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マスター:STANZA
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/07/18


みんなの思い出



オープニング


 まだ新しい瀟洒な住宅が建ち並ぶ町の一角。
 巨大な黄色い目玉が、じっと獲物を見下ろしている。
 ぎょろりと見開かれたそれは、顔の真ん中にたったひとつ。
 それを支える首は頭と同じくらい太く、続く肩は岩の様にゴツゴツと盛り上がっている。
 だらりと垂らした右腕にはトゲの生えた棍棒を握り締めていた。

 一つ目の巨人、サイクロプス。
 ファンタジー物のゲームなどでよく見る、あの怪物に似ている。
 それが三体、逃げ遅れた人々を取り囲んでいた。
 十歳前後の男の子が二人と、彼等を庇う様に抱き締めている女性がひとり。
 片方の男の子は、腕に茶トラの猫を抱きかかえている。
 足元には猫用のケージが転がっているが、猫が入るのを嫌がった為にやむなく抱いて来たのだろうか。
 しかし猫は少年の腕の中で暴れ、今にも飛び出してしまいそうだ。



「トラン、だめだよ! じっとして!」
 少年、健(タケル)は暴れる猫の爪で腕が傷だらけになっても、その身体を離そうとしなかった。
 その隣で子供用の携帯電話をしきりに気にしている少年は、学校帰りに遊びに来ていた友達だった。
「お母さんとおばあちゃん、ちゃんと逃げられたのかな……なんで、連絡くれないんだろう……」
 何度確認しても、メールも電話もない。
 避難勧告が出てすぐに電話が来て……それっきりだ。
 彼の家はここから少し離れた所、町の北側にある。
 母親と祖母は北の避難所に逃げている筈だった。
「でも、おばあちゃん足悪いから……」
 もしかしたら逃げ遅れて、今頃はもう――
 考え始めると、思考はどんどん悪い方へと転がって行く。
「大丈夫、ケイ君の家の方はきっと無事だから」
 健の母親は精一杯の笑顔を作って見せた。
「怪物はきっと、この辺りだけに集まってるのよ。だって、こんなに沢山いるんだもの」
 彼女の言う通り、周囲には何体もの巨人の姿が見える。
「だから、お母さんは大丈夫。私達だって、すぐに撃退士が助けに来てくれるわ」
 気休めにしかならないと知りつつも、彼女にはそう言って二人の子供達を慰めるしかなかった。



 その場から逃げようとする猫の判断は正しい。
 小さくて身軽な猫ならば、彼等を取り囲む巨体の足元を素早く抜けて逃げ切る事が出来るだろう。
 だが人間はそうはいかない。
 猫を抱いていた少年は、その後を追うだろう。
 その頭上に棍棒が振り下ろされ――それを庇った母親もろとも一瞬で肉塊と化す。
 恐らく痛みや恐怖を感じる暇もないだろうから、その意味では幸運と言えるかもしれない。
 だが、それを目の前で見た子供はどうなるだろう。
 仮に奇跡的に難を逃れたとしても、心に受ける傷は深く重い。
 それで無事に助かったと言えるのだろうか。
 運が良かったと言えるのだろうか。


