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マスター:スタジオI
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:20人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2015/12/12


みんなの思い出



オープニング


 久遠ヶ原にある某斡旋所。
「う〜ん、どの日にすべきなのだわ」
 独身アラサー女子所員・四ノ宮椿(jz0294)が斡旋所のパソコンの前で唸っている。
「どうしたんですか、椿さん」
 後輩職員の堺臣人が尋ねると、椿は逆に尋ね返してきた。
「堺くん、何か良い記念日ない?」
「記念日ですか?」
 話が呑み込めず、怪訝な顔をする堺。
「久遠ヶ原ケーブルTVで、2016年の日めくりカレンダーを作るのだわ。 今年も私はモデルをやるのだわ」
「ああ、例の依頼ですか、日めくりで全ページ写真違いとか今年はお金かけてますよね」
 久遠ヶ原ケーブルTVは、お世話になった企業や関係者に毎年、オリジナルカレンダーを配っている。
 去年までは普通の月めくりカレンダーだったのだが、今年は日めくりである。 しかも毎日、違う写真を載せるという豪華版。
 なぜここまでやるのかというと、カレンダーの撮影風景を一つの番組にするからだ。
 話題性+視聴者にカレンダー販売することで採算がとれるのである。
 ちなみにスマホアプリでも有料ダウンロードでき、そちらは動画付カレンダーになる。
「でも毎日違う写真なんて、そんなにネタがありますかね? 元旦とかクリスマスならどんな絵をとればいいかわかりやすいですが、他は……」
「ふふっ、それが今は毎日何かしらの記念日が制定されているのだわ!」
 例えば、1月5日は“いちごの日”だ。
 実に解りやすいゴロ合わせである。
「この日を担当すれば、いろんなストロベリースイーツに囲まれてバクバク食べている写真を撮影できるのだわ!
「むろん局のお金ですよね、それは役得です!」
「他には……1月25日とかは記念日ラッシュなのだわ」
 椿がパソコンで“1月25日 記念日”と検索すると紹介ページが出てきた。
「中華まんの日、ホットケーキの日、主婦休みの日、左遷の日……左遷の日なんてのもあるのだわ!?」
「理由は……右大臣だった菅原道真が醍醐天皇によって九州の大宰府に左遷された日、とありますね」
「“左遷の日”を写真にするとなると、“辞令を受けてがっくりしているサラリーマン”みたいなコンセプトで撮る事になるのかしら?」
「わざわざそれ選びますか!? 素直に“中華まんの日”か“ホットケーキの日”を選べばいいじゃないですか?」
「そっちは撮影中に美味しいけど “左遷の日”はバラエティ番組的に美味しいのだわ」
「確かに番組が面白ければ、販促効果も増しますからねえ」
 いろいろ難しいところである。

「まあ、無理に記念日に拘らなくてもいいのだけれどね、これといったのがなければ6月の誰も手を付けていない日に配置してもらうためにウェディングドレス写真を撮ろうと思うのだわ。 ジューンブライドだから6月ならいつでもいいのだわ!」
 その時期にあった写真をとって、適当な日に配置してくれという手もアリなのである。
「あ、椿さん。 それならぴったりの記念日がありますよ!」
 堺も自分のパソコンで検索して記念日を見付けた。
「5月2日が“婚活の日”です! 新規撮影しなくても普段の写真を使えますよ! 良かったですね!」
「リアルで敗北した時の写真を衆目に晒すとか、断固拒否したいのだわ……」
「それから1月第3日曜日が“三十路の日”です。 “成人の日”の一週先の日曜日といいうことで積み重ねた経験を元に新たなチャレンジをしていくきっかけの日……なんだそうです。 来年の1月なら椿さんまだ30歳じゃないですか」
 ちなみに椿は来年の3月28日で31歳を迎える。
「私は永遠の29歳……いや、24歳なのだわ!」
「自分の中で設定が曖昧になっているじゃないですか!」
 そんなわけで椿はまだ迷っているようだが、依頼を受けてくれる諸君は“何月何日”を“何の日”として担当して写真を撮るかしっかり決めて欲しい。
 なお写真撮影風景はバラエティ番組として流すので、イレギュラー要素が入る事もある! 参加の際は覚悟を!


