.


マスター:青鳥
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/08/28


みんなの思い出



オープニング

●これも試験対策です
「バイトしながら、楽しく異国の歴史と文化に触れましょう」
 そんな依頼が斡旋所に張り出されていた。
 社会科の学習は、異国の歴史に触れることも大事。
 確かに、それは合っているだろう。

 しかしながら、斡旋所の一角に貼ってあるのは複合型テーマパークのポスター。
 一面の砂漠に石や干し煉瓦でできた建物の写真があり、周囲には色とりどりの異国風衣装を纏った男女がいる。
「月の砂漠ゾーン、この夏限定公開!!」
 と派手なテロップ。
 それを示して、観月 朱星(jz0086)は相変わらず胸の前に手を合わせて機嫌よく笑う。
「月夜の砂漠、なんて素敵だと思いませんか?
 テーマパークの中で、この夏限定のゾーンが開催されるのだそうです。
 せっかくだから本格的にやろう、ということで雰囲気作りのためのスタッフを大募集しているのでした。
 これを機に異国の文化っぽい何かを肌で感じられるかもしれませんし、ということで、
 先生から、励めば社会科の得点を頂ける旨もちゃんとお話を付けてあります。
 謎の悪い精霊と戦ったり、異国のご飯を売ったり、異国情緒を満喫させる演技をしたりと皆で楽しませて下さいませ」
 まあわりといつもの通り読めた展開である。


●雰囲気的にはこんな感じで
 とある満月の夜。
 そこは、広い広い砂漠の中にある小さな村。
 薄茶色の建物に、ぼう、と灯る黄色のランタン。
 窓の縁飾りは白く、お菓子のように彩られている。
 行き交う人は大胆に肌を晒して金銀の飾りを身に纏う女性に、半月刀を腰にターバンの男性。

 さあ、年に一度の祭りが始まる。

 オアシスを中央に、色砂を撒いて作られた舞台ではしゃらしゃらと音を立てて長衣を纏った舞姫が歌い踊り。
 透明に高く響くのは、シタールの音色。
 香ばしい匂いは、肉を焼いているのだろうか。
 砂糖をたっぷりと入れたチャイを配り売る若者の元気な呼び込み声が、賑やかな夜に色を添える。

 不意に、小さな悲鳴が巻き起こった。
「妖霊が出たぞーーー!!」
 誰かの悲鳴に、すかさず武器を手にかけつけるのは村の戦士たち。


 砂漠を襲うのは、魔物の嵐――。


リプレイ本文

●月の夜
 街並みを模して造られた一角、色砂が幾重にも鮮やかに撒かれて円形の屋外舞台が、月の光を浴びる。
「美しき月夜。私の全てを捧げます」
 煽情的な白の肌を惜しげもなく晒して膝を折り、胸を反らすように祈る姿勢の簾 筱慧(ja8654)。
 肢体は、赤やオレンジに金糸の縫い取りがされるジプシー風の衣装。
 祈りを終えると、両手にオカリナを捧げ持ち素朴な音色を響かせる。
 音楽を吹き鳴らしながら最初は静かに、けれど踊りは次第に熱を帯び始める。
 テンポが速くなるところで建物の陰に衣装をはためかせて消え、次に現れるときには楽は止み、代わりに手首に金の鈴。
 静と動を取り混ぜた躍動感あふれる踊りは、彼女が次に隠れたときに剣を持ち出すと最高潮に。
 跳躍から、開いた両腕が腰のシャムシールを無数に投擲。
 白刃は幾重にも煌めいて彼女の周囲を円形に突き立てられ、終幕。
 誰よりも早く拍手をして、終了のタイミングを観客に示すのは東城 夜刀彦(ja6047)。
 とたんに歓声が弾けて、集まっていた人々が周辺の屋台に散り始めるところで、程よく肉は焼ける匂いを立てる。
 漆黒の長衣に金の刺繍が華やかで、肩に垂らすストールは白と赤の色合い。
 エキゾチックな彼の色彩に、ターバンまで巻いた衣装は自然と人目を引く。
 肉類の料理、いわゆるケバブを売る屋台は夕食の時間でもあって人が途切れない。口に合う味に仕立てて、肉の切り方も見栄え良くしたことも勝因だろう。
「お手元にはどうぞお気をつけて」
 手や服を汚すことのないような工夫も欠かさない気の利かせ方だ。
 ふと火との間から、子供が手に硬貨を握り締めて彼に無言で差し出している。
「どれがいいの?」
 ケバブを示されて刺激の強い味は控えめに、丁寧に調理していく。
「どうぞ、召し上がれ」
 幸せそうに被りつく少年を見る彼にもまた、笑みが宿る。

