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マスター:黒兎そよ
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/10/28


みんなの思い出



オープニング

●キノコを集めよう!

「おぉ、今年は豊作だなぁ」
 男は赤松の根元に屈み込むと、松葉を手で払いのけ慎重にそれを掘り出した。


 立派にそそり立ったソレを掴むと、鼻先へと近づけた。

 芳しい香り。
 秋の味覚の代名詞。

 ソレの名はマツタケ!

 灰褐色の茎の先に丸みを帯びた傘。
 一本がそれなりのお値段になる高級食材だ。

「おぉ、こっちにはヒラタケがあるじゃねぇか!」
 山中はその他にも、舞茸や天然モノのなめこなど、キノコで溢れかえっていた。

 男はホクホク顔で収穫し、山を下りていった。

 しばらく歩いた山の中腹で、香ばしい香りと共に幾人かの声が聞こえてきた。

 自分と同じでキノコ狩りに来た観光客かと男は思い、そちらの方へと言ってみる事にした。
 見れば焚き火を囲んだ男女が数人。山の幸を早速、頂いているようだ。

「どうだいアンタも食べていかないかい?」
 上機嫌な声で誘われ、男は一緒に山の幸を味わう事に。
 折角なので男は自分のマツタケを振舞った。

「おぉ、これは美味い」

 そんな声が上がり、男も上機嫌だ。

「じゃぁ、今度はこっちの番だ」
 とばかりに男の前に出されたのは、不思議な色のキノコばかりだった。
 初めてみるキノコに男は一瞬戸惑ったが、皆が美味そうに食べるのを見て、ついには口に入れた。

 かみ締めると汁が口の中にドバッとあふれ出し、鼻から香りが抜け出る。
 初めての感覚。

 男は堪らずもう一口。


 そして段々と楽しくなって来て、体がリズムを刻み始める。
 見れば、皆踊っている。
 キノコのように傘を被った男女が踊る。
 沢山のキノコに囲まれ、男は踊るのだ。



●オペレータもキノコ狩りに行きたい

「天高く馬肥ゆる秋……ですが皆さん、お仕事です」
 眼鏡をクイッと押し上げて、志方 優沙(jz0125)は撃退士たちへと告げる。

「今回の依頼は山中に発生した? キノコディアボロ退治となっております」
 志方の操作でスクリーンに映し出されたのは、キノコに手足が生えたようなディアボロと、一緒に踊る人々の姿だった。

「このキノコたち、幻覚性の胞子を周囲に撒き散らしており、人々を誘いここに集めているようです。このまま放置すれば、キノコたちに人々は食われてしまうでしょう」

 秋の味覚を味わおうという人が、秋の味覚に(姿だけだが)に味わわれてしまうなど、まるであべこべであるが、これがディアボロと人間の現実である。

「この山中には、美味なキノコ類が豊富だという事で、例年、キノコ狩りに訪れる人が多かったのですが、そこを天魔に目をつけられたのでしょうか……」
 などと、原因を模索する志方であったが、わりと天魔のやる事は奔放であり、人の定規で測れるものではないのかもしれない。

「そうそう、なぜかキノコディアボロの踊った周囲には、キノコが豊作になるそうです……それだけなら良かったのですけれどね。中にはディアボロの胞子を浴びて、変化したキノコも生えてしまうそうです」
 と、志方はため息をつく。
「この変化したキノコを食べると、また様々な悪影響があるそうです……味は美味しいそうなんですけどね」

 スクリーンが切り替えられ、何種類ものキノコディアボロとその胞子で変化したキノコたちが映し出された。

 傘が大きく広がったヒラタケのような奴。
 表面がヌメッたなめたけのような奴。
 毒々しい色合いの奴も居る。

 そして、おいしそうに変化したキノコを食べ、または胞子にやられ幻覚に襲われる人々。

 報告によると赤いキノコを食べると体が火照って、なんだかいや〜んな気分になるとか。
 青いキノコは凄い欝な幻覚へといざなわれ。
 黄色のキノコは笑いが止まらないような楽しさを味わい。
 紫は……良く分からないらしい。


「依頼主の山だそうで、ディアボロを退治した後は、キノコ狩りをして良いとのことです。
 それでは皆さん、頑張ってくださいね。

 ちなみに、今年は豊作だそうですよ?」

 と、最後に「ご武運を」と言うのが志方の定番なのだが、今回は違った。
 どうやら志方もキノコが食べたいようだった。


リプレイ本文


●秋の山は大豊作

 山も色付き行楽日和な秋晴れが広がっていた。
 こんな日は色付いた木々の葉を眺めて歩きたいものだ。

 そして少し歩いて小腹がすいたら、秋の味覚で腹ごしらえだ。
 生きてるって感じがするだろう?



