『なろうコン』応募作品ピックアップページ

この度はエリュシオンライトノベルコンテストへ
非常に多くの作品をご応募いただいており、まことにありがとうございます。

このピックアップページでは、『なろうコン』にご応募いただいている作品を
随時ピックアップし、可能な限りさまざまな作品を、「小説家になろう」の
ランキングに関わらず、一人でも多くの方の目に留めてもらおうという
企画となります。

コンテストの企画の一環ではございますが、ピックアップされたから
選考に優位である、といった点はなく、ご応募いただいた作品の中から
スタッフが読んでみて面白い、面白そうだと思った作品を
ピックアップしてまいります。

ピックアップ作品の選出においても、本選考と同様にあらすじ及び内容を
重視して選出してまいりますので、ぜひ魅力あるあらすじの
作成を行ってみてください。

なお、あらすじは本文の「あらすじ」より抜粋させていただいております。

※ピックアップされたからといって、最終選考に選出されるわけではございません。
 また、ピックアップされなかったからといって、最終選考に選出されないわけでもございません。
※本企画は、非常に多くのご応募をいただいた作品の中から、少しでも多くの
 作品をさまざまな方の目に留めていただくための企画となります。


12月25日分ピックアップ

タイトル

エリュシオン・サーガ

作者

今眠居

あらすじ

(クラウドゲームス株式会社のWTRPG「ELYSION」の二次創作小説です。原作イメージと著しく違っている気がする。どうしよう(´・ω・`))
  久遠ヶ原学園に所属する主人公は、死と隣り合わせの日常を生きていた。
  先輩のクドウからは次のリーダーとして期待されるが、主人公は自分の指揮下で仲間が死んだ事を悔やみ、リーダーとして働く自信が持てないでいた。
  そんな時、魔女と呼ばれる女性アイリと出会い、彼女の標榜する不殺という主張に感化される内、恋心を持つようになっていく。
孤立主義者として有名だったアイリは、ある日突然、主人公達の集団に加わり、仲間として任務をこなすようになる。アイリはクドウの恋人だった。
  その事に傷つく暇も無いままクドウが殺され、恋人を殺された事で半狂乱となったアイリも無謀な特攻をして死んでしまう。
  主人公はアイリが死んだ事を受け入れられず、悪魔を使ってアイリを生き返す計画を立て、それを実行に移した。


スタッフより 死ととなり合わせの学園生活なこちらをピックアップします。
主人公の名前がなく、そこが逆に感情移入の要素になっているところがポイントです。
自分でキャラクターを作成するゲームらしさを生かしながらの文章も魅力的です。
アイリとの出会いからの盛り上がりなど見所満載なこちらを楽しんでください。


 

12月25日分ピックアップ

タイトル

例え料理が不味くても…

作者

黒椋鳥

あらすじ

愛する人の手料理。それは……男なら誰もが憧れる。幸せの象徴。
愛する人の作る物ならばそれはどんな高級レストランの豪華フルコースであっても、
カリスマ料理人が手掛けた至高の一品であろうとも敵うことはないだろう。
少なくとも僕はそう思う。それがどんなものであれ…… これは、愛という名の元、妻の凄まじい料理と日夜戦い続ける、一人の男のお話……


スタッフより 夫の愛と弁当との戦いの日々なこちらをピックアップします
美人だけれど料理が壊滅的でダメなイギリス人の妻への体を張った愛情表現に注目しました。
感性のズレを注意しつつも、日々耐え抜く姿はちょっと涙がでます。
過去の体験から残すことや捨てることができなくなった竜斗が生き延びつづけられるか期待する一作でした。


 

12月21日分ピックアップ

タイトル

僕の小さな出来事

作者

柿かきこ

あらすじ

僕はひとりぼっちになった。 そして今日、四年前、東の大きな街に行くと行ったきり戻ってこない父さんに会いに山を越える。
これはそんな僕は体験した小さな出来事。
(これは他サイト「スポットワード」に投稿していた短編を改題、改稿、加筆した上で投稿しております。
上記のサイトの作品はすでに掲載を取りやめております)


スタッフより 父を探して旅立とうとする少年が出会った不思議な出来事。
童話のような体験談形式の書き方で、後味スッキリする作りに注目です。
心温まるような優しい文章に癒されました。
この短さだからこそのまとまりの魅力のあった一作でした。


 

12月20日分ピックアップ

タイトル

レインガール

作者

姫宮 雅美

あらすじ

ある雨の日の朝、中学二年生の少女“藤田 愛”は死んだ。
雨女’の彼女の風景にはいつも雨が降っていた。心の中でも雨が降り続いていた。
その彼女に付き纏う謎のマントの男の存在。彼が“愛”に何度も見せつけたのは、死ぬまでの出来事だった。
彼女に関わった人々の人生模様であった。 何故、死に至る事態になったのか? その真相が物語の進行と共に明らかにされていく。
そして“愛”は知ることになる。両親の出会いから結婚までの長い道のり。明るい性格の母親の隠された過去。
山陰の小都市を舞台に、少女と友人達、担任教師……そして、家族が紡ぐ物語なのです。


スタッフより 自殺した少女が周囲の視点から自分の存在を見直す不思議な物語。
天使に出会ったり、過去を見返すなどの不思議な世界観に知らず知らずに引き込まれます。
謎の男の存在や最後に思わせぶりな台詞をのこして区切りをいれるなど随所に見所がありますね。
多くの人と関わって人間生きているんだなと思わせてくれる作品でした。


 