リプレイ本文


 最初は、1月16日分のカレンダーに使用する写真撮影。
 向坂 玲治(ja6214)は、場末の酒場にいた。
「さ、酒……酒をくれぇ」
 撮影の様子を収録に向かった取材班がそこに見たのは、痙攣する腕で酒瓶に手を伸ばす向坂の姿。
 酒による若者の凋落。
 食事時にお茶の間に流していい絵面ではない。
 我々が絶望と共に、酒場を立ち去ろうとした時だった。
「いけません、1月16日は禁酒の日ですよ」
 カウガールのコスプレをした女性が、向坂から酒瓶をとりあげる。
 彼女は葛城 巴(jc1251)、向坂の恋人である。
「1920年のこの日は、アメリカで禁酒法が実施された事を記念して制定された”禁酒の日”ですよ」
「誰が、そんなクソ法決めやがった!」
 腰のホルダーから拳銃を抜く向坂。
 彼もガンマンのコスプレをしている。
「大丈夫。 結局、禁酒法が密造酒の蔓延を招いたため13年後には撤廃されています。 欲望を抑え過ぎるのは危険ということですね。 でも身を持ち崩すほど欲に流されるのも危険、お酒は飲んでも飲まれるなです」
「飲まれるなよ!」
 酒瓶を持ったまま、カメラに向かってキメ顔する二人。
 どうやら小芝居&小芝居だったようである。
 我々は安心して、次の撮影現場に向かった。


 我々がスタジオに入ると、一組の男女が喧嘩をしていた。
 進級試験主席のミハイル・エッカート(jb0544)が、四ノ宮 椿女史に涙目に訴えられている。
「ミハイルさん、酷いのだわ! 三十路の日に私を呼ぶなんて!」
「三十路は格好いい大人だぞ、椿は母親扱いなら楽しそうなのに、なぜアラサーはダメなんだ」
 ミハイルは1月20日の担当をするらしい。
「う〜、だって同級生はみんな結婚して母親になっているのだわ! 独身女の三十は男の人や既婚者と比べて重いのだわ」
 ミハイルが、颯爽と何かの箱を椿女史に投げ渡した。
「なら格好いい独身の女になればいいんだ、これを着ろ!」
「なにこれ?」
「大人の嗜み、社交ダンスだ。 そいつはそれ用の衣装さ」
 顔を輝かせながら、プレゼントの箱を開ける椿女史。
 だが十数秒後にどんよりと顔が曇る。
 中身は、あずき色のジャージだった。
「ドレスじゃないの?」
「まずはそいつを着て、俺と社交ダンスのトレーニングだ! 本番用のドレスは、局の衣裳部屋から適当に持ってこい。 進級試験の主席祝いを口実に仲間にたかられたからスカピンなんだ」

 後日、取材に行くと大人の色気漂う真紅のロングドレス姿で黒のタキシードを来たミハイルとダンスをしていた。
「婚活で敗北だらけなのか、謎だと思えるほど似合ってるぜ!」
 そう、1月20日は”三十路の日”
 来年こそ、椿女史の結婚報道が流れることに期待したい。


 スタジオに入ると黒い和風ゴスロリ服のミニワンピを着た少女が、猫手ポーズをとっていた。
「2月22日は222(にゃんにゃんにゃん)と、222(ふ〜ふ〜ふ〜)でおでんの日と猫の日〜……んーと。 こんな感じでいいですか? カメラさん♪ 」
 着物の胸元を大胆に広げ“にゃん”と首をかしげる蓮城 真緋呂(jb6120)。
「おでん、あちちだにゃん♪」
 あざとい、実にあざとい。
 真緋呂は我々取材班に気付くと、赤い首輪チョーカーの鈴をちりんと鳴らしながら、笑顔でお出迎えしてくれた。
「取材班さんたち、お好みのポーズとかありませんか?」
 欲望をさらけ出したい所だが、夕食時の番組なのでグッと我慢する。
「じゃあ、おでんをふーふーしながら食べさせてください」
 あんぐり開けた口を真緋呂に近づけるレポーター。
 とたん、真緋呂から笑顔が消えた。
「ふにゃーーっ!」
 全身の毛を逆立て我々を威嚇する
 まるで餌を取られとする猫だ。
 煮立つおでんを鍋ごと抱え、スタジオの隅に逃げると、一人でバクバク平らげてしまう。
 大食で有名な真緋呂。
 胸の谷間をとられる事は許せても、食べ物をとられる事は許せなかったようだ。


