●湯万寿へようこそ!
温泉宿『湯万寿』の女将から依頼を受け、露天風呂に蔓延るディアボロを退治しにやって来た十一名の撃退士達!
長く美しい金髪に碧眼の美女、エリス・K・マクミラン(
ja0016)はたじろいでいた。
「わ、私とした事がまた情報の見落としを……!?」
その理由とは――彼女が事前に得た依頼情報から『敵は大量のじゅるじゅる触手塊やにゅるにゅるスライム』が抜け落ちていたためである。
単にディアボロを退治して、その後は温泉に入れるという依頼だと思って受けてしまったらしい……。
ある意味最も大事な情報を見逃すとは……これもうわかんねぇな。
一方、猫耳魔法少女の猫野・宮子(
ja0024) はやる気十分。
「温泉を取り戻すために魔法少女・まじかる♪みゃーこ出陣するにゃ♪ 知葉さんも一緒に頑張ろうにゃ♪」
いつもは不干渉だったが今回は戦闘にも参加するフリーランスの撃退士、この温泉宿『湯万寿』の常連客、知葉とぎゅっと握手を交わす。
「よろしくお願いします、宮子さん。敵の陣容は侮れません、ご注意を」と表情を引き締める知葉だが宮子はにこにこ笑顔を浮かべていた。
「……破廉恥な連中を生み出した責任者は出てきなさいなっ!!」
そのように叫ぶのは黒髪ロングヘアに水色の改造制服を着たお嬢様、桜井・L・瑞穂(
ja0027)。
「監督不行き届きですわ! 一度、管理するということを一から学んで……ぁぁ、もうっ!」
床をダンダン! と踏みつける瑞穂。お風呂場がハレンチなディアボロにより大変なことになっている状況に憤慨している彼女である。
「温泉を占領しているなんて酷いやつね!」
雪国からやって来た雪室 チルル(
ja0220)はそんなことを言いつつも手にはシャンプーや石鹸など各種小物も完備して温泉を満喫するつもり。
やはりメインはディアボロ退治ではなく温泉だった。
銀髪赤目に色白のちみっこ美少女、雫(
ja1894)は――
「……ディアボロ退治とは聞いてましたが、エロディアボロが相手とは聞いていないのですが」
エリスと同じく今回の敵が『いやらしいディアボロ』という情報が大・欠・落!!
これはどういった結果になるか楽しみですねぇ……(ねっとり)。
「この間ね、テレビでね、ヌタウナギって食べてたの。スライムも乾かせばクラゲみたいな……どう?」
と、あわよくば触手もスライムも捕食れる(?)んじゃないかと考えている恵夢・S・インファネス(
ja8446)。
だがしかし残念ながらディアボロはその材料からして食べられるものではないのであった……。
「……情緒ある素敵な温泉宿のお風呂場が……今はアレなことになっているのですね……」
黒髪ロングヘアに黒い瞳、大人しい雰囲気ながらも一部が規格外な月乃宮 恋音(
jb1221)は色々と不穏な依頼内容を考えつつも、一先ず真面目に解決を試みる。
そして恋音の恋人さんである袋井 雅人(
jb1469)は現在大流行中の深夜アニメ『獣友達』に影響され、とてもピュアな精神状態で温泉にやって来ていた。
「わーい、たのしそー」
髪の毛が綺麗なピンク色ならば頭の中もドピンクな好色天使、アムル・アムリタ・アールマティ(
jb2503)は今日も平常運転。
「えへへぇ〜、ひっさしぶりのえっちぃディアボロだねぇ♪ これはめいっぱい愉しまなきゃダメだよねぇ〜♪」
触手とスライム相手に色々するつもりのようで……じゅるりと舌なめずり。危険がアブナイ。
