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マスター:スタジオI
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/07/18


みんなの思い出



オープニング


 海は巨大な宝箱である。
 魚貝の珍味、真珠や珊瑚、そして沈んでいった船に積まれていた秘宝。
 様々な宝が、重い海水の蓋の下に隠されている。
 本日は、トレージャーハンターとなり、海に眠る無限の宝を掘り起こそうという企画。

「題して、海のトレハン大会〜!」
 某海岸でテンション高くマイクに叫ぶ椿。
 去年学園全体で似た名前の企画をやった気がするが、それとは全く関係ない。
 久遠ヶ原ケーブルTVの独自企画である。
「今回は、学園生が海や海岸に散らばり一つずつお宝をゲットして、その価値を競うという大会なのだわ! 果たしてどんなお宝がとれるのか、地元の漁師さんたちに聞いてみるのだわ!」
 カメラさんを引きつれて海岸を歩く椿。
 去年は無人島に行っていて一回も水着を着られなかったが、今年はばっちりビキニだ!
 年甲斐もなく!

 カメラさんと共に、漁船で網の手入れをしている漁師さんの元に駆け付けマイクを向ける。
「漁師さん、この辺りでは何が捕れるのだわ?」
「何でも捕れるべ、魚も、貝も、海藻も、天然真珠もあるんだべ」
「真珠! 凄いのだわ!?」
「沈没船も沈んでいるはずだべ、江戸時代だか、いつだかに沈んだお宝積んだやつとか」
「マジで? 見付けたら億万長者なのだわ!」
「新しいとこだと、幕張だが晴海だかで夏と冬にやっている何とかいう薄い本祭りで買ったお宝を積んだクルーザーが、沈んだちゅう話も聞いたべ」
「……それも人によってはお宝なのだわ」
 そんな都合のいい海がどこにあるのかと追及してはいけない。
 とにかく、そういう海なのだ!
 漁師が椿の白ビキニに包まれたGカップをちらりと見た。
「――姉ちゃん見て思い出した! デカチチ鯨っちゅう幻の生き物を見た者がいるべ!」
「デカチチ鯨!?」
 鯨は御存じの通り哺乳類であるが、乳房は体の流線型を保つため、外見からはほぼ見えない。 つまりひんぬーである。
 だが、どんな生物にも突然変異は生じる。
 シロナガスクジラのその個体は爆乳なのだ!
 乳をゆっさゆっさ揺らしながら泳ぐクジラを、スキューバダイビングの客が何人も目撃している。
 だが、写真撮影に成功したものは誰もいないのだという。
「鯨は許可なくとったら犯罪だけども、写真なら問題ないべ。 ネットに流すだけで話題になるべ」
「なるほど、写真だけでもお宝になるのだわね。 学園生なら他にもいろんなお宝を見付けてくると思うのだわ。 私は海岸で楽しみに待っているのだわ」
 というわけで、キミなりの“海の宝”を見付けて海岸に持ち帰ってきて欲しい。
 審査員が認めたお宝にはMVPが送られる!


リプレイ本文


 開催当日早朝の海岸。
 陽波 透次(ja0280)は、トングを片手にゴミ拾いをしていた。
 花火客、海水浴客が残したゴミ、海から漂着するゴミ。
 海岸を綺麗にし、少しでも仲間を気持ちよく向かい入れられればと思っていた。
 昇りゆく朝日の元、清々しくトングを動かしていると、波打ち際に煌めくガラス瓶が目に入った
「ん、これは?」
 ボトルメールだった。
「話には聞いた事があるけど、本当に見付けるとは……」
 感慨に浸る陽波。
 遥か異国から流れ着いたのだろうか?
 ロマンに胸ときめかせながら蓋を開けて中身を取り出す。
 折りたたまれた手紙と、綺麗にラッピングされたキャンディのようなものが入っている。
 拙い英文で書かれた手紙。
 それを読んだ陽波は、目頭を熱くした。
「海の向こうに想いを同じく出来る人がいて、それを僕が拾おうとは」

“この中身は、私にとってとても大切な宝物だったものです。 ですが不運にもこんな姿になってしまいました。 切ない想いと共に海に流します。”

キャンディラッピングの中身は、陽波にもお馴染みの“クズ鉄”だった。 
「でもよく考えたら、これの送り主って」
ボトルメールだからといって、外国から届くとは限らない。

 数時間後、審査用のテントが開かれロケが始まった。
 テントの背後の海にはラッコが、ぷかぷかと浮かびながら石で貝を割り食べている。
 近づくと華麗なバタフライで逃げて、またすぐクロールで戻ってくる。
 たぶん、着ぐるみを着た鳳 静矢(ja3856)だろう。
 スタッフは放置したまま、撮影を続けた。

