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マスター:川崎コータロー
シナリオ形態:シリーズ
難易度:普通
参加人数:7人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/11/08


みんなの思い出



オープニング


 雨。静かに降る秋は釣瓶落とし。
 空から音も無く降られる雨粒の数々。当面晴れる事もないようだ。
 こうも降られては、どこにも行けない。しかし、それで良かった。須藤は出窓の枠に腰掛け、窓に頭を預けてぼんやりと外の光景を眺める。
 心も魂も、須藤の体にありはしなかった。
 あの時から、もうどれ位の時が経っただろう。須藤が意識を失っている間も入れておよそ一年。左腕を失ったあの時も近い。
 栄華から転落へ。『夜明けの八咫烏』はとうに死に絶えた。今の自分の惨めな事。
 心の底で深く澱む憎しみの錆はどうしようもなく、今日もここで生きる為に人としてのささやかな幸せな拾い上げる日々。
 舌打ち。
「おい」
 その声で我に返る。意識を遠くに行かせすぎた。十が少し苛立った様子で横に立っている事にようやく気付く。
「……ん、ああ。何か用か」
「お前宛に依頼だ」
 そう言って突き出したのは一枚の封筒。さほど厚みはないが、まとまった数枚の紙が入っているのが手触りでわかった。
「はあ? 依頼だぁ?」
「ああ。どうにも、ある者の護衛任務だそうだが――詳しくは、その中を見ればいいとの事だ」
「何で俺に……」
「お前を直々に指名しているからだ」
 厄介ごとの匂いしかなく、断りたかった。しかし須藤にそんな権利がある筈もなく。
「今回は特例だ。この学園の生徒を僕とはまた別の監視として付ける。高い金を払っている分腕利きを揃えているようだ。下手な行動はするなよ」
「言われなくても」
 須藤も迂闊ではない。それに最近は慣れてきたもので、監視がいた所で特に困る事もない。
「……全く誰なんだ」
 封筒を破り捨てると、出てきたのはまた封筒。薄水色の和紙には美しい楷書で久遠ヶ原の依頼斡旋所の場と須藤の名が書かれている。
 ――まさか。
 心臓が止まった。頭が真っ白になった。目の前が遠くなった。
 震える手で裏を見る。差出人の情報は、ただ一つ。
「霧雨、鼎……!」
 それは良く知った人の名。
『いいかい、その名を誰にも知られてはならないよ』
 須藤ルスランという名を与えてくれた、母にも等しい人。
 犯罪組織『夜明けの八咫烏』――その誕生を知る人。
 烏の業は、まだ終わっていない。抱える罪科を問うかの如く、清算を迫る。
 雨が降る。彼は、どうしようもできなかった。


 気付けば随分と暗くなっていた。空を見上げ、暗鬱たる雲を見上げる。
「雨が、降りそうだね」
 ただの雲ではない事は一目でわかった。雨雲が裾を広げ、そのドレスに散りばめられた宝石を零さんとしている。いや、宝石ではないだろう。死神のローブが纏う断末魔がいい所だ。
「傘を」
 後ろの従者が身構えたが、女はそれを片手で止めた。
「いや、いい」
 風は生ぬるく、肺に飛び込んでくる空気にも地面の匂いが漂っている。本当に雨が降るのも時間の問題か。
「今はこうしていたいんだ」
 どうしようもない雨が今に降る。
 彼女はどうもしない。ただそこに、佇んでいた。
 もう手は打ってある。後は、その通りになればいいのを待つだけだ。


