桜井・L・瑞穂(
ja0027)は激怒した。
「このディアボロを生み出した悪魔は何処ですのぉ!?」
かの邪智暴虐の悪魔を除かなければならぬと決意した。
「殲滅ですわ! 撃滅ですわ! 絶滅ですわぁっ!」
しかし、その台詞の割に服装はノリノリである。
「こっ、これは違いますわ! わたくしの趣味ではございませんわよ!」
そう、アムル・アムリタ・アールマティ(
jb2503)に勧められたのだ、ディアボロ退治に必要な事だと。
「そうそう、良い感じよぉ瑞穂ちゃん♪」
アムルの服装は例の胸開きタートルネックに、股下10cmの際どいミニスカ。
一方の瑞穂は最早シャツとは言えない様な、下乳と谷間が丸見えなTシャツにミニスカと、ガーダーベルト&ストッキング。
更に――
「はい、これぇ♪ ディアボロへの囮としてより魅力的になれるよーにって♪」
差し出したのは青いリボン。
「これを、どうするんですの?」
「こうしてこうするんだよぉ、これでディアボロもイチコロだよねっ☆」
例の紐は下に通すだけだが、こちらは上下から挟んで巻き付け爆乳をこれでもかという程に強調する。
「くっ! 此れも人命の為ですわね…!」
一般人の安全を確保する為ならば仕方がない。
アムルの口車にまんまと乗せられた気もするけれど、それはわりといつもの事だし。
雁久良 霧依(
jb0827)は謎の使命感に燃えていた。
「またおかしなディアボロが現れたわね♪ 早く皆を助けないと♪」
これは楽しまねばならぬと決意した。
いつもの白衣と黒マイクロビキニ、しかし白衣を着ていたのは登場時の僅か数秒。
「この格好動きにくいわ♪」
ばさぁっ!
現れたのは、ほんの申し訳程度の布きれで隠された自慢のナイスエロバディ。
いや、寧ろこれならいっそ隠さない方がまだ目に優しい。
「さァいらっしゃいボウヤ達♪」
前と後ろの二つの山をぷるんたぷんと震わせて、霧依は人混みの中に飛び込んで行く。
忽ち群がるエロ天魔――とりわけ前の方に集中して。
「なるほど、巨乳にも反応ですか…滅する」
雫(
ja1894)は激怒した。
深く静かに、かの破廉恥なエロ天魔と創造者を除かなければならぬと決意した。
しかしまずは冷静に、既に噛み付かれている人達へ注意を促す。
「しりとりで負けになる一文字は使わないで下さいね」
キケンですからヒナンして下さい、なんて言っちゃ駄目ですよ。
「ゆっくりと確かめながら話して下さい」
いっそパントマイムで通した方が安全だろうか――と、アンゼンもアウトだ。
「なかなか面倒ですね」
ふむ、単語の途中に入るのはセーフか。
「それならまだ良心的、などと考えると思いましたか」
滅する。
食い付かれた人を座らせてエロ天魔を地面に固定した後、闘気解放からゆっくりと武器を振り上げて――
「ままま待って怖い! それ怖いから!」
振り上げた大剣がギロチンの刃にしか見えません!
「大丈夫です、狙いは外しませんから」
それでも不安なら、ガスを放出して貰えませんか?
ええ、放屁で離れないかと――あ、駄目ですね。
じゃあやっぱりギロチンで。
「ぎゃあぁぁぁ!」
…外してませんってば。
礼野 智美(
ja3600)は安堵した。
「…胸なくて良かったかも」
ただ奇襲は怖いので、すぐに阻霊符を使わねばならぬと決意した。
「先日妹が『レトロゲームするの』とか言って引っ張り出したのでこんなキャラいたよなぁ…」
でも知ってる、こういう見た目や被害がふざけた(ように見える)敵は、周囲がカオスな状況に雪崩れ込むことが多いって。
真面目に考えると滑るとか言われた気もするが、誰かが真面目に取り組まなければ収拾が付かなくなる事は目に見えている。
ならば――俺がやらねば誰がやる。
茅野 未来(
jc0692)は智美とは別の意味で安堵した。
(しゃべるのにがてだから、だまっておしごとできるのうれしい、です)
まだ胸とか尻とか気にするお年頃でもない。
それに大きい相手もちょっと怖いので、その点でも安心だ。
(てきが大きくなくて、よかった、です)
小さい人にくっついている小さい天魔なら大丈夫、戦える。
大人は他の人達に任せ、子供達の後ろに回って刀でサクサクぺちぺち。
幸か不幸か敵にも狙われにくいし、身軽に動けるのも嬉しいね!
