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マスター:日方架音
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/09/30


みんなの思い出



オープニング


 ひゅるりるり。侘しい秋風に、たくさんの幟がたなびく。
 夕闇に鴉の見下ろす敷地は、大きな塀の中に街をそのまま入れ込んだような。

 朝日の昇る前から威勢の良い掛け声が響きそうな市場。
 昼下がりには食べ歩きの客で賑わうであろう町中。
 子供が眠る頃合いに色を灯す飲み屋花街。
 真ん中辺りをぶった切るように流れる川には、橋も渡し船も完備されている。

 そこそこ広い町並みを、シンボルスポットの天守閣(事務所)から見下ろして。

「…やっぱり場所が悪いのかなあ〜〜〜…ハァ」

 敷地面積に似合わぬ疎らな人影に、城主(オーナー)は溜息を吐きましたとさ。



「江戸時代体験村?…へえ、久遠ヶ原にそんな所があったんですね」

 馴染みの教師の持ち込んだ話に、斡旋所のバイト少年は純粋な驚きの声を上げる。
 だがそれも詮無きかな、久遠ヶ原は島のくせにやたらと広い。いまだ前人未踏の場所があるのでは、なんて噂がまことしやかに流れる程に。

「ああ、私も初めて知ったんだが。中々に再現性の高い場所らしい」

 ぴらり。ミハイル・チョウ(jz0025)はオーナーに束で押し付k――貰ったチラシを一枚渡す。
 小ぶりとはいえ一つの町並みを再現したその場所は、江戸時代を体験してもらおうと撃退士を引退して暇だったオーナーが作っちゃったモノ。撃退士って儲かるんですね!

