●人工のジャングルにて
先に派遣された撃退士、雷音寺・閃、及び氷川・零子からの増援依頼を受け、問題の熱帯植物園にやって来た八名の撃退士達。
猫野・宮子(
ja0024)は温泉と聞いて参加したのだが――
ここは鳴子温泉郷の中山平温泉にある熱帯植物園である。残念ながら温泉施設ではない。
「温泉と温室……似てるんだけどな……。まあ、近くに温泉はあるから後で入るんだよー」
と、気を取り直す。
「植物園かあ〜。ふむふむ、『敵戦力不明、形勢不利、増援を求む』とな」
黒髪に和服が似合う大上 ことり(
ja0871) は依頼内容を確認。
「どんなディアボロさんかなあ。気を引き締めていきましょー!」
ぐっと拳を握って頭上に手を伸ばす。
ちょっぴり近づき難い雰囲気の美女、染井 桜花(
ja4386)は――
「……温泉郷か」
着替えとお風呂セットを用意。基本、考えは宮子と同じ様である。
「ウツボカズラには負けたけど、今度は負けないもんね」
前回この熱帯植物園にディアボロが出現した際、色々アレな事になった恵夢・S・インファネス(
ja8446)。
「装備は万全、もはや油断は無い」
しかし今度は大丈夫な様だ。「絶対負けたりしない!」と意気込んでいる。
「ハルちゃんに誘われて来たお仕事だけど……あはぁ、なんかすっごいえっちぃディアボロ……♪」
アムル・アムリタ・アールマティ(
jb2503)は言いながら身体をくねらせる。
「……えへへ、これは目一杯楽しまないとだねぇ♪ ハルちゃんv」
ハルちゃんと呼ばれたハルシオン(
jb2740)は「娯楽を愛する者として、破廉恥天魔は許しておかぬ!」とアムルを引き連れ依頼に参加。
アムルとは現在同棲中であり、色々と振り回され気味だが何だかんだで甘く、ツンを見せつつも実の所はデレデレらしい。
「また人界で騒ぎを起こして、これだから同族は……ギア嫌いだ」
蒸気式陰陽師を自称する中性的な容姿の美少年、蒸姫 ギア(
jb4049)はぷんすか怒っていた。
「でも、帰りに温泉を楽しめるなら……はっ!? なんて事、ギア考えてないんだからなっ!!」
どうやらこちらのほうが本命の様である。
(植物園か、わざとらしすぎる環境っていうのはそんなに好きじゃないんだけど)
どこか蠱惑的な魅力を持つ美女、百夜(
jb5409)はふむりと思案。
(一汗かけば晩酌が気分良くなるぐらいのつもりでいきましょ)
そして一行は問題の温室へ足を踏み入れる……。
●VS巨大ハエトリグサ 前半
撃退士達は閃や零子も含め、何班かに分かれてディアボロの捜索を開始。
***
宮子とことり――
「マジカル♪みゃーこ、運動バージョンで出陣にゃ♪」
宮子は動き易い様に体操服にブルマ姿。ついでにオプションとして猫耳尻尾も付いている。
「うろうろしてても見つかりそうだけど、早く気付けるに越した事はないもんねえ」
ことりはまず【索敵】で周囲を確認。
「あ、居た」
即座に巨大ハエトリグサを発見。
「目標は……うにゃ!? 予想以上に早く見つかったにゃ!? アレに捕まったら大変な事になっちゃうから気を付けて戦うにゃ!」
「了解だよ!」
ことりは頷き、拳銃を具現化させ、離れた所からハエトリグサへ【スターショット】をお見舞い。
「CRが上がって少しは効き易くなったかな?」
敵を観察。ダメージは与えた様だが……
「でもでも、CRが上がると今度はこっちが打たれ弱くなっちゃ……別に今のはフラグじゃないよ!」
ナイスフラグ! 二人は直後、大量に伸びた触手の餌食となり捕食されてしまった。
***
「……見つけた」
桜花は単独行動中にハエトリグサを発見。光纏し魔具を活性化する間もなく――
「……や、止めろ。……離せ」
触手の様に動く多数の蔓に捕まってしまった。ばくんと飲み込まれる。
***
恵夢は閃・零子と行動中。
「今度は大丈夫だから見てて!」
と、二人へ無垢なアピール。
「大型三体しか見つかってないとはいえ、小さいのとかまだ居るかもしれないよね……」
通常の戦闘依頼めいた真剣な考えを口にした瞬間、目の前にハエトリグサが出現!
