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マスター:黒兎そよ
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:6人
サポート:7人
リプレイ完成日時:2013/06/26


みんなの思い出



オープニング

●帰って来た

「ちょっと待て……」
 久々の雨で潤う通学路。
 少女はビニール傘を片手に立ち止まっていた。
 最近は朝も日差しが強く、暑くて困っていた彼女にとって、この雨は涼しくて気持ちの良いものだった。
 奴に出会うまでは……。
「……お前、去年も会わなかったか?」
 心底、嫌そうに少女は疑問を口にした。奴を目の前にして、傘を握る手に力が入る。
 少女は左足を半身にずらし、すぐに動けるように身構える。
 視線の先で奴が、その大きな口を開けようとしているのがスローモーションで見える。
 少女は全身のアウルを爆発させ、横に飛び退いた。
 先ほどまで少女が居た空間を奴の口から伸びた赤い何かが通り抜けていく。そして、すぐさま口へと戻る。
「それは、去年も見た!」
 少女は身を翻し、赤い何か……伸びた奴の舌をかわすと勝ち誇る。

 しかし……。

 少女の視線の先には、更なる絶望が待っていた。
「ま……まさか、一匹だけじゃないの!?」
 雨の中、一匹、また一匹と奴らが姿を現す。

 哀れ、気丈に振舞っていた彼女の口から可愛らしい悲鳴があがったのだった。


●眉間に皺を寄せたオペレータ
「と言う訳で依頼です」
 映された映像は見るも無残な……ドロドロにまみれの少女たちの映像だった。

 奴……。

 そう、カエル型ディアボロがまた現われたのだ。しかも、数が増え。
「どうやら、以前見られたタイプのカエルディアボロのようなのですが……」
 オペレータ・志方 優沙(jz0125)がスクリーンの表示を切り替える。
 そこに映し出されたのは、赤、青、黄、緑と4色のカエルたち。
 今年はバリエーションが豊かなようだ。
 嬉しくは無いが……。
「カエルたちは、対象を長い舌で巻き取って口に含み、ドロドロの唾液塗れにして吐き出します。この行為にどんな意味があるのかは分かりませんが、唾液などに殺傷能力は確認されていません」
 志方は眉を顰めながら続ける。
 この唾液によって酷いことになているだけで、被害者に身体的なダメージは無いのだ。ただ、心へのダメージは大きいようだが……。
「以前、見られた緑色の固体は音に反応していましたが、他の色の個体はまた別の行動基準があるようです」
 報告によって集められた情報がスライドに表示されていく。
 赤カエルは非常にタフネスがあり、叩かれても叩かれても起き上がり、執拗に対象を狙ってくる。逆に青カエルは叩かれると逃げ出すが魔法には耐性が高く、女子ばかりを狙っている。
 黄カエルは男子を執拗に狙い、口の中に含んだ獲物を中々外に出さないという厄介な習性がある。
 緑カエルは音に反応し、男女ともに狙うがやや女子率が高いそうだ。
「さらに、追加情報によると……今年は透けるそうです……」
 志方の眼鏡が曇る。
「その……唾液によって、服だけが何故かうっすらと透けていくと報告があります……破廉恥です」
 やや、顔を赤らめた志方がスライドを素早く切り替える。
 一瞬だけ、服の透けた生徒たちの画像が映される。
「……とにかく、皆様にはこの……破廉恥極まりないカエルたちを退治していただきます!」
 志方の声が室内に響いた。


