つ動かさずにイロイロご準備できますが……きっと貴女は望まないでしょう」
「……」
「いや、無粋でしたね♪」
 立ち上がりかけたジェラルドに、プレザンスが言った。
「充分ですよ」
「……」
 ジェラルドは姿勢を正すと、優雅に一礼した。

 グラスが行き渡り、料理が運ばれ、各々が宴の空気を作り出してゆく。
 そんな中、光纏の輝きが会場を照らした。
「楽しく」
 先陣を切ったのは、桜の舞姫。
「みなさんで楽しく盛り上がりましょう、です」
 りりかの光纏は、薄い桜色の花弁に似た光が散る。それは彼女が望んで得た力なのか、それとも運命が選んだのか。
 彼女の舞はそこに春を蘇らせる。
 それは、ただただ、美しい。
「きれいね」
 マリスが言った。
「ええ」
 プレザンスは頷いた。
 母娘は寄り添って舞を見つめる。
「……♪ ……♪」
 桜のアウルはりりかから離れるとすぐに消えてしまう。
 だが、仕舞いの段で舞い散った桜吹雪が、消えることなく母娘のもとへ届いた。
「あ」
 マリスが小さく声を上げる。
 桜吹雪は車椅子の上に舞い降りて……
 プレザンスは、桜模様の入った膝掛けを撫でていた。
 それは今まで舞に遣われていた『かつぎ』だった。
 ふふ……
 可愛らしく、涼やかで、艶めいた、切ない笑みで、りりかが一礼した。
「おそまつさま、なの……」
 顔を上げるといつもの内気な少女がそこにいる。華の強さと儚さを併せ持つ少女。
 バーを埋めるような拍手と口笛の中、プレザンスが呟いた。
「また桜が見られるとは、思いませんでした」
「……」
 マリスは黙って母の背中を抱きしめた。

 中程のテーブルに並ぶ料理を、紫音が楽しそうに説明している。大勢がそこに集まっていた。
 そんな時に外れのカウンターに居るのは、よほどの偏屈か。
「よう」「おう」
 カウンターにいたトホルとディーに、ゼロが声をかけた。
 飲んでいたペールエールの小瓶を無言で合わせ、席につく。
 ややあって、トホルが言った。
「大変だったろう、この薔薇。ありがとう」
「いやいや、お安いご用や」
 またしばらく黙る。
 向こうで笑い声が上がる。
 また、トホルが言った。
「ありがとう、かわりに、はしゃいでくれて」
 ゼロは笑った。
「得意技や」
 笑って、瓶を飲み干した。
「楽しめんか?」
「……身構えてしまう」
 トホルのほうは、だいぶ前から空っぽ。「ラストが、分かってるから」
「ラストってどこや」
 ゼロの声が少し大きくなった。「ママが死ぬとこか? それで何もかも終わりか?」
 ……は。
 トホルが、小さく笑った。
「マリスが言ってた、あんたが人間界に来て困ったことって、何かって」
「ん? 真面目なやつか、いつものやつか?」
 ゼロも笑う。
「せやなぁ……どっかの誰かさん達みたいに素直にならん奴らの相手は困るかもな」
「困ってんの?」
「困っとるで、超おもろいけど」
 揃って吹いた。
「……」
 ディーは不思議そうに、そんなやりとりを眺めているようだった。