「うっわ…これすごい凝ってますね」

 チラシをめくった少年の顔が、若干引きつった。
 元々の時代劇マニアっぷりが高じて、施設は勿論、衣装から時代劇にありがちなイベントやら、もりだくさんらしい。

「でも、これが何で斡旋所に回ってくるんです?」

 見た感じ、特に依頼として上がってくる案件には見えないが――と首を傾げる少年。
 疑問はもっともだ、というようにミハイルは苦笑してチラシの一点を指差す。

「…それだけの規模だ、そこらには作れまい」

 ミハイルの指を辿った視線の先は。
 交通機関は一日二本のバス、という辺鄙な場所が記されていた。

「…つまり、サクラですか」

 求められている事を瞬時に悟った少年は、慣れた手付きで依頼書に纏めていく。
 ペン先が備考欄に差し掛かったところで、ミハイルは何の気なしに呟いた。

「ああ、それから。久遠ヶ原にあるくらいだからな、撃退士仕様となっているそうだ」


リプレイ本文


 澄んだ秋晴れに明け六つの鐘が鳴り響く。

「へぇ…こいつぁまた、すごいな」
「こういうのも風情あっていいわよね」

 バスから降りた麻生 遊夜(ja1838)と田村 ケイ(ja0582)を迎えたのは、本物もかくやと言わんばかりの天守閣。

「江戸時代を体験できるテーマパークみたいなものかな?」
「ほほう。江戸時代、か。いと懐かしき事よ…」

 初めての場所の予習にと、パンフレットを読み込む六道 鈴音(ja4192)。
 その横では、小田切 翠蓮(jb2728)が懐かしさに緑の眼を細める。

 受付の方では、亀山 淳紅(ja2261)が何やら交渉中。


 さぁさ、眼前に構える非日常へと誘う城門。潜る前には、ちょっとしたお支度を。

「折角ですし何か衣装を借りて着ましょうか」

 白磁サンもいるし、と百目鬼 揺籠(jb8361)が微笑いかけるのに、九十九折 七夜(jb8703)と白磁 光奈(jb9496)は目を輝かせて。

「光奈姉様、何にしましょう?」
「そういえば、舞妓さんの格好ができるのだったかし、ら?」

 首を傾げる光奈に、スタッフは様々な舞妓衣装を広げる。

「ああ、舞妓、それはお二人とも似合いそうで…あ、野襖サンも着てみますかぃ?」

 端の方でぼーっと見ていた野襖 信男(jb8776)に、揺籠は悪戯気に問いかける。
 それが、墓穴であると思いもせず。

「…そうだ。折角だから、目のあに様も、のぶ様も、一緒に舞妓の格好、しましょう?」

 一際輝きを増す二対の瞳に、抗える男などいるわけもなく。

「…それを着ればいいのか」
「……あれ、俺も?」

 信男にむんずと掴まれた腕に、揺籠は頬をかきながら引き摺られていった。


 お支度のすんだ方から、どうぞ、江戸風の街をお楽しみ下さいませ――



 賑やかな喧騒は、ともすれば怒号に聞こえる程。市場では、売り子と客が丁々発止の大賑わい。

「なんかおいしそうなモノないかなぁ」

 町娘に扮した鈴音は、腹をさすりながら露天を覗く。バスでの長距離移動で、胃の中はすでに空っぽ。

「それと〜…あとそれもお願いしますぅ〜」

 何件目かの軒先で、大荷物を抱えながらまだ買い物中の神ヶ島 鈴歌(jb9935)と鉢合わせ。

「…何だかおいし、いや重そうだね」
「お店の買い出しなんですぅ〜」

 よくよく聞くと、鈴歌はお食事処で働いてるんだとか。
 鈴音の眼がキラリと光る。売り手のおじさんに身を乗り出すと、鈴歌に代わって交渉開始。

「ねぇねぇ、これもうちょっと安くしてよ!」
「あっ、あの〜」

 鈴歌が戸惑ううちに二割もまけさせ。さらに荷物を半分担ぐと。

「さ、行こっか」

 お目当ては、美味しいご飯のようです。


 所かわって、日用雑貨コーナー。三度笠から露天を覗くのは、縞合羽の似合う風来人。

「こういうの憧れてたのよねえ」

 懐の煙草に手を伸ばしかけ、ケイははたと気付く。普段は煙草派だけど、折角だから。

「煙管はあるかしら」

 問いかけに、首を横に振る店主。どうやら此処ら辺りには売ってない様子。
 そこへ顔を出したのは、しっかり髷を結い、若武者に扮する鍔崎 美薙(ja0028)。

「店主、儲かっておるかの?…どうしたのじゃ、そこな御仁」
「煙管を探してるんだけど、この辺にはないみたいね」

 肩を竦めるケイに、美薙は袂の半紙にサラサラと地図を書くと。

「此処らに売っておったぞ」
「あら、ありがとう」

 片手を上げて立ち去る風来人を、鷹揚に見送って。

「やはり、同心の報告を聞くより己の目で見る方が確かじゃ」

 口の中でボソリと呟き、次の軒先へ。


 着流し姿も粋にキメた、遊び人の後姿を町娘が追う。けれど当人はどこ吹く風、だっていつもの事だから。
 そんな女泣かせの翠蓮こと『遊び人の蓮さん』の興味を引いたのは。

「今回は…ふむ、コレで行くか」

 朝採れのトマトを囓りながら、茶筒やタライ、まな板等の日用品を抱える珍妙な格好をした遊夜。

「もし、朝から精が出るのう」
「商売道具の調達でね」

 茶筒を二、三引っ掴み、ひょいひょいと回して魅せ。
 よかったらどうぞ、とチラシを渡して足軽く雑踏に紛れていく。

「さて、堅物共に暇でもやろうか」

 チラシひらひら、くつりと笑って。
 真面目な部下達を思い出し、朝の見回りは締め括り。



 お天道様も山の頂上に。昼餉前から南町は大賑わい。

「見て、姉姫様!綺麗な反物!」

 見慣れぬ町に歓声を上げるのは、お忍びというには忍びきれていない姉妹姫の片割れ。
 淡い生成り地に鮮やかな牡丹を咲かせて、矢野 胡桃(ja2617)は姉姫を振り返る。

「この格好は少し恥ずかしいの…」

 薄桜地に桜の花びらが可憐に舞う。
 かづきを手繰り寄せる華桜りりか(jb6883)の姿は、儚げな衣装そのままに。

「江戸体験といっても…普段と変わらない様なそんな気がする」

 煙管片手に苦笑して、お付きという名の保護者、矢野 古代(jb1679)はりりかをそっと反物屋の前へと。
 好奇心一杯な娘達のお守りは日常茶飯事で。

「んー…モモ。華桜さんは桜色が多いから少し寒色系を試してみたらどうだ?」
「あ、柄が締まって綺麗」

 姉姫に似合う反物談義を始めた二人を横目に、りりかも何やら見付けたようで。

「胡桃さんにはこれが似合うと思うの、です」

 くい、と袖を引いて呼ぶ。
 落ち着いた菫色は、確かに大人の階段を一つ上がれそうな。

「待て華桜さん、モモにはこっちのが似合う」

 だがしかし、保護者はまだ庇護される存在でいてほしいのか。
 古代が指さしたのは、瞳の色と同じ優しい緑。ちょっと可愛らしい柄の。

「あぁ、こっちも…」
「私のより姉姫様のだってばー!」

 楽しい言い合いは、古代がとある事に気付くまで。

「…二人とも。その反物は高い奴だ。もう少し安くて柄が似てるのがこっちにあるぞ?な?」
「むぅ…手触りがちがうの」

 値札の桁が、お財布の中身にちょっぴり痛かったようです。
 とはいえ折角の旅先(注:島内)、なんやかや財布の紐は緩んで、結局お気に入りをお買い上げ。

「これに合う簪もないかな…。父さん、一緒に探して!」
「簪がご入用かい?」

 満足顔の胡桃が、古代の腕を引っ張りながら店を出ると。
 耳聡く聞きつけた流しの簪売り、グィド・ラーメ(jb8434)が寄って来る。

「可愛い嬢ちゃんだねぇ。さらに別嬪さんになる為に、この簪なんかどうだい?」
「あ、あの…」

 遅れて出てきたりりかにも、即座に似合う簪を差し出してウィンク。強面のおっさんがやっても怯えさせるだけですが。
 下心は無いとわかっているが、人慣れない姫のために保護者が前へ出ようとした所で。


