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 西側の通路には子供部屋で使われる様なジョイント式のプレイマットが敷き詰められていた。
 色とりどりのパステルカラーに、数字やひらがな、動物の絵などが描かれ、歩く度にふわふわと足元が沈む。
 カラフルなブロックの壁は乱雑に積まれ、デコボコに入り組んでいた。
 配色のセオリーを完全に無視した色の洪水。
 その中に放り込まれた一行は、軽く目眩を覚えた。

「何というか…愛にもいろんな形があるみたいねぇ…」
 その無秩序に散らばる色と形がシマイの心象風景であるかの様だと、麗奈=Z=オルフェウス(jc1389)は周囲を見回す。
 壁がせり出して棚の様になった部分には、様々なぬいぐるみが置かれていた。
「まるで今にも動き出しそうですね」
 リアン(jb8788)がそれを見上げ、小声で呟く。
 行く手の通路の奥にもまた、ぬいぐるみが積み上げられていた。
 まるでバリケードの様に。


 そこに踏み込む少し前。

「弟達に頼まれて。宜しくリコさん」
 礼野 智美(ja3600)は、リコに向かって軽く頭を下げた。
「友達になった三人も来たがってたんだが、色々と都合がつかなくて…知り合いの中で俺が一番この仕事に向いてたんだ」
「うん、よろしくね!」
 リコはいつもと同じ屈託のない笑顔を見せる。
 しかし馴染みの者達には、その表情が少し曇っている様に感じられた。

「リコ、大丈夫?」
 Julia Felgenhauer(jb8170)が心配そうに声をかける。
「あ、うん、大丈夫だよっ!」
 その証拠に軽く飛び跳ねて見せるが、友の目は誤魔化せなかった。
「ふー様のことが、心配?」
 問われて、リコはこくりと頷く。
「リコ、私の友達」
 ユリアは友の瞳を真っ直ぐに見据えた。
「貴女が頑張るなら、私も頑張る。そう約束したわね」

 こくり。

「まだ私は自分の目標を見つけていないけど、貴女の手助けがしたい。それが今の私のやりたい事。今の私に出来る精一杯の事」

 大丈夫。
 きっと全部、上手く行く。
 嫌な予感なんて当たらない。

「だからリコ、貴女の声を聞かせて。私は、それだけで頑張れる」
「うん。ありがと、ゆりりん」
 そうだ、きっと大丈夫。
 もう、シマウマのおじさんに悪いことはさせない。
「ふー様はリコが守るんだから!」


 その宣言を聞いて、浅茅 いばら(jb8764)はちょっと複雑な気分。
 けれど、大切な人を守りたいという、その気持ちはわかる。
 痛いほどわかる。
 だから。
「リコ、手ぇ出して」
「え、なに?」
「玩具みたいなもんやけど…これ」
 差し出された右手をとって、薬指に小さな指輪を嵌めてやった。
「あ、かわいい!」
 ピンク色の硝子で飾られたそれは、やや幼げなデザインだが、リコにはとても良く似合う。
「右手の薬指に指輪をすると、心が落ち着くんやて」
 不安や恐怖を軽くする効果もあるらしい。
 本当は左手に嵌めてやりたいところだけれど、今はこれで。
「…まあうちの気持ちや。受け取って貰えたら嬉しいな」
「うん、ありがと!」
 意味がきちんと伝わっているのかどうか、微妙に不安な部分もある。
 しかし、そう急ぐこともないだろう――まだ時間は充分にあるのだから。


 チョコーレ・イトゥ(jb2736)は、その様子を少し離れた位置から眺めていた。
(リコか。このヴァニタスも自らの意志で動いているのだな)
 ならば、この少女はただの人形ではないのだろう。
(共に戦う事も出来るか…)
 昨今では、こうした自らの意思を持つヴァニタスやシュトラッサーも、そう珍しい存在ではなくなってきた様に感じる。
 その変化が良い事なのか、悪い事なのか、それとも特に意味はないのか、それは自分には与り知らぬ事ではあったが。


