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マスター:燕乃
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
形態:
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2012/10/15


みんなの思い出



オープニング

●とある音楽室


 鍵盤の上を指が踊る。
 繊細な動きだった。だというのにとても軽やかで、弾むように流れていく。
 ピアノは紡ぐ。その弾き手の少女の胸の裡を語るように、とても楽しげに。明るい音色を。
 それはワルツ。独奏曲ではない。
 もう、弾き手である少女は一人ではなかった。
 この音楽室から流れるものは切なく、物悲しいものばかりではなくなっていた。
 独り呟くように想いを音に連ねるのではなく、何時もいるある少年に聞いて貰う為に。
 だとしたら、そう、悲しい曲ばかりでは申し訳なくて。
 そういう曲を奏でる顔が綺麗と言われて、やはり恥ずかしくて。
 共に過ごす時間だというのなら、楽しく過ごせる一時を。そう思うのだ。
 窓から吹き込む風は冷たいけれど、あの時の、始まりの冬のように寒くはない。
 そう、決して……。
「一人でいても、悲しいだけだもの、ね」
 冷めた心は、人と触れあって溶けたのだろうか。
 筑城 菫は、ふと、そんな風に思うのだ。
 独りが余計に怖くなった気がする。目の前にいる日田 柊一という少年がいないと、何処か不安に思うのだ。
 そして、笑ってくれれば、それだけでその不安が全て消え去る気がしている。
 だから、指を動かす。笑ってくれるように、でも、ふと。
「……ね」
 騒がしかった、けれど楽しかったあの旅行を思い出す。蛍の舞う、あの夜を。
「日田は、私と二人きりで、退屈じゃない?」
 余り人付き合いが得意ではない。会話も得意ではなくて、今でもよく、躓くように止まってしまう。
 それでも、一緒にいてくれている事に感謝している。一方で、否定しないと確信している、ズルい自分もいた。
 だから。
「退屈じゃないし、むしろ二人でいれて、嬉しいですよ」
 そういう応えに、安堵して、くすりと笑うのだ。やはり、他愛のないただの確認が、今でも嬉しくて。
「ああ、でも……筑城さん。この音楽室、他に使う人、いないんですか?」
「そう、ね」
 どういう訳か、この音楽室は筑城と日田だけが訪れていた。
 あの『不幸の噂』があった頃なら、筑城が此処でピアノを弾いているというだけで生徒も近づかなかっただろう。だが、逆に言えば、この音楽室は筑城が来る頃には誰も使っていなかったのだ。
 ただ二人だけの音楽室。
 少し広くて、音が響き渡り過ぎる、空白の多さ。
 何処か、寂しく感じてしまうのは何故だろう。今のさっきまで、そんなものは感じていなかったのに。
 もう試験も無事終わった。
 夏は過ぎて、秋は来て。
「……最後の文化祭、ですよね。俺達の」
「…………」
「部活、やっぱり再結成しないんですか? 筑城さんはピアノ上手いですし、勿体ないですよ。それに……みんなで文化祭に参加した方が、きっと楽しい」
 作ったとしても関われるのはどれくらいだろうか。長くて一年だし、もっと短いかもしれない。作った一か月後には文化祭で、その後大きなイベントもない筈。
 けれど。
 一夜の夢のようであったとしても。
「同好会とか、文化祭だけでもいいんです。その瞬間、確かに音色を奏でていたって、この高校のこの校舎に通っていて、そして……辛い思い出ばかりだったから、楽しい思い出を、一つでも、作りませんか?」
「……そうね。今さら作っても、本当に間に合わないわ。文化祭には」
 指が止まる。音が途絶える。
 静寂と、沈黙。
 伏せられた瞼の中、筑城の中で瞬いたのは何だろう。
 胸の琴線に、触れるのは。
 何を思って、何を思い出す。
そして何を、奏でて、これから何をしたいのか。
「……でも、そう。出来の善し悪しじゃなくて、ただ、楽しみたい。笑いたい。泣いたあの時のように、今は幸せだって……実感したいわ」
 今も今とて、こうして気遣ってくれる日田の存在が幸せの証だけれど。
 もっと、もっとと求めるのは、贅沢だろうか?