リプレイ本文


●アオザメル
「ここが、カエルたちの出現ポイントね……」
 小雨が降る道で黒い髪の少女、蓮城 真緋呂(jb6120)は傘を片手に佇む。彼女の青い瞳があたりを見回すと、小さな庭先に紫陽花が綺麗に咲いていた。あの家の家族はきっと、花を大事にしているのだろう。
 蓮城はそんな事をふと思う。
「カエルは四匹だったな」
「あぁ……赤、青、黄、それと緑だね」
 蓮城の後ろで男子二名が話している。緋伝 璃狗(ja0014)と月島 祐希(ja0829)だ。
「これで蛙が5匹だったらカエルンジャーとかなんとかの戦隊物だったね(汗)」
 男子二人の話に猫野・宮子(ja0024)は、苦笑いで割り込んだ。
 おそらく、黒はまだオタマジャクシなんでしょう……。と、誰かが思ったかどうかは分からないが、この辺りには四色のカエルディアボロが出現していた。
 奴らは人を飲み込むと、唾液でヌルヌルドロドロ(服は透けるが人体に悪影響は無し)にして吐き出す。そんなわけの分からない習性を持っていた。
「と言うか、凄いセクハラディアボロね……」
 藍 星露(ja5127)は長い髪を片手でかきあげた。モデルのようなプロポーションの彼女が髪をかきあげると、それだけで様になる。
「ドロドロにはされたくないな……」
 自分のその姿を想像して、蓮城の背筋に悪寒が走った。
「たしかになぁ、それに、こんな美味し……いや、酷い依頼は解決しないとなっ」
 ロドルフォ・リウッツィ(jb5648)はイマイチ締まらない表情である。
「ともかく……魔法少女マジカル♪みゃーこ出陣するにゃ♪」
 猫野が張り切って号令をかけた。
「あ、では先に阻霊符を使っておきましょう」
 蓮城は光纏し、符を地面へとあてた。彼女の青い瞳が赤く染まり、アウルの力が符を伝って行く。
 阻霊符は、物体を通り抜ける天魔と戦う上では欠かせない道具の一つである。
「……これで良いでしょう。透過されて逃げられても厄介ですからね」
 蓮城はそう言いながら振り返る。

「ゲコ」

 彼女の目と鼻の先に、青いカエルがアスファルトから浮き上がった。
 一人と一匹の目が合い。
 数秒の沈黙。

「……はじめからそこに居たのか」
 沈黙を破ったのは緋伝のツッコミだった。
 阻霊符の力で透過能力を阻害され、アスファルトの地面から現われた青カエルは、青い顔をさらに青褪めさせた。
 奴は、(女の子がいっぱいいるゲロ。でもどうせなら、あのおっぱい大きい子がいいゲロ)と、地中に潜んで機会を狙っていたのだ。
 そう、青カエルは臆病でムッツリだった!

「ゲコーッ!?」

 突然の事に驚いたのは、撃退士たちだけでなく青カエルも一緒だ。
 慌てて逃げ出していく。
「ちっ、逃がすかっ!」
「大丈夫、私が追うわ」
 駆け出そうとした緋伝を制止し、藍が走り出した。


●アカラメル
 青カエルに気を取られていた一同だったが、カエルは一匹だけではない。
 周囲の雨が少し強くなっていくと、辺りにカエルたちの鳴き声がこだましだした。その鳴き声は、普通のカエルとは比べ物にならないほどに五月蝿い。
「赤カエル発見だにゃ!」
「私も行きます」
 赤カエルを引きつける猫野の後ろを蓮城が追う。
 猫野は赤カエルに接近すると同時に攻撃を繰り出すが。
「うに、至近距離から撃ちこめば外さないにゃ! 猫ロケットパー……ふにゃ!? は、離すにゃー!?」
 赤カエルの舌に捕らえられてしまった。
「猫野さん!」
「にゃぁぁあああっ!」

 パクッ。

 猫野は食べられてしまった。なーむー。

 デローンという効果音で猫野がアスファルトに吐き出された。
「うー、ベタベタして気持ち悪いにゃ。こうなったらさっさと蛙倒しちゃうにゃ!」
 怒りと共に立ち上がった猫野の姿に、思わず月島は顔を背ける。服は濡れ、段々と透けはじめていたのだ。
「何も見てない見てない俺は何も見えてない……」
 頬を赤らめ、ブツブツと自己暗示をする少年とは裏腹、ロドルフォはガッツポーズをとっていた。
「いいぞ、もっとやれ! 次は蓮城をよろしくっ!」
(この忌々しいディアボロめ。この俺が倒してやる!)
「ちょっ、この堕天使っ! 本音と建前が逆になってるぞっ!?」
 思わずツッコミを入れてしまうあたり、緋伝は苦労性かもしれない。

