.


マスター:漆原カイナ
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/01/19


みんなの思い出



オープニング


 
 ――2012年 12月某日 12:21 都内某所――
 
 昼過ぎの都内。
 休憩時間を利用して昼食に繰り出してきたサラリーマンやOLで賑わう街並みは混乱の最中にあった。
 突如として出現した一匹の豹。
 正確には豹のような姿をした奇妙な生物によって、都内の一角はあっという間に異常事態へと突入したのだ。
 
 真っ白い体色をした豹。
 黒豹ならぬ白豹というのも大きな特徴だが、それ以上に特徴的なのは尻尾の先端に氷の塊があることだろう。
 先端に結晶した氷塊は大きく、さながらメイスのようだ。
 
 天魔の出現によって、人々は逃げまどう。
 そうした人々の背に向けて、白豹は口を開けた。
 次の瞬間、白豹の口から氷塊がかなりの速度で吐き出される。
 
 逃げ惑う人々を追いたてるように氷塊を乱れ撃つ白豹。
 氷塊の一発を手や足にくらった人々は、まるで銃撃されたようにその場に転倒する。
 
 しかしその一方で、単なる氷塊だけではないことを伺わせる一幕もあった。
 とあるサラリーマンは氷塊の直撃を腰に受けたにも関わらず、そのまま走り続けていた。
 それもその筈。
 直撃の瞬間、なんと氷塊の方が割れてしまったのだ。
 
 逃げる事に無我夢中だった彼は、氷塊の直撃を気にした風もなく走り続けた。
 もしかすると、走ることに集中し過ぎて、氷塊が当たったのにすら気付いていないのかもしれない。
 そうしているうちに異変は訪れた。
 突如、他ならぬ彼の意志に反して、彼自身の下半身が『まるで固まったように』動きを止めてしまったのだ。
 
 走り続けている最中で下半身の動きが鈍っては無理からぬことだが、彼は大きく転倒してしまう。
 近くで同じように走っていた別のサラリーマンが慌てて駆け寄り、転倒した彼を助け起こそうとする。
 助け起こそうとしたサラリーマンは、驚くとともに、何故彼が転倒したのかを理解した。
 
 転倒した彼の下半身は、凍の幕のようなものに覆われていたのだ。
 凍りついた下半身を傷つけないように細心の注意を払いながら、助け起こしにかかったサラリーマンはひとまず相手を移動させる。
 そうしていると、特徴的な制服を着た何人かが、こちらに走ってくるのが目に入る。
 彼は制服に見覚えがあった。
 制服……正確には儀礼服。
 それは久遠ヶ原学園のものだ。
 
 どうやら誰かが通報してくれたようで、早速撃退士たちが急行してきたようだ。
 転倒した相手を慎重に移動させながら、彼はほっと胸を撫で下ろした。
 

 
 ――2012年 12月某日 同時刻 白豹の出現場所から十数メートルの地点――

 白豹の出現と猛威に騒然となる街並みを、少し離れた場所から観察する者が一人。
 どこの国籍や民族とも言えない無国籍な顔立ち。
 金糸のような長髪。
 そして、どこか人間離れした中性的な美貌。
 事件を観察しているのは、そんな美青年だった。
 
 しばらく事件の様子を見続けていた美青年だったが、ふと何かを思い立ってズボンのポケットに手を入れる。
 ややあってスマートフォンを取り出した彼は、ゆっくりと画面に目を落とした。
 慣れた手つきで操作する彼は、やがて一枚の画像を呼び出す。
 
 ――『12.05.25』。
 そう書かれたファイル名の画像に目をやりながら、彼は苦笑する。
 
「あの時は随分面白いディアボロを作るデビルがいるもんだと思ったし、実際に同じようなものを作ってみたわけだけど――ちょっとこれはそのまんま過ぎたかな?」
 苦笑混じりにそう呟く彼の手の中では、『蝋の身体を持ち、尻尾に火の灯った狐』の写真が表示されている。
 
「それに、自分でやっといて何だけど……雹を吐く豹ってギャグって」
 わざとらしく自分の肩を抱いてこすり、寒そうな仕草をする美青年。
「うぅ、気温もそうだし、なんか二重の意味で寒いね」

