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マスター:スタジオI
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/02/24


みんなの思い出



オープニング


 久遠ヶ原島にある某斡旋所。
 昼休み、弁当を食べながら独身アラサー女子所員・四ノ宮 椿は、後輩所員・堺に尋ねた。
「堺くんは、もし百万久遠貰ったら何に使うのだわ?」
「貯金します」
 ふてくされたように、そっぽを向く椿。
「つまらない子なのだわ、堺くんの人生にはきっとつまらない事しか待っていないのだわ」
「何ですかその呪いめいた言葉は? そもそもそんな小学生並の質問、真面目に答える気になれませんよ」
「小学生じゃないのだわ! 大人の女が考えて、ちゃんと企画通ったのだわ」
 椿は、机の上に企画書を出して見せた。
 それを手に取って見る堺。
「なんですかこれ? “百万久遠の使い道 久遠ヶ原島ケーブルTV” ああ、TV番組の企画ですか?」
 久遠ヶ原島ケーブルTVはこの斡旋所と繋がりのある地方TV局である。
 椿は、ちょいちょい番組企画を出しては小遣い稼ぎをしている。
「もしかして、この番組に出たら百万久遠渡されて『一日で使い切って来い』的な内容ですか?」
「バブルの頃の全国局じゃないんだからそんなわけないのだわ、百万久遠もらったらどう使うか、妄想で発表するってだけなのだわ、ドリーミングなのだわ」
「まあ、そんなとこでしょうね、ところで椿さんは百万久遠を一日で使うならどうするんです?」
 百万久遠は大金だが、決して大きな事が出来る額ではない。
 その分、使い方に個性が出る金額だと言える。
「もちろん、婚活に使うのだわ」
「でしょうね、そのお金で婚活パーティにでも出るんですか?」
 椿は来月下旬で三十歳を迎える。
 だが、未だ結婚のきっかけすら掴めないので、相当に焦っている。
「それは常日頃から出ているのだわ、これだけ努力して成果なしとすると方法自体が私に向いていないんじゃないかと思い始めているのだわ」
 堺が見る限り、椿の容姿に欠陥はない。
 顔は可愛いし、スタイルも正直言うと煽情的だ。
 問題はそう、中身なのだ。
「そこで百万久遠を使った、新しい婚活方法を考えたのだわ!」
「さっそく嫌な予感がしてきました」
「まず百万久遠の札束を持って街に繰り出すのだわ、それで独身でお金持ちっぽい男の人がいたら、百万久遠の札束を脇に放り出した状態で倒れてみせるのだわ。 札束に構わず、私を介抱しようとしてくれたら、きっとお金に余裕があって優しい人だから交際を申し込むのだわ」
 芝居だとばれた時点であっちから断られるだろう、と堺は思ったが面倒くさいのでスルーした。
「札束の方を拾おうとしたら?」
 紅のアウルを燃やした拳を突き出す椿。
「ボコボコにして取り返すのだわ!」
 これこそ、椿が結婚出来ない原因である。
 考える事がアホ過ぎるのだ。
「たぶん、警察にしょっぴかれた上、治療費と慰謝料で百万久遠ふっとぶと思いますよ」
「えー、これもダメ? どうやったら一体結婚出来るのだわ?」
 というわけで、TVに出てキミなりの百万久遠の使い道を教えて欲しい。
 夢のある使い道、ツッコミどころの多い使い道、自分らしい使い道、どれでも大歓迎である。


リプレイ本文


「ドリーミングバラエティ番組“百万久遠の使い道”! 企画司会進行は四ノ宮 椿がさせていただくのだわ!」
 撃退士たちの座った雛壇に、テンション高く叫ぶ椿。
 MCに斡旋所員を使う辺り、景気の良いテーマに反した恐るべき低予算ぶりが伺える。

「最初の発表者は、元気で可愛いチルルちゃん!」
 カメラが最初からドヤ顔をした青髪の少女・雪室 チルル(ja0220)を映す。
「学園さいきょーな順に紹介していくのね! わかってんじゃない、あんた!」
 全くそういうわけではないのだが、チルル的には満足みたいなので、椿はそういう事にした。
「あたいはねー、百万久遠で目いっぱい遊ぶの!」
「何して遊ぶのだわ?」
「あたい天才だから知っているのよ! 世の中にはねー、雪を降らせる魔法の機械があるの!」
「人工降雪機だわね」
「コーセツ? あんた何言っているの? フォーク歌手の事なんか話していないわよ!?」
「お、おう」
 怒り出すチルル。
 人工降雪機という表現が、チルル的には難しかったらしい。
「その機械で何をするのだわ?」
「レンタルして夜のうちに学園の校庭を雪一杯に敷にするの! 朝起きたら、雪景色になってるの! みんなビックリよ!」
「予報もなしに、いきなり銀世界になっていたら確かにビックリだわね」
 椿の相槌に、チルルはまた怒り出した。
「あんたさっきから何言ってんの? 銀なんか降らせないわ! 雪を降らせるの!」
「お、おう」
 MCという仕事の難しさを実感する椿。
「みんなで雪合戦で対決したり、大きな雪だるまを作ってみたり、カマクラを作ってみんなで籠ってみたり、仲良く遊ぶのよー。 真ん中にはでっかい山を作るの! 名前はチルル山ね!」
 それだったらゲリラ豪雪で雪害を招くより、元々、雪の多い場所に移動した方がいいんじゃないかという気もしたが、チルルが\(><)/な感じで楽しそうに語り続けているので、黙っている事にした。

