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マスター:御影堂
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/06/12


みんなの思い出



オープニング


「新製品のプロモーションッス!」
 ワクテカしながら、新谷新は依頼斡旋所を訪れていた。
 彼女が持ってきたのは、結婚式でお馴染みのウェディングドレスとタキシードのカタログだった。ただし、戦闘用との文字が書かれている。
「戦闘用?」
 疑問を口にするオペレータに、新はにやっと笑みを浮かべる。
「そうです。戦闘用……もとい、激しい動きにも対応できるドレスッスね」
「需要は……あるのですか」
「それはあたしの知ったことではないッスよ」
 新に舞い込んできたのは、この製品のプロモーション記事の作成だったのだという。主に撃退士に向けてと言う限定的マーケティングによって彼女に白羽の矢が立ったのだ。
「こんな機会は滅多にないッス。複数人同士で着用して戦うとか面白いッスよね」
 ワクワクと様々な映像に思いを巡らす新に、オペレータはそっと呟く。
「戦う花嫁……いや、まず相手が」
 その表情はどこか悟ったようだったという。


 とある教会の敷地内。
 色も様々、デザインも様々なウェディングドレスを身に纏いながら、いざ取材!
「思ったより、動きにくいッスね」
 新はそもそものコンセプトをぶちこわすようなことをいいながら、身につけたウェディングドレスをしげしげと眺めていた。その近くでは何故か、オペレーターもウェディングドレスをちゃっかり着ていた。
「着ちゃうと、婚期遅れるらしいッスけどね」
 惚けるオペレータに新はしれっと真顔でいってのける。
 ぐぬぬ顔をするオペレータであったが、傍らに置いた荷物からアニソンが聞こえてくると慌てて駆け寄った。
 それと同時に、会場内へ役人らしき男の人がやってきた。
「こちらに撃退士の方々が……」
 オペレータは男へ近づくと、何やら話を始めた。
 何やら不穏な空気が漂ってくる。
「皆さん、依頼です」
 オペレータは先ほどまでと打って変わって、真面目な顔でそう告げる。ウェディングドレスなのを気にしてはいけない。
「近くの市街地にて、ディアボロと覚しきものたちが現れました。ウェディングドレスの会社も聞きつけ、私たちに依頼が回ってきたようです」
 元々、疑似戦闘の予定であったため、ある程度の準備があるのも理由だという。


 市街地では、複数の日本人形……いや、等身大のひな人形がふわふわと浮いていた。
 若干、大きめで強そうな雰囲気を漂わせる内裏雛。
 接近戦が得意そうな、三人官女。
 魔法を撃ってきそうな雰囲気の五人囃子……。
 とはいえ、個々の力はそれほどまででもなさそうだ。
「これは、あたしは記録に専念できそうッスね」
 そういう新に、オペレータは真剣な表情で告げる。
「問題はそこではありませんよ」
 一拍おいて、力強く、
「ウェディングドレス着たところに、仕舞い忘れたようなひな人形って最悪じゃないですか!?」
 そう宣言するのであった。


リプレイ本文


 市街地の幹線道路、その中央でふわりと浮く雛人形があった。
 まず立ち現れたのは、4人の男女。仕舞い忘れた雛人形という迷信に抗う者たちだ。
「雛人形……? 仕舞い忘れ?」
 黒を基調としたドレスを身につけ、ヒビキ・ユーヤ(jb9420)が疑問を呈する。
「迷信だから過剰に気にするのもどうかと思うが、婚期が遅れるということらしい」
 ディザイア・シーカー(jb5989)がタキシードの具合を確かめつつ、ヒビキに答える。
 こくりと頷き、
「婚期が遅れる、迷信……なるほど」
 とヒビキは納得した様子。
「あぁ、迷信なんだ? じゃあ、気にしなくてもいいね」
 にっこりと、来崎 麻夜(jb0905)はドレスをはためかせる。裾を摘んでみては、
「ねぇねぇ、似合うー?」
 とクスクス笑いながら問いかけた。
「ん、動きにくい」
 身体を動かしていたヒビキも、麻夜を見て、
「で、似合う?」
 真似するように裾を摘み、ディザイアと麻生 遊夜(ja1838)に問いかける。
「ちっと動きにくいが、こんなもんか……ん?」
 屈伸して動きを確かめていた遊夜は、二人に気づき振り返る。
 一通り姿を眺め、
「可愛くて、眼福だぞ」
 と笑みを浮かべて答える。だが、少し動きにくそうな二人にポツリと呟く。
「やっぱコンセプト間違ってんじゃねぇ?」
 なお、この辺りの発言はプロモート映像では消えています。
 その声に麻夜が答える。
「着る機会は少ない方が良いし、常時着る物じゃないからねぇ」
「ちっとまぁ動きにくいが、どうにかなるか。改善の余地はありそうだ」
 ディザイアは腕を腕を回した後、ヒビキを腕に乗せて眼前を見据える。
「プロモートね……いいぜ、魅せてやろう」
 遊夜が呟き、麻夜が頷いた。


