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マスター:スタジオI
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:7人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/04/14


みんなの思い出



オープニング

※このシナリオはエイプリルフール・シナリオです。
 オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。


 ある日突然、久遠ヶ原学園の首脳陣全員が死亡した。
 暗殺や戦死ではない。
 前学園長・宝井正博(jz0036)が、
「学生たちがよくやっている闇鍋パーティというやつがあるね、あれを我々もやってみようではないか」
 などと言い出し、いいおっさんたちが色々持ち寄って闇鍋したところ、不幸にも全員死んでしまったのだ。
 持ち込まれたものに毒物は一切なかったようであるが、鍋に入れたものが奇跡的な化学反応を起こしてスパークしたのである。
 冥福を祈る。

 それはさておき問題は、今後、学園をどう運営していくかである。
 なにせ首脳陣全員、墓の下なのだ。
 だが、安心して欲しい。
 宝井学園長は、こんな時のために対策を用意してくれていた。
 あらかじめ認めてあった遺言状によると、万が一の際に、不慣れなものが集まってあーだこーだ会議を始めると、時間がかかりすぎるし、却っておかしなことになる。
 なので、ある一人の学生を新学園長として全権を委任すべしだということだ。
 ある一人の学生、そうそれがキミなのだ。
 なぜキミが選ばれたのか? 宝井学園長はもはや語る術を持たないので永遠の謎である。
 本日付で学園を自由に出来ることになったキミ。
 この学園をどう変え、どう動かしていくか。
 学生たちの将来は、キミの采配にかかっている!



リプレイ本文


 第一の世界で学園長に指名されたのは雁久良 霧依(jb0827)。
 マイクロビキニに、白衣を羽織っただけの姿で往来を闊歩する痴女である。
 なぜ彼女を後継指名したのか?
 この平行世界の宝井学園長は、ポンコツだったとしか思えない。

「久遠ヶ原ロリっ子学園化計画よ♪」
 霧依はまず、学生選考制度から改革した。
 在学して良いのは外見が十二歳以下の幼女だけ。
 見た目幼女なら、ひん剥いた結果“ついていても”合格。
 “だが、それがいい”とばかりに即合格。
「でしょうね」
 龍崎海(ja0565)が溜息をつく。
 “男の娘でない”という理由で放校処分にされた。
「“幼女大好き霧依さん”ですものね」
 桜井・L・瑞穂(ja0027)もわかり切っていたかのようにうなずく
 こちらは“育ち過ぎ”という理由で放校処分。
 優秀でも志があっても門を潜れない、超難関校になってしまった。

 霧依は今まで、バラバラだった学園生の住居をまとめ全寮制とした。
 さらには自分が、その巨大な寮の寮長も兼ねる。
 それらに関しては、行動の統一性、学生管理への情熱、コストダウン効果などから評価する声もあった。
 ただし、寮長になった霧依のやる事と言えば、寮のいたる場所に付けた監視カメラで幼女たちの入浴、着替え、トイレなどを眺めているだけ。
 教育者としての自覚は欠片も感じない。

 霧依の教育方針は意外にもスパルタだった。
 些細な事でも悪さしたら、自らの手でお仕置き。
「ニョロ子ちゃんおねしょしたわね♪ 廊下に立っていなさい♪」
「にょろ〜」
「普通に立つだけはお仕置きにならないわ♪ パンツ一枚でね♪」
「に、にょろろ〜ん!?」
 恥ずかしさで傷ついた幼女は心のケアの、自分の家にお泊りさせる。
 どういうケアの仕方は言わずもがな。
 こんなんで撃退士が育つわけもなく、この世界は無事に滅びたのであった。


 第二世界の学園長は黒百合(ja0422)。
 物騒な行為が目立つ、恐怖少女である。
 この世界の宝井学園長は、脅迫されて遺言を書かされたものと推察出来る。

「黒百合学園長が、こんなまともな処置をされるとは意外で御座いますが」
「納得出来る部分も大きいですね、何せ命あっての物種ですから」
 雪篠 愛良耶(jb7498)と只野黒子(ja0049)も驚く黒百合改革。
 それは撃退士と依頼にランク付けをする事だった。
 実力ランクに応じた依頼に入って貰うようにする事で、経験の浅い撃退士の安全性を確 保するようにしたのである。
「授業内容も実践重視にするわぁ♪ 経験の浅い子は、ベテランさんが指導してあげるようにしてねぇ♪」
「やったぁ! 初心そうな子を見付けて、えっちな依頼用に僕が訓練してあげなくちゃねぇ♪」
 好色天使・アムル・アムリタ・アールマティ(jb2503)は大歓喜しているがそういう意味ではない。

