●バカと腐女子のすくつ(←なぜか変換出来ない)
「目指せ薔薇エンド! 違った、優勝!」
シェリア・ロウ・ド・ロンド(
jb3671)は意気揚々と手を掲げて叫ぶ。ジャスミンはシェリアに何処からか取り出した花吹雪をぱっぱ振り掛ける。
「どうしてこうなった」
きなこ組の良心を自称するロドルフォ・リウッツィ(
jb5648)は額に手をあてた。
確かに見た目だけは良い生徒が集まっている。しかし、このわらび組は(※お察し下さい※)なのだ。
「みんな、見に来てくれるそうです。あの人も、見に来てくれるでしょうか…」
ちょっと、恥ずかしいなぁ。あ、それとリア充(星杜 藤花(
ja0292))も居たっけ。
「リアルに恋人いるリア充は敵よ!」
「三次元の恋人いる裏切り者や><」
さんすうのプロ(意味深)のジャスみんとシェリアの糾弾の嵐がリア充藤花を襲う。
リア充とさんすうのプロは相容れぬ宿命故。
「はぅ……え、ぇぇ…私、どうして責められているんでしょうか…」
引っ込み思案な生き物係の藤花は台本で顔を隠す。しかし、その隙間から見えたレーヴェとロドルフォの姿にほっこり。
イケメンが並ぶ姿も悪くはない。そう思う彼女もまた、さんすうビギナー(意味深)だった。
「カソウ大会なんでしょ! カソウするよ!」
「君、どうして火炎放射器持っているんだい?」
「え? 火葬でしょ?」
けろりと答えた鴉女 絢(
jb2708)にキキョウはおもむろに黒板へと向かいチョークで文字を書いた後、バンっと叩いた。
「仮装! こっち!」
「仮装備! なべのふたにきのえだだね!」
意気揚々と何処から取り出したのか鍋の蓋と木枝を構えた絢。キキョウは頭抱えた。
「誉ちゃん仮装大賞ってあれですわよね。お子様とか出してかわいさと健気さアピールすればとりあえず最終選考残れるあざとさ狙いの物ですわよね」
紅華院麗菜(
ja1132)は。あどけない外見に反して言うことはかなりシビア。しかし、的を射ている気がする。
「それを存分に活かして他クラスの追随を許さないものにしましょう。大丈夫です! 全ては私の手の内!」
「……おい。ところで、マユミは?」
最早ツッコむ気力も失せた、ロドのあまりにも早すぎる諦め。
「マユミ女装似合いすぎワロタ。レイヤーな私流石ね!」
どやっ。胸を張る嵯峨野 楓(
ja8257)さんと一緒に出てきたのは白玉姫の名に相応しく、まるで光り輝くようなマユミ。
「いやーなんつーかここまで違和感なくなるモンなんだな」
「女装は家でもしていましたから…」
「お前ん家って」
「能楽を」
「…それとこれは、違くね?ってか、よくお前そんなあっさりしてられるな」
「演ずるということは同じですよ。何を恥ずかしがるのです」
逆に訊ね返したマユミの手をロドは握り。
「まぁ、いいや。劇が終わったらそのまま一緒にお茶でもどーだい檀ちゃん」
だが、マユミが答えるよりも先に感じたのは殺気。ぎこちなく振り向くイタリアーノ。
「……あ、ああ勿論ジャスミンちゃんも一緒にな!」
宥めようとして咄嗟に出た言葉。しかし帰ってきたジャスミンの言葉は…。
「キスしたらええわ」
「あと、写メ撮らせて頂戴」
「なんでだ!」
ジャスミンとシェリアにロドルフォは即座に拒否る。しかし、スマホ[注1]を構えたふたりの迫力は何か、超やばい。女子こわい。
801同好会、サークル名『毒花』。夏と冬の死線を共にしたふたりに恐れるものも敵も何もないのだ。
「そういえばジャスみんってカエデ君敵対視するのに彼は認めるのね?」
「ロドに似とったキャラはええから」
鬱屈した日々に出会ったジャパニーズアニメ『双乱の艦隊』!