 そんな人々が、この山に入って行っては遭難している……。

 その気持ちが分からんでもない……と、ミハイル・エッカート(jb0544)はサングラス越しに周囲を見回し、緊張感のある面持ちでマツタケを探していたっ!

 彼の同僚曰く、「マツタケを食べなければ日本に来た意味が無い」との事だ。
 そこまで言わせる「マツタケ」に興味が沸くのは当然だろう。
 あえて勢いよく周囲に目を配る。大仰にキョロキョロするのではなく、あくまでスタイリッシュに。
 いや、まずはディアボロを探そうよ……とは言わないのがお約束。

「キノコ狩りにゃ〜」
 楽しそうな猫野・宮子(ja0024)の声が聞こえる。
「宮子様〜、フライパンを振り回しては危ないですよ〜」
 上機嫌な猫野に付き添っていたのはAL(jb4583)だ。
 ショートカットの髪に猫耳が可愛らしい。だが、男だ。

「だって、AL君。キノコ狩りにゃのよ〜。楽しみだよ〜」
 と、手にしたフライパンをくるくると回す。
「おらも楽しみだ〜。いっぱい採れたら旦那様もよろこぶっちゃ」
 御供 瞳(jb6018)もそれにつられるように、誰かの姿絵が描かれた背中の剣に手を伸ばし楽しそうに歩いていた。
 彼女の言う旦那様は既に亡くなっていたが、そこに言及するのは野暮というものだろう。
「そうだな。俺も家族の分は採れるといいと思う」
 礼野 智美(ja3600)は目を伏せ、静かに呟く。

「えぇ、“ふつう”のキノコ狩りならば楽しみでしたわね」
 ため息混じりに桜井・L・瑞穂(ja0027)は髪をかきあげる。
「あぁ、まったくだ」
 遠石 一千風(jb3845)は長い足で颯爽と山道を進む。
 長身な桜井と遠石が並ぶとまるでモデルのような華やかさがある。
「まぁ、それは言わない約束だよ。それに実際、食べられるキノコも豊作だというしね」
 一番後ろを歩く鴉乃宮 歌音(ja0427)は前の二人をなだめる様に言った。

 実際、あちこちにキノコは生えていた。
 様々な種類がだ。

 色々と植生を無視した生え方もしているのだが、そこは恐るべき天魔の力という事だろうか……。

 やがて、そのキノコが色とりどりのものへと変わって行く。

「近いですね……」
 鴉乃宮がキノコ図鑑に無い変異種を確認すると、礼野が「一般人を確認」と踊る人々の姿を発見した。

「あれか……聞いていた以上に酷いな」
 と、キノコに踊らされる人々を見つつ遠石は自分はああはなりたくないと密かに心に誓う。

「一般人の救出とディアボロの排除。いいな!」
 礼野の声に、皆が気を引き締める。
「えぇ、腕が鳴りますわ!」
 桜井は遠くに人影を見つけ走り出した。
 それに続くように、猫野、AL、御供、遠石、礼野が前へ。
 ミハイルと鴉乃宮は後ろへ着いた。


●魅惑のキノコたち

「あぁ……んっ……暑い……っ」
 火照った体を冷ますように、遠石は上着を脱ぎ、ブラウスのボタンに手をかける。
「くっ、この私が……」
 遠石は朦朧とする意識の中、まだ恥らうように抗っていた。

 ミイラ取りがミイラ。

 助けに来た撃退士が胞子にやられ、幻覚に落ちてしまったのだ。

「避難を……と言っても聞こえないか……ならば!」
 と、人々を助けようとして、踊りの輪に入った遠石の手足をあろう事かその人々が掴みあげ動きを拘束したのである。そして、遠石はキノコの胞子を吸う事になってしまったのだ。

 他の撃退士たちも、思ったよりも広範囲に飛び散った胞子の餌食となっていた。

 もくもくもくもく……。

 山火事かというような胞子の霧があたりに立ち込めていく。

 そう、これはお約束。

 避けることなど出来ぬのだっ!