●久遠ヶ原依頼斡旋所


 今日も今日とて、無理なお願いに久遠ヶ原の学生は駆り出される。
 それは学生間のトラブルだったり、或いは悩み相談や人助け。これは、そういった類の依頼だった。
「という訳で……筑城さんと共に、部活というか同好会の再結成を目指して欲しいんです」
 そう、依頼者である日田は告げる。
 かなり無茶な話である。文化祭は目の前であり、今から人を集めてそれに間に合わせようというのは。
 実際、文化祭は入学式の後であり、文化祭で部員を集める部活もあるだろう。今からだと、厳しい所の話ではない。楽器を扱える、或いは歌う事の出来て、余裕がある人。
「ま、まあ無理なのは解っているんです。加えて俺は楽器も何も出来ませんし……けど、出来るだけ集めて、文化祭に間に合わせたいんです」
 一つでも多く、楽しい記憶を残す為に。
 この高校生活を、残る一年を鮮やかなものとして過ごしたいから。
「どうか協力して下さい。勿論、こちらも無策ってわけではないんです。……えっと」
 といって取り出すのは、ある校舎のホール使用許可だった。
 どうやって申請を通らせたかは不明だが、一週間後にこのホールでコンサートを行う許可を日田は取り付けたらしい。以外な所で行動力があるのがこの少年だ。それこそ、あの『不幸の噂』の時と同様に。
「演目というか、曲も何するかもまだ決めてないんですけれど……一応、音楽という事で通らせています。それで、このコンサートを開催して人を集めて、よければ部員に、と勧誘したいと」
 無策で無謀とも言える。
 けれど、本当に自由に気儘に、そして楽しく音を奏でて連ねる。ただそれだけ。
 それを輝かしい記憶だと、何時か言えるように。
「楽器を演奏できる方には演奏を、歌える方には歌唱を。パフォーマンスが出来るなら、それをお願いしたいんです。何が出来るか解らなければ、客引きやコンサートがあるっていう告知や、部員の勧誘の手伝いをして頂ければ。俺は裏方で動くつもりですし、表は筑城さんと、みなさんにお任せする形ですけれど」
 何をするか、何を演奏して歌うかは全て自由。だから何をしていいか迷うかもしれないが、本当に好きにしていいのだ。
 やる側も、みている側も楽しければ、それがきっと一番だから。
「毎回毎回お願いして、完全に投げてしまっているだけですけれど……どうか、宜しくお願いします」
 それでもやっぱり、一人では出来なくて、二人でも足りないから。
 頼むし、頼るのだ。友達を。
 それこそが、本当の幸せの輝きなのかもしれない。



リプレイ本文




 あの時。
 冷たい冬の風が、窓をかたかたと叩いていたあの頃は、きっとこうなるだなんて誰も思っていなかった。
 或いは知らなかった。
この音楽室で独り、綺麗だけれど物悲しく切ない旋律を奏でる少女がいた事を。
 あの『不幸の噂』と、その正体を。彼女が本当に優しく強く、そして傷ついていた事も。
 けれど、それは昔の話。もう終わって、そして次が始まっている。
 その証拠に、音楽室から漏れる音色はピアノのそれ一つだけではなかった。
「前に、音を合わせたいと言っていたのがついに実現したね」
 小さく微笑み、ヴァイオリンの弦を震わせるのは浅間・咲耶(ja0247)だ。
 彼は何時か言った。言葉に出来ない想いがあって、それを演奏に乗せて誰かに聞いて欲しいと思う事があるのだと。
 あの時、筑城は肯定も否定もしなかった。けれど、嬉しかったのではないだろうか。
「そうね、やっと叶ったのかしら。……本当に、長く、半年もかかってしまった約束ね」
 そうでなければ、こんなに軽やかに、そして簡単に音が合う事はない。きっと、二人とも、楽器の演奏に想いを乗せて響かせるものなのだ。
 では、今は何を乗せているのだろう。伝えようとしているのだろう。
 それはきっと言葉に出来ない想い。万の言葉を用いてもきっと伝わらないものを、ただピアノの音色で表現している。
 幸せで、楽しいと――今こうして人が集う場所で、ピアノを弾ける事が。
 昔とは違う。それでも嬉しいのは確かなのだ・
「ちょっと合うかどうかは疑問だったけれど、問題ないみたいだねぇ」
 そう言って見慣れぬ楽器、二胡を演奏しているのは九十九(ja1149)だ。
 中国の楽器であり、西洋楽器であるピアノとヴァイオリンの音色、演奏のリズムなどは似て異なる。
 けれど、そんなものは些細な問題だと、短時間でその違いは埋まっていた。元々彼らの腕もあるのだろう。だが、それ以上に東洋も西洋も関係なく存在するものがある。
「無理矢理に綺麗に上手くって思わず、楽しく演れば、大丈夫さ。周りの音を聞いて、それがどんな鼓動なのかを聞けば……自然に合っていく。一緒に楽しみたいって気持ちがさね」
 瞼を閉じ、二人の音色に合わせていく九十九。
 まずは、演奏者達で想いを連ねるのだ。これはまだ練習だけれど。
 本番では、聞く人々にも想いの輪を連ねられるように。
「さ、瑠音。いけるよね」
「ええ。人前ではあまり、歌わないんですけれどね」
 優しく微笑んだ浅間に応じるように、伊那 璃音(ja0686)も柔らかく笑うと、二度三度と声の調子を整えると、その細い喉を震わせ、歌を紡いだ。
 それは即興詩だった。夏のパートに合うものが見つからなかった為、粗削りなものだ。
 稚拙な所もあっただろう。人前で歌う恥ずかしさもあったのだろう。
 最初は迷うようだった瑠音の歌声。それが浅間のヴァインオリンに導かれるように、徐々に目指していたものに近づいていく。
 その場のものだった。その瞬間の歌だった。
 でも、だからこそ何より自分の想いに対して、一途で忠実で、高らかに紡がれる。
 加わるのはウェマー・ラグネル(ja6709)の男性パート。一つでは足りないだろうと足されたもの。
 純粋な願いで祈れば、きっと大丈夫だと、歌詞の裏、響く声に乗せて。
 そして最後に加わったのは道明寺 詩愛(ja3388)。
 小さな身体から、懸命に歌声を絞り出す。
 彼女が筑城達と初めて出逢って半年。どれだけの事が出来ただろう。
 そして、これから出来るのだろう。
 演奏三人に歌唱三人。演奏会としては足りなく、そして輪となっているかと言えばぎこちないものがある。文字通りいきなり集まったのだから、それは当然かもしれない。
 外れる音やテンポ。
 時として転ぶかのように完全に乱れる旋律。
 けれど、その度に誰かが立て直そうと音を慣らし、声を上げていく。
 完璧ではない。そして、それでよかった。
 練習だからではない。音こそ輪とならずとも、想いは確かに繋がっていたのだから。
 他人ではなかった。音と声を合わせる六人は、既に友人だった。