「うへへ、ドレスのかわいこちゃんがいっぱーい♪」
 アティーヤ・ミランダ(ja8923)は、腕を上げて喜ぶような仕草を見せる。ビスチェタイプだから、肩の辺りが動かしやすい。真っ直ぐなラインのスカートは、少し窮屈そうにも見えた。
 アティーヤの視線の先では、
「戦闘用とは聞いてたけど、まさか本当にウェディングドレス姿で戦うことになるとはね……」
 鬼灯 アリス(jb1540)が複雑な表情で、窓にうつる自身の姿を眺めていた。ゴシック調のプリンセスドレスが、髪色と対照的で実に映えていた。
「俺は迷信はあまり気にしませんし、婚期が遅れようが構いません。ですが、ディアボロは迷惑ですからきっちり倒さねばなりませんね」
 光り輝く洋弓を携え、樒 和紗(jb6970)は目の前の雛人形を見据える。裾の広がるドレスではあったが、肩出しのため、まだ動きやすそうに見える。
「スタイリッシュに戦え、ですか……たくしにできるかわかりませんけど頑張ってみますわ」
 その隣で、拳を固めるのは長谷川アレクサンドラみずほ(jb4139)だ。同じく雛人形を見据えるみずほは、クラシカルなドレスを身に纏っていた。
「戦闘用ウェディングドレスのプロモートも兼ねるらしいですから、派手な技など使った方が良いのでしょうか?」
 和紗の持つ弓は、それ自体が派手に見える。
「紙一重で敵の攻撃をかわすのは、スタイリッシュかしら」
 みずほは拳で風を切りながら、戦意を高める。
「将来のため、やるのよ」
 アリスも窓から視線を浮かぶ雛人形に向ける。袖の中では、緑色の腕輪が光っていた。
「よし、戦った足で嫁に行くぞ!!」
 アティーヤは、猛獣のような眼で雛人形を睨み付ける。
「あたし、この戦いに勝ったらきっと結婚できると思うんだ!!」
 この叫びはプロモート映像でばっちりと使われました。


 全員に、新から開始の合図が入る。
 合図と同時に最初に飛び出したのは、ディザイアと腕に乗ったヒビキだ。ディザイアは五人囃子の撃ちだした衝撃波を捌き、ヒビキを守りながら前進していく。
 五人囃子の攻撃は、和楽の音色を響かせる。
 その間から、薙刀を持った三人官女が二体飛び出してきた。
「お前らの相手は俺らがしてやるよ」
 後ろからついてくる遊夜と麻夜へ向かわせぬよう、ディザイアは食い止めに入る。同時にヒビキが降り立ち、闘気をみなぎらせて、ぐっとクーゲルシュライバーを握った。
「貴女達の相手は、私達……ユーヤ達が先に行くのを、邪魔しちゃ駄目だよ?」
すかさず細やかな氷の結晶を放った。
 ダイヤモンドダストの煌めきが、派手に敵の中央で弾けた。
「綺麗だね……貴女達には、良い死に場所」
 饒舌にヒビキは語りながら、目の前にいる三人官女に相対する。
 その隙をついて、遊夜と麻夜が前へ出た。
「さぁ、踊ろうか!」
「さぁ、踊ろう!」
 声を揃えて、二人は武器を構える。