「ゲコ」
「くそっ、緑も出たかっ」
 気を取り直して、緋伝は真面目な顔で緑カエルに立ち向かう。隣には月島。でも、ちょっとまだ頬が赤い。
「……バカは後にしてください」
 雨の中、走る蓮城の赤い瞳が、雨に滲むように紅色の軌跡を描いた。
 その手にはアウルが結晶化された鞭が握られている。
 カエルの舌と、蓮城のアイスウィップが交錯する!
「ゲコッ」
 赤カエルの舌と鞭が何度もぶつかり、カエルは思わず怯む。いかにタフネスのある赤カエルと言えど撃退士の攻撃を幾度も喰らえばダメージが蓄積する。カエルは地に伏せるように頭を落とした。

 駄目なのか……赤カエルよ。
 お前は目の前の少女をヌルドロに出来ずじまいで終ってしまうのか……。
 こんなに美味しいチャンスはないだろうに!
「あきらめんなよっ!」
 赤カエルがその瞳を閉じようとしたとき、まさかのエールが送られてきた!
「お前がやらないで、誰が女の子の服を透けさせるんだっ! 特に蓮城のが見たいんだっ!」
 熱い男の言葉に赤カエルは目を見開いた。

「何でそっちの応援に回ってるんだーっ!」
 戦闘中なのに、思わず振り返ってツッコんでしまった緋伝。緑カエルはその隙を逃さず舌を伸ばす。
「璃狗、あぶないっ! ぬわ〜」
 月島は緑カエルにペロリとされてしまった。そう、緑カエルは案外、抜け目無い性格だった。はじめから、隙を見せた緋伝ではなく、それを心配して隙を作るであろう月島を狙っていたのだ。あと、なんかこっちの方がカワイイから……と言う心の声は置いておこう。
「つ、月島ぁー!」


●キガエル
「くっ、向こうでは(男子の服が透ける)悲劇がおこってしまったようだ」
 ロドルフォが悲痛な表情を作る。
「これ以上の悲劇は、俺が食い止めてやるっ!」
 満を持して登場した黄カエルに立ち向かう天使の姿がそこにはあった!
「とりあえず、お前らは女子だけ透けさせろよっ!」
 一言余計な事を言ってしまって、残念な天使の姿がそこにはあった!
「ゲーコーゲコッ!」
 黄カエルはロドルフォを視界に捕らえると、目を光らせる。どうやら、好みのタイプだったらしい。
「えっ、ちょっとなんか嫌な予感が……」

 ニュルンッ! パクッ!

 羽虫を捕らえるカエルの如く、伸ばされた舌はロドルフォを巻き取り、口の中へと誘った。

 ヌチャッ。
 ヌチャッ。ヌチャッ。

 おぞましい音が聞こえる。
 黄カエルの表情はどこか満足げだ。

「……ところで、誰もロドルフォの心配はしないのだな」
 緋伝がボソリと呟く。皆が視線を逸らした。
 さて、それよりも、今はアスファルトに吐き出された月島が心配だ。
「大丈夫か、月島……」
「ゲホッ、口に、入っ……うぇえ……! あぁ、気持ち悪いっ」
 髪は濡れ、透けた服からは細い四肢がぼんやりと浮かび上がる。
 口の中でボタンが外れたのか、乱れた胸元を伝って流れる水滴が光る。
 長い睫で飾られた瞳は潤み。小さく結ばれた唇が震える。
 どこか中性的な色香を漂わせて……ん? このサービスはいらない? そうか……。
「ところで、飯はちゃんと食っているのか」
「えっ? 今、それが問題になるっ!?」
 緋伝は本気で月島の華奢で細い体型を心配したようだ。
「着替え持ってきて正解だった……。あとでどこか物影で着替えよう。あぁ、でも透けてるから今更かぁ」
 何故か泣けてくる月島だった。

