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マスター:凸一
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:10人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/10/31


みんなの思い出



オープニング


 週末の公園広場では大勢の家族連れが詰め掛けていた。開演前だというのに多くの人が長い列を作ってステージの前に席取りを行っている。
 お目当ては地元のケーブルTVで放送されている特撮ヒーローアニメだ。
 子供たちの為に感謝祭として握手会やトーク会が行われる。待ちわびた子供たちが目を輝かせながらヒーローの登場を待ちわびていた。
「みんなあ、お待たせしました! エリュシュレンジャーの登場だ!!」
 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 司会者の男がマイクを持った瞬間、会場が興奮の渦に巻き込まれる。現れたのは赤レンジャーとピンクレンジャーの二人だった。
 ヒーロー服に仮面を被ったカッコいい姿に誰もが拍手と歓声を送る。
 二人はステージの上で華麗に月面宙返りを決めてアピールした。あまりの華麗な演技の前に子供たちだけではなくお父さん達も大歓声を送る。
 だが、今回のショーはこれだけではなかった。
 なんと原寸大のロボット模型も用意されていたのである。
 ステージの裏にはすでにドリルスターが待機していた。二つのドリルを持つ戦車の形をしていて地中を自在に動き回るロボット。
 さらに空を瞬くレーザーファルコン。
 翼を広げた戦闘機は自在に飛行しながら二つの銃口からレーザービームを出す。
「すげえ、原寸大ロボだ!! かっこいいいいい。合体してええええ!!」
 そう、この二つのマシンの特徴は合体することである。終盤にさしかかると敵を倒すために二つのマシンは合体して「恵龍シュオン」に合体するのだ。
 しかし、興奮の最中に様子がおかしいことに気付いたスタッフがいた。
 ヒーロー達の様子が普段とは違ってヘンだった。
 無口で喋らず、おまけに挙動不審。
 赤レンジャーとピンクレンジャーは実はディアボロだったのである。後ろに置いてあるロボットと一緒に子供達に襲いかかる機会を狙っていたのだった――。



「特撮ヒーローショーの会場にディアボロが現れました」
 斡旋所の女性職員がなぜかピンクレンジャーのコスプレをして出てきた。あまりの姿に誰もが一瞬、声を失った。しかし、敢えて突っ込まないことにした。
 依頼主はヒーローショーの開催のスタッフだった。ヒーロー達のいつもとは違う異変に気がついたスタッフの一人が慌てて連絡してきたのである。
 まだ子供たちは偽ヒーローと気がついていない。このままでは子供たちが襲われてしまうので何とかして偽ヒーローを退治してきてほしいと依頼されたのである。
「貴方達は、本物のヒーローとして現場に急行して、子供達を偽者から守ってほしい。敵は合体するロボットと共に戦ってくるわ。ちなみに敵が合体する際には隙だらけだけど、その時に攻撃すると敵は卑怯と激怒してくるらしい。まあ……合体する際に攻撃するかどうかは貴方達の判断に――任せるわ。それではよろしく頼んだわよ」
 女性職員は、主題歌を口笛で吹きながらそのままの姿で外に出て行った……。


リプレイ本文


 目を輝かせた子供たちがヒーローの歌を口ずさむ。
舞台に立ったエリュシュレンジャー達に盛大な拍手を送る。彼らは誰一人、そのヒーローが偽者であることを知らない。
 その時だった。ノリノリで流れていた音楽が止まる。
「皆、大変! ステージに立っているヒーロー達、敵が化けた偽者らしいって情報が入ってきたよ! 情報を入れてくれた人達は、もうすぐここに来てくれるみたい!」
 ナレーションのマイクをジャックしたのはシェリー・アルマス(jc1667)。可愛らしい容姿はまるで悪に囚われた美少女のようだ。彼女の「たすけて〜」という悲痛な叫びの後、突如として音声が途切れて聞こえなくなる。
「何か……様子がおかしい? お前ら……まさかっ!!」
 深刻な表情でステージ上のヒーローを指さしながら松永 聖(ja4988)が叫んだ。
 その瞬間、スポットライトが落ちて辺りは静かになった。なぜか踊っていた赤とピンクのヒーローが慌てて挙動不審な動きを見せ始める。
 突然の出来事に子供たちが一斉に不安な顔をした時だった。
「皆の夢を壊すその所業、絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛っ!!」
 不意にスピーカーが割れんばかりに轟く。
「変身っ! 天・拳・絶・闘、ゴウライガぁっ!!」
 真っ赤な衣装に身を包んだ千葉 真一(ja0070)が舞台の袖から現れる。一目でわかるヒーロー服に身を包んだ赤い男の登場に会場はどよめいた。
「天魔を断つ蒼き覇者、我龍転成リュウセイガー!!」
 観客席の後ろから今度はブルーを纏ったヒーローが登場した。姿勢を低くして両手を回しながら胸の前で止めてポーズを決めるのは雪ノ下・正太郎(ja0343)。
 龍を模したファイティグポーズを取ってから、一気に観客の列の間を猛ダッシュして、そのまま大きくジャンプしてエリュシュレンジャーの前に立ちはだかる!
 これはいったい何だ!? ショーの一環なのか!
 ステージのヒーローは本物なの? この人たちは一体だれ!?
 予想していなかった展開の連続に子供たちは困惑する。なぜか彼らに紛れて覆面を被ったプロレスラー風の阿岳 恭司(ja6451)や怪しい着ぬいぐるみ姿の鳳 静矢(ja3856)も、混乱のどさくさにまぎれて登場していたが、あれももしかして何かのヒーローなのだろうか――。
「偽者ヒーローだぁ? 趣味悪ぃんだよ。これからはダークヒーローの時代だぜぇ!」
 観客の列にいきなり叫びながら乱入したのは天王寺千里(jc0392)。「おまえら死にたくなかったらそこをどけーえええええ!!」と武器を振り回しながら突き進んでくる。あまりの恐い形相に子供たちが泣きながら一斉にその場を逃げ出す。
 流石、ダークヒーローだった……。
 逃げ回る子供たちの避難誘導に出たのは葛城 巴(jc1251)だ。中央から出口の方へパニックになる子供たちの背中を押して奮闘する。偽者ヒーローが子供達を襲わないように間には向坂 玲治(ja6214)と御剣 正宗(jc1380)が割って入って手助けした。