「フシュー」(ていうか、一般人邪魔だなぁ……あ、いや、それは言っちゃだめか)
 と、霧の中から現われたのは、白衣とガスマスクを被ったの鴉乃宮だった!
 しかし、実験に失敗した博士のような、物凄いシュールな光景だ。

 というか、ガスマスクで胞子を避けられてるじゃないかっ!
 まさかの文明の利器の勝利であった。

 鴉乃宮は「フシュー」とガスマスクごしにため息を付きながら、手にした芋虫を数体地面に転がす。
「ふごぉぉぉ!」
 奇声をあげる芋虫は、なんと手足を包帯でぐるぐる巻きにされた一般人の方々だった。
 そりゃ、まぁ確かに邪魔だけど、ちょっと酷い仕打ちでは(笑)。
 とか思っていたら、 胞子の霧の中から、また一人ガスマスクが現れた。

「フシュー」(これだけ視界が悪いと、射撃の流れ弾が怖いな)
 礼野だった。

 こちらも無力化した一般人を抱えてきたようだ。
 ガスマスクを被り、大の大人を担いで霧の中から出てくるなんて、やはりシュールな光景だ。
 と、言うかクールな礼野がガスマスクというだけでも大分シュールだろ?


「フシュー」(さて、他の皆はどうだろう?)
「フシュー」(この霧だと分かりずらいな……)

 と、ガスマスクsが「フシュー」「フシュー」している間も、ピンチに陥っている撃退士たちが居たのだった。


●キノコのこのこ生えてくる?

 白い肌。
 上半身の全てが露になる。
「にゃにゃ!? こ、こんな所でダメにゃよ〜!?」
 顔を真っ赤にした猫野の目の前には、上半身を肌蹴たALの姿があった。
 サービスシーン? だが、男だ!
 そして、もちろん幻覚だ!

 猫野はドキドキが止まらずに、また大きく深呼吸してしまう。
 当たり前だが、そんな勢いで空気を吸えば、また胞子の餌食となる。

「にゃ〜、ダメにゃ〜、皆がいるし!? でも、でも〜!」
 迫るAL(妄想)にさらに真っ赤になる猫野。
 なんというピンチ!
 いたいけな少女のピンチですぞ!


 一方、本物のALはと言うと……。
「宮子様? ……なんだか今日は雰囲気が……」(いつもよりも色っぽいような気が!)
 と、同じように猫野の幻覚を見ていたのだった。
 こちらは初心なのか、肌色成分は少なめだが、腕を絡めるようにして身体を預けてくる猫野にはなんとも言えない色香があった。
 甘い香りと柔らかな感触にALは硬直してしまう。

 余談だが、ALは柔らかいキノコの傘が群生する辺りに寝転び、甘い胞子で満たされていたらしい。
 ピンチかと思ったが、これはこれで幸せなのかもしれない。
 このまま、キノコの楽園でキノコをもっと生やしてしまうのもいいのかもしれない。

 いや、ダメだ……。
 色々とアウトー!



 そういえば、こちらもダメな感じになっている。

「おらぁ、旦那様にたーんとキノコを食べてもらいたいっちゃ〜。ん、おらにも旦那様のキノコを? もぅ、旦那さまったら〜」
 と、赤いキノコでさしつさされつしながら、自然と草むらに転がり込み、御供は幻覚とラブラブしているのであった。
 もうどれが幻覚でどれが本物なんだかわからない。いや御供にとっては全部本物かもしれないけど。
 ともあれ、これ以上は蔵倫が許しませんっ!


「フシュー」(放って置くかなぁ……)
 ガスマスクsの一人、鴉乃宮は仲間の醜態を生温かい目で見つつ……眼を逸らした。


●恍惚のキノコ鍋

「ん、はぁぁぁぁ……んっ!」
 無数のキノコに囲まれた桜井は、汗ばんだ肉体をくねらせる。
 柔らかく伸縮するキノコは絡め採るかのように桜井の四肢を這うように伸びる。
 それは無数の人々の幻覚。
 助けに入った先で、桜井は人々にその手足を押さえつけられている幻を見ているのだ。

「さぁ、口をあけるんだ!」
「ほうら、ワシらのキノコをたーんとお食べ!」
 人々は熱々のキノコを鍋から箸で摘んで、桜井の口元へと近づける。
 つままれたキノコからは白い湯気が昇り、箸にはたっぷりしみこんだ煮汁があふれ出し、伝い落ちる。