 しばらくした後、彼は何かに気付いたようだ。
 そして彼は端正な美貌でクスリと笑う。
「どうやら、撃退士のみんなが来たようだね。さあ、君たちの力を見せてよ――」


リプレイ本文


「うう、コタツが恋しい……」
 森田良助(ja9460)は現場に着くなり阻霊符を使用した。
 これで最初の準備は完了だ。
 次いで良助はスナイパーライフルを構えた。
 狙いは、乗り捨てられた車の上に乗っている白豹だ。
 良助はスコープを覗き込み、それほど時間をかけず白豹にレティクルの十字線を重ねる。
 その瞬間、良助は躊躇なくトリガーを引いた。
 放たれた銃弾が命中する寸前、白豹も狙撃に気付いたようだ。
 咄嗟に身をひるがえして避けようとするも、尻尾の先端部分にある氷塊へと命中する。
 盛大に音を立てて砕ける氷塊の一部。
 自分を狙ってきたことがわかったからか、はたまた、氷塊の一部を砕かれたからか。
 白豹の意識は即座に良助へと向く。
 ダメージとしては少ないかもしれないが、この一射で良助の最初の目的は果たされた。
 成果としてはまずまずだろう。
  
「雹を吐く豹ってほんと天魔の中にはダジャレの才能が潜んでそうだぜ! まぁシャレにならねぇ能力と状況だからな! 油断は禁物!いつも本気だが今回は大本気だぜ!」
 神鷹 鹿時(ja0217)はアウルを手に集中し、矢のように収束する。
「チャリンチャリン鳴るのは仕様だ! 許してくれよ!」
 白豹にしっかりと狙いを付け、鹿時はアウルの矢を放った。
 放たれたアウルの矢は正確な軌道で白豹へと肉迫する。
 だが、白豹はしなやかな身のこなしで跳躍。
 アウルの矢を回避し、更には手近な街路樹の上へと飛び乗る。
 
「凍結が厄介ね。直接当たらなくても動きにくくはなるし」
 特殊な拳銃――ライトブレットAG8を構え、フローラ・シュトリエ(jb1440)はしっかりと狙いを定めた。
「個人的なことだけど、こちらも雪や氷を主に扱う点もあって負けたくはないわね」
 フローラはトリガーを引き、銃口から光弾を放った。
 それに対応するべく、白豹は氷塊を地面に向けて吐き出す。
 氷塊内の液体がまかれ、路面はすぐに凍結する。
 すぐさまフローラが光弾の第二射を放つが、凍った路面の上をスケートのようにすべる白雹にかわされてしまう。
 凍結した路面を滑りながら白豹は氷塊を吐き、凍った路面を次々に増やしていく。
「無暗に更に寒くしないでほしいのよね」
 あきらめずに光弾を撃ち続けるフローラ。
 だが、警戒体勢に入り、たえず滑走して素早く動き続けている白豹に命中させるのは難しいようだ。
 
「豹型のサーバント……次から次へとよくもまぁ懲りずに送り込むわね……。でも……決して思い通りにはさせないわ。 私はその為に此処へ来たのだから……」
 翼を広げ、現場上空に滞空するイシュタル(jb2619)は白豹から目を離さず、手にアウルを集めていく。
 滑走状態に入った白豹を何とかしようと、イシュタルは空から炎の球体を眼下に向けて放った。
 放たれた火球は白豹の進路上に炸裂し、凍結していた路面を解凍する。
 凍結させた路面が途中で途切れるという予想外の事態に白豹は急停止。
 そして、それがチャンスとなった。
 
 直後、白豹を銃弾の掃射が襲う。
 慌てて跳び退る白豹だが、避けきれず、前右脚に一発もらったようだ。
 怒った白豹は射手がいる方向に目を向ける。
 白豹が目を向けた先では、影野 恭弥(ja0018)が冷静な面持ちでアサルトライフルを構えていた。
「その喉、潰させてもらう」
 言葉通り、恭弥の銃撃はとにかく喉を狙ったものだ。
 連射される銃弾は白雹にかわされつつも、その一方で何発かは標的の首周りに命中している。
 着々と白雹の喉を破壊しつつある恭弥。
 だが、白雹も負けてはいない。
 四足獣特有の俊敏さを活かして駆け回りながら、僅かな隙をついて口を開く。
 白豹の口から恭弥に向けて発射された氷塊は、彼のライフルと同じく連射だった。
「マズったか……」
 避けようとした所で僅かに足らず、数発の氷塊が恭弥の右腕に命中する。
 氷塊はどれもが命中した瞬間にその衝撃で割れ、内包していた液体を次々に恭弥の身体へとぶちまけた。
 左腕と首から上を残し、液体でずぶ濡れになった恭弥。
 やがて恭弥の身体は周囲の温度で液体が凍りついたことにより、動きを封じられていく。
 