「じゃ、そろそろ行くなの!」
 リコのカマダチ、カマふぃこと香奈沢 風禰(jb2286)が自慢のカマを振り上げる。
「みんなとリコさんと力を合わせて頑張るなの!」
「頑張ろうね、えい、えい、おー!」
 カマダチ2号、技のきさカマ私市 琥珀(jb5268)が声を合わせた。
 そんな二人の相変わらずな様子に目を細めつつ、鳳 静矢(ja3856)と鳳 蒼姫(ja3762)の夫婦が続く。


 そして今、彼等の行く手には長い牙を剥き出したサーベルタイガー(牙虎)の群れが立ち塞がっていた。
「わぁー、かわいいぬいぐるみだなんだよぉー」
 白野 小梅(jb4012)が嬉しそうな声を上げる。
 でも知ってる。これ全部、悪いディアボロだって。

「皆、一箇所に集まって!」
 サラ・U(jb4507)が仲間達に声をかけ、なるべく多くの者に「鉄壁」を付与出来るように堅実防御をかける。
「ありがとなのぉ!」
 これで多少の無茶は大丈夫と、魔女の箒を豪快に振り回した小梅は、牙虎の壁に突っ込んで行った。
「いっくよぉ!」
 常人にはとても真似出来そうにない、物理法則さえ無視した超高度なポーズと共に、頭上高く箒を掲げる。
「ニャンコ・ザ・ヘルファイヤー!」
 その先から筋骨隆々の炎の猫魔人が現れ、口から灼熱の炎のブレスを打ち出した。
「みんな燃えちゃえー!」
 だがそれを焼き払っても、奥に控えていたもの達が減った分だけ押し出される様に前線に上がって来る。
 しかし、それはつまり範囲攻撃ぶちかまし放題という事で。

「ニャンコ・ザ・ヘルファイヤー! アゲイン、だよぉっ!」
 一帯が焼き払われた後に、鳳凰を従えたカマふぃが飛び込んで行った。
 新たにせり上がってきた一団を呪縛陣で捕らえ、その自由を奪う。
「動けなくなったところを順番にやっつけてほしいなの!」
「任せてなのですよぉ☆」
 それに応えて蒼姫は蒼色の風刃を撃ち出して援護。
 しかし鳳凰のお陰で自分が身動き取れなくなる事はなかったものの、結界の外から牙虎が次々に押し寄せて来る。
 カマふぃは、あっという間に囲まれてしまった。
 しかし。
「こっちは任せてなんだよ!」
 飛び出したサラが手近な一体をフォースで弾き飛ばし、その手を引いた。
「ありがとう、助かったなの!」
 少し離れて体勢を立て直し、カマふぃは再び呪縛陣特攻をかます。
「大丈夫、今度はすぐに離れるなの!」
 更にその後ろに続く一団には、チョコーレが撃ち出した無数の深紅の刃が、横殴りの雨の様に襲いかかった。
「クリムゾンエッジ!」
 それは広範囲の敵を確実に捕らえ、突き刺さる。

「ふっ…。我ながら酷い威力だな」
 本人はその低火力ぶりを自嘲するが、確実に体力を減らしておけば、追撃を加える仲間達の仕事が楽になるというものだ。
 ざっくり削ったところで、アスハ・A・R(ja8432)が三日月状の蒼刃を飛ばして残りを一気に潰しにかかる。
「端役は端役らしく…徹底する、か」
 台詞は慎ましいが、行動は派手、かつ積極的に味方を巻き込んでいくスタイル。
 出会い頭に光雨を降らせるよりは、いくらか良心的な気がするが――ただ単に、今の専攻ではそれが使用不能だった、というだけかもしれない。