 テントからも見える距離に、浜辺の砂浜をせっせと集めて何かを作っている小さな女の子がいた。
 雫(ja1894)である。
 学園トップレベルの撃退士の一人だが、こうして砂遊びをしている姿は幼く、あどけない。
「雫ちゃんも小さな女の子なのだわね」
「娘の小さい頃を思い出すんだな」
 やがて雫が、トテテと駆けてきた。
「出来ました、持てる力と知識を駆使して作ったモンサンミッシェルです!」
 フランスの有名な修道院を、砂で再現しようとしたものがそこにあった。
「完璧とは行かないけど、頑張った感はあるんだな」
「何より、小さな体で一生懸命な姿に和んだのだわ」
 審査員たちが微笑ましげに審査していると、雫がいきなり闘気を解放した。
「えい!」
三日月形の破壊エネルギーが雫から放たれ、せっかく作ったモンサンミッシェルを粉々に破壊する。
「何をするのだわ、雫ちゃん」
「地すり残月です(ドヤァ」
「せっかく作ったのに!?」
 驚く審査員たちだが、雫はすっきりした顔をしている。
「癖になりそうな爽快感です」
 砂の修道院を、再び一から作り始める雫。
 出来た瞬間、破壊するために、汗水垂らして創るのだ。 
「壊れているのは、雫ちゃんなのだわ」

 同じく海岸で砂の城を作っていたのはエイルズレトラ マステリオ(ja2224)。
「お宝ですか。 適当に砂でお城でも作って、お茶を濁しますかねえ」
 三十分も立つと、興が乗り出す。
「あ、やばい、これ楽しい」
 気が付くと、長い長い壁が出来ていた。
「万里の長城も、城と言えば城ですからねえ」
 なんと砂浜の端から端まで砂の壁を作ろうと無謀な目標を立て始めるエイルズ。
 ところが建設中の長城が突然、粉々に砕かれた。
 雫である
 地すり残月は貫通力があるので、モンサンミシェルの巻き添えになったのだ。
 烈火の如く怒り、抗議するエイルズ。
 一頻り怒り終ると、またすぐに黙々と長城の建設を始める。
「エイルズ君、無理しないで少し休憩した方がいいんだな」
「集中しているんで話しかけないで下さい、カメラも止めてください! 大会とか放棄します!」
 雫と同じくらい壊れているエイルズ。
 久遠ヶ原学園は、青少年の精神育成に良くない。


 宝の在処を海底に求める者たちもいる。
 千葉 真一(ja0070)は海中用カメラを持って潜水していた。
 目指す宝は“額縁に入れておきたい一枚”
 生涯の思い出に残るベストショットである。
 海の中を一人、泳ぐ。
 陽光に照らされた海水は蕩かしたサファイアのように煌めき、時にシャッターを切る事さえ忘れさせる。
 陶酔を覚えるほどの蒼さだった。

 海からあがり、カメラをチェックする。
「――こんなもんか」
 肉眼で見た時は、恍惚すらした海の景色が、デジカメで撮影した画像を見ると色あせて思えた。
「はデジタル化した記号だもんな。 大自然の産んだ芸術は、人の智慧では再現出来ないって事だ」
 ややがっかりしつつも、海底で撮った貝を七輪に乗せる。
 いぶして開いた貝殻の中にバターを入れ、醤油を一滴。
 ぐつぐつ煮立つ貝の身を、殻に直接歯をつけてちゅるっとこそぎ取る。
「うんめー!」
 その瞬間、ばしゃりとシャッターを切る音。
「誰だ?」
 背後から盗撮してきたのは、茶色のウェットスーツに黒のブーメランパンツを履いた二本足で歩く馬だった。
 金鞍 馬頭鬼(ja2735)だ。
「ヒヒヒッーン!」
 嬉しげに嘶きつつ馬は、今撮影した千葉の写真を見せてきた。
「――いい写真じゃねえか」
 画像の中で千葉は、実に幸せそうな笑顔を浮かべている。
 これこそ海がくれた、ベストショットだった。

「やっぱり宝物といえば沈没船に限るわね!」
 そう言い、海に潜った雪室 チルル(ja0220)。
 やがて、海底に鎮座する沈没船が現れた。
 扉をいつも通り力づくでぶっこわし、瓦礫をぶん投げて船の奥へと進む。
 脳筋こそがチルル流!
 船の最深部、そこにチルルはでっかい宝箱を見付けた。
「やったー! お宝ゲットなのよ! さいきょーのトレージャーハンターの名はあたいのものなのよー!」
 喜んだその時、宝箱の陰から小さな影が現れた。
「残念ねぇ♪ 一足遅かったわぁ……♪ 私が先にみつけたのよぉ……♪」
 黒百合(ja0422)である。
 脳筋進行なチルルとは違い、物質透過でスマートにここまでやってきていたのだ。
 海水を透過してしまえば地上移動と変わらない。 
 脳筋とは対照的な頭脳プレイ!
「そ、そんなさいきょーのあたいがさいきょーのお宝をゲット出来ないなんて」
 ショックで、歯の根をガクガク言わせるチルル。
「そうよ! こいつは偽物よ! ミミックなのよ!」
 パニックを起こす。
「あはぁ♪ ミミックなんかいるはずが……」
 笑う黒百合だが、
「宝箱は赤く輝いているのよーーっ!」
 逆上のチルル、ありったけの攻撃スキルを連発し始める。

「ミミックを倒したのよ!」
 宝箱はおろか、船ごと爆破し自慢げなチルル。
「もう、めちゃくちゃねえ……」
 破壊された宝箱。
 黒百合は、その中身を見たが何も入っていなかった。
「あらぁ?」

 腰にロープを巻いた男が、海上の船から降りてきた。
 ローニア レグルス(jc1480)である。
「沈没船か……すると燃料があるかもしれんな 人界には石油タンカーというものがあると聞いた……オリーブオイルタンカーなるものもあるかもしれん」
 オリーブオイルを愛飲するという、血管イジメな趣向を持つローニア。 ズレた価値観で船捜しをしていた。
「なんだこれは?」
 海底の破壊された船の残骸の中に、大きな宝箱を見つける。
 そこに一足遅れてチルルが駆けつけた。
「お宝……またしても、先を越されるなんて」
 屈辱に涙を滲ませるチルル。
 だがローニアには興味がない。
「この船はオリーブオイルタンカーではなかったようだな、こんなものはいらん」
「え? じゃあ、あたいが貰っていい?」
「好きにしろ。 ……燃料切れが近い、補給せねば」
 魚群に近づき、魔具の槍で滅多刺しにし始める。
 要は腹が減ったのだ。

 審査テントで二人は宝箱を開ける事にした。
 派手な宝箱の登場に、ラッコ鳳も海上からこちらをガン見している。
「大判小判がザクザクなのよ〜!」
「私の宝箱壊したんだから、出てきたものは二人で山分けよぉ♪」
 チルルも黒百合もワクテカ顔で宝箱を開ける。
 そこに入っていたのは、
「乳?」
「乳なのよ!?」
 牛皮に包まれた人間の乳房そのもの。 ぼよよ〜んと収納されていた。
「乳は浪漫であり、世界の宝なんだな!――なんだけど」
「あたいわかった! これ付けたら巨乳になれるのよ!」
「そうかしらぁ……?」
 この宝の謎を解くためには、数時間を遡らねばならない。

 袋井 雅人(jb1469)はナンパをしていた。
「そこのビキニの似合うお姉さん、俺とちょっとお話してみませんか?」
 恋人の月乃宮 恋音(jb1221)と一緒に来たのだが、それでもこの調子である。
 袋井には、浮気をしている後ろめたさがない。
 恋音がその巨大な胸に相応しい抱擁力の持ち主のため、本能の赴くままに生きているのだ。

 その恋音は、塩づくりに専念していた。
「……おぉ……結構大変なのですよぉ……」
 海水をフィルタでろ過したり、杓文字でかき混ぜつつ煮詰めたり、天日に干したりと中々、手間のいる作業である。
 しかし塩は人間が生きて行くのに必ず必要なもの。
 海がもたらす宝であると言えた。
「そこのおっぱいちゃん何してんの? 」
 声をかけられ振り向くと、いかにもなチャラ男集団、
「……おぉ……塩づくりですぅ……(ふるふる)……」
 ホルスタイン柄のビキニに包まれた乳が、激震する
「塩なんかスーパーで売ってるよ」
「買ってあげるから俺らの車に乗りなよ」
 恋音は袋井に助けを求めようとしたが、姿がない。
 袋井を探して、逃げ回る恋音。
 だが男どもも、しつこく追ってくる。
(困りましたぁ……どこか隠れる場所はぁ……)
 ふと、岩場の陰に何かを見付ける。
 久遠ヶ原ケーブルTVの機材置き場だ。
 様々な機材とともに、撮影用の小道具と思しき空の宝箱が二つあった。
(……おぉ……あの中に隠れさせてもらいましょう……)
 大きい方の宝箱に隠れて蓋を閉じる恋音。
 だが、ナンパ男たちのおっぱいに対する執念は凄まじく、なかなか近くから気配が消えてくれない。
 十分、二十分……。
 慣れない作業の疲れもあり、恋音はうとうとと眠りこけてしまった。
 
 数分後、番組スタッフが宝箱を運び始めた、
「これ二つとも沈めるんですか?」
「ダミーの宝箱を出演者がドヤ顔で持って来たら番組的に美味しいだろ? この辺りは沈没船が多いから適当な場所に隠しておくんだ」
 そして宝箱は、恋音ごと海に沈められた。

「……おぉ……うっかり眠ってしまいましたぁ……でもここは一体!?」
 恋音が目を覚ましたのは、審査員テント。
 ぎょっとした顔が目の前に並んでいる。
「おっぱいが喋ったのよ!?」
「気付かなかったわぁ……乳以外も入っていたのねぇ、お得じゃなぁい♪」
「……おぉ……乳が本体なわけではないのですよぉ……(ふるふる)……」
 爆乳インパクトが大き過ぎて、他が認識されていなかった。

「恋音ちゃん? 一体何をしていたのだわ?」
「……塩造りをぉ……そろそろ天日干しが終った頃ですねぇ……」

 完成した塩を回収してくる恋音。
 ローニアが採取した魚貝や、持参のスイカにかけて皆に振舞う。
「ふむ、塩気を効かせたオリーブオイルも旨いな」
 満足げなローニア。
「見た目も味もいろいろねぇ♪」
「はい……海水を採取した位置によって塩の味が違うのですよぉ……」
 恋音は、答えてからふと心配そうな顔をする。
「……袋井先輩……魚採りを頼んでおいたんですが、今どちらでしょうかぁ……」

 ラファル A ユーティライネン(jb4620)は、想いを胸に海中を泳いでいた。
「こんなところに来られる日が来るなんて……なー」
 ラファルの手足は義肢である。
 天魔に襲われ、著しく欠損した肉体を機械で補完したのだ。
 そのため、もう海には近づく事すら出来ないと思っていた。
 だが、今年になって新たな義肢が支給された。
 最長二十分の遊泳が可能という高性能だ。
「ただ、見た目がダサいのが欠点なんだよなぁ……」
 そこで今は、変化の術でビキニ姿の美少女になっている。
 普通の少女としては泳げない自分を少し、切なく思う。
(しょうがねえよな……)
 その時、ラファルを海中でけん引していた召喚獣・ストレイシオンが怯えたように身をよじらせた。
「どうした? ……あれは!」
 見えるか見えないかの距離に、海中を泳ぐ巨大な生物。
「噂のデカチチ鯨か? お宝いただき!」
 急いで写真をとろうとした、その時だった。
(義肢が動かねえ!?)
 ラファルの泳ぎを支える四肢が突然、動かなくなった。
 ストレイシオンの手綱を握る手も離れてしまう。
(制限時間にはまだ早いはず? まさか、理論上の制限時間と使用状態で差が……)
 スマホなどもそうだがバッテリーは、カタログスペックほど持たない事がほとんどである。
(畜生、こんなところで……)
 動けないラファルは海に飲み込まれていった。

「この海は魚介類の量も種類も豊富ですねー」
 袋井は、浅瀬での魚取りをしていた。
 他の女の子も大好きだが、一番見たいのは恋音の喜ぶ顔なのだ。
「美少女の水着を見ながら採りたいんですが、人が集まるところに魚はいないんですよね、ジレンマです」
 餓え気味に辺りを見回していると、その眼鏡が仰向けで漂う美少女を映した、

「俺は……なんでここに?」
 ラファルが目を覚ましたのは審査員のテントだった。
「……おぉ……先輩、目を覚ましましたねぇ……」
「ハハハッ、魚を採っていたら美少女が採れちゃいました、今日はラッキーです!」
 袋井と恋音がいつもの笑顔で笑っていた
 袋井の女好きが、結果的にラファルの命を救ったのだ。
 スポーツドリンクを受け取った時、ラファルは、自分の手が水中用義肢に戻っている事に気付いた。
 変化の術は解けていた。
「やれやれ、ダサい姿見られちまったな」
 苦笑するラファル。
 口にはしないが気付いていた。
 自分の宝は鯨の写真でも新たな義肢でもなく、仲間と、仲間に救ってもらった己の命である事に。


「お忙しいところ失礼いたします。私は久遠ヶ原学園のエルムと申します」
 小麦色の肌の少女エルム(ja6475)は、出港準備をしている漁師たちに挨拶をした。
「半日仕事の手伝いをするので、なにか魚介類を分けてもらえませんか?」
 急な申し出に、困惑している漁師たちに必死に自己アピールするエルム。
「こうみえて、けっこうパワーはあります」

 出航。
 エルムに与えられたのは、天魔が襲ってきた場合に備えての船の警護だった。
 この船の漁は特殊な技術がいるらしく、エルムが出来そうなのは警護くらいしかないという。
「至って波も穏やか、空には染み一つ見えませんね。 こんな平和な海でも天魔に襲われる危険があるという事ですか」
「俺は五十年、毎日この海に出ているが、ただの一度もない」
 つまりエルムは、不要人員らしい。
「気にすんな! 姉ちゃんは船首の女神像、魔除けみたいなもんさ」
 船長がそう笑った時だった。
「わぁ! 馬怪人だ〜!」
「シーホースが出たぞ!」
 海水浴客を馬の怪人が襲っていた。
 エルムは魔具の天狼牙突を活性化し、馬怪人に斬撃を浴びせた。
「やッッ!」
 馬怪人は海中に沈んだ。

「いやー、大したもんだ」
「まさに幸運の女神だ」
 漁師のおっちゃんたちにちやほやされ、海の男の料理を御馳走になり、帰りには釣れた魚をたっぷりもらうエルム。
 ちょっとした英雄気分である。
「予想以上に上手くいきました、どこかから幸運を吸い取ったような気分です」

「うう、どうも幸運に見はなされています」
 エルムに斬られかけたのは天魔に非ず、馬頭鬼だった。
 千葉と別れた後、海に出た。
 みんなの笑顔を撮ってそれを宝物にしようと思っていた。
 だが、ツキがない
 先日、幸運のお守りである蹄鉄を割ってしまったせいかもしれない。
 海岸をトボトボ歩いていると、妙な屋台を見つけた。

【サザエのつぼ焼き五百久遠 魚型サーバントの天ぷら百久遠 当たり付き饅頭十久遠】

「魚型サーバントの天ぷらというのは……」
 屋台の主、逢見仙也(jc1616)に恐る恐る尋ねる。
 サーバントは食べられない。
「ネーミング以外は普通の魚だ、似たような露店が多いからな。 売れるように差別化したんだ」
 変わった人だ、と二本足で歩く馬は思った。
「当たり付き饅頭は何が当たるんですか?」
「お宝や食中毒菌等様々なものだ」
 心底、変な人に関わってしまった。
(これも、蹄鉄の報いですかねえ)
 馬が嘆息していると、逢見も溜息をついた。
「さっぱり売れん、こんな事ならデカチチ鯨探しに専念すればよかったぜ」
 本当は鯨を探しつつ、海鮮系露店もやりたかったらしい逢見。
 途中で手を広げ過ぎた事を感じ、露店に専念しているらしい。
「お馬さんは何を?」
「私は一日の笑顔をまとめて、宝物として提出しようと考えています」
「笑顔ねえ――こんなんでどうだ?」
 カメラ目線で笑ってくれる逢見。
「どうも……でも、なんか、違うんですよ」
 さきほどの千葉の笑顔には到底及ばなかった。
「そうだ、美味しい物を食べさせてくれれば、私が笑顔になるかもしれません」
「おう、それならとっておきを出してやるぜ!」
 逢見が採り出したのは、人の頭ほどもありそうな巻貝。
 どう見ても、美味しそうではない。
「見た目からして大味っぽいんですが」
「こいつを食えってわけじゃねえ――こうして」
 貝をくり抜き、中を洗浄し、材料を入れて、火にかける。
 逢見が作ったのは、貝の中でぐつぐつに煮えた海鮮うどんだった。

「んまー!」
 馬頭鬼はマスクをとって、貝殻の中身を夢中で喰った。
「ぷっはー! 美味しかったです! 御馳走様でした」
 完食してから馬は、食べている時の自分の笑顔を撮り忘れた事に気付いた。
(しまった、つい夢中に)
 その時、絶好の被写体が目の前に現れた。
「そうか旨かったか、良かったぜ」
 作った料理を美味しく食べて貰って、嬉しそうな料理人・逢見の笑顔をパシャリ。
 この日、撮った笑顔の中で、一際輝く一枚となった。 

「アシュ! 桜貝! 桜貝探そう!」
「エリ、足元危ないよ!」
 小学三年生の神谷愛莉(jb5345)は幼馴染の礼野 明日夢(jb5590)を引っ張って、宝捜しに来ていた
 愛梨は、桜貝のアクセサリーが欲しいらしい。
 昔、アクセサリーを羨ましそうに見ていたのを明日夢は覚えている。
「もう少し静かに探せ」
 明日夢の姉で保護者役の礼野智美(ja3600)は岩場で釣り糸を垂らしている。
 智美の狙いは鯵。
 塩焼きとお刺身にして食べるのだという。
「俺の目と声が届く範囲で、静かに魚が逃げないように探せ」
「そんなのつまんないよ」
「おかずが釣れないと、わびしいお弁当タイムになってしまうぞ」
 釣れる事を当てにして、実は塩むすびしか持ってきていない。
 そして、こういう時の定番パターンとして……。
「釣れん」
 智美はボウズ記録を毎秒ごとに更新していた。
「こうなれば、皆で素潜りだ!」
「魚は無理だけど、僕も貝なら拾えるかな」
「桜貝あるかも!」
 三人はゴムボートで沖に出て、慣れない素潜り漁に挑戦した。

「ふう」
「海、綺麗だったね〜」
「腹減った……」
 海から元の岩場に戻った三人。 
 だが、
「貝すらいないなんて……」
 非常に運が悪く、魚も貝も取れなかった。
「もう一回潜る?」
「もう無理だ、腹ペコで動けん」
 大の字になって延びる智美。
「しょうがないかぁ」
 明日夢が溜息をついて、バッグから塩むすびを取り出す。
 三人でわびしい昼食を開始しようとした時だった。
「あそこ! 貝だよ!」
 引き潮で出現した浅瀬に、貝溜まりを愛莉が見付けた。
「あんな近くに? 沖に出たのは何だったんだ」
 徒労感に目を眩ませる智美。
 愛莉は浅瀬に駆け寄る。
「アシュこれ桜貝だよ! ペンダントにして!」
 一方、明日夢は貝溜まりにあった、もう一種類の貝をナイフでこじ開けている。
「もしかして、これ――えい!」
 貝の中には、白い球が入っていた。
「ねえ、これ!」
「多分真珠の一種だな。真珠の原理は貝が不純物を自分の分泌物で包む事だから。 変形だし色付きだけど滅多に見つかるもんじゃないぞ」
「やったー! お宝いっぱいだー!」
 豪勢な気分に浸る三人。
 ただし――。
「この真珠貝も桜貝も食べられないんだよね」
 食事は塩むすびだけだった。

(死後の世界との境界線、未来との境界線、夢の世界との境界線――不可視境界線を探しに行こう)
 ロマンチックな思いを胸に抱くのはスクールアイドル、川澄文歌(jb7507)。
(本当は恋人と来たかったんだけどな)
 淋しさに親しみつつ白い砂浜を歩いていると、ゆるトップスを身に着けた少女が目にとまった。
 海岸に漂着する流木などを、せっせと集めては何かを作っている。
 文歌が歩み寄るとその少女――柊 悠(jb0830)は、ほわほわとした笑顔を浮かべながら話しかけてきた。
「海っていろんな宝物があるんですね〜」
「そうだね、本当に大きな宝箱だね」
 悠の笑顔に思わす表情を崩す文歌。
「宝探し?」
「はい、私の目当てはずばり、漂流物……! 長い間海水に入ってた流木は腐りにくし殺菌されてるしで、インテリアになるんです! 邪魔になったら解体してお風呂の燃料に!」
 文歌の問いかけに、悠は力説した。

 文歌は不可視境界線を探しがてら、悠の流木集めを手伝った。
「出来ました」
 ふむーっと満足げな顔をする悠。
 だが、流木で作った人形が何を現しているのかすら文歌には見当が付かない
「これが宝物です! 審査が終わったら、今日一緒に来る予定だった友達へのお土産にします」
「あら、こられなくなっちゃったんですか?」
「はい、急用で」
 寂しそうな笑顔の悠。
(私と同じだね)
 文歌は悠と同じ笑顔を浮かべた。

 その後も文歌と悠は、一緒に海岸で宝物探しをした。
 悠は瑪瑙を探して、友達と揃いのイヤリングを作りたいらしい。
(不可視境界線、どこにあるんだろう?)
 文歌も見た事がないし、手がかりすらない。
 半ば諦めかけながら砂浜を彷徨っていると、文歌の右目が琥珀色に光った。
 足元を見ると、綺麗な巻貝の殻が落ちている。
「あれ、この貝殻……」
 貝殻を耳にあてる。
 海の音に混じって、何かが聞こえてくる気がした。
(これは……歌声? 聴いたことはないのにどこか懐かしいような……)
 その歌声の主に文歌は思い当たった。
(……かなで、なの?)
 それは、文歌と恋人が幾度か夢に見た、未来に生まれるであろう娘の名だった。
 意識が、貝の中に吸い込まれるような感覚に包まれた時だった。
「文歌さ〜ん! 瑪瑙見付けましたよ〜」
 悠の嬉しそうな声。
 文歌は我に返る。
「ふふ、この小さな貝殻の奥に無限の可能性が広がっているんだね……」
 文歌は何の変哲もない、この貝殻を宝物として持ち帰る事にした。
 未来の娘を共有する恋人の元へ。


 番組のトリは、視聴者の関心も高いデカチチ鯨探し。
 アイリス・レイバルド(jb1510)は、それに乗り出す一人だ。
「突然変異種、淑女的に観察開始だ」
 金髪の美少女だが、無表情で観察狂の変人である。
 酸素ボンベ代わりのペットボトルを手に、海に飛び込もうとする。
「待って、アイリスちゃん」
 白ビキニの椿が、黒ビキニのアイリスを止めた。
「泳いで行くとか無謀なのだわ。 局が鯨探し用に用意した船があるの、私も乗るから一緒に行きましょう」
「いや、遠慮しよう、泳ぎは鍛錬にいい」
 どぼーんと海にダイブするアイリス。
「大丈夫なのだわ?」
 椿は不安に思いながらも船に向かった。

「黒井くん、ミハイルさん、お招きありがとー!」
 出港準備の出来た船内では黒井 明斗(jb0525)とミハイル・エッカート(jb0544)が待っていた。
「あ! 四ノ宮さん来て下さったんですか!」
「ビキニ姿、三十歳とは思えない若々しさだぜ?」

 歓迎されている椿だが、それを見て船内で舌打ちをしている者がいた。
「ちぇ、せっかく“男同士、船内、何も起きないはずがなく“になると思ったのに」
ペルル・ロゼ・グラス(jc0873)。
 彼女は“薄い本のネタ”を探して海岸で隠し撮りやり観察やらと奔走していた腐女子だ。
 だが、いくら探してもポロリもなければ、男×男というシチュも見つからなかった。
 そんな折、船に乗り込む黒井とミハイルの姿を見付けてしまった。
 腐り切っているペルルは美少年と美青年の愛の営みに期待し、透過を利用して密航したのだ。
 果たしてペルルの期待しているような事は起きるのか?
 危険な航海が始まろうとしていた。

 出航から数時間。
 船はある海域で停まった。
「ここにオキアミを撒けばいいのだわ?」
 鯨の好物であるオキアミ、それを冷凍にしたものを用意したのは、黒井。
「この辺りにはオキアミ等を食べる小魚が多いと海鳥もいます。 鯨と出会う可能性も高いと思うのです――それと」
 ICレコーダーを取り出す黒井。
「こないだTVで流れていたので、録音しました」
「これ鯨の声? 仲間がいると思わせる作戦なのだわね」
「ええ、まあ」
 なんだかモジモジしている黒井。
 録音したのが、いわゆる交尾の時の声だとは、白ビキニ姿のGカップお姉さんには言えなかった。

 さらに数時間後。
 澄んだ海の下に現れた巨大な影が現れた。
「なんて大きさ、この姿から数々のUMAが想像されたわけです」
 シロナガスクジラは、まさに移動する海底山脈だ。
「暴れられたらこんな小舟一たまりもねえぞ」
 甲板で喉を鳴らす黒井とミハイル。
 だが鯨をおびき寄せたといっても、これがその個体かどうかはわからない。
 鯨の乳房は腹の下にあるのだ。
 確認するには潜らなくてはならない。
「俺が、デカチチかどうか確かめてやる」
 どぼんと潜るミハイル――だが。
「がぼぼぼぼ、泳ぎづらい」
 三十男は、ご丁寧に鯨の着ぐるみを身に着けていた。
「さあ、鯨、仲間が来たぞ、寄って来い」
 呼びかけるが、一顧だにしない鯨。
「なぜだ――そうか、乳がなければ仲間じゃないのか! 椿、お前も降りて来い!」
「――さては、そのために私を呼んだのだわね!?」
 怒った椿、ミハイルの着ぐるみに着いていた命綱を手刀でバサッ!
「ばか、よせ!」
 問答無用である。
 海に沈んでゆくミハイル。
 着ぐるみが、水を含んでいたらしい。
「ミハイルさん!」
 黒井はミハイルを助けるため服を脱ぎ、海パン一つで海に飛び込んだ

 この様子を物影から見ていたペルル、ガッツポーズ。
(よし! この流れから人工呼吸! そこからはもう、男同士の熱い世界なの☆)
 他人をネタに勝手な妄想を繰り広げるペルル。
 その時だった。
「あ、あれは!」
 海中を泳いでいた鯨が突然飛び跳ねた!
 海上にいた、黒井とミハイルが飲みこまれていく。
 暗く底知れぬ鯨の口の中へと……。

 薄暗い空間。
「小型の鯨が皮を剥いたら中身は人間――ふむ、興味深い」
 アイリスは、発見した二人の男を見て首を傾げた
「アイリスじゃねえか」
「ここ、鯨の中ですよね」
 幸いにも気絶せずに鯨に飲み込まれたミハイルと黒井は、辺りを見回す。
 巨大生物の胎内、暗く生暖かい空間だ。
「お前も食われたのか?」
「いや、スケッチしに来た。 ここへは透過で出入りしている」
 懐中電灯の明かりの元、アイリスは耐水ノートに何やら描きこんでいる。
 ノートには、正視に耐えかねるようなグロテスクスケッチが描かれていた。
 今実際に、そのグロテスク空間にいるのだ。
「透過が使えない俺たちに脱出方法はあるのか?」
「当然だ、生物である以上、出るべき穴はある」

 数時間後、審査員テント。
「それは御苦労だったんだな」
 鯨の体内から脱出してきた黒井とミハイルは、事の顛末をげんなりとした顔で報告した。
「脱出した後、二人とも船のシャワー室に引きこもりましたよ」
「嫌な予感はしたが、やはり出る穴はあそこだったか」
 非情に苦労して、鯨から脱出した黒井とミハイル。
 透過で脱出したアイリスだけが、平然とした顔で審査員らにスケッチを見せている。
 内臓ばかりで、肝心のデカチチ鯨の外観が描かれていなかった。
「二人はシャワー室に籠り切って、互いの体の穢れを清め合ったの、ぐふふ☆」
 ペルルは鼻血を出しながら、ネタ帳をつけている。
「一緒の部屋に入ってたわけじゃねえよ! 俺たちを妄想ネタにするのはやめろ!」


 水平線の向こうに浮かぶ大きな夕日が、海をワイン色に染めている。
「これで審査がほぼ終わりなんだな、あとはまだ砂壁を作っているエイルズくん――それと」
 朝から海に浮かび続けているラッコ男を見やるクレヨー先生。
「鳳くんは、宝探ししないんだな?」
 すると、ラッコ男が立ちあがった。
 上陸し、マジックボード付きの手持ち看板にこちらに向けてくる。
『私は通りすがりのラッコ』
『今まで見ていたけど皆素晴らしい宝ばかりだ』
『けれど一番の宝はこれだけ海の宝探しに白熱した皆の海を愛する心だと思う』
『これからもその心を忘れないで欲しい!』
「キュゥ!」
 ラッコはこちらに手を振ると、一鳴きして海へと帰って行った。
「あれが我が校、トップクラスの撃退士の現状なんだな……」

 全員をテントに集め、MVPの発表がされる。
 まずは浪漫賞が三つ。
 陽波のボトルメール、悠の流木人形、文歌の境界線貝殻。
 コンセプト賞は馬頭鬼の写真。 今日一日の笑顔という着眼点が秀逸。
 そしてデカチチ鯨探しに専念してくれた黒井、ミハイル、アイリスにも冒険賞が贈られる。
 最後に雫と鳳、この二人は“なんかいろいろ心配で賞”的な意味で受賞した。
 要はネタ枠である

 その夜。
 とうに人々が引き揚げ、静かになった海岸。
 満月の灯りの下でエイルズが独り、眠っていた。
 大会を完全無視して、万里の長城を造り続けていたのだ。
「むにゃむにゃ……やりましたよ、ダイヤ」
 ようやく完成した砂の長城。
 だが、満月の夜は満ち潮。 
 砂の城など、簡単にさらわれてしまう。
 迫りくる波は、疲れ果て眠るエイルズ自身をも連れ去ろうとしていた。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 未来へ・陽波 透次(ja0280)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 撃退士・金鞍 馬頭鬼(ja2735)
 撃退士・鳳 静矢(ja3856)
 鉄壁の守護者達・黒井 明斗(jb0525)
 Eternal Wing・ミハイル・エッカート(jb0544)
 未来導きし希求の召喚士・柊 悠(jb0830)
 深淵を開くもの・アイリス・レイバルド(jb1510)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
重体: −
面白かった!:11人

天拳絶闘ゴウライガ・
千葉 真一(ja0070)

大学部4年3組 男 阿修羅
伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
撃退士・
金鞍 馬頭鬼(ja2735)

大学部6年75組 男 アーティスト
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
穿剣・
エルム(ja6475)

卒業 女 阿修羅
春を運ぶ風・
フェリス・マイヤー(ja7872)

大学部3年220組 女 アストラルヴァンガード
鉄壁の守護者達・
黒井 明斗(jb0525)

高等部3年1組 男 アストラルヴァンガード
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
未来導きし希求の召喚士・
柊 悠(jb0830)

大学部2年266組 女 バハムートテイマー
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
深淵を開くもの・
アイリス・レイバルド(jb1510)

大学部4年147組 女 アストラルヴァンガード
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
リコのトモダチ・
神谷 愛莉(jb5345)

小等部6年1組 女 バハムートテイマー
リコのトモダチ・
礼野 明日夢(jb5590)

小等部6年3組 男 インフィルトレイター
ゴーストハント・
天海キッカ(jb5681)

大学部4年239組 女 ナイトウォーカー
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
┌(┌^o^)┐・
ペルル・ロゼ・グラス(jc0873)

高等部2年3組 女 陰陽師
オリーブオイル寄こせ・
ローニア レグルス(jc1480)

高等部3年1組 男 ナイトウォーカー
童の一種・
逢見仙也(jc1616)

卒業 男 ディバインナイト