12月19日分ピックアップ

タイトル

僕たちの温度差

作者

上書太朗

あらすじ

大人気TCGで優勝経験がある青年、鈴木小太郎。彼は一身上の都合により、一文字学園へと編入した。
編入先でかつてTCGの全国大会決勝戦で破った相手、勝負優樹と出会う。小太郎は再戦を挑まれ、いやいやながらも結局、周りに流され圧勝。
優樹は超がつくほど熱血な人間だった。来る日も来る日も再戦をする優樹とお連れ二名、それに嫌々ながらも付き合い、温度差を感じながらも、日常を過ごす小太郎の小話。


スタッフより 平凡を求めていたはずがそうでもない学園モノをピックアップ。
普通に過ごし、何事にも擦れた感じの主人公と周囲との温度差が楽しいです。
周囲がフルパワーでオカシイので、主人公がツッコミ役で苦労する姿に笑いがたえません。
何かに熱中できるって素敵だなと思える作品でした。


 

12月18日分ピックアップ

タイトル

Solve

作者

黒藤紫音

あらすじ

陽羽学園に通う、乙梨涼護は、“陽羽のトラブルバスター”と呼ばれていた。
『依頼』されれば、何でもやるというその言動と、人相の悪い顔も相まって、一般生徒からは敬遠されていた。
涼護は、そんな自分にも普通に接してくれる中学からの友人、笹月未央や、枝崎深理、勇谷夏木たちと共に、日々を過ごしていた。
そんな涼護は、いつものように『依頼』をこなし、学園からの帰り道、路地裏で不良に絡まれていた少女を助ける。
翌日、涼護のクラスに転校生がやってくる。 彼女の名前は蜜都汐那。現役有名美少女モデルにして、昨日涼護が助けた少女だった。
助けた縁からか、一緒に行動するようになった涼護と汐那。 そんな汐那を迎える歓迎会の後、汐那はある事件に巻き込まれた。
それを知った涼護は、『本業』を始める―――何でも屋、『Solve』の従業員として。


スタッフより 学校の何でも屋、不良少年乙梨涼護のボーイミーツガールストーリー。
何でもこなせるけど、人相の悪い主人公の等身大な活躍に注目です。
王道路線のどストレート。しかし、そんなに異能者過ぎず鼻にかけない姿に好感がもてます。
まだまだ完結ではないのでこの先の活躍やヒロイン達の動きに目が離せません。


 

12月17日分ピックアップ

タイトル

さよならの前にもう一度。

作者

ゆきいろ

あらすじ

 Hello, CQ.──  未だかつて誰も経験したことのない出来事は、僅か9文字のメールから始まった。
 受け取ったメールから、ナオキはそれがメールアドレスを変えた友人の悪戯だと思い、洒落っ気を混ぜ込んで返信する。
 Hello, I'm Naoki. きみはだれ?  着信したメールに返信したにも関わらず、さらなる返事はすぐには来なかった。
 けれども、それは、最初のメールから随分後になって理由が判明することになった。
 ナオキだけではなく日本国内外すべてのメールアドレスに送られた同様のメッセージは、地球外の生命体から
 ──漂流惑星ロビンソンから送られてきたファーストコンタクトのメールだった。
 宇宙を旅する漂流惑星ロビンソンの住人は、地球に対しメールという手段で連絡し、コンタクト(接触)を持ち掛ける。
 右往左往の末、日本で「特区」を設け、限定的接触が赦される。 
 ナオキは、漂流惑星ロビンソンのメール相手であるシャルフィスと特区で会う。>
 漂流惑星ロビンソンは旅する星だからこそ、コンタクトに取れる時間は、その日わずか18時間のみだけだった。 
 初めて言葉を交わすふたりは、出会うまでのやり取りを振り返りながら会話を進めていく。 
 メールを受け取った日。  二通目のメールの文章。 
 漂流惑星ロビンソンの文明技術レベルと習慣、そして異星人となる彼等の差異。 
 今までのやり取りや特区での交流を元に、お互い大切さを感じていくものの、楽しい時間はすぐに過ぎて行く──……。



スタッフより 異星人と交流できるようになったナオキの大切な18時間。
異文化コミュニケーションの流れや、漂流惑星ロビンソンの設定などに注目です。
設定の斬新さもありますが、漂流惑星らしく制限時間のある交流にも気になりますね。
惜しいのは気になるところで終わってしまっているところですが、SF好きはチェックしたい作品です。


 

12月14日分ピックアップ

タイトル

おちこぼれと美鬼

作者

The ROCK

あらすじ

闇にはびこる『鬼』の討伐を生業とする『伏鬼衆』でありながら、 落ちこぼれの烙印を押された少年・鈴也。
伏鬼の名門・御堂の家を飛び出したはいいが、彼を連れ戻そうとする 従兄妹・貴子との追いかけっこの日々は終わらない。
ある日、鈴也は夜の公園で、人外の美貌を持つ少女・紫炎と出会う。
利害の一致と勘違いから、2人はとある契約を結ぶことになるが…


スタッフより なりゆきで美人の鬼と契約を結んだ鈴也のハーレムストーリー。
落ちこぼれと言われてきた主人公がひょんなことから美女にひっつかれるところに注目です。
わかりやすいストーリーですし、鈴也と紫炎のやりとりも少しずれた感じで楽しめました。
コンビを組むならやはりデコボコした関係がいいなと思う一作でした。


 