 屋台の並びを楽しげに見て回る、櫟 諏訪(ja1215)のターバンから飛び出したあほ毛も同じく機嫌よくゆらゆら揺れている。
 ゆったりとしたズボンも物語の風情だが、羽織っているのは浴衣の如く長い袖の甚平の上着。
 和の情緒も加わる不思議な調和だった。
「月夜の下、今宵一晩限りの夢の時間に、異国のお菓子や飲み物はいかがでしょうかー?」
 ナツメヤシの実であるデーツをチョコで包んだり、ナッツやオレンジピールを添えた甘い菓子。
 持って食べられる手軽さに子供達は興味津々だ。
「ご一緒にどうぞー。アラビックコーヒーは『地獄のように黒く死のように強く愛のように甘美』って昔から言われてるんですよー!」
 仲良く並んでの営業は、藤咲千尋(ja8564)。
 踊り子風の薄い布を腰や胸に纏い、銀のバングルが目に鮮やか。
 時々鏡に映る自分の格好に少しびくっとなるのは否めない。
「こ、これは腹チラっていうか、腹モロ……!!ぴゃー」
 だが伸び伸びとした躍動感あふれる元気な彼女には確かに似合っている。
 人好きのする明るい笑顔も相まって、コーヒーの売れ行きも上々だ。
 櫟の売るデーツの後味を苦いコーヒーが拭い、しかし舌が痺れる苦さはデーツが欲しくなる。
 カルダモンやサフランの匂いが、夏の夜独特の匂いにはやけに似合っていた。
「すわくんも、はい休憩にどうぞー!!」
 小さなカップに半分、それが適量。人通りが落ち着いたところでちょっと早い乾杯。
「助かりましたよー。後で、ラバンをお返ししますねー」
「飲んだことないー!! どんなの?」
「飲むヨーグルトみたいなものですかねー、フルーツ風味にしたので飲みやすいですよー?」
 興味深く聞きながら飲むコーヒーは、舌をちりちりと焦がす苦さ。
 香りは柔らかく芳醇で舌の上で複雑に膨らむ。
「甘くないけど、雰囲気? 匂いかなー?」
「舌が引き締まる感じがして美味しいですよー」
 二人してカップから少しずつ啜っていく。
 砂糖みたいな甘い恋はしたいけれど。
 仲間が賑わう夜、学園祭に似た高揚もまた楽しい。


●ショウタイム
 寄せては返す、波のような歌声。
 不思議な響きに気づいた誰かが指先を口元に当てる。
 収まっていく喧騒に、透明な響きは次第に高らかに。
 瓦礫に座る少年、柊 夜鈴(ja1014)はしなやかな体の線を見せる黒の衣装に胸元に金の飾り。
 対して陰に潜む紫ノ宮莉音(ja6473)のピンクの髪は逆立てられて獣の耳のよう。
 赤の服は袖も長く胸元も覆うのに、却って白い首筋のラインが際立って見える。
 「相変わらず莉音君はかわいいな?」
 生真面目にそんなことを柊が言うのに、小声で笑う。
「僕そんなに可愛いかな?」
 唇だけの動きで、更に。
「彼女には内緒だね」
 四足で、そろそろと。距離は、近いようで遠く、遠いようで近く。
 笑っちゃだめだよ、なんて悪戯げに目がくるりと動く。
 さあ、本番だ。
 歌声に誘われてゆらりと莉音は立ち上がる。紫とピンクの淡い光が幻想的に舞い、ファーで作った尻尾が揺れる。
 近づけば、柊は少し逃げる。かと思えば、柊から興味本位か手を差し出して。
 しかし今度は、トンボを切って警戒心の強い猫じみて後ろに跳ぶのは莉音。
 触れそうで触れない二人の舞。。
 人垣生まれる頃合に柊が莉音に向けて腕を広げて見せる。
 腕に飛び込む、と思いきや柊の腕が腹を支えて大きくリフト。その侭、莉音は肩に腕を乗せて、――跳躍。
 月を背に舞う獣は、人垣に大胆に――その実、慎重に滑り込む。
 肩にじゃれる振りをしたり、衣服に触れてみたり。
 楽しげに子供が手を出すところでは、柊が手を取って軽くターンをさせる振りでサービスをしながら適度な距離を取ることは忘れない。
 やがて莉音の姿が闇にふわりと溶けるのを、今度は魅入られて柊が追って退場していく。
 いつの間にか青年が魅入られてしまう、不思議な一幕に拍手が巻き起こる。
 観客は彼等の後を追って、水辺の方へと誘導される。
 そこで、明るい花を抱えた癸乃 紫翠(ja3832)が、折よく彼等を待ち受けていた。
「命の芽吹くオアシスへようこそ」
 配るのは小さな花。流石に造花ではあるが、未だ夢を見ている気分の客達には、花弁の白さはより気分を盛り上げてくれるものとして喜んで受け取られている。
 白の民族衣装風の礼服に、長く頭に布を被り紐で縛る砂漠の民の如き風情。
 ショウに見入る人の誘導をしながらも、彼は人の動きに目を配っている。
 戦闘を開始するタイミングを伺っているのだ。
 まだ少し時間がある。
 そう、入口の方の機嶋 結(ja0725)に目線で伝えると彼女も仕事にかかる。
 深く紗のベールが白く小さな顔を隠し今は黒のローブに覆い隠す占い師に扮して。
「もし…其方の方、占っていきませんか?」
 湖面の如く深い黒の眼差しに見上げ水晶に手を翳して、月を映す。
「星の光が、見えます。貴方を導いてくれる、暁はもう少しだけ後。しっかりと足元を踏みしめ、歩まれますよう――」
 静かに無機質な口調が語る。
 合間に道を尋ねられれば、顔を上げて。
「私で宜しければ、ご案内します」
 そっと、腕を差し伸ばす。
 仕事とあらば、どのようなことも本気で。更に、今回は試験も兼ねている。
 たとえ、目の前に立つのがいかにも好色そうな男であっても。
 滲むのは過去の、記憶。
 表情には少しも出さず、送り届けた彼女の耳に――音楽が届く。