●めろでぃWonderland

 入れ替わり立ち代り、プレザンスのもとには人が訪れている。
「かーさま、これ、おいしいわ」
「ありがとう」
 べったりくっついているように見える柘榴姫だが、プレザンスのために飲み物やお菓子を運んだり、マリスに構ったり、死のソースを入れ「やめろ」トホルに首根っこ掴まれて連れ戻されたりと、意外に忙しく動いている。
 そんな隙間に、一人の天使が訪れた。
「あの時は、自己紹介が適当で申し訳ありません。イリン・フーダットと申します」
 イリンは跪いてプレザンスと視線を合わせ、さらに頭を下げた。
「人形師プレザンス……いえ、プレザンス・ピュッペントートです」
 プレザンスは無表情で受ける。「娘からたくさんのことを聞いておりました、お会いできて光栄です。守護天使よ」
「恐れいります。実は、お訊きしたいことが」
「どうぞ」
 似たもの同士のやりとり。
 表情に乏しい二人だが、会話に困るということはない。感情表現が下手なだけで、内気でもなければ無礼でもないのだ。
「今までにマリスに歌を歌ってあげた事は、ありますか?」
「……」
 プレザンスはふた呼吸ほど目を閉じた。
「あります……あります」
 言いながら、頷く。「ごめんなさい、脳の様々なところに障害が……でも」
 また、ふた呼吸の瞑目。
 そして、小さな歌声。
「……」
 イリンが、わずかに、目を見開いた。
 言葉はわからない。
 けれど、その音色は。
「……プレザンス」
「はい」
 途切れた歌、しかしイリンの記憶に、それは流れている。
「貴方がマリスに贈った歌は、形を変え、彼女に寄り添い続けていました」
「……」
「僭越ながら私から……お許し頂ければ」
「お願いします、イリン・フーダット」

 料理の並ぶ席の一角に、ギターがあった。
「ロックってのはさ、ガツンと派手に盛り上がって魂の炎を燃やす」
 パワーコードが響く。
「思わぬ静けさの中に魂の叫びを秘めてる時もある。そして」
 続いてアルペジオ。
「客の心を奪う」
 メロディライン。
 千変万化の音色の主は、ヤナギ・エリューナク。
 派手に、時には隠密裏に。それは既に一種のショーだ。
 マリスのみならず、柘榴姫やりりかも、目を輝かせてギターに踊る指先を見つめていた。
「ヤナギさん」
 そこに、イリンがやってくる。「お手伝いをお願いできませんか」
「手伝い?」
「ええ、あの曲を」
 言いながらマリスに目をやるイリンに、ヤナギは頷いた。
「……ああ」
 正反対な二人なのに、近頃、妙に思考が合う。
 借り物のギターは置いて、ヤナギは使い慣れたベースを取り出した。
「な、マリス。この曲、覚えてるか?」
「え?」
 ベースが謡う。
 それは皆で作ったマリスの詩。
 それともマリスが作った、皆の唄か。
「ぷりんちゃん、うたう?」
「え、そんな、ちょっと」
 柘榴姫に言われてマリスは焦る。向こうに母がいる。
 救いを乞うようにイリンを見るが、彼はなんとピアノ型のV兵器『Clavier P1』を実体化させていた。
 ヤナギが言う。
「前みたいに歌え。心の侭に。そして「今の自分」を感じてみな」
「……」
 不安そうなのは、マリスだけだ。
 皆、あの夜を知っている。
 あの夜の歌声を。
 思い出と呼ぶにはまだ早すぎるし、今夜のこれも、思い出づくりなんかじゃない。

「おっと?」
 ジェラルドがシェイカーの手を止めて、
「わ」
 紫音が目を輝かせてカウンターを出る。
 ゼロとトホルがスツールごとそちらに向き直り、
「……」
 プレザンスが見つめる中、音楽祭が始まった。
 
