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マスター:STANZA
シナリオ形態:イベント
難易度:やや易
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/01/30


みんなの思い出



オープニング




 かつて、その集落は神社を境に東西に別れた別々の村だった。
 遙か遠い昔から、二つの村は何かにつけて優劣を競い争うライバル同士。
 しかし今では競う事も争う事もなく、仲良く平和に、のんびりと共存していた。

 年に一度、神社の境内で行われる「綱引き大会」の、その時を除いては。

「今年もまた、この時が来ましたなぁ」
 すっかり準備の整った境内を眺め、神主は感慨深そうに目を細めた。
 この集落も少子高齢化と過疎化の波には抗えず、今ではこの古い神社に参拝に訪れるのも足腰の弱った年寄りばかり。
 このままでは伝統の綱引き大会も中止にするしかないと諦めかけていた。
 しかし、これたただの綱引きではない。
 神に感謝し、五穀豊穣無病息災他ありとあらゆる御利益を願う祭でもあるのだ。
 大切な伝統行事を絶やす訳にはいかないと、集落の外から元気な若者を呼ぶ事を考えたのは去年の事。
 どうせなら常軌を逸したレベルの元気が欲しいと言い出したのは、一体どこの誰だったか――

 お陰で祭は大成功、そればかりか今年は噂を聞いた人々が見物に詰めかけていた。
 車で何時間もかけて見に来たという人も少なくない。
 それだけ、昨年の綱引き大会が見事な盛り上がりを見せたという事だろう。

 神社の境内で、東と西に分かれて綱を引っ張り合う。
 ただそれだけの単純な勝負だが、単純だからこそ盛り上がる。
 祭とはそうしたものだ。
 その上、勝った方がその年に神様から受ける御利益を独り占め出来るとあらば応援にも熱が入るのは当然だろう。
 あちこちで、客引きならぬ選手の勧誘が行われている。
「今年のご褒美はすごいよ! どーんとでっかいエビ天が乗った、てんぷら蕎麦だ!」
「なんの、だったら西はカレーうどんに力うどん、きつねにたぬき、勿論エビ天も乗っけてバリエーション豊富によりどりみどりだ!」
「むぅ、それなら東も鴨南蛮にざる、かけ、そば湯も付いてメニュー豊富に食べ放題でどうだ!」
 結局どちらが勝っても、その後は用意されたご馳走を食べ放題。
 だから参加者にとっては、東西のどちらに属しても殆ど違いはない。
 しかし勧誘する方は真剣だった。
 何しろ今後一年の運気が、この勝負の行方にかかっているのだから。
「さてさて、今年はどんな戦いを見せて頂けるのか……楽しみですなぁ」



リプレイ本文

 東軍は最初から、いや始まる前からクライマックスだった。

 \ ま つ り だ − ! /
 \ うぉおやってやんよー! /

 雪室 チルル(ja0220)とシルヴィア・マリエス(jb3164)が意気投合。
「絶対勝つぞー!」
「祭りとは、勢い!!! みんな、がんばろうね!!」
 チルルが拳を振り上げて叫び、シルヴィアが鼻息荒く吠える。
「知っているぞ。祭りははっちゃけた方が勝ちだということを…!」
 加納 晃司(ja8244)は褌一丁に法被を引っかけただけの姿で仁王立ち。
 寒い。正直寒い。しかし。
「寒いとか言ってらんねぇ!」
 気合いだ! 寒さなど気合いで吹き飛ばせ!
 その姿を見て、アドラ・ベルリオス(ja7898)は呆然と呟いた。
「わりとこうすごい格好になるんだな…」
 胸に抱えた着替えは、背中に「祭」と大書された法被と、白さが眩しい褌、そしてサラシの三点セット。
 リーダーは去年、実際にその格好で祭に参加していた。
 しかし改めて実物(晃司の姿)を目の当たりにすると、流石にちょっと恥ずかしい様な――
「ちょ…もう! うちのリーダーは前回なんて格好で出てるのっっ」
 フェリス・マイヤー(ja7872)も、やっぱり躊躇っている。
 しかし。
「え、これが伝統スタイル…!?」
 勝利の為にそれが必要だと言うなら。
「ええい気にしてられるかやってやらァッ!!!」
 アドラは吹っ切れた。
 フェリスもそれに続く。
「女は度胸と根性ーッ!!」
「着たかぎりは全力でやってやんよ!!!!!」
 これで、伝統スタイルが三人。
 その様子を、東城 夜刀彦(ja6047)は遠い目をしながら他人事の様に眺めていた。
「何故か仲間がはっぴと褌になってる…あれか、去年のリーダーのせいか…」
 だが勿論、夜刀彦も「仲間」のうちにカウントされている訳で。
「ぇっ俺もするの!? ちょ…とばっちりーッ」
 涙ブワワッ!
 しかし全ては勝利の為と言われれば、どうして逆らう事が出来ようか。
「こうなったらなにがなんでも勝つ……!!(血涙」
 勝って鴨南蛮そばを頂くのだ!
「そう、去年は饂飩だったけど今年はお蕎麦! なぜなら鴨南蛮そばがあるから……!!!(熱意ごぉおお!!」
「待ってろ鴨南蛮そばーっ!!」
 シルヴィアが再び吠える。
「鴨南蛮、良いですよね」
 八神 翼(jb6550)も、真剣な眼差しでこくりと頷いた。
 鴨南蛮、大人気。
「かけそばと天ぷらそばもあるんだよっ!!!」
「よっしゃー! うどんを蹴散らして勝利の蕎麦をすするのだ!」
 ずぞぞぞーっ!
 伊藤 辺木(ja9371)は既に蕎麦をすすり上げている、ただし鼻から!
「うっし、仕込みは完璧!」
 何をするつもりかって?
 それは本番が始まってからのお楽しみ。
 だが、これだけは言っておこう。
「シャッターチャンスを見逃すな!!」