「広大な砂漠の中で、星と月に導かれこのオアシスに。明日にも砂嵐にのまれかねないこの広大な土地で出会えたのもまた縁。一緒に歌いませんか、旅のお人♪」
 亀山 淳紅(ja2261)声は夜空に響き渡る。
 白い旅人の衣装。端にはシンプルな刺繍、頭に被る布を縛る紐の房飾りも同色の赤。
 赤の絨毯に悠然と胡坐を掻いた仁科 皓一郎(ja8777)がシタールを爪弾けば、月の響きが奏でられる。
 黒のズボンにぴったりとした上衣は、瑠璃に銀糸の刺繍が入るベストを羽織る。カトラスは腰、ターバンを敢えて乱雑に巻く伊達男姿。
 亀山が月を仰いで、身体を揺らしながら歌うのは伸びやかな旋律。
 カウンターテナーの透明な音が、夜空へと零れていく。
 変調を繰り返す複雑な旋律を披露してから小さな太鼓を叩いて簡易なリズムへ。
 歌を聴いてうずうずしている子供のところにかがみ込み、軽く叩かせては手拍子も煽る。
 リズムに乗って、身体全体を揺らせば、音も楽しげに自然に弾む。手を叩いて、太鼓を叩いて、重なるリズムは大地の音色。
「今のうちにたっぷり歌うのさ!喉を潤してくれる水が、いつでもあるとは限らん厳しい土地だ」
 簡単な響きに、次第に舌足らずな歌声が合わさっていく。
 明日起きても、未だ彼等の心にこの歌は根付いているかもしれない。
 夢の、名残として。
 歌の余韻が消えれば、月の光を受けて照らされるは、黒髪の美少女。
 氷雨 静(ja4221)は、スパンコールやフリンジで彩られたセパレートタイプの衣装で肌を見せ、腰はベルトでアクセントを。
 そこから広がるスカートはマーメイドスタイルで長く滑らかな裾を引く、淑やかなもの。
「では踊らせて頂きます」
 礼を捧げるのは、観客と月に。
 すんなりと伸びた細い腕には淡い色のベールを纏い、風を孕んで翻るかと思えばまた別の形に。
 鍛錬を積んだ舞は、計算されつくした動きを何処か神々しくも魅せる。
 周囲にはいつの間にか光が幾つも浮き上がって、彼女を中心に照らす淡い優しさ。
 腰を揺らす度に、布が揺れて官能的に剥き出しの肌が見え隠れする。
 静謐な空気を壊すことなく、ハーレムパンツにベストを纏う百々 清世(ja3082)がダンスに割って入る。
 ふわりと赤のベールがたなびき、一瞬二人の姿を隠して、そこで演奏が変わる。
 より情熱的に、艶やかに。
 静と背中合わせに対照の舞を、男性の均整のとれた肉体で演じて見せ、力強く地を蹴っての大胆なスピン。
 着地の地点には既に静が舞っており、二人で手を取り向き合い、静が大きく後ろに背を反らす。
 官能的にも見えるラインが映える腰を清世が支えて、見せつけるように伸びやかに腕を広げるフィナーレ。
 拍手が聞こえるが、まだショウは終わらない。
 すら、と腰の剣を抜き払ったのは仁科だ。
「見てたら踊りたくなってよ」
「にっしー、勿論歓迎ー!」
 二人の男が悪友の如き笑いをこっそりと浮かべ合う。
 静を彼の腕から奪い取ろうとする演技で、模造剣が腹から薙ぐ形で振るわれる。
 背に庇われる形で静は奥の位置へ、ここからは彼等の剣舞に。
 深紅に金糸と、瑠璃に銀糸。二人の衣装も対照的に硬い音を立てて剣が打ち合う。
 鍔迫り合いの間に、すれ違う顔の距離は呼吸も触れそうな程。
 趣の違う端正な相貌がそれぞれに不敵な笑みを浮かべて、次の瞬間揃って後ろへと跳ぶ。
 バク転を数回、そこから今度は清世が剣を軽々と足を狙い打ち込めば、飛んで交わす仁科は彼の背後へと飛び込み。
 激しくも魅せる剣の舞―――。その間も、清世は息を飲み見守る観客にサービスを忘れずウィンク。
 締めは、仁科が首筋に切り込んだ途端、清世が抱えていた大判のベールで包み込むように観客からの覆いを作り――。
 そして、二人はバックステージに消える。月の夜の、幻の如く。