 美味そうだ。

「くっ、わたくしはキノコなんかに屈したりしませんわ!」
 桜井が首を振って、箸先のキノコを拒む。
 今の彼女にできるのはそのボリューミーな体を揺することだけである。

「さぁ! さぁ!」
 別の人がキノコを摘む。さらにその隣も。人々は執拗にキノコを桜井に薦める。
 鍋には白いブナシメジもあれば、香り高いマツタケもあった。

「あぁ、いけませんわ。こんなことぉ♪」
 無理やり入ってきたキノコを頬張る桜井。
 口の中にじゅわっと煮汁の洪水が起き、桜井の形の良い唇の端から溢れる。

(あぁ、はしたない……でも、これはとっても美味ですわっ)

 わりとノリが良いのがこのお嬢様である。



 キラキラと恍惚した桜井の隣では、これまた人々に拘束された遠石が同じような目にあっていた。
 人々は遠石に無理やりキノコを食べさせると、満足したのか再び踊り出す。
 胞子で朦朧としていた彼女は、ソレを受け入れてしまった。
 口の中に広がり、燃え上がるような火照りを感じる。

「はぁっ……」
 熱い吐息――。
 へたりこんだ遠石は制服の上着を脱ぐと、ブラウスに手をかけボタンを外す。
 それももどかしくて、まだ外れていないままでブラウスを肌蹴させ肩をさらす。
 赤みを帯びた白い肌が、外気にさらされて心地よい。

「ばかやろう、さっさと服をきろっ!」
 ミハイルが遠石に自分の上着を投げると、そっぽ向いた。
 どうやら、後衛についていたミハイルは胞子をあまり吸わないで済んでいたようだ。

「……?」
 とろんっとした表情で遠石は首を傾げる。

「だから、さっさと着ろーっ、ゴホッ、ゴホッ」
 しかし、今の大声で多少吸ってしまったかもしれないが(笑)。

「ん、なんでこんな所に、男が!? ちょ、まて、その視線はなんだ! やめろ!」
 ミハイルは虚空に向かって手を慌しく振る。
「や、やめろ! やめてくれ! そんな目で見るな! 俺はホモじゃなぁぁぁーい!」
 絶叫と共に、胞子を吐き出したのかミハイルは我に返る。
「はっ、なんてことだ……最悪な幻だぜ……」


●この先生き残れるのか


「ねぇ、遠石さん。もっとキノコを食べましょう?」
 座っている遠石の側までやって来たのは、桜井だった。
 キノコ鍋を入れたお椀を持ちやってきた桜井は、白い指で遠石のアゴに手をかけ上を向かせる。
 あたかもキスでもしそうな格好で、桜井は“美味しいキノコ”を食べさせた。

「んっ!」
 遠石の表情が赤から青へと変化する。
「あ、甘いぃぃ!」
「あらぁ、お口にあいませんでしたわね。では、こちらは……」
 服を肌蹴させた桜井はちょっとというか、大分ノリノリである。

 その光景に若干引いていたミハイルだったが……。
「なんというか、酷い有様だな」(フシュー)
「駄目だ、早くなんとかしないと」(フシュー)
「って、誰だよ!」
 ガスマスクsに背後に立たれたミハイルは思わず叫ぶ。
 あと、音と心の声が逆転してる……。

「……って、礼野と鴉乃宮か」
 マスクを外した二人を確認し、ミハイルはほっと胸をなでおろす気分だった。
 視線を上げると、肌蹴た桜井が視界に入る。


「と、言うか! 桜井お前も服を着ろーっ!」
 直視できないでいるミハイルは、桜井と遠石、二人に叫ぶしかなかったのだった。

「てか、これ大丈夫なのか!? この先、生き残れるのかー!?」
 クールさもかなぐり捨て、ミハイルは天を仰ぐ。

「さて、流石にこれ以上はまずいだろう」
 えぇ、キノコも鍋に入れすぎだとまずくなりますよね。
 と、それはさて置き、鴉乃宮が人々を扇動するように踊るキノコディアボロの足らしき部分を撃ち抜いた。
 足がくずれれば、踊り続ける事など出来ない。

 そして、動きが止まった。
「さぁ、どうぞ」
 鴉乃宮が礼野とミハイルに道をあける。どうやら、近づきたくないらしい。徹底している。

「では、参る!」
 礼野がキノコへと走り込む。
「あぁ、キノコは横より、縦に切ったほうが切り易いですよ〜」
 と背後からの鴉乃宮の声を聞きながら、太刀を振り下ろす。
 さっくりとキノコディアボロは切り裂かれた!