 茨城県は水戸城跡にある、弘道館という古い学校。
 ここにいるのは水仙柄の着物にたすき掛けも凛々しい姿の樒 和紗(jb6970)。
 彼女は、フィンガービスケットによるタワー建設に挑んでいた。
「2月28日はビスケットの日です、1855年のこの日、水戸藩の蘭医が同藩の武士にオランダ人に学んだビスケットの製法を記した文書を送ったのがこの日とされています」
 ビスケットを積み上げつつ、一生懸命に説明する和紗。
 すると完成目前のビスケットタワーが倒れた。
「あ、また!」
 和紗は、またタワーを積み直さねばならない。
「こっちは任せて、和紗さんはタワー造りに専念して」
 崩れるたびに、ビスケットを回収するスタッフ。
 積み上げる和紗。
 焦れつくような数時間が流れた末、ビスケットタワーが完成した。
「これで完成! でも、思ったより低い気が……気のせいか」
 脚立に腰かけてタワーの頂に手を翳しつつ、和紗はキメ台詞を告げる。
「水戸から始まった日本のビスケット。歴史はこうして積み上げられました」
 直後、ビスケットタワーが崩れた!
「わ、わっ!?」
 崩れるタワーに釣られ、和紗が脚立から地面に落ちる。
「いたた……」
 幸い、怪我はなかったようだ。
「あらー、危ないわね。 でも、もう撮影終わったから全部食べてもいいわよね」
「真緋呂さん!? なんでこんなところに来ているんですか!?」
 スタッフの中に混ざってビスケットをボリボリ食べてる真緋呂にようやく和紗が気付く。
「こういうのは”あとでスタッフが美味しくいただく”のが基本でしょ?」
 建設中にやたら崩れたのは真緋呂がタワーの建材を食べたせいだと和紗が訴えたが、証拠はすでに胃袋の中だった。


 ハル(jb9524)は白い子である。 髪も肌も、普段着ている衣装も白い。
「毎日……記念日?  じゃあハル、は……4月6日の“白の日”を選ぼう、かな」
「なんだかわからないけど、驚きの白さなのだわ」
 椿女史も、困惑である。
 なにせハル自身が白い上に、いつも以上に白い着物。 背景はドレープが美しい白い薄手の布。
「……何だかハル、真っ白……の中に居るみたい……」
 うっとりと呟くハル。
 さらに白い照明が灯る。
「白、に……融ける」
「明るすぎてハルくんの視力が潰れかけているのだわ!?」
 さらに白いスモークを焚き出始めると、煙を吸ったハルがゲホゴホとむせだした。
「ちょっ、大変、スモーク止めて! ハルくん、スタジオから出なさい」
 4月6日のカレンダーが白紙落丁ではないかというクレームがすでに来ているが、よく見て欲しい。 ちゃんとハルが映っている。


 撮影当日は、朝から雪が降り積もっていた。
 雪景色装う駅前に、2羽のペンギンがいた。
「4月25日は”世界ペンギンの日”! “世界”って付いているようにペンギンの可愛さは世界に認められたグローバルスタンダードだよ!」
 くるりんとターンしているのは、ペンギンのきぐるみを着た川澄文歌(jb7507)。 
その足元で一緒にくるりんしているのは、ジェンツーペンギンのペソちゃん。
 チャームポイントは白い眉。 白眉は秀才の代名詞!
「今日はペンギンさんの真似をしている人が多いね!」
 撮影現場は雪だったため、出勤時間にはヨチヨチ歩きの人が多かった。
 地面が凍っているので滑るのである。
「おはようございます! 今日は世界ペンギンの日です! 記念撮影しませんか?」
「きゃ、なに、かわいい!?」
 ペンドルとペンギンが腹這いスタイルでツッコんできたので、驚き萌えているOLさんに事情を説明する。
 快く承諾してくれ、一枚パシャリ。
 しかし、撮影後は釈然としない様子
「でも、何で私なの? そんなにペンギンに似ているかしら?」
 体型がペンギンに似ているおっさんなら、駅前をいくらでも歩いているのである。
「似ているのは、歩き方ですよ」
 厚底靴を履いているので、バランスをとるため腕を体から離し斜めに広げ、左右に揺れながらヨチヨチ歩いているのだ。 
 この姿が、まさにペンギンそっくりだった。


 5月9日は再び登場、巴&向坂ペア。
 禁酒法の次は、酔うほど甘い告白の日!
「好きな人が居るって素晴らしい事だと皆に思って貰いたくて………告白の日は年に七日あるんですが、5 9(こく)という語呂合わせで一番わかりやすいこの日にしました〜」
「年に7日もあるのかよ、うざったくてかなわんだろ」
 愛想よくカメラにアピールする巴と、面倒くさげに頭をかく向坂。
 付き合い始めて間もないこの二人で、告白シチュの写真を撮影する。
 ロケ現場は、サツキの花が咲く校舎裏。
 サツキの花言葉は節制。
冬に生花はお高いので造花で節制。
 だが巴には、溢れるまでの恋心を節制せずにぶつけてもらう。
「貴方を好きでいても、いいですか?」
 台詞とともに向坂の背中に身を寄せ、掌を添わせる巴。
 向坂は、照れくさそう。
 アドリブで何か言うように指示されていたが、ぶっきらぼうな自分に似合う言葉は見つからないようだ。
 その時、つんざくような声が校舎裏に響いた。
「しつこいんだよ! 告白の日のたびに告白するなよ! 年7回も告白されたらうざったくてかなわないよ!」
見れば少年に向かって、少女がヒステリックに訴えている。
 ここは告白の定番・校舎裏。 どうやら先客がいたようである。
「あの坊やには可哀そうだが、7回も告白されたらうざいのは同意だな」
 あまりしつこいと、5月9日だけに告発(5 9)の日になりかねない。


