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マスター:青鳥
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2012/08/20


みんなの思い出



オープニング

●お嬢さん、お手をどうぞ
 その夜ばかりは、誰もがとっておきの衣装を纏う。
 ダンスホールの中は着飾った紳士淑女でいっぱい。
 さらさらと光を滑らせるシルク、浮く光を重ねたオーガンジー、柔らかく肌を撫でるジョーゼット。
 色とりどりの花を一杯に集めたかのように咲き誇る乙女たちは皆姫君。
 だから襟元を正して、騎士は一つ深呼吸。
 さあ、勇気を出して。愛しい姫君に一輪の薔薇を捧げよう。

「ご一緒に、踊りませんか?」


 更には。
 メインフロアを出れば、そちらは賑やかにかがり火が躍るプールサイドパーティ。
 シェフが目の前でバーベキューの準備をし、所狭しとメイドがライムの沈んだスパークリングウォーターを配って回る。
 初めてであった人と次の瞬間には手を取って、心地よいダンスを。
 勢い余ってプールに飛び込んでしまう人もいるとかいないとか。



 つまりは、ダンスパーティである。



●例によって例の如く
「ダンスパーティに行きましょう」
 観月 朱星(jz0086)は瀟洒な白の招待状を、集まった撃退士達に配って回る。
 が、宛名は無く代わりに『モニター用』と大きな赤いハンコが押してあるのははたしてどういうことか。
「万が一の警備兼モニターということですわね?
 学生を主にして、ダンスパーティを浸透させようとする催しなのですけれど。
 戦闘力もあり、ダンスの素養があったり即興で踊れたり、何より皆様華やかですから。
 ぜひモニターに、ということです。
 騎士と姫君の舞踏会、ということでそんな堅苦しいものではございませんし。

 あっ、俺の彼女はシャイでさ…二次元から出てこないんだ、って方も壁の花になる必要はございません。
 皆で賑やかに遊べるスペースもありますから、是非一緒に遊びましょう。
 スタッフになって動いて下さることも歓迎ですわ」
 手を合わせ、機嫌よく笑う観月。
 頷いたものから順に、早速レンタルでの衣装合わせが開始するのであった。



リプレイ本文

●幕開け
 学生も多いこの場の様子を見遣った、真宮寺 神楽(ja0036)は口元に指先を当てて笑う。
「ここは私の出番かしら?」
 踊ったり誘ったりすることに慣れていないかもしれない、この若者向けパーティ。
 たいていの人間にはプレッシャーを感じることでもあるのだけれど。
 彼女に、不安の色は無い。
 ダンスはとても近しいものなのだから。

「今宵は舞踏会にようこそ。こちらではリバーダンスを披露いたします。
 繊細でありながら、情熱的な麗しの一幕をどうか、ご覧下さいませ」
 観月 朱星(jz0086)のアナウンスがごく楽しげな声で入りフィドルの軽快な音色が夜の屋外を満たしていく。
 ダンス用のハイヒールで危なげも無くターンとスピンを繰り返して、中央へ。
 ドレスは、見事に華やかな赤。ステップに靴音が音楽と合わさって硬質の音を立て、大きく足を跳ねあげれば花のようスカートの裾が広がる。
 かと思えば、上体を大きく反らしての静止は一瞬。音楽さえも止む、視線を引き付ける間をおいて。
 次の瞬間加速する、激しいタップダンス。上体は動かさず、視線は足元を見ないで皆へと向ける、華やかな笑み。
 踵の刻むリズムはどんどん加速して、しなやかなふくらはぎが裾から零れる、その角度すら計算されたような。
 音楽と、彼女の足先が、身体が刻むリズムが渦となって――一つの音楽となる。