(前回は蛞蝓に不覚を取ったけど今回は負けるつもりない。またヤラシイ相手で酷い事になりそうではあるけれど……)
心中でリベンジを誓うのは、流れるような赤髪にすらりとした体型の遠石 一千風(
jb3845)。
不覚を取らぬと思ってはいるものの、それに反し嫌な予感もしているようで……どうやらそれは当たりそうだ。
真面目で素直な青少年、高野信実(
jc2271)はどうにも不真面目な大半の参加者の態度にぷんすか。頬を膨らませる。
「もう、皆さんちゃんと仕事してくださいよ?」
さて、顔合わせを済ませた撃退士達は着替えをするべく脱衣場へ移動する――。
***
エリスの水着は黒の紐で止めるタイプの大人びた水着。+何故か温泉なのにロングスカート状のやや透けたパレオを巻いている。
宮子の水着は白のスク水(胸のゼッケン・名札にはぶっとい字で『みやこ』と書かれている)。ちなみに白だが透けません。
「残念だったにゃね!」
瑞穂の水着は目立つこと重視、たわわなお胸やぷりりんとしたお尻が際どく、肌の露出が多い青色横縞クロスホルタービキニ。
一回りサイズが小さいらしく、上はむっちむち、下はウルトラローライズ気味である。
チルルの水着は一般的な濃紺の女子用スクール水着。小柄な彼女にはよく似合っている。
雫の水着も同じく学園指定の女子用スクール水着。チルルよりも更に小柄な彼女にはとてもよく似合っている。
恵夢の水着はエプロン風のふりふり水着。そして武器は敵を料理するため、切り散らかしたくないので『アルティメットおたま』だ。
恋音の水着は牛柄のビキニ。彼女の豊満を超越した規格外のお胸のこともあり抜群に似合っている。
雅人の水着は……彼的には全裸でも構わないらしいのだが、空気を読んで自重して男子用競泳水着を穿いてくれました。感謝である。
アムルの水着は黒の超マイクロビキニ。局部をギリギリ隠すだけでほぼ全裸!
本人曰く「水着を着なくていいなら全裸でも良いぐらい」のようだが……それは大変に不味いので水着は要着用です!!
一千風の水着は黒のビキニ。スレンダーな彼女の白い肢体を上手く引き立てている。
信実の水着は学園指定の男性用水着。薄い胸板、ほんのり筋肉質な肉体、至って普通、一般的な男子といった感じの彼。
……水着に着替えた十一名の戦士達は風呂場という名の戦場へいざ、足を踏み入れる!!
●VS触手塊+スライム 前半
一行が脱衣場の戸を開け、風呂場に入ると――
「せっかくの温泉が気色悪い地獄絵図ね……」
一千風が言った。まさにその通り。今や風呂場全体が大量のじゅるじゅるの触手の塊、及びにゅるにゅるのスライムの支配下と化していた……。
「……受けてしまった以上は完遂させますけども……」
エリスはそのおぞましい光景に身を少し震わせながら言う。しかしこの様子を見ていると身体が火照るのは何故だろう?
「……お、おぉ……。……何と申しますか、その、酷い事に……?」
同じくある意味の絶景に身をぷるぷるとさせる牛柄ビキニ姿の恋音。それに合わせて巨大な膨らみもゆっさゆっさと揺れる。
その恋人の雅人とはと言うと――
「すごいすごーい。なにこれ、なにこれー」
相変らず純真な目でヒドイ状態の風呂場を見つめる。
「兎に角、一刻も早く殲滅しませんと! こんな連中に負けたりシませんわっ!」
高らかに声を上げたのは瑞穂。
「おーっほっほっほ♪ こんな素敵な……こほん! 悍ましい者共、早々に片付けてしまいましてよ!」
――今ちょっと本音が聞こえたのは気のせいだろうか?