 またアウルや天魔に関する研究機関も設置し、天魔の技術を吸収、応用。
 特許を取得し、民間に流通させていく。
 同時に学生達への民間企業への就職斡旋も積極的に行い、希望者には民間企業への就職を重視した講義も実施する。
「戦うばかりが戦争じゃないのよねェ……目の前の事も重要だけど、戦後の事も考えて撃退士の次に活躍出来る土壌を作らないと戦争帰還兵みたいな末路になっちゃうしねェ…♪」

 ここに来て、学生たちの疑問が本格化し始める。
 学園長の性格の割に、改革がまとも過ぎるのだ。
 あと、学園が豪華になりすぎ。
 学食のそばやうどんの具に、フォアグラやトリュフが山盛り入っている。
「いくら何でも儲かりすぎじゃないですか、何か裏商売をしているとしか……」
 黒子の懸念は当たっていた。
 黒百合は開発したアウルや天魔の技術を軍需産業に横流ししていたのだ。
「いいじゃなぁい♪ ドンパチやってみんなで楽しく生きましょうよぉ♪」
 横流しがバレて、逮捕される黒百合学園長。
 こうして世界に平和が戻った。


 第三世界は宗教家の家系に育った少女、愛良耶が学園長。
「私が選ばれたのは“異優教”の教義が役に立つ可能性が高いと判断された為と思われますね、今後、徹底していきたく思います」
 宗教を基盤とした学校は古今無数にあり、そう珍しいものではない。
 とはいえ、抵抗があるものもいるのが事実。
 特に“異優教”は天魔が信仰対象だった頃の古い時代の流れをくむ宗教。
 それを敵視してきた学生たちの反発は凄まじい。

 方針発表直後から、気色ばんだ学生たちが武器を手に取り学園長室に押しかけてきた。
 愛良耶も落ち着きあるように見えて、まだ少女だ。
 動揺は隠せない。
「あ、あの、信仰心は強制されるものではなく、内から湧き出るものではあるので御座いますので」
「天魔を心の底から進行しろというのか!」
「いえ、信仰の対象は自由といたします、人間そのもの以外でしたら、自分の好きなものを信仰していただければ結構で御座います」
「自分の好きなものだと?」
 押しかけた学生たちが、学長室を見回す。
 彼らは、愛良耶の事務処理手伝いに来ていた知り合いの少女に目を止めた。
 超爆乳である。
 襲撃に怯え、乳をふるふると震わせている。
「おっぱいでもいいのか!?」
「おっぱいを神とあがめる“乳神教“というのを起ち上げてもよろしいかと」
 “おっぱいは神”これは男という人類の半数が盲信的に信じられるであろう教義だ。
 かくして学園の半数が乳神教に入信した。

「なんなんですの? 最近、殿方が私の前に来ては、胸に向かって柏手を打っていくのですわ」
「いいじゃない瑞穂ちゃん、今日も御賽銭一杯もらったよぉ♪」
 爆乳の谷間に溜まっていくお賽銭を、じゃらじゃら言わせながら校内を歩く瑞穂とアムル。
 一方、霧依は乳神教の教義に疑問を覚えているらしい。
「乳神教は間違っているわ♪ 幼女の平らなおっぱいにこそ神は宿るのよ♪」
 かくして“ヒンヌー教”という新たな教義が立ちあがる。

 学長室から学園の様子を見下ろしながら愛良耶は、満足げにお茶を飲んでいた。
「想像していたよりも遥かに宗教が浸透しましたね、平和で素晴らしい事で御座います」
 宗教学を受け入れられない学生は、危険な依頼に廻して消えて頂こうとか物騒な事を考えていた愛良耶。
 だが、そんな心配はなかった。
 おっぱい信仰のお蔭で、学園は丸く、柔らかく治まったのであった。


 第四世界の学園長は黒子。
 恐らくは宝井前学園長がまともだった、珍しい世界線。

 島内を歩いていた龍崎は、ふと違和感に気づいた。
「急にアウルを持たない人たちが島に増えましたが、何かあったですかね」
 龍崎が言う通り、ある日を境に久遠ヶ原島には一般人の新住人が急激に増えていた。
 愛良耶が答える。
「恐らくは“助成士”を目指す方たちかと思われます」
「助成士?」
「非アウル覚醒者向けの学科が創設されるそうなのですよ、何でも私たち撃退士のサポートをして下さるのが目的の職業とか」
 黒子は撃退士の他に助成士という新ポジションと、その養成学科を創設した。
 これによって島の人口が爆発的に増加した。
 