「うどんだって負けてませんよ…! がんばるんですからっ!!」
 東軍の気合いとノリに心ならずも圧倒されつつ、柊 悠(jb0830)は拳を握る。
 でも、大丈夫なのだろうか、この人達。
 何て言うか…すごく、フリーです。

「昨年度は、チーム内の男女比によって涙を飲んだ」
 去年同様、ラグナ・グラウシード(ja3538)の目的は勝敗ではない。
「だがッ! 今年こそ、私はやってみせる( ゜д゜ )クワッ!!」
 チーム内で「女性の間に位置どる」ことにより、勝敗が決まる瞬間に倒れこんで、そのボインをらっきーすけべで堪能しようという魂胆だ!
 ニヤけそうになる顔と溢れそうになる下心は紳士的対応で隠しとけ!
 隠しきれてないけどね!

 Unknown(jb7615)は境内で待ち合わせをしたシグリッド=リンドベリ (jb5318)の姿を探していた。
 しかし、なかなか見付からない。
 いや、小さくて見えないとか、そういう事ではないのですよ、決して!
 境内は混雑してるし、屋台から漂って来る良い匂いの誘惑もあるし!
 という事で。
「こういうのは全部喰ったら怒られるのだ、我輩知ってる」
 Unknownは屋台に浮気。
「だから良いと言われぬ限りは全種類一つで我慢しよう」
 お椀に一杯ずつ。
 決して鍋に一杯ではない、筈だ。
 その代わりに、お椀や箸まで丸呑みだけど。

 だが、主催者側の皆さんは驚かない。
 去年の経験から、撃退士の食欲が尋常ではない事を知っていた。
 ましてや彼の外見は「いかにも」な悪魔。
 一見ごく普通の小学生にしか見えない彼女、最上 憐(jb1522)の食べっぷりに比べれば――
「……ん。カレーうどん。飲み放題の。為に。頑張る」
 噂をすれば、カレー魔人。
 だが、今年は負けない。
 必ずやその食欲に打ち勝ってみせると、カレー担当は心に誓うのだった。

 かと思えば黒夜(jb0668)の様な省エネ主義も。
「適当にやってくか…」
 寒いしダルいしー。
「どっちが勝ってもいいが、ウチはくたくたのうどんを食べてーだけだ」
 勝っても負けても食べられるなら、頑張らなくても大丈夫だよねー。

 ……と、皆さんこんな調子なんですけど。

「大丈夫やて、心配しなさんな」
 ゼロ=シュバイツァー(jb7501)が笑う。
「向こうは最初から飛ばしすぎや、後で息切れしよるで。それに祭りは楽しんだもん勝ちや」
 ノリと勢いという点では少々押されているかもしれないが、楽しむという点では自由奔放フリーダムな西軍の方が優勢だ。
 ただし、綱を引く時だけは息を合わせる必要がある。
「んなら掛け声はうーどん!で行くか! どんで引くんやで〜」
「うーで溜めて、どんで引く……ドン引きですね!」
 体操着姿の篠塚 繭子(jb7888)が、綱を引く真似をしながら言った。
 ドン引き、間違ってはいない。
「あとは西軍の運営さんも混じって盛り上げてもらおか。祭りはみんなで騒がなおもんないしな!」
 和太鼓ある? よし、あるね。
「あ、そこの人暇そうやな!」
「お? ワシかの?」
 ゼロが半ば強制的にバチを押し付けたのは、のんびり見物を決め込んでいた町内会長。
「そこの太鼓どんのタイミングで叩いてくれるか? 頼むで〜!」
「おお、任せなされ! 昔取った杵柄、血が騒ぐわい!!」
 あ、張り切るのは良いけどホドホドにね?
 なに、万一の為に救急車も待機してる? じゃ、良いか!(良くない
「さぁさぁ西軍の皆さん! 一緒に勝利を勝ち取ろーではありませんか! はい! うーどん! うーどん! お客さんもご一緒に〜!」
 うーどん! うーどん! うーどん! うーどん!