『ベリーダンスキター!hshs☆』
 しかし、この幻をしっかり記録しようともくろむは御手洗 紘人(ja2549)、じゃなかった、乙女☆チェリーである。
『グフフフ…けしからん☆本当にけしからん』
 カメラには、煽情的なイケメンの腰やら腕やら魅惑のダンスやらがしっかりメモリアルされている。
 可愛らしい大きな緑の眼は、しかしハンターの光を宿していた。
『試験って言うけど…こういう思い出も必要だよね☆』
 勿論、チェリーだってイケメンレコーディングの為にカメラを持ち歩いてるわけではない。
 皆の頑張りや思い出を、望む人には記録してあげたい。
 メモリアルは、大事なのだから。他意はない。たぶん。
『ふう、いい仕事しちゃった☆』
 彼女も、黒の今日は少し大人しいアラブ風の衣装に身を包んでいる。
 細くて白い腹と臍の露出はあったが。
 トワイライトの光を宿しながらショウを見終えた人を出口へと案内していく。
『この広大な砂漠を迷いませんよう、月の光を持ってまいりました』
 光に目を輝かせる女性に、優しい笑顔で告げる。深く、頭を下げて。
『それでは、月の加護がありますように』
 淑やかな一礼は、見事に絵になるというのに。
『あっ、イケメン発見☆』
 元気よく駆けていくチェリー。彼女の記録は、後程皆の思い出として希望者には配布されるだろう。
 被写体が許せば、彼女の手にも貴重なメモリアルは残るのかもしれない。


 同時刻―――。
 黒のローブを脱ぎ捨てるのは、結。その下には、露出を厭わない踊り子の衣装を纏い。
 集まる視線に、僅かに自嘲の色が零れた。
「皮肉なものかな」
 小さな呟きは、何処にも聞こえない。
 こんなところで使えるなんて。
 厭う心と裏腹に、ダンスは手足が覚えている。
 魅せ方、動き方、――男の視線の誘い方。
 未だ幼い肢体が、何もかもを知り尽くして動くさまは如何にも何処か、蠱惑的。
 見惚れる男性に深く傅いて、頭を垂れ。
「どうか、一緒に踊りましょう…?」
 無機質な唇が、甘く微笑んだ。


●小休憩
「疲れたー。なんかしゃっきりする飲み物ちょーだい?」
 うっすらと汗を拭う清世は屋台にも顔を出し、仲間達の顔を覗いていく。
「はい、苦いかもだけどどうぞーー!!」
 カップにコーヒーを注いで千尋が差し出すと、じっくり味わって飲む涼しげな様子は流石イケメン。
「おいしー。おにーさんの為に毎朝作ってくれませんか」
 真面目な顔で主張されて、一瞬千尋がフリーズ。
「さっ、さては朝ごはんはパン派!!」
 切り返しに思わず笑ってしまうそんな一幕もあったりして。
「こっちにはカレーがあるよ〜」
 のんびりとした声は星杜 焔(ja5378)の方。
 薄い布を重ねて胸をはだけさせた長衣は微妙に色合いの違う夜の色を重ねたような。
 装飾品で調理の邪魔にならないよう裾を留める衣装を見立てられる侭に纏い、鍋をかき混ぜている。
 ココナッツミルク入り海老、ひよこ豆のキーマにスパイシートマトチキン等幾つものカレーを仕込み、友人達へも振る舞う間に直ぐ新しい客が並ぶ。
「ナンも焼き立てですよー!」
雪成 藤花(ja0292)の懸命の声。人前に慣れてない彼女が、一生懸命張り上げるのは美味しいカレーを食べて貰いたいから。
 淑やかにサリーをベースにした明るい赤の服に身を包みチャイを高い位置から、素焼きの器に何度も移し替える。
 その度に、牛乳と砂糖の甘い匂いが広がり、人の足を止める。
「いらっしゃいませ!」
「甘いものはあるかしら?」
 声を掛けられて、彼女はバターの香りのするチーズナンではなく別のものを示す。
「こちらはスライスアーモンドやココナッツ、アップルをふんだんに乗せてローズウォーターのシロップを添えた甘いタイプになります」
 レシピだって作り方だって、素ですらすらと言えるくらいには練習している。
 異国の言葉で手を合わせて頭を下げるお見送りも、喜ばれてる。
 けれど。
「焔先輩、デザートナン最後の一つ出ました」
 客の切れ目にチャイの器を持って調理スペースに顔を覗かせると、
「…あ、ありがと〜。焼けたから持って行って〜」
 焔は視線を彷徨わせて、けして藤花を正面から見ない。
 この距離感を、温度差を、藤花はとっくに気づいていて。
 少しだけ、眉が下がる。彼の態度の意味が、全く分からない。
「…はい!」
 それでも精一杯元気よく返事をしてくれる背中を見送り、焔は溜息を吐く。
 混乱に熱の上がる頬を、手のひらで抑え指先が耳朶を確かめに触れる。
 彼女の真っ直ぐな好意に気づいてしまえば、心は波立つしかない。
 ――押さえて、飲み込んで。
「売りに行ってくるね〜」
 宅配販売は、空を飛んでいくのだと白の羽を生やして彼はその場を、後にする。
 手の中のカレーは香ばしい匂いを立てて。
 家族の匂いを、僅かに抱き締める。


