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マスター:剣崎宗二
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:8人
サポート:4人
リプレイ完成日時:2012/09/14


みんなの思い出



オープニング

 剣が、空を舞う。
 風斬り音をあげ、回るように空を舞う。
 その回転の中心に居たのは、一体の異形。

 その体は黒い皮膚に覆われており。
 その腕は巨大化しており。
 その足は、鋼鉄の鎧に包まれている。
 ――そして何よりも、その顔は――

「ひぃぃ!?」
 チンピラらしき男が、その場にしりもちをつく。
「金なんていらねぇから、許してくれ!何が欲しいんだ?金ならあげるぜ!?」

 始まりはひょんな事。
 裏道を歩いていた際、ぶつかったロングコートの男。今月の遊ぶ金が欲しかったために、その男に掴みかかり‥‥ロングコートの襟を掴んで金を出せと脅した。
 全く動じる様子が無かったので、その顔を覗き込んだ。

 ――そこには、肉無き骨の顔があったのだ。

 そして、事は今に至る。
 
「来るな、来るなぁぁぁ!」
 拳銃を後ろポケットから引き出し、連射する。警察に見つかったら即効逮捕モノの違法品だが、今はそんな事を言っている場合ではない。カチカチと、銃が乾いた音を立てるまで、只管連射する。

 ――カランカラン、音を立て地に落ちる弾丸。
 空中で刃が回転し、その表面が光を反射し煌く。
 ‥‥弾丸は、その全てが中央から切り裂かれ、真っ二つにされていた。

 自らが握っている一本をも宙に放り出し、異形は素手で逆に男の襟を掴む。
 恐怖に震える男には、その骸骨の顔が笑っているかのように見えた。その顔に、表情等浮かぶはずもないのに。

 ガン。
「ぐはっ!?」
 壁にたたきつけられる。肺から息が搾り出されるように、口から吐き出される。
 ガン。
 頭が壁に叩き付けられ、意識が朦朧とする。
 ガンガンガンガン――

 刃は今日も、空を舞う。
 新たに増えた「死体」の、傍を舞う――


●久遠ヶ原学園、教室

「また面倒なディアボロが現れたぜ」
 隻腕で映像設備を操作し、ヘンドリック=マーベルが画面に「敵」の姿を映し出す。
 その異形の姿もさることながら、教室に入った撃退士の目を引いたのは、空を舞う7本の刀剣。
 その姿は、どれもほぼ同じであった。

「識別名『セブンブレイド』。コイツは、周囲にあるあの7本のディアボロを操作しているようだ。本来は8体のディアボロ扱いなんだが‥‥便宜上一体として扱っている」
 画面が、狭い路地に切り替わる。
「コイツは路地等、狭い所に出現する傾向があってだな。以前にそこを通ろうとした人が斬られているんだが‥‥今回はなんとか一般人が被害を受ける前に察知できたから、退治して欲しいって依頼だぜ」

 画像を消し、ヘンドリックが撃退士たちの方に向き直る。
「コイツ自体の戦闘力もそれなりにあるんだが、何より周囲の7本の刀剣ディアボロを操ったり、自身が持って戦う事で本当の実力を発揮する。刀剣は見た目は同じだけどよ、その中に特殊な効果を含んでいる物もある。油断は禁物だぜ」

 でも、お前らならなんとかできるだろ?とでも言うかのように、ヘンドリックが撃退士たちにウィンクする。苦笑いしながら、撃退士たちは、このディアボロの討伐に向かったのだった。


リプレイ本文

●Decoy Strategy

 剣が、空を舞う。
 その剣を、まるで己を守る陣の如く展開していた異形の前方に、大剣を振り上げる男の姿が。

「俺たちが先に着いたか。‥‥注意、引いとかないとな」

 久遠 仁刀(ja2464)振り回される大剣から放たれる瞬速の一閃。それは剣の内2本を壁に叩きつけるが、3本目により、異形の目の前にて受け止められてしまう。
「どうする? 狙える場所割り出せてないけど」
 阻霊符を発動させた雨野 挫斬(ja0919)が、仁刀に問いかける。