●騎士と姫君達
 傲然と足を踏み入れるのはフィオナ・ボールドウィン(ja2611)。
 儀礼服を夜会に合わせて仕立て黄金を結う彼女に伴われ、アレクシア・エンフィールド(ja3291)も寄り添う。
 白のドレスに、肩からは露出を押さえるショールを纏い、何処かフィオナに縋るような眼差しは一瞬だけ向くものの、貴人たる立ち振る舞いが生える姿だ。
「さて…シア、参ろうか。我等の存在を存分に見せつけてくれよう」
「うん。行こう、姉さん」
 一人なら気おくれもあったかもだけど。今、自分をエスコートするのは誰よりも確かな、幼馴染の腕で。
 騎士然とした完璧な作法で礼を向けられれば貴人の姫として指先までも細やかに美しく白く、その手を取る。
 音楽は彼等に合わせたのだろうか、英国風の聴きなれたメロディで、十の頃からフィオナには踊れたもの。
 ステップの後に手を取り合うその形すら。
 完全に一つのものを二人で寄り合わせるように、彼女達は舞う。
 周囲の視線を空気のように吸って、艶やかに。
 だが、フィオナは多くは踊らずにアレクシアを椅子へと座らせ休ませることも忘れない。
 鷹揚に彼女は笑う。
「シアはそこで座っておれ。我が取ってきてやろう」
「有難う、姉さん」
 好みの物を言う必要も無かった。
 彼女が離れてしまえば途端にアレクシアの表情は少し頼りなげになる。
 いかにも箱入りの美少女といった装いに、好奇の視線が、一つ、二つ。
「……ねえ、君次は俺と踊らない?」
 学園の者ではない男が、馴れ馴れしく彼女に声をかける。
「………え」
 途端、アレクシアの表情が強張る。
 緊張に頬が高潮するのに男が腕を伸ばし――。
 割入るのは、当然の如く騎士たる彼女。
 丁度、腕を己の腕で自然にはじく形に。
「我の連れに何か用か?」
 うっすらと笑みを崩さない堂々たる姿に、男が二の句を告げなければもう、彼女の眼には入らない。
「シア、喉が渇いたろう。冷えたものを持ってきた。だが、後で紅茶で身体を温めることを忘れぬようにな」
 何くれとなく世話を焼く、彼女の腕に、そっとアレクシアが己の腕を絡める。縋りつくよう、しがみつくよう。
 一つだけの、確かなもののよう。

 一通りを眺めれば、仁科 皓一郎(ja8777)は何処か楽しげに笑う。
「騎士と姫君か…ガチで乗んのも面白ぇ」
 彼の衣服は、お任せでとの言葉に大はしゃぎの女子達に黒の騎士風に銀糸縫い取りが誂えられていた。
 あまり煌びやかにはせず、スマートに。勿論、着崩されても良いように襟元は緩めることが出来る仕様。
 彼の探し人は、すぐに見つかった。彼と対照的に、何処までも純白の新井司(ja6034)。長手袋から、腰元に結ばれたリボンまですべてが曇りのない白。
 故に、迷いのない足取りで真っ直ぐ。
「見つけたぜ、姫君。俺と踊っちゃくれねぇか?」
「あら? 勿論、――喜んで」
 柔らかく、眩しいリボン。差し出された手首に、柔らかく結んで。
 仁科の口元には、いつものくつろいだ笑み、口調も軽快に。
 彼女を緊張させないよう、簡単なステップから。
 それでも、司の爪先が慣れずに縺れて彼の足を踏んでしまう感触があったのだけど、表情も変えずに、
「次はターンだ、姫君?」
 夢や眩しさに満ちた華やかな舞踏会。
 けれど、彼女の手にあるのはただ一つ、強く優しい人の手で。
 夢より希望より、今は確かな、優しい温度、甘いリズム。

「寒くねぇか?」
 テラスでは肌寒かろうと、仁科は彼女に上着を勧めて。
 それから、グラスを触れ合わせ乾杯。
「有難う。それから、ごめんなさいね」
 足、と申し訳なさそうに司が言えば、彼は大仰に首を竦めて見せる。
「踏まれたか?お前さん、羽根みてぇに軽いからわかんねぇよ」
 曇りない笑いに、司が表情を作りかねた後やっぱり微かに笑う。
「さ、夜は短けぇんだ。楽しもうぜ。欲しいもんはあるか?」
 望めば星だってとって来そうな騎士ぶりに、司はまずグラスを掲げて。
「もう少しだけ、踊りましょうか」
 優しい温度で、スローなワルツを。
「そりゃ歓迎。お前さんみたいな綺麗な姫君と踊れるなんてな?」
 帰り際、彼女の胸に甘い薔薇が抱かれるまで、もう少し。