 カタリナ(ja5119)の横にもチャイが置かれている。
 ペルシャ絨毯の上にはランプと銀細工の水煙草。
 身体のラインに添う裾の広がるワンピースの上から控えめの装飾のクレオパトラ風の衣装で、長く裾を引く袖から細い指先を伸ばす。
 其処に、紅い炎が躍る。
 ランプへと火を灯す横顔に、青の髪が幻想的に揺れる。
「お待たせ〜」
 更に華を添えるのは森浦 萌々佳(ja0835)。
 金の髪に、緑の眸の華やかな色合いに合わせてか明るい色で胸元も腹も魅せる大胆な衣装に、薄いベールを羽織る。
 そして、三人目。長い脚にホットパンツの丈で銀のベルトを締めて。薄い水色の腰布が幾重にも纏わりついて素足のラインを惜しいところで見え隠れさせる優れもの。
 勿論腹は出して、濃い青に金糸の縫い取りの胸元にも同じ色のベールがあり、手首や足首は青を基調に細くリボンの飾り。
 上から、短い丈の上着を羽織った姿は宇田川 千鶴(ja1613)だ。
「わあ〜、ちぃちゃん美人〜。青が似合うね〜」
 華やかな森浦の声が上がる。
「…これでええかな」
 対する千鶴は多少目が逸れていて。
「よくありませんね」
 カタリナは、あっさり切り捨てる。千鶴の衣装は森浦とカタリナの力作なのだが。
「…その上着は、どうかと…」
 上着は千鶴が露出の高さにめげての自力調達品なのである。
 じり、とカタリナはにじり寄る。
「”あの人”も呼んでますから、ね?」
 優雅に小首を傾げてカタリナが笑う。
「いやいや!それは関係ないやろ!」
 あのひと、に心当たりがあったのか千鶴の表情に焦りの色が見え隠れする。
 踵を返して、敵前逃亡。しなやかに地を蹴ったかと思うと、建物を駆けあがる勢いだ。
「あ、逃げた〜」
「追いかけますよ!」
 大人げない二人組、足で敵わないとなると背に翼を生やし、舞い上がる本気っぷり。
 カタリナが機転を利かせて絨毯を掴み上げ、森浦も同じく後ろを掴めば簡易の空飛ぶ絨毯が完成する。
 低空飛行から一気に舞い上がる魔法の絨毯が迫る気配。
「ちょっ、そこまでするか…!?」
 路地に逃げ込み、瓦礫を踏み越えて高く跳び上がりの派手なチェイスシーンにいつの間にか歓声が沸き起こる。
「ん、ちづねぇ?」
 幸か不幸か通りがかってしまったのは柊だ。
「逃がしてや!」
「あのね、捕まえて上着を脱がすの〜」
 千鶴と森浦の声が同時、ならすることは一つ――。柊は男らしく顔を上げ。
「ほらちづねぇ上着脱ごうぜ」
 全力で立ちはだかった!!
「あー…もうっ、味方はおらんのかーーー!!!」
 影手裏剣を生み出して、全力で柊にぶつけると――柊の額に、ざっくり。
 倒れ込みながら、しかし柊はやり遂げた顔だ。真後ろに森浦が迫っているのだから。
「覚悟〜」
 おっとりと言いながら上着に触れる瞬間、―――暴風が吹き荒れた。