 そうして範囲攻撃を集敵に叩き込んでも、牙虎が数を減らす気配は感じられなかった。
 通路の奥から、或いは左右の脇道から、更には背後の通路からも押し寄せて来る。
「後ろからも来るのか」
 これ以上は近付けさせないと、智美は玉鋼の太刀を抜き放った。
 しかし壁になろうとする智美を、静矢が止める。
「なるべくまとまって行こう」
 孤立しては危険だ。
 距離は近いが銃撃で押し返した方が良いと、自らも銃を構える。
「わかった」
 智美は得物を弓に持ち替えて、迫り来る牙虎の正面から矢を射かけた。
「援護するね! ばすんばすん行くよー!」
 きさカマはいつものセルフ効果音付きで、智美と同じ標的を狙っていく。
 だが、この数では防御を抜けられる危険もあった――いや、実際に抜けて来るものがいた。
「放し飼いは危ないから、鎖と首輪を付けないと!」
 きさカマが審判の鎖でその身体を縛り上げるが、これもそう何度も使えるものではない。
「体当たりで突っ込んで来られたら拙い、中後衛の護りも厚くしたした方が良いな」
「そこはリコさんにお願いするのですよぅ☆」
 智美の声に、蒼姫が応える。
「そのドラゴンさん――」
 え、サラマンダーさん?
「その子には炎で迎撃してもらって、クモさんにはバリアで防衛してもらうのですねぃ」
「うん、わかった!」
 それに応えて、リコはぬいぐるみ達に命令を出す。
 が、その勢いで少し前に出すぎた様だ。

「リコ、あたしは攻撃に集中したいから、また背中任せていい?」
 その動きに注意していたサラが声をかける。
「任されたよ!」
 相手の意思を尊重し、持ち上げつつも、常に目の届く安全な場所に留めておく――その為にはこの方法が最適だろう。
「じゃ、まずはあの飛んでるやつから先に片づけていくよ!」
 どうやらあの超音波攻撃には厄介なバステ効果がある様だと、サラはクロスボウを上空に向けて構える。
 あれを抑えないと、こちらの戦力が目減りしてしまう。
「これ以上、好き勝手させるわけにはいかないんだよ!」
「私も手伝うわ」
 上空に舞い上がったユリアは、サラが狙う翼竜の目の前に飛び込んで注意を惹き付ける。
 翼竜はユリアに向かって大きな口を開けた。
 が、喉の奥から出かかった超音波は、形になる直前で悲鳴へと変わる。
 サラの矢がその翼を貫いたのだ。
 バランスを崩したところで、ユリアが八岐大蛇を叩き付ける。
 落ちて来たその身体は、下で待ち構えていたリアンの槍に、焼き鳥よろしく突き刺さった。
「煮ても焼いても、食べられたものではありませんけれどね」
 と言うか食用禁止ですけどね。
「スレイプニル、あれを落とすぞ」
 詠代 涼介(jb5343)が、呼び出した馬竜に命じる。
 空中からの体当たりと、力を溜め込んでの一撃で地上に叩き落としたものは、涼介が自ら止めを刺していった。
 混戦状態となった上空を、敵の間を素早く縫う様に飛んだ麗奈は更にその上を取る。
「ま、お決まりの死角よね♪ ほらほら、下ばっかり見てる暗い子はモテないわよ?」
 そう言いつつ背後の上空から布槍で目隠し、ついでに口も開かないように縛り上げた。
「誰か、後はお願いね♪」
 それに応えて、いばらが下から切り付ける。
「このぬいぐるみも、しょせんは紛い物や」
 こんなものに手間を取られている暇はない。

 出て来い、シマイ。

「あの陰険引きこもり悪魔に引導を渡すときや。絶対に負けへん」
 だが、その声に応えて現れたのは――

「これはまた、派手に大きなのが出て来たわね」
 芹沢 秘密(jb9071)が見上げた先には、巨大な恐竜の姿があった。
「あれで連携とられたらちょっと危ないけど、そこまでの知能はなさそうね」
 連携どころか、あの恐竜は味方を薙ぎ倒しているし。
 指揮官不在なら、数量で押し切られる前に混乱させてしまえば良い。
 秘密はわざと恐竜の足元に近付くと、背後に回り込んでオーボエの音を響かせた。
 恐竜が振り向くとまた背後に回り、わざと耳障りな音を響かせる。
 苛立った恐竜は手当たり次第に尻尾を振り回し始めた――その周囲を取り囲む牙虎達を容赦なく薙ぎ倒しながら。
「そうそう、その調子よ」
 秘密はその巨体をエアロバーストで弾き飛ばす。
 そこは更に牙虎達の密度が高くなっていた。
 牙虎は荒れ狂う尻尾の攻撃で跳ね飛ばされ、ついでに周囲の壁も壊され――