 だから――
 急いで救助に向かって欲しい。

 彼等の時が止まる前に。



リプレイ本文

 転移装置から吐き出された撃退士達は、すぐさま敵の姿を探した。
 小さな公園の周囲に植えられた葉桜の陰に、ちらりと見えた影。
 足取りは遅く、動作もゆったりとしているが、獲物を探す眼光は鋭く…その大きく光る眼が、公園内に現れた獲物を見逃す筈もなかった。
 ゆっくりと歩み寄る巨人に対し、撃退士達は迎撃の構えを取る。
 同時に、三人の翼を持つ者達が上空に舞い上がった。
「あっちにもこっちにも敵ばかり。こっちの都合も考えないと女に嫌われるってね」
 アサニエル(jb5431)は敵の分布状況を仲間達に伝える。
 公園の北側に7体、南に5体。残りの数体は公園の付近に散開していた。
「北側は敵の数が多いですね」
 アステリア・ヴェルトール(jb3216)が、町の北側に目を懲らす。
 ここから見る限り、逃げ遅れた者はいない様だ。しかし、どこかに隠れているなら発見される可能性があるし、避難所とて阻霊符が使われていなければ安全とは言えない。
「南側、少し離れた所に3体が固まって…」
 エリーゼ・エインフェリア(jb3364)が遠方を指差し、目を懲らす。
「あそこ、逃げ遅れた人が囲まれてます…!」
 撃退士達の判断は素早かった。
 互いの視線を合わせ、弾かれた様に散る。
 迫り来る巨人達は無視し、町の南北へ。
「一人でも多く助ける為にも、急がないとね」
 阻霊符を展開しながら、南へ向かったソフィア・ヴァレッティ(ja1133)が言った。
 暫し迷った各務 与一(jb2342)は、北に向かって走る。
「逃げ遅れた人たちが他にもいるかもしれないね。一人でも多く、救助しよう」
 南に要救助者がいる事は明白だが、北側の方が敵の数が多い。
 もし北側にも逃げ遅れた人がいるなら、南を片付けてからでは間に合わないだろう。
(今ここで自分がやるべきは一人でも多くの命を救う事。同時に、俺に出来る事は命を救う事だけだという事も理解している)
 今の自分に人の心を救う事は出来ないだろうし、力で出来る事には限度がある。
「それでも、救える命があるなら救ってみせるよ」
 南側は人数も足りているし、火力も高い。
「南は任せたよ!」
 走り去る仲間達に声をかけ、与一は上空でルートを指示するアステリアの後を追った。


 兎にも角にも時間との勝負、仲間とじっくり作戦を練っている暇はない。
「変身っ!」
 公園の南側に飛び出した千葉 真一(ja0070)は、赤いマフラーが水平になびく程の速さで走りながら光纏、無敵のヒーロー「ゴウライガ」となった。
 上空からのナビに従い、真一は走る。
 その目に飛び込んで来た、巨人の背中。
「ゴウライキーック!」
 どごんっ!
 鈍い音と共に、ブーツの底が浅黒い肌にめり込む。
「天・拳・絶・闘、ゴウライガぁっ!」
 背後からの不意打ちに思わずたたらを踏んだ巨人は、名乗りを上げた真一をのっそりと振り返った。
 黄色く光る一つ目の上から瞼が下りて来る。その目が再び開けられたと同時に、一筋の光線が放たれた。
「っと!」
 その攻撃を、真一は咄嗟に飛び退いて避ける。
 だが、虚を衝かれたのは巨人達ばかりではなかった。
「うわぁっ!」
 助っ人の出現に驚き、安堵した少年の腕が弛み、猫が飛び出す。
「あっ、トラン! 待って!!」
「健、だめっ!!」
 それを追って走り出そうとした少年に向けて、母親が手を伸ばした。
 腕を掴み、引き戻す。
 その背後から、棍棒を振り上げた巨人が迫り――
「そうはさせませんよー!」
 上空からエリーゼが叫ぶ。
 同時に、槍の様に降って来た光の奔流が巨人達を穿った。
 間髪を入れず、その顔面に向けてアサニエルが光の玉を放つ。
「ほらほら。足元ばっかり見てちゃ、頭上がお留守さね」
 目玉を直撃された巨人は棍棒を取り落とし、両手で顔を押さえた。
「はい、もういっちょーですー!」
 光の槍が、雨あられ。
「大人しくしろとは言わないけど、こうも暴れられるのは流石に勘弁ならないね」
 低空を飛びながら魔法を連発するアサニエルを叩き落とそうと、巨人達は蠅でも払う様に闇雲に腕を振り回す。
「大男、総身に知恵が回りかねってね!」
 巨人達の注意は上空の敵に向けられ、足元を駆け抜けようとする猫には全く気付いていなかった。
「大丈夫、猫は任せて!」
 走り込んだソフィアがCatene di fioriで無数のつる状の花を呼び出し、猫の身体に絡み付かせる。
「ちょっと手荒だけど、悪く思わないでね!」
 硬直した様に動きを止めたトラ猫の身体を素早く掻っ攫うと、ソフィアは少年の足元に転がっていたケージを拾い上げた。
 猫を入れ、少年に手渡す。
「はい、これでもう逃げる心配はないわ」
 ソフィアはそのまま三人を道の端へ誘導し、背中に庇いながらFiamma Solareを炸裂させた。
「俺たちがこいつらの相手をしている間に避難所へ!」
 真一が叫び、巨人達の眼を惹き付けようと挑発する。
「巨人ども、お前たちの相手はこっちだ!」
 そんな彼の姿を、ケージを抱えた少年が目を丸くして見つめていた。
 もう一人の少年の目も釘付けだ。
 そんなギャラリーの目を意識してか否か、真一はイグニッションからチャージアップで己の力を最大限に強化、必殺の蹴りを叩き込む。
「ゴウライ、バスターキィィィック!!」
 腹に渾身の一撃を受けた巨人は、身体を二つに折り曲げながら吹っ飛ばされ、倒れ込んだ。
「「うおぉぉ、すっげえぇっ!!」」
 少年達の声が重なる。
 二人は先程までの恐怖も、逃げる事さえ忘れた様に目を輝かせていた。
「私達は撃退士です。ここからあなたたちを避難所まで誘導致します。安心してくださいね」
 地上に降りたエリーゼが天使の微笑みを浮かべる。
 三体の巨人をあっという間に倒した彼等が守ってくれるなら、不安などあろう筈もない。
 だが、ケイと呼ばれた少年は興奮が収まると、再び携帯を気にし始めた。
「どうかなさったのですか?」
 エリーゼの問いに、健と名乗った少年が答える。
「あのね――」