 そして同じ曲を三度繰り返して、休憩となる。
 流石に連続しての歌、演奏は体力を消耗するのだ。疲労と熱で赤みを帯びた顔を冷やそうと、窓が開く。
 吹き抜ける風。
 攫われる瑠音の茶色の髪。そっと寄り添うように近づく浅間。
 疲労と安堵。休息と安らぎ。
 音は途絶えても、絆と終わらない。どちらも目に見えない、大切なものだった。
 瞬間、カメラの音。
「悪いな、取らせて貰ったぜ」
 そう言って浅間と瑠音のツーショットをカメラで取ったのは佐倉 葵(ja7804)だ。
 練習中は音を立てて邪魔にならないようにビデオを撮っていたのだが、今はカメラに持ち変えている葵。
 練習風景を取ってそれをポスターにしたらどうか、との考えだったのだ。確かにそれは楽しげでいいものかもしれない。
 実際の雰囲気を紹介するという意味でも、次に繋げる為に。
 葵はあくまで見守る姿勢。赤面した二人に悪い、と。そして記念になるように後で写真を渡すよと言うと、筑城と日田の方も写真に収める。特にカップル同士のそれを重視している。
 けれど、確かに少女が笑っている写真は華やかで明るくて、いいものかもしれない。
「それでも、限度は守って下さいね」
 まずは簡易と、カメラから静止画像として何枚かの写真を取り出し、ノートパソコンから作ったポスターを印刷しながら、鈴代 征治(ja1305)が苦笑する。
「当たり前だぜ。女の子の嫌がる事はしないぜ、俺は。……っと、この写真で気を悪くしたら御免な?」
 鈴代の言葉に返しつつ、謝罪を入れる葵。
 実際、葵もただ楽しい時間を過ごして欲しいと思うのだから。それが記憶に、そして記録に残れば。
 いや、一秒でも長く青春を楽しんで欲しいと、そう、願うのだ。
 そしてその為、鈴代も。
 無力ではない。出来る事はあるのだと、再び噛み締めるように瞼を落とした。
 一人では、きっと出来ない事も。
「ん、水泳部に行くのならボクも行くよ。もしかしたら、協力してくれるかもしれないからね」
 淡々としたペースで言ったのは桐原 雅(ja1822)。余り変化のない表情からは感じ取れないが、彼女にも思う所があるらしい。
 何処か安堵しているような気もするのだ。
 忙しくも、傷つけあう事や、悲しいだけの事がなくなって。
 静かに、胸に秘めて。けれど桐原はやはり、安心して嬉しいのだ。
 この騒がしいけれど、楽しい音楽室が。
「そうですね。一人で出来るのは限界がありますし、では、お願いしましょう」
 ポスターを片手に、音楽室を出ようとする鈴代と桐原。同様に数種類のポスターをプリントアウトし、ウェマーと葵も外へと出ようとする。
 彼らは文字通り体力勝負になるだろう。
 今から宣伝をしようとしても中々上手くいかないかもしれない。
 時間がないのは演奏や歌唱と同じで、少しでも多くの人を集めなければいけないのだから。
 その頑張りを無にしない為にも、道明寺は手の平を叩き、表舞台に立つ全員に笑いかける。
「さあ、もう少し、頑張りましょう?」
 舞台の光を浴びた時、ぎこちないものではなく、本当の笑顔でいられるように。
 新しい関係が、新しい友達が、一人でも増えるようにと。
 歌おう。奏でよう。
 時は足りなくて、きっと完全な音楽など出来なくても。
「最後に笑って終えられるように」
 その為に、ほんの少しでもやれる事を。
 聞きに来た人達も、自分達も、決して忘れられない輝きを手にする為に。
「そうですね、もう少し発声練習とかも色々やりましょう」
 伴奏となるのは筑城と、浅間のヴァイオリン。
 贅沢だろうか。導くように流れる二つの音に歌声を合わせて、瑠音は思う。
 優しく、楽しいピアノの音色。心を閉ざしていた少女のものとは思えないそれに、歌声も弾む。
 今まで苦しかったのだろう。辛かったのだろう。
 独りは、心を蝕むから。冷たくて、心が凍えて何も言えなくなるから。
 助けて、とさえ。
 でも、今はどうだろう。
 迷うような璃音の声を導きさえする、暖かい音は。
 きっと、今の筑城だから出せる音だと、そう思うのだ。助けて貰えて、そして、笑顔になって。
 だから笑顔にして欲しい時に力をくれる音だと。
――だから、頑張りましょう。
 そう、誓うのだ。
 後、数日。どれだけ出来るだろう。
 どれだけ笑顔で、いられるだろうか。