 5月23日は恋文の日、キスの日。
 前者は523(こ ふ み)という語呂合わせ、後者は戦後間もない頃キスシーンで話題になった恋愛映画の封切り日らしい。
 この日を選んだのは意外にも、雫(ja1894)。
「べ、別に好きな人がいるとかじゃありませんからね! たまたま担当者がいなかった日なだけなんですから!」
 何があったのか、すっかりツンデレ幼女になっている。
「ダミーで恋文を書くだけですからね!」
 自室の机で恋文を書く”ふり”を始めた雫だが、悩み苦しんだ顔をしている。
 書いては消し、紙を取り換えては書きの繰り返しである。
 その横顔を撮影していると、 
「何見ているんですか!? 人が真剣にやっている邪魔をしないでください!」
 我々は大剣を持った雫に追い回され、玄関から追い出された。
 この時、雫の部屋にTVカメラを置きっぱなしにしてしまった。
 だが、翌朝取りにいくと玄関前に放り出してあったのでそのまま回収。
 中に入っていたフィルムに写っていたのは、切なく愛らしい表情。
 時にぼーとし、時にベットに潜り込み身悶え始める雫の姿だった。
 大剣を振りかざして追いかけてきた少女と、同一人物とはとても思えない。
 初恋を表現した見事なノンフィクション映像である。
 我々が編集室で、これをにやにやしながら眺めていると。
「やっぱりカメラ廻っていたんですね! 消しなさい! 消さないなら、貴方たちを消します!」
 また、大剣を持って追い回してきた。
 切なく愛らしい初恋少女と同一人物とは、とても思えない。


「お母さ〜ん! 見て見て〜」
 平安風のセットの中、小さな体で着物を引きづりながら、ちょこちょこしずしずと歩いていく深森 木葉(jb1711)。
 それを胸に受けとめる、椿女史。
 「かわいいのだわ、木葉ちゃん」
「えへへ、お母さんも綺麗なのですよぉ〜」
 二人とも十二単姿!
 5月27日“百人一首の日”に相応しい絢爛さ!
 しかし……。
「これ、すんごい重いのだわ」
「二十kgはあるのですぅ〜」
 木葉も椿女史も、ヘロヘロな様子。
「少年漫画の重い道着並なのです〜」
「平安時代の女性って、戦闘力高かったと思うのだわ」
 二人ともバテてしまいそうなので、進行を早める。

 色紙を手に、木葉が歌を詠み始んでいるシーンを撮影。
「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くやもしほの 身もこがれつつ」
「なんだかよくわからないけど、切なさの伝わってくる良い歌なのだわ」
「待てども来ぬ人を待つ女心のもどかしさや嘆きを歌った藤原定家さまの歌なのですぅ〜」
「木葉ちゃん、小さいのに風流なのだわ」
 椿女史になでられ、幸せそうな木葉。
 幼くして母親を失った彼女、同じくらいの年齢の女性に母性を求めているのだろう。
 撮影が終わった後、木葉はセットの縁側に出て歌を詠んだ。
『暦読み いにしえの日々 忘れぬと 久遠の想い 記念と残さん』
 このカレンダー撮影にちなんだ見事な歌である。


 季節は一気に真夏に飛び、8月13日。
「いわゆる盆の入りの日だな」
 この渋い日を選択したのは、侍娘の礼野 智美(ja3600)。
「お盆となると、仏壇に手を合わせる絵になりますか?」
 レポーターが尋ねると、智美は難しげな顔を作った。
 どうやらまだ悩んでいるらしい。
「う〜ん、パスかな……地味だもんな、茄子やキュウリの馬を飾る手もあるんだけど、それにしてもな」
「では、お墓に手を合わせる図ですか?」
「それもなあ……ほら、空の色がこれだろ?」
 実際のお盆シーズンならば蒼天に白い入道雲、緑の木々という絵になるはずだが、今の季節は鉛色の空に雪雲、枯れ枝。
 どう見ても、お盆シーズンとしての説得力に欠ける
「よし、迎え火だ! 空の色に違和感のない夜に迎え火を焚く風景で行こう」
 智美は浴衣に草履、結い上げた髪という格好で外に出た。
「寒いな……」
 地域によっては今朝、雪が降ったのである。
 今回の迎え火は、皿の上に麦わらを乗せて火をつけるもの。
 とても温まれるレベルではない。
「だが、暑いふりをしなくちゃならん、心頭滅却すれば、だ」
 そうやって喋るたびに白い息が出てしまう。
「これはいかん! だが、息をしないわけにも……」 
 白い息を、迎え火の煙にまぎれさせて、どうにかごまかす智美。
 冬に夏の場面を撮影するのは、根性と工夫を要するのだった。