 あ〜〜れ〜〜


「悲鳴…?」
「おっと、こうしちゃいられねえ!お代は結構だぜ」

 些か間延びした悲鳴?に、グィドは簪を姉妹姫に押し付けると、呆気にとられる三人を置いて押っ取り刀で声の元へ。



 時間は少し舞い戻りまして。
 真っ昼間の最中から、赤い仮面の黒装束が町をうろうろ。

「江戸時代と言ったら、ニンジャの本場、ボク楽しみで楽しみで」

 感極まった様子で目を輝かせる犬乃 さんぽ(ja1272)。
 目に映る全てが珍しいのか、あっちこっちへフラフラ。

「あっちは桜吹雪だ、桜吹雪!」

 奉行所だと言いたいようです。無口に佇む門番ごと、屋敷構えをパチリと一枚。
 さらに寄り道しながら歩いて行くと、橋の向こうは市場。でんでん太鼓の囃子が響く。

「さァてお立ち合い」

 横倒しのタライの上に、茶筒が三つ四つ。さらにまな板を乗せまして、舞台の出来上がり。
 不安定さなど微塵も感じさせないバランスで、大道芸人である遊夜は堂々たる立ち居振る舞い。

「古は奈良の都より、悠久連綿と受け継がれてきた大道芸、とくとご覧あれ。…見様見真似だけどな」

 ケラケラと笑いながら、取り出しますは松明。
 一本二本三本と、くるりくるりジャグリング。さらに懐に手を入れて。

「おっといかん、火種がない」

 うっかり火打ち石を買い忘れたようです。

「ボク持ってるよ!」
「お、頼む」

 言いしな、次々と放り投げられる松明。
 だが相手もさるもの。右手に火打ち石、左手にはヨーヨーを持って。

「いっくよー!」

 飛んでくる松明をヨーヨーで器用に操って、火を付けては返し、いつの間にやら五本。

「コイツで終いにするかね」

 即席の相棒に目配せをすると、松明を高く投げて、身体は軽やかに空中回転。
 落ちてきた松明にタイミングを合わせ、さんぽの方へ蹴り飛ばす。

「ニンポー!糸車だよっ!」

 刃の仕込まれたヨーヨーが鮮やかに閃く。
 松明は見事バラバラに。周囲の観客から歓声が上がる。

「御捻りはこちらにどうぞ、ってな」

 置かれた籠に沢山の御捻りが投げ入れられる音に混じって。


 あ〜〜れ〜〜


「悲鳴?」
「ボク、行くね!」

 囲まれてわたわたしていた表情から、一転した雰囲気を纏って、さんぽは風のように声の元へ。
 御捻りを確りしまって、遊夜も遅れて走りだした。


 またまた少しお付き合い。悲鳴の場所のすぐ近く、時間は少し巻き戻し。

「江戸…時代…♪」

 上機嫌の雰囲気を纏い、浪風 威鈴(ja8371)はカラコロと、草履を鳴らして店を覗いていく。

「たまにはこうゆうのも悪くないな」

 そんな嫁の姿を、浪風 悠人(ja3452)は少し離れて微笑ましげに見守る。
 かと思うと、店先で立ち止まる威鈴にそっと近付いて。

「威鈴、どうした?」
「ここ…行って…みたい…」

 独りでは気後れしても、傍にいる気配に安心して。威鈴は悠人の腕を引き、店の中へ。
 そこには、髪飾りにアレンジされた伝統工芸の組紐が。

「かわ…いい…♪」
「どれが似合うかな…」

 同じ物無い職人技に、悠人がわりと真剣に悩み始めると。
 ざわざわっと表の方が騒がしくなってくる。

「何の…騒ぎ…?」

 少しだけ、と店の外へ出た威鈴。
 そこでは、ちょっとオネエな町娘?がイチャモンをつけられているではないか。

「ようネーチャン、ぶつかっといて挨拶無しかぃ」
「あ〜れ〜お助けぇ〜」

 あっという間に周囲は騒然。おろおろしている間に、野次馬と狼藉者で埋め尽くされて。

「悠…どこぉ…?」
「どうしたジョーチャン」

傍らに、安心できる温もりがいない。
心細さに涙目になる威鈴の腕が、下卑た嗤いと共に掴まれようとした時。

「そこまでにしてもらえますか」
「悠…っ!」

 人混みをかき分け、柔和な笑顔で悠人が進み出る。

「何だァ、テメエに用はねえよ」
「俺も無いですよ。威鈴、おいで」

 馬鹿にされたと思ったか、狼藉者が殴りかかる。
 その手を、嫁を背に庇いながら流れるように掴んで後ろに捻り落とす。
 仲間がやられた事に腹を立て、一斉に飛びかかる狼藉者。

「おーっとそこまで、御用だ!」

 そこに駆け付けたはグィド、二人に加勢しようと同じように喧騒に飛び込んだ。それがダメだった!