 続いて陽波 透次(ja0280)の出番。
 髪や目の色がカラフルな学園において、逆に珍しい黒髪黒眼のイケメン男子である。
「僕は科学室に駆け込んで魔具魔装を強化すると思います。 撃退士としては、自他の命に関わる要素ですからチャンスがあれば強化に挑みます」
「外見通り、思考も普通にイケメンなのだわ」
「金があればまず強化です、生活費をギリギリまで切り詰めて限界まで強化です」
「雲行き怪しくなってきたのだわ、執念ハンパないのだわ」
「百万久遠あれば、高レベル強化に十四回も挑戦出来ます。 一回の強化挑戦で七万久遠ほど取られますから、計九十八万久遠の出費ですね。 上がるかは運次第ですが、百万久遠賭ける価値はあります。 残りは屋上で技の練習費用に使うかな」
 陽波はえらい細かいところまで計算していた。
いきあたりばったり女、椿は敗北感を感じた。

「あらぁ、気が合うじゃない。 私も、強化に使うつもりよォ♪」
 黒百合(ja0422)が陽波の意見に同調してきた。
「ただね、私は練度の低い人に援助するつもりなのォ」
「ええ! 黒百合ちゃんがそんな事言うなんて? 絶対、何か企んでいるのだわ!」
 失礼な事を堂々という椿。
「そうですよね! 能力不足で自分が死んだり、誰かを死なせてしまったりというもしもの不幸を考えると、いくら投資しても惜しくない部分ですから!」
 陽波は素直に黒百合との共感を強める。
「装備強化が進めば私達の戦闘も楽になるし、一般住民の犠牲も抑える事が出来るわァ、どうかしらァ?」
「強化費、安くならないかな? 生活費が毎月厳しいです」
 溜息をつく陽波。
 椿は値下げ反対派だ、
「そういうのは値下げするとクオリティも下がるのだわ。 鉄くずが量産される気もするのだわ」
「あらァ♪ いいじゃなァい、みんなが突然変異や大失敗の鉄くず量産で阿鼻叫喚の光景を端から眺めているのがステキなのよォ♪」
 ぶっそうな事を言いだした。
「他人の不幸は甘い蜜って言うでしょォ♪ 私はそれを味わいたいのよォ♪」
 これが本音、これでこそ黒百合である。

 続いて最近、不憫が板についている、浪風 悠人(ja3452)。
「俺も科学室に行きます」
「また同じネタなのだわ? 三連続同じネタは自重して欲しいのだわ。 はい、次の人!」

「わ〜、待って下さい、話を聞いて下さい!」
 開始後、三秒で個別パートを切られかけられる不憫男。
 大慌てで、カメラを自分の前に引き戻す。
「科学室に行く前に、眼鏡屋に行きます!」
 フリップを取り出す浪風。

 荷台に眼鏡を満載したトラックを運転している浪風のイラストが描かれている。
「眼鏡を科学室で強化します!」

 イラストが眼鏡の蔓部分が、マッチョメンの腕になっているものに変わる。
「ちょっとキモイのだわ……」

 最後のフィリップはそのマッチョメガネをかけている浪風が、奥さんに殴られているイラスト。
 眼鏡がマッチョなお蔭で、浪風は涼しい顔をしている。
「戦闘や嫁の攻撃で壊されないよう、強化するんです!」
「眼鏡撃退士は顔を攻撃されるのが怖そうだもんね、気持ちはわかるのだわ」

「でもまあ、俺の場合はこうなる気がしてならないですがね」
 最後のイラストは鉄くずの山の上で、ヒョロヒョロ腕の眼鏡を切なそうに掲げている浪風の図だった。
 浪風、自ら不憫を受け入れている。