「そして私、シェリパンダも只今参上♪ ――ってもう始まってるし!!」
 シェリーが遅れて登場した時にはもう戦闘が始まっていた。一人でノリ突っ込みをするが当然のように聞いている者は誰もいなかった……。そういえば、何気に戦闘依頼はこれが初めてのような気がするが果たして大丈夫だろうかと自問する。
 不意に地面を切り裂くような轟音がしたかと思うと、地面から巨大な戦車が現れた。
「きゃあああああ――ものすごく大きいドリルきたーーー!!」
 エリュシュレンジャーの秘密兵器のドリルスターだった。地中を自在に進行できる秘密兵器は突如として現れて撃退士達を蹴散らそうと突っ込んでくる。
「ドリル野郎ならこのアタシが相手だぜ!」
 勇ましい声と共に前に立ちはだかったのは最凶ダークヒーロー。咥えていた煙草を地面に放り投げながら武器のドリル槍を敵に突きつける。あっ、良い子の皆はくれぐれも真似しないでネ。……それはさておき、さらに背後から謎の覆面チャンコマンが現れてドリルスターに先制の強烈なパンチを繰り出した。
「痛いこれキャタピラが地味に痛い! 
バーナーふかすな熱い! めっちゃ熱い早く誰かー!」
 自分からパンチをしておきながら地味に痛かったらしい……。怒った戦車に馬乗りにされそうになり、身の危険を感じたチャンコマンは辺り構わず喚き散らした。すぐに味方に来てくれるように泣きながら助けを呼ぶ。
 怒り狂った戦車はそのままチャンコマンを下敷きにしようとした。だが、そうはさせまいとダークヒーローがスケバン衣装を棚引かせながら猛ダッシュして迫る。
「あんたのとあたしのどっちが太くて固いか――勝負だあああああ!!」
 ドリル同士が衝突して辺りに物凄い火花が飛び散る。耳をつんざくようなあまりの衝撃音に耐えきれずに逃げ遅れた子供たちが恐怖で泣き叫んだ。
「皆、偽者に捕まらないうちに避難してね!」
 シェリーはその場で動けなくなっている子供たちを救いだした。怪我をして歩けない子は自ら支えになって安全な場所へと避難誘導する。
 逃げる子供達とシェリーを追いかけるようにして頭上に突如現れたのはレーザーファルコンだった。猛スピードで飛びながらレザーザービームを発射してくる。
 誰もが危ないと、そう思った時だった。
 翼を広げながら楯になって攻撃を防いだのはリュウセイーガー。気迫の籠った表情で耐えながら絶対に子供たちを傷つけさせないと歯を食いしばる。
「リュセイガーアアアアアキャノン!」
 雄叫びと同時に戦闘機が衝撃波に包まれて煙を吐いた。
 正太郎を手助けしようと上空から一気に正宗も急降下する。獲物を追いかけて敵の接近に気が付いていない背中らか強烈なスマッシュを叩きこむ。
 レーザーファルコンは堪らずにそのまま地面へと激突した。辺り一面には砂埃が激しく立ち上り、その間に子供たちは後方支援をする巴の元へ避難してきた。
「――みんな頑張って! もう少しだから」
 巴は勇猛果敢に戦う味方や不安におびえる子供たちを叱咤激励した。傷ついた子供たちや味方に応急措置をして癒しながら忙しなく活動する。流れ弾を弾きながら後方へは絶対に手出しはさせないと静矢も歯を食いしばって防戦する。
 剣を華麗に捌きながら流れ弾を寸前の所で切り裂いて攻撃を防ぐ。
「キュゥゥゥッ!」と自らも不安におびえる子供たちに笑顔を送る。ふと、笑いが起きて子供たちはつかの間であったが、安心した様子を見せた。