リプレイ本文


「また会ったわね。よろしくね! お目付け役の十さんは、いないの? 別の任務で忙しいのかな」
「俺が知るか」
 神埼 晶(ja8085)の挨拶をもつっけんどんに差し返す須藤。いつも以上に刺々しい理由は、何となく察していた。
「今回の依頼人って、須藤を直接指名してきたんでしょ、知り合いか何かなの? 護衛では、依頼人をよく知る事が任務成功の重要なファクターになりうるのよ」
 護衛任務に須藤の監視。依頼人は須藤を名指ししてきたが、『撃退士として』名前が売れているとは思えない……そもそも世間一般にすら公にはできない……須藤を名指ししたという事は、『夜明けの八咫烏の幹部としての』須藤を知っている可能性が非常に高い。
(まぁ、それも依頼人に会ってみればわかる事か)
 須藤は答える気があまりないらしく、窓の外を見ているばかりだった。
(ルスランに依頼……しかも組織絡み、か。前回のガキの件と言い、まだ八咫烏に囚われたまま……か)
 ヤナギ・エリューナク(ja0006)は眉を顰めつつも、前方の須藤に言葉を投げる。
「それにしても。美女だらけの車内な気分はどうだ? 色男」
「別に」
「おカタいねェ……」
 とは言え本音だろうが。
「で、だ。依頼人はどんなヤツなンだ? 性別とか、お前ェとの関係とか。ああ、アレか。お前ェの『大事な人』とか言うヤツ?」
「茶化すな」
「護衛依頼だっけ……何から護衛するっつーンだよ? それも八咫烏絡みなのか?」
 蓮城 真緋呂(jb6120)は彼を無理に暴こうとはせず、ただ穏やかに問う。
「依頼人さんって、須藤さんの大事な人?」
「何故そんな事を聞く」
 須藤は窓の外を見ながら、蓮城の顔も見ずに返した。
「護衛、嫌がってる風じゃないから……須藤さん的に無価値じゃないのかなと」
「価値などで片付けられる人ではない」
 面食らう。
 須藤が学園外で任務につく事はかなり重大事項だろうから、依頼人が只者でないと分かってはいた。
(……でも須藤さんの様子は……)
 この須藤にここまで言わしめるとは、一体何者なのだろうか。
「嫌じゃなかったら聞かせて? 須藤さんの話。友達の事はいっぱい知りたいものでしょ?」
「うるせえ、黙れ」
「またそう口を悪くする……」
 溜息を吐きながら、前方を見る。視界の先には、分乗の上縦列での進行との事で配置された警戒車が見えた。

「久し振りの娑婆の空気で如何ですか? ……と、悠長な感じでもないですね。依頼人に心当たりは有る様ですが……まあ、話は後ででも、言う気があれば……」
 警戒車を運転しているセレス・ダリエ(ja0189)は、バックミラー越しに牙撃鉄鳴(jb5667)に視線を向ける。
「そう言えば私は八咫烏……ルスランさんの過去……全く知らないのですが……鉄鳴さんはご存じの様子……その頃のルスランさんの状態や八咫烏の事が聞ければ……とか」
「須藤を指名した依頼…? 全く、壊滅してからも面倒な組織だ……そう言えばそろそろ一年になるのか」
 時の流れの速さを感じつつも、後方の須藤を監視しつつ、組織絡みということで襲撃が来るか周囲を警戒していた。須藤に変な動きがあれば車ごと止めるつもりだ。
「お仕事を貰ったからには油断せず当たるとしますが……監視と護衛、やることは似たようなものですけど、事情は複雑そうですね」
 助手席に座る理葉(jc1844)は窓の外を眺める。ただ眺めているだけではない。山間の国道を通るので、移動中は進行方向と運転席から死角になる左側に注意して、危険を感知できるようにしているのだ。
 何か異常があった時には運転手の代わりに降りて確認するのも役目だと思うからだ。
 そう。
「あれは――」
 何か異常があった時には。
 理葉は見つけた。
 青年が、道路の中央に佇んでいる事を。
 体格のいい青年だった。
 短く切り上げられた濡れ羽色の髪、黒曜石の瞳、生気を感じない肌。黒いタートルネックは腕を捲り、指先には革の黒手袋を填めている。腰には黒のストールが巻かれ、纏うジーンズもブーツも黒。
 全身が黒。まるで御影石が人の形を成したかのような青年だった。
 そんな青年が、彼らの車の行く手を遮るようにして、佇んでいる。
(前方に人影……クラクションにも反応なし……こちらに向かってきている……?)
 思うが早いか。
「後方車に連絡を――」
 セレスが言葉を発した瞬間、青年が武装している事を確認した牙撃が展開した翼で車外に飛び出した瞬間、