12月14日分ピックアップ

タイトル

痛み

作者

氷雨 静

あらすじ

高校生の浪川樹と泉朔夜は幼馴染である。朔夜は先天性無痛無汗症という病を患っていた。
朔夜には痛覚と発汗機能がなく、幼い頃から樹は朔夜をフォローしてきた。
しかし朔夜はその病のせいでクラスからは浮いた存在だった。樹はそのことを苦々しく思っていた。
  ある朝、樹の下駄箱に手紙が入っていた。手紙には放課後、後者裏の大銀杏で話したい事があるとあった。
恋文か? それとも悪戯? そう思うと落ち着かない樹。
  放課後、それとない理由をつけて朔夜と分かれた樹は大銀杏の下に向かう。待つこと数分。
やって来たのは同じクラスの中心的な女子、吉田すみれだった。
すみれは樹に交際を申し出る。丁度その場を朔夜に目撃されてしまった。
逃げる朔夜と追いかける樹。待って、答えを聞かせてというすみれに、樹はNoと答える。
  朔夜に追いついた樹だったが、朔夜は樹に戻ってすみれの話を聞くように言う。
良い機会だ。樹は朔夜の保護者ではないのだからと。なおも言い募る朔夜の唇を塞ぐ樹。
確かに良い機会だった。自分の気持ちを確かめるには、と続ける樹。
改めて好きだと樹は朔夜に告白し、強く抱きしめる。
戸惑う朔夜だったが、樹の心が本物であると分かると、それを受け入れる。
強い抱擁に朔夜が言う。痛いよ、と


スタッフより 不器用な男女の恋物語なこちらをピックアップします。
この作品で注目するのはラストで朔夜の痛いよの一言につきます。
なぜ、これがいいのかはその前提条件となる彼女の病の事例が物語っていて良くできてます。
不器用なものどうしが恋愛する姿は紆余曲折がある分盛り上がり、楽しめました。


 

12月13日分ピックアップ

タイトル

魔国文官物語

作者

あらすじ

なぜか異世界に飛ばされて魔族に拾われた夏目桐葉。紆余曲折を経て、彼女は宰相閣下お付きの文官として働くことになる。
“氷血宰相”と呼ばれる宰相閣下の下で働く彼女はこの世界で一体何ができるのか。


スタッフより 大学を卒業しても就職できないキリハの就職先は魔界の秘書官!?
異世界転移ものでは珍しい文系ポジションに注目しました。
ワガママでもかっこいい上司に色々といじめられながらも健気に頑張る姿にある種の涙がでます。
地道に魔界の勉強をしたら異世界でも生活できるのかなぁと思える一作でした。


 

12月13日分ピックアップ

タイトル

冥府の剣

作者

梅院 暁

あらすじ

元警察官、真智明は、殺人の罪により死刑を求刑される。刑は執行され、男は死んだ……はずだった。
男が再び目を覚ましたとき、そこで新たな役割を与えられる。男は名を捨て、世を蝕む悪を討つ剣となる……


スタッフより ハードボイルドSFなこちらを今回はピックアップします。
社会的には死んだ元警察官が特殊部隊の人間となり、悪と戦う王道なストーリーが好感触です。
主人公の自分の存在に苦悩する姿も一種のヒーローらしさがあってよかったですね。
暗躍があったりサスペンスに近い雰囲気や殺した相手の婚約者との関わりなど見所満載な作品でした。


 

12月12日分ピックアップ

タイトル

眼鏡男子の日常

作者

きり

あらすじ

 デカいだけの平凡な大学生、片瀬亘。けれど彼には人には言えない秘密があった。
 それは、見えない筈の者が、視えてしまう能力を持っている事。
 これはそんなちょっと平凡じゃないかもしれない彼の、ちょっとした日常のお話。
 ※PCサイトでも掲載している作品の転載です。


スタッフより 巻き込まれ系眼鏡男子の非凡な日常を上手く描いた作品でした。
ポイントは不思議な力を持っているけど、受難で多難な亘の姿ですね。
特殊な能力をもっているとアクティブだったりしますが、トコトン逃げの姿勢な亘には共感できるのではないかと思います。
コミカルに大学生活の描かれているためスラスラ読める一作でした。


 

12月12日分ピックアップ

タイトル

桜花火

作者

風城国子智

あらすじ

※他サイト(pixiv、Puboo、wook、魔法のiらんど)投稿作品。
 地方の小さな大学に通う四人の男女の物語。
 「桜」に対し複雑な感情を持つセツナと、「花火」に対し淋しさを覚えるユキ。
 互いを知ることで、二人の感情は変わっていく。
 そして二人の友情は、ユキの同居の従姉であるマリアと、ユキとマリアの幼馴染みであるソウの心も、変えていった。


スタッフより 何気ないやり取りから心の変化が起こる過程をえがいた文学作品です。
セツナとユキのやりとりによる心の交流具合や、細やかな情景描写に関心しました。
はじめはツッケンドンなマリアなど周りを巻き込み成長して行く姿が綺麗にまとまっていて魅力的です。
文学ジャンルではありますが、堅苦しくない一作でした。


 

12月11日分ピックアップ

タイトル

幼なじみと呼ばないでっ!

作者

coach

あらすじ

中学三年生の小宮山結子には、同い年で幼なじみの男の子が一人いる。岩瀬大和。
結子にとって、大和は単なる幼なじみで、恋愛感情などは微塵もない。結子にはちゃんとカレシもいる。
しかし、二人の仲を疑う向きも多く、その一人が大和のカノジョである片桐明日香だった。
ある日、結子は、ひょんなことから明日香に対して、「大和のことなんか何とも思っていない」と弁明することになるが、
それに対する明日香の答えは平手打ちだった。そこで、結子は、決心する。
「大和との仲をこれ以上疑われないようにするために、大和とは絶交しよう!」と。
そうして、いざ絶交してみたところ、返って大和のことを想っている自分が意識されて、結子は苦しむことになる。
結子のカレシである本田恭介も巻き込んだ、四角関係の結末やいかに。
※幼なじみへの微妙な感情を、ビミョーに描いた物語。「幼なじみ」という言葉からしばしば立ち昇る甘やかなものは、
このお話ではかなり奥床しく香っています。紳士淑女にオススメ。


