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みんなの思い出
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オープニング
●Side 観客
「さて問題です。進級試験の後には何がある？」
「追試か？」
「そうだけど、そうじゃなくてっ」
「大戦か……今京都がアレだし」
「じゃなくてっ！ 学園行事だよ、行事！」
悪友は必死に言い募る。
草むらに寝ころび、試験から解放された喜びをかみしめている最中だったのに。どうにも寝かせておいてくれないらしい。
寝ぼけた頭で、夏の頃よりずいぶんと高くなった空を見つめて考える。
秋の行事と言えば。ふと思い当った。
「文化祭、か」
「あったりー」
悪友はにやりと笑う。
どおりで最近部室棟が騒がしいわけだ、と思い返した。
学生人口約四万とも六万ともいわれる久遠ヶ原学園。この超マンモス校が開催する久遠ヶ原学園文化祭は、模擬店や催し物の豊富さと、めまいがするほどの多くの人出から、毎年他校を圧倒する一大イベントになっている。
だからというべきか、学園内にみっしりと出店が顔をそろえる壮観な光景を思い出すと、何だか身体がそわそわとしてくるのだ。
「ああ、そろそろ準備しなきゃなー」
呟くと、悪友はじろりとこちらを見た。
「準備もだけど、あれも大事だろ！ なあ、今年は誰に投票する？ もう楽しみで楽しみで」
「あれって何」
「何って、これだよ！」
そう言ってひらりとチラシを顔に被せてくる。
朱色の文字で、でかでかと書かれたタイトルは、“ミス・ミスター久遠ヶ原コンテスト”。
文化祭の催し物のなかでも、毎年特に注目を集める目玉イベントだ。ミス・ミスター部門はもちろんのこと、昨年はコミカル・新入生部門も加わり、多くの生徒達の関心事となっていたはずだった。
起き上がってチラシを読めば、新情報がちらほらとある。
「あれ、今年もまた新部門が開設されるんだ」
「そうみたいだね。今年は誰が出るかなぁ。昨年のあの子もすげー可愛かったし」
悪友は遠い目をして呟く。
「あー、誰かステージ上で告白とかしてくれないかな、速攻付き合うのに」
「誰がお前に告白するか」
憎まれ口を叩くと、悪友がはたいてくる。
“舞台上で告白すると、成就する――。”
いつの頃からか、まことしやかに囁かれるようになった噂だ。
ミスコンは、秘めた想いや変わらぬ愛を伝える絶好の場にもなっていた。
「いいなあ……リア充なんて滅亡すればいいのに」
同感だが共感したくなかったので黙っていると、やせがまんしちゃって、と奴は見透かしたようににやりと笑う。
「ま、何にしろ楽しみだよな。コンテスト」
まったく不本意だが、その言葉に頷かないわけにはいかなかった。
●Side 出場者
チラシが張り出された今、観客達も熱い視線を送るが、参加を考える者たちもそれは同様であった。
「学食一年分……！」
チラシに書かれた優勝賞品に目が眩む者がいるかと思えば、連覇を狙う者、ニューヒロイン・ヒーローたらんと熱い野望に燃える者もいる。はたまた、のんびり参加する者やネタに走る者、そして秘めた想いを持つ者も少なくない。
様々な思惑が交錯するこのコンテストは、しかし毎回熾烈を極める争いだった。
これで世界が変わるわけではない。だが生徒にとっては歴史に名を刻む一大決戦。
「記憶に残る戦いにしてみせますっ……！」
掲示板の前で少女が呟いた。
周りもごくりと喉を鳴らす。
様々な思いをのせて、ミス・ミスター久遠ヶ原コンテストがいよいよ開幕したのだった。
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※本シナリオは、ＰＣ全身図ＮＥＷをご購入頂いた方限定の特典シナリオです。
ご発注いただきましたキャラクター（１枚につき１ＰＣ）が、無料で特別形式のシナリオに参加可能です。
シナリオ相談期間・報酬などは追って発表いたします。
対象ＰＣ数に応じて、ＯＰ・解説は変更となる場合がございます。何卒ご容赦下さい。
当シナリオに参加を希望される方は10月10日 18:00までに発注をおこなってください。
（ノミネート発注の場合は、対象期間内に発注をおこない、その後、受理された場合のみ対象となります）
OP執筆：川上野溝
※参加者多数のため、リプレイは３名のマスターが共同で制作いたします。
「さて問題です。進級試験の後には何がある？」
「追試か？」
「そうだけど、そうじゃなくてっ」
「大戦か……今京都がアレだし」
「じゃなくてっ！ 学園行事だよ、行事！」
悪友は必死に言い募る。
草むらに寝ころび、試験から解放された喜びをかみしめている最中だったのに。どうにも寝かせておいてくれないらしい。
寝ぼけた頭で、夏の頃よりずいぶんと高くなった空を見つめて考える。
秋の行事と言えば。ふと思い当った。
「文化祭、か」
「あったりー」
悪友はにやりと笑う。
どおりで最近部室棟が騒がしいわけだ、と思い返した。
学生人口約四万とも六万ともいわれる久遠ヶ原学園。この超マンモス校が開催する久遠ヶ原学園文化祭は、模擬店や催し物の豊富さと、めまいがするほどの多くの人出から、毎年他校を圧倒する一大イベントになっている。
だからというべきか、学園内にみっしりと出店が顔をそろえる壮観な光景を思い出すと、何だか身体がそわそわとしてくるのだ。
「ああ、そろそろ準備しなきゃなー」
呟くと、悪友はじろりとこちらを見た。
「準備もだけど、あれも大事だろ！ なあ、今年は誰に投票する？ もう楽しみで楽しみで」
「あれって何」
「何って、これだよ！」
そう言ってひらりとチラシを顔に被せてくる。