「乱暴は止めろ!」

 狼藉者の足元に苦無が刺さり、着物の裾を縫い付けて自由を奪う。
 まごつく狼藉者に手刀一閃、昏倒させていくさんぽ。

「そこまでにしとくんだな」

 頭上から声が、と思った時にはもう遅い。
 壁伝いに背後をとられ、からの一撃でバタバタと倒れていく狼藉者達。

「テメエら何者だ!」

 お約束の台詞に、遊夜とさんぽは顔を見合わせニヤリと笑って。

「大道芸人は仮の姿、しかしてその実態は!」
「正義のニンジャだ!」

 ドカーーン!と煙幕が派手に散る。
 視界を塞がれ、咽る狼藉者達。逃げ出す者もチラホラと。

「…今のうちか、こっちだ」

 二人を安全な場所へと、先導しようとするグィド。の、前に立ち塞がる影一つ。

「行かせねえぜ、金一封は俺のもんじゃぁ!」
「ちょっ、俺はちげえよ!?」

 遊夜と互角に渡り合いながらも、何とか誤解を解こうとするグィド。第一印象って重要ですね。
 騒ぎの渦中へ、凛とした声が響く。

「何の騒ぎじゃ!」
「狼藉者だぜ、お侍さんよ」

 周りを見る。煙幕の名残、逃げ出す者達、一般人ぽい夫婦、大道芸人、それと立ち合う柄の悪そうな者。
 美薙は、一つ頷いて薙刀を構えた。

「これ、怪しい御仁。神妙にいたせ」
「だから俺じゃねえっての!?」

 息の合った猛攻は、グィドがたまらず十手を抜くまで続いたとか。




 同時刻の北町では。

「ほう、これが地本か…鮮やかな」

 貸本屋にて、色彩鮮やかな彫版の浮世絵本を手に、刺青・長身・鋭い目付きと三拍子揃ったごくど…町人、ファウスト(jb8866)が唸っている。
 そこへ、入口からかかる軽薄な声。

「邪魔するでー。毎度ぉ、集金に来ましたわー」
「か、亀山屋さん…」

 悪どい笑みを浮かべ、亀山 淳紅(ja2261)こと悪徳商人亀山屋は、暖簾を潜る。
 慌てふためく主人、ざわつく店内に、集中していた本の世界から引き戻されるファウスト。

「どないしはったんですー顔が青いですけど風邪でもひきはりましたぁ?」

 ゆったりとしたテンポで近付く声と足音。そこへ、興味を覚えたファウストがひょいと本棚から顔をだした。

「何事だ?」
「ひええ今日は出直させて貰いますわあ!!」

 よく見ようと細められた眼と、ド近距離で合っちゃったらしい。ちょっぴり涙目で足早に立ち去っていく亀山屋。

「ありがとうごぜえやす、その本はお持ちくだせえ」
「…何だったんだ?」

 店主に笑顔で礼を言われるも、よくわかっていないファウストさんでした。



「この辺りだと思うけど…あ、この反物いいわね」

 同じ店通り、貰った地図を辿りつつウィンドウショッピング楽しむケイ。
 紫苑の生地に枝垂れ藤の流れる反物を購入して、ようやっと目当ての店へ。
 羅宇や雁首が並ぶ店内を、物珍しげに見て回る。

「おんしも煙管を嗜みなさるのかえ」
「今日くらいはね、と思って」

 煙管屋の一角に設けられた、刻み煙草の試しの煙草盆。
 ゆったり一休みしていた翠蓮は、初めてだというケイに手招いて。

「ちょいとコツを教えてしんぜようかねえ」
「あら、助かるわ」

 遊び人の粋な煙管講座は、外が俄に騒がしくなるまで。

「…何かあったのかしら?」

 面白いといいけれど、と衣着せぬ本音を残してふらりと見に行く風来人を見送り。翠蓮はゆらりと気配を薄める。

「南で何やらあったそうな…さて」

 雁首からくゆる煙越し、細められた視線の先は、騒ぎの中心へ。



 お食事処の立ち並ぶ一角。お昼時、辺りは良い匂いが漂って。

「こんな甘ぇもん…80年ぶりか…」
「まことに美味しゅうございまする…!」

 注:戦時中は甘味は貴重品でした。
 出来立ての饅頭を頬張り、目頭を押さえる倭文 左近(jb9835)と大事そうに食べる倭文 右近(jb9836)。

「他は何が食いてぇんだい」

 眼を輝かせる孫達を、眼に入れても痛くない顔で見守る徳重 八雲(jb9580)。
 可愛い孫の為なら、財布の紐など緩みっぱなし。

「爺様、俺ら食わせて貰ってもいいのか…?」
「餓鬼が遠慮なんざぁすんじゃないよ」

 遠慮がちに見上げる左近の額に、片手の扇をコツリと一つ。
 安心して食べ歩く孫達の目の前に、一際良い匂いのするお食事処の出窓が。

「おい右近!銀シャリだぞ銀シャリ!」
「兄者!これが、噂の!」

 かぶりつかんばかりに店内を覗き込む二人。お客さんが驚いてますよ!