「うわぁ……まるでニヴルヘイムね……」
 乗り捨てられた車の一台を遮蔽物にしながら、Erie Schwagerin(ja9642)は魔具の杖をヒヒイロカネから顕現させた。
(なるべく豹を囲うように……だっけ?)
 作戦を確認しながら、エリーはアウルを練り上げていく。
 十分な量のアウルを練り上げたエリーは、標的である白豹へと視線を移した。
 現在、白豹は恭弥に更なる攻撃を加えようと、口を開いた所だ。
「そうはさせない、わよ――」
 白豹が氷塊を吐くよりも早く、エリーは敵を束縛する魔法を放つ。
 恭弥に集中していた所にそれを放たれ、白豹は避けることもできずに束縛される。
「今のうちに恭弥ちゃんを!」
 
 エリーの声を受けてフローラと鹿時が恭弥を助けに向かう。
 身体の大部分が凍結した恭弥の扱いに細心の注意を払い、フローラと鹿時が彼を担ぎ上げる。
 一方、魔法による束縛を受けたことに白豹は怒り狂っていた。
 動けないならとその場で口を大きく開き、白豹は氷塊をめったやたらに乱射する。
 当然、その何発かは、恭弥を抱えている為に激しい動きのできないフローラと鹿時にも襲いかかる。
 二人が焦った瞬間、氷塊が次々に空中で割れて地面に転がっていく。

「大丈夫かい? さあ、早いとこ安全な所まで――」
 良助による援護射撃が、二人に迫る氷塊を空中で撃ち落としたのだ。
 しかし、二人を守ることに集中したせいか、自分の方へと飛んでくる氷塊への迎撃が遅れる良助。
 二人を救った直後、今度は良助が氷塊を受けてしまう。
 氷塊は恭弥に命中したのと同じく、内部に液体が封入されているタイプのようだった。
 液体は良助の両腕へとかかり、すぐに凍り始めていく。
 何とか下半身は無事だった良助は急いで近くのオフィスビルの中に駆け込もうと試みた。
 一方、白豹はそうはさせまいと、良助に向けて更なる氷塊を放とうとする。

「――良助」
 良助のピンチに気付いたイシュタルは咄嗟に召水霊符を取り出した。
 空中から水の弾丸による対地攻撃を放ち、氷塊の発射を阻止しにかかる。
 結局、氷塊は発射されたものの、放たれる瞬間に水の弾丸が顔に直撃したせいで狙いが逸れた。
 結果として、良助には命中せず、彼は事無きを得たのだ。
 だが、水の弾丸では対してダメージが与えられなかったのか、白豹は即座に上を向いた。
 すぐに標的をイシュタルへと変えた白豹は彼女に向けて氷塊の対空砲撃を連続で放つ。

「くっ――」
 光の翼による空中機動性を活かして一発、二発と氷塊を回避するイシュタル。
 だが、何発か避け続けた末、遂に一発の氷塊を羽の一枚にもらってしまう。
 割れた氷塊から流れ出した液体は即座に羽の一枚を覆うように濡らす。
 加えて、イシュタルはそれなりの速度で飛行していたこともあり、風速によって凍結は早まった。
 すぐに羽の一枚が凍結して動かなくなり、イシュタルはそのせいでバランスを僅かに崩す。
 それが隙となり、次々とイシュタルの羽に氷塊が命中していく。

「うう……ああっ……!」
 羽へのたて続けの直撃を受け、苦しげに呻くイシュタル。
 すべての羽が凍結され、飛行機能が損なわれたせいか、イシュタルは地表へと落下していく。
 それでも落下の直前に身を捻って植え込みに跳び込み、更に受け身をとったおかげで、イシュタルに大怪我はない。
 殆ど間をおかずに立ちあがったイシュタルは、良助が逃げ込んだオフィスビルへ向けて走り出す。
  