 みんなで作った歌だという。
 マリスの詩をもとに、皆で音色を考えて……
 でもその音色は、マリスが無意識に辿った音色は、彼女の旧い記憶だった。
「覚えて、いたのね」
「いえ、リアルタイムでしょうよ」
 プレザンスの呟きに応える声があった。
「あの子にとっては、過去も未来もない……全てがずっと、あなたのことで埋め尽くされていた」
 冷たい目で、神雷はプレザンスを見下ろしていた。
 小柄な彼女では、見下ろしてもさほど高くない。ほとんど同じ高さだ。
「だからわたしは舞台を降りるのです」
 告げるプレザンスの頬が鳴った。
 神雷は振った平手をゆっくり戻して、言った。
「私はお前のような奴は嫌いです」
 冷たい声。
 だがそれは、正当な怒りを含んでいる。
「子供に重荷を背負わせてきて、自分はさっさと退場する。全く、悪魔の様な女ですね」
「嫌なことを、思い出させてしまいましたか?」
 もう一度、プレザンスの頬が鳴った。
 神雷は、打った己の手を見て……
「すみません」
 呟いた。
 不意打ちだった。
 ……意思ではなかった、二度目のは。
 プレザンスは、相変わらず無機質な瞳で、神雷を見上げた。
「あなたは、もっと意地悪なひとだと思っていました」
「性格良くはないと思いますよ、怪我人殴ってますから」
 即座に応えた神雷の声は、ことさら素っ気ないもので。
 プレザンスはそんな神雷に身を寄せて、手を伸ばす。
「あなたとは、もっとお話してみたかった。神雷」
「いい気味です後悔なさい。これで依頼は大成功ですね」
 早口に言って、神雷は身を翻した。
 そして中身の入ったグラスを持って戻ってきた。
 二人分。
 ひとつをプレザンスに押し付ける。
「それと私の名前は」
 昔の名前も、飲み物と一緒に押し付ける。「ま、好きじゃないんですが」
 ついでに猪肉も。こっちは好物だけど。
「ありがとう……」
 プレザンスは微笑んで、グラスを掲げた。
 緑色の蕾が、不意に虹の花弁を溢れさせたような、笑顔だった。
 本当に嫌な女。
 神雷も、笑顔でグラスを掲げた。

 

●かんぱいWonderland

 ボーカルを替え、歌は数曲続いた。
 アンコールを終えたマリスのもとに柘榴姫が駆け寄って、ばななおれを差し出す
「かんぱい」
「ありがとうお姉ちゃん」
 どう考えても歌い終えた人に出すものではないが、マリスはありがたく口をつけた。柘榴姫のせいでと言うかおかげと言うべきか、乳製品は気に入っていた。
 柘榴姫がプレザンスのもとへ飛んでゆくのを見届けて、マリスはグラス片手に席を探す。
 茉祐子と目が合った。
「……お疲れ様、すごく、素敵だった」
「ありがと、茉祐子」
 並んで座る。
 空いたグラスを片付けていたジェラルドが、二人を見て声を上げた。
「本当に美人姉妹だね♪」
「あ、ありがとうございます……」「お上手ね、マスター」
 柘榴姫と違い、茉祐子がマリスの姉妹を名乗ったことはないのだが、雰囲気が似てると言われるのは、今では二人共受け入れていた。
「不思議ね、目も髪の色も違うのに」
「うん……」