 撃退士たちの作戦は、地図により高所がある場所を割り出し‥‥そこに、長距離攻撃ができる者を配置。 狙撃援護を受けながら有利状況を作り出す‥‥という物であった。
 だが、地図という物には、高低差は描かれていない。

「仕方ない‥‥避難勧告を出すお願いは済んでるか?」
「もっちろんよ!ちゃんと『お願い』したら、警察の人が来てやってくれるって」
 ‥‥実際は、「何考えてるのよ!」「人払いは一軒一軒警官を派遣して説明と誘導なさい!」等と、厳しい口調でまくし立てる挫斬の剣幕に押され渋々了承したのだが、彼女らの目的は達成されたのでここは詳しく言うまい。

「なら、それでも広い場所に誘い出せれば有利だ。予定通り、後退しよう。」
 その言葉に頷き、字見 与一(ja6541)とアイリス・L・橋場(ja1078)をも含んだ4人が、一斉に路地の端へと向かう。そこを狙い、剣ディアボロが飛来するが‥‥

 キン。
 金属音をあげ、その追撃は大剣に阻まれる事となる。
「防御面じゃ、俺が一番安定してるからな‥‥暫く、付き合ってもらうぜ」


●Follow Wind

「という訳で、今路地の端っこの方に向かってるわ」
「了解した。こちらも全速力で向かおう」
 ピッ、と通話を切るラグナ・グラウシード(ja3538)。

「聞いた通りだ。どうやら路地端、開けた場所へと誘い込んでいるようだな」
「七本の剣、か。‥‥相手に取って不足はない。早急に追いついて、思う存分死合おうとしよう」
 駆け出す蘇芳 和馬(ja0168)に続き、ラグナが。礼野 智美(ja3600)が。そして九十九(ja1149)が。目標を挟撃するため、走り出す。


「地図によれば、もうすぐそこさね」
「敵が見えれば、そのまま叩く!」
 小天使の翼を展開、空中に舞い上がり、襲撃の準備をするラグナ。
 そんな彼らの目に飛び込んできた物は‥‥

 ――満身創痍の、仁刀の姿であった。


●Swarm

 ――時は少し遡り、ラグナが電話を切った直後。
 ディアボロたちの前を走っていた班は、空を舞う刀剣の猛攻に晒されていた。

「‥‥incepe lupta」
 念じると共に、その顔を黒いバイザーが覆う。血の紋様が浮かぶそのアウルによって構築された装備は、彼女に「敵を殺害せよ」との暗示を繰り返し掛ける。
「――離れなさい!」
 仁刀へ押し寄せる刀を迎撃すべく、アイリスが斜め下から、薙ぎ払うようにして斬撃を放つ。横に回りこむつもりだったが、道が狭く‥‥その隙間がなかったのだ。
 その刃は壁を抉り‥‥僅かに斬撃の速度を落とし、剣ディアボロの柄の部分を掠める。
「場所が足りないみたい? アハハ、ならこうすればいいのよ!」
 オートマチックP37に持ち替えた挫斬が、仁刀とアイリスの間を縫うように撃ち、アイリスの刃を回避した直後の刀を弾き飛ばす。
 だが、これで防げた攻撃は一本分のみ。残りの六本の刀剣が、次々と仁刀に襲い掛かる!

「ぐ‥‥う‥‥ッ!!」
 大剣を横に構え、無理やり一本を横に弾き壁に当てる。続いての一本は、剣の下へしゃがみこむようにして回避。 ‥‥だが、残りの四本を回避する術は彼には無く‥‥肉を切り裂く音と共に、彼に突き刺さる!

 ――丸で氷の塊を押し当てられたかのような冷気が、体を貫く。足は動かない。
 ‥‥どうやら、刺さった剣の中に二本ほど、特殊効果を含む物が混じっていたようだ。
「丸であのディアボロの最終形態のような攻撃法だな‥‥」
 地面に大剣を突き立て、動かない体を押して、気を全身に巡らせる。少しずつ、傷が癒えていく。
 だが、その前方には‥‥異形のディアボロ。「セブンズブレイド」本体が、迫っていたのだ。

