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マスター:愁水
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:6人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/07/11


みんなの思い出



オープニング


 しとしと……、
 ぴちゃん。

 雫の演奏が夢路に忍び込んだのを意識した瞬間、藤宮 流架(jz0111)は目を覚ました。
 寝惚け眼な翠玉の瞳が、緩慢に瞬く。
 ――そうだ、今日は休日。
 昨夜に焚いた沈香の香りに、土を跳ねる雨の匂いが混じっていた。

 大きな欠伸をしながら身体を起こす。

 静かな夜。
 穏やかな朝。

 彼女――御子神 凛月(jz0373)が最近“大人しい”。
 凛月の口から直接「仇討ちをやめた」と聞いたわけではないのだが、彼女なりの立場で彼女なりに心した“現在(いま)”の空気が続いているのだ。わざわざ質すことでもない。

 着崩れた寝間着の帯を解き、結び直して。
 洗面所で顔を洗い、御勝手の膳に着くと――花柄のエプロンを身に付けた凛月が味噌汁の仕上げをしていた。今日は白味噌のようだ。

「おはよう、凛月ちゃん」
「……ん、おはよ。ご飯よそる?」
「ああ」

 炊きたての白米で温んだ茶碗を受け取り、箸を右手に「いただきます」。

「桜香は? 友達の結婚式だったよね、今日」
「ん、タクシー呼んでさっき出かけた。夕飯はいらないって。……今日のお店番って流架様よね?」
「ん? ああ、そうだね。まあ、雨だからね。客足の具合はどうか分からないが」
「……なんか、勿体ないわね」
「何が?」
「折角の休日なんでしょう? お店番の留まり率だって悪過ぎじゃない。流架様や桜香は仕事があるし、平日は私がお店番出来る時はしているけど……家事だってあるし」
「主婦だね」
「うるさい」
「まあ、俺は早く帰宅出来た夕方や休日しか時間が作れないからね。仕様がない。……両親も両親なのだがね。店を放っておいて講習会やら買取りやら旅行やらの人間だから」
「それは……否定しないけど。……アルバイトとか、どうなの?」
「うん? ウチで雇うってことかい? 店番を?」
「ん。家や店のことは流架様に一任されているんでしょう? 少しは楽したって……いいんじゃない?」
「……なるほどね。それは頭になかった」
「やる気のない流架様ですら最低限のお店番は出来るんだから、雇う労働者によっては流架様より効率よく動いてくれるんじゃないかしら」
「言ってくれるね。因みに、今日の凛月ちゃんの予定は?」
「? お裁縫とお風呂掃除」
「……主婦だね」
「うるさい」

 しとしと……、
 しとしと……、――ぴっちょん。

「――まあ、アルバイトの件はとりあえず置いておいて。興味のありそうな子に声くらいはかけてみようかな。今日を暇している子がいるかもしれない。それに……雨で店番な一日も乙なものだしね。多分」

 今日は生憎の雨?
 それとも、

 ――折良い雨?


リプレイ本文


 花々華々――“四重奏”。

「店番ですか? 勿論、喜んで。実は買い物がてら、其方にお邪魔しようかと思っていたので……ええ、では後程。





 ――失礼しました。
 ええと、リシアンサス、ベロニカ、アガパンサス。後は……ブルースターを。種類が豊富で助かってます。臣さん。





 さてと……今日も色々と楽しめそうだな」

 彼の鎖骨で揺れるシルバータグのペンダントが、雨雲の涙で艶に濡れた。




 しとしと。

 桜の昼行燈――藤宮 流架(jz0111)宅、
 兼、
 御子神 凛月(jz0373)が居候をする――骨董品店「春霞」。

 雨な日和、頼まれ御用で参上する六人の生徒達。

 流架――ではなく、凛月に頼まれ蝙蝠傘で渡米してきました。
 大きな真黒の傘片手に、そんな冗談も真にしそうな彼女――夏雄(ja0559

 慣れ親しんだ深縹色の着物を着こなす彼――鴻池 柊(ja1082)は、安定した和心の本質を魅せていた。

 主の為なら地の果てからでも駆けつけます。
 雨時々ずぶ濡れの結果、撫子地に辻ヶ花の着物を凛月に頼り、楚々と――斉凛(ja6571

 六枚桜の花弁が、はらはら。
 送迎するは黒塗りの車――月の巫女、黒田 紫音(jb0864)が通ります。

「久しいのぅ藤宮教師。店番の旨、承知したのじゃ」
「やあ、白蛇君。お久しぶり、白蛇君。会いたかったよしらへびくーーーん」
「ええーい、鬱陶しい! わしのことは“白蛇様”と呼べと言っておろうが!」