スタッフより 中学生の乙女らしくない主人公ユイコの苦悩と怒りと青春物語です。
クサレ縁な幼なじみと絶交したことからはじまるユイコの心情に深く感動しました。
ぷっと何度か吹き出しつつも過去を振り返ったり、何気ない行動から埋れていた気持ちに気づく展開に先が気になります。
連続ドラマをみているような感動を味わえる一作ではないかと思います


 

12月10日ピックアップ

タイトル

イヴに世界とキミと

作者

そうじ たかひろ

あらすじ

評議会からの依頼は一人の魔法使いを討伐すること。集まったのは一七五人の傭兵たち。
異世界の神とすら契約できると噂される魔法使いの力は圧倒的で、四人を残し傭兵団は壊滅した。
傭兵たちは評議会との契約により逃げることは許さない。
絶望的とも言える力の差を前にしても選べる選択肢は戦うことだけ。
魔法使いを倒すことだけを考え―― 今、魔法使いと四人の傭兵との死闘が始まる。そして剣士は女を救う為に世界を救う。


スタッフより とんでもなくビターなクリスマスファンタジーをピックアップします。
絶望的な状況でさらに追い込まれる展開や、魔法の細かい描写などが短編でも力が注がれていて素敵でした。
何が悪いのかということにもスポットを当てていたり、ギルドランクなどの設定などグッとくるものが多かったです。
ラストの苦さは好みが分かれるとは思いますが、完成度の高い作品だと感じました。


 

12月10日ピックアップ

タイトル

異世界から帰還した彼は、彼女になっていまして(仮題)

作者

タチクラミ

あらすじ

二年前、突如行方不明になった日本の少年──誠が世界を越え、人形のように美しい少女──レティシアになって帰ってきた。
彼女になった彼は家族と再会し、涙を流す。だが同時にその行為を冷笑する己がいることを自覚する。
二年という歳月の間に、傷つき磨耗した心は家族を拒絶するに至る。
父はその状況を打開しようとレティシアと一体一の会話をするが、父は己の無力さを知るだけに終わってしまった。
それから一週間が経ち、レティシアと家族の関係は冷えていく一方だった。
しかしそこに誠の親友である明が現れ状況は次第に好転していく。
変身魔法を行使することによりレティシアは過去の誠そのままの姿を取ることが出来る。
よって誠の姿のまま明と応対するのだが、そこで驚くべき事実が発覚する。
なんと明の家は地球に隠れて存在する魔法使いの家系だったのだ。
新たに発覚した事実によりレティシアは憤慨し、明に出ていけと通告する。
そして明はまた戻ってくる気満々で一度家に帰り、ある事実を知る。
明は再び誠の部屋に行き、今度は誠に変身していないレティシアに遭遇する。
レティシアの首には隷属魔法と呼ばれる紋様が刻まれていたのだ。
明は自暴自棄になっているレティシアを鎮め、己ならそれを解けると豪語する。
首輪を解くよう迫るレティシアだったが、明は彼女から首輪を解いた後の目的を聞き出し、駄目だと言った。
もしくは納得できる話をしろと、己に過去の出来事を話すことを促す。
渋るレティシアだったが、明から父の真実を聞くことにより少しだけ心を開く。
レティシアは話すことを決心し、明に心の準備のため一日だけ待つよう伝える。
レティシアの本当の過去を知った時、そして彼女を長年傷つけ束縛していた首輪を解き放つ時、一体何が起こるのか。


スタッフより 異世界から帰還した勇者の少女は実は男だった!
出だしからとんでもない設定を盛り込み、妹との再会も最悪なケースではじまるストーリーに注目です。
トランスセクシャル(TS)ものですが、文章の上手さが特に光っていてキャラクターの生き生きとした姿が読みやすいです。
変化してしまったことに加え、二年の歳月によるギャップをときにコミカルに、時にシリアスにつづるこちらは力作ですよ。


 

12月7日分ピックアップ

タイトル

妹は誰にも渡さん

作者

らむそじん

あらすじ

最愛の妹である沙織を守るため、今日も兄はわが道を行く。
しかしそこには、数々の困難が待ち受けていた。 二人の恋路を邪魔する悪魔的存在、幼馴染の結奈(包丁とか振り回す)。
道端で拾った謎多き幼女、ささらちゃん(腹黒)。 妹を付け狙う変態ストーカー野郎、パンダマン(変態)。
その他もろもろ。 降りかかる火の粉を払いのけて、兄と妹は果たして、永遠のラブを誓い合うことが出来るのだろうか。
法律が改正されて、結婚できるのだろうか――――。


スタッフより 妹ラブあふれる兄の実はハーレムな純愛コメディなこちらをピックアップ。
妄想が暴走しすぎている主人公の兄の性格に注目。かなりキテマス。
愛があふれるというか重いくらいの兄の内面描写が凄まじく、笑えます。
ハイパワーで最後まで突き進むコメディなので、気楽に楽しめる一作でした。


 