「このわたくしが、あんな連中に負ける筈がありませんわ!」
フラグ立てに余念がない彼女である。
「うわ、ぐにゃぐにゃ動いてる……気持ち悪い」
信実はあまりの光景にドン引き。このうじゅるうじゅるとした中に海パン一枚で入ると思うと背筋が寒くなる。
「あ、足元気を付けてくださいね!」
とりあえず皆に注意を促しておいた。……まあ色んな意味で無駄だと思うが。
さて――戦端が開かれる。
チルルが脱衣場の入り口から風呂場に向かって【封砲】――に彼女なりの改造を加えた【氷砲『ブリザードキャノン』】を連発。
遠距離から先制攻撃を仕掛けて敵を薙ぎ払う。そしてそれを撃ち切ると……先日通販で買った超高級品のラクラクスライサーを取り出す。
……それからチルルはどこかで聞いたことがあるような自慢をするときのBGMをバックにラクラクスライサーの便利さを解説。
「このラクラクスライサーはね、稲の収穫から野菜の皮むきまでなんでも自在に使用できる便利な鎌で、強敵との戦闘すらもラクラクと行うことができるのよ」
チルルの自慢をガン無視した雫はティアマットの幼体を召喚し、前衛に立たせる。
「オーダーは唯一つ、何があってもあの変態ディアボロを近付けさない事です」
そのように命令した後に、念のためパサランも召喚。
…………チルルの攻撃を受けてなお敵は大量に残っており、ティアマットの攻撃も抜けてきた敵! 触手! スライム!
それをパサランに飲み込ませようとする雫であったが、パサランは嫌々する。
「良い子だから、口に入れた物をごっくんしなさい。代りに仕事が終わったら好きな物を食べさせてあげますから」
無理にでも飲み込ませようとする雫であった。
***
戦闘が行われている一方で。
ふりふりエプロン水着姿の恵夢。手にはアルティメットおたまな彼女。当然そんな無防備な状態で敵に近づけば……自分が調理される立場に。
恵夢は洗われ、搾られ、粘液に味付けされて、触手の海の底に沈みましたとさ。
第一部完。
「わぁい、えっちなディアボロさんだぁ。即突撃だよぉ」
アムルは自ら速攻敵陣に突撃して速攻捕まった。
どう見ても一本釣りの冷凍本マグロな大剣を持った宮子は……。
「皆の安息の地、温泉を汚す悪い子は、このマグロの餌食に――って、みゃみゃ!? 口上中に攻撃は反則にゃー!?」
喋っている最中に、捕まってその豊満な肉体をにゅるにゅるされているアムルがぽいぽーいと放り投げた触手の塊が着弾。
じゅるじゅるの触手に組みつかれ、尚も飛んでくる触手やスライムによって捕縛され、敵陣に連行されてしまった。
エリスは杖を構えて、【練気法陣】を使用し【エクスプロージョン】を発動しようと気を集中させたところに、
「この手に来たれ黒え――きゃっ!?」
アムルが投擲したスライムが着弾。ぬとぬとに全身を覆われる。続いて次々と触手も着弾。全身に絡みつかれてしまう。
「な、何です……!? い、いや……離れてくださいっ!」
引き剥がそうとするが無理な話であった。宮子同様に敵陣へ連れて行かれてしまう。
一千風は蠢くディアボロに若干引きつつも、武器を握り締めて敵を叩く! が、その際に吹き出した粘液が顔に思いっきりかかってしまう。
「きゃっ!?」
その隙を突いてうねうねヌトヌトが接近! 一千風は思わず動きを止めてしまう。――それを逃す触手とスライムではなかった。
「嫌! 止めろ! 離せ!」
抵抗するも触手とスライムは数に任せて次々と襲い来る。そしてすぐに身動きが取れなくなってしまった。
はーい、一名様触手とスライムの苗床へご案内でーす。
「嫌ぁぁぁぁぁっ!!」
一千風の悲鳴が虚しく響く……。
色々と仲間に先を越されてしまったチルルは気を取り直して触手を片っ端から切り刻みながら接近して大暴れ。
懲りずにラクラクスライサーがいかに凄いかを自慢しながら戦闘……するが、触手によってスライサーを取り上げられてしまうと必死に取り返そうとぴょんぴょん跳ねる。
――そこを見逃す触手の塊とスライムでは無い。例によってチルルは捕まってしまった。「アバー!!」
***
湯船――現在は触手の塊とスライムの苗床になっている――。
「うぅ、結局こうなっちゃうにゃ?」
連行されて来た宮子はにゅるんにゅるんじゅるんじゅりん。
「で、でも今回はいつも見たいに酷いことに……にゃうん!? なる未来しか見えないにゃー!?」