「あのぅ〜…?」
「どうも、席は空いてるかい」

 はしゃぎっぷりがいじらしいと微笑い、八雲はおずおずと顔をだした看板娘の鈴歌に指を三本立てる。

「へいらっしゃい!…ちょっと違う?」

 三人が暖簾を潜ると、臨時バイトの鈴音が出迎える。
 慣れない言い回しに首を傾げつつ、それでも元気は一杯に、美味しい賄いの為頑張ります。
 席についた双子が、料理を今かと待ちわびていると。些か乱暴に暖簾が捲くられた。

「どうも、亀山屋ですー」

 後ろに柄悪いのを従えた、亀山屋が店内を見回してにやにや嘲笑う。

「い、今は仕事中で…」
「そない言われましてもねぇ、ええ加減返してもらわんと困るんですよー?こっちも商売なんでねぇ」

 懐から取り出した、金ピカの扇子が店主の頬をヒタヒタと叩く。
 合わせて狼藉者が、手近な卓を客ごと蹴倒した。

「お客様に手出しはさせません〜!お帰りくださいですぅ〜!」
「へぇ、可愛い子が…二人もおるんやけど」

 悲鳴が上がる中、鈴歌は気丈にも両手を広げ狼藉者の前に立つ。
 それが、逆に注目を引く結果になってしまったらしい。

「払えんのやったら、代わりにこのお嬢さん達に来てもらうしかないなー…お前達!」
「簡単にはやらせないから!」

 合図を受けた狼藉者が鈴歌と鈴音に手を伸ばす。
 だが看板娘は伊達ではない、お盆片手に狼藉者を寄せ付けない二組の鈴。

「ちぃ…!」

 奮闘する看板娘達に、しかし敵もさるもの。亀山屋の扇打ちと共に、狼藉者が雪崩れ込んでくる。
 あわや、多勢に無勢で取り囲まれるか――と、そこへ。

「てめぇ、俺様の前でいい度胸じゃねぇか…」

 怒涛の如く舞い落ちる蒼波。怒りに燃える左近が、布を纏いて勇み立つ。

「爺様、お客の皆様、危のうございまする故、こちらに」

 隙間無く舞い覆う朱華。決意に佇む右近が、布を纏いて庇い守る。

「おまいさんら、あんまりやり過ぎんじゃあありませんよ。店が壊れちゃ困るからねぇ」

 火事と喧嘩は江戸の華と、慣れた様子で八雲は壁際へ下がる。
 それは、信頼の証。この程度の輩に、可愛い孫達が後れを取るわけがない。

 翻る二対の布とお盆が、狼藉者達を瞬く間に倒していく。
 それでも諦めない亀山屋が、三度目の増援を呼んだ時。

「何の騒ぎだ?」

 店に乗り込んでくる狼藉者と同タイミングで顔を出しちゃったのは、見た目極道実は一般人なファウストさん。
 あっこのお約束パターンどこかで…?