「9月16日はドラマの日だ」
 アイリス・レイバルド(jb1510)の撮影には、シスコンな妹ちゃん、イリス・レイバルド(jb0442)もついて来ていた。
「私が選んだ9月16日は、ドラマの日なのだ」
「へ〜、ドラマの日なんだ、語呂合わせにはなっていないけど、どんな由来?」
 何やら、深そうな由来がありそうな印象である。
「私が今出ている架空史ドラマの初回が放送された日だ」
「最近じゃん! しかも、お姉ちゃんが出ているやつじゃん!」
 確かに現在、当TV局では”架空史ドラマシリーズ”を放映している。
 しかし、そんな記念日は当然制定していない。
「記念日を独自で新設するのもありだと、依頼規約にあったのでな……というわけで、こんなものを用意した」
 アイリスが引っ張り出してきたのは、等身大の写真ボードだった。
 宮廷画家、軍事教官、航海士の衣装を着たアイリスの等身大写真が張り付けてある。
 全て、彼女がドラマ内で演じた役である。
 生アイリスはというと、黒いドレスを着た王女様の格好をしていた。
「記念日写真じゃないじゃん! 単なる番宣じゃん! っていうかボクそのドラマ出ていないから出番ないよっねー!?」
「そういうことになるな」
 テンション高く困惑している妹に対し、姉は淡々としている。
 対照的な姉妹である。
「ついに最終回目前! 架空史ドラマシリーズをよろしく」
「お姉ちゃんとツーショットしたかったよー!」
 せっかく付いてきたのに出番のないイリスは、涙目で撮影風景を眺めていた。


「キュウ……キュウ……」
 一頭のラッコが、苦しげに息を吐きながら雪に染まった山道を登ってゆく。
『この六合目付近から苦しくなってきたな、元々ラッコは水棲生物だけに登山向きではないのだよ』
 突然入ったイケメン声のナレーションの主は、鳳 静矢(ja3856)。
 ラッコ姿の時は“キュウ”しか喋らなかったので、撮影後にアテレコしてもらう形にしたのだ。
 10月3日の”登山の日”にあわせ、関東最高峰である日光白根山の頂上に登り、初日の出をバックにカレンダー用写真を撮ろうという企画。
 出発は必然、夜中となり足元が悪い雪山での決死の登山となる。

 登頂目前の九合目、あの事件は起こってしまった!
「キューウ!?」
 モニター内のラッコの頭上に、崩れた崖から巨大な雪の塊が落ちてきたのだ。
 暗夜の中、ラッコは雪原に埋もれ、姿を消した。
『この後、我々の必死の捜索にも関わらずラッコは姿を現さなかった』
 深刻な雰囲気がTV局スタッフの間に漂う。
 朝日も頭を出し始め、山岳救助隊に無線での捜索要請をしようとした時、カメラが驚くべきものを捕えた!
 日の出と共に山頂に穴が開き、そこから白い巨大なモグラが姿を現したのだ。
 これはUMA発見か! TVマンたちの頭は局長賞ものの発見に色めきたった! ラッコの安否など吹っ飛んでいた。 
「キュウ……キュウ……」
 白モグラが聞き覚えのある声で鳴いた時、撮影班の顔に浮かんだのは安堵でも喜びでもなく、明らかな落胆だった。
 撮影された写真では、雪まみれになったラッコが日の出を背景に、恨みがましそうな顔でカメラを睨んでいる。
『この後、麓の高級旅館に泊まり、美味しい料理と温泉を堪能させてもらった。 むろん、同行したTV局スタッフの方々の自腹でな』


 10月1日の”日本茶の日”を選んだのは、和風サロン『椿』女将・木嶋香里(jb7748)
「豊臣秀吉が京都・北野で大茶会を開いた日にちなんで制定された記念日だそうです、カレンダーは野点(のだて)の絵を撮影したいと思います」
 野点というのは屋外で、お茶や抹茶をいれて楽しむ茶会のことだ。
「自販機でペットボトルのお茶を買って飲んだらだめ?」
「椿ちゃん、ちゃんとお茶を点てないと野点にはならないのです」
 椿が面倒臭がっているのは、木葉との撮影直後で重い十二単を着たままだったからである。
 この衣装のお蔭で、サブモデルに抜粋されたわけなので仕方がない。
 作法に則って、香里がお茶を点てる。
 お湯はポットではなく、茶釜で沸かす本格派である。
「香里ちゃん上手なのだわ、せんきゅーみたいなのだわ!」
「椿ちゃん、おそらく千利休のことだとは思いますが、略しすぎなのですぅ〜」
 椿が木葉にツッコまれていると、香里がにっこりと微笑んだ。
「お茶をいただく時は感謝の心が大切なのです、千利休の精神に感じた英国人がそれを祖国に伝え、広まったのが英語で感謝の意を表す”センキュー”という言葉なのです」
「ええ! 知らなかったのです! 香里ちゃん博識なのです!」
 椿に合わせてテキトーな事を言い出す香里と、素直に信じてしまう木葉。
 三人の和服娘の御茶会は、和やかに楽しく進んだのだった。