12月6日分ピックアップ

タイトル

しあわせのかたち

作者

なみあと

あらすじ

交通事故に遭った大学生の「私」が意識を取り戻した時にいたのは「私が死んでしまった世界」だった。
「私」の幼馴染の水梨礼とその友人である上水流那槻が話すには、この世界の「私」は交通事故ではなく何者かに殺されたのだという。
「私」はこの世界の「パラレルワールド」「平衡世界」のような場所から来たのではないかという仮説
また元に戻るには件の殺人事件を解決する必要があるのではないかという推測から、真犯人を探すことになる。
実際の「私」の世界とパラレルワールドとの間には、幼馴染の水梨礼がパラレルワールドでは恋人であったりと、若干の差異がある。
パラレルワールドで「私」は、「私」自身の葬儀や、真犯人の究明、真犯人との対峙、恋人や友人を亡くした彼らとの対話や葛藤を経験し
最終的に「私」は元の世界に戻って、元の世界の幼馴染や友人と、パラレルワールドやその世界に残してきた「恋人」「友人」についての話をする。


スタッフより 事故にあって死んだかと思いきや、パラレルワールドに行ってしまった主人公の冒険。
プロローグから自分の死に目にあったと思いきや、別世界だというインパクトに関心しました。
食えないキャラクターのルナが中々いい感じで、作品が面白くなっています。
推理モノのような要素もあるため楽しみ方が色々とある作品でした。


 

12月6日分ピックアップ

タイトル

境界〜逢魔が時〜

作者

涼香

あらすじ

水不足に悩まされつつある、とある村で、結衣はひたすら隠れていた。
夕暮れ時、天地が濃紺一色に染まるその時刻に自分が見たモノから。
結衣の姉の嫁入り、若い男の死、村を訪れた商人。これらが絡み合った結果
結衣や村人達にとって多くない未来の選択肢は更に減っていき、唯一つの運命に収束された。


スタッフより 怖い童話のような、ある村で少女が遭遇した不思議な物語。
古い時代の村にある伝承というのは恐ろしい物語を含んでいることが多いですよね。
この作品もそういう恐ろしさを踏まえ、不思議な雰囲気に仕上がっています。
子供の頃、夕暮れなどが怖かったなと思い出させてくれる一作でした。


 

12月5日分ピックアップ

タイトル

PBWと彼女と俺

作者

闇谷 紅

あらすじ

出発の数時間前、プレイングを書いていて寝オチした俺はいつの間にかPBWの世界にトリップしていた。
いや、トリップというかこいつは……。あ、PBWは何かって? あんた素人さんかい。いいか、PBWって言うのはだな……。
架空のPBW世界を舞台にゲームの中に引き込まれたプレイヤーが描き出す冒険譚。
主人公を待つものとは。 (ネタバレ防止にタグが幾つか伏せてあります、あしからず)


スタッフより PBWをネタにしたちょっと変わったノベルをピックアップします。
架空のPBWを作り、また不思議に思っていた部分にも再現を頑張っているところに注目です。
プレイバイウェブの説明をちゃんとしつつ、イラストのないキャラクターの表現までちゃんとやっているところに関心しました。
連載中の作品なので、続きが楽しみな一作でした。


 

12月4日分ピックアップ

タイトル

七福人生

作者

代田さん

あらすじ

何をやってもうまくいかないダメダメな小学校教師、大橋拓也の前にある日突然現れた「自称女神様」
「マシな人生」を手に入れさせてやると言い、一緒に暮らすと言い張る彼女。神様云々は彼女の虚言と思いつつも
なんとなく同居生活を続けるうち、彼の生活は少しずつ変化し始めて……。
仕事と人生に疲れた男の変化を描く、地味だけど心温まる現代ファンタジー(笑)
はたして大橋は「マシな人生」を手に入れることができるだろうか。


スタッフより ダメな教師のホンノ少しずつな成長物語なこちらをピックアップします。
注目すべきところは大橋が変わっていくところでしょう。ダメだと思って諦めている彼に純粋な女神様のお陰で自信をもっていきます。
ついつい今の境遇と理想のギャップに諦めがちな世の中ですが、解決のヒントは根っこにあり、気の持ちようでかわっていくのだなと思います。
本当の幸せは小さな努力を続けて最後までやることでつかめるのではないと考えさせられました。


 

12月3日分ピックアップ

タイトル

未熟な騎士の嘘〜Hexagonal Prism Pendant〜

作者

人形(ドール)

あらすじ

剣を触った事はない。魔法を唱えた事はない。魔物など、噂でしか聞いた事がない。
とにかく平和に、そして平々凡々に暮らしてきた少年、ルミナ。
幼馴染がレティシア聖徒学園に通うらしいが、自分には関係などない。
いつまでも、この平和な日々が続くのだと思っていた。
  そんな、桜が咲き誇る日。ルミナの元にやって来たのは、幸福か不幸か。
それは誰にも判断を付ける事など出来ない。ルミナの元にやって来た、一通の手紙。
そのたった一通の手紙が、ルミナを運命の渦へと引き込んで行く。
「皆へ――嘘を吐いて、ごめんなさい――」

スタッフより 平凡に暮らす平凡な少年が勇者である父親との所縁ある学園で過ごす青春ファンタジー。
王道路線で魅力的な人物、彼らの過去話など読みやすいライトファンタジーになっているところが良かったです。
全く才能のない主人公にある唯一無二の力は人を惹きつける魅力なのでしょうね。
ファンタジー学園モノとしてサクサク読める一作で続きが楽しみです。


 

12月3日分ピックアップ

タイトル

想い想われ面われる

作者

平 和乃実

あらすじ

駆け巡る沙織の想いは届いたのか

スタッフより バレンタインデーにあったちょっとした出来事を面白く綴った作品です。
短い文字数でよくまとめられた作品そのものに脱帽してます。
文体の軽さと共に起承転結の骨組みがしっくりはまってしまうことうけあいです。
短編でも面白い! 衝撃のラストを見逃すな!