●襲撃
 森浦が掴み上げられたのは、風の巨人。周囲には渦巻く竜巻が産まれている。
「きゃぁ〜、助けて〜」
 腕にか細い身体を掴まれながら、森浦なんだか楽しそう。隠しきれない幸福感が滲み出ている。
 悪に捕まる、これぞヒロイン!とばかりテンションマックスの胸中ではあるが。
「先にこれをどうにかしましょう…!」
 絨毯を置き、周囲を舞い上がって引き付けに走るカタリナに、千鶴も表情を切り替えてやるべきことを手早く駆けだす。
 壁を一気に走りあがって、建物の一つから身を乗り出し。
 その間にも、援軍は集まって来ていた。
「風は僕らに吹いている。悪しき者にはここでさよならを」
 対抗する風は、花篭から花弁を孕んで吹き上がる烈風だ。
 紫翠が忍術書から巻き起こす風に、巨人が阻まれ後ろに下がる。
「妖精とか精霊ってーのはですね!いい子じゃないといかんのです!  例えば私にお菓子くれるとか! 」
 正々堂々と言い放ったのは、ツインテの精を守護霊に持つ(かもしれない)二階堂 かざね(ja0536)。
 薄い色の衣装が彼女の軽い動きに合わせて鮮やかに靡き、まるで舞うように。
 だが、突っ込む前にツインテを揺らしてこれ見よがしにくるっとターン。それから、ハートでも飛ばしそうないい笑顔。
 人気アップも重要なところなので、萌えこぷたー大事。
 だが――彼女の隙を逃さずに、黒百合(ja0422)が大鎌を振るう。巨大な鎌が、軽々と小柄な体に振り回される。
「あはァ…存分に楽しませてあげるからねェ、楽しませてもらうからねェ…♪」
「――させません」
 更に割って入る、一陣の風。男装のアラビア装束から、襤褸外套を羽織る。縛られた髪が僅かに覗く、フードも目深のマキナ・ベルヴェルク(ja0067)。
 初手から、全力。
 包帯に覆われた片腕は、黒の焔を纏い黒百合を横から殴り飛ばしにかかる――。
 だが、腕を真正面から止めて拮抗するのは――一本の槍。
 ぼろぼろのローブに身を包み、顔すら見せない天風 静流(ja0373)だ。
「あはははははは、何もかも滅びなさい……!!」
 一際、強い風が吹き荒れて雀原 麦子(ja1553)が高笑いを重ねる。
 如何にも悪役風の、色合いを派手に装飾品も飾り立てた衣装に、勿論ヒール女性のたしなみとして露出もばっちり。
 彼女の登場シーンだけ視聴率が上がりそうな勢いだ。
「可愛い子を奉げる祭祀など、私が邪魔してやるわ!」
 狙いは白の司祭服に身を包んだ、白銀の少女雫(ja1894)。
 目を一杯に開いて、殊更に大きく声を上げる。
「如何して二人が其処に……、友達じゃなかったのですか!?」
「何を言ってるのかしらぁ、お嬢ちゃん?」
 ノリノリで悪役の笑みを浮かべる雀原。
「さあ、そっちの女も攫ってしまいなさい!」
 巨人に命じれば、太い腕を振り回して森浦を人質とばかり示して見せる。
「助けて〜」
 森浦、にっこにこではあるが。事態は結構切迫している。
「――援護します」
 紫翠が真っ先に動く。刀を手に切り込む、流水の如く流れる刀が、横薙ぎに宙を切る。敢えての大降りは、仲間の為の隙を作って。
「…いっせーの、で跳ぶんやで!」
 この辺りの呼吸は、多くを言わないでもわかるという信頼感。千鶴が合図と共に跳躍――。
 巨人が怯んだ隙に、カタリナが目前をすれすれで旋回しての攪乱を重ね意識を引き付ける。
 アクションの勢いに、千鶴の肩から脱げかけていた上着が完全に落ちてしまうが構っている暇もない。
 飛び込んだ勢いをその侭、刀を巨人の手に狙い外さず突き立てる!
 指先が、緩んだ! 落とされた森浦を、カタリナが空中で捕まえ、体勢を整える。
「大丈夫ですか?
「楽しかった〜」
 抵抗のそぶりも見せない森浦の返答に、カタリナは小さく笑って息を吐く。



●終幕
 エルレーン・バルハザード(ja0889)は、出番待ちの最後のボディチェック中。
 臍出しダンサーで攻める筈が、しかしながら彼女の両腕にはフリンジがついていたりして、往年スターの如くであるのはご愛嬌。
「うふ…せくしぃきゅーと♪」
 そして、命に詰め物をして荒野に山と谷を作成。
「こ、こういう衣装の時って、やっぱり『ここ』が重要なんだからッ!」
 万が一胸からこんにちわすると洒落にならないので、全力で詰める。盛って盛って。
 鏡で確認してから、彼女も戦場へと飛び出す――。
 狙いは、勿論悪い風の精霊だ!

