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マスター:スタジオI
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/08/24


みんなの思い出



オープニング


 夏である!
 今年の暑さはとりわけ厳しい。
 久遠ヶ原島でも夏バテで食欲をなくす島民が続出している。
 食わなければ戦えない! 大規模作戦のさなかであるのにこれはマズイ!
 と、いうわけで、“真面目な事には関わらない”が社訓の久遠ヶ原ケーブルTVが珍しく本気で大規模作戦支援イベントを企画した!
 その名も“夏のファイヤーパーティ!”
 暑くて元気が出ないのなら、あえてもっと暑くする事で免疫をつける。
 旨い物をハフハフ言いながら食う事で暑気を跳ね返す体力を付ける。
 生気を漲らせて、大規模作戦に臨んでもらうというコンセプト。
 それを実現させるためにTV局は、三つの炎を用意した!

☆第一の炎・巨大鉄板
 巨大な鉄板焼き用鉄板である。
 これを使って、何か焼いて食えという事だ。
 ステーキでも、野菜でも、魚でも、穀類でも何でも良い。
 とにかく、元気が出るものを焼いて食って欲しい。
 網を張って七輪代わりにするのも可! 
 謎技術で温度調整は自由に出来る。
 熱くなれ! どんどん熱くなれ!

☆第二の炎・巨大鍋
 その名の通り巨大な鍋。
 旨い物を茹でろ! どんどん茹でろ!
 ミラクルフォームチェンジで蒸篭(せいろ)への変形も可!
 この場合は蒸せ!
 蒸し暑くなるけど蒸せ!
 
☆第三の炎・巨大ファイヤー
 問答無用、炎である!
 いわゆるキャンプファイヤー!
 直火焼きして食いたいものがあれば、じゃんじゃん焼こう!
 だが、炎が焼くものは食べ物だけとは限らない。
 大規模作戦に賭ける想い、恋人や家族への愛、熱き想いを炎に向かって叫んでもいい。
 あるいは別れた恋人との写真、着られなくなった服、犯してしまった過去の罪、何でこんなもの必死に集めていたのか今になっては不思議な趣味の品、いらないものや忘れたいものをどんどん燃やそう!

 ある河原に燃え始めた三つの炎。
 この圧倒的な熱量を、明日の戦いへの力にして欲しい!


リプレイ本文


 巨大な鉄板に陽炎揺らめく、第一の炎。
 その元に一人の男が立っている。
「そこに鉄板があるならばっ!! 焼きそばは外せないっ!!」
 雪ノ下・正太郎(ja0343)。 普段は、変身ヒーローな彼であるが今日はなぜか、屋台のオヤジ風。
「ジャパニーズバーニングヌードルね! ベリーデリシャスよ!」
 しかもアメリカの屋台オヤジである。
 もはや何キャラ目指しているのかわからない雪ノ下に、鐘田将太郎(ja0114)が、苦言を入れてきた。
「下の名前が同じ発音ながら情けない! 日本人なら米を食え!」
 米信者の鐘田としては、日本男児が欧米かぶれしていくのが嘆かわしいのであろう。
「ライス? ダイジョブあるよ!」
 雪ノ下が焼き出したのは、パッタイと呼ばれるビーフン焼きそばパッタイ。
 雪ノ下行きつけのタイ料理屋チャンチックマイの親父から教わったものらしい。
[
「召し上がれっ、ヒーハー♪」
「むう、日本なのか、アメリカなのか、タイなのかさっぱりわからんが旨い、米は旨い!」
 悔しげな顔で、パッタイをかきこむ鐘田の姿がカメラを通して島中に映しだされていた。

 熱い鉄板に網をひいて、バーベキューをしているのは褐色の美少女ダナ・ユスティール(ja8221)と、クール系美少年・エミリオ(jb6195
「人間は暑さ寒さに弱くて大変だな……と思ったが、ここまで熱くなると『堪える』という意味が理解できてしまうな」
 カンカン照りの太陽の下、エミリオは鉄板で貝を焼いている。
 ホタテ、貝柱、岩ガキ――ジュクジュクと貝汁が泡立つ中、醤油を一滴。
 食欲をそそる香りが辺りに漂う。
「あっエミリオちゃん貝焼いてるっ、サザエも美味しいよねー」
 火が付いたサザエを箸でひっくり返そうとするダナ。
 だが、箸が滑ってサザエは燃えたままどこかへとんで行ってしまった。
「活きがいいなー」
 ニコニコしているダナ。
「サザエにはお魚をくわえたドラ猫を追いかけてどこかへ行く習性があると聞きますから、仕方がないですね」
 醤油を垂らしたホタテを一粒、エミリオは口に含む。
「ふむ、何故だろうか。 普通に焼いて食べるより、こういう場所の方が美味しい気がする、な」
 多分、身の味だけじゃないものも味わっているんだろう――そんな思いを馳せているエミリオにダナがデジカメを向けてきた。
「汗濡れのエミリオちゃんげっーと!」
「元気ですね、ダナさんは」
 溜息をつくエミリオ。
「じゃあ、エミリオちゃんも元気が出るように脱いじゃえ〜」
 ダナは突然、Tシャツをヘソの下から引きはがした。
「わっ!?」
 見えてしまったお腹のなだらかさ、その上に見えかけた二つの膨らみから思わず目を伏せるエミリオ。
「あははっ、下に水着着てきたんだよ」
「驚かさないで下さいよ……」
 ダナの褐色の肉体が、川に飛び込んでいく。
 そのフリーダムな姿を眺めながら、エミリオは人間界の夏も悪くないように思えたのだった。