 

「子供達の夢を壊す……? そんなの絶対赦さないッ! べ、別に子供達のことを想って戦うワケじゃないけどっ」
 真っ赤になりながら一人で言い訳をする美少女の聖。助けを求める子供たちの顔を見てなぜか異様に照れてツンツンしてしまう。
 彼女は知る人ぞ知るホワイトレンジャーだ。シャツを短く結んでおへそが出ている。その姿をみた大きいお友達たちが野太い濁声で応援していた……。
 聖の姿を見た敵のピンクレンジャーが攻撃を刀で仕掛けてくる。華麗な身のこなしで難なく攻撃を交わすと聖は逆に鎖鎌の鎖で刀を絡め取った。
 拘束したまま力を込めて薙ぎ払うとピンクはステージの壁に激突する。
 反撃を食らって思わず腹を押さえて後退するピンクレンジャー。片方の刀が折れてマスクの下からでも激怒している敵の様子が伝わってくる。ピンクでも十分に勤まる美少女顔負けの撃退士ホワイトに我慢ならない様子だった。
 敵が刀を再び振りかぶって間合いを詰めようとしてくるが、今度はそれよりも早く玲治が懐に飛び込んで敵の刀を槍で受け止める。
「野郎が相手で悪いが……ってどのみちこいつらに性別は無いようなもんだな」
 力では負けない玲治は強引に押し返して避難する観客とは逆の方へじりじりと敵を追い込んでそのままステージ場外へと弾き飛ばしてついに敵は息絶える。
 ピンクレンジャーの死を横で見ていた赤レンジャーが舌打ちする。ゴウライガ―と赤ヒーロー対決を先ほどから繰り広げていた。
「ゴウライ、反転キィィック!」
「防げ、ゴウライシールド!」
「ゴウライソード、ビュートモードだ!」
 怒涛のゴウライガ―の攻撃と防御に赤レンジャーも流石の疲労を隠せない。度重なる必殺技を食らい続けて足元がふらついてくる。
「勝負だ! ゴウライ、バスターキィィィック!」
 ゴウライガーの渾身のキックが赤レンジャーの頭に炸裂した。吹き飛ばされた赤レンジャーは煙を巻きながら壁に激突して動きを止める。
 あまりのカッコよさに子供たちからも大歓声が起きていた。
 しかし、赤レンジャーはしぶとかった。あれだけ食らってもまだ起き上がってくる。ショットガンをぶっ放しながら隙を見て間合いを徐々に広げて行こうとしていた。



 偽ヒーロー達は追い詰められていた。土壇場で赤レンジャーが決死の反撃に出ていたが、レーザーファルコンやドリルスターは重傷、ピンクはもう動けない。
 赤レンジャーは不意にリモコンを胸ポケットから取り出す。何をするんだ、キュウゥと静矢が背後から邪魔しようとしたが、間に合わずボタンが押されてしまった。
 静矢は鳳凰で赤レンジャーにトドメを刺した。後頭部をやられて赤レンジャーは無様に倒れてしまったが、その瞬間、なぜかスピーカから割れんばかりの音楽が流れる。
 まさか、とうとうあれが!?
 シェリーが目を大きく開いて唾を飲みこんだ。
「スーパー超合体! 恵龍シュオーーーーーーンンン!!!」
 ノリノノリのアニメの雄叫び共に主題歌が流れる。不意にレーザーファルコンとドリルスターが天へと猛スピードで駆け昇って目映い光に包まれる。
 ついに敵のロボットが合体を始めた。
 目の前で鮮やかに変形していく姿を茫然と見送る撃退士達……。
 あまりの無防備な姿に何処からどう突っ込んでいいかわからない。チャンコマンに至ってはよだれを垂らしながらビデオ撮影を始める始末だった。無防備過ぎてあっけに取られて逆に攻撃ができない雰囲気すらある。
 しかし、ロボットの合体にアクシデントが起こった。
 撃退士達の猛攻によってすでにロボットのネジがいくつか飛んでおり、さらに組み合わせ部分が幾分かダメージを受けていて上手く合体できないのだ。
 あまりのシュールな光景に流石のダークヒーロー千里も声を失う。合体時間はそれから優に十分かかったのだった……。
 (中略)……ついに完成した「恵龍シュオン」は超合金のスーパーロボットだ。
待ちくたびれてフライングで攻撃をしてしまった正宗に卑怯だと言わんばかりにビームサーベルで突っ込んでくる。流石に合体前とはスピードが違った。
「ブレード! やっちゃって今よ!!」
「卑怯……? 上等だ……」
 防戦一方になりながらも正宗はシェリーの応援に答えて敵の背後を突いて攻撃する。
 図体が大きくて急には回転することのできない恵龍シュオンはまともにダメージを受けてしまう。
 動きを止めようとシェリーが関節部分を狙う。そこは禁断の弱点だった。先ほどからネジがゆるんでいたのでロボットの脚ががくんと崩れる。
「ブリキ野郎にはさっさと退場してもらうぜ!」
 千里の怒涛のドリル攻撃と恭司の地味でいやらしい間接攻撃によって恵龍シュオンは瞬く間に行動不能の状態に陥ってしまった。
 それでも頑丈さが取り柄のロボットは容易には完全に崩れない。ゴウライガ―&リュウセイガー、さらには撃退士ホワイトがその瞬間、目配せした。
 三人は一斉にタイミングを合わせて跳躍した。恵龍シュオンはそうはさせまいとビームサーベルで攻撃してくるが、玲治が腕を攻撃して粉砕する。
 どさくさにまぎれてラッコの着ぐるみも背後から地味に攻撃に加わった。

