―――2013年7月下旬。 ザハーク亡き青森の地は復興への兆しを見せ始めていた。 しかし、それを許さぬが如く各地で相次ぐ冥魔の襲撃。 指揮する者を失い、各地へ敗走して行ったディアボロたちが本能の赴くままに行動を始めた為だ。 真なる平和を取り戻すには、まだ先は長く。人々はじっと息を潜め、その時を待ち続けた。 その願いに応えるように、残党たちの撃退に奔走する撃退士たちの背を見つめながら……。 ――――――――――――――― 【九魔】傷痕に流れる涙 (烏丸優MS) 【九魔】青:地平線の教示者 (錦西MS) 【九魔】還るところ (京乃ゆらさMS) 【九魔】勇斗の戦記と悠奈の冒険 (柏木雄馬MS) 【九魔】傷跡 (有島由MS) 【九魔】繋がらない、繋がる (有島由MS) 【九魔】不死王の暗躍 (烏丸優MS) 【九魔】胃の中の人間 (九九人MS) 【九魔】交差点の戦斗 (柏木雄馬MS) 【九魔】必至 (有島由MS) 【九魔】無人の地に独り (猫野 額MS) 【九魔】毒蛇王の忌遺物 (烏丸優MS) 【九魔】祈りの行く末 (日方架音MS) 【九魔】戦士の背中 (錦西MS) 【九魔】光明 (京乃ゆらさMS) 【九魔】今、子供に伝えたいこと (九九人MS) 【九魔】哀しき暁光 (橘 律希MS) 【九魔】弘前城を包囲せよ! (青葉桂都MS) 【九魔】勇斗の戦記 百鬼夜行 (柏木雄馬MS) ―――――――――――――――
そして、2013年9月上旬。 知らせは突如、撃退署と学園に入ってきた。 「散り散りになったはずのディアボロたちが群れをなし、北上している」、と。 冥魔の狙いは、敗戦の地における軍の再編。その指揮を取っていたのはバロネス・リザベル。 彼女の命により、ソングレイ、マルコシアスがひと月余りの時間をかけ、密かにディアボロたちを集結させていたのだった。 青森は津軽半島を目指す冥魔の行軍。そして、丸屋形岳にてゲートを展開しようとするリザベル。 青森における真の最終決戦が、幕を開けた―――。 ――――――――――――――― 【九魔】青の戦士達 (STANZA MS) 【九魔】進撃、悪魔軍団! (青葉桂都MS) 【九魔】最終決戦/夢幻の残魂 (烏丸優MS) ―――――――――――――――
「……撤退するわよ」 翼を広げた女男爵が北の海を渡ってゆく。 漆黒の大鎌を振るう悪魔騎士も、雷を操る少年悪魔も、いずこかへと消え去った。 残されたディアボロたちもいずれ撃退署によって掃討されることだろう。 漸く、青森で繰り広げられた一連の戦乱は終結したのだ。 人々は歓喜に涙し、街は歓声に湧いた。 平穏を願い、ささやかな日常に焦がれ、笑顔を求めた日々。それらはもう、そこにある。 東北の地に、もう憂いは無い。 ―――誰もがそう、思っていた。
―――九魔の侵攻を食い止めた夏。 東北の人々が、撃退士が、勝利を収めた青森へと目を向けていた頃。 その裏では、密やかにサーバントたちの動きが活発化していた。 散発的な出現。突発的な襲撃。関連性など何もなく。 けれども、それらは何かの前触れだと撃退庁東北支部指令・長月 耀(ながつき よう)は感じ取っていた。 「やれやれ。平穏とやらはいつ訪れるのかねえ…」 それは次なる戦乱の予兆。天界軍の静かなる鼓動。 ―――秋田県。 新たなる戦いの場で、静かに幕が上がる……。 ――――――――――――――― まだいた……! (楠原 日野MS) 大館、宴のあと (STANZA MS) 死者の歌 (有島由MS) 無人の館に、お化けがうごめく (青葉桂都MS) 銀河鉄道の闇 (STANZA MS) 湖上に舞う (有島由MS) また戦車か…… (楠原 日野MS) アバレウマモドキ (猫野 額MS) 神の子の村のシュトラッサー (タカシMS) 悠奈の冒険 ガールミーツボーイ (柏木雄馬MS) ダブルバインド (九九人MS) 戦うための武器 (有島由MS) 苔むした岩 (有島由MS) 雷降り (有島由MS) ―――――――――――――――