「天使の日にボク参上!」
 先程は姉・アイリスのカレンダーに出られず、涙目で見ていたイリス。
 今度は主役である。
「10月4日だから天使(テン シ)ってねー!  天から舞い降りるボクと地上から歓迎する美少女と、猫の構図にしよう!」
 美少女好き、猫好き、飛行好きというイリス要素を全て詰め込んだ写真になる。
「連れて来たぞ、イリス」
 姉・アイリスがノラ猫を大量に引き連れてきた。
「やったー! もふるぜ! もふろうぜー!」
「いや、撮影を急いだ方が良い、今は慣れない場所に連れて来られて大人しくしているが、しばらくすると調子にのってデタラメに動き出すぞ」
「なぬ? でも天使な子がまだ来てないんだよ!」
 まごつくイリスだが、モデル手配担当のディレクターが爆弾発言をする。
「金髪碧眼の天使ちゃんは見つかりましたよ、天使といえば裸なので全裸待機させています」
「金髪碧眼で全裸ですと!」
 ダイブしそうな勢いで翼を広げ、撮影スタジオを舞うイリス・
「さーて、どんな子がお出迎えしてくれるのかなー……って!?」
 猫と共に、出迎えてくれたのはなんと金髪グラサン男・ミハイル。
 美少女どころか、おっさんである。
「ミハイルくんがなんで!?」
「なんではこっちだ! 名前が天使っぽいってだけで連れて来られたんだ!」
 しかもミハイル、全裸である。
「天使は裸だって理由で服まで……ぎゃー!」
 ミハイルは全裸の胸に猫を抱えていたのだが、肝心な部分を猫に引っかかれ悶絶した。
「わぁ〜ん、こんなの天使じゃないよー! やりなおしを要求するー!」
「お前、少しは俺の心配をしろ!」
 イリスの願いは聞き届けられず、10月4日は裸のおっさんが悶絶する酷い絵となった。


「俺は10月9日のトラックの日! 運送魂溢れるカレンダーにするぜ!」
 中学卒業後すぐ運輸業界に飛び込んだというトラック野郎・伊藤 辺木(ja9371)。
 トラックの撮り方にもこだわりがある。
「走っているところを撮りたいんだが、日めくりカレンダーだと静止画だしな。 横からのアングルでいくか!」
 駐車場に停めてある大型トラックの側面に廻る伊藤。
 ちなみにこのトラック、私物ではなく運送会社様から借りた現役バリバリ。
 この後仕事もあるので、荷物もしっかり積んである。
「意外とぎっちり積んであるな、あの辺りに隙間が欲しいんだが」
 伊藤は、荷物の隙間に自分が立って写真を撮りたいらしい。
 ツナギ姿で荷台にあがり、荷物を積み替えて、自分が立つスペース作りに励む。
「この重み、滲み出る汗! 運送の世界に戻ってきたって気がするぜ!」
 居るべき世界に戻ってきた伊藤は、輝いていた。
 腕まくりした腕に浮き出る筋肉、額や首筋を伝う汗。
 まさに男の仕事である。
 そんな伊藤をカメラマンが撮影していると、
「まだチンタラやってんのか?」
 突然、ツナギ姿の男が運転席に乗り込んだ。
 このトラックの運転手、トラック歴30年の星さんである。
「今日は、渋滞が酷いらしいから急ぐぜ」
 星さんは、ウィングボディのハッチを閉じる。
 伊藤が荷台にいるのだが、急ぐあまり気付かないようだ。
 伊藤も伊藤で、理想の配置を作るのに、夢中。 ハッチが閉じていくのに気づかない。
 カメラが伊藤の慌てた顔を捕えた瞬間、もう星さんはトラックのアクセルを踏んでいた。
「いくぜ! 宗谷岬直行便!」
 なお、伊藤は撮影用のツナギに着替えてしまったため、携帯も財布も持っていない。
 その後、北の大地を、ツナギ姿の男がヨロヨロと歩いていたという目撃情報も入ってきているが真相は未確認である。