 また黒子は一般企業に天魔や覚醒者による犯罪対策をコンサルティングして、学園の収入を増した。
 装備のダウンサイジング化、購買の充実、カリキュラムの見直しなど自分が学生だった頃に感じたものを実現させる事には余念がない。
 だが、学生たちの中で最も話題になりかつ、深刻だったのは“パートナー制度”の導入である。

 ある日学園長室に警察からの緊急報告が入る。
『学園長! 学生の一部がパートナー制度に反対して大規模デモを起しました!』
「何ですと?」
 事態を納めるべくデモ隊の前に急行する黒子。
 学生たちがメガホンで黒子に抗議をしてくる。
「学園長! パートナー制度とは何だ、説明せよー!」
「説明せよー!」
 拳を振り上げ、シュプレヒコールするデモ隊。
 黒子は、気圧されながらも説明する。
「ええとですね、男女問わず二名が契りを交わす制度です、ある意味学内限定結婚です。   
皆さんも自分に会った人を見付けて結んで下さい」
 デモ隊は半分涙目になりながらもいきり立った。
「作れない奴は、強制されたって作れないんだー!」
「作れないんだー!」
「体育の時間に“二人組作ってー”って言われた時の戦慄を思い出したわー!」
「思い出したわー!」
「ぼっちのトラウマを刺激するなー!」
「刺激するなー!」
 学園発展は確実だったが、パートナー制度だけは廃止に追い込まれた。


 第五世界は瑞穂が学園長。
「ふふっ、今こそわたくしの経営手腕を見せる時ですわね!  おーっほっほっほ♪」
 などと自信満々に言っているが、果たして学園を発展させる事は出来るのか?

「瑞穂ちゃん、えっちぃ学園にしようよぉ♪」
 新生徒会長のアムルが甘い声をあげたが、瑞穂は難しい顔をしている。
「わたくしは基本路線を変えるつもりはありませんわ。 ただし学園施設も、依頼のサポートも、わたくし体制に相応しく、グレードアップさせていただきます」
「グレードアップはいいけど、お金がかかるよぉ?」
「そうですわね、何か取引材料がないと……」
 悩む瑞穂、アムルの執拗なえっち方向への誘導に対しては、
「いけませんわ、アムル! 破廉恥な事をおっしゃらないで」
 と頑なに拒絶し続ける。
 結果、瑞穂が至った、学園発展資金獲得の答えは?

「ふふふ、ようこそおいで下さいましたわ♪」
「おお! 貴方が新学園長! ……しかし何と悩ましい」
 財界の大物を、青のシースルーランジェリーでお出迎え。
 結局、破廉恥方向に行ってしまう瑞穂だった。
「会長様、わたくしどもには援助が必要ですの、お願い出来ませんこと?」
「むぅ、しかし我が財団もそれほどの余裕は――」
「ご援助いただけるのならわたくしどんなことでもしてみせますわ! おーっほっほっほ♪」
「そうだよぉ、瑞穂ちゃんだけじゃなく、僕も一緒に何でもしちゃうよぉ♪」
 アムルもピンクで瑞穂と同デザインのシースルー下着。
 二人の下着姿を鼻の下を伸ばして見ている会長。
「いや〜、しかし、宝井学園長の事は残念でしたな〜」
「ええ、本当に惜しい方を無くしましたわ……」
「宝井学園長がその下着を付けて下さったら、さぞかし色っぽかったでしょうなぁ」
「ええ、本当に――って!?」
 大物の中には、変わった性癖の人も多いのである。


 第六世界では反対にアムルが学園長、瑞穂が生徒会長。
 悩みながら結局、エロに走った瑞穂と対照的に、アムルは悩んでいない。
「“エロエロ天国”をコンセプトに学園を作り変えてっちゃうよぉ♪」
 学園本来の目的を切り、清々しいまでに欲望に走ったのである。
 この世界は滅亡する。