 

12月3日分ピックアップ

タイトル

リュシー

作者

風波トモ

あらすじ

「私は、まだ死にたくない」 それは少女のほんの小さな願いだった。
1944年のフランス。 ナチスドイツ占領下でヴィシー政権は秘密裏に子供だけの部隊「スルタウト」を設立した。
任務は「敵対分子の抹殺」。 新薬“LLF”によってコントロールされた子供達は、何の疑問も持たずに与えられた任務を忠実に遂行する。
ヴィシー政権を認めずに、ナチスドイツ軍に抗いながら「スルタウト」の正体を暴こうとするフランスのレジスタンス「マキ」は、やがて子供達の悲しき運命を目の当たりにする事になった。
いつ訪れるともわからない死の影に怯えながら、大人達が決めた運命の中を子供達は懸命に生き続けた。
戦争が悪いのか。 それとも大人達が悪いのか。 歴史に残らなかった子供達の悲しき生き様。


スタッフより 第二次世界大戦のフランスで語られる子供たちの儚い物語。
戦争というものに実直に向き合い、そして見事書き切った作者の思いに注目です。
子供達にとって大人の社会というのは身勝手で、残酷なことを平気で要求します。
その中でも子供達が精一杯自分の生き方を探す姿は涙します。


 

11月30日分ピックアップ

タイトル

色彩庭園

作者

花城あきら

あらすじ

裕福な家に生まれた瑪瑙(メノウ)は、それゆえに、悩んでいた。
《裕福な家の娘》ではなく、《瑪瑙個人》として他人に認められたいと思う彼女は、気晴らしにセレファイスという街に行く。
そして彼女はその街で、不思議な男に出会う。
常緑(トキワ)というその男は、橋の上で猫と語り、絵筆を持って美しい情景を描き出し、そしてその口で美しい情景を詠って日々を過ごしていた。
親しげな彼に、瑪瑙は生まれて初めて《自分自身》を認められたような、そんな感覚に陥る。
だが彼と話をしていくうちに、彼の中に例えようもない悲しみが巣食っていることに気が付いた……。


スタッフより 色彩豊かな描写の輝くこちらを今日はピックアップします。
とにかくオシャレな文面で登場人物から風景にいたるまで色彩表現を重視されているところに注目です。
綺麗な詩もありますし、文学作品というより一種の芸術作品とも感じさせてくれます。
素敵な文章に触れてみたいなら、こちらをどうぞ。


 

11月30日分ピックアップ

タイトル

不倒不屈の不良勇者ーヤンキーヒーローー

作者

トロ

あらすじ

自他共に認めるヤンキーの早森いなほは、ある日死の運命にあった少年の運命を変えたことに目をつけられ、謎の男に異世界に吹き飛ばされた。
元の世界にはいなかった人の天敵である魔獣、そして魔力を用いて使われる魔法の存在。
ファンタジーと呼ばれる世界にて、いなほにあるのは己の五体が唯一つ。
唸る筋肉!暴れる筋肉!異世界ファンタジーなんのその。男ひたすら拳を固め、貫き通すは我が信念。
無茶と無謀を笑われようが、鋼の肉体漲らせ、筋肉馬鹿が我が道のみ行く。
端的にまとめると、荒唐無稽マッスルファンタジーです。よければ一読のほうをよろしくお願いします。


スタッフより 筋肉とヤンキーってすごいなと思わせてくれる痛快バトル巨編!
見所は戦闘描写のすごさにつきます。秒を刻むが如くセリフとセリフの間にスローモーション映像がはいるような戦い方は圧巻の一言です。
文字だけでこれほどまで映像の浮かぶ喧嘩シーンは中々見られないので必見です。

 

11月29日分ピックアップ

タイトル

剣戟rock'n'roll

作者

久保田

あらすじ

剣に生きた。 剣に死ねなかった。 後悔はあるが、まぁそれなりの人生だった。
そんな「私」はふと気付けば、違う世界で女として生まれ変わっていた。
ファンタジー世界でチャンバラをする話。

スタッフより 病に苦しんだ男の第二の人生はファンタジー世界で女生活!?
性別入れ替えモノではありますが、コメディになりすぎずかっこいい流れに関心しました。
姿は変わっても中身は生前の剣客のままなのが新鮮に感じるポイントだと思います。
他にもオークのキャラクターがいい味をだしていたり、見所満載な一本です。

 

11月28日分ピックアップ

タイトル

声は電波にのって

作者

虹鮫連牙

あらすじ

僕は受験勉強で忙しい毎日を送っている。
そんな日々の中にある最近の楽しみは、とあるラジオ番組だ。
毎晩決まった時間からスタートするその番組は、いまいち盛り上がらないトークと、あまり上手くない歌で構成されている。
だけど僕はなぜか夢中になっていて、今夜、初めてメールを送ってみることにした。
ラジオネームは、“星の勇者の弟子”。

スタッフより どこか懐かしく、そして少し新しい青春物語をピックアップします。
受験勉強ついでに聞くことになったラジオから始まるSF(少し不思議)な物語に注目です。
短めの作品ですが、読み終わった後の充足感があります。
ラストが非常にいい作品なので、ぜひ読んでみてください。

 

11月27日分ピックアップ

タイトル

7thDoll

作者

子魔王

あらすじ

「充分進んだ科学は魔法と見分けがつかない」Sir Arthur Charles Clarke.
宇宙に出た人類は高い理想と犠牲も厭わない強い意思で、この銀河を切り開いてきた。

しかし、やがて全ての技術が最高点に達した時、
無限の宇宙が、実は到達出来る範囲が限られた、閉ざされた空間である事を知る。

そこから、大きな落胆が生まれた。
人々に閉鎖感が広がり、心の渇き“退廃”が広がった。
そしてドール(DOLL)が人の手で作り出される。人間を越えるポテンシャルを持ち、
外見はエルフのような人間の理想の姿。