 車が、割れた。

 今回の依頼は須藤に直接来たもの。行き道に佇んでいた青年、両断された車。
 敵である。
 真っ先にスマッシュで仕掛けたのは理葉。
 回り込むようにして近接戦闘でぶつかり、他の味方の行動の自由を確保しにかかる。
 下手に道路外へ逃げられたくはないし、特に須藤は依頼人に会うまで無事でいて貰わなければ困るのだ。後続車への不用意な攻撃は避けたい。
 間接攻撃を多用されると、理葉の最大の強みである近接攻撃が生かせない。斬り払いでワイヤーを切り裂きながら、理葉は静かに問う。
「ワイヤーなんか使っちゃって、何がしたいんですか」
 挑発に易々と引っ掛かるような敵ではなさそうだが、それでも何か反応があれば、分析の材料になるのだ。
 理葉は青年の刀をちらと見る。
 黒と銀の宝刀。刀身全体には蝶の透かし彫りが施され、かなりの業物である事がすぐに伺える。
 だからこそ。
「良い刀ですね。理葉の翡翠と比べたら劣るでしょうけど」
 その言葉に、青年は確かに眉を顰めた。刀に入る力が異様に強くなる。
「明らかに私たちを狙っていると思えますが……あの青年、ルスランさん、見憶え、は……?」
 瞬間移動で車から可能な限り遠ざかったダリエは須藤に問い、雷を撃ち落す。
 見る限り刀が得物だから、恐らく近接系。どちらにせよ、ダリエは接近を禁じながら後衛に徹する。
「護衛戦か。正直私の趣味ではないが、まあいい」
 エルマ・ローゼンベルク(jc1439)が咥える火を付けていない葉巻が、鼻で笑う。
「悪くない初撃だが、狙いが甘いな。さあ来い小僧、私が相手してやる。戦争のやり方というものを教えてやろう」
 両断された車を見ながら、どこまでも上から目線な発言。人形のようなゴシックロリータの少女であるが、実年齢は優に八十を超すのだ。見積もっても二十そこらの若造に弱く出る程。
 衝突する。