 思い返せば、あれが鈴代の撃退士として始まりの物語だったかもしれない。
 助ける、という事がこんなにも困難だとは思わなかった。
 ただ一人の少女に笑顔になって欲しくて、けれど、それすら出来なかったのが苦しかった。
 心は見えないから暗闇から救い出せないとか、そんなのは言い訳にしかならなかった。
 悔しくて、ただ悔しくて。
 どれだけ呪っただろう、無力な自分自身を。
 救う事の出来る、限界を。 
 人間の限界と決めつけるのは簡単だ。けれど鈴代はそんな事出来なかった。
 恐らく、ずっと抱えていく命題になるのだろう。
 撃退士として、人として。救いを求める人の手を、どれだけ握る事が出来るのか。
 今はもう『不幸の噂』は終った。けれど、まだなのだ。
 まだまだ、助けを求める人と、心はあるのだから。それこそ無数に。
「人の噂も七十五日って言うよね、でも、ボクは違うと思う」
 始まりの冬の日を思い返していた鈴代へと、淡々と桐原は語りかけた。
 それは鈴代が深刻な表情をしていたせいかもしれない。
「噂は消えるよね、時間が立てば。でも、それで傷ついた人の心はどうかな。治るのかな?」
 それは鈴代も悩んだ事だった。
 傷ついても平気なフリは出来る。でも、心の傷は、簡単に癒えてくれないのだから。
 自分で自分の心を治療する事は、出来ない。
「誰かが癒してくれないと、人の心の傷は治らないのかもね。だからボクは良かったって思うよ。この結果が、本当にいいものだって」
 最初は日田が。そして、その行動によって多くの人々が動いた。
 その結果、救われたのは何も筑城だけではないのだ。暴走して止まらなくなってしまった『不幸の噂』に、水泳部の少女たちもまた、傷ついたのだろうから。
 その儘、言葉の刃と傷を負った儘に、この学園で過ごす事にならなくて。
「ボクは、本当にほっとしているよ。そして、その為に出来た事があったんだって、少しだけ誇りたい」
「そう、ですね。確かに、今は幸せですよね、きっと」
 誰かがではなく、皆が。
 鈴代も吐息をつくと、肩の力を抜いた。
「出来る事と出来ない事はあるでしょうね。人間なんですから。でも、だからこそ出来る限りをしたいものです、人を助ける為に」
 笑いかける鈴代に、やはり平坦な口調で返す桐原。
「だね。だからボクはこうしてまた手伝える事が出来て嬉しいよ。少なくとも……こうして、楽しむ為に手伝えるっていう、今がね」
「ええ、今が楽しくて、もっと楽しくなろうって。そんな当たり前が、どうしてか嬉しいですね」
 本当に当たり前の事なのだ。
 今が幸せだから、もっと幸せになりたいという気持ちは。
「という訳で、当日、もっと多くの人が楽しめるように……少し怖い人と話にいきましょうか」
 そうして訪れた水泳部の部室。
 桐原が呼び出しに向かい、宮野が鈴代へと向かってくる。桐原はそのまま、他の部員にビラ配りを手伝う事を頼んでいるようだ。
「さて、本当に少し怖い人なんですよね」
 事件の発端となった人でもある。
 でも、宮野もまた加害者ではない。何処か悪戯好きそうな笑顔を浮かびている彼女も、筑城を助ける為に手を貸してくれた一人だ。
 今日、この日を迎えられた事に、鈴代は宮野へと感謝を述べたかった。
 独りだけではどうしてもなかったから。本当に、沢山の人の手を借りて、ようやく迎えられたのだから。
 夏の蛍もそう。あれは忘れたくない記憶だ。消したくない、淡い光だった。
 だから、こそ。もう一つ、欲しいのだ。
「お久しぶりです。前回の依頼については、今後に期待という事で……また一つお願いがありまして」
 含み笑いをしつつ、鈴代は宮野へと語りかける。
 そう言えば、宮野にも伝えるべきなのだろう。筑城から聞いた、日田へ、ただ一人へ向けて作られた曲の事を。
 実はタイトルは未定で――出来れば、宮野にその名をつけて欲しいのだと。
 独りは二人に、二人は、大勢に。
 ただ、どんな曲かは教えてくれなかった。
 それこそ、日田の為だけの曲なのだと、くすりと筑城は笑ったのだから。
 笑えなかった、独りきりだった少女が、そう言って笑ったのだ。
 