「がっ!?」
 強烈なボディブローにより、後ろに飛ばされる。足が動かない状態であったため、回避できなかったのだ。
 だが、そこを滑り込むようにしてアイリスがキャッチ。そのまま一目散に後退する!
「直るまで‥‥下がりましょう」
「‥‥感謝だ」
 担ぐようにして仁刀を運ぶ。そのアイリスの背中を狙う、先ほど弾かれた内の一本の刀。
「疾れ雷光! 神威を以ってして、遍く悪鬼羅刹を焼き払うべし」
 一条の雷光が空気を貫き、刀を打ち据える。
 自らの魔力を高め終えた与一が放った物だ。
「七振りの刀剣を自在に操る敵。題材としては剣豪小説より、むしろ漫画やライトノベル向きですねぇ。‥‥どう言う仕組みなのか、興味深いですが」
「何やってるのよ! しゃべってないでさっさと下がるよ!」
 タックルするように挫斬が与一を押しのける。その元居た場所には、二本の剣が突き刺さっていた。

 彼らが、路地の入り口に到着した直後。
 ディアボロのその後ろから、もう一つの班が‥‥姿を現したのだ。


●Double Trouble

「っ! 危ない!」
 到着と同時に、路地の外に一般人の姿を見かけたラグナが叫ぶ。 恐らくは避難勧告でパニックになり、警察が止める間もなく駆け出した人なのだろう。
(「オーラで挑発‥‥駄目だ、間に合わん‥‥ならば!」)
 高速で飛行。一般人へ向かう四本の剣の前に、ラグナはその身を挺した!
「っ‥‥! ‥‥急いでここから離れるんだ!」
 慌てて逃げ去る一般人を尻目に、ラグナは戦場へと向き直る。
 身に突き刺さった四本の刃。体力が少しずつ奪われるのを、彼は感じる。恐らくは毒があった一本が含まれていたのだろう。彼の圧倒的な防御力のため、ダメージ自体はそれ程大したことはない。ただ、無傷とは行かず、また毒による不利は否めない。

「‥‥脚を‥‥貰う!」
 低姿勢から、駆けながら抜刀。払うようにして和馬が放った剣閃は壁を抉り、速度が落ちるが、元から回避しにくい狭い位置にある異形相手に当てる事は問題ではなく‥‥剣は、見事に足に直撃する。
 脚部には鎧があり、また壁を抉った事で攻撃の威力は殺がれていた物の‥‥衝撃は、一瞬のみ異形の前進を止める。
「グォォォォ!」
 咆哮と共に、振り向き手を伸ばす異形。
「っ‥‥生を司りし南斗星君!自分らにその加護を与えるさね!」
 九十九の放った光の弾丸。それは飛行中に風となり、異形の腕に絡みつき行動を妨害するが‥‥距離が余りにも近すぎた。 突進の勢いを斬撃に乗せていた和馬は回避しきれず、その発達した腕に掴まれてしまう。
「っ‥‥今助ける!」
 剣を狙っていたが、和馬のピンチに銃を抜き、異形の手に向けて乱射する智美。しかしその銃弾は、空を舞う刀の一本によって斬られ、遮られてしまう。 だが、智美の行動は‥‥和馬に「行うべき事」を思い出させるのに成功していた。

「はぁぁぁ‥‥!」
 脱力した状態。異形はそれを気絶した物だと認識し、僅かにつかんでいる手が緩む。その瞬間。壁を蹴り僅かに反動をつけ‥‥無拍子の状態から神速の斬撃が、その手を切断する!
「グァォォォォ!?」
 痛みに暴れだす異形。その振るわれた逆の腕は、落下中であった和馬を壁へと叩きつける!
「がはっ!?」
「やらせない!」
 追撃しようとし、足を振り上げ蹴りを放つ。しかし、軸足を智美の放つ飛燕翔扇が打ち据え、蹴りは空振りする。