そしてリリースされた最新型ドールであるセブンス。
左目の奥に不思議な輝きを持つ彼女には、多くの謎と人類の希望が隠されていた。

スタッフより 近未来と遠い未来が織り成すSFファンタジー作品を今回はピックアップします。

退廃的な未来像の4000年と少しだけ便利さがあり
先を夢見れる2020年が繰り返されるところが注目です。

科学が発展して便利になりすぎたがために限界を感じてしまっている遠い未来と
新しい出会いや発明に目を輝かせる近未来のギャップの描き方が面白いです。

対比を感じながら、どうしてこういう書き方をしているのかと
考えながら読んでみると推理モノのような楽しみ方もできるのがいいなと思いました。

 

11月27日分ピックアップ

タイトル

青春ピエロ

作者

なしか 空

あらすじ

恋に破れ、失業し、経済的にも困窮して、おまけに喀血して倒れた男が、
それでも都会の片隅を伸吟しながら生きる。悲しくも滑稽な青春残酷物語です。

スタッフより 後悔と挫折、苦労しかない人生を送る『ぼく』の物語をピックアップ。

青春というよりはピエロのようにはたから見れば
滑稽な人生をあるいている『ぼく』の苦悩に注目しました。

切実な生活環境や経緯の描写は体験談のようにリアルで、
苦労と苦悩を語る『ぼく』の姿は文学作品らしさがあります。

この作品からは伝わるものが多くあるのではないかとおもいます。


 

11月26日分ピックアップ

タイトル

Kのブルー

作者

螺子(ねじ)

あらすじ

たった一年で大きく変わってしまった日本の地で、戦いの天才の血を受け継いだ男が、
最強と謳われた者たちの眼前に舞い降り、戦いが始まる。 過去の記憶、戦うことの意味、
命の重さ、憎悪。 彼らはただ戦い続けることでしか、それらを理解していくことができない人間なのだった。

スタッフより 衝撃的な導入からさらに衝撃的な展開の続くノンストップドラマがここにあります。
大きく変わった日本で大きく変わろうとする少年の姿に注目です。
魔法というファンタジーな要素がありつつも
血なまぐさい現実の抗争がマッチしてすんなり読むことができます。

これから先1年、何も変わらないとは言いきれない怖さと
自分から変わらなければ何もないという期待を感じる作品でした。


 

11月26日分ピックアップ

タイトル

偽霊媒師な俺の災難

作者

伊豆宮

あらすじ

友人後藤のちょっとした思いつきで始めることになった「こっくりさん」。

全然乗り気じゃない俺だったが、
なぜかクラスでおとなしい女子の佐々木さんが混ぜて欲しいと言い出して、しぶしぶやることに。
そして俺は、身の毛もよだつホラー体験を味わう羽目になるのだった…… ※一応コメディーです。

スタッフより ホラーと思わせてがっちりコメディなこちらをピックアップ。
こっくりさんをアクセントに青春しているところが気に入りました。
キャラクター次第で怪奇現象のこっくりさんはホラーにもコメディーにもなりえるんだなと感心します。
ゆるーい印象を受け、気軽に楽しく読める作品でした。


 

11月22日分ピックアップ

タイトル

街中がネットファイター(完全版)

作者

鳥井雫

あらすじ

架空の街、大井蒼空町では、ケーブル配信されているオンラインゲーム『ファンタジー スカイ』が大流行。
ケーブル配信の特性上、ゲーム参加者は街に住む住民だけ。
そんなゲームの5月の期間限定イベントが始まり、街はちょっとした盛り上がりを見せ始める。
そんな中、中学生ギルドを結成する弾美や瑠璃の幼馴染みコンビは、ネット内のもう一つの架空世界で今日も縦横無尽の活躍をみせる!
*以前にこのサイトに途中まで投稿していた、作品の投稿し直し作品です。
前のIDではどうやってもログイン出来ず、泣く泣く連載を中断してました。
作品自体、既に最後まで書き終えてます。後は仕事の合間に、ぼちぼち投稿して行きたいと思ってます。
途中まで読んで下さっていた皆さんが、ここを見つけられる事を願ってます。

スタッフより
最先端なネットゲームとローカルな小都市ものが融合した
ジュブナイルなこちらをピックアップ。

キャラクターが生き生きしており、
またネットゲームの雰囲気をよくつかんでいるところに関心しました。
もう一つの世界でも幼馴染と遊ぶケーブルネットワークな作風が
イマドキの中学生らしくていいなと思いました。

登場人物に共感することも多く、
一緒に冒険している気分が味わえる作品になっているのが良かったです。


 

11月21日分ピックアップ

タイトル

ロストマーブルズ

作者

CoconaKid

あらすじ

桐生(きりゅう)ジョーイは日米ハーフの無口で無感情な高校生。
偶然、駅のホームで少女がビー玉を散らばせた光景に出くわす。

その時少女が発した言葉──「I lost my marbles」(ビー玉を失くした)
だがそこにはもう一つの意味が含まれる。

それがジョーイの記憶をつつくきっかけだった。
どうしてもはっきりと思い出せないあやふやな記憶。
まるで何かを知らせたいがために足元に次々転がるビー玉。

しかしそれは隠し通すべき事だとしたら──。

それでもあなたに伝えたいことがある。
ピタゴラ装置のようにビー玉が転がり、
謎解き、事件、暗号が次々連鎖反応を起こして飛び出してくる。
ゴールの先に何が待つ。青春の一ページに残したい胸キュンな青春ミステリー小説です。
(自サイトからの転載)

スタッフより 等身大ミステリーノベル「ロストマーブルズ」をピックアップします。
推理モノといえば探偵が殺人事件などを解決するというケースが多いですが、
トラウマとして心に残る事件を追いかけていくところに注目しました。
トリックなどが難しい推理小説をあえてキャラクターの記憶という形で謎を作り、
真相を一緒に追いかけていくストーリーは共感しながら読めました。
思春期らしい想いを抱くジョーイには、胸キュンさせてもらいました。

 

11月21日分ピックアップ

タイトル

ハットトリックなんて呼ばせない!