「まずは制服ぅ。 女の子は超ミニでぇ♪ 下にはパンツ以外着用禁止ぃ♪」
 そんな感じで視覚から淫らに固めていくアムル。
「男の子はビキニパンツ一丁ぉ♪」
 これは酷い。 
 男子は皆、ガクブルいっている。
「えっちなコトしたいって気持ちは自然なコトなんだからぁ、恥ずかしがらないで思いっきりヤっちゃえばいいんだよぉ〜、こんな風にぃ♪」
 朝礼中、そんな演説をしながら生徒たちに自分の肉体をいじらせるアムル。
「学園長! いくらなんでも破廉恥ですわ!」
 止めに入る生徒会長の瑞穂。
「そんな事言ってぇ♪ 瑞穂ちゃんだって本当はしたいくせにぃ♪」
「ああ! 何をなさいますの! いけませんアムル あぁ〜♪」
 瑞穂なので、なし崩しにこうなってしまう。
「あぁんっ♪ 瑞穂ちゃんたらえっちぃんだからぁ♪ 流石は会長さんだよぉ〜♪」
 生徒の誰かが止めると思いきや、皆が何のためらいもなくそれに参加する。
 なぜなら、学生の選考基準が、“えっちなコトに興味のあるコト“だからだ。
 学生全員、同類なのである。
 まともな撃退士など、とうに逃げてしまっている。
 だがそんな時、学園に叱責の声が響いた。
「待ちなさい学園長! ただ欲望に流され続けて、天魔との戦いに勝てると思っているの!?」
 まともな人間が残っていたようだ。
「欲望は発散させ続けるより 少しじらした方が気持ちいいの♪ 今日はみんな、御預けプレイで楽しみましょう♪」
 霧依だったので結局、世界は滅亡した。


 最後の世界は、龍崎が学園長。
「なんで選ばれたかわからないが、選ばれた以上やらせてもらおう。 一人の力では限界がある。 まずは新首脳陣の選出だ」
 そう言い候補にあがったのが、ここまで世界の学園長六名。
「……なぜ、このメンバーが?」
 光の速さで黒子を副学園長に選び、他の五人の資料はそっと閉じする龍崎。
 正しい判断である。

 龍崎は、ある学園の謎にメスを入れる事にした。
「なぜ、クジで当たるV兵器は、普通に購入できるものより低価格高性能なのだ? 普通に売れば、天魔との戦いで戦力が向上するはずなのに」
「学園長、入れたらいけないところにメスを入れた気がします」
 黒子にツッコまれつつも、真相究明に乗り出す龍崎。
 学園長交替でごたごたしている今だからこそ、相手も油断しているはずだ。
 V兵器工場の抜き打ち検査に入る。
 そこで龍崎と黒子が見たものは――。

「やあ、見られてしまったようだねえ」
「生きておられたんですか、宝井学園長!?」
 闇鍋を食べて死んだはずの、宝井学園長だった。
「一体ここは!?」
 宝井学園長が生きていた事にも驚いたが、さらに驚愕すべきは工場の姿だった。
 そこあったのは巨大な鍋。
 汁が闇色で中身が見えない鍋に宝井学園長が、菜箸で一つ一つ丁寧にV兵器を入れていっている。
「一体、何をしておられるので?」
 淡々と、鍋にV兵器を入れながら宝井学園長は答えた。
「キミ達、籤と闇鍋は似ていると思わんかね?」
「はい?」
「いろいろなものが入っているし、取り出してみるまでは何がとれるかわからない。 そのほとんどは“取ったはいいが、どうしていいかわからないもの”だ。 だが中には、様々なものの味が奇跡的なバランスで染み込み、通常では得られないような素晴らしいものが誕生する場合もある」
「まさか、籤で当たる強力なV兵器は!」
「この闇鍋で作られたものだったんですか!?」
 雑多なアイテムのエキスを染み込ませ誕生した奇跡の超兵器、それが学生たちの欲する当たりV兵器の正体だったのである。
「その通りだ、私は先日初めて闇鍋を食べて以来、その味にハマってしまい。 死を装いってまでこの闇鍋に注力していたのだよ。 だが知られてしまった以上、この世界は崩壊するしかないな、惜しいが時間を元に戻そう」
 パチンと指が鳴らされると、龍崎たちの眼前で七つの時空が入り乱れ、砕け散った。


 というわけで、宝井学園長が治める元の学園に戻ってきたキミたち。
 平行世界での記憶は消えている事かと思う。
 ただ籤で凄いV兵器が当たった時に、食べてみたい衝動に襲われるかもしれない。
 それはキミが平行世界で学園長だった証なのだ。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 新世界への扉・只野黒子(ja0049)
 歴戦勇士・龍崎海(ja0565)
 異優教徒・雪篠 愛良耶(jb7498)
重体: −
面白かった!:5人

ラッキースケベの現人神・
桜井・L・瑞穂(ja0027)

卒業 女 アストラルヴァンガード
新世界への扉・
只野黒子(ja0049)

高等部1年1組 女 ルインズブレイド
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
群馬の旗を蒼天に掲げ・
雁久良 霧依(jb0827)

卒業 女 アストラルヴァンガード
好色天使・
アムル・アムリタ・アールマティ(jb2503)

大学部2年6組 女 陰陽師
異優教徒・
雪篠 愛良耶(jb7498)

高等部3年1組 女 アストラルヴァンガード