「少し戦線が伸びて来たな」
 周囲に目を配り、アスハが声をかけた。
 恐竜が大暴れしている今が体勢を立て直す好機と、陣形をコンパクトに纏め直す。
 丁度その時。
 恐竜が壊した壁の向こうから、新たな敵が姿を現した。

「さぁて、楓はどこかな」
 瓦礫の上を飛び、音もなく近付いて来る。
「隠しても無駄だよ? それとも、ここにはいないのかな?」
「貴様がシマイ・マナフか」
 その出現を他班に伝え、静矢が一歩前に踏み出す。
「さあ、そんな名前だったかもしれないね」
 まるで興味なさそうに、シマイは撃退士達を見下ろした。
 その中にひときわ目立つピンクの髪を見付け、少し驚いた様に目を見開く。
「そうか、君もそっちに付いたのか…まったく、君と言い楓と言い、どうしてそう愚かなんだろうね」
「リコさんを馬鹿にするのは許さないなの!」
 友の姿を隠す様に、カマふぃが前に立つ。
「リコさんには指一本触れさせないのですよぅ☆」
 その更に前に蒼姫が立った時にはもう、リコの姿は人垣の奥に隠されて見えなくなっていた。

 だが、チョコーレはその流れには乗らず、我が道を行く。
「お前がシマイか」
 髪を掻き上げ、額の印を見せた。
「訊きたいことがある。俺の額の封印を解く方法、お前ならば知っているのではないか? どうだ?」
 だがシマイは盛大に鼻を鳴らし、乾いた笑い声を上げる。
「自惚れないでもらえるかな。雑魚悪魔の事情など、この俺が知る筈ないだろう?」
「そうか、邪魔をしたな」
 礼の代わりに一撃喰らわせてやろうかとも考えたが、無理に関わり合いになる必要もないと思い直した。
 ここは因縁のある者に任せよう。
「あら、潔いのね」
 あっさり退いたチョコーレに、麗奈が艶めいた視線を送る。
「そういうの、嫌いやないわね」
 それに比べて――
「男が女々しいのは割とみっともないわよ? そういう男はあたし興味ないから相手はしてあげない」
 そう言い残し、麗奈はさっさと高みの見物を決め込んだ。
 いや、のんびり見物している暇はないか――地上にも上空にも、ディアボロは嫌と言うほど残っている。
「あたしはそっちの相手してるから、後はよろしくね?」
 そう言って、チョコーレを手招きする。