「私が司祭だと知って騙していたのですか!」
 一方で雫は、炎波打つ剣を抜き払い、黒百合に応戦する。
 がちん、と鎌と刃が食い合った。
「関係ないわぁ…♪楽しみましょうねェ?」
 口許が愉悦に浮かび、真正面から切り結ぶ姿勢を不意に緩めると、一気に壁を走り天井までを駆け上がる。
 追いすがる雫と、高速の剣戟が繰り広げられ。
 捕天風が風を切る勢いで、大ぶりな槍を器用に操り胸を目がけての突き――。
 それは、蒼白い光を纏った神速の一撃。手加減しているとはいえ、派手なスキルの行使に、雫の身体が穂先に捉えられて後ろへと舞う。
 ――更に、轟と黒焔が鳴る。死角に潜み、雫を狙う機会をうかがう黒百合に向けて。
 序曲により秘術の力を引き出したマキナの、黒鎖が黒百合を絡め取りに――。
「あらぁ、…残念♪」
 確かに捕えた鎖は、彼女の身代わりを絡め取るに過ぎないが、マキナの口元は笑う。
「…互いに全力であればこそ、意味があると言うものでしょう?」
 撃ち合いと消耗戦覚悟。挑む眼差しに戦闘狂も受けて立つ。
「私はねェェェ。勝つのが好きじゃないのォ、戦うのが好きなのよォォォ!」
 地の底から響くような声と共に背後から首を狩り飛ばすつもりの大鎌は、皮を一枚切り裂くに留まる。
「じわじわ、嬲り殺してあげるわぁ…♪」
 本物の戦闘の高揚に、黒百合が機嫌よく囁く。
 黒百合が大きく跳躍して距離を取るのに、割って入るのは槍を携える天風だ。
 鬼心を使う彼女の周りには、張り詰めた濃厚な殺気が満ちる。下に薙いだ一撃が、幾人かの足元を払い相対するのはマキナと。
 フードがふと風に落ちて、顔が晒される。中にあるのは――メイクを施した屍人の顔。
「・・朽チロ」
「朽ちるのは、貴方です」
 再度、神速の槍が迸るが達人にしかわからぬ域で、僅かに速度と狙いを甘く。槍を下から掻い潜って、マキナが黒の焔を周囲へと満ちさせる。
 拳を腹に埋め込んだところで、ローブに炎が燃え移った。勿論これは、仕込みによる演出効果だ。
 ローブが燃え盛り――灰になる頃には、天風の姿は忽然と舞台裏に消えている。
「後は、貴方です!」
 雫と黒百合の剣戟も、一向に止む気配がない。斜めの方向から鎌の一撃が下りてきて雫は懐に飛び込み鎌の届きづらい接近戦を挑む。
 黒と銀の織りなす戦いは、もはや剣舞の域だった。拮抗を破るのは、再度の黒の鎖。
「…覚悟!」
 マキナが放つ黒の焔を身代わりに避けて。
 雫の背後に現れ、黒百合が捕まえようとするが彼女の目前には雫の剣が振り抜かれる。
 更に避けるには、いい加減空蝉も品切れだ。
「…必ず、迎えにくるわァ♪」
 最後に雫の首筋を指が撫でて――彼女の姿は闇に。
 次々と味方が倒れていくのを傍らに、雀原は精霊を必死に見せかけてけしかける。
「さあ、やっておしまいなさい…!」
 彼女の求めに応じて、竜巻が幾つも生まれ周囲の集落ごと巻き込もうとする。
「こわいよーー!」
「ままー!!」
 演技の迫真に子供が逃げ出そうとするのに、屋台の方から白い光が溢れる――。
 焔が行使した、光の翼だ。
「大丈夫だよ〜」
 この後ろは安全、とラインを示し。
 勿論、戦闘班も安全に配慮して戦ってはいるのだがパフォーマンスという奴だ。
「悪い精霊は、頼れる村の戦士たちが倒してくれますから安心ですよー?」
 櫟も飲み物を振る舞いながら、宥める。
 悪い精霊に向かうのは、折しも胸に詰め物をしたフリンジ衣装のエルレーンと、ツインテ含めて本体のかざね達。
「戦士…?」
 子供の疑問も最もだが。
「…戦士ですよー?」
 櫟は、一生懸命頷いて見せるのだった。
 ともあれ、ある意味最強の戦士達は風の精霊――巨人に挑む!
「行きますよーー!!!」
 かざねが意気揚々と宣言すると自らの身体がスピン。
 合わせてツインテも風に靡いて、最初はゆっくりと、――次第に高速に。
 連続のスピンは魅せ技ではあるのだが、見事な回転のツインテに目が引き寄せられる。
 手には白の双剣を握り締めて、真っ向から巨人の胸を狙い斬り放つ!
 風が、僅かに止む凪を逃さず、エルレーンが地を、――壁を駆ける。
 垂直に駆け抜け巨人の側面から接近。
 闇雲に振り回した腕は、敢えて姿を消しての空蝉で、背後に次の瞬間現れ。
「さあ!闇色の風は、夜の中に溶けて散れッ!」
 ノリノリの少女、萌えを高ぶらせる。ファンタジー系の薄い本ネタでも思いついちゃったのか、萌えはマックスだ。
 萌えのパワーを溜めて、背後から蹴り倒す!
 鮮やかな輝きが溢れてどう、と地に倒れ伏す巨人と、綺麗に着地するエルレーンの眩しい笑顔が見事に絵には、なっていた。
「そろそろ、観念したら如何ですか」
「何を小癪な!!」
 迫る紫翠に、装飾品の嵌る刀を抜き放つのは雀原だ。
 湾曲した刀と、真っ直ぐの刀が打ち合い、しかし押し負けて切っ先が、雀原の胸に届く。
 派手な血糊が飛び散り、舞台袖に吹っ飛ばされていくと――村には平穏が戻る。
 息もつかせぬ戦いの劇に、惜しみない拍手が送られた。