 ほどなくして、恭弥を担いだフローラと鹿時もイシュタルに合流。
 三人は恭弥を担いで、オフィスビルの中へと一時退避していった。
 

 一方その頃。
 良助たちが敵と戦っている間、桐生 水面(jb1590)と水簾(jb3042)は一般人の避難誘導にあたっていた。
「市街地っちゅうことやし、隠れる場所はたくさんあるのが利点やね」
 周囲をぐるっと見回し、ちょうど良いビルを見つけた水面は声を張って一般人の誘導を開始する。
「動ける人は建物の中に入ってや! 外にいたら危険やで!」
 水簾も一人一人に声をかけながら避難誘導していく。
「ここは危険だ、建物の中に入れ」
 水面と水簾の誘導に従い、自力で歩ける一般人たちはビルの中へと入っていく。
 だが、そうもいかない一般人も何人かいるのだ。
「水簾さん、この人のこと頼むで」
 水面に呼ばれて水簾が駆けつけると、そこには下半身が凍結したサラリーマンが倒れていた。

「この人をあのビルまで運んだって。その間、うちはこの場に留まって他にも運ぶ必要のある人を一時的に護衛することで安全を確保や。絶対に誰一人犠牲にしたりはせんで!」
 強い決意を感じさせる水面の言葉に水簾は大きく頷いた。
「ああ。とにかく一人でも多く救いたい」
 水簾はそっとサラリーマンを担ぎ上げようと試みる。
「大丈夫か? 肩に掴まれ」
「うう……すみません……」
「痛いか? ……大丈夫、大丈夫だ……」
 肩に掴まるサラリーマンを支えながら、ビルの中へと歩いていく水簾。
 水面はその背中を見送り、次いで、すぐ近くのブロックで戦っている仲間たちに思いを馳せるのだった。
(信じてるで……)


 一時退避してからほどなく。
 フローラは怪我人を全員ビルの中に運び終えた水面から連絡を受けた。
 一般人を避難させたビルが、現在、自分たちが一時退避しているビルと近いということを聞いたフローラたちは、水面たちと合流することを決めたのだった。
 そして今、フローラたちは水面たちと無事合流を果たし、一般人とともにビルの中に退避している。
「影野さんたち……大丈夫なん?」
 心配そうな顔で水面は仲間達の様子を見つめる。
 身体の大半を凍らされた恭弥は布を敷いた上に寝かされ、両腕を凍らされた良助と翼を凍らせたイシュタルは患部に負担をかけないように座っている。

「ぐっ……」
 呻き声を上げながら、恭弥は水面に顔を向けた。
「俺のバッグに……ウォッカが入ってる……それを使え」
 水面はすぐさま恭也の持ち物を探りにかかる。
「わかったで! バッグ……ちゅーとこれやな――あったで!」
 恭弥が持ってきていたウォッカの瓶を取り出すと、水面はポケットからライターを取り出す。
「水簾さん、凍らされた人たちを集めてくれんかな」
 水簾に頼みこみながら、水面は避難所をぐるりと見回す。
(これは一般人の人にも手伝ってもらわんとどうにも人手不足になりそうや)
 そう思ってからが早かった。

「無事な人は手を貸してや! ライターなど持ってる人がいたらそれを使って! 持ってない人にはうちが持ってきておいたライターを貸すから、それを使って溶かしてもらうで!」
 水簾に続き、一般人たちも協力して、凍らされた人々が一箇所に集められていく。
 まだいくから安全に火を焚けそうな場所まで凍らされた人々を集めた水面。
 彼女に鹿時が声をかけた。
「あったぜ」
「おおきに!」
 鹿時が引っ張ってきた金属製の大型ゴミ箱へと、水面はウォッカを入れていく。
「それとこれも使ってくれ。備えあれば憂いなしってな!」
 鹿時はたいまつを水面に差し出す。
「僕のバッグにもスピリタスが入ってるから、それも使ってよ」
 良助からスピリタスを受け取り、水面はそれも投入する。

「いくで」
 ゴミ箱から取り出したゴミに火を点け、水面はそれをゴミ箱へと再び放りこんだ。
 すぐに焚火ができあがり、場はどんどん暖かくなる。
 焚火の効果と、一般人たちも手伝ってライターやたいまつで溶かしてくれたおかげで、恭弥たち撃退士はもちろん、一般人たちの凍結も解凍されつつあった。
「うう……」
 撃退士である分、回復が速かったのだろう。
 あれほど大部分が凍結していた恭弥も、呻き声をあげながらではあるが、自分の力で起き上がる。
 良助やイシュタルも無事に回復しており、それを見たフローラたちはほっと胸を撫で下ろす。
 それも束の間。
 ビルの外が俄かに騒がしくなる。