 赤カエルとの戦闘は苛烈を極めた!
 何度も倒れそうになりつつも、赤カエルは諦めない。
 そう、それは男と雄の約束! 言うなれば、熱い欲望の絆!
 赤カエルは果敢に蓮城へと舌を伸ばし、ついにその足を捕らえた。
(足一本程度、巻きつかれても引き寄せられる際に刀を突きたてられる。問題ない……)
 冷静な思考で蓮城はカエルの舌に対処しようとする。
「……あれ?」
 蓮城は思わず、声を漏らした。
 舌を断とうと振り下ろされた蓮城の刀は空を切る。なんと、赤カエルは舌を巻き取って、口へと引き込むのではなく、上へと蓮城を放り投げたのだ。バランスが崩れた蓮城の攻撃が当らなかったのも無理は無い。
 そして空中に放られた蓮城を再び、赤カエルの舌が捕らえた。
 今度は両手ごとからだを縛るようにだ。
「あっ!」
 悲鳴も上げられぬまま、蓮城は赤カエルのお口にINした。
「にゃーっ、真緋呂ちゃーん!」
 猫野の悲痛な叫びと共に、デロデローンと滑った蓮城がアスファルトに吐き出されたのだった。

 一方、その頃、黄カエルの口の中。
「おぅっ、ちょっ、なんか、今。いいところを見逃してる気がするっ! うわっ、やめっ、ぎゃーぁ!」
 ロドルフォが悲惨な事になっていた。


●クリカエス
「大丈夫か、ロドルフォ」
 緋伝の声にロドルフォは目を覚ます。
 どうやら、黄カエルの口の中というあまりに過酷な環境で気絶していたようだ。
「すまん、助けられたようだな」
「気にするな。緑を倒したから、次の目標を倒しに来ただけだ」
「そうそう」
 緑カエルは緋伝が囮になり、月島が焼き尽くすという連携で既に倒されていた。二人はすぐさま、黄カエルとの戦闘を開始。ロドルフォを口に含みご満悦な黄カエルは、情けないほど隙だらけでさほど苦労せずに倒してしまったのだった。
「……ところで、二人とも」
「どうした、改まって?」
「いや、幻かとも思ったんだが……」
「?」
 腕組みをして難しい顔をしだしたロドルフォに、緋伝と月島は顔を見合わせる。
「ロドルフォ、何だと言うんだ」
「……その……なんで、お前、ふんどし一丁なの?」


 そこには、ふんどし一丁で仁王立ちする緋伝の姿があったのだ!


「……服が全部、透けてしまってな……」
「……そうか……いや、月島はなんかいいんだ。男だけど、色香がある。でもなぁ〜、緋伝。ふんどし一丁の少年なんて、誰得だよっ!」
 ロドルフォの悲痛な叫びに、緋伝はただ静かに指差した。
「ロドルフォ……、お前も透けてるぞ」
「……俺もかぁぁぁあっ!?」
 あれだけ口の中に居たのだ。服はほぼ透け透け。下着も危険域だったため、応急処置としてタオルが巻かれていた。
「お前もふんどし使うか?」
「ぎゃー、緋伝! お前はどちらかと言うと突っ込みだろー!」
「……や、たまにこいつボケるんだよな……」
 さめざめと泣くロドルフォの隣で、月島がため息交じりに呟いた。

 一方、赤カエルは。
「……ドロドロで動き難いけど、お返しはしないとね」
 淡々と言葉を紡ぐ蓮城。
 彼女による怒りのお仕置きショーが始まろうとしていた。
「クリーニング代、体(報酬)できっちり払ってもらうわ!」
「ゲッ、ゲコーッ!」
 シャツが透け、うっすらと浮かび上がる下着と体のライン。
 華奢のように見えて、女性らしい肉付きの良さがある。
 年頃の男の子には目の毒だ。

「猫野! 蓮城! 大丈夫かっ!」
「えぇ、大丈夫。今からこいつ御仕置きだからっ!」
「そうだにゃっ。御仕置きだにゃ−っ!」
「……えっ?」
 すごく笑顔ですが、真緋呂さんも宮子さんも……目が笑ってませんね。と、赤カエルと一緒に男子たちも震えた。
 赤カエルは苦し紛れに、蓮城に舌を伸ばすが。横っ飛びでかわされる。そして、雷を纏った刃が赤カエルの舌を切り裂いた。さすがにタフネス溢れる赤カエルもそれには、耐え切れずひっくり返る。
 すかさず、赤カエルの腹目掛けて、猫野が飛ぶ。その手からアウルの力で呼び起こした炎が放たれ、蛇のようにカエルを丸呑みにした。
「蛙の丸焼きになるのにゃーっ!」
 遂に、赤カエルも力尽きた。
 しかし、蓮城の攻撃は終らない。その後も刀で何度も切りつける。
 怒った女性は怖いのである。
 数分後、光纏を解いた蓮城と猫野は清清しい表情で振り返った。
「はぁ、すっきりした……」
「にゅふふ、魔法少女は負けないのにゃ!」
 女子二人に、月島がそっぽを向きつつ声を掛ける。その後ろでは、なぜかロドルフォが満面の笑みを零している。
「二人とも、服っ! 服っ!」
 月島のその言葉に、猫野と蓮城ははっと自分の姿を見る。
「……に、何か視線がぁ、きゃぁぁ!?」
「え、きゃぁぁ!! み、見ちゃダメ!」
 先ほどまでの戦いとはうって変わって、真っ赤になった蓮城は、ニヤケ面のロドルフォを「だめだめ」と、勢い余って殴った。
 殴られたロドルフォはどこか幸せそうにその場に倒れたのだった。