「皆、決めるぜ!」

「ゴウライ、流星閃光キィィィィックっ!!」
「リュウセイガー・アーーーーーーーックスウウウウウウ!!」
「必 殺!! 鬼 神 一 閃ッーーーーー!!」
「―――――キュゥゥゥッ!」

 ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 恵龍シュオンは雄叫びを上げた。顔面に三人+一匹の必殺技が炸裂してロボットがその瞬間に目映い光に包まれて爆発音に包まれた。
 破片が四方八方に吹き飛び、猛烈な爆風が巻き起こる。周辺にいた子供たちを爆風から真っ盛るように巴が背中で皆に覆いかぶさる。
 ようやく煙が開けた時には、「恵龍シュオン」は――すでに跡かたもなくなっていた。
「次に出るときゃ、5人揃えて出すことだな」
 無残な姿の偽ヒーローに玲治が最期に弔辞の言葉を述べた。



「皆、大丈夫? もう安心、きっと本物がすぐ来るわ」
 戦闘が終わると撃退ホワイトはそう言い残して華麗に去って行った。
 偽者ヒーローは全て撃退士によって倒された。事情を後で知った子供たちは一斉に新しいヒーローの元へ行って歓声をあげる。
 素早く救出に巴たちが向かった御蔭で皆は大怪我をせずに無事だった。小さな傷を負った子供には巴がつきっきりで看病して事なきを終えた。
「ヒーローかぁ……現実って、もっと容赦ないんだけどね。
マロンならともかく、ロマンじゃお腹一杯にならないし」
 さり気なく子供たちにブラックジョークをする巴……。あまりに夢も糞もない表現に傍にいたダークヒーローも失笑する。
「いってえ……ちょっとばかり張り切り過ぎたかな」
 手を刷り切って顔をゆがめる玲治に巴はハンカチを差し出した。
「ヒーローには、名誉の負傷が付き物でしょう?」
 微笑しながら優しく怪我をした者に対して手当てを施していく。
 リュウセイガーとゴウライガ―は本物の演者のヒーローと熱い握手をして健闘を讃えあっていた。その後皆で快く子供たちの握手に応じた。未来ある子供たちを救うことができて二人とも満足そうな笑顔を浮かべている。
 エリュシュレンジャーに比べて知名度はまだないが、二人に助けて貰ったことは子供たちはずっと覚えていることだろう。静矢も着ぐるみ姿で子供たちに囲まれたが、突然「キュウウウ」と叫びながらステージを去って行った……。
 彼らヒーローの間に交じってなぜかどさくさに紛れてサインを得意げに披露しているチャンコマンの姿も中にはあったが――。
「きゃああああああ――ちょっとなに、なに、なに!?」
 戦闘が終わって何故かシェリーの周りに大きいお兄さん達が集まって来ていた。戦闘中のあまりに可憐な奮闘ぶりに「萌えてしまった」らしい……。
 美少女撃退ホワイトが一足先に去ってしまったので残ったシェリーの元へ、リュックサックにポスター剣を刺した熱狂ファンが押しかけて来たのだ。
「一時間と二十分前から君のことをあ・い・し・て・るう!!」
「俺たちと一緒にひーろーごっこしようぜ!!!」
「君とがったいしたーーーーーい!!」
 目が血走ったヲタファンから恐れをなすようにシェリーは逃げ出す。その様子を見ていた正宗が「はぁ……やれやれ」と呟いて先にその場を後にした。


依頼結果