「うわぁ〜っ、ホントに舞踏会だぁ…」
 栗原 ひなこ(ja3001)が感嘆する。
 傍らには淡い色のレースで彩られたドレスを纏う市来 緋毬(ja0164)。
「ひまちゃん本物のお姫様みたいですっごく可愛いよっ!」
 魔王も放っておかない姫っぷりに明るく弾む声を立て、栗原も自分の格好へとおずおずと視線を向ける。
 彼女も、幾重にもレースの重なる愛らしいドレス姿。
「お姉ちゃんもとても可愛いです♪」
 似合わない、なんていう隙を与えない市来であった。選びっこしたドレスは、お互いを引き立てる可愛らしいもの。
「あ、ありがとうー。…紹介するね、理人くん」
 少し照れながら丁度合流できた天上院 理人(ja3053)へと栗原は話を振る。
 白を基調の聖騎士風の衣装に、青のマント。物語から登場した王子様のような。
「君達のナイトとして恥じぬよう相手させてもらう、まずは薔薇をどうぞ?」
「はい!これはあたしからっ!紫色のリボンにしてみたんだー」
「ひなお姉ちゃん色のリボンです♪  私からもお返しです」
 理人が薔薇を差し出せば、栗原からのリボンも受け取って市来は胸へと差す。
 彼女もまたリボンを、姉と慕う人と、初対面の騎士へ。
 更に、栗原からリボンを受け取る理人は手首に巻いて。彼女の手を絡め捕まえて、跪くと手の甲へ顔を寄せ。
「え、えっと…!?」
 動揺する栗原が手を引っ込める隙はあるという気配りだった。
「さあ、僕と踊ろうか」
 素知らぬ顔で、市来をまずは誘う。
「‥折角なので踊ってみたかったのです」
 照れて笑う彼女に、簡単なステップからゆっくりとエスコート。
「市来はどこか抜けている風に見える。慣れてないなら、僕に任せて」
 楽しげに笑いながらも、ステップやリードの仕方に気遣いの見えるゆったりとしたダンス。
「これでも鬼道忍軍なのです。ドジではないのですよ」
「忍軍とドジが関係あるのか?」
「…素早くその場を立ち去れます!」
 それは結局、と突っ込もうとした瞬間にドジでない忍軍、思い切り気を取られて理人の足を踏むまでがお約束。
「‥はわっごめんなさい」
 流石に肩を落とす彼女に、ふ、と笑うのは理人ならでは。
「逃げずに最後まで踊るならいいだろう」
 しっかりと手は繋いだ侭で、最後にくるりと彼女へと簡単なターンを教え、曲は終わる。
「何か、本当にお姫様のようです。ありがとうございます」
 花綻ぶように笑う市来を満足げに眺める栗原は、サンドイッチを頬張りながら鑑賞中。
「ふふふっ、良く似合ってるよ♪ 物語のワンシーンみたい」
 しかしのんびりの暇はあんまりない。
「お姉ちゃんは踊らないのです?」
 期待たっぷりの顔に、栗原は弱い。
 その横で、当たり前の如く手を差し出してくれる理人がいるわけで。
「え? あ、あたしダンスってそんな得意じゃないというか……」
 焦って両手を振るも二人とも諦める気配は無く。
「えぇっと、お手柔らかに…ね」
 彼女もまたフロアへと。
 彼が選んだのは、スローなテンポの落ち着いた曲。
 市来よりさらに慣れていない、と判断する理人の気遣いだ。
 すぐにでもスカートの裾を踏んでしまいそうな彼女を、熟練した優雅なリードで。
 音楽の終わりにはゆっくりと、一回転。それから身体を傾け、背中を支える形で触れ合う。
「良い思い出になりますよ」
 背中を押してくれた市来の言葉を舞踏会の真ん中で栗原は思い出していた。



 艶やかな金が滑らかな黒絹に映えるエリス・K・マクミラン(ja0016)。
 仕立ての良いドレスに今日は晒した素顔へと堂々と歩み寄る男がいる。
 赤銅の騎士クジョウ=Z=アルファルド(ja4432)は、顎を引き。
「踊れるか?“魔女”?」
 躊躇わずに膝を折って、身を伏せる。何より美しき花を請うる、正しくの騎士の如く所作で瑞々しい薔薇を差し出す。
「これでもクライン家本家のパーティで何度か経験していますので」
 薔薇を慣れた仕草で押し抱き、胸元へ。そして、彼へとリボンを。
 難解な音楽が響くのにエリスは躊躇わず、ダンスを開始する。クジョウも、慌てる素振りは少しも無く。
「……お前を、人の不幸を好み悪意を愉悦とする魔女だと考えていた」
 周囲に響かぬ声で、淡々と口にする。彼が、語るのはあくまでも過去の話。
「確かに私は魔女の末裔で、更に正義を好みません。ですが、だからといって悪人でもありません」
 真っ向から、平静に返すエリスの腰が不意に強く抱かれ、自然と顔が近くなる。
「……だからこそ。お前が、人類の敵に回るということになるのなら」
 呼吸の掛かる、酷く近い位置。眼差しは、強く熱を帯びて。
「その時、お前を殺すのは俺の役目だ。目を、離さないからな」
 それこそが、誓いのように。
「…っ…。…それに、」
 エリスの呼吸が乱れる。けれど浮かぶのは、湖の如く澄んで凪いだ色。
「私は一度絶望と闇を知りました。だからこそ私はもう二度とその闇に飲まれたくありません」
 黒を纏い魔女を名乗る少女は目の前の男へと笑いかける。
「ですが、私にとって部室の友人達や貴方の存在は、その絶望から救い出してくれる。そう思っていますよ」
 ふわりと距離を少しだけ作って。彼女はまた、ダンスを始める。
 彼女の腰に添えた腕もその侭。