お尻を撫でられた宮子は可愛い声を上げそのまま(略)。
「あああああ! ひぃあああああ!!」
瑞穂は……いつの間にかフラグを回収し、捕まっていた。触手とスライム漬けである。
「…………」
恵夢は苗床の中心でとてもアレなことになっていた……。
「やめなさい! 離しなさい! いや! ダメ! ひぃっ!? た、助け……」
ティアマットとパサランを召喚して戦っていたはずの雫も何故かここに居た。
……召喚が解け、再召喚しようとした隙を突かれてご案内されてしまったのだ。最早彼女に助けは居ない……。
***
一度、風呂場に戻ろう。
「あわわ……あわわわ……」
すみっこに追い詰められている恋音。
「あぶないよー!」
とかひたすら元気でポジティブにみんなを応援していた恋人さんの雅人も今はその隣にいた。
二人の前に数体のスライムが結合したらしき巨大なスライムが近付く……。
「た、たべないでくださいっ!」
と、雅人がお願いするもスライムがそんなことを聞くはずもなく二人仲良くぱっくんちょされてしまいました。
残るは信実一人……。眼鏡に海パン姿で大剣を振るい、必死に抵抗していた彼だったが。
「あれ? 皆さんは?」
もはや皆は苗床の中である……。
「もしかして俺だけ!? うわっ! しまった!?」
触手によって大剣を取り上げられてしまう。間髪入れずにじゅるーん! と触手が彼の四肢を拘束し宙に浮かせる。
「うわあああああ!?」
ついでに最後の砦である海パンもすっぽーん! と脱がされて、彼もめでたく苗床(湯船)に連行されましたとさ。
「いやあああああ!!」
●VS触手塊+スライム 後半
現在は触手の塊とスライムの苗床になっている湯船――。
十一名の撃退士達は全員捕まってしまった……。
「あぁんv いやぁんv あはぁんv」
自ら掴まったアムルは触手とスライムを堪能中。
大きな二つの果実をスライムにこねこねされたり、にゅるんとした触手を手で握って謎の上下運動をさせたり。
自分から口に入れてぺろぺろして味わったり、下半身にアレしたり。
触手やスライムから分泌される大量の粘液は全部飲み干す。するとどんどん気持ち良く、ほわわんとした気分になった。
「にゃにゃ!? ずらしちゃダメにゃ!? そこ、変な所入って来たらダメにゃー!? ふぁっ、ひっぱるんじゃないにゃっ!?」
宮子の来ている白スク水内に触手が次々と侵入。粘液とスライムの滑りもあり、すんなりと脱がされてしまった。
その後……幼さの残る肉体を無数の触手が蹂躙する。
「にゃああああああああああ」
宮子の嬌声が響く中、こちらも負けてはいなかった。
「あああああv ふあああああvv んあああああvvvv」
瑞穂だ。彼女の豊満な肉体全体にスライムが貼り付き、特に大きなバストやヒップを触手の群れが責め立てる。
掴まってからずっとこんな調子なので、瑞穂は息も絶え絶えだが……頬を紅潮させ表情も恍惚としていた……。
囚われの一千風……。身体を這い回る触手、スライムの刺激と恥ずかしさをこらえ脱出を図るが……逃げられるはずもない。
「んん、そんなとこ触るな、離れ、ろ」
水着は既に脱がされ、胸の膨らみや形の良いお尻など敏感な処を直接にゅるにゅると責められた彼女は顔を真っ赤にし、最早力も抜け無抵抗である。
四肢は触手によって拘束され、皆の前で大の字のようにして晒されてしまっている。
「や、ダメ、見ないでっ」
トレーニングで鍛えているが、お尻は弱い。弱点を発見した触手はそこを集中的に舐る。
「ひゃあ!? ……流されたらいけないのに……、刺激が強くて……」
そうして彼女の意識は快楽の海に沈んでいった。
武器を取り上げられ、水着も脱がされ、抵抗する術を失ったエリスは触手とスライムの慰み者になるだけであった……。
「っ……そ、そこはダメです……! まだ彼にも……!」
無数の触手に全身を包まれた彼女の肌の上を触手がじゅるじゅると這い回っているのだろう……。
愛する人の顔を思い浮かべ、必死に足掻こうとするが、無意味。
「ごめん……なさい……さ……ん……」
触手は尚も彼女の肉体を弄ぶ。いつしか彼女の瞳から光が消えていた……。
「やめてよこの変態! 気持ち悪い! うわあああああ!!」
チルルは激しく暴れたので太い触手によってぎっちりと四肢を拘束されていた。
その後に水着を脱がされた上で全身スライム漬けにされる。さながらスライム風呂?