●反撃の狼煙、そのまま焚き火へ

「なんだか、恐ろしい幻を見ていたようだ……」
 甘くない飲み物を片手に遠石はキノコディアボロに対峙した。
「まったくですわ……」
 汗ばんだ体を抱きしめながら桜井が己の失態に身を震わせる。

「でも、ちょっと幸せでした」
「ボクもにゃー」
「おらもだべ」
 幻覚からさめたAL,猫野、御供はちょっと満足げな表情だ。
 大分、楽しんでいた模様ですし。

「俺はホモじゃない……ホモじゃ……」
 ぶつぶつと呟きながらも格好よく銃を構えるミハイル。


 1体のキノコディアボロが倒されると、無数のキノコディアボロが茂みから飛び出す。
 踊りの輪の中のディアボロも踊りを止め、撃退士たちに向き直る。

「さぁって、たっぷりとお返ししませんとね。おーっほっほっほ!」
 桜井がアウルの槍を飛び出してきたキノコディアボロに突き刺す。
 間髪入れずに、遠石が一閃。
「えぇ、その通りです」

「負けてられにゃいにゃー!」
「えぇ、行きましょう。猫野さま!」
 猫野は軽い身のこなしでキノコディアボロたちを料理していく。
 手に持ったフライパンだけに!
 そして、それをサポートするようにALの魔法がキノコたちを串刺しする。
 その可憐な姿はまさに魔法少女!
 だが、男だ!

「ちっ、早く俺にマツタケを食わせろ!」
 ミハイルはキノコディアボロを炎で丸焼きにしてしまう。
「秋の味覚になるっちゃー!」
 そして御供が手にした大剣でズバズバ切り裂く。
 もちろん、ディアボロは食べられませんが、それはそれ。言葉のあや。

 正気を取り戻した撃退士たちにかかればこの程度のディアボロは恐れるに足りなかった。


●お腹いっぱいになれるかな?

「へへへっ、これがマツタケか」
 下山するミハイルはようやく手にしたマツタケにご満悦だ。
「これだけ採れれば、あいつらも喜ぶな」
 礼野は本当に家族思いである。
「早く山を下りて料理しましょうか」
 鴉乃宮の提案に皆は頷く。
「旦那さまに、早く料理してやりてぇっちゃ〜」
 御供は様々な種類のキノコを手に顔を赤らめる。
「それにしても、皆大量だにゃ〜」
「えぇ、良かったですね猫野さま。ほらこれとか」
「ふにゃーん! ALくんのキノコ大きくて凄いにゃー!
 仲良し二人は自分達の採ったキノコを眺めて笑いあう。いいか、あくまでキノコだからな!
「ふふふ、秋の山もいいものよね」
 楽しそうにしている遠石だが、自分が採ったキノコに変異キノコがまだあり、この後災難にあうのだが、それは今はまだ誰も知らない。
「あら、あそこにいるのは……」
 桜井が山の下を指差すと、そこには。

「皆さん、お帰りなさい!」
 箸と小皿を片手に土鍋の前に立つ志方の姿だった。
 ずっと待っていたのか、めがねが湯気で曇っている……。

 しかたないよね。食欲の秋だもの。





依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: ドクタークロウ・鴉乃宮 歌音(ja0427)
 凛刃の戦巫女・礼野 智美(ja3600)
 絶望を踏み越えしもの・遠石 一千風(jb3845)
重体: −
面白かった!:8人

無念の褌大名・
猫野・宮子(ja0024)

大学部2年5組 女 鬼道忍軍
ラッキースケベの現人神・
桜井・L・瑞穂(ja0027)

卒業 女 アストラルヴァンガード
ドクタークロウ・
鴉乃宮 歌音(ja0427)

卒業 男 インフィルトレイター
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
絶望を踏み越えしもの・
遠石 一千風(jb3845)

大学部2年2組 女 阿修羅
正義の魔法少女!?・
AL(jb4583)

大学部1年6組 男 ダアト
モーレツ大旋風・
御供 瞳(jb6018)

高等部3年25組 女 アカシックレコーダー:タイプA