 星杜 焔(ja5378)はチェリーパイやマンゴータルトなど作っていたのだけれど。
「え〜、騎士が足りない?」
 観月に言いくるめられるのもわりと最近よくある光景だ。
 ラベンダーと白をメインに金の縁飾り、ドレスシャツも鮮やかな騎士は耳飾りだけは外せないと指で撫でる。
 雪成 藤花(ja0292)は清楚な白のAラインのワンピの裾を指で何度も直して、藍ストールも綺麗な巻き方を考えて。
 精一杯の、一番おめかしできた自分になってから。
「あの、踊って、頂けますか?」
 心臓の音を押さえ、手にはリボン。
「いいよ〜」
 優しい笑みで、焔は頷いて。が、彼女の足が何処か震えているのに気付くと、フロアではなくテラスへと足の向きを変え。
「焔先輩?」
「テラスの方に行こうか〜」
 気遣う仕草に気づいて、藤花もそっと頷く。
 改めて、握り締めていたリボンを差し出す。
「…一晩、騎士様になって下さい」
 そのリボンを持つ、手ごと押し抱くよう焔は抱き締める。
 尊いものを、抱く仕草で。
 静かに顔を伏せ、その小さく儚い手に唇を寄せる。
「……っ、あ…」
 俯いて、一生懸命前髪に表情を隠す。
 リボンが解けて、代わりに薔薇の感触がある。
 貰った薔薇も、甘い手の甲の徴も、きっと一生、忘れない。
 焔の眼差しは、藤花を愛おしむように。
 何処か、似ている。
 焔は、彼女を見る度にそう思う。
 剥き出しの心で飛び込んでくれて、ひたむきな愛情を添えてくれた妹。
 今は、もう居ない、誰か。
 笑う表情の侭、己の耳飾りを撫でる彼に、藤花はただ寄り添う。
「わたし、先輩のこと、すきですよ」
「うん、有難う〜」
 当たり前のやり取り。焔は、友愛以上の先を、知らないだろうけれど。
 自分の奥に誰を見ているのか、不安でたまらないけれど。
「少し、落ち着いたら踊ろうか」
 差し出してくれる手は、こんなにも近くにあるんだから。
「はい!」
 繋いで、ゆっくりと並んで歩く。
 ゆっくりと。
 届きますように。


●次なる幕に
「続きまして古式の扇舞。夏宵の雅をお楽しみ下さいませ」
 アナウンスが響いて、胡蝶の描かれた華やかな振袖にきりりと袴姿の簾 筱慧(ja8654)が、フロアの休憩に合わせて舞い始める。
 彼女が使うのは、扇。開いた扇は、色とりどりの紐が長く連なるもの。
 まずは開いて、顔の横から水平に滑る、雅の仕草。黒の蠱惑的な眼差しが、周囲をゆったりと見渡していく。
 動作は激しいものでなく、しなやかで型に添った静の美。
 指先ひとつ、扇をたたむその瞬の角度まで計算された美しい仕草に、誰かが思わず息を飲む。
 扇をぱっと広げれば、顔は一瞬で隠されてしまって。
 衣擦れ、さざめき。
 夏宵の幻を見るような演技を一通り披露してみせた後は、屏風を背後に幾つも並べられる、棒に掲げられた扇。
「私の手にかかれば、どんな的だって落として見せるわね?」
 綺麗なウィンクをひとつ。
 その瞬間ばかりは、意識を研ぎ澄ませて。
 すう、と呼吸の後に長い袂を綺麗に捌いて、扇を放る。
 目にも止まらぬ速度で、的を落としていく早業に拍手が巻き起こった。