「今度の増援は強そうだね、負けないよっ!」
「いや、我輩はただの町に…」
「問答無用!」

 鈴音のお盆が鋭く閃く!
 だが正当防衛、と仕方無く応戦するファウストの杖が、その全てをはたき落とす。

「強い…!」
「いやだからな」

 数合打ち合い、肩で息をする鈴音。誤解を解こうとするファウスト。
 一瞬の弛緩した空気、そこを狙う狼藉者の卑劣な刃。

「無粋ね」

 キン、と礫が刃を弾き。遅れて飛来した煙管が、狼藉者の鳩尾を抉る。
 鈴音が視線を向けた先には、出窓に座る風来人の姿が。

「援護するわ、目の前の敵に集中して」
「ありがとうございます!」

 ケイは地面から礫を拾い、鈴音はお盆を構え直す。
 ファウストは、ただ肺一杯に息を吸い込んだ。

「だから、貴様ら…人の話を聞け!!」


 三人が喧々諤々とやりとりをする向こうでは、蒼と朱の風が着実に狼藉者の数を減らしていた。

「遅ぇ!」
「成敗でございまするっ」

 目を細めて布舞を愉しむ八雲は、次第に青くなっていく亀山屋に微笑いかける。

「なんとまあ、目に快い舞じゃござんせんか。…ねぇ、おまいさん」
「ぐっ…」

 まさか、両手両足程の数が全てあっさり倒されるとは。
 亀山屋は瞬時に計算する、これはこいつらの居ない時に出直すしかない。

「今日のところはこれぐらいにしといたるわ!」

 引き際を見極められないと一流にはなれません。捨て台詞を合図にか、狼藉者達は一斉に逃げ散って行く。

「おとといきやがれってんだ!」
「爺様、お怪我はござりませぬか」

 蜘蛛の子を散らすそれに、左近は鼻を鳴らし右近は八雲を気遣う、と。

 ぐぅぅ…
 きゅるるる…

 高音と低音の見事なユニゾンが、双子の動きを止める。
 気恥ずかしげに腹をさする二人に、一拍置いて周囲は大笑いの渦に。

「助けていただきありがとうございますぅ〜…おかげさまで皆さんご無事なのですぅ〜♪」

 クスリと微笑いながら、鈴歌の両手にはたくさんの料理。

「お礼に食事代を無料にするですぅ〜」

 店内に、一際大きな歓声が上がった。



 騒ぎを遠くに聞きながら、翠蓮は密やかに走る。
 気配を馴染ませ、逃げて行く狼藉者達に溶け込んで。

「さて、何が出るか…」

 口元に浮かぶ愉悦の笑みは、開いた扇に隠された。



 色街の座敷から、鳴り物の典雅な調べがしめやかに流れる。
 街を歩く四人組の舞妓には、物珍しげな顔と、懐かしむ顔と。

「江戸時代って呼ばれていた頃も、ずっと、山に住んでいたから、山の中と、麓の村しか、私、知らないの。だから、とても新鮮で、とても楽しい、わ」
「俺で良けりゃ、何でも聞いてくだせぇ」

 時折立ち止まり、揺籠に問う光奈の表情は、ほんわりと心から楽しそうで。
 昔日の江戸を知る揺籠は、思い出しては答える度に目を細める。

「光奈姉様、舞妓さんの衣装もよくお似合いです!」
「…綺麗になるものだな」

 きらきらした眼差しで見詰める七夜に、後ろから大きな影が差す。

「のぶ兄様は、上背があるから迫力美人なのです…!」
「綺麗、といいますかねェ…」

 一番大きなサイズを、それでも窮屈そうに着る信男に、揺籠は何とも言い難い顔。

「似合うだろ」

 本人は、意外とお気に入りなようですが。

「七夜様。あそこで、舞妓さんが、舞ってらっしゃる、わ」
「ほんとですかっ!…わぁ、優雅で綺麗なのです」

 憧れの姉的存在の影響で舞を練習中の七夜は、食い入るように見始める。

「ここで、踊ってもいいみたい、ね」

 ご自由にどうぞ、の看板に、七夜の袖を引く光奈。

「お、お手本がいないとまだ無理なのです…!」
「…手本ならいるだろ」

 勉強中の身で、と慌てふためく七夜に、信男はそっと視線で指し示す。

「………俺ですかぃ」

 今日一番舞妓の格好が様になっている男が、そっと頭を抱えた。


 流れるような揺籠の舞を、遅れて七夜と光奈が追う。
 唐突に、襖の隙間を艶やかな裾が億劫げに割り開いた。

「拙い足運びと気になってみれば。おまえさんか、百目鬼」
「…いらっしたんですねぇ」

 寝起き欠伸に煙管を咥え直し、鳥居ヶ島 壇十郎(jb8830)は、面白いモノを見たとにやり笑う。
 予期せぬ遭遇に、揺籠がピシリと固まったところで。

「人様にモノを教えるたァ、偉くなったモンだねぇ」
「ひえっ…」

 入口の方で、師匠の眼をした八雲の扇がパシリと鳴らされた。

「こんにち、は」
「あの、揺籠兄様に踊りを教わってて」
「…爺さん達も居たのか」

「壇さんに呼ばれてねぇ…中々、筋が良いじゃないか」

 自分達より遥か年嵩の二人に緊張気味(一人除く)の若者組には、優しい微笑みを魅せる八雲。

「良い土産話が出来たわ」

 くつりと笑って襖の奥へ消えていく二人を、揺籠は諦観の境地で見送るのだった。



 茜日差す夕暮れ近く。町外れのお屋敷の屋根に影一つ。
 辺りを伺いするりと塀に縄を落とした。

「こっちだよ」
「うむ、すまぬな」

 さんぽの垂らした縄を伝い、軽やかに敷地内に進入する美薙とグィド。

「亀山屋、か…ここ数年で急成長したらしいぜ」
「…さては、どこぞお上が鼻薬をかがされたか」

 意味するところは不正か賄賂か。グィドは鼻を摘んで匂う仕草をする。
 とまれ、証拠は押さえなければならない。まずは警備の薄いところから。

「うーん、出てこないね?」
「ま、そんじょそこらにゃ置いとかねえわなぁ…うぉ!?」

 ぼろい倉庫を数時間、いい加減疲れたグィドが、何の気無しに壁に凭れ掛かると。
 ガタン、と板が外れてちょっとした空間が。

「これは…盗品ではないか、目録にのっとったぞ。お手柄じゃの!」
「がっはっは、当然よ!…って何で盗品目録知ってんだ…?」
「ぬ、そ、それは「テメェら何モンだ!」」