作者

野生

あらすじ

親の海外転勤について行かず、田舎の実家に帰ることを選択した静樹。
田舎に向かう途中、静樹は幼いころに
「帰ってきたらお嫁さんにして」
と自分に頼んだ、いつも帽子を被るのっちという少女のことを思い出す。

田舎に帰り静樹がご神木へ向かうと、タヌキの獣帽子を被った少女に猟銃を突き付けられた。

彼女の名は雷道乃子(らいどう・のこ)。

静樹が幼いころに約束した女の子だった。
しかし、静樹が乃子と一緒に家に帰ってみると、そこにはさらに二人の女の子がいた。
のほほんとした雰囲気で麦わら帽子を被る大和撫子の野永みのり。

地元球団の野球帽を被るボーイッシュな野々市ツカサ。
彼女たちも、自分は静樹と約束したと名乗り出る。
学校の美少女さんにんと仲よくする静樹は、転校初日で学校中の敵に!
しかも、校長先生までもが静樹の転校を阻止にかかる。

はたして、静樹は校長の無理難題を突破することができるのか?
そして、静樹が約束した帽子の女の子は誰なのか?

スタッフより 非常にまっすぐなハーレムラブコメディな本作をピックアップします。
なんといってもタイトルやヒロインのセンスが光っていると思いました。
王道なハーレムラブコメディとなっており、
王道ゆえの良さとぶっ飛んだ展開は思わず笑いながら読んでしまいます。
想いが直球勝負のこの作品。疲れたときに読むと元気になれそうな気がしました。

 

11月20日分ピックアップ

タイトル

金糸雀は籠の中

作者

嶋本圭太郎

あらすじ

家でも学校でも行き詰った少女は、そこから逃げ出した。
自分を好きだと言ってくれた男のもとで、束の間の幸福の日々を過ごす。
だが、安易にしがみついた幸せは、長続きはしなかった。
鳥籠のなかの金糸雀と自らを重ね合わせた少女は、実家へと帰る。
結局、自分も無知で弱い小鳥でしかないのだと、諦めのような思いを抱く。
だが、ある夜の母とのやり取りが、彼女の籠を取り払う。
そんなものはじめからなかったのだと、少女はようやく知ることが出来た。
少女は金糸雀の姿を胸にとどめて、ゆっくりと歩き出した。

スタッフより 文学的で趣きある作品でした。 誰にでもある行き詰まりや、一時の逃げを真正面から描写しているところに注目しました。
息苦しさとは何なのか? 充足していないのは何故なのか? 
誰にでも思うことの答えを主人公と共に追体験するためにしたのだと思います。
大切なものは直ぐ傍にあるのだと改めて感じさせてくれた作品です。

 

11月19日分ピックアップ

タイトル

闇狩り人

作者

ZAKI

あらすじ

地味で冴えない図書館員、榛名響には、養父であり相棒でもある銀狼のキングとともに、
人界の闇に紛れて人を襲う異形のモノを狩る、『術者』としてのもうひとつの顔があった。

響の勤める公立図書館に通う短大生の栞もまた、恋人と親友の裏切りに遭い、
無意識のうちに『扉』を開いてしまった者のひとりだった。

闇に魅入られた栞は、己の裡にひそむ標的の存在を、
みずからの苦しみが生み出した幻想と思い込み、
自分の心に寄り添ってくれるその存在に支えられるその一方で、
囚われつづけている心の晦瞑(やみ)から逃れたいと必死に足掻いていた。

週末に開かれる親友と元恋人の婚約祝いを兼ねたクラス会に同行して欲しい。
思わぬ偶然から、
黒縁眼鏡と前髪に隠れた響の素顔が目を瞠るほどの美貌であったことを知った栞は、
自分達の関係を知る級友達、そしてなにより自分を裏切ったふたりのまえで、
響に恋人のふりをしてくれるよう頼み込む
―― 響と相棒キングを中心に織りなすヒューマンドラマ。シリーズ第1弾。

スタッフより テンポよく読める文体と共にルビによる演出が若い読者層の心を刺激してやまない作品です。
中でも、プロローグの残虐ながらも事件の流れや
登場人物の息遣いのイメージできる流れに注目しました。
こうした表現の出来る人はキャラクターがしっかりしていて、
そこに生きているように伝える力があると思います。
主人公の響と養父のキングの掛け合いも楽しく、
すらすらと読めるこの作品はまさしく『ライトノベル』でしょう。

 

11月19日分ピックアップ

タイトル

夏の夜のおとぎばなし――六道町奇譚

作者

葵くるみ

あらすじ

どこかにある、六道町という町。
この町にはお化けが出るという。
それを探しに行く少女二人。
さて。
どうなることか。

スタッフより 短編ながらも趣(おもむ)きのある作品です。
少女二人の肝試し話から始まってからの
予想外な結末は騙されると共になるほどと感心させられました。
二度、三度読み直すと色々とヒントが見つかり、
伏線の張り方が上手な人なのだと思います。
短い作品なだけに、六道町を舞台としたオムニバスな
短編集をみてみたいと思える一作でした。