 すぱぱぱ、ぱぱ、ぱーん!!
 力と記憶を失った神――白蛇(jb0889)の右手が、お馴染み対流架用ハリセンを乱舞させる。

 青い鳥をモチーフにしたキャンバスパラソルで、雨の日を楽しく彩る。
 黒いニット帽に白いシャツ、ショートパンツにレインブーツで、今日はどんな物語が生まれるのだろう――木嶋 藍(jb8679)は、好奇心いっぱいに微笑んでいた。

 しとしと。

 雨はまだ、降り始めたばかり。




 ずずず。
 店頭に白蛇。
 小紋柄の座布団に正座し、茶を啜っていた。

 見目は麗しき幼女であっても、自称二千歳以上。
 時代の流れと共に、古物も映してきた。それ故、その知識と目利きには自信がある。些か気懸かりなことがあるとすれば――、

「これが、れじ、というやつかの」

 むむぅ。
 白蛇様、レジスターと睨めっこ。
 接客こそ、客が入店時に「尋ねたいことがあれば遠慮せず声を掛けよ」と告げておけば、物事の具合も良い。しかし、ふふりとも微笑まぬレジに関しては、フォローを買って出てくれた紫音に習いつつ慣れるしかないようだ。





 ぴちょん、ぴちょん。
 店先で唄う雨垂れを耳にしながら、白蛇は緩慢な首の動きで店内を見渡す。

「それにしてもかなりの品揃えじゃな。
 無銘の物も多いが、有名どころで言えば古伊万里、古備前……む、これは白磁に柿色の赤……柿右衛門か?」

 顎に手をやりながら、ふむふむ。
 ひっそりと独白する白蛇の面は、記憶に映してきた歴史へ心を馳せているかのようであった。

「山水画は北宋時代の物のようじゃが、知らぬ画家名じゃな……。このギヤマン細工も阿蘭陀貿易での輸入品か。江戸期の鮫皮財布や長崎硝子の簪もじゃな。
 ふむ。
 無銘故に安価な物や、大正初期の大量生産が確立した故に安価な物も多い。誠、良い品揃えじゃ」

 歴史の証人の御目に適い、「春霞」も鼻高々だ。

 然(さ)るに、ちらりほらりと年配の客が訪れる。
 ぴぴぴ。
 手探りな指先でレジを操る白蛇。だが。

「ぬ? 包装じゃな?
 ……ああ、黒田殿。主に感謝を。すまぬが包装は任せたのじゃ」
「はい。得意分野なので頼って下さって嬉しいです。――ええと、こちらですね。割れ物ですので、緩衝材に巻いてのお渡しとなります。袋の柄は種類が御座いますのでお選び下さい」

 ぴぴぴ。
 くるくる。

 焦らず丁寧に。
 各々の手つきで。

 そんな、ゆったりとした流れが続く。





 主夫の柊と主婦の凛月。
 家庭に優しい者同士、お昼なクッキングを共にしていた。

「今日の昼食はしらすと梅の冷製パスタだな。凛月は梅、苦手じゃなかったか?」
「平気。でも、冷たいスパゲティは初めて食べるわ」
「店番は交代制だからな。各々、腹が減ったらすぐに食べられるような食事の方がいいだろ」
「ん。その、柊。……昼食の準備、ありがとう。わざわざ食材も用意してくれて……助かったわ」
「お安い御用だ。凛月にはご褒美とお礼をしたかったからな」
「……? なんの?」
「きちんと家事をこなしているし、縁日のデートに付き合ってくれただろ?」
「Σッ。……馬鹿」