 華やかな一幕を、壁に背を預けて眺めている人もいる訳で。
 マキナ・ベルヴェルク(ja0067)は漆黒のスーツに、赤のタイを凛々しく締めた男装姿。
「お飲み物は、いかがですか?」
 白を基調とした騎士服姿で従士の如く給仕に立ち回る神月 熾弦(ja0358)が、グラスを銀の盆に載せて彼女に勧める。
「有難うございます。…これは?」
 彼女が差し出すのは赤の薔薇。姫君の胸には映える色。
「私も頂ける?」
 壁の花となって皆の楽しげな姿を機嫌よく眺めていた楊 玲花(ja0249)にもの給仕と共に差し出すのは真紅の薔薇だ。
「楽しんでいって下さいね」
「有難う、貴方もね」
 銀の髪の端正な表情が柔らかく笑い、騎士の礼をして給仕に戻っていくのを彼女は見送り。
 入れ替わりに彼女の様子を窺っていたのは、榊 十朗太(ja0984)だ。
 彼の瞳は、何処か悪戯を思いついた子供のよう。
 本来、昔馴染みである彼女に、堂々と闊歩して距離を詰め。
「‥‥麗しの姫君。
 どうか、この私と踊っては頂けませんか」
 気取った口調で、さも、初めて出会った姫君に誘うが如く。
 実際、今日の彼女は整えたメイクに艶やかな衣装の華やかな姫君ではあるのだけれど。
「‥‥お誘い頂きありがとうございます」
 悠然と、綺麗に塗られた唇が笑う。
 手を取り合いフロアで舞うのは、初対面とは思えない程呼吸を知った榊のリードに、躊躇わず身を任せる楊のダンス。
 背に添う腕の角度すら、なぜか安心して身を委ねられるような。
「お上手ですね、ダンス」
「いいえ、姫君。貴方がとても踊りやすい方だからだ」
 一夜限りの笑いさざめく他愛ないやり取りに、会話は弾む。
 場をテラスに移して、甲斐甲斐しく榊が運んでくるものも彼女の好まないものは一つも無かった。
 夜の中では、顔は何処か朧。
 通った鼻筋に、声の深みのある響きに。
 少しだけ、彼女は瞬いて。
「あの、何処かで――?」
「ああ、ずっと前からな?」
 頃合、と途端に子供が笑うようにくしゃりと表情を崩して、榊は改めて己の名を名乗る。
 楊の目が、大きく見張られて。
「‥‥十朗太君だったのか。
 何年ぶりだったかしらね、こうしてゆっくり話をするのって。
 気軽に話し掛けてくれれば良かったのに。
 改めてよろしくね」
 余所行きとは少し、違うくつろいだ表情で改めて彼女は腕を差し出す。
 今宵一晩の騎士に、――古き友人に。
「‥‥気付かれなかったのはちょっとショックだな。
 まあ、最後に会ってから結構経っているし、 お互い大人になったという事だろうな。
 改めてよろしく頼むな」
 そうして繋いだ握手は、確かにもうずいぶんと昔の感触とは全くと違って。
 温もりだけは、変わらなかった。

 マキナが見るともなしに眺めていれば、――目の前に立つ姿があった。
 騎士の装いに、赤の外套。何処か表情の薄い少年、蘇芳 和馬(ja0168)が慣れ親しんだ彼女を見つけ、歩み寄ったのだ。
「…マキナ先輩も居たのか」
 問うよう眼差しをマキナが上げる。
「…この様な場所は苦手なのでな」
「まぁ、正直私も得意ではありませんよ」
 苦笑で返して、一度会話は途切れる。
 だが、蘇芳は離れる様子を見せず、マキナの隣に軽く凭れて。
 自分を見る柔らかな眼差しに、マキナは首を傾げる。
「どうか、しましたか?」
「…いや、先の大規模作戦を思いだしてな」
 珍しく、彼の表情に柔らかな笑みが乗る。
「…生の実感が薄い我が身なれど、背中を任せられる存在と寄せられた信頼は確かに感じ取れ、充実した瞬間だった」
 目を伏せれば、思い出すのはあの薄氷を渡るが如くの戦い。
 マキナは己を囮に怪我を負い、その上で助けろでも守れでもなく「行け」と動けぬ身体で示した。
 戦略、戦術、――そして、信頼。すべてが噛み合わなければ、コアに何もかもは届かなかったかもしれない。
「…私も、和馬の事は『戦友』だと思っていますよ?」
 同じことを思い出してか、マキナの目が少し細くなる。
「…故に此処で誓約を為そう」
 背筋を正して、彼はマキナに向かい合う。肩を並べるのでなく、正面から見合う位置へと。
 彼女に向けて、胸に手を当て真っ直ぐな声音で。
「そんな大仰にせずとも…」
 返すマキナの声も、何処か柔らかい。
「ですがまぁ、そう言って頂けるのなら」
けれど、直ぐに雰囲気を改めて真摯な姿勢で彼女もまた彼へ応ずる。
「…戦場で貴女達と共にある限り、その背中を護り、信頼を決して裏切らない事を誓う」
 彼が両の腕に抱くは、一輪の薔薇。捧げ持って、ただ一人の彼女へ信の誓いを約するものとして。
 マキナもまた両手で受け止めて、その香りと強さを確かに受け取り己の胸へ。
「では私も此処に誓いましょうか――貴方の信頼を、裏切らないと」
 内ポケットに一度しまったリボンを、彼の手へと誓いの形で強く、結ぶ。
 それから、不意にその手を彼に向けて差し伸べる。
「折角です。少しは踊りますか?」
 エスコートを求められた騎士もまた、表情を和ませて確かに頷き。
「…ああ、戦場でなく貴方と舞うのも悪くない」