「二人は下がってて! よーし、このナイトウォーカー火力の封砲で一気に――」
恵夢はスキルを発動しようとするが……何も起こらない。
「…………このスキル、ルインズブレイド専用だったー!?」
と言う訳で盛大に隙を見せた恵夢は触手に捕まり頭からぱっくん。
「ひょわあああああっ!?」
内部。恵夢は顔面から粘液を浴び、口から舌から喉からぬるぬるに。
***
アムルとハルシオン――
ハルシオンは必ず全てのディアボロを殲滅すべく意気込んでいたが、同行するアムルの様子に嫌な予感を覚える……。
「一匹残らず駆逐してやるのじゃ! のう、アムル……ア、アムル?」
そんな所でハエトリグサが出現。アムルはうねる触手を見つめ、ぽけーっとしている。
「ならばわしが――って、ぬわぁーっ!?」
「いやっほーい♪」
ハルシオンが光纏しようとした瞬間、アムルはハルシオンの手を引っ張って敵へ突撃。自ら敵の口内へ飛び込んだ。
二人はぬとぬとの粘液を垂らす巨大な舌によってべろんべろんに全身を舐め回される。
速攻で媚薬が効いた二人は互いの服を脱がし合い、互いを求め合う。
「あぁんっ、凄すぎてもぉ我慢できないぃ♪ ねぇいいよねハルちゃぁぁんっ♪」
問うが答えは聞かずアムルはハルシオンの身体にむしゃぶりついた。
「んあああ!? ひゃあああ!? アムルぅぅぅv」
ハルシオンはそのまま彼女を受け入れる……。
***
ギアと百夜――
「ギア以外は女の子だし、ギア、しっかりしないと」
唯一の男性参加者という事でギアは気合十分。
「ギア、どんな敵なのか良く聞いてこなかったんだけど、百夜は知ってる?」
……しかし、敵の情報については頭に入れてこなかったらしい……。百夜は敵について説明した後に、
「折角だし、ギア君、私と一緒にいきましょうか。ま、ディアボロ退治じゃデートだとかの色気もへったくれもない話だけど」
「で、デート!?」
その単語を聞いた途端、ギアは赤面。
(うふふ、可愛い♪)
そんなギアの様子を見て百夜はくすくすと笑う。
――そこでハエトリグサと遭遇。
「出たわね。どうせ接近戦以外からっきしだし前へ出るわ。ギア君、援護お願い」
百夜は光纏し魔具を活性化。
「りょ、了解!」
ギアも光纏。魔具を構える。しかし敵はいきなり二人が捌き切れない程大量の触手を伸ばしてきた。
応戦するも百夜が絡め取られてしまう。
「ぁん、もう、いきなり御挨拶ね……女性には優しくするものよ?」
(ま、引き込んでくれるんなら【練気】で中から手痛いのを――)
などと考えている内に百夜はばくんと飲み込まれる。
「って、ゃ、ちょ、いきなりそんなとこ……はぁ、ん、いいっ……思ったより、つまらなくない仕事になりそ……♪」
内部。滑らかな百夜の肌を敵の舌が舐め回す。媚薬効果も効いて来たらしい。
外部。目の前で仲間が飲み込まれたギアは……
「びゃ、百夜ー!? ……今、助けるんだからな!!」
意を決して敵に突貫。
●VS巨大ハエトリグサ 後半
宮子とことり――ハエトリグサ内部。今は宮子が念入りに舐められていた。
「にゃにゃにゃ!? 離すにゃ……みゃぁ!? く、くすぐったい、ふぁ、ダメにゃ! そこを舐めるんじゃないにゃー!?」
「なんてうらやま……じゃない、けしからんディアボロさんなのぉ……わたしも欲しいよぉ……」
既に媚薬が回っていたことりがそう言うと、今度は舌がことりの身体を丹念に舐める。
「はぁぁぁ〜ああぁ〜ん♪」
ことりは思わず艶っぽい声を上げる。