 







 だから。
 そう、だから。
 沢山の想いで、闇は晴れたのだ。
 影のように付きまとっていた噂は過ぎ去り、残ったのは普通の少年と少女。
「ですから……皆さん、お願いします。力を貸して貰えませんでしょうか?」
 その二人の新しい出発点。
 きっとまだ二人きりだから、その道は頼りない。
 だからせめて最初だけでも力を貸して欲しいのだと、璃音はその場に集った人々に語りかけた。
 筑城の所属していた、元部員仲間達へと。
「聞きにくるだけでいいんです。でも、もしよければ1パートだけで良いですから、参加して貰えませんか?」
 元には戻れないだろう。失ったものは取り戻せないし、崩れたものを元のように組み直しても、やっぱり元のソレとは違っている。
 一度書いた絵を、同じように二度は書けない。その瞬間、その刹那にだけ出せる音色もある。
 心は移ろうのだから、元のようには戻れないのだ。時が巻き戻る事はないように。
 それは璃音もよく解っている。だから。
「お互いに、新た強い一歩を踏み出す為に」
 新しい関係を。新しい道を歩もうと、訴えるのだ。
 元のようにではなくていい。少し減っているかもしれない。それでも、幸せを求めてはいけないなんて事、ないのだから。
 その思いに、応えるように。
「ね、じゃあ、その演奏ってどんなのをやるの?」
 フルートを手にしていた少女が、声をかける。
 一陣の風が、吹き込んでいく。







 そして迎える、公演当日。
 その会場では予想外の人だかりが起きていた。
 ざわめきはまるで波のよう。人の気配がうねりとなっていた。
 舞台の端からこっそりと覗いてみれば、殆ど満席状態。その上に、少数だが立ち見もいる。
 学生のステージとは言っても、やはり音楽は音楽。楽しむものも多いのだろう。
 加えて、人海戦術の如き宣伝効果だった。
「流石に此処まで集まる、とはなぁ」
 葵も苦笑いするしかない。ポスターと、地道な説明による宣伝。
 それでも、多くの人が関わったからこそ、これだけの人が集まったのだろう。
 水泳部の少女達は、桐原に頼まれると自分達だけではなく、知り合いにまで声を掛けて、頼んで周っていた。
 沢山の人の間で揺れた、この演奏会。
 色々な人の心に動きがあり、そしてもっと多くの人に助けられてきた二人。ちらりと視線を送ると、紫色のドレスに身を包んだ筑城が深呼吸をしていた。
 それを大丈夫ですよ、と日田が落ち着かせていたのだが、桐原に強引に背を押されて客席へと連れて行かれる。
「裏方の仕事はボク達に任せて。日田先輩は、ずっとピアノを聞いていてくれた人なんだから。……今回も特等席で、筑城さんのピアノを聞いてあげて。何時ものように、ね」
 それこそが筑城が落ち着く為の、一番の薬だったのかもしれない。
 何時ものように。
 場所や人数は違えど、彼も聞いてくれる。
 それを想像したのか、くすりと笑う、ドレス姿の筑城。
 そうして客席へと送り出され、日田が消えた所で浅間が問いかける。
「……ね、曲を任せたパートに日田君へのメッセージを入れるって、どうなったのかな?」
 それは練習中に何度も問いかけたもの。
 浅間も着なれないタキシードに身を包み、動きを確認しながら問うと、その瞬間を楽しみにね、と軽く返されてしまう。
「それにしても良く準備できましたね、全員分の衣装だなんて」
「ま、ね。貸衣装とか、そういうのは運良く見つかったから」
 全員分の演奏衣装特に、九十九は洋装ではなく中国の民族衣装だ。それらを桐原が貸し出している店を見つけたのだという。
 確かに晴れの舞台。衣装はせめてと、桐原も思ったのだろう。
「本当に、この日が来たんですね……」
 一方、裏方でパートの進行を担当する予定の鈴代。
 彼は最初の最初から筑城と日田の二人に関わってきた。そして、苦しみも痛みも感じ、知っている。
 だからこそ感じるものがあるのかもしれない。瞼を閉じ、深呼吸をしている指は震えている。
 たった一人だった筑城が、いろんな人と演奏出来る。
 あの『不幸の噂』が始まる前は当り前だった事が、やっと出来る。
 撃退士として人を救う難しさを知り、初めて叶えたいと身を切るように願った事が、やっと叶うのだ。
「演奏で想いを繋げられるのなら、楽に携われるものとしては喜ぶべき事さね」
 動きの止まった鈴代の肩を、九十九がぽんと叩く。
 だから楽士として。そして友人して。
「最高のものを捧げるさねぃ。このピアノに、この友達たちに、短い間の知り合いに、一度だけ聞いてくれる人々に」
 それこそ、一期一会というのは九十九の国のものではない。
 それでも音に携わるのだから、解るし、感じるし、思うのだ。
 たった一度でも触れ合う事の出来る、その大切さを。
「突貫でやっているんだ、綺麗に合わせようとしても出来ないさ。でも、だからこそ楽しくやろう。偉そうな事は言えないけれど」
 そして言うつもりもなく、ただ一人としての、ただこれから向かう舞台への意気込みなのだから。
「自分達が楽しもう、楽しませたい、そういうのが一人にでも多く伝われば、それでいいのさね」
 高望みなどない。ただ出来る事をすれば、それで叶う筈だから。
 想い連ね、想い重ねて。
 産まれたこの舞台に。