 壁に叩きつけられた和馬に向かい、五本の刀が飛来。その内3本には色がついていた。先ほど、アイリスが、剣の識別をするために投げつけた物だろう。
「さあ、もう此処には近づかないでくれよ!」
 一般人を戦場から送り出したラグナが、再度翼を以って空を舞う。
「‥‥私を見ろッ、邪悪な天魔!」
 その身から迸る「シャイニング非モテオーラ」が、5本の刀の内3本をその身に引き寄せる。だが、残りの2本は依然と和馬の体に突き刺さり、その身を壁に縫い付ける!
「‥‥おおおっ!!」
 和馬が武器とする大太刀は、この様な超々至近距離での攻撃には向いていない。だが彼はそれでもそれを振り上げ、両手で振り下ろすようにし、剣の柄で自らに刺さった剣を猛打。突き刺さった状態では回避も受けもできるはずはなく、一本の剣が砕け散る。
 だが、その前には既に、異形が再度迫っていた。和馬に刺さる剣を掴もうと、残った片手を前に伸ばす。
「させるかぁぁ!」
 異形の後方に位置する形となる仁刃は大剣を振り回し、縦に叩きつけようと――
「っと、あぶねぇ!?」
 振り上げた刀は、上空から大剣を構え突撃しようとしたラグナに当たりかける。間一髪で両者衝突を回避するが、ラグナは攻撃の機を逸し、仁刃は剣速が下がったため思った程の痛手は異形に与えられていない。

「「やらせません!」」
 一方、腕を狙ったアイリスと智美。
「っ‥‥射線が取れない‥‥!」
 撃退士でさえ2人立てば狭い道なのだ。後方に位置するアイリスが、腕を狙えないのも当然の事。
「なら‥‥!」
 前方に居る智美が、その身に宿る闘気を開放しながら、紅の銃をその手に掴み連続で腕を狙って乱射。だが、その攻撃は異形に随行していた一本の刀に阻まれる。
 圧倒的な命中力で斬撃を潜り抜け、弾丸はその刀に突き刺さり、打ち砕く。
 だが、それは智美が狙った物ではなく――
「オォォォ!」
 残った片腕で異形は和馬の体に刺さった剣を掴み、
「その腕も、もらう‥‥!」

 一閃。
 振るわれた和馬の大太刀は建物の屋根に引っかかり、僅かに届かず。異形の刀は、和馬の体を引き裂いた。


●Command Strategy

 打ち砕かれた剣は二本。撃退士たちは残り7人。
 撃退士たちの方が有利に見えるのだが、実際はやや違う。
「最後の一回‥‥やれる事をやるだけさね!」
 九十九の放った光弾が風と化し、ラグ名を包みその傷を癒す。
 既に回復のための技は仁刃、九十九の物が共に費やされており、一番の防御力を持つラグナの体力も毒によってある程度減少している。他の撃退士も、無傷とは言えなかったのだった。

「さあ‥‥お前の太刀筋、見せてみろ!」
 ある程度降下し、再度「シャイニング非モテオーラ」を全身から放つ。これにより終に異形の注意をも引きつける物の‥‥それは、周囲の全ての敵の攻撃をも、一斉に引き付ける事となっていた。
「私はモテないはずなのに‥‥!?」
 一斉に押し寄せてくる刀に僅かに驚愕の色を露にする。回避能力がそれ程高くない彼は、全ての剣をその身に受けてしまうが‥‥その鉄壁の防御の前には、この程度の切り傷は些細な事。
 だが、その身は動かなくなり‥‥そして再度、体力が少しずつ奪われるのを感じる。
(「と言う事は‥‥冷気の刀は先ほど破壊されたどちらかか!」)

 アイリスの尽力により、全ての刀は色づけされていた。だが、異形のディアボロの指揮により一斉に攻撃していると言う事実から、二本以上の刀が同時に突き刺さる事も多く‥‥一つ一つ狙うため所要した時間の割には、識別は未だ困難になっていた。

 回復の数に限りがあり、敵の与えてくる効果を回復させる手段もない以上、この戦闘は「如何に倒れる前に相手を撃破するか」の競争と化していた。
 だが、撃退士側は大型武器を扱う者が多く、狭い路地では思うように振るえず、縦に振ろうにも空挺で接近するラグナの攻撃を阻害してしまう事が多く‥‥結果、火力が不足していたのだった。