 微笑むマリスに、茉祐子は曖昧に応じる。
 打ち解けてからというもの、マリスはどんどん快活になってゆく。これが本来の彼女なのか、変わっている最中なのかは分からない。
 15歳。
 心も体も変わってゆく歳だ。
「ねえ、茉祐子」
 明るい声でマリスが言う。
「あなたと、もっと仲良くなりたいって、言ってもいい?」
 こういうことを、言う。
(そう)
 茉祐子は気づく。(あの人に、似てきてるのね)
 当然かも知れない、マリスに人間界のことを、最初に教えたのはあのナルシストだ。
 だとしたら。
 彼女の、この快活さは……
「正直に言うとね、不安なの、茉祐子は……時々、無理をして見えるから」
「……」
 自分もでしょ。
 自然とそう思えた。
「マリスも、でしょう?」
 自然と口をついた。
「え?」
「マリスだって、無理するじゃないですか、いつも」
「茉祐子……?」
 茉祐子は今まで、マリスに対してムッとすることが無かった。
 気が合うから、ではない。
 そういう感情を持つことが出来なかったのだ。
 ……本気で怒っている部分があったから。
 少しでも否定的な感情が生まれると憎悪の奈落に落ちそうで、無意識にそれを抑えていた。
 そして。
(私が抑えているから、マリスも……)
 分かった。
 よく分かった。
 それなら……
「……トホルさんをヴァニタスにしようとしてたんでしょう?」
「!?」
 一言。
 ずっと言いたかった、言ってやりたかった。
「それは……」
 面食らっているマリスのほうを見ないで、茉祐子は言う。
「あの人は強くなることを望むけど、遣われることは望まない。絶対に上手くいかなかったと思う」
「……そう、ね。あの頃のわたしは人間を……材料のように」
 違うの、マリス。
 反省して欲しいんじゃない。
 私は、ただ。
「よくもそんな、怖ろしいこと」
「ええ……ごめんなさい」
 うつむくマリスに、茉祐子が言う。
「それがどうして武術を習うことになるんですか?」
「……え? なにが……」
 わけが分からず顔を上げたマリスに構わず、茉祐子はどんどん言い続ける。
「ちょっと前までそんな怖いことを考えていたのに、何で生徒になってるの」
「え、だって、彼が教えてくれるって……」
「マリスが頼んだんでしょ、トホルさんもお人好しだから、面倒なことになって」
「……」
 マリスはゆっくり息をつくと、ばななおれを飲み干した。
 そして。
「ええ、わ、た、し、か、ら、お願いしたわ? それで? あなたは、何か教わった?」
「……」
 カッとなった。
 ムッとしたというレベルではない。
 茉祐子は卓上にあった手近なグラスを飲み干した。ちょっと目が据わってきた。
「ぜったい分かってて聞いてるでしょ、自動販売機も分からなかったくせに」
「聞けば分かることなら聞いて覚えるから。そっちこそ、「教えて下さい」ってちゃんと言える?」
「恩知らずにも程があるんじゃないかしら……野良猫以下」
「殻に閉じこもるというより岩石を被っているようなものね、ベヘモットより重たそう」
「ねくら」
「よわむし」
「「……」」
 