「……自分がここにいるのって、場違いじゃねーですかね」
 逆城 鈴音(ja9725)が勿論場にそぐわない訳ではない。可愛らしく何処か稚い少女は、十分愛らしい姫君で。
 ただ、周りに年上が多いのが彼女を気おくれさせる原因だろうか。
 冷たい飲み物を飲んでも、頬の熱さは今も引いてくれやしない。
 だって。
 遠くからでも、その姿は分かった。
 紋章入りの入りの騎士衣装も凛々しく、艶のある金髪を今日は三つ編みに。
 彼女だけを見つけて、人並みに埋もれてしまいそうなのを見つければ、躊躇わずに庇って引き寄せてくれる姿。
 今日の騎士である、犬乃 さんぽ(ja1272)だ。
「さぁこっちだよ、お姫様」
 壊れ物でも扱うかのように、そうっと。
「あ、有難うござい、……ッ、うわ…!」
 踵の高い靴に長いスカートとなれば、歩きにくいのは当たり前。
 けれど、床に顔がぶつかったりはしない。
 衝撃を覚悟して視線をそろ、と上げると、抱き留めてくれるのは見た目よりずっと力強いもの。
「大丈夫だよ」
 明るく、眩しく笑う姿がそこにあった。
「ボクと踊って頂けませんか?お姫様」
「……あ、ありがとごぜーますよ」
 緊張で跳ねる胸を押さえながら、まずはお礼。
 それから、一呼吸。
 全く赤い頬は収まりもしないけれど、差し出される薔薇を受け取って胸に。
 そして、リボンは彼に。
「自分で、迷惑をかけねーんでしたら」
 慎重に、そう答えて一夜限りの姫と騎士の約束を、確かに交わす。
「……わー」
 フロアの中央に躍り出てみれば、誰もが綺麗に着飾って艶やかに舞い笑う、不思議な空間。
 大人ばかりのその場所に、気後れしないこともない、のだが。
「うう、大人ばっかじゃねーですか……」
 弱気になる彼女に、しっかりと支える手はあるのだった。
「そんなに固くならないで…ボクに任せて」
 優しい声が、直ぐ近くにある。犬乃はごく自然体で、話すことも気取った会話ではなく、他愛ない話で。
 何が美味しかった?とか、そんな言葉を交わしている。
 こけそうになっても、直ぐにさりげなく体勢を整えてくれる所為か、派手に転んでしまうことも無くて。
「皆、好きな人と好きに遊んでるだけなんだから。ボク達も、楽しく、ね?」
「……そういうものなら、自分も頑張るですよ」
 緊張はまだ緩まないものの。ひと時の、楽しい舞を。
「…あら、さんぽちゃん今日は男装ですか?」
 通りすがりに、飲み物を給仕していく観月に、しかしちょっと犬乃の肩が落ちる。
「観月先輩、男装って言っちゃ駄目ぇ…」
 犬乃の抗議にぱちりと瞬く逆城。
「あら、冗談ですわ。とても素敵な、姫君と騎士ですもの。どうか、楽しんで行って下さいませ」

 盛大な拍手は簾のジプシーショウが終わったところだろうか。
 肌を晒して、妖艶な衣装に身を包んだ彼女の一幕は、一部の男性に大変受けたと聞いた、が。
 当の彼女は。
「ふふ、可愛らしい騎士様ね。薔薇を有難う?」
 神月の給仕に声をかけての歓談をしているようだった。
「お二人とも、お仕事お疲れ様です。朱星と、プールの方に行きませんか?」
 良ければ少しは楽しんでくださいませ、と働き手達を労って。
 他に誘う相手がいないかと辺りを見渡せば、部活の友人を見つけて手を振って見せる。
 視線の先にいるのは、如月 紫影(ja3192)。
 上半身を覆う鎧を纏って、剣を差した完璧な騎士の出で立ちの彼は、しかしながらここに居ない恋人に誠実にあろうとした結果の壁の花だ。
「紫影さん、どうなされたんですか?」
 おひとりで、と首を傾げる観月に薔薇を掲げて彼は笑う。
「流石に、恋人以外に薔薇を渡す訳にもいかないので」
「まあ、紳士ですね? なら、朱星と遊んで下さいませ。皆となら、きっと賑やかですもの」
 ね、と袖を引く少女の誘いに応じて、如月も共にプールサイドに。
 そちらは、既に十分に賑やかなことになっていた。
 