 拙いぞ、なんか西軍がやたらと盛り上がってきた!
 危うし東軍!

「向こうがうーどん!なら、こっちは……!」
 そーば!で対抗――と言おうとして、辺木は言葉を呑み込んだ。
 うどんより若干、力が入らない気がする。
 しかし、そこに知るヴィアの助け船が!
「伊藤ちゃん、大丈夫! いけるよ!」
 そー!(引く)、ば!(溜める)、これでどうだ!
「おお、いける! それだー! よっしゃ、勝てる気がしてきた!」
 そー!(引く)ば!(溜める)そー!(引く)ば!(溜める)
 はい皆さんご一緒に!
 そー!(引く)ば!(溜める)そー!(引く)ば!(溜める)
 息もぴったりだ!

 後は技術、ふんばり研究で差を付ける!
「ふんばりやすい態勢…?」
 どうやらフェリス達「褌ハッピー組」が講習会を開く様なので、シルヴィアも混ざってみる。
「うし! あたしも頑張って試すんだよ! 教えてね!!」
「では講師の夜刀彦さんどうぞー!」
「え、俺!?」
 フェリスの紹介を受けて、夜刀彦は「またとばっちりかー!」の顔。
 しかし数少ない去年の経験者である事も事実。
 ここは自分が手本を示すしかない!
「えーと、こう……かな?」
「こう?」
 膝を曲げ、腰を低く落として……フェリスとアドラは夜刀彦のポーズを真似てみる。
「あれ? こう…?」
「違う、こうだよ! こう!」
「ええい! こうか!!」
「なら、これでどうだ!」
 晃司も加わり、ふんばり会議は紛糾模様。
 しかし妥協はしない!
 コツを聞きながら試す試す試す!
「よし、これが一番ふんばりやすいな!」
 どすこーい!
 晃司が発見したそれは、相撲の摺り足スタイル。
 低重心で何があっても地面から足を離さず吸盤の様に吸い付くその格好は、まさに綱引きにもってこい!
 見た目はちょっとアレだが、皆でやれば怖くない。
「変な格好になろうと気にしないよ!! お蕎麦のためならば!!」:シルヴィア
「全ては鴨南蛮の為に!」:アドラ
「ネギ背負って待ってろー!」:夜刀彦

 最後に綱と地面を点検して――
「うん、大丈夫そう♪」
 だが、夜刀彦のチェックにシルヴィアの厳しい目が光る!
「ちょぉっと待って!」
 いや、別に信用していない訳ではないのだ。
 しかしこれは神聖な真剣勝負、ほんの少しでも不正や不具合があってはならない。
「勝負はフェアでやってこそ楽しいものですからね」
 西軍から出張してきた悠が頷く。
「ちゃんと万全の状態かなっ!? ちょっとでも違和感あったら駄目なんだからねっ!(キリィッ」
「大丈夫、地面も縄もちゃんとチェックしたよ!」
 シルヴィアに言われて夜刀彦が再度確認し、公平を期す為に悠が最終チェック。
 これで、どちらも万全な状態で楽しめるだろう。

 だがしかし、それは「必要不可欠」ではあるが「致命的に地味」な作業だ。
 観客は退屈し始めた。

 そこに颯爽と現れたのは――
「綱引きですか? ならば、このくまさんが加勢しましょう」
 クマーだ。
 クマーなユマーだ。
 正確には、くまの着ぐるみを着た或瀬院 由真(ja1687)だ。
 これで、もふもふすきーな観客を一気に東軍の応援に!



 しかし、西軍はきっちり対抗策を用意していた。
「あ、ねこさんだー!」
 白猫の着ぐるみに身を包んだシグリッドの周囲に子供や家族連れが集まって来る。
(子供って着ぐるみすきですよね…)
 主催者側から分けて貰ったお菓子や風船を配ったり、頭を撫でたり、握手をしたり、一緒に写真を撮ったり。
 始まる前からファンサービスに精を出していた「ねこさん」が西軍に参加するとなれば、彼等も当然その応援に付いて来る。
「僕は平均よりほんのちょっと! ほんの少し! 背が低いですが、プーちゃんも一緒ならきっと頑張れます…!」
 シグリッドはヒリュウのpnainenを呼び出して一緒に綱を持つ。
 更に、西軍にはもうひとりバハムートテイマーがいた。
「皆で楽しみましょうv」
 悠に呼び出されたヒリュウも、頭上を飛び回って可愛さアピール!



 これで子供と家族連れ、そしてカワイイモノスキーな人々が西軍の応援に付いてしまった。
 東軍、ますます苦しいぞ!