 この熱いのに、もこもこした着ぐるみを着込んでくるという凶行に走ったものがいる。
 もふもふコレクターの少女、シェリー・アルマス(jc1667)だ。
「シェリーさん、こないだ倒れたのになんでまた……」
 眼鏡少年、黄昏ひりょ(jb3452)がぎょっとしている。
 この二人、臨海学校の灼熱の中で着ぐるみを着て、脱水症状になったという苦い経験を共有しているのだ。
「謝肉だよ! 羊さんに感謝しないとだよ!」
 TV局から借りたジンギカン鍋は、鉄板の上で熱くなっている。
 要は、羊肉に感謝しながら食べようと言いたいのだろう。
 とはいえ、もこもこ着ぐるみの中ですでに暑さにのぼせている。
「はぁはぁ……最初は鉄則通り、野菜を下、肉が上で」
 目を廻しながらも食材を山型の鍋に盛るシェリー。
 山頂で焼けてゆく肉の赤さと、樹海の如く麓に広がる野菜の緑が目にも食欲をそそった。
「第一弾出来上がり!」
「もしゃもしゃ……うん、いい焼き加減」
「羊が羊を食べていると共食いっぽいね……」
 山頂から溢れた羊肉汁が、麓の野菜に良い味を付けている。
 山の頂から流れる川が、麓の湖に恵みをもたらせる大自然を感じさせる料理だ。
 具材も残り少なくなったところで、ゆでうどんをシェリーが投入した。
 肉汁を吸ったうどんに、肉汁を吸った野菜が絡まっている。 しゃきしゃきモチモチの触感が内頬に心地よい。
「旨かったぁ……」
 満腹感に恍惚となる黄昏。
 隣には、別の意味で恍惚としているシェリーがいる。
 流石に暑い場所で、着ぐるみを着て、熱い物を食うのは無理があったようだ。
「食べ終わったし、脱ごう……」
 シェリーが着ぐるみを脱ごうとした時、なぜか燃え盛るサザエがすっとんできた。
 ダナが箸を滑らせて飛ばしたものだ。
 それが黄昏の尻にぶつかり、ズボンに燃え移る。
「ぎゃああ!」
 ごろごろと河原に転がる黄昏。
 隣にいたシェリーを巻きこんでしまう。
「きゃあああ!」
 もこもこした羊きぐるみは、そのまま炎に包まれる。
 シェリーはリアルジンギスカンとなって黄昏と共に川に飛び込んだ

「ちょー暑い! 暑いのよー!」
 暑がりながらも、機嫌良さそうに肉を焼き始めたのはさいきょーなチビッ子、雪室 チルル(ja0220)。
 彼女が焼いているのは、なんとマンガ肉!
 漫画やアニメの中で、原始人が食べているデカいアレである。
「あ、それ! 一度食べて見たかったのよ!」
 通りかかった浴衣姿の少女が、立ち止まった。
 蓮城 真緋呂(jb6120)だ。
「いいわよ、でも今焼いてるのはあたいのだから、あんたも自分で焼きなさい!」
 チルルの視線の先には、プレハブ小屋がある。
 小屋の中では本日使う各種食材が、大きな氷に守られて満載だった。
「お肉〜ゲットー! でも、マンガ肉って何の肉なのかしら?」
「難しく考えなくてもいいの! 食べればわかるわよ!」
 二人が焼く肉の表面に焦げ目が出来始めた。
 これなら、中にも充分火が通っているだろう。
「上手に焼けましたーーー!!!」
 叫んで、肉を掲げるチルル。
「はぐはぐ、うん! さいきょーにワイルドな味だわ! きっと恐竜かマンモスね!」
「もきゅもきゅ、本当、知らない味だわ。 美味しいけど」
 マンガの中の原始人の如く、綺麗に骨だけ残して肉を平らげてしまう二人。
 エネルギー満タンになったチルルが、第三の炎・キャンプファイヤーに向かう。
「さあ、これからあたいの想いを叫ぶわよ!」
「面白そうね、私も叫ぶわ」
 炎に向かって並んで叫びをあげる二人。
「お肉を食べろーーー!!!」
「言われなくても食べるわよーーっ」
 叫び終わって顔を見合わせる二人。
「あんた、まだ食べるの?」
 チルルは、今のマンガ肉だけでお腹一杯だ。
「当たり前でしょ、さっき見たら、あのプレハブ小屋に丸焼き用の牛や豚がゴロゴロしていたの、全制覇するわ」
「――さいきょーである自信がなくなってきたわ、胃袋に関してだけだけど」
 真緋呂のお食事は、これからが本番だった。