 美薙が目を逸らしたと同時、倉庫の扉が開かれる。

「正義のニンジャだ!」

 叫んで、さんぽは扉ごと外へ蹴り倒した。
 三人が外へ走り出ると、そこにはずらり狼藉者達。の奥には亀山屋の姿。

「こそこそ鼠が何してはるんやろなぁ?」
「倉庫の奥に後生大事に貯め込んだモノは何じゃろうな?」

 ピシリ、と空間に亀裂が入る。
 美薙と亀山屋、二人顔を見合わせて高らかに笑う、とそこへ。

「おんし、随分と算術が不得手なのじゃな…商売なぞ畳んだらどうだえ?」

 奥から、何かの帳簿を片手にした翠蓮。ふ、と笑んだ瞳が、美薙を捉え。

「北の…」
「おや、南の」

 視線が交差する。微かに動く唇だけで互いを問うて。

「かまへん、やってしまい!」

 焦れた亀山屋の号令に、一斉に飛びかかってくる狼藉者達。
 視線はそのまま、にやりと同時に諸肌を脱いだ。

「「この桜吹雪、散らせるものなら散らしてみい!」みせぃ!」

 さあ、夜桜見物と洒落込もうか。




 夜の帳に、色街は鮮やかに咲き誇る。もうすぐここは、お子様禁制の場所へ。
 揺籠は得意気に説明しながら、ゆったりと川岸の方へ。

「所で、花街ってどんな街なのですか?」

 花屋はあまり見当たらないけど、と七夜が首を傾げるのに、信男はそっと揺籠を見る。

「…答えを頼む」
「……七夜サンは勉強熱心ですねぇ」

 きょとんとした表情で見詰められた揺籠は、本日一番の遠い瞳で夜空を見上げた。
 どう誤魔化そう、と思った所へ後ろから知った声が。

「おい右近、わたあめってなんだ?」
「食べますか兄者?爺様に頂いた小遣いはまだまだ残っておりまする」

 振り返ると、どこかで見たような兄弟がわたあめ製造機のくるくるを眺めていた。

「わたあめ、食べたことないでしょう」

 どうですかぃ、と女子二人の興味を逸らす。折しも、後ろの夜空に大輪の華が咲き始めた。
 一瞬、見惚れて。どうせなら一緒に見ようと、同じ気配のする兄弟へ振り向く。

「…よくわからんが、逃げたぞ」

 両手にわたあめを抱えた信男が、首を傾げた。



 川岸の小道は、絶好の花火スポット。

「反物、帰ったら仕立てようか」

 嬉しそうに頷く威鈴の髪に、悠人はそっと触れる。
 複雑に編まれた組紐の髪飾りが、花火を受けて煌めいて。

「怖…かっ…た…けど」

 誘発されるように思い出す。
 絡まれたのは怖かったけど、でもすぐに傍に来てくれたから。守ってくれたから。

「楽し…か…った…」

 へにゃりと笑う威鈴の肩を、そっと抱き寄せて。
 二人、そっと夜空を見上げる。時折、嫁の横顔を眺めながら。


「一人はやっぱ、切ないもんだな」

 少し離れた所で同じように空を見上げて。
 ちょっとしんみり、家族を思う遊夜さんでありました。



 お食事処の窓からは、月と花火が楽しめます。
 けれど、花より団子とはよく言ったもので。

「違うのにすれば、分けっこ出来るでしょ?」
「わわ…とても美味しそうなの、です」

 甘味に喜ぶ姉妹姫の横で、お付きは肩をトントン。荷物運びご苦労様です。

「はい、姉姫様。あーん」

 あんみつを一掬い。妹姫の手から姉姫の可憐な口へ。
 一緒に食べるだけで、ねえ、何倍にも美味しく感じませんか。

「お返しをするの、です。どうぞなの…」

 目に心地良いやりとりに、今日の疲れも吹っ飛ぶ思いの古代へも。

「はい、父さんも」
「あーん、なの…」
「いや、まわりの目が…むぐ」

 微笑みと共に差し出された二匙を、同時に一口で。
 飲み込んだ古代の耳が、少しだけ赤いような。


 あっつあつの焼魚を丸ごと一匹。

「今日はお疲れ様でしたぁ〜」

 鈴歌が運んできた賄いを、鈴音は満面の笑顔で見詰める。

「いやぁ、働いた後はごはんがおいしいわ」
「あれだけ動けばそうだろう」

 乱闘を思い出し呆れ顔のファウストは、花火を肴に冷酒を一杯。

「狼藉者(偽)さんも食べます?」
「だから違うと言っておろうが!」

 赤ら顔で思わず立ち上がったファウストを、きょとんと見上げる鈴音。
 あっこれ素だ、と目眩を感じ座り込むファウストに、鈴歌は可笑しそうにおかわりを注いだ。


 灯籠が夜を照らす。
 座敷の二階、障子に切り取られた其処は、正しくお子様禁制の場所。

「のう性悪爺よ、楽しんでおるか?」

 手慰みに爪弾いていた三味線を横へ。
 問いかけるも応えは求めていないのか、くつくつと笑いながら壇十郎は八雲に擦り寄る。

「儂は愉快でたまらんよ、しかしそれが恐ろしゅうてならん」

 囁くように耳元へ、尾が、ゆるりと嬲るように八雲の背を辿る。

「今まで気の遠くなるような月日を生きて、斯様な居心地の良い場所を得て、しかし間も無く別れは来る」

 顔色すら変えぬ相手へ、尾は抗議するように希うようにするすると――首元へ。