 照明に照らされているのは、ピアノ一台と、筑城一人だった。
 ざわめきは絞られたライトが筑城に向かって動くに連れて、収まっていく。
 舞台には、筑城一人。
 そして、指が動く。紡いでくのは、ピアノのソナタ。
 『冬』の旋律。
 切ない音色だった。
 物悲しい響きだった。
 止めどなく溢れるように流れる音は静かなもの。
 それに釣られ、引き込まれるように場はしん、と音をなくしていく。
 ただ、一台のピアノだけがその音色を響かせる。そう、たった一人の季節だった。
 肌寒くて、閉ざしていた心。
 触れるものが痛くて。寒く、冷たく、暗い、心の冬。
 筑城の孤独だった季節を、なぞるように。
 心の弦を震わせるのだ。ピアノの旋律に秘められた、悲しさが、聞く人々の心を。
 想いの曲だった。
 孤独な、冬のソロ。
 聞く者に切ない痛みを感じさせるそれは、けれど。
 今はそうじゃないから表現できる音だった。
 今はもう冬ではない。一人ではない。だから、振り帰るように、なぞるように、人の心を震わせるのだから。
 ぴたりと、止まる演奏。



 うん、そうですね。
 逢ったばかりの筑城さんは、そんな人でした。
 心を閉ざしていたし、独りで傷つくだけの人。
 僅かに涙で滲む視界。けれど、此処は絶対に落とせないのだと、道明寺は自分の役割へと専念する。
 初めて会った時は梅見の時だった。
 あの春から、全ては変わっていけのだと、そう思わせて欲しい。
 葵と鈴代の操作で照明が落ちるのに合わせて、掌を向ける。放たれるのは、花吹雪。
 癒しの風は春のそれの如く舞い上がり、純白の花を筑城とピアノの周囲に巻き上げる。
 家名はこの花の名の意味を冠する道明寺。親しんできた桜。
 アウルによる作り物であろうとも、本物以上に美しく魅せようと、道明寺は懸命だった。
 散る姿は儚い。アウルで産み出されたものは、一瞬で産まれ、一瞬で消えていく。
 でもそれでいい。これは新しい一歩なのだから。
 散る後に、新しいものが続いてくれれば。
 ね、筑城さん。貴女は優しい人だと思う。だからせめて、その一歩は優しいものに包まれて踏み出して欲しい。
――私は友達です。
 冬は終ったのだ。
 春が来る。冬は解けて、日差しは明るく。
 身も心も閉じる必要のない、季節が。
 


 
 間に聞こえたのは、まるで鳥の鳴き声のような音。
 桜の花びらの舞うステージの上の端から、九十九が陶笛によって音を出したのだ。
 待ち望んだ季節を喜ぶような、小鳥の囀りの音色。
 特別二人には感情は抱いていない。けれど、どうやるなら。
 悲しいだけのソナタではなく、多くの曲を、沢山の人とやろう。
 楽しもう。
 この学園生活を、友人たちと。





 だから、語りかけよう。
 場面の転換は九十九と道明寺が最高の演出をしてくれた。
 高鳴る鼓動は、緊張のものだろうか。
 ふと横を見れば、愛する少女がいた。
――行こう、ね
――ええ、楽しむ為に
 浅間と璃音の目線は一瞬交差し、それだけで想いを伝えきっていた。
 だから、この場の全ての人に、浅間はこのヴァイオリンで語りかける。
 初めてあってそっけなかった筑城。音を合わせようといって、半年もかかった。
 恨んでないですよ。ただ、半年もかかったらこそ、この舞台でやれるのだから。
 だからただ、嬉しくて楽しくて、それを音色で語ろう。
 日田の行動で貰った勇気を、少しでも多くの人に。
 本当の強さを、幸せを、温もりを。
 この『春』の、柔らかな旋律に乗せて。
 閉じた蕾であるピアノも、あの時とは違い、ヴァイオリンへと音を合わせ、重ねた。
 そして楽器を二胡に持ち変えた九十九も続き、一瞬で華やかなものへと転じていく。
 この瞬間に全身全霊で、そして想いの全てをぶつけるのだ。