「うむ、なんだかいろんな意味でめでたいね♪」
 ジェラルド&ブラックパレード(ja9284)は、賑やかに盛り上がる様子を他人事の様に眺めていた。
 だが、始まる前から差が付きすぎるのも面白くない。
「お蕎麦の方が、好きなんだよねぇ☆」
 自ら蕎麦を打つ事もあるエセ外国人(自称)としては、やはり蕎麦にも頑張ってほしいではないか。
 という事で、西軍の女子を懐柔して味方に付けようと試みた。
「戦わずして勝つのは兵法の基本だよね☆」
 言ってる事は正しい。
 正しいのだが……やってる事は、ただのナンパだった。
 真っ当に綱引きで頑張るとか、そっち方面の努力はしない。
 だって重体だし。
「ほら、ボク怪我人だし、できれば手加減してほしいなぁ…なんて☆ 後でお茶、奢るからさ☆」
 ちゃっかりデートの約束も取りつければ一石二鳥、趣味と実益を兼ねた素晴らしい作戦だ。
 その約束が本物ならば、だけど。

 それを見て、藤井 雪彦(jb4731)も動き出した。
 女の子を釣……いや、お誘いする事にかけては人後に落ちない自信がある。
 ナンパOKなら、今こそ腕の見せ所だ。
「さーて、まだ迷ってる子はいるかなー?」
 蕎麦かうどんか決めかねている者がいれば、すかさず誘う。
「信州信濃の蕎麦よりも、わたしゃあんたの傍が良いってね☆ ボクの傍においでよっ♪」
 使い処の難しいキメゼリフだって、雪彦の舌にかかれば誘い文句に早変わりだ!

「饂飩も蕎麦も好きだけど…」
 礼野 智美(ja3600)は迷っていた。
 さて、どちらに参加しようか。
「迷える子羊ちゃん、発見☆」
 早速、雪彦がいそいそと近付いて来る。
 因みに智美は男装の麗人、だが雪彦の目は惑わされなかった。
「このポジ空いてるよ〜☆ こっちに詰めてぇ〜♪」
 ひらひらと手を振って、自軍に取り込もうとしてみる。
 しかし――
「去年は饂飩…西が勝ったのか」
 智美は雪彦の存在に気付いているのかいないのか、立ち止まって沈思黙考。
 どうやら昨年の報告書の内容を思い返している様だ。
「対抗戦とはいえ交互に勝った方が良いんじゃ…」
 よし、決めた。今年は東軍を勝たせよう。
「はい、お一人様ご案内〜(^_-)―☆」
 完全にスルーされている気が、しないでもないけれど。
 しかし雪彦はメゲない、ヘコまない。



 地道な勧誘の甲斐あって、東西の参加者はほぼ同数になった。
「よし、数が同じなら敵側に工作員を送り込んでるボクらが圧倒的に有利だね」
「さーて、それはどないやろなぁ?」
 東西でジェラルドとゼロがエール交換――と言うのだろうか、これは。
 そして東側では雪彦を中心に円陣を組む――と言うより、押しくらまんじゅう。
 だって韋駄天の効果を出来るだけ多くの仲間に付与する為には、コンパクトに集まって貰わないとっ!

 やがて準備が整ったところで――

『はいなー皆さん! このちょー寒い中ご観覧ありがとございますやでー♪』
 西軍の亀山 淳紅(ja2261)がマイクをとった。
『今年の撃退士達も去年に負けず強者揃い!』
 西に手を上げ、まずは西軍を紹介。
『うどんの喉ごしに負けぬ爽やかさ! 卵やお餅みたいにドロっとした駆け引きもあり!』
 次に東に手を上げて東軍を。
『蕎麦の香り高い風味にも勝る味深さ! 山椒にわさびのようなぴりっとスパイスのきいた勝負あり!』
 その度にギャラリーから湧き上がる声援は、明らかに西軍の方に勢いがある。
 しかし。
「大丈夫じゃ東の! わしらがついとるぞー!」
 それは、町の東側に住む地元の皆さん。
 平均年齢は高いが、それだけに積もり積もった地元愛は誰にも負けないぞ!
『それでは観客の皆様、双方共にあっつい応援! いっちょ張り切っていきまっしょーい!』
 ひときわ大きな声援が湧き起こった。
 だが、それは審判役の軍配が振り上げられると同時に、水を打った様に静まりかえる。
「西側観客席、安全確認しました!」
 悠がOKの白旗を掲げ、素早く列に戻った。
 東側も安全確認を終了し、円陣を解いて位置につく。
 後は合図を待つだけだ。