「先に逝くでないぞ、逝こうとも意地でも引き止めてやるわ」


 …もう、何かを見送る側になりとうない。


 くるり、首を一巻きした尾は、縋り付くかのようで。か細い声はそれきり、口を噤む。
 常に見せぬしおらしげな様に、八雲は杯を呷って。

「そう言って、一人になる気なんざねぇくせに」


 幾百年の長付き合い、死なしてくれなかったのはおまいさんじゃあないか。


 俯いたままの相手に苦笑を零し、宥めるように尾を撫でる。共に在りし過去を込めて。
 折しも、障子を透かして大輪の華。遅れて轟音が格子窓を揺らし。

「なんだありゃ…うるせぇ、怖ぇ!こんな所にいられるか!早く旅館に変えるぞ右近!」
「ここここれ程とは…!耳が痛い!大きい!」

「餓鬼は禁制だよ…何処から入ったんだか」

 微笑んで見下ろした先。爺様、と呼ぶ声が、空気を日常へと引き戻した。



 どん、どん。太鼓代わりの花火が、北と南のお奉行様のご出座を告げる。
 お白州に不貞腐れるのは、亀山屋とその一味。

「その方らの悪事を確かに見ているものが居る。とある若武者と遊び人の翠さんという者が…」
「はて、そんな者らは知りませんわ」

 狼藉者、その野郎を出せと声を揃えて大合唱。
 北と南のお奉行様、我が意を得たりと視線を合わせ。

「…じゃかましいわ!そんなに言うんなら、拝ませてやろうのう」
「この桜吹雪に見覚えが無いとは言わせぬぞい?」

 悪党共を糧に、お白州に春爛漫。
 晒された諸肌二つに、狼藉者達は息を呑んだ。

「同じ桜だが、こっちのお奉行は可愛いからいいよなぁ…俺もこっちで働きてぇ」

 がくりと項垂れる亀山屋一味を引っ立てながら、グィドはしんみり。
 同じどころか、花弁ひとひらまで一緒だということには最後まで気付かずに。

 花火を背景に満開の桜を背負い、お奉行様sは高らかに閉廷。

「「これにて一件落着!」」



 花火が消えれば江戸時代村も終いの時刻。懐かしき時代、楽しんで頂けましたでしょうか――


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 命掬びし巫女・鍔崎 美薙(ja0028)
 歌謡い・亀山 淳紅(ja2261)
 来し方抱き、行く末見つめ・小田切 翠蓮(jb2728)
重体: −
面白かった!:10人

命掬びし巫女・
鍔崎 美薙(ja0028)

大学部4年7組 女 アストラルヴァンガード
cordierite・
田村 ケイ(ja0582)

大学部6年320組 女 インフィルトレイター
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
ヴェズルフェルニルの姫君・
矢野 胡桃(ja2617)

卒業 女 ダアト
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
闇の戦慄(自称)・
六道 鈴音(ja4192)

大学部5年7組 女 ダアト
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
撃退士・
矢野 古代(jb1679)

卒業 男 インフィルトレイター
来し方抱き、行く末見つめ・
小田切 翠蓮(jb2728)

大学部6年4組 男 陰陽師
繋ぐ手のあたたかさ・
クリスティン・ノール(jb5470)

中等部3年3組 女 ディバインナイト
天衣無縫・
ユウ・ターナー(jb5471)

高等部2年25組 女 ナイトウォーカー
Cherry Blossom・
華桜りりか(jb6883)

卒業 女 陰陽師
鳥目百瞳の妖・
百目鬼 揺籠(jb8361)

卒業 男 阿修羅
豪快系ガキメン:79点・
グィド・ラーメ(jb8434)

大学部5年134組 男 ダアト
『魂刃』百鬼夜行・
九十九折 七夜(jb8703)

小等部5年4組 女 アカシックレコーダー:タイプA
ダチョウと語らう・
野襖 信男(jb8776)

大学部3年215組 男 アストラルヴァンガード
『魂刃』百鬼夜行・
鳥居ヶ島 壇十郎(jb8830)

大学部7年222組 男 鬼道忍軍
託されし時の守護者・
ファウスト(jb8866)

大学部5年4組 男 ダアト
『魂刃』百鬼夜行・
白磁 光奈(jb9496)

大学部1年159組 女 インフィルトレイター
『魂刃』百鬼夜行・
徳重 八雲(jb9580)

大学部5年214組 男 ダアト
『魂刃』百鬼夜行・
倭文 左近(jb9835)

大学部5年133組 男 ルインズブレイド
撃退士・
倭文 右近(jb9836)

大学部5年90組 男 アストラルヴァンガード
翠眼に銀の髪、揺らして・
神ヶ島 鈴歌(jb9935)

高等部2年26組 女 阿修羅