「アメリカのおばけか!」
 浪風にバスッとハリセンで頭を張られたのは、白シーツを頭から被った謎の男。
 最近現れた、期待の出オチキャラ、その正体は――。
「我輩はおばけではない、名を“懲罰する者“という」
「中二かい!」
 自己紹介と同時にハリセン二撃目を喰らわせる浪風。
 今回、ツッコミを志願してくれた唯一の人物だけあってやる気満々である。
 口調がいつもと違うのはスタッフ指示。
「その通りである」
 シーツ男、懲罰する者(jc0864)は、学年がリアル中学二年生だったりする。
 こんな扮装で教師に注意もされずに登校出来るのだから寛大な学園だ
「百万久遠の使い道。 それはこの偉大なる我輩を讃える記念碑の建設である! 巨大な彫像を学園の入り口に建てるのである。台座は御影石で本体は月長石、両目は黒水晶がいいのである」
「そういう石がいくらするのか知りませんが、百万久遠じゃ足りない気がします」
 アイドル部。部長の川澄文歌(jb7507)が、恐る恐るツッコんだ。
「半端な大きさでは意味がないのである。 学園で一番大きな彫像にしたいのである」
「文歌さんの話を聞いて下さい、ますます足りんですよ!」
 浪風ハリセン三撃目。
「問題は誰が建設するか、である。学園の生徒は天魔討伐という大任がある故、力を借りるわけにはいかん。 ここはやはり、天魔に地を追われた者達に仕事として働いてもらうべきであろう。そうした人々の中には、職がなくて困っている者も少なくないはずである」
「考え方は正しいけど、金銭感覚が狂っているのだわ」
 平成の百万はそんな偉大な事の出来る金額ではない。
 謎の男、懲罰する者。
 シーツを剥したら、明治生まれの爺さんが出て来ても不思議ではない。

 今度は少女にしか見えない少年、鴉乃宮 歌音(ja0427)。
「私は装備やスキルの充填、強化に充てる」
「また強化かい!」
 スパーンとハリセンで鴉乃宮を叩く浪風。
 そこにMC椿が口を出した。
「浪風くん、真面目に話している人に茶々を入れるのはよくないのだわ」
「ええ!? 俺の時はネタかぶりだからってスルーしようとしたじゃないですか!」
「あれは三連続だったからなのだわ、鴉乃宮くんは一つ飛ばしたから許されるのだわ」
「そんな理不尽な」
 徹底的に不憫な浪風。
 心と共にハリセンが折れる。 
 構わず鴉乃宮は話を続けた。
「しかし、皆の言う通り強化に凝り出すとこれだけで消えるからな。 研究機関や募集事務所等に回したり、撃退士の広報や新たなアウル覚醒者の育成に当てた方が、全体的な戦力の底上げが図れるかもしれん。 いずれにせよ百万では全然足りないがな、面白味のない回答だがとてもマトモだろう?」
「マトモなのに、面白キャラにされている俺の身も案じて下さい」

「依頼、出したいですね」
 唐突に見えるこの意見は八歳男児、礼野 明日夢(jb5590)のもの。
「いいですね、いつも受ける側だから、たまには依頼出したい」
 真面目そうな中学生、黒井 明斗(jb0525)が同意する。
「出したい依頼は“僕と幼馴染とそのお兄さんの護衛をお願いします”と“僕達の町にいる野良サーバントを可能な限り退治して下さい”の二つです」
「ずいぶん具体性がありますね」
 首を傾げる黒井。
「僕と幼馴染の前住んでいた町は、ゲートが出来て今は立ち入り禁止です。 小さな時だったから故郷の記憶が曖昧で……せめてアルバムだけでも持ち出せないかなって」
 しんみりするスタジオ内。
 そこに椿が重々しく首を振った。
「明日夢くん、それは不可能な依頼なのだわ」
「どうしてだ椿? こんな小さな子の願いだ。 俺達大人が、力を併せれば叶えてやれるんじゃあないのか?」
ミハイル・エッカート(jb0544)の大人の言葉にも、椿は辛そうな面持ちで首を横に振る。
「無理なのだわ!」
 不安そうな顔で問いかける明日夢とミハイル。
「椿さん、まさか僕の町の現状、何か知っているんですか!?」
「本当の事を言え椿、明日夢の故郷で何があった!?」
 椿は悲痛な面持ちで答えた。
「だって依頼名は十五文字までと決まっているのだわ! 明日夢くんのは二つとも長すぎなのだわ! 依頼名を付ける時、いつもその制限に苦しめられているのだわ!」
 どうでもいい斡旋所員のメタ話だった。