しばらくすると彼女は大人しくなり、くたりと力が抜けた様子になった。
「嫌……嫌……ダメなの……そこは……あ……ぁ……」
同じく激しく抵抗していた雫も水着を脱がされ、触手にしっかり四肢を拘束されてから全身を細長い無数の触手によって責められる。
どうやら触手は弱点を探しているようだ……と、雫がびくん! と反応した処へ触手が殺到する!
「〜〜!? 〜〜!!!!」
雫は声にならない声を上げた。
恵夢は――触手とスライムのディアボロに塗れた影響で魔の影響が出、『ルュエム』に。
「あくまはともだち、たべるなんてとんでもない」
人と悪魔は仲良くあるべきという目的の下、触手やスライムの苗床……もとい共生を選ぶ。
水着という名目で触手を紐に、スライムを布地と言い張り身に纏う。
「そーだ、ひととしょくしゅとすらいむがわかりあえるばしょにしよう、そうしよう」
と、温泉の中でも領土を決めて治めようと触手とスライムを説得した彼女は完全に堕ち、尚も分かり合おうとしないチルルや雫を徹底的に肉体言語で『説得』した。
じゅるじゅるにゅるにゅる。豊満な身体に触手を這わせ、スライムを纏わせたルュエムは最早快楽だけを追い求め、そして仲間を増やしていく……。
***
その女性(ひと)は、触手やスライムにとってとても魅力的且つ、興味深い存在であった。
恋音である。元々規格外のバストサイズを誇り、体型も豊満な彼女は他の撃退士達とは隔離され、水着を脱がされてから触手の繭内に満たされた特濃スライム風呂に浸けられる。
「ひぐ! ふぐ!」
初めは抵抗していた彼女であったが、事前に彼女自身が予測していた通り、媚薬効果のある粘液を大量に飲まされ、今はだらしない表情を浮かべていた。
特濃スライム風呂に浸された彼女は触手によって身体の隅々まで調べ上げられる。
「おご、ごほっ!」
その後に粘液ではなくスライムが直接経口注入された。すると特異体質らしき彼女のお腹が膨らむ。更に興味を持った触手やスライムは実験を進めたらしい。
「…………」
雅人は恋人である恋音が目の前で異形によって実験される様子を触手に四肢を拘束された状態で、座った目で、ただ、見つめる――。
***
触手に拘束され、スライムに絡まれた信実は抜け出そうともがきつつ、
「これは依頼だ、仕事なんだ、やましいことなんて……これっぽっちも……!」
思春期真っ盛りの彼は女性陣のあられもない様子に顔を真っ赤にする。
「この、離れっ……はあぁ……っ!!」
生まれたままの姿の信実。その肌の上をスライムが這い回る。思わずびくびくとしてしまう彼。
「み、見ないでください……」
羞恥に頬を染め、目を瞑ったそのとき、『ある部分』を触手が撫でた。
「ひあああああぁぁぁっっ!?」
信実は思わず大きな声を上げてしまう。――その様子に、表情などないはずの触手やスライムが『嗤った』気がした。
何度も何度も『そこ』を責められた信実は息も絶え絶え。空気を取り込もうと、薄い胸板が上下する。
***
現在もお楽しみ中のアムル。
「どんどん悪戯しちゃうよぉ♪」
瑞穂には荒れ狂うものをぶつけ、お互いに身体をくっ付けてぬるぬる。
宮子にはつるぺたに頬ずりしたり、撫で回したり。先端は特に念入りに弄ってあげた。
***
「さてと、そろそろいいですかねー?」
先程まで自分の恋人が慰み者になる姿を眺めているだけだった雅人の目に光が戻る。
「怖がりなんだけどすっごく優しくて、困っている子のためにいろんなことを考える頑張り屋で、まだお話しすることも一緒に行きたいところも……」
気合を入れて四肢を拘束する触手をぶっちん! と引き千切る!