 手すきの者は柊の手製パスタに舌鼓をし、早めの昼食を済ませた。
 凛月が洗いものを終えると、

「はい、凛月」

 見計ったかのように、彼は声をかけてきた。
 凛月が振り返ると同時に、手許へ、ぽん、と渡されたのは、麻の紐で飾り付けられたブルーのアンティークボトル。瓶へ活けられているのは、青と紫で調和された小さき花々であった。

「小さい花なら、飾るにしてもこっちの方が飾りやすいだろ?」

 小さくても存在感があり、幸せを呼び込むような“花言葉”達。
 誰の為を想って購入してきたのだろうか。それは、柊のみぞ知る――のかもしれない。




 心身の“腹拵え”もしたところで。
 働くか、と。

 柊はタブレットを片手に店内の在庫を確認しつつ、骨董品の手入れも欠かさなかった。
 来客があれば、アルバイトの経験を活かして対応すればいい。何度も此の空間へ足を運んだ所為なのか、おかげなのか――気苦労は生まれず、思った以上に居心地が良かった。

「色んな骨董品があるんだな……お土産に何か買っていくか」

 ――。
 からからから、店の戸が開く。

「――いらっしゃいませ。何かお探しですか?





 彼女様への贈り物……日常的にお使いになるのでしたら、ネックレスや指輪でしょうか。ペアの時計もお勧めですよ」

 しとしと、ぴちょん。
 並行するのは二つのオト――。





 同時刻、壱。

 雨足ぴっちゃん雨粒弾き。
 パラソル踊らせくるくるり。

 雨散策――も兼ねて、近辺の和菓子屋へ向かっていたのは藍と流架。
 道中、和菓子屋の袋をぶら提げた白蛇とすれ違った。重々と修理された和傘が彼女らしくて。

 二人、紫陽花咲く小路を微笑み湛えてぶらぶらり。

「他の方のお店番、少し覗いちゃいましたけど……いい仕事ですね、お店番って。嬉しそうに笑ってくれる人がいて、それを見れるのが素敵」

 其処で、ふと。
 藍は徐に流架の傍らへ添い、傘の縁を上げた。憂う、青の瞳。

「あと、怪我はもう大丈夫ですか?
 先生は強いけど……私、先生が痛いのは嫌だな」

 ――すぃ。
 伏せる瞼に温んだのは、彼の掌。藍の片頬をやんわりと包み、睫毛を揺らした視界には流架が微笑んでいた。

「じゃあ、俺の古傷が痛んだら藍君が摩っておくれ」



 胸に沈めたのは、とくん。
 雨の、オト?



「ふふ、いいですよ。
 先生の笑ってる顔、見れてよかった。



 ……ねぇ、先生。
 私、手を伸ばすって……もう絶対、手を伸ばすんだって決めたんです。ほら、私、欲張りで……我儘だから」
「うん? もっと我儘言ってもいいんだよ?」

 ――もう、と。
 藍はわざと、無理に笑ってみせた。





 同時刻、弐。

「流架の教え子さんは本日二人目ですよ。ご来店ありがとうございます、黒田さん」

 ――「Quartet」。
 流架の学生時代からの友人、迦具山 臣が経営する花屋へ足を運んでいたのは紫音であった。

「学生時代の時の流架ママってどんな感じでした? 今と違います? 何か面白……じゃなくて、流架ママらしいエピソードとか意外なこととか聞きたいです♪」

 四季咲きのグリーンアイスを束ねてもらっている間、臣に幾つか尋ねてみる。流架については今も知らないことが多いけれど、少しでも――知りたい。

「そうですね……昔はもっとトゲトゲしていましたね」
「棘、ですか?」
「ええ。それに、あまり笑わなかった。だから、今の彼は随分変わりましたよ。――はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます。
 ……。私は穏やかだけど厳しい……教師としての顔しか知らないから……少し羨ましいです……貴方も、皆も」