「ふぁ……このままじゃおかしくなっちゃうにゃ……。うぅ、はぅぅ、それなら……装甲をパージして脱出にゃー!」
宮子はくらくらする頭で思考。自分の衣服を犠牲にして、ことりを抱えてすっぽーん! と脱出。
その後に魔具を活性化。一気に攻撃を加え敵を撃破した。
「はぁ、はぁ……、何とか脱出できたけど……まだ変な気分にゃー……」
何とか敵を倒すも、媚薬効果はまだ残っており、身体が熱い。そこへ。
「……ちゅーしてもいい?」
「うにゃ?」
ことりのキス顔が迫った。
***
ハエトリグサ内部。桜花は囚われて粘液――媚薬漬けになっていた。
「……くっ……んっ……はあ……」
悶えに悶え、既に衣服は乱れ肌が激しく露出。その肌を巨大な舌が這い回る……。
「……何処を、……舐めてい、……い……いる」
抵抗しようにも快楽が思考を奪い、身体が動かない。
ぬるぬるの舌にべろんべろんに舐められる。勿論桜花の全身は既に粘液塗れ。
***
「あああ……あああぁ〜v 気持ちいい〜vv もっとして〜vvv」
ハエトリグサ内部。身体の隅々まで舐め回された恵夢は当然の如く既に全身ぬるぬる。媚薬も相当回っている様子。
しかも前回の後遺症(?)により……
「この気持ちいいぬるぬるがあればにんげんもあくまもなかよくなれるれろ」
という間違った方向に突入。悪魔モードを開眼。
魔装を変更したのか姿が「悪魔らしく」より妖艶な物に変わっている。
快楽の前に堕ちてしまった恵夢は敵と一旦和解し(?)ハエトリグサに口を開かせる。そして。
「こっちだよ〜」
と、姿を見せ、様子を窺っていた閃と零子へ手招き。
「大丈夫なの……?」
「何やら魔装(?)が変わっていますけれど……」
閃と零子が恐る恐る近づくと――
「ヒャッハー!!」
二人をがっちりホールド。口内に含んだ媚薬を二人に口移し。再びハエトリグサ内へダイブ。
閃と零子は悲鳴を上げる間もなくハエトリグサ内部に取り込まれ巨大な舌の餌食となった。
その後媚薬が回った三人は獲物を捜し歩き、宮子・ことり・桜花が犠牲になったらしい。
***
ハエトリグサ内部。アムルとハルシオン――
「あぁん、舌の感触すっごぉい♪ 気持ちいぃ♪ はぁぁ……、こんなの初めてだからいっぱい感じちゃうよぉぉ♪」
「こ、此の程度でわしが屈するとぉ……ア、アムルぅ!? 何をする、や、止めるのじゃぁっ♪」
二人は舌に弄ばれつつ、粘液塗れでくんずほぐれつ。
アムルは自ら豊満なお尻や胸を巨大な舌に捧げ、ハルシオンには荒れ狂うモノをぶつける。
あまりに激しく絡み合う二人はその内勢いでハエトリグサ内部から出てしまった。しかし二人は離れない。
「もぉ誰かに見られていても我慢できないっ♪ むしろ見せ付けちゃう♪」
「あひぃぃんっ♪ 此の様な所で、あぁぁ、見られて、見られてしまうぅぅっ♪」
***
ギアと百夜は――例によってハエトリグサ内部。
「だ、大丈夫? って、ギア、そんなつもりなんて無いんだからなっ」
ギアは取り込まれながらも百夜を気遣うが……舌に舐め回された百夜の衣服は肌蹴ていた。
両手で目を覆うギア。しかし巨大な舌が彼へ襲いかかる。
「ぅわぁっ!? お前なんかに舐められたって、ギア、平気なんだからなっ……そ、そんなとこ!? 舐めちゃダメぇぇぇ」
ギアと百夜、二人は同時にぬるぬるの舌でべろんべろんと何度も舐められる。その度に快感が二人を襲った。
(あぁ……気持ちいい……けど、されるがままじゃ面白く、無い、わね……っ)