「能力全開フルパワーってことは、光纏していいのよね!?」
 ひそひそ。
 念の為に小声で確認した翼に、智美が頷く。
「光纏は基本、スキルも使用可だ…っても、綱引きに有利そうなスキルって…」
 闘気解放なら、何かしらの効果があるだろうか。
「気持ちの問題って気もするけど」
 ただし合図まがあるでは我慢だ。
「鴨南蛮のために、がんばろう」
 綱引きなんて小学生以来だろうかと、翼は少々興奮気味。
 しかし、もうちょっと動きやすい格好で参加すればよかったかも…?
「神社での勝負だし、それで良いんじゃない?」
 かく言うナナシ(jb3008)も巫女装束での参戦だ。
「そうですね、せっかくのお祭りですし、『ただ勝てばいい』というわけにはいかないものね」
 場を盛り上げ、観客を楽しませるのも大事な仕事だ。
 とは言え、自分はあまりノリが良い方ではないし、これといった芸もない。
「せめて衣装で楽しませる事が出来れば良いわね」



「よぉい……はじめっ!!」



 っせーーーい!!
 合図と同時に、両軍は綱を手にして立ち上がった!

 東:
 雪彦の韋駄天効果で先手必勝、東軍は最初から怒濤の勢いで綱を引く。
「よし!! 全力でいくぜ!!!」:晃司
 綱引きはリズムが勝負!!
「合言葉は『そー!(引く)ば!(溜める)』でがんばるんだよっ(ふんすっ」:シルヴィア
 そー! ば!
 そー! ば!
 間違えるなよ、そー!(引く)ば!(溜める)だからなっ!
「大丈夫、あたいのリズム感を信じて!」:チルル
 気迫を使って威圧感たっぷりのオーラを放ち、一生懸命引いてる感をアピール!
 ギャラリーの皆さん怯えて固まってるけど気にしない!
「鴨南蛮! 鴨南蛮!!」:夜刀彦
 あ、『かもなん』で溜めて、『ばんっ』で引いても良かったかも…?
 いやいや、余計な事は考えない!
 合言葉の『そー! ば!』にあわせて全力で引く!!!
「格好とか気にしない!! 祭りだから!!!」:フェリス
「格好なんぞ気にしない!! 擦り傷だって気にしない!! 全力でやってこその、お祭り!!」:アドラ
 先手を取ったこの時がチャンス、今こそ引け! 引くのだっ!!

 西:
「師も言っていました。奉納の祭りはその土地の祭りの正装でないといけないと!!」
 鈴・S・ナハト(ja6041)は、立ち上がると同時に羽織を脱ぎ捨てたる。
 その下は、鉢巻・さらし・褌という日本の祭りにおける正装だ。
「鈴の本気を見せてやるのです!!」
 いざ尋常に勝負!!
「目指すはうどん!! ……じゃなくて勝利です!!」
 うー、どん!(どどん!
 うー、どん!(どどん!
 威勢の良い掛け声と共に、太鼓の音が腹に響く!
「うどーん、うどーん」:黒夜
 中にはいかにもヤル気のなさそうな声も混じっているが、皆の勢いに呑まれて聞こえないから大丈夫!
「…ぁ、これ…向こうのチームに聞かせれば良い…のか」
 やる気ないのに、良いこと思い付いちゃった。

 東:
 そー! ば!
 そー! ば!
 順調に綱を引く東軍、しかしここで思わぬハプニングが起きた。
 ギャラリーの掛け声が、何だかおかしな事になってきたのだ。
 そーれ!
 そーれ!
「え、それちょっと違う…!」
 慌てる雪彦、しかし東軍の応援団は老人力なら誰にも負けないツワモノ揃い。
 つまり、物忘れと勘違い、そして思い込みが激しく、思い込んだら止まらないのだ!
 そーれ!
 そーれ!
 こうなると、『そー』で溜めて『れっ』で引きたくなるのが人情。
 東軍のリズムが乱れ始めた!

 西:
 勿論、それを西軍が見逃す筈もない。
「今や、引け引けーっ!」:ゼロ
「頑張って、ひっぱりますー!」:シグリッド@猫ぱわー
「うどんのために、頑張って引っ張りますよー!」:繭子
 確かこう、斜め気味の体勢で引っ張るのが良いんだっけ。
 いや、ちらりと見えた東軍の練習では、確か相撲スタイルが良いと!
「真似してみましょう」
 どすこーい!
 憐は増幅と栄養補給でドーピングてんこ盛り、身体能力を上げると同時に空腹状態をセット。
 カレーうどん食べ放題の為に、全力で綱を引く!
「ヒリュウもがんばるのよ…! 勝っておうどん食べましょうね…!」:悠
「揺れる胸、飛び散る汗! これぞ祭り!!」:鈴
「うーどん!(食べたい! うーどん!(お腹空いた!」:淳紅
 西軍はうどんパワーでどんどん引っ張る!
 因みにジェラルドが懐柔した筈の彼女達は、全く手加減していない模様です、はい。