 町の北側に向かった四人は、途中で遭遇した巨人達を蹴散らしながら避難所を目指していた。
「人を狩る事、それ自体は否定しないわ。人間も同じ事をしているもの」
 背後から急接近した佐藤 七佳(ja0030)は、建御雷で巨人の足に斬り付ける。
「守る為に討つ、耳障りの良い言葉。でも、敵も己の命を絶やさぬ為に食料を求める、それが人間だっただけ」
 膝の裏を切り裂かれた巨人は、バランスを崩して膝を付いた。
「命を絶つ事が悪ならば、悪を為す事で本当の正義を捉えてみせる」
 人の数だけある無数の独善ではなく、全ての者にとっての正義を。
 膝を折った姿勢のまま、巨人は七佳を振り返り…その巨大な一つ目を伏せる。
 閉じた瞼が再び開かれた瞬間――
「露骨すぎるよ、それは」
 与一の天翔弓が、その瞳を射貫いた。
「実戦で使うにももうちょっと工夫が必要だね」
 攻撃手段と機動力を奪った巨人をその場に残し、二人は次の標的へと向かう。

 一方、怪我を押して参加した日下部 司(jb5638)は、皆に遅れまいと懸命に走っていた。
(この傷で下手に戦闘に参加すると仲間の迷惑になるな。救助者の避難指示誘導に専念しよう)
 しかし、先を行く仲間達との距離は広がるばかり。とうとう誰の姿も見えなくなってしまった。
「…っ、駄目だ、今の俺じゃフォローに回る事さえ…っ」
 息を切らし、道の真ん中で立ち止まる。
 と、携帯の呼び出し音が鳴った。
「はい…え、逃げ遅れた人が…?」
 それは、南側に向かったエリーゼからの連絡。
「…住所は…ああ、わかった。すぐに向かうから安心しろと、その子に伝えてくれ」
 通話を切ると、司は地図を取り出して印を付けた。
 そこは、仲間達が向かった避難所とは反対方向。
 知らせなければと、司は再び携帯を手に取る。と――
「どうしました?」
 目の前に、アステリアが舞い降りた。
 事情を聞いた彼女は他の仲間に連絡を入れると、問答無用で司を抱きかかえ、空に舞い上がる。
「あの家ですね」
 目指す家の周囲では、一体の巨人が獲物を探していた。
 だが、ケイの家はまだ無事の様だ。
 地上に降ろされた司は玄関に走ると呼び鈴を鳴らし、インターフォンの応答も待たずに叫んだ。
「誰かいませんか!? 撃退士です、ケイ君に頼まれて助けに来ました!」
「ケイ!? ケイは無事なの!?」
 息子の名を聞いて、中で息を殺していたらしい母親が声を上げた。
 カチリ、玄関の鍵が外れる。
 僅かに開いた隙間から、青ざめた婦人が顔を覗かせた。
「大丈夫です」
 婦人を安心させようと、司は精一杯の笑顔で頷く。
「お母さんも速く避難して下さい。お婆さんは私が背負って行きますから」
 怪我人ではあるが、人ひとりを背負って歩く位の余力はあった。