 手許の真白花へ、目線が沈む。

「では、行動しなければ」
「……行動?」
「ええ。待っているだけでは“見せ”ませんよ、流架はね」
「、」

 気懸かりが口を衝きそうになったが、そろそろ店番の時間だ。
 紫音は丁重に礼を述べ、楚々と傘を差す。

「今日はありがとうございます……また遊びに来てもいいですか?」
「はい、何時でも」

 臣の微笑みは、何処か流架と似ていた。




「先生さえ良かったら、此処でバイトさせて貰えませんか? 今後の事にも役立ちそうですし」
「やや、それは有り難い。助かるよ。俺が」
「……凛月の気苦労も減らしてやりたいんですが」

 そんな会話で柊の店番が終わる。





「おー、新妻凛月君だー」
「……」
「おー、冗談だ冗談。で、どうだい最近は。思う事や見えるもの、開けた先とか」
「……そうね。貴女達と違える道に進みそうになった時には、“今”の私に尋ねるようにしているわ」
「それは良い。私は今の凛月君、とても凛月君らしいと思うよ」
「……なによ」
「いや、人の成長は見ていて楽しいからね。つい気になるんだ」

 縁側にてるてる坊主を吊るしていた夏雄の横を、凛月が目許を染めて、ふん、と小さな歩幅で過ぎてゆく。

「そういえば、凛君に店番を一緒にと誘われていたね」
「ええ、今」
「おっと、それは失礼したね。簡単な家事なら流架君捕まえて、藍君とやっておくよ」
「――誰を捕まえるだって?」

 掌ずしぃん。

「戸棚に隠しておいた俺の桜餅が緑色になっていたのだが……君、何か知らないかい?」

 フード(頭部)に圧がキテるキテる。
 凛月は我関せずとさようなら。
 よし、味方はいない。

「え? 桜餅? 何の話だい? 良く分からないね。それは君の桜餅管理能力の結果、緑色に進化したんだね。おめでとうだ、HAHAHA――んなー……!?」

 夏雄の口にずぼっと押し込まれたのは、緑色の桜餅。

 もぐもぐもぐ。

「――うん、私がすり替えたずんだ餅だ」
「やはり君じゃないか」





 ぐしゃ(ry





「今日だけでなく、またお手伝いする時の為にしっかり覚えたいですの」

 店番に、凛と紫音と凛月。
 店頭に並んでいる骨董品の知識を凛月に教示してもらいながら、凛は彼女の所作にも目を向ける。纏い慣れていない着物だが、“今後”の為にも勉強を――と。

 時折、客が来店すればメイドの本領発揮。

「(お客様が気持ち良くお買い物を出来るよう、最大限の配慮をさせていただきますわ)」

 レジや包装は、扱い慣れた紫音が担当する。

「(いつもはほぼ一人でBARのお店番だけど……骨董店のお店番も楽しい。皆もいるしね)」

 客足が途絶えると、凛は凛月に簪を選んでもらった。

 ――珊瑚色の片羽蝶。

 それを白銀の波へ添えて。
 凛は二人に断り、御勝手へ向かった。その足は次いで、縁側で雨見をする流架の許へ。

「――ご主人様、お茶をお持ち致しましたですの」
「おや、ありがとう」
「雨の日は香りが強く感じられますから、雫の様な葛と繊細な花見茶はいかがでしょうか?」

 葛饅頭と日本茶を盆から差し出し。
 彼が一口、啜る。

「桜葉の香りか」

 彼の緩んだ口許に、凛は瞳を弓形にした。

 移りゆく季節を共に過ごし、凛にとっては彼の傍に在ることが当たり前となっていた。
 そのきっかけは――首に手。
 だが、それだけではない。流架と過ごした時を思い返して、今、心に在るのは尊敬と恋慕。
 この想いは何時か、貴方の香となるのだろうか。

「素敵だね」
「はい?」
「和な、君」

 ――。
 彼に寄り添い、喜びで忘れる前に。

「ご主人様にお許しいただけるのなら、今後もお店番のお手伝いをさせていただきたいですの」





 流架は目笑して、顎を引いた。




「――そちらの商品が気になりますか?
 おや失礼。ですがお客様、背後の人影にも気付かぬ程、そちらの品に夢中のご様子。この様な空模様に、その品と出会ったのも何かの縁。