 東:
 一方の東軍はリズムの乱れから今や崩壊寸前だった。
「大丈夫、このくまさんの言う事を信じて!」
 最後尾に陣取った由真が指示を出す。
「周囲の声に惑わされてはいけません、リズムを取り戻すのです!」
 しかし事態は深刻だった。
 最初の取り決め通りに『そー』で引きたくても、ギャラリーは『待て』の構えで抑えにかかる。
 逆に『ばっ』のタイミングで煽って来るのだ。
「こうなったら…!」
 不動スキルで、とりあえず強引に踏み留まる!
「ふふふ。くまさんは不動なのです」
 その時、西軍はくまさんのドヤ顔を見――えなかった。
 だってくまさん最後尾だし!
 それはともかく、踏み留まっている今がチャンスだ。
 今のうちに体勢を立て直せ!
「よし、今こそ俺の出番だな!」
 最前列に陣取った辺木の顔芸大作戦、発動!
「ふふふ、これぞ俺の綱引き必勝法…『相手を笑わせて戦闘不能にしようぜ大作戦〜麺類は鼻から出すもの〜』だ!」
 鼻の奥にねじ込んでおいた、村の名物、蕎麦とうどん!
 いや、本物は村の人達に殺されそうだから食品サンプルだけど!
 それを相手の威勢の良い掛け声に合わせて――
 うー!(でろんっ
「右の鼻からうどんサンプルを!」
 どん!(ずるんっ
「左の鼻から蕎麦サンプルを、出す!」
 この撃退士耐久力を総動員してもギリギリの荒行…!
「だが、やり遂げる! 吹き出して力を失うが良い!」

 西:
 本音を言えば、目を逸らしたかった。
 顔芸など、目に入らなければどうという事もないのだ。
 なのに、思わず見てしまったのは……辺木が身に纏う本気のオーラに心を動かされてしまったせいだろうか。
 これに応えねば負ける気がした。
 何と言うか、人間の器的な意味で。
 砕ける膝、弾ける笑い。
 だめだ、これでは勝負にならない――!
 しかし悔いはなかった。
 相手の策略に乗せられて尚、うどんは勝つ! 勝ってみせる!

 東:
 相手が笑い転げている、今がチャンスだ。
「こうなったら、掛け声を変えるよ!」
 雪彦が提案したのは、『そー(タメ)ばっ!(引く)×3』『ふんぬら(タメ)バッ!!(ドン引く)』のセットだ。
 これならギャラリーの声ともタイミングが合う。
 さあ、ここから大逆転だ!
 そー! ば!
 そー! ば!
 そー! ば!
 ふんぬら! バッ!!

 西:
 勢いを盛り返した東軍、しかし西軍も塩を贈った分はきっちり取り返す!
「くくっ…私はそう簡単には負けてやらんッ!」
 ラグナは不動の姿勢で、ひっぱられても負けない!
 繭子も不動とどすこいポーズで頑張って踏み留まる!
「どちらが勝っても美味しいものは食べられますが、やるからには勝ちたいです…!」
 憐は自分が踏ん張る代わりに、手近な味方をダークハンドで拘束、移動不能に!
 淳紅も味方に‘Requiem’をかけて、重石になって貰う。
 足元の地面から無数の死霊の手が伸びて体を抱き締めるビジュアルに、ギャラリーがドン引きしてるけど気にしない!
 その間に、小技で反撃だ!
「とりあえず勝てばいいんじゃねーのか?」
 黒夜は射程内の相手を闇の中に閉じ込め、氷の粒に包んで悪夢へ誘う。
 ヤル気なさげなのに、妨害工作はどう見ても本気だ。

 東:
『うどーんうどーん…』
 忍法「霞声」で送られた、黒夜の気の抜けまくった声が耳元で響く。
 しかし耳を傾けてはいけない。
 心を乱されてはいけない。
 今こそ無心に唱えるのだ!
 そー! ば!
 そー! ば!
 そー! ば!
 ふんぬら! バッ!!

 西:
 うー、どん!(どどん!
 うー、どん!(どどん!