――きっと忘れないよ
あなたのこと―――

 そして歌い手である道明寺と璃音とウェマーも、その声を調べに乗せる。
 
――たくさん、たくさん、泣いたから
ずっと忘れないよ――

 沢山泣いたと思う。胸の中で。見えないだけで。
 でも、そんな貴女を助けたいという人が、今はこんなにいて。

――あなたのこと
ぜったい、ぜったい、忘れない――

 忘れたくない想い出を作る為、こうして想いを一つに重ねている。
 ずっと、ずっと、この関係が続くと信じている。少なくとも道明寺はそう確信している。
 だから、こんなに大勢の前で、止まる事なく歌えるのだ。
 その声も関係も、途切れはしない。
 奏でるヴァイオリンの演者もまた、先を見ていた。
 一人でいる強さなんていらない。もう二人は、一人と一人ではなく、二人なのだから。
 寒い時は寄り添えばいい。倒れそうになったら、手を貸して貰えればいい。
 優しい想いの先を祈っている。その祈りと、上手く言葉に出来ない音色を奏でて。
「……っ……!?」
 同じように、解っている、貴方もねと、ピアノで応える筑城。
くすりと、ピアノを弾きながら、笑った気がした。
 ああ、ほんとうによかったと思うのだ。この自分達の軌跡は。



「いい曲だなぁ……青春しているよ」
 春の奏では観客たちを魅了していた。
 冬との差、そして演出。何より込められた万感の思いが人を引き付ける。
 それを舞台裏である葵も感じているのだ。
「ええ、本当に……こうして舞台裏で協力しているだけでも、誇らしくなります」
 そういう事が出来るようになったのも、また一つの結果として出たのだ。
 誰かが、一人だけ傷つくような事は、もうない。
 鈴代はそれが嬉しい。
 胸の高鳴りは、ただ心臓が早鳴りとなっているだけじゃない。
「もう少しで、夏、だね」
 同じように舞台裏を任せられた桐原。春はもう終わる。
 そして、来る夏。思えばあの蛍の時のように。
「サプライズ、上手くいくといいね」
 失敗するだなんて、微塵も思えずに。ゆったりと語る。
 そして、舞台裏に隠れていた人々が、合図を待っている。
 春が終わる、その瞬間を。
 夏が来る、その時を。
「さ、そろそろ合図ですよ」
 
 


 春の終わりは静寂。
 一瞬だけ静まり返った中、けれど、春で終わりではない。まだまだ続くのだと、璃音がその歌声を上げた。
 澄み切った声だった。夏の青空のように高らかかと、どうか届いてと、開始を告げる。
 噂という影を追い払った。
 だから、さあ。
――歌いましょう、夏の夜に
 琴に触れる事なく、月の雫で鳴り響くその音で――

 
 舞台袖から飛びだしたのは、五人の男女だった。
 手にそれぞれ楽器を、或いは何を持たない人はマイクの傍へと駆け寄る。
「……え?」
 筑城が、完全に止まった。
 その姿に見覚えがあったから。もう一年近くも前になってしまうけれど。
 そして、彼ら彼女らが来るだなんて知らなかった。
 知らされていなかったし、そもそも来る筈がないと意識の外だった。
 だから止まってしまう。思考も動きも。きっと頭の中では楽譜が白紙になっているだろう。
 でも、それを先導するように、璃音が歌う。
 練習では逆だった。音や流れに迷う璃音を、筑城が引っ張っていた。そのお返しというように。
 そして、まるで当たり前のように。少しの恥ずかしさと、申し訳なさを感じながら。
 止まったピアノをカバーするよう、五人も増えた音が連なる。
 聞き覚えのある癖があった。
 知っている楽器だった。
 そう、ずっと前にいっしょだった部員達。
 元部員。その皆が、今。
「……あり…が……とう」
 それだけを呟いて。
 今出来るのはピアノだと、筑城は震える手で鍵盤へと向かう。
 一度だけ深呼吸をして、音を聞く。
 幾つにも重なった、夏のように輝く音達を。
 ただ、高らかに美しく。
 あの夜を。そして旅の途中を思い出すように。
 澄み渡る空へと響け、届けと、『夏』は奏でられた。
 恋が叶ったのもあの季節。あの夜だ。だから、決して忘れたくない。刻むように歌い、願うように鍵盤に指が滑っていく。
 蛍の光。それに染められた、あの告白の夜を。
 淡い光が幾つも寄ってくるように、多くの楽器が音を立てる。
違う声色で、歌が紡がれる。