「俺は秘密基地を作る!」
 真顔に宣言するミハイル。
「そんなもの百万久遠で作れるのだわ?」
 特撮やSFに出てくる秘密基地は、大抵は超ハイテクで埋め尽くされた場所で、とても百万久遠で作れるとは思えない。
「そんな御大層なもんじゃねえ、椿の時代の人間ならわかるだろう? 漫画とお菓子とゲームを置いておく、あの秘密基地だ」
「あのミハイルさん、ご年齢は……」
 浪風の問いかけに、サングラスをきらりと輝かせながら答える。
「三十歳だ」
「かっこいい(棒)」
 あまりに自信満々に言われ、逆にツッコめなくなる浪風。
「秘密基地はかっこいいのです! 私も秘密基地作るのです!」
 乗っかってきたのは秋嵐 緑(jc1162)。
 こちらはパッと見では十三歳くらいの女子。
 現れた挑戦者を、ミハイルが眼光鋭く見つめる。
「ほう俺の秘密基地とやり合う気か? 俺のはブロック製だぞ、硬いぞ」
「私のは、真鍮なのです!」
「真鍮くらい、俺の基地に装備した大砲で吹き飛ばしてやる!」
「オリハルコンだから、吹き飛ばされないのです!」
「材質変わっているじゃねえか! ズルだ!」
 妄想上の秘密基地で、子供と戦闘を繰り広げ出す三十歳。
「いくらオリハルコンでもプロのガンマンが侵入すればひとたまりもないぜ! 俺の機関銃が火を噴くぜ、ファイヤー!」
 機関銃を撃つ真似をするミハイル。
「バーリア!なのです。 そんな豆鉄砲、アウルバリアでガードです!」
 両腕を掲げ、壁らしきものを表現する緑。
「私の基地を巨大ロボに変形させるのです! 変形! 巨大ロボPちゃん!」
 ポチッと架空のボタンを押す仕草をする緑。
「ミハイルさんを踏みつぶしちゃうのです! あ、言っておくけど、巨大ロボは重いからバリアなんか通じないのです!」
「ぐぬぬ、先回りを許すとは」
 悔しげに顔を伏せるミハイル。
 だが、すぐに勝ち誇った顔をあげる。
「残念、ロボが踏みつぶしたのは実は雅人だった! 俺はその隙に脱出した!」
「なんで私が!?」
 今まで一言も喋っていないのに、突然、踏み殺される袋井 雅人(jb1469)。
「そんでウォータガンで攻撃! こいつには水の代わりにロボを錆びさせる液体が入っているぜ!」
「うう、錆びたのです……かくなる上は、Pちゃんに煙幕弾を巻き付けて特攻させるのです!」
「Pちゃん? ロボはもう動かないぜ」
「ペットの方のPちゃんです!」
「酷い奴だな、お前!」
 延々と妄想で激闘を繰り広げる三十歳と十三歳。
 放送に耐えられないので、画面にモザイクをかけて放置した。

「巨大ロボにぺしゃんこにされても平気な私は、いつかライトノベルの主人公になってみせるのです!」
 袋井がやる気満々な笑顔で宣言する。
「……おぉ……それはラノベよりアメコミの主人公のような……(ふるふる)……」
 隣で超爆乳を震わせる恋人の月乃宮 恋音(jb1221)。
「百万久遠の使用目的はそれですか?」
 奇術士・エイルズレトラ マステリオ(ja2224)が尋ねる。
「はい! 作家さんと出版社に百万久遠を前払いで買収して夢を実現します。 主人公の決めゼリフは“恋愛線が見えるとはこういうことだ!”とか“これも恋愛線のちょっとした応用だ”などなどです!」
 恋愛線がなんだかわからないが、ラノベ内での袋井の特殊能力なのだろう。
「百万って値段設定は適切なんですかね? 有名な先生なら百万では足りないだろうし、駆け出しの人に頼めばだいぶ余る気もします」
 袋井が、もっともだと頷いた。
「余った分は別の用途があるのです。 メインヒロインは勿論恋人の恋音ですが他にも多数のヒロインが登場予定なのです」 
「それが?」
「サブヒロインたちのモデルになった娘たちに、私は多数の訴訟を起こされるでしょう。 ラノベの中で好き放題にエロエロさせる予定ですからね。 百万久遠はその弁護士費用や慰謝料込みの値段です」
 訴えられるのが、前提。
 夢という名の悪夢に自ら飛び込まんとする袋井だった。

 恋音は己の、最大の特徴にして悩みの種に使う。
「……私は、半分をアウル関係の研究施設に投資しますぅ……特異体質の成長を抑える研究費と、お礼の意味ですぅ……残りは下着の特注に回そうかと思っていますぅ……」
「特注しなくきゃいけないほど大きいって事ですよね」
「巨乳、恨めしいです」
 ひんぬーが悩みの夏木 夕乃(ja9092)と雫(ja1894)に睨まれ、震える恋音。
「……(ふるふる)……過ぎたるは及ばざるがごとしなのです……大きすぎると可愛い下着は着けられないですし、それ以前に私に合うサイズがないので、特注せねばならないのです……今は自作していますが、そのうち胸が邪魔で自作出来なくなるのが怖ろしく……(ふるふる)……」
 下着をつけてなお、胸を大きく震わせる恋音。
 いくらデメリットを主張したところで、ひんぬー族の嫉妬を買うのは避けられない宿命だった。