「頼むのよ、スーちゃん」
 アリスはスレイプニルのスーちゃんを呼び出し、戦闘態勢を整える。
「蝶のように舞い蜂のように刺すとはこのことですわ」
 背中からアウルを放出したみずほが、一気に加速して前線に躍り出る。狙いは、五人囃子の一角。こちらには、3体の五人囃子が向かってくる。接近の間際、五人囃子は盛大に楽器を鳴らし始めた。
 迫り来る衝撃波は、みずほの後方を行く和紗に辿り着く。気付いた和紗は、咄嗟に地面を転がり衝撃波を避けると、すかさず弓を抜き放つ。
 炎のようなアウルを纏った弓が、衝撃波を散らす。
 みずほは、散らされた衝撃波をわずかな重心移動でかわす。残るアーティヤは避けきれず、半身に衝撃波を受けてしまった。しかし、ウェディングドレスは破けなかった。
「本当に丈夫ね、このウェディングドレス」
「この避け方でも大丈夫なドレス、凄いです」
 アティーヤと和紗は同時にそんな感想を漏らす。戦闘用の面目躍如だ。
 衝撃波をかいくぐり、みずほは五人囃子の一体、太鼓持ちに接近を果たす。
「Go to Heaven!」
 素早く放たれた左フック、五人囃子の体躯が傾いた瞬間にアッパーがたたみ掛けられる。宙を舞い、降り立った太鼓持ちはまだ息があった。
 五人囃子の攻撃をなおもいなしつつ、和紗はこちら側に来ていた三人官女を狙う。
「太陽の光よ炎となりて敵を貫かん」
 口上を述べ、プロモートを意識してみる。音声は、バッチリ使用させていただきました。テロップでは、敵は婚期という漢字を当てています。
 煌めく弓から放たれる炎の矢。そして、炎に群がるように無数の妖蝶が舞う。妖蝶は三人官女に襲いかかり、その意識を奪おうとする。が、薙刀一閃、蝶は散らされる。
「ここだね。合わせていこう!」
 距離を保ちつつ、アティーヤも三人官女に胡蝶扇を投擲する。弧を描く扇は、炎を纏う。さらには、アウルで紡がれた妖蝶が、アティーヤの扇にも群がる。丁度、散らされた妖蝶が再び集まるかのように、三人官女を襲う。
 隙の生じぬ二段構えで蝶が舞い、翻弄されるばかりの三人官女は正体をなくす。
「スーちゃん、お願い!」
 すかさず、アリスがスーさんを向かわせる。牙を剥くスーさんに、三人官女は薙刀で防ごうとするも間に合わない。人形の和装を引き裂き、スーさんはその場で三人官女を押さえに入るのだった。


 A班では、ディザイアとヒビキが官女を押さえていた。その隙に敵中央付近へと、遊夜と麻夜は飛びこんでいった。より中央に切り込んでいたのは麻夜だ。
「夜に嫌われると良いよ」
 くすくすと笑いながら、麻夜が告げた瞬間、周囲を舞う羽根が収斂する。そして、霧散するように羽根は飛び散る。麻夜の周囲にいた、三人官女と五人囃子に羽根は張り付き、その感覚を狂わせる。
 視覚か嗅覚か、はたまた別の何かか。感覚を狂わされた五人囃子は、がむしゃらに横笛を吹き鳴らす。
「ドレスを汚させるわけにはいかねぇよな、タキシードを着る身としては」
 赤い銃口から遊夜は悠然と弾丸を放つ。弾丸は、当たった瞬間に発光し、衝撃波をわずかに弾く。
 同時に、麻夜はしゃがみ、体勢を低くした。
「お嬢様が2度は踊らんとさ、諦めてくれや」
 静かに告げて、二丁の拳銃をかまえなおす。
「代わりにあの世にご招待だぜぃ!」
 嵐の如く弾丸をばら撒き、人形たちに風穴を開けていく。
「初お披露目、全力全開だよー」
 スカートの下に、黒色の脚甲を纏って踊り始める。半身に闇を纏い、それがあたかも影と踊るかのように新のカメラには見えた。その踊りを派手に演出するように、遊夜の弾丸が舞う。
「まずは、こんなところか」
 弾丸の嵐、そして麻夜の蹴りを受けた五人囃子は活力を失い、地に伏していった。
「ロマンの欠片もねぇ気がするな」
 いろんなものが舞い散る戦場に、ディザイアが冗談めかしく呟く。
 ディザイアたちの対峙する三人官女は、遊夜らの余波を受けていた。それを察し、ディザイアはヒビキに声をかける。
「ここで決めるぞ!」
 ヒビキが頷いたのを確認すると、ディザイアはくるっと三人官女を横並びにした位置まで動く。
「一回限りの新スキルだ、存分に味わいな!」
 拳に巻いた魔具へ、太陽の光が収束する。突き立てるように、拳を打てば同時に赤光が直線に伸びていく。ヒビキがそっと道を空け、二体の官女が巻き込まれていった。
「ユーヤから貰った、大事な宝物で、相手してあげる」
 逆側へと、ヒビキは回り込み、くるくるとペンを回す。そして、アウルによって紡がれた衝撃波を放った。
「味方はいない……敵は死すべし、慈悲はない」
 貫通する第二波の攻撃は、風穴が空き赤光に灼けた官女たちを朽ちさせるのには十分だった。