 東:
 引き合う力は五分と五分。
 力と力が拮抗しているならば――
「相手の力を弱めれば良いのよね」
 燃え尽きた辺木に代わって先頭に立ったナナシは、ニンジャヒーローで注目を集め、忍法「魔笑」を発動、相手を幻惑状態に叩き落とす!
 その隙に迅雷を発動し、一気に足に力を込めて勝負を決める構えだ!
「ここまでは良い勝負だったわね……けど、これで決めさせてもらうわ!!」
「これが最後の戦いね!」
 ならばとチルルは相手を挑発、その視線が火花を散らす!
「全力でいくわよ!」
 それを合図に、東軍は一丸となって最後の勝負に出た!
「鴨さんおいしくいただきます!!! 負けてたまるかぁあああッ!」:夜刀彦
「多少怪我しても回復させるよ! ファイトだよっ!」:フェリス
「負けやしないよッ!! 連中を引きずり倒せぇえええッ!!」:アドラ
「全力で引くぜおらぁああああッ!! うぉおおーっっ!!」:晃司
「ふんすふんす!! 負けてたまるかぁあああッ」
 シルヴィアは顔を真っ赤にして鼻息も荒く引きまくる!
 雪彦は未知なる力『祈念』を使い、スーパー雪彦として覚醒!(してません
「ク●●ンの事かぁぁぁ!!」
 木っ端微塵にされた(されてません)亡き友(って誰)の仇を――!
 だが、その耳元にふーっと吹きかけられた生温かい息!
「ぁひゃ!」
 なんか変な声出た!
 犯人は瞬間移動で越境して来た淳紅、これも立派な妨害工作だ。
「皆、ガチですやん〜」
 へなへなと崩れ落ちる雪彦、相手が女の子なら元気百万倍だが、男は勘弁してお願い。
 だが、東軍の勢いは止まらない。
「最後の最後、これで決めるわ!」
 チルルは脚で地面を蹴り飛ばし、その勢いを借りて綱を思いきり引っ張る!
 そしてトドメの一撃!
「今です、くまさんチャージ!!」
 くるりと後ろを向いた由真は全体重を乗せて突進、その勢いで一気に引っ張った!

 その頃、屋台では。
 Unknownが金魚すくいを楽しんでいた。
 すくった金魚はおやつとして、そのまま口の中へ。
 でも何か忘れている気がするのは、気のせいだろうか。
「…? そういえば何かしに…アッ」
 そうだ、シグリッドと待ち合わせしていたのだ。
 で、それは何の為かと言えば。
「綱引き? そんなものありま…したわー、忘れてました」
 まだ、間に合う?

 西:
 全てをかけた東軍の最後の攻撃に、西軍は苦戦していた。
 どう頑張っても踏み留まるのが精一杯で、引っ張り返す余力はない。
 このまま力尽き、引きずられてしまうのか!?
 しかし、西軍にはまだ最後の切り札が残されていた!
 みたらし団子を片手に、最後尾から渾身の力で綱を引っ張る黒い影!
 やるからには、勝つ。
 屋台を梯子して食べ歩いた料理やナマモノ、器や割り箸、その全てが今、綱を引っ張るチカラになる!
「ふんぬっ!!」
 それは味方さえも軽々と引きずり倒し――

「勝負あった、西軍の勝ちー!」

 Unknownが、美味しい所を全部持って行きました。



 さて、勝負が決まれば西も東もない。
 最初の一杯こそうどんで確定だが、後は何でも食べ放題だ。

「これが楽しみだったんです!」
 鈴は色々なバリエーションを楽しもうと、屋台を回って歩く。
 智美も早速食べ歩きだ。
「かまたま、ぶっかけ、力饂飩に月見饂飩、蕎麦も掛け、ざる、けんちん蕎麦、とろろに鰊に天麩羅蕎麦に鴨南蛮…結構、種類も豊富だな」
 まだまだ、こんなもんじゃない。
「…蕎麦湯、もらえるかな? 結構好きなんで」
 少し生姜を加えると身体が温るのだが、今はバトルの余韻で寧ろ暑いくらいだ。
「後で冷えてきたら、温かい甘酒を貰えると嬉しいな」
 出来れば麹ではなく酒粕から作ったもので。

「うどん…僕釜玉がすきです」
 シグリッドはUnknownと並んでちゅるちゅる。
「そばなら天そばかなあ」
 でも、天そばの屋台は何処だろう。
「人混みで、よく見えませんね」
 もう少し背が高ければ…いや、自分が小さいのではなく周りが大きいのだ。
「高ければ、良いのか?」
 ひょいっ、Unknownは軽々と肩車。
「わぁ、ありがとうございます…!」
 良い人だ…悪魔だけど!
「後でわたあめ買って帰りましょうね!」

「なんだかいつもより美味しく感じますね。頑張った後だからでしょうか」
 それとも皆と一緒に食べているからだろうかと、繭子は思う。
「西軍に参加したけど、お蕎麦も美味しいから好きv」
 悠が言った。
「私もです。どちらが勝っても食べれるのって素敵ですね」
「お蕎麦ーv」
 シルヴィアも、ほくほく笑顔。
「頑張った甲斐があったわね!」
 チルルも満足げだ。
 くまさんは着ぐるみを脱いで、由真に戻っていた。
 その状態で、うどんも蕎麦も美味しく頂く。