「という訳で恋人の恋音を返して貰いますね。野獣パイセン解放!!!!」
そんなことを叫びつつ、まずは触手の繭に囚われた恋音を奪還! その後も囚われの仲間を順次救出!
チルルは両手剣に持ち替えて大暴れ。 奥義も使用してアタックをしまくる。
「えっちい相手に慈悲はない。触手死すべし! スライムも死すべし!」
雫は被害無視で復讐に走る。全力全開で触手とスライムを薙ぎ払った。
「……絶対に許さない」
宮子もなんとか復活。
「うぅ、よくも、よくもあんなことやこんなことシてくれたにゃ! マジカル♪お仕置きにゃー!」
反撃に打って出る撃退士達だったが……そこに立ち塞がる影があった。
「なにをしているのかな。ここはすてきなしょくしゅとすらいむのりょうち」
恵夢――完全に堕ちてしまった『ルュエム』だ。
「みんななえどこになってしまえばいい」
身体に巻きついた触手を伸ばすが……
「何を言っているんです! 正気に戻りなさい!」
ごっちん! と、げんこつ一発で沈む『ルュエム』――恵夢であったそうな。
かくして色々大変であったが、露天風呂の平和は取り戻された。
●温泉!
激戦(?)の末、大量の触手とスライムから露天風呂を奪還した撃退士達は大規模な清掃の後、本来の温泉をゆったりと楽しむ。
「こここ混浴!? そんなの聞いてなっあっ、あ〜〜〜っ!?」
混浴と聞いた信実は速攻ノックアウト。鼻血を吹いて卒倒してしまう。
「うぅ……あの人に何て言えば……。私、もうお嫁に行けません……」
触手やスライムにアレコレされてしまったエリスは赤面しながらお湯に浸かる。
宮子は知葉と洗いっこした後に並んで湯船に浸かり、ほっこり笑顔。
「は〜、やっぱり温泉はいいにゃ〜」
瑞穂もその隣で温泉に浸かりながらぽけーっとした表情を浮かべている。
チルルは楽しく温泉を満喫。他の女の子とスキンシップを図ってみたり、温泉を泳いでみたりとフリーダム。
雫は水着姿のまま温泉に浸かっていた(もちろん身体は洗ったが)。
「せめて、温泉だけでも楽しまなければやってられませんよ」
「あれぇ〜? なんか記憶が飛んでるな〜」
恵夢は肩までお湯に入って、何故か頭に出来ていた巨大なたんこぶをさすりさすり。
雅人は恋人の恋音と一緒に露天風呂を楽しむ。
「はー、ぬくいー。おんせんってすてきですねー。おんせん、さいこー」
「……v」
アムルはディアボロが全滅してしまったため、少ししょんぼりとしながら大人しく温泉でのんびり。
「……また出てこないかなぁ、スライムさんに触手さん……」
「ふぅ……」
一千風は戦闘後、しっかり身体を洗い流し、ゆっくり温泉に浸かり高ぶった肉体を鎮める……も、まだ少しむずむず。
そんなこんなで湯万寿の夜は更けていく……。
(しかし……やはり気になりますね)
知葉は一人、難しい顔を浮かべていた。今回の事件は本当にこれで終わりなのだろうか?
……だが、それはディアボロを放った悪魔にしかわからない……。