まだ辛うじて正気を残していた百夜は【痛打】を舌に叩き込み、ギアと共に脱出。
ギアも何とか態勢を立て直し、【ドーマンセーマン】からの【八卦石縛風】で石化させ、百夜が再度の【痛打】で撃破。
「百夜、大丈夫だっ……えっと、あのその、ギア……別に恥ずかしくなんか無いんだからなっ」
ディアボロを撃破し、一息付きつつギアは百夜の裸体から目を背ける。
「……あら、丁度目の前に良い相手がいるじゃない」
百夜が言った。
「えっ……?」
ギアが百夜の顔に目をやると……完全に紅潮し恍惚とした表情を浮かべていた。媚薬が回り切った様である。
「ちょっとお姉さんと遊んでくれない? 遊んでくれたら……気持ち良く、してあげるわよ……?」
百夜はギアへ思い切りその豊満な肢体を絡ませる様に押し付け。
「この疼きを……鎮めて欲しいの……駄目……?」
ギアの耳元で囁かれる甘ったるい声。
「……ギアは、ギアはぁぁぁ……!!」
ついに彼も媚薬効果が頂点に達したらしく、彼女を押し倒した……。
***
「……ふ、……ふふ、……ふふふ」
ズタズタになり、地に伏したハエトリグサを前にし、氷の表情をした桜花が立っていた。
その背後にはあられもない姿の恵夢、宮子、ことりがぶっ倒れている。……ちなみに恵夢の頭には大きなたんこぶが出来ていた。
――要するに媚薬効果が切れた時点で桜花が怒り狂い敵を殲滅したのだ。
「……すっきりした」
●おんせん!
なんとか目標のディアボロを撃滅し、依頼を終えた撃退士達。
「……全く酷い目に遭ったんだよ……。とりあえず、折角此処まで来たんだから温泉に行こうかな?」
ふう、と溜息をつく宮子。
「……よし、……行こう」
桜花が『温泉』という言葉に反応。頷く。
「温泉温泉〜。いいねー。わたしも行くー!」
ことりもにっこり笑顔。
……という訳で一行は閃と零子も含め、ぬるぬるの粘液を洗い流すのと疲れを癒す為、温泉へ寄る事に。
ギアと百夜も手を繋いで一行に続く。
「いたた……あれ? 私あれからどうなったんだっけ?」
頭のたんこぶを擦りながら恵夢が首をかしげる。
どうやら最初にハエトリグサに取り込まれてからの記憶が無いらしい。
そして恵夢は帰り際、温室の戦闘跡……ハエトリグサの残骸を何やらガサゴソやってから皆に合流した。
「おいてかないで〜!」
***
公衆浴場へやってきた一行は一緒に温泉へ。
「皆……大きい……羨ましい……」
宮子はギアを除く皆の胸部を見てしょんぼり。
「ふぁ〜疲れが一気に飛んじゃうね〜」
「……良いお湯。……後で背中流す」
ことりと桜花はお湯に浸かってまったり。
「あぁ〜たんこぶにも効くのかな、この温泉」
恵夢はマイペースでゆったり。
「こ、混浴なんて聞いてないぞ!? た、タオルは取っちゃダメぇ!!」
「いいからいいから♪」
ギアは百夜に無理矢理連れ込まれた。だが本人も温泉自体は好きなのでまんざらでも……?
***
日が暮れて夜も更けた頃。とある温泉宿の一室。浴衣姿の二人が居た……。
「ハルちゃんったらそんなに恥ずかしがっちゃってぇ……ハルちゃん、すっごくえっちぃだったよぉ? だからボクも盛り上がっちゃったよぉ♪」
「う、ううぅ……。アムル、おぬしのせいで死ぬほど恥ずかしい目に……!」
一つ敷かれた布団の上(勿論枕は二つ)、昼間の出来事を思い出し、恥かしさMAXのハルシオンがアムルの胸をポカポカ叩く。ぽよんぽよんと揺れる。
「責任は取ってもらうぞ。覚悟するのじゃ……♪」
「覚悟って……ふふ、ナニをしてくれるのかなぁ、楽しみ〜♪」