 残った者達は、ここで少しでもシマイにダメージを与えておく事に決めた様だ――データ収集と、本命の南班にかかる負担を減らす為に。

「そんな役立たずの小娘、君達にくれてやるよ」
 俺は楓さえ手に入ればそれで良い、そう言い残して、シマイはその場を去ろうとした。
 しかし。
「リコさんのカマダチ、カマふぃが相手なの!」
「シマウ・マナフー! きさカマの鎖を食らえー!」
 二人のカマキリがタッグを組んで、シマイに攻撃を仕掛ける。
 だが星の鎖は弾け飛び、カマふぃが飛ばした炎の鳥は何故か自分に体当たりして来た。
「何がどうなってるなの!」
 それは「黒い里」、空間を操作して遠距離攻撃を別地点に飛ばす事が出来るシマイ特有のスキルだ。
(だが、飛ばせる範囲にも限界はある筈だ)
 涼介はわざとシマイとの距離を変えて銃撃し、反撃が届く範囲を見極めようとする。
 だがその意図を察したのだろうか。
「君達と遊ぶつもりはないよ」
 シマイは煩そうに首を振ると、手の中に紫色の蝶を生み出した。
 それは手を離れた途端に姿を消し――次の瞬間、撃退士達が密集する真上に現れる。
 爆発の直前、リコは頭上に蜘蛛の巣を張った。
 それである程度のダメージを減らす事は出来たが、蝶は休む間もなく次々に送られて来る。
「きりがないな」
 蝶が生み出された瞬間に狙いを定めて撃ち落としながら、涼介が指示を出した。
「密集していると格好の的だ、少し距離を取った方が良い」
 しかし、互いに距離を取ると今度は白い光線が予想もしない角度から放たれる。
「どこから来るか、わからないのですよぅ」
 蒼姫が蒼の舞踊守陣で辛うじて受け止めるが、それは殆ど偶然に幸運だった。
(あれは逆方向に使う事も出来るのか)
 涼介はシマイの視線に注目する。
(側面や背面を狙うためには、相手が今この瞬間どこに居てどっちを向いているか見て確認が必要なはず――)
 目の動きを見れば、狙う場所が推測出来るだろうか。
 だが、それだけでは視線の動く方向はわかっても、距離が測れない。

「相手からも攻撃が届くなら、その瞬間を狙えば、相手に攻撃が届くか」
 アスハが呟いた。
「ああ、俺も同じ事を考えていた」
 涼介が頷く。
「ただ、あの空間は一瞬で閉じる。タイミングはシビアだろう」
「ならうちがあいつ、めっちゃ煽ったるわ」
 いばらが言った。
 自分がヘイトを稼げば、シマイは必ず攻撃して来る。
「煽り耐性低そうやもんな」
 だから、そこを狙って欲しい。
「ネイサンにディアボロ借りれへんで自作したみたいやけど、つまりそれってぼっちやんな…?」
 憐れみの眼差しを向け、更に煽る。
「おっさん、あんた玩具で遊んでるだけのお子様や。飽きたら捨てるんちゃう? 楓ですらも」
 シマイの眉がピクリと動く。
 次の瞬間、いばらの目の前に白い光が溢れた。
 だがその攻撃は蜘蛛の巣で半減され、更に蒼姫が受け止める。
 その隙に――
「失せろ、シマイ…貴様の舞台はここではない」
 アスハはPDWを撃ち放つ。
 予想もしない反撃に、シマイは防御の姿勢を取る事も出来なかった。

「く…っ」
 面白くない。
 軽く捻ってやるつもりだったのに、まさか反撃を喰らうとは。
「ああ、もういいや…君達の相手はもう飽きたよ」
 シマイはいかにも遊び飽きたという体を装って、ふらふらとその場を離れようとする。
 そこにディアボロの対応をしていた筈の小梅が飛び込んで来た。
「すきありー! ニャンコぉ!」
 お帰りはそっちじゃないよ、ニャンコ・ザ・ズームパンチ!
「てへ」
 その攻撃自体は青の落葉で受け流されてしまったが、その足が向く方向を変えさせる事には成功した。
 南側に続いている筈の通路の中央に、智美が立ち塞がる。
「ここから先は通さん」
 いかにもこの先に何かがありそうな芝居に、シマイは楓がそちらにいると思い込んだ様だ。



「シマイが今、そちらへ向かった」
 その姿が通路の向こうに消えた事を確認し、静矢は南と東へ連絡を入れた。
 仲間達がこの戦いで得た全ての攻略情報を詳細に伝え、後を託す。
「残るはこのディアボロ達か」
 恐竜が二体と、彼等の活躍(?)でかなり数を減らした牙虎達。
 翼竜も後は数えるほどしか残っていない。
「もうそろそろ、恐竜もお役御免ね」
 秘密の合図でチョコーレとリコがそれぞれ恐竜の動きを封じ、残る全員で集中攻撃。


 全てを片付けて怪我の応急手当を終えたら、シマイの後を追うことにしよう。
 その最期を、物語の結末を見届ける為に。



【錯双乱的玩具箱・西】 担当マスター:STANZA








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