秋も終わり、新たな季節が巡る。 ―――冬。 それは 「そろそろ頃合い……だろ?」 動き始めたのは、鳥海山を中心に広大な支配領域を持つ力天使『トビト』。 「すべてはトビト様の為に」 その横に控えるは、彼の副官に就任したばかりの権天使『ヴィルギニア』。 秋田各地へと放たれた偵察型サーバント『ヤタガラス』が、二人の為にあらゆるものを凝視していた。 聳える街並みを。抗う人々を。立ち向かう撃退士たちを。 まるで秋田を覆う運命の流れすら読みとるように、無機質な瞳がすべてを捉える。 目的は何なのか。まだ、それはわからない。 新たなる敵は、動き始めたばかり―――。 ――――――――――――――― 【神樹】空覆う鴉、地に踊る狼 (橘律希SSD) 【神樹】北秋田市の使徒 (タカシMS) 【神樹】落葉踊るは死出の舞 (津山佑弥SD) 【神樹】権瓦原助作が往く#5 (橘律希SSD) 【神樹】悠奈の冒険 再会 (柏木雄馬MS) 【神樹】鵺の鳴く夜 (猫野 額MS) 【神樹】揺らぎの炎陣 (狭霧MS) 【神樹】突然変異の剣鬼 (錦西MS) 【神樹】恋に堕ちる (九九人MS) 【神樹】何かが動き出す (楠原 日野MS) 【神樹】理不尽なる者の始動 (橘律希SSD) 【神樹】乙女心と秋の空 (日方架音MS) 【神樹】無音の雷雪戦 (楠原 日野MS) ―――――――――――――――
2013年12月21日。 聖夜を目前に控え、浮足立つ人々の元へ、ひと足早いクリスマスプレゼントが届けられた。 送り主の名は、権天使『ヴィルギニア』。 プレゼントの中身は―――秋田県にある複数都市の同時襲撃。 遂に鳥海山が本格的な侵攻に打って出たのだった…。 ――――――――――――――― 【神樹】影は語らず、烏は答えず (錦西MS) 【神樹】白烏蠢空、金鏡潜煙 (猫野 額MS) 【神樹】耐えろ! (楠原 日野MS) 【神樹】見せよ、刃の輝きを (STANZA MS) 【神樹】ヤタガラスは見下ろす (青葉桂都MS) 【神樹】狂猛なる漆黒の鬼 (烏丸優MS) 【神樹】乙女心と不本意な一日 (日方架音MS) 【神樹】陰で蠢く影 (橘律希SSD) ―――――――――――――――
局所的に被害を出しつつも、天使の同時襲撃を切り抜けた撃退士たち。 一方、天使たちはその後も各地で散発的に撃退士の前に現れ続けていた。 その様はどこか、挑発的ですらあった……。 ――――――――――――――― 【神樹】ダルドフ様を見習って (楠原 日野MS) 【神樹】汝、正義を謳う莫れ (錦西MS) 【神樹】山形戦線 雪中の炎魔人 (柏木雄馬MS) 【神樹】動き出した脅威 (橘律希SSD) 【神樹】垂れ下がる尾 (有島由MS) 【神樹】その刃に義の在りや (STANZA MS) ―――――――――――――――
2014年2月、立春の頃に天使たちは再び大きく動き出す。 年末にも標的となった、仙北市、男鹿半島への再襲撃。 しかも今度は、どちらも撃退士たちを複数部隊派遣せざるを得ないほどの規模だった。 時を同じくして、一見それらとは関係のない場所でも事は運んでいて……? ――――――――――――――― 【神樹】仙北侵攻/闇翔ける天従 (楠原 日野MS) 【神樹】仙北侵攻/闇駆ける天従 (烏丸優MS) 【神樹】氷華 (有島由MS) 【神樹】鋼鉄の墓場 (猫野 額MS) 【神樹】乙女心とおかしな悪戯 (日方架音MS) 【神樹】闇に灯る絶望の篝火 (橘律希SSD) 【神樹】幻燈の聖女 (烏丸優MS) ―――――――――――――――
撃退士たちに阻まれて尚、天使たちは執拗に襲撃を続けていた。 「みんな頑張ってるみたいだね」 紅顔の少年の金髪をさらさらと風に揺れる。 微笑みは優しく。しかし、その幼い声はどこか冷徹さを含んでいた。 「もう少し…と言う所かな」 ―――熾烈に、苛烈に、戦いは激しさを増してゆく。 ――――――――――――――― 【神樹】大禍時(有島由MS) 【神樹】砂塵に惑う乙女心(日方架音MS) 【神樹】神の子を探す使徒(タカシMS) ――――――――――――――― 天使フェッチーノは、侵攻が始まって少し経った頃からずっとあることを狙っていた。 即ち、秋田市へのゲート展開である。 その為の布石は、敷いてあった――が。 目論見は破かれたどころか、彼が『虫けら』と嘲る撃退士に深手を負わされる。 「忘れないぞ……」 その言葉を残し、傷を負った天使は秋田市を離れていった。 ――――――――――――――― 【神樹】楼閣の揺夢/隠珠(燕乃MS) 【神樹】楼閣の揺夢/鬼影(燕乃MS) ――――――――――――――― フェッチーノが秋田市にゲートを展開する作戦を実行しようとしていたその頃。 その秋田市を拠点にしていた撃退庁東北支部副司令・片倉花燐は、やむなき事情で街を離れていた。 人質に取られた、とある街の人々。 人質を取った天使の名は――権天使・ヴィルギニア。 天使エゲリアも一枚噛んでいたこの謀略を退けつつも、撃退士たちは権天使の力の一端を垣間見る。 ――――――――――――――― 【神樹】菫、二輪(猫野 額MS) ――――――――――――――― シュトラッサー・真宮寺 涼子は天使シェインエルの手を借り、仙北市を陰から陥れようとしていた。 順調に進めているように見えるが、今一歩のところで久遠ヶ原の撃退士に阻まれる状態が続いている。 ――――――――――――――― 【神樹】影に潜む(楠原 日野MS) 【神樹】不自然な強襲(楠原 日野MS) 【神樹】顔をあげて前を向け!(楠原 日野MS) 【神樹】悪乗りシェインエル(楠原 日野MS) ――――――――――――――― 自らの支配領域も持つ大天使・ダルドフは、なおも緩やかな支配体制を続けている。 撃退士に対しても対話を行うことが出来る輩ではある。 が、何らかの理由により天界への忠誠も崩してはいなかった。 ――――――――――――――― 【神樹】刃の選択(STANZA MS) 【神樹】無能の人(STANZA MS) 【神樹】熊の居ぬ間に(STANZA MS) 【神樹】突撃、熊さんハウス!(STANZA MS) ――――――――――――――― 一方、秋田県内でも青森や岩手の県境で散発的に事件は続く。 ――だが、撃退庁東北支部司令・長月耀は、これらの事件には『本命』の匂いは感じ取れなかった。 代わりに感じ取ったのは、とある可能性――。 ――――――――――――――― 【神樹】帰る場所は、此処に(佐嶋ちよみMS) 【神樹】花燐の報告、耀の推察(橘律希SSD) ―――――――――――――――
天使たちとの激戦が続く秋田で、興味深い報告が挙がった。 秋田県は北部。幾つかの襲撃の中で散見された、天使たちと冥魔の小競り合い。 その背後に隠れた鳥海山の真意とは? 咎人が遺した言葉の意味は? ――――――――――――――― 【神樹】聖人よ、踊れ(ムジカ・トラスMS) 【神樹】狂信者よ、吼えろ(ムジカ・トラスMS) 【神樹】悪魔よ、刮目せよ(ムジカ・トラスMS) 【神樹】人の子よ、拓け(ムジカ・トラスMS) 【神樹】咎人よ、叫べ(ムジカ・トラスMS) ――――――――――――――― 更に一方で、権天使ヴィルギニアは再び撃退士の前に立ちはだかるべく準備を始めていた――。 ――――――――――――――― 【神樹】烏、不吉を啼く(津山佑弥SD) ――――――――――――――― 「うん、そろそろ頃合かな?」 鳥海山に広がる景色を見下ろしながら、少年の顔には無垢な笑みが浮かんでいた―――
自らのゲートにて、撃退士と言葉を交わすダルドフ。 秋田北部にて、三度暗躍するヴィルギニア。 秋田市でのゲート展開に失敗し、報復に燃えるフェッチーノ。 撃退士からの親愛の感情と、その撃退士に慕っていた六万を殺されたという事実に揺れる煌爛々。 そして、『持ち場』である仙北市を離れ、何かを誘うように動く涼子――。 バラバラに動いていた歯車が、軋みながらも噛み合い始める――。 ――――――――――――――― 【神樹】突撃、熊さんハウス!(STANZA MS) 【神樹】花咲く季節の訪問者(佐嶋ちよみMS) 【神樹】瑕の翼(燕乃MS) 【神樹】乙女心と嵐の前の静けさ(日方架音MS) 【神樹】大きな戦いの前哨戦(楠原 日野MS) ―――――――――――――――
鳥海山の天使たちがずっと撒いていた種が、遂に芽吹こうとしていた。 秋田と青森の県境に広がる白神山地にて、大規模なゲート構築の詠唱に入るヴィルギニア。 その阻止へ動きかけた撃退士の出鼻を挫くように、天界の大軍が仙台へ押し寄せる。 東北における2つ目のゲート展開を阻止し、また仙台を守り切ることができるか――。 ふたつの大きな局面が同時に動き始めた。 ――――――――――――――― 【神樹】聖人よ、謳え(ムジカ・トラスMS) 【神樹】白き花のアルカディア(佐嶋ちよみMS) 【神樹】人の仔よ、救え(ムジカ・トラスMS) 【神樹】招かれざるものたち(橘律希SSD) 【神樹】瑞獣は災厄を歌う(樹シロカMS) 【神樹】その刃を断つものは(STANZA MS) 【神樹】街潰し(猫野 額MS) ――――――――――――――― 二つの戦いの結果、白神山地のゲート展開は阻止され、 天使フェッチーノは死亡、大天使ダルドフも行方をくらました。 しかし天使の大きな目標を阻止した一方で、仙台への侵攻から人々は守りきれず――。 トビト、そしてヴィルギニアは、初めて自らの意思でその牙を撃退士へ向けようとしていた。
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