キャラの一人の檀はまさに王子様像ぴったりでしたが、双子の弟の策略により檀は自害を余儀なくされてしまった!
(※ちなみ誤解です)
だから。
「カエデだけはあかんの」
ほんま忌々しゅうくてたまらんわ。
「別にさー、私は仮装大賞とか興味無いけど勝てばカエデ×レーヴェがクラスでで見放題なんでしょ?だったらガチでやるっきゃないよね」
楓は瞳が妖しく光る。その為だったら、手段は選ばないし。
「ね、ロド。女装攻めよね(ほえみ」
「俺に聞かれても困るんですが。てか、あんたが見たいだけだろ!」
「てか、ロドは受けよね。あ、ジャスみん。まゆジャス描くから手伝って」
\ええわぁ/
┌(┌ ^o^)┐ かえでは ふじょしAを しょうかんした
\ロドまゆもお願いするわ! ロドは圧倒的受けね!/
┌(┌ ^o^)┐ ふじょしBは ぞうえんに はいった
「最近クラレヴェあついよ」「ロドカエもよくないかしら?ゆりほも」「まゆロドも捨てがたいわぁ」
┌(┌ ^o^)┐┌(┌ ^o^)┐┌(┌ ^o^)┐
▽わらび三腐神は合体した。それぞれ武器(女装道具)を手に進撃する。
「人の話を聞け!」
叫ぶロド。しかし、わらび三腐神の敵ではない。
「え、あ……俺女装だけはあの専門外ですし、えと……」
じり、じりと後退する哀れなる犠牲者。三腐神は素敵な笑顔で追い詰める。真昼の学校に断末魔が響いた。南無。
「えと……そろそろ移動しましょうか。準備もありますし」
心の中で手を合わせた藤花は、それに気付いてしまった。
「りんごー」
ちゃっちゃらー。両手に腰をあて堂々と教壇に立つ絢。体操着に何故か頭にはりんごの被り物。
「そ、その格好は……」
「だって、白雪姫の小人ってりんごでしょ? ブルマでしょ?」
●さて、突然ですが
「受入ちまった方が楽な事もある――俺はそう悟りました」
清涼飲料水[注2]のCMの如く爽やかな笑顔を浮かべロドルフォは言い放った。
彼は今、ドレスを着ていた。てか、ワンピース。咲き立てピンクベビーローズ色のひらひらとしたサムシング。うーわー。俺、もうお婿さん行けねー。悪夢ならはよ覚めろ。
「女装もモテるとも聞いたのであるぞ! よかったのであるな、ロドルフォ」
「……レーヴェ、お前は一体、何吹きこまれた」
「ホモは幼女にモテるのであろう?」
正直殴りたいくらいのイケメンオーラを撒き散らす王子様姿のレーヴェは答えた。がっと楓の方を見るロド。
「犯人はお前か!」
「ホモになる運命なのよ。諦めなさい」
「諦められるか!」
青年は叫ぶ。
「あ、諦めたらそこで試合…どころか、人生終了なんだよ!」
ちなみに、その間お姫様姿のマユミはカメラ五台を持ってきなこ組の演技を見ていた。白無垢はカエデの物だったらしいが、何故かつくしで納得した。
「あ、あの皆さん、そろそろきなこ組の舞台が終わるようですよ」
準備は出来ていますか? 訊ねた藤花に絢はばぁんっと胸を張った、大量の段ボール箱の前で。
「出来てるよ! ほら、りんご!」
絢が用意した木の枝に代わる武器はブルーフォレスト産のりんご(一玉98円)。
「いいのではないでしょうか。ブルマは昔からあざとい衣装と決まっておりますわ」
麗菜が自信満々に言い放つ。
女装にブルマにゴスロリetc。鼻につく勢いのあざとさも逆にいっそ清々しい。
『昔々、ある国に珠のように美しい白玉姫という御姫様が住んでおりました』
ナレーションは楓。その声の中で舞台を華麗に歩く白玉姫ことマユミ。まずまずは順調な滑り出し、そんな姫を見守る影ひとつ。
壁】∀`)
「はぁ〜 白玉姫は今日も麗しゅうなぁ。男やけど」
そう、実は白玉姫は男性だったのです。その衝撃の事実を知るのは侍女のジャスミンだけ。