●話は、少し遡る
 華やかな舞踏会もたけなわ。
 菊開 すみれ(ja6392)は一人海老のキッシュを齧っている。
 綺麗な青の、しっかりとバストラインまで考えたドレス姿も愛らしい彼女は、しかしながら一人だ。
 素敵な人に出会いたいな、なんて考えてはいるものの。結局は、壁の花になりつつあるところ。
「すみれちゃん? 一人?」
 柊 夜鈴(ja1014)が騎士に扮した姿で、気軽に声をかける。
「あ、柊先輩。……はい」
 少し驚いてキッシュを飲み込んでからの返事。見てみれば、彼にも連れはいないようだ。
「良かったら、一緒に行く? プールの方も、楽しいみたいだし」
 片手をポケットに突っ込んで、自然に誘う仕草に、一も二も無く頷くすみれ。
 壁の花より、二人で遊べる方がお互いにきっと楽しい。
 プールでは、賑やかにシェフが肉を切り分けたり、巨大なプリンを冷蔵庫から出して来たり。
「何食べようか?」
「……プリン、かな?」
「デザート以外も食べよう…?」
 並べられるのは熱々の串焼き肉に、冷えたライムソーダ。
 開放的な屋外では、皆が好き勝手に体を動かしたり、遊んだり。
 水着姿で、プールに飛び込む水しぶきさえ近い。
「賑やかだね」
 氷をかき混ぜながら言う柊の横顔は涼しげで。
 このお祭りじみた空気を彼なりに楽しんでいる様子は見て取れた。
 すみれは、深く深呼吸をして。
 ポケットの中に、ずっと掴んでいたリボンを勇気を出して引っ張り出す。
「あの!良かったら、このリボン付けて貰えませんか!」
 震える指、声。彼女なりの、勇気がそこに見えて、柊も少し言葉を失う。
 けれど。
「ごめん……すみれちゃんのリボンを受け取るわけにはいかないんだ…」
 首を振る。彼には、特別な存在があるが故に。
「そ、そうです…よね」
 肩が目に見えて落ちて、頬が赤くなる。咄嗟に彼女は、その場から駆けだそうと地を蹴って。
 菫色のリボンを握り締めて追いかける柊の視界から消えた。
 代わりに立つのは、水しぶき。
「ちょ、ちょっとすみれちゃん!?」
 躊躇わず飛び込む柊が見たのは、彼女のドレスの肩紐がずれて大惨事が今始まろうとしているところ。
 慌てて上着でくるんで救出。
 彼は、色んな意味で世界を救った。
「〜〜〜っ!!!」
 胸を覆い、パニックの彼女を引き上げた最中に。
 観月達が、辿り着いたわけである。
「夜鈴さんが騎士様で良かったです」
 実感めいて、しみじみと言う観月。
「あら、可愛い子ね? 一緒に、踊らない?」
「…そうですね、少し皆で休憩と言うのも、悪くないかもしれません」
 簾や神月が、皆の注目を逸らしに会話を始め。
「折角ですもの、踊りませんか?」
「なら、私も喜んで」
 誘いを快諾するのは、如月だ。
「僕も仲間に入れて貰ってもいいですか?」
 丁度、一通りを見たのだという佐藤 としお(ja2489)の合流も歓迎と共に受け入れられる。
 注目から庇う人垣が出来て、柊と顔を見合わせ二人揃って、小さく息をつく。
「…有難うございます」
「これでも、飲んで」
 柊が勧めたソーダの瓶に、結ばれたのは小さなリボン。

 鳴り始めた音楽は、お遊びのミックスタイム。
「あ、これはワルツだ」
 佐藤が近くの神月の手を取って、観月も如月の手を借りて、それぞれが緩やかなワルツをひとくさり。
 かと思えば、いきなりのヒップポップ。
「踊りなら、私のお手の物だ」
 万事死角なし、如月。
「身体を合わせて動かせばいいんですか?」
 見よう見まねで、佐藤が大きく身体を低くしてのスピン、その肩を如月が飛び越す派手なアクションで、大きく歓声が上がる。
 体格の良い男二人が大きくスイングから難しいスピンまでを決めれば、即興のダンスシーンにプールサイドはミリ上がり。
 次第に、その場にいる人波が一斉に即興でのヒップポップタイム。
 今度は、皆が思い思いに身体を揺らす。簾は、なんだかおもに女子の方にくっついたりもしていたが、観月辺りにはハグを返されてしまったり。
「すみません、神月さんもお仕事中にこんな賑やかなところにお誘いしてしまって」
「…これはちょっと慣れないですけれど、ワルツなら大丈夫です」
 音楽の切り替えに、なら、とばかり観月がダンスを強請る。整った流麗な所作の、神月の舞もまた麗しく、月を背に薄い色の髪が光を返す。
「楽しい夜に」
 佐藤がグラスを掲げる。
「乾杯!」
 如月が、観月が、幾人もグラスを持って唱和して。
 後は楽しく、良い夜を――と思ったら。

「ふぁ〜ちょっと眠くなったな…」
 佐藤がそんなことを言って飲み物片手に、ゆっくりと椅子へと目を横たえさせる。
 夢の中では、悪い魔王。
「世界からダンスを奪うのじゃあああああああ」
「そんなことはさせないぞ! 今行きます観月さん!!」
 騎士の出で立ちで艱難辛苦を乗り越えて。
 ラノベなら十巻くらいはそりゃもう紆余曲折の挙句に魔王をデストローイしたってのに。
「あっ、御機嫌よう佐藤さん。今、王子様が倒して下さったんですよ」
 と、女子っぽい王子に観月がゆりゆりと懐いている。
「え、ちょ、ま――!!!?」