「ふっ」
 短く息を吐きながら、みずほは素早い重心移動で五人囃子やお内裏様の攻撃を捌く。まだ、相手をしたくないお内裏様とは距離を取りながら、確実に太鼓持ちを沈めに入る。
 太鼓持ちが衝撃波を放ち、和紗が僅かに攻撃をそらす。そうしてできた隙を狙って、ぐっと懐へ潜り込む。再び、左フックとアッパーによる連係攻撃。
「ボクシングは人の歴史が産みだした芸術ですわよ」
 その場に崩れ落ちた五人囃子に目もくれず、お内裏様をかいくぐり、みずほは次の狙いへと駆けていく。
「派手なの、いくよ!」
 事前に決めた合図を投げかけ、アティーヤが宙を舞う。道路標識に片足をつけ、敵の側面へ移る。スカートを抑えながらの着地と同時に、片手は五人囃子と三人官女を一直線に狙っていた。
「さぁ、あたしの嫁入りのためにおくたばりになっておくれ」
 実にいい笑顔で、炎が放たれる。炎が晴れると同時に、小鼓の音が響く。衝撃を真正面から受けるも、ドレスは汚れ一つなく、アティーヤの身を包んでいた。
「目の前のを倒してしまうのよ、スーちゃん」
 アリスの呼びかけに、スーちゃんは応え、戦意を高める。
 アティーヤがその間に、さらに炎を浴びせかける。
 三人官女の身体が完全に、ぐらついたところへ、スーちゃんの一撃が入った。アリスの呼びかけに応えるような、見事な体当たりに官女は吹っ飛び、地に伏せるのだった。
 二度の炎にいきり立つ小鼓は、一気に距離を詰めたみずほが、勢いをそのままに拳を叩き込んでいた。
 いよいよ追い詰められた内裏雛が、ここに来て動きを強める。
「スーちゃん、危ないのよ!」
 お内裏様による、五人囃子を三体連ねたような、強力な衝撃波がスーちゃんを襲わんとしていた。
「させませんよ」
「取り巻きは片付けたぞ?」
 煌めく矢と発光する弾丸、二つの衝撃がお内裏様の気勢を削ぐ。
 遊夜たちA班と和紗たちB班の戦場が、交叉する。