 第三の炎キャンプファイヤー。
 その川辺に腰を下ろし、浪風 悠人(ja3452)は釣り糸を垂らしていた。
 その妻、浪風威鈴(ja8371)が悠人に話しかけてくる。
「沢山……釣れる……?」
「そこそこだな、もう少し数を釣ろう」
 釣竿を垂らす悠人のクーラーボックスには、数匹の川魚がすでに入っていた。
 お腹が空くまでの間に、焼き魚にして何人かに配れるくらい釣るのが悠人の目標だった。
 隣でキャンプファイヤーの炎を静かに眺めている威鈴に、悠人は相談を持ちかけた。
「なあ威鈴、あの炎で不憫を燃やす事は出来ないかな?」
「不憫……って燃えるもの……なの?」
 不憫体質が悩みの悠人。
 よくわからない事を言い出す。
 威鈴も“不憫は、火に弱いものなのか”と真剣に考え、目をパチクリさせている。
 お似合いの夫婦である。
「……燃えるなら……不憫……は……実体……あるの……?」
「見た事はないが、フビンビーンって鳴き声は聞いた事がある」
 自分をモデルにした、ゲームキャラのネタをふってみる悠人。
 だが、威鈴はフビンという名前の動物がいるのかと解釈した。
「居るのなら捕まえてみたい……」
 現役猟師の血を疼かせる威鈴。
 だが不憫の化身を、とっくに自分が捕まえている事には気付いていなかった。

 魚も釣れ、焼いたものを参加者やTVスタッフのお昼代わりに配った。
 ほどよくお腹も減り、残りは自分たちの分だけだ。
 釣れた川魚に塩を振り、串を刺してキャンプファイヤーにくべる。
 蠢く巨大な炎が、銀色のホイル包まれた魚を呑みこんでいく。
「熱いなぁ……」
「熱い……」
 汗をダラダラ垂らしながらも楽しそうに顔を見合わせる夫婦。
「この夏も、いろいろあったな」
「楽しい……事も……色んな……事……あった……だから……もっと……色んな……事……出来たら良いな……」
 去りゆく夏に再び、活気を吹きこむかのようなキャンプファイヤーの炎。
 その前で二人は目を合せ、微笑み合うのだった。
「あ……悠人の串……手元まで燃えてきてる……」
「熱っ! 熱っ! ああ、俺の魚がぁ!?」
 釣った魚を、悠人本人だけが食べられなかった。

 もう一組、“旦那が眼鏡の若夫婦”がキャンプファイヤーの前にいた。
「本格的な料理はダメだけど、このくらいなら平気さ」
 旦那の翡翠 龍斗(ja7594)が、串に刺したそれを刺す
 肉でも魚でも野菜でも穀物でもない、不思議な白い物体を炎に炙る。
 デス料理人・龍斗の焼く謎物体。 果たして大丈夫なのか?
「はい、あーん」
 妻の翡翠 雪(ja6883)は、旦那の料理に憶する事もなく口を開ける。
 この白い物体、市販品のマシュマロである。
 デス料理に変容する危険性はほぼ、ない。
「龍斗さま、料理が上手になったんじゃありませんか?」
 龍斗にしなだれかかり、べっとりくっつく雪。
 炎天下でくっつかれたら、いくら新妻相手でもうっとおしく感じそうなものだが、目の前で炎が天上めがけて立ち昇っている今の状況では、むしろ雪の肌の冷たさが心地よく龍斗には感じられた。

 龍斗は雪から離れた。
「龍斗さま?」
「雪、写真を撮ってもいいか? 自然体の雪の写真が欲しい」
「いいですよ?」
 雪はもっとベタベタしていたいのだが結婚後一年以上が経つのに、龍斗は照れて手を出してこない。
(まだまだ、私を押し倒す事など出来そうにありませんねえ)