 そしてこちらは、鴨南蛮の屋台前。
「やっぱり鴨南蛮は最高ね。鴨とねぎのハーモニーがたまらないわ」
 翼は待望の鴨南蛮に、幸せ一杯だ。

「鴨南蛮ー♪(うまうま!」
「がんばった後のお蕎麦おいしーv」
「ふぅ! 美味しいって正義だねぇ♪(ほくほく」
「蕎麦うめぇ……!!」
 褌ハッピーの四人も、心ゆくまで堪能中。

 黒夜は、くたくたになったコシのない素うどんを一杯だけ。
 ナナシは麺類を食べ終わると甘味に走った。
「三色団子と大福、あるかしら」

「お酒お酒〜♪ 可愛い子おったらナンパしよ〜っと」
 ワイルド系のゼロとマイルド系(自称)のジェラルドは、食事もそこそこに白黒ナンパコンビを結成。
 でも、さっき引っかけた女の子達に見付かっちゃったら、ゼロくんを犠牲に逃亡だ!
「いやぁ、この人に無理やり誘われちゃってぇ☆」
 後はよろしく!

 そして勿論、憐はカレー鍋の前に。
「……ん。カレーは。飲み物。つまり。カレーうどんも。飲み物だよ?」
 ドーピングをフル活用して、真っ先に乗り込んだ事は言うまでもない。
「……ん。カレー蕎麦とか。カレー湯とかは。無いの?」
 作るよ、御所望とあらば。
「……ん。おかわり。大盛りで。大急ぎで。いっそのこと。鍋。丸ごとでも。可」
 大丈夫、ほら。
 どーん!


 そうして好きなだけ食べた後は、皆で綺麗に片付ける。
 来年もまたお世話になるのだから、ゴミは残さないココロで!

 かくして、祭は今年も大成功。
「来年もまた、楽しく頑張ろうね!」
 \ お ー っ ! /
 全員で気負いを入れて、無事に終了――





 ところで、誰か忘れてる気がするんだけど……気のせいかな?




 暫く後。
 静けさが戻った境内に、大縄で巻かれて木にぶら下げられた誰かの姿があった。
 勝利の瞬間、ここぞとばかりに勢いよく後ろに倒れ込んだ事は覚えている。
 勝っても!
 負けても!
 おっぱいだ( ゜д゜ )クワッ!!
 これは事故なんだもの、うっかりボインを掴んでも仕方ないよね!!!!
 そう思った事も覚えている。
 しかし、そこから先の記憶がなかった。
 何故、自分はこんな所にぱんついっちょでブラ下がっているのか。
 罰か。オイタが過ぎた罰なのか。
 そう言えば、うっかりボインを掴む直前に……

 それはそれは無邪気な笑顔を浮かべた、悪魔の人を見た様な気が。

 暗くなる前に、降ろして貰えますよね? ね?


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:13人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
揺るがぬ護壁・
橘 由真(ja1687)

大学部7年148組 女 ディバインナイト
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
撃退士・
鈴・S・ナハト(ja6041)

大学部4年115組 女 ルインズブレイド
災禍祓いし常闇の明星・
東城 夜刀彦(ja6047)

大学部4年73組 男 鬼道忍軍
春を運ぶ風・
フェリス・マイヤー(ja7872)

大学部3年220組 女 アストラルヴァンガード
ユノの祝福・
アドラ・ベルリオス(ja7898)

大学部8年129組 女 ルインズブレイド
撃退士・
加納 晃司(ja8244)

大学部7年185組 男 ルインズブレイド
ドS白狐・
ジェラルド&ブラックパレード(ja9284)

卒業 男 阿修羅
しあわせの立役者・
伊藤 辺木(ja9371)

高等部2年1組 男 インフィルトレイター
撃退士・
黒夜(jb0668)

高等部1年1組 女 ナイトウォーカー
未来導きし希求の召喚士・
柊 悠(jb0830)

大学部2年266組 女 バハムートテイマー
カレーは飲み物・
最上 憐(jb1522)

中等部3年6組 女 ナイトウォーカー
黒焔の牙爪・
天羽 伊都(jb2199)

大学部1年128組 男 ルインズブレイド
誓いを胸に・
ナナシ(jb3008)

卒業 女 鬼道忍軍
欲望の赴くままに・
シルヴィア・マリエス(jb3164)

大学部3年96組 女 陰陽師
君との消えない思い出を・
藤井 雪彦(jb4731)

卒業 男 陰陽師
撃退士・
シグリッド=リンドベリ (jb5318)

高等部3年1組 男 バハムートテイマー
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
迅雷纏いし怨恨・
八神 翼(jb6550)

大学部5年1組 女 ナイトウォーカー
縛られない風へ・
ゼロ=シュバイツァー(jb7501)

卒業 男 阿修羅
久遠ヶ原学園初代大食い王・
Unknown(jb7615)

卒業 男 ナイトウォーカー
怖いもの知らず・
篠塚 繭子(jb7888)

大学部2年55組 女 ディバインナイト