「大丈夫……すぐに、楽にしてあげる」
 お雛様にペンを向け、ヒビキはくすくすと笑う。ぐんっと横薙ぎに放たれた攻撃は、お雛様の体躯を痺れさせ行動を縛る。
 合わせるように麻夜が、脚甲で踊るようにお雛様と残されていた五人囃子を蹴りつける。スタンと、踊り終わったと同時に少しつまらなさそうに告げる。
「んー、失格だねぇ。やっぱり貴女達じゃ合わないや」
 麻夜が姿勢を低くし、遊夜が双銃に引き金を引く。
「そういうことで、すまんが時期外れなんでな」
 再び巻き起こる弾丸の嵐、穿たれたお雛様と死に体の五人囃子に告げてやる。
「お帰りはあちらだ、さようなら」
「そ、お帰りの時間だ」
 遊夜の言葉を受け、ディザイアがお雛様にたたみ掛ける。ぐらりとお雛様の体躯が揺れる。それでも、再び動き出したお雛様へ、トドメを誘発するように、視線をヒビキへ向けた。
「私の宝物に、貫けないものはないの」
 突き飛ばすような、力強い一撃で、ヒビキはお雛様の頭を突き崩した。
 一生の大切な贈り物、結婚も宝物にしませんか?
 そんなキャッチフレーズを流そうと考えたが、予想以上に厳しかった。


「取り巻きは、これで終わりですね」
 和紗の矢が遊夜の攻撃に巻き込まれた五人囃子にトドメを刺す。
 残るはお内裏様、スーさんがすかさず体当たりを仕掛け、バランスを崩させる。その隙を突き、
「もう一度、蝶を舞わすよ」
 アティーヤが妖蝶を纏った胡蝶扇を投擲し、和紗も蝶の群らがる矢を放つ。幾重にも重なる妖蝶が、お内裏様の動きを封殺した。変わらぬ表情ではあったが、その動きは明らかに鈍っている。
 妖蝶の晴れる中から現れたのは、みずほだ。
「参りますわよ! 耐えられるかしら?」
 全身からアウルを溢れさせ、その爆発力で動きを加速する。溢れるアウルは、まるで蝶のように舞い散る。蝶の中から再び蝶が舞い散る。
 美しき光景の中で、みずほは連続して拳を叩き込む。ドレスによって動きが制約されているからか、きびきびした動きになる。それが、むしろ映えている。
 打撃が終わり、みずほの動きが止まる。お内裏様の動きも、もはや停止寸前であった。
 連続攻撃に耐えかねたお内裏様の胸を最後に射止めたのは、和紗の矢だった。炎に増して光りをも帯びた弓矢が、お内裏様の胸に突き刺さる。
「は……ハートに直撃」
 最後に述べた、はにかんだような台詞は、新が確かに録音いたしました。


 ここから先は、PV未収録。戦闘後の一幕。
「やっぱりウェディングドレスは戦闘には向かないわ。隣を一緒に歩いてくれる人も居ないし」
 アリスは伸びをしながら、そんな感想を漏らす。
「良いプロモートになればよいですね」
「スタイリッシュにできまして?」
 和紗とみずほは、カメラを確認する新の方へ呼びかける。OKサインを見て、ほっと一息つく二人のところへディザイアがやってきた。
「ドレスは無事でも、身体も無事とは限らないからな」
 そういいながらディザイアは、和紗たちに小さなアウルの光を当て、傷を癒やしていく。
 その隣ではヒビキが、クスクス笑いながら麻夜やディザイアたちの写真を撮っていた。
「反応が、楽しみ」
「やれやれ、それで婚期とやらは掴めたんかね?」
「どうだろうねー」
 遊夜のぼやきに、麻夜が笑いながら応える。二人の視線の先には、アーティヤがいた。
「あたし、頑張ったよ!!  結婚できるよね!! これならあたし、結婚できるよね!!」
 アーティヤの必死な叫びが、虚空をこだまする。
 その結果が出るのは……当分、先かもしれない。

 終


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 夜闇の眷属・麻生 遊夜(ja1838)
 単なる女のコ好き?・アティーヤ・ミランダ(ja8923)
 光至ル瑞獣・和紗・S・ルフトハイト(jb6970)
重体: −
面白かった!:8人

夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
単なる女のコ好き?・
アティーヤ・ミランダ(ja8923)

大学部9年191組 女 鬼道忍軍
夜闇の眷属・
来崎 麻夜(jb0905)

大学部2年42組 女 ナイトウォーカー
能力者・
空木 アリス(jb1540)

卒業 女 バハムートテイマー
勇気を示す背中・
長谷川アレクサンドラみずほ(jb4139)

大学部4年7組 女 阿修羅
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
夜闇の眷属・
ヒビキ・ユーヤ(jb9420)

高等部1年30組 女 阿修羅