 龍斗は忙しそうに駆け回っている、番組ディレクターの姿を見つけると木陰に連れ込んだ。
「頼んでおいたあれは手に入ったか?」
「ああ“五歳児になれる薬”でしたっけ? 開発者と連絡はとれたんですが、博士の奥さんに捨てられたらしく、再精製するのも命がけとかで法外な値段をふっかけられましてね。 炎祭りとなんの関連性もないし、とても予算がおりませんでしたよ」
「そうか……」
 龍斗は以前、依頼で自分が一度だけ飲んだ薬を、TV局の力であわよくば手に入れたいと思っていた
「何に使うつもりだったんです、そんな薬」
「雪に呑ませたかったのだ、五歳児の雪を一度、じっくり眺めたくてな」
 ディレクターが何か言おうとした時、ふいに背後から声がした。
「龍斗さま」
 振り向くと雪がいた。
「この依頼に誘われた時から、何か企んでいる事があるのは気付いていましたが、そんな企みだとは想像すらしていませんでしたよ」
「そうじゃないんだ、雪。 いや、そうなんだが、勘弁してくれ」
 笑顔だが、目は笑っていない雪に、襟首を掴まれてずるずる引っ張られていく龍斗。
 夫としての威厳を見せる日は、まだまだ遠そうだった。

 炎に向かって祈る一人の男がいた。
 神谷春樹(jb7335)、褐色の髪を持つ優しげな面差しの青年だ。
 彼は千羽鶴が、炎に燃えゆく様を眺めていた。
 青の瞳に映るのは依頼失敗で助けられなかった人達や、依頼到着が早ければ助けられたかもしれない人たちの姿。
 胸ポケットにはマーガレットに似た薄紫の花、シオンの花が差してある。
 シオンの花言葉は“あなたを忘れない”
 救えなかった人々に、その言葉を千羽の鶴が届けてくれると願っている。
「失敗は悔いているし、救えなかった命は今も胸を締め付ける。でも、辛いからって忘れたりしない。 天魔との戦いはいつまでかかるか分からないけど必ず勝ちます。だから、どうか安らかに」
 心配そうに神谷の顔を覗き込んでくるヒリュウを撫でる。
 ヒリュウの大きな瞳には、自分の目には見えないものが映っているのだろうか?
 言葉を受け取ってくれた人々の表情が――。
 想いを巡らせる神谷は、自分と同じく、祈りを捧げている少女が隣にいる事に気付いた。
 見た事のない動作をしていたが、真摯な表情は美しい。
 浴衣姿のその少女に話しかける。
「何をしているんです?」
 少女は真摯な顔のまま答えた。
「供養よ」
「そうですか、今、僕も――」
 神谷が供養した人々の名を告げる前に少女は、供養の対象を指差した。
 丸焼きにされた上、肉を食べ尽くされた牛や豚、大魚の骨が寝転がっていた。
「美味しかったけど、私一人が一日で食べるには殺しすぎた気もするわ」
 神谷が面喰っていると、その少女、真緋呂は祈るような目で尋ねてきた。
「祈ったら小腹が空いたわ、何か食べ物ない?」
 祈りは、人それぞれなのだと神谷は感じた。

 もう一組、炎に祈りを捧げている男女がいた。
 余命宣告をされている水無瀬 快晴(jb0745)と、彼と恋仲のアイドル撃退士、川澄文歌(jb7507)である。
「今日はアイドルとは別の顔、陰陽師で参ります!」
 陰陽師なのになぜ巫女服なのか、本人も疑問らしい。
「臨兵闘者皆陣裂在前っ」
 印を組む文歌。
 水無瀬より、添護摩を受けとる。
 願いを毛筆書きした木の札である。
 これを学園の皆から集めたのだ。
 二人が祈るのは皆の幸せと、無病息災だった。
 最も祈るべきことに思える、水無瀬の難病快癒は祈らなかった。
 少し前ならそうしていたのかもしれないが、二人は奏という名の娘と幸せに暮らしている未来を夢で見るようになっていた。
 それが現実に訪れる未来だと、無言のうちに確信しているのかもしれない。

 文歌が祈りを終えた後、知り合いに呼ばれてどこかへ行ったので水無瀬は、あらかじめ炎に入れておいた容器を取り出した。
 いい具合に焼き林檎が二つ出来上がっている。
 連れてきたペットに食べさせてやろうと思ったが、怯えてバスケットから出てこない
「そうだよな、動物は炎を怖がるもんな」
 多少の炎ならともかく、巨大な炎が三つもある環境では仕方がないだろう。
 戻ってきた文歌に、水無瀬がその事を話すと文歌は何を思いついたのか、炎の間近に召喚獣の鳳凰を呼び出した。
「ピィちゃん――あ、だめか」
 鳳凰は、目の前の炎に怯えたかのように空に逃げた。
「ピィちゃんは、炎を怖がらずに食べたがるのかなってなんとなく思ったんだよ」
「それは無理があるだろ」
 火を食べて生きていけるのは、大道芸人くらいである。

「カイ、このお料理もおいしいよ〜」
 文歌が串焼きやら豚シャブ巻やらが入ったタッパ―を取り出した。
「串焼きは龍磨さんたちに、豚シャブ巻は香里ちゃんに貰ったんだよ♪」
 文歌は人気者だ。
「うんうん、美味しいねぇ」
「カイの作ってくれた焼き林檎も美味しいよ♪」
 文歌が美味しそうに焼き林檎を食べる様子に目を細めながら、水無瀬は自分の分の焼き林檎は番組が終ってからバスケットの中の友人と一緒に食べようと思った。
 ここに集まった人たちには、それぞれ愛しいものたちがいて、美味しく食事が出来、目指すべき未来もある。
 水無瀬自身も、それは同じだ。
 文歌が祈った“皆の幸せ”がもう叶い始めている事を、水無瀬は感じ始めていた。

 九鬼 龍磨(jb8028)と、エルシャン・ジョーカー(jb6365)は無言だった。
 キャンプファイヤーで焼いた大きな蟹をひたすらに無言で食べている。
 人は蟹を食べる時、不思議と無口になる。
 理由は簡単、集中して剥かないと怪我をするからだ。
「痛っ」
 集中していても怪我をする。
 死してなお人に血を流させる。
 蟹とは、恐るべき生物である。
 傷口を見つめながら、九鬼は悔しげに呟いた。
「怪我したらアイツの事思い出した」
 アイツとは、大規模作戦で戦ったマッチョな悪魔軍人の事である。
 九鬼は華澄をかばった末、そいつにボコボコにされて大重体になったのだ。

「もやせーもやせー命は燃やさず敵燃やせー」
 変な歌を唄いながら、マッチョな悪魔軍人の人形を担いできた。
 わざわざ紙で作ったらしい。
「戦勝祈願ー、あと僕をボコボコにしたアラドメネク負けろー! みんなの、特に乙女の心配と怒りをくらえー!」
 鬱憤を晴らすべく、アラドメネク人形を火の中に投げ込もうとする九鬼。
「私も、これ燃やすの!」
 華澄もツンツン頭の赤髪眼鏡男人形を担いでくる。
「うちのだーりんに痛いことした、この子もこの際お仕置き」
 炎の中に人形を投げ込む九鬼と華澄。
「みんなまとめて絶対勝つ!」
 燃えゆく人形を眺めながら、今度は必ず本物を倒すと心に誓う。
「絶対ちゃんと渡り合えるようになるもん!」
「そうだね、そのためにはたくさん食べて強くなるぞー!」
 料理上手な龍磨、今度は串焼きを焼き始めた。
「ほい、肉も程よくタマネギも甘ーい串焼き! 食べてファイト満タン大勝利なのだ!」
「おいしそー♪ スタミナつけて絶対勝利だ!」
 焼蟹と串焼きをもりもり食べる九鬼と華澄。
 次の出撃では悔しさを残さず、さっぱりした顔で帰ってくることを胸に誓った。

 番組開始より一時間。
 食料保管用のプレハブ小屋からは、満載されていた食料がすっかり出尽くしていた。
 主に真緋呂のせいである。
「これから毎日家を焼こうぜ!」
 その小屋の前でマジキチな台詞を吐く元レディス暴走族、天王寺千里(jc0392)。
 彼女はド派手なことをするためにファイヤーパーティに来たのだ。
「本当にやっちゃっていいんですか?」 
 ADが恐る恐る尋ねる。
「もちろんだ、火薬多目でいけよ」
 プレハブ小屋に火を点け、そこに突入するというリアクション芸人みたいな企画に千里は挑戦しようとしていた。
「あたしの中に積もり積もった鬱憤は、生易しい炎じゃ吹き飛ばせないからねえ」
 走り出す千里。
 炎に包まれた小屋に、単身突入する。
「スリルはマブだち! 危険はあたしの恋人さ!」
 決め台詞と共に小屋のドアを内側から閉じる。
 耳元の無線機からADの声が入る。
「千里さん、本当に大丈夫ですか?」
「おう! それより脱出方法を教えろ」
「え?」
「え?」
 互いに一瞬固まる。
「TVなんだし用意してあるんだろ? “CMの後、奇跡の大脱出!”みたいな」
「やらせとかすんなって指示したのは千里さんじゃないですか」
「いやそれでも、最低限の人命確保方法ってもんが? TVなんだし……」
 言っている間に焼けた屋根が頭上に落ちてきた。
 千里が危険を好きでも、危険が千里の事を好きかは別問題なのだ。

 局員たちに消火器の泡をかけられ、のた打ち回る千里。
 美貌もスケバンの威厳も台無しになった泡塗れの顔が、TVに晒された。
「お前ら、楽しんでくれたかい? 真似しちゃいけないよ、お姉さんは特別に鍛えているからね」
 身を張って、火の恐ろしさをTVの前の良い子たちに教える。
 千里は心優しきスケバンだった。

「夏バテの時は、スローフードの郷土料理ですね」
 黒井 明斗(jb0525)はキャンプファイヤーの前にシートとまな板をしいて、料理をしていた。
 竹串に刺したそれを、アラサー独身女子所員・椿に渡す黒井。
「これが阿蘇田楽? 初めて見たのだわ」
 椿が受け取った竹串には里芋が刺してあるが、火であぶられている他の串にはヤマメやナスなんかが刺さっている。
「本当ならつる子の芋っていう芋を使うべきなんですが、田楽の発祥地が阿蘇ゲートの中に消えてるんですよね、いずれ復活して欲しいと願いを込めて擬似的に作ってみました」
「味噌にも柚子と山椒が効いていて、夏に爽快なのだわ」
 黒井が次の食材を取り出した時、視線の先で何をしている二人組が見えた。

「ややこしいなあ、自分出来ない? アコちゃん」
「その機材は従兄様の第三演劇部ものでしょう? 従兄様に任せるしかありませんわ」
 アバンギャルドファッションな少女、咲魔 アコ(jc1188)が、眼鏡少年の咲魔 聡一(jb9491)をアゴで使っている。
 自分用の簡易ライブステージを造らせているのだ。
「配線は僕がやっておくから、アコちゃんは機材を殺しておいて」
「なぜ大切な機材を? 私が殺すべきは従兄様ですわ!」
 殺意に満ちた目で、聡一の頭上にギターを振り上げるアコ。
「そうじゃない! 殺すってのは動かないようにしろって演劇用語だよ!」

 アコの音楽はデスメタルと呼ばれる、ヘビィメタルの一種だ。
「聞け! 愚民ども! 星殺オリジナル“地獄の聖歌” 肝脳塗地の地獄絵図を賛美せよ!」
 星殺とは、アコのバンド名だ。
 ただしメンバーは、まだアコ一人しかいない。
 目下募集中だった。
「やれやれ骨が折れたよ」
 聡一がげんなりした顔で黒井と椿の元に歩み寄ってきた。
「アコちゃんの、近くにいなくていいのだわ?」
「僕、デスメタとか嫌いなんですよ、聞きたくもない」
「ええ? なら何で手伝っているのだわ?」
 椿と咲魔の会話の合間に、黒井は炙った鰹の刺身をクーラーボックスの氷で冷やしている。
 鰹のたたきを作っているらしい。
「頑張っているし、従妹だから応援しているだけですよ。 人間界ではほぼ唯一の血縁ですからね」
「咲魔さん、いかがですか、冷たくてさっぱりしていますよ」
「おお、ありがとう」
 黒井から出来上がった鰹の叩きを受け取る聡一。
「ふぐふぐ、冷たい鰹に紫蘇とレモンが実に良く合うね!」
「よかった。 お酒はいかがです、よく合いますよ」
「お酒か、年齢的には飲めるんだけど、僕は飲むより食う派なんだよね」
「では、田楽を」
 咲魔が鰹の叩きと阿蘇田楽数本を平らげた頃、簡易ステージにいたアコが物凄い勢いで走り込んできた。
 何故か、全身ずぶぬれだ。
「従兄様! 何をしていますの!?」
「阿蘇田楽をいただいているんだよ、アコちゃんも食べる?」
「頂きますわ――はふはふ――ってそれどころではありませんわ! サビの部分で炎焼スキルを使ってもらう段取りだったでしょう!」
 豆腐田楽を呑みこんでから叫ぶアコ。
「私がガソリンを被って、愚民どもヒートアップも最高潮でしたのに、肝心の火がなくては何にもなりません、単にガソリン臭くなっただけですわ!」
「ああもうサビだったんだ、演奏聞いていないから気付かなかった」
 鰹の叩きをもふぐふぐ食べながら答える聡一。
「なんですっけ!」
 当然、アコはキレる。
「こうなったら、別の方法でイカれたステージを表現してやりますわ!」
 ギターを振りかざし、聡一が用意した機材に叩きつけるアコ。
「ああ! 演劇部の機材がぁ!」
「機材を殺せと言ったのは従兄様ですわ!」
「だからそれは動かなくしろという」
「本当の意味で“動かなく”してやりますわ!」
 目の前で破壊されていく機材に、聡一は悲鳴をあげ続けた。

「悠人くんと言い、ひりょ君と言い、龍斗君といい、聡一君といい、久遠ヶ原の眼鏡男子は不憫なのだわ」
「そうですね」
 呟いた椿の後ろで、黒井はそっと眼鏡を外した。

 眼鏡男子じゃないのに、何となく不憫キャラっぽい藍那湊(jc0170)。
「熱いのに慣れるために、練習を兼ねて熱いものを食べるぞー……!」
 藍那は猫舌だった。
 料理をしている参加者は多いが、その中で藍那の一番近くにいたのは木嶋香里(jb7748)だった。
「ラッキー、香里さんって料理上手なんだよね」
 香里は学生ながら和風サロンを繁盛させており、料理の腕に関しては間違いがなかった。
「何か熱いもの下さいな」
「豚しゃぶ巻もあるけど、熱いものなら、ダイレクトに豚しゃぶなんかいかが?」

 二人が、向かった先は第二の炎だった。
「ここ誰もいないんだよね」
「そうですね、せっかく用意していただいたのに」
 ADが苦労して巨大鍋を用意し、火を絶やさぬよう汗だくで薪をくべ続けているのにも関わらず第二の炎には誰も近づこうとしていなかった。
 そこを利用してくれる香里を、ADは女神を見るような目で出迎えた。

「湯気が熱い、これは近づきたくないはずです」
 鉄板やキャンプファイヤーに比べてもとにかく蒸し暑い。
 誰も近づかない現状も頷ける。
「じゃあ湊さん、これをもってお好みでしゃぶしゃぶしてください」
 小鉢と豚肉、モヤシを渡す香里。
「うう、全身熱いな〜」
 藍那も撃退士。
 炎熱攻撃に耐えられないようでは、戦場は務まらなかっただろう。
 勇気と忍耐を以てすれば、しゃぶしゃぶくらい出来るのだ!
「アホ毛が湯気で変な方向にカールしたけど、しゃぶしゃぶ出来た」
 小鉢にとった豚肉を箸で口元に寄せる。
 TVカメラに向かって、覚悟の台詞を吐く。
「男・藍那 湊。氷よりもクールに、炎よりも熱い魂を見せてやる!」
 が、唇に豚肉の熱が近づいてくると慌てて離す。
「やっぱり、いきなりはこわい!」
 炎に全身を焼かれるのには耐えられても、出来立てほかほかのものを口に入れる事が出来ないのが藍那だった。
「少し冷まそう」
 氷結晶で氷を作り小鉢に入れる。
「冷しゃぶもアリですよ」
「ちょ、あつ……熱い!」
 氷で冷やしても,
なお熱がる、子猫にすら見下されるレベルの猫舌だった。
「冷たい水を!」
 保冷バックに入れておいたボトルを取り出し、ラッパ飲みする。
 一口飲んで、むせる。
「げほごほっ、脂っこい!? これまさか」
 こんなものを持ち歩いているのは、ローニア レグルス(jc1480)しかいない。

「とりあえず一杯はオリーブオイル、最後のシメもオリーブオイル、夏バテにはオリーブオイルだ」
 ローニアは、カメラに向かって、オリーブオイルの原液をがぶ飲みしている。
「はあ、CMの仕事とか来るといいですね……」
 カメラマンは半ば引き気味だ
 見ているだけで血がドロドロになって、血管が詰まりそうである。
「ふむ、ではそろそろ食事にするか」
 巨大過ぎて余ってしまった蟹やら、浪風夫妻が釣った魚やらにオリーブオイルをかけて焼いていると、妙な事をしている面々がローニアの目に入った。

「何を焼いてもいいんだな? だったら、俺が燃やすのはコレだぁ!」
 冒頭にも登場した米食い男、鐘田がカメラ向かって一冊のノートを差し出していた。
「こいつには、俺の恥ずかしい出来事や久遠ヶ原に来てからの黒歴史がビッシリ書き記されている。 こういうモンは燃やして証拠隠滅だ!」
 黒歴史ノートを炎に向かってポイッと投げる鐘田。
「さらば、忌まわしき思い出よ!」
 鐘田が清々しい顔で叫んだ時だった。
 背後から、高速で金色の影が飛んできた。
「おっと、そんな面白そうなもの燃やすとはもったいないぜ!」
 ペンギン帽子の少女、ラファル A ユーティライネン(jb4620)だ。
 ラファルは火に飛び込む寸前のノートを空中で掴みとった。
「いただき! 中身を見てやるぜ!」
 だが、速度をあげ過ぎたがゆえ、ラファルは停止が間に合わない。
「うわっ、しまった」
そのまま、炎の中に向かっていく。
「ばかめ! 俺の黒歴史とともに燃えてしまえ!」

 ラファルの四肢は機械である。
 天魔に襲われ、生身を失ったのだ。
 機械は熱に弱い。
(くそ、ブレーキが間に合わねえ、こうなったら!)
 ラファルは、炎の前でブレーキするのを諦めた。
 逆にアクセルを全開にした!
(裸足で熾火の上を歩く奴がいるよな! だったら!)
 巨大な炎の中を、熱が伝わる前に駆け抜ける!
「やったぜ、出来るもんだな!」
 炎を抜けて調子に乗ったラファル。
 奪った鐘田の黒歴史ノートを広げると、カメラに向かって声に出して読み上げた。
「なになに“また女子に踏まれる夢を見た、依頼で女子三人に踏んずけられてから度々だ。 悪夢なのに朝起きた時には顔がにやけていた。 俺は目覚めてしまったのだろうか”――けけけっ、こりゃ確かに燃やしたくなるぜ!」

「まてー! ノート返せ!」
 鐘田が追いかけても、ラファルは速度をあげて炎に飛び込み炎の向こうへ駆け抜けてしまう。
 そして逃げ切ると、黒歴史ノートの中身をカメラに向かって読み上げるのだ。
 洗いざらいを暴露された鐘田の目が、妙に座ってきた。
「もはやこれまでだ。 ノートが燃やせないなら、俺を燃やす!」
 驚いた局員たちが止めに入ったが、鐘田の巨体はそれを振り払って突き進む
「ええい、止めてくれるな!」
 炎に向かう鐘田。
 だが、自殺願望があったわけではない。
 偶然そばに落ちていた保冷バックから、呑み残しボトルを取り出し、秘かに頭にかぶっておいたのだ。
 江戸の火消も、火の中に飛び込む時に行った断熱策である。
 ラファルは鐘田が、火の中に飛び込めないと思っている。
 その意表をついて、ノートを取り戻すのだ!
「調子に乗るのもそこまでだ!」
 鐘田がラファルを追って炎に飛び込んだ瞬間、水を被って耐性を付けたはずの鐘田の体が、何故か激しく燃え上がった。
「なっ!? うがあ!」

「俺のオリーブオイルを頭からかぶりやがって、このこの!」
 香ばしく焼けた鐘田をローニアが蹴りつけている。
 文字通りの死体蹴りである。
 鐘田が被ったのは、水ではなくローニアが藍那の保冷バックで勝手に冷やしておいたオリーブオイル。
 油だから当然、派手に燃えた。
 鐘田は焼けた体を痙攣させている。
「……男に蹴られても嬉しくない、俺はまだ正常だ」
 鐘田も眼鏡男子、不憫一族の宿命からは逃れられなかった。

 撮影を終え、カメラの前を去っていく撃退士たちの顔は、一様に輝き、眼光逞しくなっていた。
 大きな戦いはまだ序章を終えたばかり。
 だが太陽と炎から採りこんだ情熱を以て、きっとどんな困難も焼き尽くしてくれる事だろう。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: いつか道標に・鐘田将太郎(ja0114)
 伝説の撃退士・雪室 チルル(ja0220)
 紡ぎゆく奏の絆 ・水無瀬 快晴(jb0745)
 ペンギン帽子の・ラファル A ユーティライネン(jb4620)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
 和風サロン『椿』女将・木嶋香里(jb7748)
 焔潰えぬ番長魂・天王寺千里(jc0392)
 鋼鉄アイドルSGB006・咲魔 アコ(jc1188)
重体: いつか道標に・鐘田将太郎(ja0114)
   <黒歴史に燃ゆ>という理由により『重体』となる
面白かった!:15人

いつか道標に・
鐘田将太郎(ja0114)

大学部6年4組 男 阿修羅
伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
蒼き覇者リュウセイガー・
雪ノ下・正太郎(ja0343)

大学部2年1組 男 阿修羅
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
心の盾は砕けない・
翡翠 雪(ja6883)

卒業 女 アストラルヴァンガード
盾と歩む修羅・
翡翠 龍斗(ja7594)

卒業 男 阿修羅
遥かな高みを目指す者・
ダナ・ユスティール(ja8221)

大学部8年260組 女 阿修羅
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
鉄壁の守護者達・
黒井 明斗(jb0525)

高等部3年1組 男 アストラルヴァンガード
紡ぎゆく奏の絆 ・
水無瀬 快晴(jb0745)

卒業 男 ナイトウォーカー
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
心に千の輝きを・
エミリオ・ヴィオーネ(jb6195)

大学部3年106組 男 アカシックレコーダー:タイプB
愛する者・
華澄・エルシャン・御影(jb6365)

卒業 女 ルインズブレイド
揺れぬ覚悟・
神谷春樹(jb7335)

大学部3年1組 男 インフィルトレイター
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
圧し折れぬ者・
九鬼 龍磨(jb8028)

卒業 男 ディバインナイト
そして時は動き出す・
咲魔 聡一(jb9491)

大学部2年4組 男 アカシックレコーダー:タイプB
蒼色の情熱・
大空 湊(jc0170)

大学部2年5組 男 アカシックレコーダー:タイプA
焔潰えぬ番長魂・
天王寺千里(jc0392)

大学部7年319組 女 阿修羅
鋼鉄アイドルSGB006・
咲魔 アコ(jc1188)

大学部1年61組 女 ナイトウォーカー
オリーブオイル寄こせ・
ローニア レグルス(jc1480)

高等部3年1組 男 ナイトウォーカー
もふもふコレクター・
シェリー・アルマス(jc1667)

大学部1年197組 女 アストラルヴァンガード