 エイルズの発想は、少年らしい容姿とはギャップのあるものだった。
「僕がやりたいのはですねぇ、“おだいじん”です」
「……おぉ……エイルズさん、政治家志望ですか……」
「いやいや、大臣には百万如きじゃあなれないでしょう」
「世の闇を映しだす、生々しい発言ですね」
 袋井のツッコミをエイルズ、スルー。
「酒場で、その場にいる客全員に飯を奢って漢気を見せる行為が“おだいじん”です。 僕は学食に行って、ポンと百万出して“今日一日、学生に好きなもの食べさせてあげてください”と言いたいんです」
「素晴らしい! エイルズさんのような方こそ、真の大臣になるべきです!」
 大食いキャラの咲魔 聡一(jb9491)が、真顔で断言する。
 すると、ラファル A ユーティライネン(jb4620)がニヤニヤしながら言った。
「やめとけ、この島って異常食欲の奴ばっかだから百万なんか十分も持たないぞ、なんせ……」
 ラファルの言う異常食欲の連中は、CM開けに登場する。


 CM開け一発目は、その異常食欲の持ち主、賤間月 祥雲(ja9403)。
 並外れた大食漢というわけではない。
「百万あったら……巨大笹かまを作ります……材料にすけそうだら、卵白、塩、酒、カタクリ粉、砂糖……酒は日本酒……この量を混ぜるボールや、焼くための機材とかも欲しいですね……お金が余れば、笹かまを買えますね……」
 この通り、笹かまに対する執念が凄い。
「百万久遠分の巨大笹かなんか食べきれるんですか? さほど日持ちする食べ物でもない気がしますが?」
 陽波に問われると、賤間月は穏やかに頷きながら答えた。
「自分も食べたいのもありますが……皆さんに布教したいんです……笹かまこそ、至高の食べ物……」
 にっこり笑う賤間月。
 それに反論したのが老成系幼女の築田多紀(jb9792)。
「それは認められん、至高の食べ物はチョコレートだ」
 多紀はチョコレー党員を名乗るほど、チョコ愛深い少女である。
「百万久遠あれば、かねてから夢だったアレができる」
「アレ?」
「五円玉チョコ二十万個を使いプールで泳ぐのだ、泳いだあとは自分と柴丸と黒丸、あとは学園長の等身大彫刻を作ってもらう」
 柴丸と黒丸は、多紀の友人犬である。
「そんなもの作ってどうするのだわ?」
「眺めて悦に入る、等身大彫刻はロマンがあるからな」
「あはァ♪ あなたたち、巨大とか等身大が好きねぇ……♪」
 黒百合に笑われると、賤間月が答えた。
「巨大化はおかしくないと思います……日本には直径六mの鍋で作る芋煮フェスがあるんですよ?」
 頷く多紀。
「うむ、好きな物を巨大化させたいと思うのは人のサガだ」
 懲罰する者もシーツ越しに右腕を挙げる。
「我輩も、我輩が好きだから巨大化させたいのであーる!」
 
「なるほど、俺の使い方の次に良いだろうな」
 巨大嗜好の三人に対し、向坂 玲治(ja6214)がぶっきらぼうに言い放った。
「ずいぶん自信ありげだな」
「まあな、俺の使い道だが……人類の夢の一つだと言っておこう」
 向坂が手元のボタンを押す。
 スタジオのモニターに、小型トラックが映し出された。
 荷台に白い砂状のものを積んでいる。
「これは?」
「砂糖だ。 今の相場だと百万久遠で約二トン半は買える」
「これをどうするのだわ?」
「ブールに入れて泳ぐ」
向坂は即答した。
「ボクと同じじゃないか」
「違う、多紀は外側だけ、賤間月は内側だけだ」
 首を横に振りながら、ボタンを押す向坂。
 砂糖にどっぷりつかりつつ、ワイングラスを傾けている向坂の合成写真が表示される。
「俺は内と外、両方を好きな物で満たす。 砂糖に漬かりながら砂糖をグラスから飲むんだ」
 カメラ目線で訴える向坂。
「この使い道、甘い物好きなら共感してくれるだろ?」
 だが、共感はスタジオからも視聴者から全く返ってこない。
 どう考えても病気になる、自殺行為だった。

 胸やけが起きそうな雰囲気を一掃するため、爽やかなアイドル、文歌を映す。
「百万久遠あったら立派なPVを作りたいですね」
 スタジオモニターに、すでに完成済みの“アイドル部。PV“を流れ出す。
「普段はこうやって、手作りの衣装で学園の屋上や中庭で歌ったり踊ったりした映像をPVとしてアップしてるんです」
 文歌がペンタブを持ち、画像に色々と書きこんでいく。
「三十万久遠を追加して、まずは普段着ている衣装をもっと豪華にします。 五十万久遠かけてPVの所々に私達をデフォルメした可愛いキャラによるアニメを入れてみたいんです」
 ただのペイントによる落書きだがなんとなくイメージは伝わる。
「ロードムービー風にしたいです。 十万久遠でバスを借り切って山や海や西洋風のお城などへ行って撮影。 PVはロードムービー風でバスでの私たちの日常風景も取り込んで、残りの十万久遠でPV編集ですよ」
 文歌のPVをジッと見る椿。
「可愛いのだわ、私も婚活用に一本作ろうかしら?」
 華やかな衣装のアイドルPVを流せば、金持ちが食いつくという発想らしいが、
「椿、三十歳でそれはキツイぞ」
 ツッコンだミハイルにツッコミ返す。
「今まで秘密基地ごっこやっていた、ミハイルさんに言われたくないのだわ」

「本物の秘密基地は、もしかしたら実在するかもしれないぞ」
 銀髪の米中ハーフ青年・文 銀海(jb0005)はほのかに微笑んだ。
「どこに?」
「ナスカだ、古代人の秘密基地がそこにあるかもしれない。 それを探しにいく資金に、私は百万久遠を充てたい」
 青髪元気っ娘、チルルが叫ぶ。
「あたい知ってる! ナスカってでっかい落書きが有名よね!」
「落書きじゃなく地上絵だ。 あるいはあの絵の謎を解き明かす事で地下の秘密基地に入る鍵なのかも知れない!」
「きっとお宝があるわ! あたい冒険大好き!」
「やはりロマンというのは大事だよ、そういうのに生きなきゃ色々と損してると思うんだ」
 地上絵の中で最も有名な鳥の絵をモニターに映す文。
「例えばこの鳥、これは古代の飛行船である鳥船を示したものではないかという説がある、また地上絵そのものが鳥船の空港ではないかという説も――」
 地上絵についての熱い考察を語り出す文
 止められないので好きに語らせたまま、彼のマイクを切って番組を続ける事にした。

「ロマンじゃ食えねえぜ」
 シビアな発言をしたのはメカ美少女撃退士・ラファル。
「こんなアホな番組やっている影で、天魔との戦いで死んだり、再起不能になってりしている奴がゴマンといるだろうぜ、俺だって体の八割を機械化しちまっているくらいだからな」
 全身のギミックをウィンギューと動かして見せるラファル。
「こういうのを使わせてもらっている俺は運がいいくらいで、実際は傷病者にほとんどいき渡っていないからな。 そいつらのために社会復帰事業への寄付するぜ」
 ミハイルがグラサンを外し、渋さの混じった男の笑みでラファルを見つめる。
「ほう、若いのに立派な事じゃないか」
「お前よりはな、秘密基地オヤジ」
 イケメンスマイルを崩されたミハイル。
 秘密基地ごっこから向こう、全く立場がない。

「そういえば……天魔の襲撃でお家が大変なところもたくさんあるって聞いたのー」
 しょぼんと小さな肩を萎ませたのは幼い少女・星歌 奏(jb9929)。
 両親に捨てられたり、育ててくれた悪魔とはぐれたりで大変な人生を送っている子である。
「お家が大変なのはツラいのー……そんな人達の為に寄付して生活の足しにしてほしいのー♪」
 目をキラキラさせる奏。
「でもよ、俺の件だって可能性はなくはないが、寄付って本当に必要な人に届く前にお偉方にピンハネされちまう事があるらしいぜ。 そこが厄介なんだよな」
 ラファルの言葉に、奏では笑顔で応えた。
「そしたら偉い人のお家に乗り込んでメってするのー♪ 悪い子にはお仕置きが大事って教えてもらったのー♪ きっとお話すれば分かってくれるはずなの♪」
 誰も口に出さないが、奏案は微妙である。
 その偉い人が変態ならば奏のような美少女にメッとされるのは、ご褒美だからだ。