「まったく‥‥面倒ですね」
 雷光の魔術を使いきり、スキルを祝辞に切り替え終わった与一が、魔術書による雷球を放つ。これは刀の横を紙一重で掠め‥‥空気中に走る火花が刀を弾き、壁に突き刺す。
 本来ならこれは絶好のチャンス。だが次に智美が放った銃弾は‥‥別の刀に向かって飛んでいた。
 ‥‥指揮者。目標を定める役目を持つ者は、撃退士たちの中には居なかった。故に攻撃が分散し、敵数を減らせずに居た。

 己の身にから抜かれた直後の刀。至近距離に居るそれに対し‥‥
「逃がさんぞッ、リア充ッ!」
 妬みを込めたその剣が――何故無機物を妬んでいるのかはさておき――まるで怒りを具現するかのように黒く煌き、刀を地面に向かって弾き飛ばす。
「思い知ったか、私の怒りを!」
 不敵に笑うラグナ。
 だが、直ぐにその身は再度飛来した剣に貫かれる。これは先ほどの刀ではない‥‥異形が「投げた」物。そしてその異形は弾き飛ばされた刀をキャッチしジャンプ、上からラグナに向かい振り下ろす!
「ぐ‥‥ぅっ!!」
 体重を乗せた一撃を強引に武器を持っていない方の腕で受ける。だが、その力は強く、地面へ‥‥仁刀に向かって、共に落下していく!

「ちっ‥‥」
 舌打ちする。ラグナが前に居る以上、剣を振るって迎撃する事はできない。後方にはアイリスと挫斬が既に居る。下がれば動きにくくなり、追撃された際回避できない。
「なら‥‥!」
 全身の力を腕に込め、強引に受け止める!

「なんとか‥‥なったみたいだな」
 ほっと一息ついたのもつかの間‥‥その体を、ラグナの体を貫通した剣が、貫いていた。
「このまま‥‥終わるかよ!?」
「せめて一本‥‥破壊する!」
 最後の力を振り絞り、二人が振るった剣は‥‥抜かれた剣を粉砕していた。


●Last Stand

「ったく‥‥腹‥‥減ったなぁ‥‥」
 集中攻撃を受け、智美がその場に倒れる。
 主要前衛が軒並み倒れ‥‥撃退士の内立っているのは、挫斬、アイリス、そして後衛だった九十九と与一のみ。
 だが、ディアボロ側の損害も軽くはない。半数近くの剣が失われ、異形は斬られた手から血を流し‥‥その全身には傷跡が刻まれている。そして、包囲している二班の内‥‥与一の側が彼一人であった事から、逃走の念が芽生えたのだ。
「グォォォ!」
「っ!?」
 猛烈なタックル。与一は正面から雷撃球を放とうとするが、僅かに遅く、その手はショルダータックルで弾かれ‥‥直後、体全体が壁に叩きつけられる。
「アハハハ、逃がさないわよ!」
 狂ったように笑いながら、黒き大鎌を振り回し追撃する挫斬。攻撃に特化したその一撃は黒い閃光と化し‥‥飛来した刀を両断する。
 だが、直後、その背後に刀が突き刺さる。

「くっ‥‥砕けなさい!」
 その剣を地にたたきつけ、粉砕するアイリスだが‥‥直後、ドスドスと言う音と共に‥‥その体に2本の刀が突き刺さる。
 追うか、味方を助けるかの選択肢を突きつけられた与一と九十九は‥‥当然の選択肢を選んだのだった。

 ――本体に逃げられた以上、この依頼は成功とは言えない。だが、それでも、一般人に被害を出さずに‥‥刀剣ディアボロは、全て討伐されたのだった。


依頼結果

依頼成功度:失敗
MVP: 撃退士・久遠 仁刀(ja2464)
 KILL ALL RIAJU・ラグナ・グラウシード(ja3538)
重体: −
面白かった!:12人

流水の太刀・
蘇芳 和馬(ja0168)

大学部3年213組 男 アカシックレコーダー:タイプB
高松紘輝の監視者(終身)・
雨野 挫斬(ja0919)

卒業 女 阿修羅
踏みしめ征くは修羅の道・
橋場 アイリス(ja1078)

大学部3年304組 女 阿修羅
万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
撃退士・
久遠 仁刀(ja2464)

卒業 男 ルインズブレイド
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
撃退士・
字見 与一(ja6541)

大学部5年98組 男 ダアト