「……」
 蓮城はハンドルを最小限に切った。息を潜め、集中の刃を一気に研ぎ澄ます。
「何かあるだろうとは思ってた……須藤さん、戦えるわね?」
 それは、問うではなく信じての言葉。
 須藤本人には伝えないが、蓮城には須藤が学園外に出れば義手の悪魔襲撃の可能性も考慮していた。今依頼で彼に接触出来る人物の存在が判明した故、他者も警戒している。
「お前に心配される程、弱くはなっていない」
「そう。なら安心ね」
 一気に車外に飛び出す。
「お前は――」
 青年を見た須藤は一瞬だけ目を大きく見開くが、張り巡らされたワイヤーに本能的な恐怖を覚えて身を竦ませる。
「これじゃ須藤の監視……って言うより護衛じゃない! しかもコイツ、すばしっこいわね!」
 クイックショットが全く当たらない。どうにかしているとしか言いようのない動体視力。
 いや、それに加えて青年は耳が異常にいいのだ。
 発砲音が響き始めた直後に判断し、聴覚と動体視力で弾丸を把握しつつ刀で弾丸を弾き返している。
 それに脚力も異常である。射程ギリギリの間合いを利用して射撃をしても、あっと言う間に距離を詰められてしまう。何とか攻撃を射撃で当てて回避できても本末転倒の事態だ。
(待ち伏せ!? 他に仲間は?)
 周囲を見渡して他に仲間がいないかを見回していると、数々の罠を仕込んだ微かな形跡が見受けられた。
「気を付けて。周りには罠が仕掛けてあるわよ」
 とは言え複雑なものではない。手近に仕掛けられる簡単なものばかりだ。
 そしてその罠の数々は全てワイヤートラップ。
 この張り巡らせ方に、牙撃は覚えがあった。
「『マリオネット』か? 今更こんなものを……少し話を聞く必要がありそうだ」
 侵食弾頭を足に撃った牙撃は腐敗の効果が出ない事を確認し、ワイヤートラップに撃ち込みワイヤーを切断した。
(腐敗が利かない……ならばどこかに仕掛けがある筈だ)
 足をブーストショットによる狙撃でその化け物じみた機動力を削りつつ、腐敗が――いや、もしくは状態異常の全てが――効かない仕掛けがどこかにないか、全身をくまなく通常弾で攻撃し反応を探る。
「相手が先に居た……ってコトは、罠の存在が在ってもおかしくねェな」
 壁走りで木々を伝って急接近するのはエリューナク。そのまま放たれる目にも留まらぬ一撃を――青年はワイヤーで阻止した。
 一瞬にして張り巡らされるワイヤーの巣。幾何学的なそれは、幾重にも重ねられた明確な殺意のそれ。
「なあセレス。こいつの戦闘スタイル、基本は俺に似てねェ? ま、こんなに馬鹿力じゃねーケド」
「とは言っても……ルスランさん程ではありませんが……」
 双眼鏡を使用して青年の動きを観察していたダリエは答える。
「なら話は簡単だ。似てるなら次手も予測出来る」
 リズムとタイミング合わせて青年に立ちふさがるエリューナク。
「同じような動きをするヤツを前にした気分はどーよ?」
 反応はない。
「だんまり、か」
 ここまで無言だと不気味の一言しかないが、更に戦場を掻き回すだけだ。
(ま、人間だろーし、このまリズムを乱してやりゃイイ。ま意識落とすか……後は足狙いか……)
 背後から鎖で青年を人体の急所・肝臓もろとも縛り上げ、そのまま地面へと叩きつける。
 青年は痛がる様子もなく、けろりとした顔で受身を取る。
「コイツ、化け物かよ」
 エリューナクが呟いた直後。
 青年が消えた。
 否、消えたのではない。駆け出したのだ。一蹴りで。
 その一蹴りで地面はめり込み、最早時空を切ると言ったほうが早い速度を弾き出す。
 アウル覚醒者であっても異常と言える脚力。理解の範疇を超えたスピードに、蓮城は何とか刀で受け止める事が精一杯であった。
 ただし、青年が聴覚に敏感な事は既にわかっている。
 鋭すぎる刃は、時に振るう者をも斬ってしまうのだから。
「サンダーブレード」
 呟きだけでも、かなりの効果があったらしい。青年はすぐさま飛び退き、空中で刀を構える。
 この瞬間を狙って、コメットを放つ。いつも以上に不規則になった彗星群が降り注ぐ。打ち落としたのは張り巡らされた罠であり、時雨となってあたり一面に舞い落ちる。
 ローゼンベルグは後衛でありながらも、決してその役目を怠りはしない。須藤を庇いつつ、青年に挑む。
「どうした小僧。もう終わりか?まだお前も私も、生きているぞ。早く再開しよう。片方がきちんと絶命するまでが戦争だ。わからぬわけではあるまい、常識だろう?」
 ピストルの射撃は手足などを狙って急所を外し、威嚇を示す。
「ずいぶんとなめられたものだ。まさかそれで戦争しているつもりか? 敵を滅ぼす事こそ戦争だ。本当にそれがわかっているのか?」
 彼女が時々口ずさむのは冥界の行進曲。最も馴染みのある肉厚なメロディのそれは、硬い軍靴と武器の金属がこすれ合う音と共に一つの軍隊を作り上げる。それは彼女の歴史であり、経験である。