 豪雨の中。青カエルと藍が対峙している。
 なぜか、ここだけ豪雨なのは、気にしてはいけない。ついでに、風とか吹いてきたよ!
(ついに決着をつけるゲコ)
「えぇ、臨むところよ!」
 あと、なぜか言葉が通じているのも気にしてはいけない。
「ゲコーっ!」
 青カエルは素早い動きで藍を取り囲むように、残像を残しながら跳ねる。
 あまりの速さに、何匹にも見える青カエルを捉えるのは至難! 一体、どうする藍っ!
「私は……、あえて、その攻撃を受けるわっ!」
 ばばーんっ! とでも効果音が鳴りそうなくらいに、男前な宣言とともに、青カエルの口へと飲み込まれた藍。
(ついに、ついにやったゲコー! 女の子ゲットだゲコー!)
 青カエルは感極まって、口の中の藍を嘗め回そうと舌を動かす……が!
 口の中から、光が溢れた!
「あえて捕まれば、そちらも私の攻撃を受けざる負えないでしょ?」
 口の中から、藍が飛び出した。
(ゲ……ゲコッ。見事だゲコ。だが、お前の服は透けさせた! 俺の勝ちゲコッ!)
「ふふん、甘いわね」
 髪は艶立ち、肌を伝う水滴が妖しく光ってた。
 そして、カエルの粘液で服が透け、藍の豊満なボディが露になる。
(ゲっ!? ゲコーッ!?)
 透けた服の下から現われたのは、柔肌ではなく……水着であった。
(だが、それもいい……ゲコッ)
 青カエルはどこか満足げな顔で逝った。


●カエリミチ

「皆さま、ご苦労様でした」
 通信端末から、ほっとしたのか志方の柔らかい声がする。
 一同は、戦いを終えた報告をしていたのだ。
「皆、無事みたいね〜」
「あ、藍さん……って、なんで水着なんですかっ!」
 そこに、青カエルを倒した藍も合流した。
「……あれは、刺激が強すぎるなっ」
 ロドルフォが鼻血を噴く。
「それにしても、ドロドロだにゃぁ」
 戦いは終ったが、女子たちにこのドロドロ姿は苦痛すぎるだろう。
「皆様、その近くに銭湯がありますので、よろしければどうぞ。お代は経費に回しますので」
 志方がどうやら、辺りのマップを検索してくれたようだ。通信端末に銭湯までの経路図が送られてきた。
「えっ、本当に!? 助かる〜」
「……そうだな。流石にこれはきつい」
「じゃぁ、皆で行きましょっ」

 一同は、意気揚々と銭湯へと向かった。
 いつの間にか、雨は止み。空は晴れはじめていた。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 惑う星に導きの翼を・ロドルフォ・リウッツィ(jb5648)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
重体: −
面白かった!:6人

執念の褌王・
緋伝 璃狗(ja0014)

卒業 男 鬼道忍軍
無念の褌大名・
猫野・宮子(ja0024)

大学部2年5組 女 鬼道忍軍
志す者・
月島 祐希(ja0829)

大学部4年223組 男 ダアト
あたしのカラダで悦んでえ・
藍 星露(ja5127)

大学部2年254組 女 阿修羅
惑う星に導きの翼を・
ロドルフォ・リウッツィ(jb5648)

大学部6年34組 男 ディバインナイト
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA