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マスター:スタジオI
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
形態:
参加人数:6人
サポート:4人
リプレイ完成日時:2014/07/05


みんなの思い出



オープニング

● ある深夜、TVのチャンネルを久遠ヶ原の島内放送に合せると、こんな番組が放映されていた。

 日中、放送局に入ってくる撃退士たちの映像が流れる。
 渋い男性アナウンサーの声でナレーションが入れた。

『当日十時、撃退士たちがスタジオ入りした。 【撃退士 その神秘の能力を探る】 そう題された番組に出演するためである』

 楽屋で、それぞれ、かなりの量のプロフィールやアンケートを書く撃退士たち。
 数百問に及ぶ、知能テスト、心理テストのような問題もこなしてゆく。
 大きなスタジオで、光纏して模擬戦をみせたり、スポーツジムでハードな身体能力の計測をしたりしている。
 夜になると、椅子に腰かけ、昼間とったデータを元にした、大学教授からの質問に真面目に答えたりもした。

『真面目な番組だと思い込み、心身ともに消耗しながらも真摯に取り組む撃退士たち――収録は深夜まで及んだ』

 【二十三時五十三分】
 そうテロップが流れ、楽屋にADが撃退士たちを呼びにいく。
「お待たせしましたー、最後の収録いきまーす!」
 時間が時間の上、さんざん引き回され、撃退士たちはすでに眠そうだった。

『だが、この大がかりな企画、実は全て、大ウソ!』

 ADに連れられ、あるスタジオのドアをくぐる撃退士たち。
 そこには、人数分のベッドが置かれた広い寝室があった。
 部屋の真ん中で、ピエロのようなデザインのパジャマを着たお笑いタレントのノブノベタがテンション高く叫ぶ。
「撃退士のみなさーん! 大変、お疲れ様でしたー! ですが、ここからが本当の収録でーす!」
 天井のくす玉が割れ、真の番組が書かれた垂れ幕が下りてくる。

【ねんねんころりん選手権!】

「最後まで眠らなかった方が勝利でーす! 全員が眠るまで帰れませーん!」

● 
 当然ながら、撃退士たちの中から強い抗議の声があがった。
 この一日は一体なんだったのか?
 ここまで騙されて、こっからは眠らせないとか、付き合い切れるか、と!
 
 司会役のノベタが、困り顔で宥めにかかる。
「そうですよね、申し訳ありません! ですので、特典をご用意いたしました」
 すわ、賞金か? いや、豪華賞品か? 
 色めきたつ撃退士たち。

「いえいえ、もう予算はありません、そういうお金は昼間からの偽収録で使い果たしちゃいました。 皆さんを疲れさせるためだけに、ン百万円使いました!」
 この番組スタッフ、完全にアホである。

「ですので、特典は参加者さん同士で与え合っていただく形になります。 特典は二つ! 
 まず第一にゲーム中、一定時間ごとに王様になれます。 三十分間他の参加者に好きな命令を聞かせる事が出来るんです。 まあ、その命令内容には自分も従わなきゃならないわけですが」
 前半はともかく、後半部分でメリットなのかよくわからなくなる特典である。

「そして第二の特典は、最後まで寝ずにいた人――優勝者は、参加者の中から二名を選び、左右にはべらせて眠る事が出来ます! 好みの相手にはさまれて眠るのはハーレム気分ですよー! あ、コスプレもいろいろご用意しているんで、好きなのを選んで着せちゃってください! 耳元でお好きなセリフを囁かせたりしてもOKです」
 ――ゴクリ―― 一部の撃退士の喉が音を立てたのを、集音マイクは捉えていた。。


リプレイ本文


【AM23:58】
時刻テロップと共に、TVから渋く淡々とした男性ナレーションが流れる。
『ゲーム開始時刻、真実を知らされたばかりの撃退士の中には、戸惑いを見せている者もいる』
 


 黒髪の美少女にしか見えない小柄な青年、橘 優希(jb0497)は、周りの反応を忙しなく見渡している。
「散々色々やったのに、結局これ?」
『泡を食っているのは、橘 優希。 こう見えて、男』


 内気そうな銀髪の幼い女の子、雫(ja1894)はガックリと俯いていた。
「騙されました……」
『最年少の雫。 おじさん、ちょっと罪悪感』


 同じく銀髪だが、より一層、生真面目そうな青年、イアン・J・アルビス(ja0084)は憤慨していた。
「……なんという……明日も早起きしなくてはならないのですよ!?」
『風紀委員のイアン。 全員眠るまで、風紀委員の仕事は据え置きだ』


『一方、現状を楽しんでいる者もいた』
 青髪の元気っ子、雪室 チルル(ja0220)の顔は、負けん気と気合に満ちている。
「んむぅ……ここからが本当の勝負なのね……?」
『突撃少女、チルル。 いつもの元気がいつまで持つのか?』


 首から上は美女、首から下は痴女、白衣にマイクロビキニ姿の雁久良 霧依(jb0827)も超本気モードだ。
「素敵な企画ね♪  ……絶対優勝するわ♪」
『言う事も、格好も、番組が仕込んだお色気タレントみたいな霧依。 だが、本物の撃退士』


 青髪の女子高生、海城 恵神(jb2536)は、最初から様子がおかしい。
 ベッドに怯え、テーブルの下にスライディング潜りして叫んだ
「お布団は危険が危ない! 皆離れるんだ! ここで寝たら……死ぬ……っ!」
『すでに、深夜テンションな恵神。 色々な意味でドクターストップが心配される』


【AM0:00】
『ゲーム開始時刻。 広い寝室の中では、撃退士たちが思い思いに過ごしている』
 いきなり部屋の真ん中にチルルが、両掌をついた。
「よーし……あたい、特に理由ないけど逆立ちしてみる!」
 逆立ち歩きで、寝室内をうろうろし始めるチルル。
「今どれくらい逆立ちしてる?」
 年齢の近い、雫に尋ねるチルル。
「まだ三十秒くらいですよ――それより、体を動かしたいなら模擬戦しませんか?」
 スタッフに用意してもらった、ウレタン製の武器を取り出す雫。
「いいよ! あたい、逆立ちしたままやる!」
『チビッ子たちも、まだまだ元気だ』


 一方、イアンは小難しい説教を始めていた。
「そもそも、規則というものは理由があって作られているものであって……」
『難しい話をすれば、ライバルが眠たくなるのではないかという風紀委員の作戦』 
 その周りには、無人空間が出来上がっている。
『だが、総スルー』 


優希は、持ち方が独特の、大ヒットポータブルゲームに意識を吸い取られていた。
「今日こそ、宝玉を――あ、武器強化出来そうなのに、材料がイチタリナイ」
『優希、狩りの真っ最中』
 


 腕立て伏せしながら、歓喜に満ちた顔で、笑い声をあげている。
「筋トレしようぜ! 動いてたら眠れないだろー! はっはー♪ 我ながら良案! これ、休んでたら眠くなるんじゃないか? ヤバイ! これは失敗フラグッ! 起きてる! 私超起きてるっ! 寝ない子誰だ!? 私だ!」
『恵神、異常なハイテンション。 スタッフが専門医に電話をかけ始めた』


『専門医に相談が必要なのは恵神だけでは、ない』
 画面にモザイクがかかり、代わりに霧依のチビキャライラストが映し出された。

【しばらく、イラストと音声でお楽しみ下さい】

 白衣マイクロビキニの霧依が、鞭で、蝋燭で、激しく自分の柔肌を痛め付けているイラストを背景に、本人の生音声が流れる。
「ああん!やああっ……ち、違うわっ私は魔女じゃないっ……」

 魔女裁判にかけられ、拷問の苦痛を感じずに寝たら魔女。
 寝なければ無罪で解放される。 
 という脳内妄想を元に、一人SMを楽しんでいるらしい。
『霧依、深夜番組の限界を突破』


【AM0:30】
 寝室内に司会のノブタが飛び込んでくる。
「みなさーん! 起きてますかー! 指令のお時間でーす!」
 これから三十分ごとに、参加者が書いた指令書を読み上げ、それを全員で実行するという企画である。
 皆が書いておいた指令所入りのクジ箱。
 それに手を入れるノブタ。
「最初の指令はこれ! 優希さんの指令で、“皆でお料理をする”こと!」
 優希がニコニコ顔になる。
 ちょうど、夜食が欲しくなる時間だ。
「調理場を借りて、夜食でも作りましょう♪ 各自好きなのを作って下さい。 あ、料理苦手な人は言ってください。僕が手伝います」
『満腹にし、眠気を誘う。 それが優希の狙い』

「それじゃあ、僕は……ほいっと、コーヒーゼリーとレモンアイス」
 手早くデザート二品を作り上げる優希。
 
 コーヒーのカフェインとレモンの酸っぱさで、眠気を吹き飛ばす。
 しかも、腹に溜まらないゼリーとアイスで満腹感による眠気を防ぐという作戦。
 イアンは、おじや。
 雫は、甘めのホットミルク。
 チルルはかき氷。
 霧依は、唐辛子たっぷりの焼きネギ。
 恵神は冷奴と、それぞれ消化に良い物や、刺激となるものをチョイス。

【AM0:29】

 寝室の真ん中で食卓を囲み、皆で夜食を食べている撃退士たち。
「みなさん、ホットミルク召し上がりませんか?」
「私の得意料理、冷奴もどーぞ!」
『団欒の雰囲気の中、訪れるのは、またもこの時間』


 ノブタが寝室に飛び込んでくる。
「特殊指令のお時間でございます! 二番目の特殊指令は!?」
 クジ箱の中から指令書が取り出される。
「恵神さんの指令! 内容は“ハードコアッ! ハードコアッ! と叫びながらドラムを全力で叩きまくる”です」
「は?」
 キョトンとするイアン。
「だって、そう書いてありますもん」
 スタッフがぞろぞろと部屋に入ってきて、人数分のドラムセットを設置し始める。
 設置完了と同時に、嬉しそうに、ドラムを叩き始める恵神。
「ハードコアッ! ハードコアッ!」
 それを茫然と見ている他の撃退士たち。
「さあ、皆さんも一緒に、ハード! コアっ!」
「いや、あの、これにはどんな意味が?」
 雫が恐る恐る尋ねる。
『特に意味などない、ハードな運動をさせ、疲れた体に鞭を打つという単純な作戦』
 しかし、特殊指令は絶対である。
「ハードコア! ハードコア!」
 チルル、霧依はノリノリで。
「……ハードコア……ハードコア……」
 イアン、雫、結希は木魚のようにドラムを叩く。
『一見、効果がなかったかに見える優希と恵神の指令。 だが、CMの後、それらが恐るべき意味を持って参加者たちを襲う』


【AM1:32】
 真っ暗になった寝室。
 その中で、六人の撃退士が、それぞれベッドに潜っている。
『第三の指令、それは霧依が出した“寝室を暗くして、静かな状態で横になり、しばらく目を閉じる”というもの』
 ベッドの中の撃退士は、全員、瞼を閉じている。
 だが、その手はサムズアップしたり、Vサインを出したりと、必死で“起きてますアピール”をし続けていた。
『ただでさえ、眠ってしまいそうなシェチューション。 しかも撃退士たちは、現在』
 夜食を食べていたシーンが、映し出される。
『満腹で』
 ドラムを叩いていたシーンが、映し出される。
『疲れている』
 ノブタが、静かに寝室を歩きながら、優希の耳元に囁く。
「起きてますかぁ?」
彼は、何もアピールしていない。
「はっ! いや、眠ってません! 眠っていませんよぉ!?」
 声をかけられ、裏返った声を出す優希。
 セーフである。
「起きてますかぁ?」
 次に声をかけられたのは、頭から布団に潜っている恵神。
 これに対するリアクションは、
「ぎゃらららぁぁぁ!」
 破滅的な悲鳴だった。
 恵神は、布団の中で瞼の下に練りワサビを塗っていたのだ。
 声をかけられた拍子に、目の中に入ってしまったらしい。
「洗面所! 洗面所に行って!」
 緊急事態なので、ノブタに突き添われ、洗面所に飛び込む恵神。
 水で目をジャブジャブ洗う。
『凄まじい勝利への執念――だが、高レベルの参加者が、もう一人』
 寝室に戻ってきたカメラが捉えたのは、ベッドの中で甘い声をあげて悶える、霧依だった。
「あん、雫ちゃんったらそんな潤んだ目をしちゃって……うふふ♪ チルルちゃんも、もぉ我慢出来ないんでしょ? いけない涎がたぁーぷり出て来たわ」
 霧依が相手をしているのは、脳内雫と脳内チルルなのである。
 本物の雫とチルルは、それをガクガク震えながら聞いている。
 己の出した指令に抗うため、興奮して眠れなくなるような妄想をしているのだ。
 結果的に、妄想対象のロリっ娘二人も、恐怖で眠れなくなっていた。
 残るは、イアンであるが――。
「起きてますかぁ?」
 リアクションがない。
 ガチ寝していた。
 彼は初心で女性が苦手であり、優勝して賞品の添い寝なんぞしたら、却って眠れなくなると判断。
 とっとと寝てしまう事にしたのである。

【イアン失格】
 イアンは、チルルに氷砲『ブリザードキャノン』を喰らって、強制的に目覚めさせられた。
『失格してもゆっくり眠れるわけではない。 他の参加者全員が眠るまで、起き続けていなければならない。 それが、ルール』


【AM2:06】
 夜のコンビニで買い物をしている撃退士たち。
『第四の指令はチルルが出した“みんなでコンビニへお買い物” 眠気に侵された体には、コンビニの灯りが眩しく、嬉しい』
 判断力の鈍った頭で、欲しい物を何となくカゴに入れてゆく撃退士たち。
 チルルは、漫画コーナーで一冊の週刊誌をめくった。
 合併号なので、もう読んだ号かどうか、確認したいのだ。
『この時、チルルに不運。 たまたま開いたページが、あの有名な“体が縮んだ高校生探偵”漫画』
 圧倒的な活字量と、小難しい理屈に耐えきれず、立ち読みしながら眠ってしまうチルル。

【チルル失格】

「……っ! 寝てない! 寝てないんだからね!」
揺り起こされ、慌てるチルルだが、カメラにはばっちり寝顔が映っていた。
『眠っている間に難題解決――とはならず』


【AM2:03】
「ジョーカーは、チルルさんですぅー!」
『機嫌よさげな声をあげたのは、第五指令の発令者、雫』
 雫のテンションが、おかしくなり初めている。
 眠気に抗うための脳内麻薬が出過ぎているのか?
 飲み続けている、エスプレッソや紅茶の影響か?
 はたまた幼い眼に、いろいろな物を見過ぎてしまったせいか?
「ジョーカー引いたら、どうするんだったかしら?」
 コンビニで買った氷菓子をかじりながら、尋ねるチルル。
 全員でトランプを引き、その結果で指令に従う人を決めると言う指令である。
「チルルさんが一人を指名して下さい。 その人に数値が一番低い人と、一緒にお布団で寝っころがってもらうんですぅ」
 意外とえぐい指令である。
『もはや限界が近い撃退士たち、ここでまた三十分、布団に抱かれたら、落ちる確率は極めて高い』
「数値が一番低いのって、私だな!」
 嬉しそうにダイヤの2を掲げる恵神。
『優勝しなくても、添い寝が出来る。 添い寝目的の両刀使いにチャンス到来』
「もう誰でもいいわよ……優希にしとくわ」
 漫画を読みながら、興味なさげに指差すチルル。
「僕ですか!?」
 隷属者のはずの恵神が、指名権のある優希を引きずってベッドに連れ込んだ。
「優勝して巫女服か白スク水着、着せたかったとこだけど、これで満足しとくぜ!」
 優希の隣で、頭の方から布団に顔をツッコむ恵神。
 恵神の顔が、優希の下半身の前に来る体勢になる。
「やめてー、何するんですか!?」
「心配ねーぜ! 優希がお嫁に行けなくなる程度の事だぁ!」
「僕、男ですよー!」
 助けを求めたが、指令なので誰も手を出せない。
 必勝の執念を燃やしながらも、勝たずして煩悩を満たしてしまった恵神。
 そのせいで、緊張が緩んでしまう。
 布団に顔に突っ込んだ体勢で眠りこけてしまった。

【恵神 失格】

 貞操の危機を脱し、安心した優希も、そのまま眠りに落ちた。

【優希 失格】


【AM2:32】
『残るは、霧依と雫の二人。 どちらか片方が眠った時点で優勝者が決まる』
撃退士たちは、イアンを中心に扇状に並び、漢文のテキストを読み上げている。
「大同殿生玉芝龍池上有慶雲百官共覩聖恩便賜燕樂敢書即事――ここで言う、大同殿とは興慶宮の正殿の事です、わかりますね?」
「なるほど、わからん」
 今までの攻撃の中で、最強かもしれなかった。
 意味がわからない人には、ただの漢字の羅列にしか見えない。
 イアンが、深い意味があるのだと解説してくれるのだが、それでますます眠くなる。
 さしもの霧依も、漢文からエロ妄想は出来ず、うつらうつらとし始めていた。
 誰もが、ゲーム終了の予感に、期待と安堵を感じ始めていた時。
「イアンさん! どうせ漢文なら麻雀しませんか!?」
 テンションがおかしくなっている雫が、妙な提案をし始めた。
「え? 麻雀のどこが漢文なんですか?」
「クスクス、漢文ですよー! 国士無双とか、九連宝灯とか! クスクスクスクス」
 自分の冗談に自分で笑いが止まらなくなっている。
 かなりやばい。
「ダメです!」
「わかりました! 麻雀はダメなんですね! なら脱衣麻雀で!」
「もっとダメです!」
 その時、半分眠りかけていた霧依の目が、パッチリ開いた。
「雫ちゃんと脱衣麻雀ですって! 寝てなんかいられないわね♪」
 そのまま、トイレにすっとんでゆく霧依。
 何だろうと、皆がトイレ方角を見ていると、
「あがあああああ! ひぎいいいい!」
 獣のような唸り声が、ドアの向こうから聞こえてきた。
 勢いよく戻って来た霧依は、顔を激痛による苦悶に歪めながらも、目が欲望でギンギンになっていた。
「あんた、下半身から唐辛子と、かゆい時に塗る薬の匂いがするわよ!?」
 鼻を摘まむチルル。
 これは、相当な量だ。
「さあ! やるわよ、脱衣麻雀♪」
「ダメですよ!」
 イアンがきっぱり言う。
「この時間は僕の指令を守ってもらう規則です! そもそも、規則というものは理由があって作られているものであって……」
 藪蛇という奴で、漢文以上につまらない話が始まってしまった。
 その結果――。
「この子、寝ているわよ」
 チルルが雫の頬をぷにっと摘まむ。
 『つまらなさすぎるイアンの話に、ハイテンション雫、ついに陥落』

【雫失格】


「ご主人様……雫を好きにしてくださぁい……」
「あたい、もう霧依なしではいられないのよぉ」
 布面積極小の白マイクロビキニを着た、雫とチルル。
 二人を両脇に抱きかかえ、耳元でお好みの台詞を囁かせて眠る霧依。
「そのままよ、そのまま、雫ちゃんの(ピー)をチルルちゃんが(ピー)して(ピー)――」
 寝言が、放送コードにひっかかる単語で埋め尽くされている。
 それほど、幸せな夢を見ているのだろう。

『欲を以て、欲を制す。 睡眠欲を制したのは、強力過ぎる――性欲』


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 群馬の旗を蒼天に掲げ・雁久良 霧依(jb0827)
 常識は飛び越えるもの・海城 恵神(jb2536)
重体: −
面白かった!:5人

守護司る魂の解放者・
イアン・J・アルビス(ja0084)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
夢幻のリングをその指に・
橘 優希(jb0497)

卒業 男 ルインズブレイド
群馬の旗を蒼天に掲げ・
雁久良 霧依(jb0827)

卒業 女 アストラルヴァンガード
常識は飛び越えるもの・
海城 恵神(jb2536)

高等部3年5組 女 ルインズブレイド