 青年はそんなローゼンベルグの言葉に無言で応えるように、虚空で腕を引いた。
 正確には、再びワイヤーを張り直したのだ。
 更には新たな罠が作動し、一同を締め上げた。
 どうやら青年は須藤にだけ用があるらしく、トラウマに囲まれ硬直した須藤に向かってゆく。
「全く手間のかかる」
 牙撃は僅かな射線から、左腕を掠るか掠らないか、ギリギリの空間を打ち抜く。
「何すんだ!」
「これから護衛任務に就くやつが護衛されてどうする。もう片方持っていかれたくなければ、あのトラップの対処法でも考えろ」
 『マリオネット』に類似した技を使う事、そして組織絡みの依頼を出されたタイミングでの襲撃から依頼者もしくは須藤と関係があると予想はできる。牙撃としてはとっとと戦闘を終わらせ、この青年を拘束して今回の襲撃は誰の差し金かと須藤との関係を尋問したい所なのだ。
 蓮城は瞳で須藤に助けを求める。虹彩は鎮静薬の青。心を映す深い水面の青。
「貴方は戦える……此処に『生きている』のだから」
 暫し、視線が交錯する。
 負けたのは、須藤の方だった。
「ッ……畜生!」
 大鎌を頭上で大きく振るい、ワイヤーを複数本一気に切り裂きながら青年に突撃する。
「おいこら素良! 墓石テメェ!」
 須藤が見せたトラウマ回復の兆し。そして新たな情報。
「そら?」
「この墓石の名前だよ、お節介!」
 トラウマも古傷も過去も何もかも振り切って須藤は素良と呼んだ青年に猛進する。
「ちょっと須藤! お友達ならなんとかしなさいよ」
「友達でもなんでもねー! なんとかできるんならしてるんだよ!」
 神埼の突っ込みを横にワイヤーを切り裂きながら進んでいると、道を切り拓く一撃が。
 ワイヤーが切れた事により自由を取り戻した蓮城である。
「ところで。お節介じゃなく真緋呂、ね?」
 青年の剣戟を防ぐ。
 速い、だけではない。力も強い。切っ先の向きからその攻撃の向きを予測するだけでも精一杯だった。
 青年は強い。どこまで持つか――そう考えた瞬間だった。
「両者そこまで!」
 女性の声が響くと青年は即座に後退し、声のした方を向く。
 そこには、遠い空の色を映した長い髪を結った一人の女性が、息を荒くしながら車椅子に乗っていた。
「素良君、刀を納め給えよ。その方々は私が呼んだ客人なのだから」
 女性は額の汗を袖で拭い、ずれた膝掛けを上げて一同を眺めた。
「しかし疲れたよ……素良君、帰りは押してくれないか」
 青年は刀を納めると、女性の車椅子の把手を取る。
「いやあ、ここまで大人数になるとは思っていなかったが……紹介が遅れたね。私は霧雨鼎。須藤改め、君達に護衛を依頼した者だ。私の従者の素良が無礼を働いて申し訳なかった」
 後ろの素良も深く礼をする。無表情のままだ。
「なにぶん最近物騒でね。素良も警戒から早とちりしてしまったのだろう。主である私の不手際だ、どうか許して欲しい」
 そして鼎も深く頭を下げた。それから後に見たのは須藤であり、水宝玉の瞳に射抜かれた彼は体を強張らせた。
「久しぶりだね、ルスラン」
「鼎さん」
 蓮城は見えた。須藤に屈託無く微笑みかけるこの女性に対し、須藤が震えている事を。何故震えているのか。
「大丈夫」
 手を握って微笑みかけた蓮城を、呆然と見つめる須藤。
 背中を押す。彼が彼自身の生を認められる様に。
「――お久しぶりです」
 鼎の前まで歩み出た須藤は、彼女の前に跪き、深く深く頭を垂れた。
「再会を……心待ちにしておりました」
 鼎はただ微笑む。
「私もだ」
 空は暗い。しかし、雨はまだ降りそうにない。
【続く】


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 総てを焼き尽くす、黒・牙撃鉄鳴(jb5667)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
 深緑の剣士・理葉(jc1844)
重体: −
面白かった!:5人

Eternal Flame・
ヤナギ・エリューナク(ja0006)

大学部7年2組 男 鬼道忍軍
撃退士・
セレス・ダリエ(ja0189)

大学部4年120組 女 ダアト
STRAIGHT BULLET・
神埼 晶(ja8085)

卒業 女 インフィルトレイター
総てを焼き尽くす、黒・
牙撃鉄鳴(jb5667)

卒業 男 インフィルトレイター
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
紫炎の射手・
エルマ・ローゼンベルク(jc1439)

大学部1年40組 女 ダアト
深緑の剣士・
理葉(jc1844)

中等部1年6組 女 ルインズブレイド