 ばしゃああああん、と盛大に水しぶきを佐藤が上げたのも、また別の話。


●夜の帳
 少しだけ、その喧騒から距離を置いていたのは紫ノ宮莉音(ja6473)。
 彼にだけ聞こえる幻のタンバリン。麗しの、もう手の届かない舞姫。


 実際にここに居るのは、手を取り合い笑い合う騎士と姫君。
 賑やかに音楽も、笑いも弾ける夢のような空間。
「戯曲の、…かなー」
 主人公だったとしたら、と、少しだけ考える。
 そうしたら、物語も、この手も動くのだろうかと。
 手に持っていた仮面を、ゆっくりと顔につけてしまえばもう己の表情は己にすら分からない。
「演じるのも、悪くないのかも」
 全ては泡沫の如く、いつか覚める夢なら。
 騎士の顔を作って、迷わずに見つけるのは紫紺の髪の少女だった。
「あら、莉音ちゃん」
 十分に遊んだ顔で、観月は笑う。見慣れた、女友達へ向ける気安い声で。
「お許しいただけますか? 一曲だけ」
 けれど、差し出す腕と誘いの言葉に、少しだけ目を大きくして。
 その後、漸くエンパイアスタイルのドレスの裾を持ち上げ、少しだけ膝を下げる礼で返す。
「勿論ですわ、喜んで」
 重なる手を取って、エスコートは完全に任せる風情で。
「踊るなら、月の下が朱星は好きです」
「なら、姫君の望む侭」
 テラスへは続かずとも、フロアでもなくプールサイドの一角を選んで強請り。
 完全にリードを任せる、けれど伸びやかなステップは伴奏の音楽も遠い、殆どがお互いの記憶頼りのダンス。
 時間もそう長くは無くて。
「――お相手を有難う、姫」
「いいえ。こちらこそ」
 繋いでいた手が解けるその合間。
「月より確かな、明日でお会いしましょう。莉音君」
 夜の帳の先に伸ばした感触は、未だ、何処かに残っている。


 音楽は、遠く近くにまだ響く。
 踊りつかれて眠るまで。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 光灯す夜藍の舞姫・真宮寺 神楽(ja0036)
 撃退士・マキナ・ベルヴェルク(ja0067)
 流水の太刀・蘇芳 和馬(ja0168)
 思い繋ぎし紫光の藤姫・星杜 藤花(ja0292)
 思い繋ぎし翠光の焔・星杜 焔(ja5378)
 撃退士・新井司(ja6034)
 夜の帳をほどく先・紫ノ宮莉音(ja6473)
 夜舞う蝶は夢の軌跡・簾 筱慧(ja8654)
 気だるげな盾・仁科 皓一郎(ja8777)
重体: −
面白かった!:18人

BlackBurst・
エリス・K・マクミラン(ja0016)

大学部5年2組 女 阿修羅
光灯す夜藍の舞姫・
真宮寺 神楽(ja0036)

大学部4年177組 女 陰陽師
撃退士・
マキナ・ベルヴェルク(ja0067)

卒業 女 阿修羅
何も怖くない(多分)・
市来 緋毬(ja0164)

大学部4年213組 女 鬼道忍軍
流水の太刀・
蘇芳 和馬(ja0168)

大学部3年213組 男 アカシックレコーダー:タイプB
『九魔侵攻』参加撃退士・
楊 玲花(ja0249)

大学部6年110組 女 鬼道忍軍
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
神月 熾弦(ja0358)

大学部4年134組 女 アストラルヴァンガード
『榊』を継ぐ者・
榊 十朗太(ja0984)

大学部6年225組 男 阿修羅
幻の星と花に舞う・
柊 夜鈴(ja1014)

大学部5年270組 男 阿修羅
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
『天』盟約の王・
フィオナ・ボールドウィン(ja2611)

大学部6年1組 女 ディバインナイト
懐かしい未来の夢を見た・
栗原 ひなこ(ja3001)

大学部5年255組 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
天上院 理人(ja3053)

卒業 男 ディバインナイト
久遠の誓約・
如月 紫影(ja3192)

大学部7年244組 男 インフィルトレイター
不正の器・
アレクシア・エンフィールド(ja3291)

大学部4年290組 女 バハムートテイマー
ノブレス・オブリージュ・
クジョウ=Z=アルファルド(ja4432)

大学部6年211組 男 ルインズブレイド
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
新井司(ja6034)

大学部4年282組 女 アカシックレコーダー:タイプA
リリカルヴァイオレット・
菊開 すみれ(ja6392)

大学部4年237組 女 インフィルトレイター
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
夜舞う蝶は夢の軌跡・
簾 筱慧(ja8654)

大学部4年312組 女 鬼道忍軍
気だるげな盾・
仁科 皓一郎(ja8777)

卒業 男 ディバインナイト
夏宵の姫は薔薇を抱く・
逆城 鈴音(ja9725)

中等部3年3組 女 アストラルヴァンガード