「私はお酒よ、お酒ちゃん! 某有名シャンパンやコニャックの最高級品を目一杯呑むの」
 オネエ青年、タイトルコール(jc1034)は、もうすでに酔っているかのように楽しげな口調だった。
「いきなり流れが俗っぽくなったのだわ」
「その辺りの最高級クラスだと百万じゃ足りないんじゃなァい……?」
 黒百合は見た目中学生だが、法律上は飲酒合法、酒好きである。
「ブランド料高すぎなのよ、まったく。 でもそこが魅力でもあるから許してあ・げ・る」
 ウインクするオネエ。 誰得な絵面。
「代案として最高級日本酒かしら一本二十万くらいで入手出来そうだし、学園長辺りはイイツテ持ってそうよね♪」
「元々通販会社の社長だから、その辺りの人脈はありそうだな」
 うなずく多紀。
 チョコレートで学園長像を作ろうとしたり、別依頼で学園長グッズを制作販売した程度に学園長ファン。
「お酒好きな撃退士というのは興味深いですね、なぜ酔えないのに呑むのかと」
 黒井が少年らしい疑問を持つ。
「おバカさんねぇ、じっくり味わって呑み比べるなら酔わないのはむしろ好都合じゃない、皆にも味あわせてあげるわ! さあさあ、店の秘蔵酒をお裾分けよ!」
 グラスを配って、皆にお酌しようとするオネエ。
 だが、リアル未成年となんちゃって未成年の区別がつかず手が止まる。
 天魔と人間が入り混じる久遠ヶ原。 TVで放映して良い絵面を作るのは難しい。

「悪の改造人間としては、百万久遠の使い道なんて一つしかあるまい」
 度々、妙なコスプレで依頼に来る咲魔。
 今日も特撮の改造人間ぽいコスをしている。
「そう! 世界征服の資金にするのさ! ふふふふ、百万久遠もあればホイップのあんな姿やこんな姿を動画サイトにアップして世界中の人間を骨抜きのメロメロにすることも可能! 可愛いは力なのだ!」
 ホイップは咲魔が溺愛する猫である。
「まぁ、俺の使い方の次に良いだろうな」
  頷く向坂。
 “砂糖のプールで泳ぐ“という使い道に共感を全く得られなかったため、自分の使い道は、このくらいのランクだと空気を読んだらしい。
「……冗談はこの辺にして。 本題に入ります」
 流石に砂糖のプール以下の扱いを受けたくない咲魔。 話を切り替える。
「舞台がしたいです。 機材とか衣装とか、普通ならお金がかかって断念する所も、実現できますからお客さんからチケット料を頂戴して、また舞台をして、最終的に儲かったお金は天魔被害の復興支援に充てたいです……ここで、平和に舞台がしたいですから」
 眼鏡に真摯な光を讃えて言う咲魔。
 だが、向坂に批判される。
「お前、本当は猫PVがいいのに、ラファルとか奏みたいないい感じの話に乗っかろうとしていないか? なんかズルい感じだぞ」
「そうです、咲魔さんはズルいです」
 さらに、雫にまで睨まれる。
「失敬な、僕にそんな邪な気持ちはなく――」
「猫に懐いてもらえるなんてズルいです、私なんかどんな犬にも猫にも怯えられるんですよ」
「雫さんは、そっちの話か」

 美幼女、強キャラ、ひんぬーと見る人によっては完璧な雫だが、昔から動物に懐いてもらえないという悩みがあった。
「私は実際にVTRを用意しましたので、そちらをどうぞ」

 モニターに局のカメラマンとともにペットショップに繰り出した、数日前の雫が映る。
 ゲージに入った犬猫を見回しながら、機嫌よさげな雫。
 本当に犬猫が大好きらしい。
「仔犬が良いですね。いえ、仔猫も捨て難いです……迷いますね」
 だが、犬猫の方は雫が好きではないようで、近づくとゲージの奥に逃げ込んでガクブルする。
 それをショボーンと見つめる雫。
 店員が声をかける。
「お客様、こちらのコリーはいかがでしょう? 英国貴族に愛された由緒正しい血統ですよ」
 確かに佇まいの落ち着いた、気品のある犬である。
 だが、そのコリーも雫が近づくと、気品も何もかなぐり捨て、狂ったように吠えながらジョボボーと失禁してしまう。
 何がそんな怖れられるのか? 
 プライドズタズタな雫が、焦り切った表情で店員に訴える。
「血統? 名犬? そんな物はどうでも良いんです。 私に懐いてくれる子を早く出して下さい!」

 ポイッとペットショップから放り出される雫。
 商品のストレスになるという理由で、出禁になったらしい。
「結局、このオチですか」

 VTR終了。
 スタジオの雫が肩を落としている。
「雫ちゃん可愛いのに動物に好かれないのは謎なのだわ。 若々しく美しい私が結婚出来ないのと同じくらい謎なのだわ」
 戯言を言いだすアラサー司会者。