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰かしら☆」
さて、場面は変わりまして王妃の部屋。王妃役は一部の隙も無いふりふりあざといゴシックロリータ衣装に身を包んだ麗菜ちゃん。
「はわわ〜え、えぇっと〜〜白玉姫です」
鏡の精藤花が、ぽろった。
「なんですって……あの…」
「ど、どうして王妃様は白玉姫だけはお認めにならないのですか〜」
「白玉姫だけは……」
ぐぬぬ。可愛らしい姿に似合わない黒笑みを浮かべた麗菜。幼女なのに。
「召使いを呼んで頂戴。白玉姫をこの世から消し去りますわ!」
そのギャップが逆に審査員の心を掴んだ。
感動の余り上半身裸になろうとした(しかし真顔)誉ちゃん。金ダライがスコーン!とクリーンヒットした。変態成敗。
妃に差し向けられた追手を何とか振り解いたマユミ(※勝手にストーカーしてた侍女除く)。何やら、ダイナマイトやロケットランチャーや手榴弾を持っていた兵も居たけれど、なんとか逃げた。てか、よく生還したな白玉姫。
でも、食べるものもありません。へちょりと座り込みます。
「あらー、とてもかわいらしいひめがー(棒読み」
見付けたのは、ロド。愉快な小人達がまさかり担いでやってきました。
「あなた達は?」
「こびと! とりあえずりんご食べるといいよ!」
絢はりんごを差し出した。
「ありがとう……いいの?」
「小人の家に来れば沢山りんごある! くるといいよ!」
こうして、白玉姫は新たなおうちをゲットしました。
ちなみに小人の中にはグ○コを切らされて縮んだ担任サキの姿もあった。
怒りたいけど、パシリ欲しいので担任も使い魔コタローで小人役の水増しをするなど、わりとガチ。
シーン転換、王妃の部屋。
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰かしら。今度こそ、私よね? だって、白玉姫は闇に葬ったもの」
「白玉姫です。こびとさんとめるへんちっくに仲良く暮らしてますよ〜」
馬鹿正直な鏡の精。あ、ぽろった。
「どうやら、兵じゃ役不足なようですわね…」
ぎりりと顔をしかめる妃。そうして徐に取り出したのは毒殺セット。実は妃は魔女だったのです(※主に科学の力)。
青酸カリ、砒素。様々な魔法の小瓶を並べ、ブレンド。
「この特製りんごを姫に食べさせましょう…」
目指すは、完全犯罪だ。
「はわわ〜大変なことになりました」
藤花は妖しげな笑みを浮かべる麗菜をおろおろと眺めていた。
一方、そんなことは知らない小人達。
『ロド小人は山へ芝刈りに、サキ小人は川へ洗濯しに行きました』
「姫ー何か困ったことはないー?」
さて、そんな白玉姫のお世話係になったのは、絢でした。
りんごブルマ姿の絢は事あるごとにりんごを与え、しつこいくらいにりんごを与え、姫を大層大切に育てました。
「姫ーご飯だよー!」
朝りんご、昼りんご、夜りんご。
「姫が喜んでる?」
もっと喜ばせようと、りんご。
「姫が悲しんでる?」
元気付けようと、りんご。
「姫が……御託はいい、りんご」
りんごブルーフォレスト、りんご。超りんご。姫が困惑するのもお構いなし。
「りんご無くなったー。とってくるー」
ぱたぱたと絢は外へと出かけていきました。それと入れ替わるように響いたノックの音にマユミは扉を開けた。
舞台袖に戻ってきたロドルフォはぐたぁとキキョウにもたれ掛かろうとした。さっと回避するキキョウ。ずさーと倒れ込む。一寸法師は小さいので舞台に出ず声だけの出演だった。
「キキョウちゃん、俺もう疲れたよ……」
「気持ちは察するよ」
「だから、これが終わったら俺とお茶でもどう?」
冷ややかな視線を返すキキョウ。
「…あっはいすみません真面目にやります」
彼は舞台へと戻る。
家を訪れたのは、麗菜。