「わかった、こっちは大丈夫……了解だナディムジャバード、ははっ、じゃあな」
 弟との仕事の電話を終え、トホルは店内に戻った。
「……ん?」
 何となく妙な雰囲気。
 トホルは辺りを見回し、誰にともなく訊ねる。
「何かあった?」
「いいえ」「別に」
 即座に答えたのはそっくりさん二人。微妙に服装が乱れている。
「ちょっとな、えーと、あれや、グラス倒してもうて」
 ゼロが笑顔で説明する。
「すごかったわ」
 ガッツポーズしている柘榴姫。
 そして。
(おふくろさんが……)
 向こうで笑いを堪えている、プレザンス。
 トホルは首を傾げたが、ゲストがとても楽しそうにしているので、「まあ良いか」と新たな一杯を注文することにした。
 
 並んで座りながら、目を合わさず、それでも。
「……すっきりしました」
「……わたしも」
 誰にも見えないところで、二人は指を絡ませ、仲直りの握手をした。
 
  

●これからWonderland
 
『マリスさん……素直な気持ちを母さまに聞かせてあげてほしいの、ですよ?』
『あぁ嬢ちゃん。カッコつけるんは構わんけど。大事な言葉はちゃんと伝えとけよ?』

「もう、何なの? わたしってそんな嘘つき?」
 黒いワンピース姿で、マリスがぼやく。
 ……あれから、数日後。
 夕暮れの『ことほぎ荘』、夏の終わりに最後の抵抗か、縁側で線香花火が揺れている。
「ししょー、おっこちたわ」
 柘榴姫の火はすぐに落ちてしまうので、何度もつけなおしている。
 それを見て微笑みながら、黒い和服姿の神雷が口を開く。
「言ったのですね」
 応えるのはマリス。
「あれから四日もあったのよ? 言えるだけ言ってやったわ、ケンカにもなった」
「まあ」
 神雷は口元に手をやり、自分の花火に火をつける。
 火は、揺れない。
 赤々と燃える星が、チリチリと赤い糸を伸ばし続ける。
 しばらくして、マリスが訊ねた。
「そういえば、神雷はママと何を話したの?」
「子供は知らなくていいことです」
「あ、やっぱり同い年……」
「違います14歳です」
 微妙に火が揺れた。
「冗談よ」
 マリスが笑う。
「でも、あなたみたいなママがいたら楽しそう」
「そうですねぇ、いじわるな継母になら、なってあげましょうか?」
「うん、とっても素敵!」
「……ばかをおっしゃいな」
 火が揺れる。「あなたの物語には、そんなもの必要ないですよ」
「そうね、母親なんてもういいわ」
 火が揺れる。
「飲み物持ってくるね」
 マリスは靴を脱いだ。
 大丈夫、もう泣かない。あの日、りりかの腕の中で思い切り泣かせてもらった。もう大丈夫。
「ぷりんちゃ、あ」
 マリスの動きに気を取られた柘榴姫の手元で、また線香花火が落ちた。
 新しいのを取り出そうか、それともマリスを追うか、柘榴姫はしばし悩んだ。
「……」
 神雷の火は、落ちない。彼女の視線はずっとそこに注がれている。
「重荷でも親は必要なんですよ」
 呟く声。
 それに応じる声。
「泣いて笑って送った……よしとすべき、でしょう?」
「……」
 神雷は目を逸らさない。
 火が、燃えている。
 一筋の煙。
 
 
 細い紫煙が立ち上る。
 トホルの前のカウンターで、口の付いてないティン・シガーが虚しく灰に変わってゆく。久しぶりに咥えたが、やはり吸わなかった。
 代わりに、とりあえずスコッチを呑む。これで四杯目。
 隣ではヤナギが、タバコを咥えながらベースで指を遊ばせている。こちらは、一口しか呑んでないグラスが目の前に。
 そこはBlackhat、夏の夜の夢の跡。
 静かに流れるクラシック。
 合わせるように響くラテン語。
『諸君、喝采を。喜劇は終わった』
 呟いたジェラルドの目が何を映しているのか、誰にも分からない。
 いや、そもそも、誰が何を見ているのか、互いに解らない。
 それでも信じている。

 彼女は後悔した。

『悔しいけれど、お別れです』

 そして……

『またいつか、かならず』

 続きを願った。
 夢の続きではなく、物語の続きを。
 この世界、喜劇だけではない、悲劇だけでもない。
 活劇だって不条理劇だって、生きてゆく限り何でもあるのだ。

 だから、今はしばし、幕を引く。

 次の幕が上がるまで。


                       〜 第一幕 了 〜



依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 守護天使・イリン・フーダット(jb2959)
 永遠の十四歳・神雷(jb6374)
 守り刀・北條 茉祐子(jb9584)
重体: −
面白かった!:9人

Eternal Flame・
ヤナギ・エリューナク(ja0006)

大学部7年2組 男 鬼道忍軍
ドS白狐・
ジェラルド&ブラックパレード(ja9284)

卒業 男 阿修羅
守護天使・
イリン・フーダット(jb2959)

卒業 男 ディバインナイト
永遠の十四歳・
神雷(jb6374)

大学部1年7組 女 アカシックレコーダー:タイプB
Cherry Blossom・
華桜りりか(jb6883)

卒業 女 陰陽師
ふわふわおねぇちゃん・
柘榴姫(jb7286)

大学部2年278組 女 陰陽師
縛られない風へ・
ゼロ=シュバイツァー(jb7501)

卒業 男 阿修羅
守り刀・
北條 茉祐子(jb9584)

高等部3年22組 女 アカシックレコーダー:タイプB