 そんな椿に中学生、黒井が物申した。
「僕が思うに結婚出来ない女性は、周囲の所為にして問題を直視していません」
 言葉にグサッと胸を刺され、椿が肩を落とす。
「僕なりに解決チャートを考えて来ました」
 フリップを出す黒井。
 その一枚目に書かれている文字は、

[1・関係者から赤裸々な指摘を頂き、嫌でも問題を直視させる]

 脂汗を掻きながら読む椿。
「第一段階からハードなのだわ、黒井くん、絶対ドSなのだわ」
 二枚目のフリップを出す黒井

[2・経験豊富な学園生による徹底矯正]

「強制されたくないのだわ」
「俺も結婚はしていますが、椿さんにアドバイスするのは難しいものがありますね、なにせ齢が違い過ぎますから」
 遥か年下の既婚者、浪風の言葉にさらに凹む椿。
「久遠ヶ原の眼鏡男子って、無自覚ドSばかりなのだわ」
 黒井も浪風も眼鏡男子である。
「そして、最終的にはこうなります」
 三枚目のフリップを出す黒井。
 特撮ヒーローの強制改造シーンを思わせるイラストが描かれている。
「椿さんを婚活怪人に改造します」
「なにそれ、絶対に嫌!」
「これは冗談です。 実際には有志による仮デートで矯正が上手くいったかテストします、合格なら婚活パーティです」
「だったら最初から婚活パーティに出るのだわ、 私は辛いのとか面倒くさいのとか大嫌いなのだわ」
 問題の本質がわかっていない椿。
 とても結婚出来そうにない事は、スタジオの誰にもわかった。
 ただ一人を除いて。

「楽に結婚出来る方法、ありますよー」
 魔女っ娘コスの夕乃が、希望の光を見せた。
「本当! どうするの?」
「こうして、なんちゃってお姫様になる事です」
 ポチッとボタンをおす夕乃。
 モニターに真紅の薔薇のベッドに寝転んでいる夕乃の画像が映し出される。
 ちなみに実際やると、ガチで百万かかるので合成である。
「ビューテホーなのだわ!」
「ご覧ください、この高級薔薇が持つ、ベルベットのような深みと艶やかさ! 自分みたいなちんちくりんでも、この上で寝転べばプリンセスと錯覚させられるというすごい魔力ですよ! 四ノ宮さんも、行き倒れより是非こちらをオススメしたいですね」
「むむむ、寝ているだけなら、黒井案より楽そうなのだわ。 金で解決出来ることは金で解決するのが大人というものなのだわ」
 そういう事を平気で言っちゃうから、結婚出来ないのである。
 空気読めない人間性は、いくら金を積んでも解決出来ない。


 百万久遠、その使い道は十人十色。 
 小さな夢を叶えられ、大きな夢の一歩目を踏める金額。 
 努力すれば、キミたちにも溜められる金額でもある。
 今日語った夢が本物ならば、いつの日か必ず実現させて欲しい。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 伝説の撃退士・雪室 チルル(ja0220)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 崩れずの光翼・向坂 玲治(ja6214)
 撃退士・夏木 夕乃(ja9092)
 笹かま教教祖・賤間月 祥雲(ja9403)
 Eternal Wing・ミハイル・エッカート(jb0544)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
 学園長FC終身名誉会員・築田多紀(jb9792)
 こそこそ団・秋嵐 緑(jc1162)
重体: −
面白かった!:14人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
ドクタークロウ・
鴉乃宮 歌音(ja0427)

卒業 男 インフィルトレイター
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
崩れずの光翼・
向坂 玲治(ja6214)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
夏木 夕乃(ja9092)

大学部1年277組 女 ダアト
爆発は芸術だ!・
テト・シュタイナー(ja9202)

大学部5年18組 女 ダアト
笹かま教教祖・
賤間月 祥雲(ja9403)

大学部4年52組 男 ルインズブレイド
男だから(威圧)・
文 銀海(jb0005)

卒業 男 アストラルヴァンガード
鉄壁の守護者達・
黒井 明斗(jb0525)

高等部3年1組 男 アストラルヴァンガード
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
リコのトモダチ・
礼野 明日夢(jb5590)

小等部6年3組 男 インフィルトレイター
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
そして時は動き出す・
咲魔 聡一(jb9491)

大学部2年4組 男 アカシックレコーダー:タイプB
学園長FC終身名誉会員・
築田多紀(jb9792)

小等部5年1組 女 ダアト
愛され系撃退士・
星歌 奏(jb9929)

小等部5年4組 女 鬼道忍軍
我輩はお化けではない・
懲罰する者(jc0864)

高等部3年21組 男 陰陽師
みんなのお姉さん・
タイトルコール(jc1034)

卒業 男 アストラルヴァンガード
こそこそ団・
秋嵐 緑(jc1162)

大学部4年291組 女 インフィルトレイター