朱色の文字で、でかでかと書かれたタイトルは、“ミス・ミスター久遠ヶ原コンテスト”。
文化祭の催し物のなかでも、毎年特に注目を集める目玉イベントだ。ミス・ミスター部門はもちろんのこと、昨年はコミカル・新入生部門も加わり、多くの生徒達の関心事となっていたはずだった。
起き上がってチラシを読めば、新情報がちらほらとある。
「あれ、今年もまた新部門が開設されるんだ」
「そうみたいだね。今年は誰が出るかなぁ。昨年のあの子もすげー可愛かったし」
悪友は遠い目をして呟く。
「あー、誰かステージ上で告白とかしてくれないかな、速攻付き合うのに」
「誰がお前に告白するか」
憎まれ口を叩くと、悪友がはたいてくる。
“舞台上で告白すると、成就する――。”
いつの頃からか、まことしやかに囁かれるようになった噂だ。
ミスコンは、秘めた想いや変わらぬ愛を伝える絶好の場にもなっていた。
「いいなあ……リア充なんて滅亡すればいいのに」
同感だが共感したくなかったので黙っていると、やせがまんしちゃって、と奴は見透かしたようににやりと笑う。
「ま、何にしろ楽しみだよな。コンテスト」
まったく不本意だが、その言葉に頷かないわけにはいかなかった。
●Side 出場者
チラシが張り出された今、観客達も熱い視線を送るが、参加を考える者たちもそれは同様であった。
「学食一年分……！」
チラシに書かれた優勝賞品に目が眩む者がいるかと思えば、連覇を狙う者、ニューヒロイン・ヒーローたらんと熱い野望に燃える者もいる。はたまた、のんびり参加する者やネタに走る者、そして秘めた想いを持つ者も少なくない。
様々な思惑が交錯するこのコンテストは、しかし毎回熾烈を極める争いだった。
これで世界が変わるわけではない。だが生徒にとっては歴史に名を刻む一大決戦。
「記憶に残る戦いにしてみせますっ……！」
掲示板の前で少女が呟いた。
周りもごくりと喉を鳴らす。
様々な思いをのせて、ミス・ミスター久遠ヶ原コンテストがいよいよ開幕したのだった。
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※本シナリオは、ＰＣ全身図ＮＥＷをご購入頂いた方限定の特典シナリオです。
ご発注いただきましたキャラクター（１枚につき１ＰＣ）が、無料で特別形式のシナリオに参加可能です。
シナリオ相談期間・報酬などは追って発表いたします。
対象ＰＣ数に応じて、ＯＰ・解説は変更となる場合がございます。何卒ご容赦下さい。
当シナリオに参加を希望される方は10月10日 18:00までに発注をおこなってください。
（ノミネート発注の場合は、対象期間内に発注をおこない、その後、受理された場合のみ対象となります）
OP執筆：川上野溝
※参加者多数のため、リプレイは３名のマスターが共同で制作いたします。
リプレイ本文
――いやぁ、ミスコン楽しかったね。
――ハチャメチャだったけど、なんだかんだ言って盛り上がったよな。
今年も大波乱の文化祭だったけれど。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、とはよく言ったもので、
過ぎてしまえば混乱さえも良き思い出に変わっていくものだ。
学園全体に残る、文化祭の残り香を感じながら――
撃退士たちは、来る年末への思いを馳せる。
２０１３年も残すところ、あとわずか。
楽しいこと、
辛いこと、
悲しいこと、
嬉しいこと。
たくさんの思い出が生まれた１年。
一人ひとりの胸の中に、多くの変化が生まれた激動の１年だっただろう。
ケリがついた、年。
――本当に？
やり残したことは、無いだろうか？
――いや。まだ、戦いは終わってはいない。
今も、日本の各地で苦しんでいる人がいる。
これから先も、きっと多くの事件が起こるだろう。
休息が必要とはいえ、いつまでも休んでいるわけにもいかないだろう。
さあ――ふたたび気を引き締める時間のようだ。
やってくる。
戦いの足音が、ひたひたと、近づいている。
つかの間の休息を終えて、撃退士達は再び戦いへ赴く。
輝かしい、人類の勝利を掴み取るための一歩を、ここから踏み出す――。
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当リプレイは、文化祭2013特設ページにて公開されております。
お手数ではございますが、下記ページよりご覧ください。
http://www.wtrpg9.com/event/event_bunkasai/2013/index.html#pickup
【執筆：燕乃ＭＳ】
http://www.wtrpg9.com/event/event_bunkasai/2013/con_rep3.html
【執筆：由貴 珪花ＭＳ】
http://www.wtrpg9.com/event/event_bunkasai/2013/con_rep2.html
【執筆：川上 野溝ＭＳ】
http://www.wtrpg9.com/event/event_bunkasai/2013/con_rep.html
【エピローグ】
http://www.wtrpg9.com/event/event_bunkasai/2013/con_rep_ep.html
※なお、当リプレイへの人気投票は
ご遠慮いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
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依頼結果
| 依頼成功度：大成功 |
| MVP： − |
| 重体： − |
| 面白かった！：15人 |