「10月31日はハロウィーンですよ。 レイさん、ハロウィーンは知っていますか?」
 エイルズレトラ マステリオ(ja2224)が、金髪ツインテの美幼女に尋ねた。
 彼女ははぐれ悪魔っ娘・レイ。 昨年、エイルズが無人島からさらってきた幼女である。
「知ってる〜、牛の背中の部分の肉〜、柔らかくてジューシーで霜降りが多い〜」
「それはサーロインです! 割と離れています!」
「その美味しさから肉の中で唯一、“サー”の称号が与えられた〜」
「間違っている割に詳しいですね。 飯テロもいいとこなんでやめておきましょう」

 エイルズは、お得意のカボチャマスクにタキシード。
 レイは魔女服に、お菓子入りのバスケット。
 エイルズの召喚獣、ヒリュウも一緒だ
「それじゃあ、並んで! 撮りますよ〜」
 エイルズは持っていたトランプを頭上に投げた。
 これが紙吹雪となった瞬間を撮影するという、奇術士エイルズならではの演出!
 瞬間、なぜかレイはヒリュウを両手で掴み、頭越しに投げ放った!
「きゅー!?」
 投げられたヒリュウはカメラにぶつかる。
 絶妙なシャッターチャンスを逃してしまった。
「なんてことするんですか、レイさん!?」
「こうやるって、教わったー! ハローイン!」
「それはスローインです! どんどん離れていくじゃないですか!」
 アホな悪魔っ娘が地球の風習を理解する日は、遠い。


「ロシア横断、命がけの旅に出たいですわ」
 白いメイドさん、斉凛(ja6571)が口走った言葉に取材班は緊張の色を隠せなかった。
 命がけの旅番組。 TV的にはウケる。
 だがTVマンとして自分が参加したいかというと、絶対に嫌だ。
「11月1日はロシアに漂着した商人・大黒屋光太夫が、カムチャッカ半島からサンクトペテルブルグまで命がけの旅をし、女帝にお茶会に招待された日ですのよ。 それが日本人初のティータイムだったので“紅茶の日”として制定されましたの」
 どうやら、昨今の無茶ぶり系旅番組より先に、遥かに過酷な旅をした先人がいたようである。
 しかしその憧れに付き合っていては、予算もスタッフの身も持たない。
 そこで低予算短時間で放送出来る内容に、凛に修正してもらう。
 まず、大型の冷凍コンテナを用意。
 これは今夏に久遠ヶ原島に臨時開店していた”南極レストラン”の店舗として使用されていたものだ。
 この中を極寒にし、ロシア風のカフェを作る。
「それではいきますわよ、カメラさんばっちり撮ってくださいまし」
 白い翼を閃かせて吹雪のカフェに降臨する凛。
「お客様は、どうぞお菓子とお茶をお楽しみくださいませ」
 客にポットからお茶を注ぐ。
 その客は、ロシア風のコートを着てコサックダンスを踊っている。
 シュールだ、実にシュールだ。
「これが”白の女王の御茶会”ですわ」
 低予算バージョンで申し訳ない。 いつかは凛も大黒屋光太夫ばりの大冒険をし、理想の御茶会を実現させて欲しい。


「11月8日は” いい肌の日”なのですよぉ……」
 月乃宮 恋音(jb1221)が、入ったのはエステ店。
「い、いらっしゃいませ……会員証をお作りしますので、お名前と生年月日をお願い致します」
 店員がいきなりテンパっている、
 理由はむろん、恋音の乳である。
 これほど巨大な乳はお目にかかったことは、おそらくないのだろう。
 プロだけにどう施術してよいかわからず、困惑している。
「月乃宮恋音……9月16日生まれなのですよぉ……」
「乳乃宮乳音様、乳月乳日生まれでございますね」
「……おぉ……動揺しすぎなのですよぉ……(ふるふる)……」

 基本的な美肌施術後、店員が恋音に尋ねた。
「気になる部分はございますか?」
「……やはりぃ……大きすぎる胸がぁ……」
「し、少々お待ちください……社長! 社長ー!」
 ほとんど悲鳴のような声をあげるエステ店員たち。 どうしてよいかわからず、テンパりぶりがさらに悪化していた。
 しばらくすると奥から年配女性の社長が出てきた。
「まあ、立派なおムネ! それを小さくしたいのね!」
 さすがに社長だけあって落ち着いている。
「任せなさい、体操で小さく出来るのよ」
「……おぉ……」
 社長に、ひんぬー体操を教わる恋音。
 だが、胸はみるみる大きくなっていく。
 紐が弾け、着ていたパスローブから乳という名の砲弾が飛び出た。
「あら、変ねえ? 豊乳体操を逆の順番でやれば小さく出来るんじゃないかと思っていたのに」
「……そんな理論なのですかぁ……(ふるふる)……」