 家の外ではアステリアが黒蛇弓を構え、近付く敵に狙いを定めていた。
「――邪魔はさせません」
 上空から矢を放つ。が、流石に不意打ちでもない限り、攻撃もそう簡単には通らない。
「ならば、これはどうですか」
 魔剱練成『魔弾の射手』、今なら射程内に味方はいない。
 敵の頭上に展開した魔法陣から、魔剱が驟雨の如く降り注ぐ。
 巨人はその雨の中で、なすすべもなく立ち尽くしていた。
 その間にも、獲物の匂いを嗅ぎ付けたのか、周囲から集まって来る巨人達が二体、三体…
「…はは、あははははっ!」
 ふいに、日頃は抑え込んでいた魔族の本性が顔を覗かせた。
「図体ばかりの木偶ですか、ならば疾く万死に砕けなさいっ!」
 もう一度、魔王の如き高圧的な態度で魔剱を放つ。
 が、無抵抗に見えた巨人がふいに顔を上げた。
 その瞳から放たれた光線が、魔剱の雨を抜けてアステリアに迫る。
「…っ!」
 ぎりぎりで避け、弓を引き絞った。
「その瞳、厄介ですね。――潰しましょうか」
 黄色い目玉に狙いを付ける。
 的は大きいし、動きも鈍い。外す気はしなかった。
 だが、狙われている事を察した巨人は手にした棍棒を投げ付け、反撃に出る。
 回避行動を取ったアステリアに対し、残りの巨人が一斉に視線を向けた。
 閉じた瞳が開かれ、眩い光が溢れ――
 しかし、放たれた光線は目標を見失ったかの様に、虚空へと吸い込まれて行った。
「そう簡単に、奪わせはしないよ」
 後頭部に矢を受け、振り向いた巨人の目に与一の姿が小さく映る。
 と、その背後から飛び出した一陣の風。
「あたしの速度からはそう簡単に逃れられないわ」
 七佳は飛び出した速度から更に光翼で加速し、瞬時に間合いを詰めた。
 もう一体の頭部から背にかけて、一直線に刃を振り下ろすと、赤い飛沫がタテガミの様に噴き上がる。
「この力で命を救う事が出来るのなら、俺は自分に出来る事を全力で成すだけだよ」
 残る一体の攻撃を、与一が回避射撃で逸らした。
 その隙に、アステリアは敵の頭上に魔焔を解き放つ。
 黒き爆焔が四体の巨人を呑み込んでいった。
 それでも尚、膝を折らない巨人には、七佳が引導を渡す。
「迅雷一閃…この一撃で終わらせる」
 渾身の一撃を食らい、巨体はその場に崩れ落ちた。

 我に返ったアステリアは、魔性を抑えきれなかった自分を恥じて拳を握る。
 だが、まだやるべき事は残っていた。
「では、行きましょうか」
 ケイの祖母を背負って玄関を開けた司に、与一が声をかける。
 母親には七佳が付き添った。
「暫くは目を閉じていた方が良いかもしれません」
 戦いの現場は見せずに済んだが、足元には巨人の骸が転がっている。
「大丈夫です。転ばない様に、手を引いて差し上げますから…」