「来たか」
 恭弥は立ち上がり、入口の方へと歩き出し、仲間達も次々と続く。
 しんがりを務める水面は一般人たちを一度振り返る。
「大丈夫や! 絶対に誰一人犠牲にしたりはせんで!」


 ビルの前にある広場へと出た恭弥たちは、ちょうビル前まで来ていた白豹と相対する。
 既に路面は凍結済みなのか、陽光を受けて光っていた。
 合図一つなく、阿吽の呼吸で恭弥たちは散開した。
 
 円陣を作り、白豹を囲むように立つ八人。
 だが、白豹に焦った様子はない。
 既に自分にとって戦い易く整えられた路面を活かし、滑走による高速移動からの各個撃破――それを白豹が始めようとした瞬間だった。
「そうはさせない――わよ」
 エリーは魔力を持つ斧を振るい、黒色の刃を路面に向けて発射した。
 それと同時に、フローラも機械剣を路面に叩きつけた。
「中からお宝……ってそんな場合じゃねぇよな!」
 鹿時も炎の鉄槌で路面を破壊する。
 他の四人も同じように魔具を叩きつけ、路面を破壊していく。

 滑走状態に入ったと同時に周囲の路面を破壊され、白豹は荒れた路面へともろに突っ込んだ。
 スケートの要領で勢いついた状態では急に止まることも曲がることもできず、だからといって透過能力を解除すれば凍った路面を滑走できない。
 迷っているうちに白豹は荒地同然の路面に爪を引っ掛け、盛大に転倒した。
 白豹は怒りに任せて硬い氷塊を機関銃のように乱射し、周囲へとばらまく。
 だが、撃退士たちはそれを受けても止まらない。
 まず恭弥がありったけのライフルの弾を叩き込み、喉を破壊する。
 良助も路面破壊に使ったツヴァイハンダーをそのまま叩きつけ、白豹の右前脚を砕いた。
 その後も水簾が鉞を、フローラが機械剣を、そしてエリーが斧をそれぞれ振るい、白豹の残る脚を砕いていく。

 フローラたちが下がると、イシュタルが残った白豹の胴体へ火球を撃ち込む。
 それと同時に鹿時が炎の鉄槌を出現させ、白豹の上から落下させる。
「炎の鉄槌は熱いぜ!!どりゃあああぁぁぁ!!」
 炎の鉄槌は白豹に命中した火球へと激突。
 まるで打球を零距離で撃ち込むように、炎の鉄槌は火球を文字通り叩き込んだ。
 火球と炎の鉄槌は入り混じって大爆発を起こし、爆炎をもって白豹にとどめを刺す。
 粉々に砕かれた白豹の身体は破片となった後、地面に散らばった。
 そして、散らばった破片はまるで氷のように溶けて、蒸発していったのだった。
 

 白豹を倒し、ほっと一安心した鹿時は、ふと周囲を見回す。
 そして、周囲の損壊状況が酷かったことに唖然とした!
「何だか周りが廃墟みたいだな……まぁ人の命よりマシだよな!」
 無事に戦いを終えた撃退士たち。
 彼等は一人の犠牲者を出すこともなく、依頼を完了したのだった。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: God of Snipe・影野 恭弥(ja0018)
 セーレの王子様・森田良助(ja9460)
 誓いの槍・イシュタル(jb2619)
重体: −
面白かった!:1人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
鷹狩(ハンターイーグル)・
神鷹 鹿時(ja0217)

大学部4年104組 男 インフィルトレイター
セーレの王子様・
森田良助(ja9460)

大学部4年2組 男 インフィルトレイター
災禍祓う紅蓮の魔女・
Erie Schwagerin(ja9642)

大学部2年1組 女 ダアト
EisBlumen Jungfrau・
フローラ・シュトリエ(jb1440)

大学部5年272組 女 陰陽師
夢幻の闇に踊る・
桐生 水面(jb1590)

大学部1年255組 女 ナイトウォーカー
誓いの槍・
イシュタル(jb2619)

大学部4年275組 女 陰陽師
山芋ハンター・
水竹 水簾(jb3042)

卒業 女 鬼道忍軍