マッチ売りの少女のような格好をして林檎売りをしていた。だって、こっちの方が幼女らしいあざとさアピール出来るし。
「りんごは要りませんかー? うち、おかーちゃんがびょーきなんですー」
「あらあら、それは大変ですねぇ」
りんご買う白玉姫。
「わたしが一生懸命作ったりんごなんです>< よかったら食べてください><」
「では、頂きます…ぁっ」
ばたん。白玉姫は死にました。だって、ぽいずんあっぷる。
「姫……りんご、食べてくれない。うえーん(棒読み」
「まゆ…じゃねえ。おお白雪姫どうして死んでしまったのですかー(棒読み」
大根役者2名。泣いているつもりらしいが、絶望的なまでに棒読み。
「それはダメなりんご! ブルーフォレストのりんごじゃないから、姫死んだ!」
大根役者絢のりんごへのこだわり半端ない。此処だけ何故か熱が入ってた。ちなみに、当然彼女のアドリブ。
仕方無いのでロドはマユミをお姫様だっこし、硝子の棺へと運ぶ。視線がなんだか冷たい。痛い。
あまりにも素晴らしい演技に、
「仮装の封砲や〜」
大興奮する誉ちゃん(しかし真顔)、感動のままに立ち上がる(しかし真顔)。
ぱからぱからと、段ボールで出来た白馬に乗って登場したのは王子。
「えー、ロリではないのであるー(´・ω・`) ロリが居るからきたのにー」
我はロリとがいいのである。ロリロリ幼女。超渋るロリコン王子レーヴェ。
中々ちゅーしようとはしません。
「はよしろ!」
シェリアとジャスミンは一緒にレーヴェの背中を、どん☆
レーヴェとマユミの唇が触れ合う[注3]。何処からともなく現れたさくらの精楓がさくらの花びらをばらまく[注4]。春感のゴリ押し。その傍らで、シェリアは舞台袖の麗菜に視線で合図を送る。
\エンダァアァイヤァァアァァ!!!/
(あ、間違えましたわ……こちらですわね)
シェリアのアイコンタクトを受けた麗菜は冷静にトラックを変えた。アダルティなミュージック☆
「さて、舞台に戻りますわよ。犯人は現場に戻ると言いますし」
ごすろり妃・麗菜は舞台へ再び上がる。
さて、視点を戻しましてその頃のロリコン王子はというと。
「ロリじゃない姫は駄目であるー。年齢二桁はBBAであるよ(´・ω・`)」
しょぼーんとしたろりこんの瞳に舞台へ上がる麗菜の姿が映る。これこそ、理想のロリ。
一目散に麗菜妃の元へと駆け寄ろうとするろりこん。
だがしかし、
「王子様は私だけを…」
その時のマユミの表情は完全にやんでれだった。目が虚ろだった。何も映ってなかった。
ジャパニーズ役者の実力すげー。あれ?これ素?素ではないことを祈るロドルフォの傍らでシェリアはぽちっとスイッチを押す。
ヤンデレ女装男子が、銀色に輝く其れで王子の背中を――。
「あっ…」
\ちゅどーん!/
シェリアが気付いた時にはもう遅い。
演出用に用意した火薬の量間違えた。てか、大爆発。木っ端微塵に吹き飛んじゃいました。
●┌(┌ ^o^)┐<花よりホモ)
奇跡的に全員無事だった。そして、何故か誉の説得で不問にもなった。
「え、はい……なんでも、ありですね」
ほわりと呟く藤花の隣で残念そうに麗菜が溜息を吐く。
「しかし、残念ですわ。審査結果が出ていればうちのクラスが一位になること間違い無しでしたのに」
ノーパソで楓はクラウン×レーヴェの執筆作業に勤しんでいた。
花よりホモ。花を見ながら書いた原稿は即日完売したらしい。
脚注 [編集]
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注訳 [編集]
1.^「すまないが、ホモ以外は帰ってくれないか」の略
2.^青と白のスポーツドリンク
3.^レヴェマユって誰得?
4.^台本は後でわらび組にて販売しますのでご連絡ください☆ byさがの