 この騒ぎをサブモデルとして同行していた雫が見ていた。
「ひんぬー体操……あの体操をすれば逆に胸が大きくなるんですね」
 件のエステは先日、大剣を持った謎の幼女に襲われ、閉店したとの報道が入っている。


「俺は12月26日を友達の日とするよ」
 黄昏ひりょ(jb3452)が宣言する。
 写真の構図は編入”記念おめでとう!”の垂れ幕を背後に、黄昏が友達に祝われているというもの。
 召集をかけると、この依頼参加者全員が撮影スタジオに集まった。
「ありがとうみんな! 12月26日は俺がこの学園に編入してきた日なんだ、もう4年になる」
「ふむ、多くの友が出来るきっかけとなった日か」
「……おぉ……それは素敵なのですよぉ……」
 黄昏の語る記念日の理由に鳳は顔を、恋音は乳をうなずかせる。
「物凄く沢山の事があった。楽しい事も辛い事も、皆と紡いできた4年間だ、俺一人ではこの4年間、過ごす事が出来なかっただろう。 色んな事があって、時には友達と衝突したりしてお互いに身が引き裂かれそうな思いをしたりさせたり……でもね、それも俺が辿ってきた道、認めた上で進んでいきたい。友達関係もこの4年、変化はあったけど俺にとって友達は大事な財産だから、これからも皆と共に歩んで行きたい」
 語り終わり、皆が拍手をした瞬間を写真に収める。
 と、いうのが黄昏の構想だったのだが。
「あ……ごめん。 ちょっと長かったね」
 何人か、寝ていた。
 長い話に睡眠効果があるのは、校長先生だけのスキルではないのだ。
「今の時期は冷えるからね、風邪をひくよ」
 寝てしまった仲間に毛布をかけてやる黄昏。 その瞬間を写真に収める。
 この図もまた、友達の日にふさわしいものだろう。


「12月31日は大晦日ー!」
 九鬼 龍磨(jb8028)が選んだ一年最後の日。
 この日を選べば必ずラストを飾れる、なんとも上手いチョイス。
「僕の誕生日でもあるんだよね、だから終わりの日であり、僕の始まりの日でもあるんだ」
 写真自体はシンプル。 袴姿にコートとマフラーをまとった九鬼が夕空の下で、神社の社殿を見上げているというもの。
 歩いて神社に向かう。
「暮れの風情が空気にも漂っているね〜……お、こんなところにお蕎麦屋さんが! 日本の大晦日といえば年越しそばですよ」
 旅番組風なレポートをカメラに向かって始める。 写真撮影のみだと一瞬で終わってしまうので尺調整である。
「こうしてそばつゆを先だけにつけて、素早く啜ると……んまいっ!」
 蕎麦屋で機嫌よくそばを食べていく九鬼。
 だが……。
「え? 僕、こんなに注文していないのに!?
「年越しそばはその年のうちに食べきらないと、お金が貯まらない年になるということで、九鬼くんの来年を占うために1kg大食いに挑戦してもらおうと思います」
「え、そんな〜。 お金ないと困るよ〜」
 撮影日は大晦日ではない事も忘れ、九鬼は涙目で食べ続けた。

 放送から数日後、出来上がったカレンダーが各参加者の自宅に届いた。
 それを手にした九鬼が呟く。
「みんな、どんな顔でこのカレンダーをめくっていくのかな」
 笑顔でめくれるカレンダーが、一枚でも多い事を願って。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 崩れずの光翼・向坂 玲治(ja6214)
 紅茶神・斉凛(ja6571)
 Eternal Wing・ミハイル・エッカート(jb0544)
 大祭神乳神様・月乃宮 恋音(jb1221)
 ねこのは・深森 木葉(jb1711)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
 圧し折れぬ者・九鬼 龍磨(jb8028)
重体: −
面白かった!:13人

歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
崩れずの光翼・
向坂 玲治(ja6214)

卒業 男 ディバインナイト
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
しあわせの立役者・
伊藤 辺木(ja9371)

高等部2年1組 男 インフィルトレイター
ハイテンション小動物・
イリス・レイバルド(jb0442)

大学部2年104組 女 ディバインナイト
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
深淵を開くもの・
アイリス・レイバルド(jb1510)

大学部4年147組 女 アストラルヴァンガード
ねこのは・
深森 木葉(jb1711)

小等部1年1組 女 陰陽師
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
圧し折れぬ者・
九鬼 龍磨(jb8028)

卒業 男 ディバインナイト
恐ろしい子ッ!・
ハル(jb9524)

大学部3年88組 男 アストラルヴァンガード
永遠の一瞬・
向坂 巴(jc1251)

卒業 女 アストラルヴァンガード