 一方、南側では無事避難所に辿り着いた一行が、ほっと一息。
「これで一安心ってところかい? 避難所とかにも連絡入れておくよ」
 アサニエルが北側に向かった仲間の番号を呼び出すと、向こうも丁度避難を終えた所だと返事があった。
「良かったね、坊やの家族も無事だってさ」
「ほんとっ!?」
 その言葉を裏付ける様に、ケイの携帯が鳴った。
「あっ、お母さんだ!」
 今にも泣き出しそうな声で叫ぶ。
 夢中で話し込むその声を背中で聞きながら、撃退士達は再び敵の掃討へ。
 残った敵は今、避難所に向けてゆっくりと近付きつつあった。
 公園付近にいたものも、こちらに向かっている。
「これ以上好き勝手させる訳にはね」
「ああ、このまま好きにさせるか。帰るべき家を無茶苦茶にさせる訳にはいかないぜ」
 ソフィアと真一が、走りながら頷く。
 アサニエルの指示を受けて角を曲がった二人の目の前に、一体の巨人がいた。
 花びらの螺旋を撃ち出したソフィアの背後から飛び出した真一が、アサルトライフルを連射しながら距離を詰める。
「喰らえ、ゴウライブラスト!」
 殴り合いの間合いに飛び込むと、腹に拳を叩き込んだ。
「ゴウライパーンチ!」
 だが、ただの拳では無駄に筋肉の付いた腹はビクともしない。
 ならばと、ブロウクンナックルを装着。
「ゴウライナッコォッ!!」
 重い一撃が腹にメリ込む。
 と、背後から聞こえる子供達の歓声。
「やっぱすっげー!」
 何と、先程の二人がこっそり見物に!
「何してるの、あなた達!?」
 ソフィアが慌てて首根っこを引っ掴み、避難所に引きずって行く。
「せっかく助かったのに、怪我でもしたらどうするの!」
 皆が無事だった事に思わずはしゃぎたくなり、ヒーロー達の活躍を間近で見たくなる、その気持ちもわからないではないけれど。
「もう少しだから、大人しくしててね」
 その間にも、巨人達の足音が鳴り止む事はない。
 だが、それは…
「飛んで火に入るナントカね」
 避難所の屋根に陣取ったエリーゼは、迫り来る巨人に向けて雷の槍を放つ。
「友人に破壊天使とかリーサルウェポンとか広範囲殲滅兵器とか散々言われましたけど…そこまで言われたら開き直って兵器にでもなんでもなってやりますよー!」
 相手の射程外から、たて続けに五発ぶっ放す。スキルが切れたら次々に入れ替え、とにかく撃つ。
「それにしても私に対してディアボロ15体程度って少なくないですか」
 ふふふふふ。
 しかも、ここにはその半分程度しかいないし。
「敵の防御? 防御ごと消し飛ばすまでです…!」
 駆逐してやる、一匹残らず!


 同じ頃、町の北側でも掃討作戦が展開されていた。
 アステリアの指示に従い、七佳と与一が攻撃を仕掛けながら巨人を追う。
 追われた巨人が逃げ込んだ先には、司が待ち構えていた。
「残念だが、ここは行き止まりだ」
 四人は息の合った連携で一体ずつ誘い出し、逃げ場を失った巨人を集中攻撃、確実に沈める。
 同時に逃げ遅れた人を探し、避難所に送り届け――



「誰か怪我した人は?」
 アサニエルが避難所から出て来た者や仲間達に声をかける。
 大怪我をした者はいない様だが、余っているのだからと治療を施す。
「痛いの痛いのなんとやら…てね」
 向こうではケイが再会した母達に抱き付き、こちらでは健の母が撃退士達に「ありがとう」を繰り返している。
 彼等の時は、止まる事なく動き続けていた。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:8人

Defender of the Society・
佐藤 七佳(ja0030)

大学部3年61組 女 ディバインナイト
天拳絶闘ゴウライガ・
千葉 真一(ja0070)

大学部4年3組 男 阿修羅
太陽の魔女・
ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)

大学部4年230組 女 ダアト
撃退士・
各務 与一(jb2342)

大学部4年236組 男 インフィルトレイター
撃退士・
アステリア・ヴェルトール(jb3216)

大学部3年264組 女 ナイトウォーカー
水華のともだち・
エリーゼ・エインフェリア(jb3364)

大学部3年256組 女 ダアト
天に抗する輝き・
アサニエル(jb5431)

大学部5年307組 女 アストラルヴァンガード
この命、仲間達のために・
日下部 司(jb5638)

大学部3年259組 男 ルインズブレイド