●終わりの後
「何とかなったみたいやねぇ」
 拍手で見守る千鶴の姿は、惜しげもなく晒す露出度の高さ。
 見栄えの良い姿に満足げに頷くカタリナ。
「ちぃちゃん、セクシーだね〜」
 こちらも幸せそうに、森浦が笑う。え、とばかり落ちていた上着に気づき引っ掴むが――。
「まぁ、依頼やし、えぇか」
 観念して皆で客の案内に行くことになる。
 人波を千鶴の目が緩く彷徨って、剥き出しの肩を僅かに撫でる。
 見に来るかも、しれんし。
 胸中で呟いた言葉は、誰にも届かないが。――誰かには、伝わるのかもしれない。無意識に探す彼女の、心ごと。

 仕事の終わりに屋台で仁科は小銭と酒を交換する。
「珍しい酒? それ、飲んでみてェわ」
 異国のラベルのビールを数本購入するのは、同僚への労いも含むのか。
「おじさーん、私もー!」
 こちらは悪役雀原。お疲れさん、と言葉を交わして見送るが彼女の背は何処かへ消えていく。
「私はお菓子ーー!」
 デーツの菓子を買い込んでチャイと共に頬張るかざねの姿も見える。
「ふむふむ、ナツメヤシの実ですねー! コーティングいいね!」
「そうなんですよー! 飽きが来ないよう色々作ってみましたー」
 櫟と二人、菓子談義に話の花が咲く。
 消耗品の補填や傷の手当ても行われて、皆元気に帰れるだろう。

 民家に入り込んで、挙句飾り物の高い食器をビールの器にしちゃった挙句天蓋付きのベッドで眠ってしまう雀原以外は。
「寝心地良さそうだったし、豪華な器でビール飲んだら味も変わるかなーって思って」
 等とは後の弁明の言であった……。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 撃退士・天風 静流(ja0373)
 仁義なき天使の微笑み・森浦 萌々佳(ja0835)
 幻の星と花に舞う・柊 夜鈴(ja1014)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 歌謡い・亀山 淳紅(ja2261)
 愛妻家・癸乃 紫翠(ja3832)
 災禍祓いし常闇の明星・東城 夜刀彦(ja6047)
 夜の帳をほどく先・紫ノ宮莉音(ja6473)
 気だるげな盾・仁科 皓一郎(ja8777)
重体: −
面白かった!:21人

撃退士・
マキナ・ベルヴェルク(ja0067)

卒業 女 阿修羅
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
天風 静流(ja0373)

卒業 女 阿修羅
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
お菓子は命の源ですし!・
二階堂 かざね(ja0536)

大学部5年233組 女 阿修羅
秋霜烈日・
機嶋 結(ja0725)

高等部2年17組 女 ディバインナイト
仁義なき天使の微笑み・
森浦 萌々佳(ja0835)

卒業 女 ディバインナイト
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
幻の星と花に舞う・
柊 夜鈴(ja1014)

大学部5年270組 男 阿修羅
二月といえば海・
櫟 諏訪(ja1215)

大学部5年4組 男 インフィルトレイター
夜のへべれけお姉さん・
雀原 麦子(ja1553)

大学部3年80組 女 阿修羅
黄金の愛娘・
宇田川 千鶴(ja1613)

卒業 女 鬼道忍軍
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
雄っぱいマイスター・
御手洗 紘人(ja2549)

大学部3年109組 男 ダアト
オシャレでスマート・
百々 清世(ja3082)

大学部8年97組 男 インフィルトレイター
愛妻家・
癸乃 紫翠(ja3832)

大学部7年107組 男 阿修羅
世界でただ1人の貴方へ・
氷雨 静(ja4221)

大学部4年62組 女 ダアト
聖槍を使いし者・
カタリナ(ja5119)

大学部7年95組 女 ディバインナイト
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
災禍祓いし常闇の明星・
東城 夜刀彦(ja6047)

大学部4年73組 男 鬼道忍軍
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
輝く未来の訪れ願う・
櫟 千尋(ja8564)

大学部4年228組 女 インフィルトレイター
夜舞う蝶は夢の軌跡・
簾 筱慧(ja8654)

大学部4年312組 女 鬼道忍軍
気だるげな盾・
仁科 皓一郎(ja8777)

卒業 男 ディバインナイト