 そうして連ねられた、四季を見立てた演奏。
 過去を。自分達の軌跡を。
 それを知らない人が大勢で、自己満足だと笑われるかもしれない。
 けれど、確かに響いていた。観衆達の心に。
 いきなりの飛び入りにも、驚きながら、やはり楽しんでいたのだから。
 笑顔の後に、一人、あの冬の時のように筑城がピアノの前に座っている。
 ピアノのソナタ。独奏曲。
 それは秋の夕暮のように、何処か物悲しいものだった。
 今の季節を表す、その音色。その曲。
 終わりゆく今を告げて、噛み締めるように。
 次が欲しいのだ。終わるから、楽しいひと時が過ぎてしまうから。
 それが悲しい。
 だから、次を約束しよう。
 明日の放課後、夕焼けに染まったあの音楽室で――と。
 ただそれだけの曲だった。
 余りにも純粋で、喜びも哀しみもない演奏。
 ただ、あるのは安らぎだった。
 流れるのは、傷つく人のいない日々だった。
 


 ●



 でも、やはり終わるのだ。
 鈴代のアナウンスで盛大な拍手が流れる。
 ほんの一週間だったけれど、懸命に曲を合わせていった皆。
 そして桐原に促されては花束の贈呈を受け取ろうとした筑城が見たのは、恥ずかしそうに笑いながらも、葵と鈴代に後ろから突かれるようにして壇上に上がる日田だった。
 近づく二人、渡される花束。
 けれど、花束は投げ捨てられて――掴み、抱きしめられた、二人。
 花より何より、ただ今が幸せだから。
 欲しいものは何もいらなかった。涙が溢れても、気にしない。
 それより大切な人が前にいる。
 ステージの上、多くの視線があっても気にしなかった。
 ただ嬉しかったから。
 こんなに良い事があって夢ではないのかと、確かめ合うように。
 訳が分からなくとも、観衆達は惜しみのない拍手を送り、葵はその姿を一枚だけ写真に撮った。
 忘れない。
 この記憶を、絶対に。
 連ねられた想いの、果てを。






「さて、じゃあ写真を撮りましょうか」
 これが最初で、そしてきっと続くのだろう。
 元部員を璃音と浅間が誘い、更に桐原と葵は興味を持ってくれた人達を巻き込んでの打ち上げとなっていた。
 何時もは静かだった音楽室。けれど今は騒がしくて、広いと思っていた空間にこんなにも人がいる。
「本当に、どうなるか解りませんよね」
 道明寺は重箱で桜餅と花団子を持ち込んでいたのだが、もう足りなくなってしまっている。
 未来は解らない。ずっと続いていく。
 あの日見た梅はもう一度、一緒に観に行けるだろうか。
 そして、今度こそ、本物の桜の下で。
 ただ今は作り物でもとアウルの桜の花吹雪を起こし、これを見に行こうと笑う。
 笑っていよう。何時までも。
 この学園にいる、仲間として。
「本当に撃退士って、何処までも大変ですね」
 苦笑する鈴代。撃退士としての始まりだった事件が、ついに閉じられる。
 だから、そう。写真を撮ろう。絶対に忘れないように。
 曲を思い出して、目尻に涙を湛える葵も。
 隣り合い、手をそっと繋ぐ浅間と璃音も。
 桜舞う中、そっと風に指を翳す桐原と、青いリボンを揺らして、にっこり笑う道明道も。
 初対面の二人に、快く協力してくれたウェマーと九十九も、大切な記憶として。
 そして続く友達として。
「さあ、写真を撮りますよ」
 どれだけ人を救えるか。
 心だなんて見えないものを。
 そして、見つけられるだろうか。苦しんでいる人を。
 目には見えない、大切なものを。でもきっと大丈夫だと鈴代は笑う。

 かしゃりと音を立て、その光景を一枚の写真として映し出す。

 まだまだ続くのだろう。
 でも、此処で一つの終わり。
 新しい人を助ける為に、この物語は幕を閉じる。
 この音楽室で始まった、一人の少年と、一人の少女の話。
 繊細で愛おしく、壊れそうで強い、人の想いの話。
 色褪せない記憶が、奏でられる。
 きっと、今日もまた、あの音楽室で。



依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:12人

La benedizione del mare・
浅間・咲耶(ja0247)

大学部4年303組 男 ディバインナイト
Orz/天の華は星と戯る・
伊那 璃音(ja0686)

大学部4年25組 女 ダアト
万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
戦場を駆けし光翼の戦乙女・
桐原 雅(ja1822)

大学部3年286組 女 阿修羅
悪戯☆ホラーシスターズ・
道明寺 詩愛(ja3388)

大学部5年169組 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
ウェマー・ラグネル(ja6709)

大学部7年137組 男 ルインズブレイド
想い連ねて・
佐倉 葵(ja7804)

大学部7年13組 男 鬼道忍軍