 いや、勝手な事を申し上げますが、この縁、何やらとても素敵なもののように思われます。よろしければ如何でしょう? 雨の日の粋な思い出に」

 終な店番に、夏雄と藍。

 夏雄のセールストークは見事であった。だが、スキルで気配を薄め、足音を消した小細工さえ無ければ――だが。

「なっちゃんの言う通り、ここに来られたのも何かの縁!
 骨董品との出会いは人との縁にも似ていると思いませんか? ここで離れたらきっともう出会うことはないでしょう。一期一会、ずっと寄り添っていける素敵なご縁が結べるようお手伝いします」















 最後の客の笑顔を見届けて、「春霞」は閉店した。

「あの、先生」
「藍君、どうした? ――と、その瑠璃とパールの花のブローチ、気に入ったかい?」
「あ、はい! おばあちゃんに似合いそうだなって……あ、ええと。



 ――先生、私をバイトとして雇ってくれませんか? 何ヶ月でも働きますから、お給料の代わりに……これ、予約させて下さい!」



 どっくんどっくん。
 かなり勇気を出した。跳ねる鼓動が痛いくらいで――、



「いいよ」



 あっさり。

「えぇぇえ!?」
「俺は、君が我儘を言っても困らないよ」

 ――あ。
 と、彼の言葉を思い出して、顔を真っ赤にした藍であった。




 わいわい。
 雨の奏でに重なり、打ち上げの準備が始まる。

 三つ葉と竹輪のお浸し、鶏の甘酢餡かけは柊の手製。
 鰈の煮付けは白蛇が調理し、お汁粉は夏雄。

 凛月に洋食の手解きをし、凛自身は彼女から和食を習っていた。彼の胃袋を鷲掴む為、流架好みの味付けを教わりながら、昆布でとった出し汁に味噌を溶く。

 紫音は購入してきた花で食卓を飾っていた。
 横を、すぃ――と、手の空いた凛月が過ぎったので、さり気なく藤の簪を手渡す。紫色のビーズを数種類あしらっており、手製のものと窺える。

「お近づきの印に。花言葉、知ってる? “歓迎”って意味もあるのよ。――あ、流架ママにはこれ。御守り代わり、かな。これからも……よろしくね、流架ママ」

 彼には、淡い桜色のビーズで組み合わせた根付けを。簪にも根付けにも、小兎のチャームが添えられていた。
 凛月は礼を示す流架の後ろで肩を縮こまらせていたが、上目遣いに「……ありがとう」と、紫音へ囁いたのであった。





 日本酒くぴり。
 酒の肴に料理と雨景色。

「――む、藤宮教師か。ここに座るが良い」
「ん、では失礼して」

 しとしと……。

「ああ、そうじゃ。主に言いたい事があったの」
「やや?」
「……おかえり、じゃ。それと次は、助けて、を言える様に、の」
「白蛇――、





 ……おばあちゃん」
「!? この大虚け者めが!!」

 ぱぱ、ぱーーーん!!





 だが、

「(このやり取りこそが藤宮教師が戻ってきた証、平和の証なのじゃろうなぁ……)」

 と、神は慈しむ。















 雨の声は止まない。
 だが、今宵はそれでいい。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 沫に結ぶ・祭乃守 夏折(ja0559)
 青イ鳥は桜ノ隠と倖を視る・御子神 藍(jb8679)
重体: −
面白かった!:12人

沫に結ぶ・
祭乃守 夏折(ja0559)

卒業 女 鬼道忍軍
幼馴染の保護者・
鴻池 柊(ja1082)

大学部8年199組 男 バハムートテイマー
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
ご注文はうしゃぎですか?・
黒田 紫音(jb0864)

大学部3年2組 女 陰陽師
慈し見守る白き母・
白蛇(jb0889)

大学部7年6組 女 バハムートテイマー
青イ鳥は桜ノ隠と倖を視る・
御子神 藍(jb8679)

大学部3年6組 女 インフィルトレイター