「…これはまた珍妙な」
樒 和紗(
jb6970)は思案した。
「痛みは然程無い様ですが…生命力を吸い取られるとなると放置も出来ないですね」
負傷者は後で治療するとして、まずは駆除せねばならぬと決意した。
「俺、ゲームはやったこと無いのですが…ね」
ただ知識としては知っている。
「あれを食べるとなると、俺はモンスター側ですか。色的にア○スケ?」
その程度はネットで調べればすぐにわかる。
「…ゲームはやったこと無いですよ?」
え、手が無意識に4方向レバー操作の動きをしてる?
気のせいですよ、攻略パターンも全部覚えてるなんてそんな。
「きゃはァ…しりとり、しながらの戦闘なんて楽しそうじゃないのォ、獲物もいっぱいだし楽しんでいきましょうォ♪」
黒百合(
ja0422)は、普段と余り変わらなかった。
「だって相手が何でもやる事は同じでしょォ?」
叩いて斬って砕いて割って、塵にするだけの簡単なお仕事です。
「それじゃ始めましょォ♪」
危ないからじっとしているようにと声をかけ、黒百合は人々の尻、或いは胸に食い付いたエロ天魔を斬り落としていく。
「さつりく」
ばさっ!
「く、くるしみ」
物騒な言葉でしりとりをしながら、一語一殺。
その間に、智美はまだ食い付かれていない人々を広場の外へ逃がしていく。
(一杯いるから、とにかく数を減らすのが先決だけど…一般の人が多いと武器振るうのも注意が必要だし、普通の人を助けて逃げてもらうのが第一段階だよな)
こう混み合っていたのでは普通に武器を振るう事も難しい。
誘導の途中で見付けた天魔は鉄扇でシバいて弾き飛ばし、柔らかそうな本体に忍苦無を突き刺していく。
「敵がくっついている人は喋らずに手を上げて下さい!」
下手に喋らせると自爆しそうだし、自分もうっかり口を滑らせてしまいそうだ。
「でも困ったねぇ、ボク誰かに呼びかけるだけでアウトなんだよねぇ」
ディアボロばかりか周囲の男性の注目さえ集めてしまいそうな格好で、瑞穂とアムルはショッピングモールの広場を歩く。
「だってボク二人称が『〜ちゃん』だから」
ってコトで、食い付かれたら意思疎通で呼びかけるから、びっくりしないでね♪
「さあ、ディアボロをぜんぶ退治しちゃうよぉ」
アムルはさりげなーく、お尻を強調するように後ろに突き出してみたり。
「ほらぁ、瑞穂ちゃんも一緒にぃ♪」
こういう時は恥ずかしがったら負け――いや、羞恥心に耐えて身悶えつつも必死に頑張る図というのも捨てがたいか。
「はぅっ!?」
ぐいっと腰を引っ張られ、瑞穂は尻を突き出したアヒルの様な格好に。
「ア、アムル! こんなポーズはぁぁっ――きゃっ!?」
かぷっ!
ほーら、かかった。
かぷっ!
今度は胸にも。
「あふ、…っ」
いけない、「あふん」とか「あはん」とか、多分「ん…っ」とかもアウトだ。
声を出せない状況で必死に耐える姿もまた尊い。
しかしこんな感じやすい所を、しかも絶妙な力加減で甘噛みされたら…!
「おほぉ♪」
その一言で、股間を押さえて蹲る男性続出の事態に!
「まだまだ、もっと釣れるまで粘るわよぉ♪」
限界まで集めたところで一網打尽にしてやるのだ――エロ天魔も、ついでに男共も。
大丈夫、攻撃する時はちゃんと識別するから。
『ほぉら瑞穂ちゃん、スカートが捲れて…あら、もしかしてぇ♪』
穿いてない疑惑、浮上?
「(いけませんわぁっ♪ そんな目で見ないで下さいなぁぁっ♪)」
訳:もっと見て! 舐める様に見て!
霧依もエロさでは負けていない。
前はほぼ紐、後ろは完全に紐、そこに噛み付くエロ天魔。
上手く体を蠢かせて誘導し、特に敏感な部分に――
かぷんっ。
そうそう、この甘噛みと本気噛みの中間位の痛みが最高よ♪
でもワイルドなプレイも嫌いじゃないわ♪
「ああん♪」
ぶっちぃっ!
「あぁァぁぁんっ!!」
カ・イ・カ・ン♪
でも大丈夫、ヒールで復活&何事もなかった様にエロ天魔をくっつけたまま救助活動開始♪
特に幼い少年少女をね♪
「今助けるわ…私に任せて…」
聖母の如き慈愛の表情を浮かべ、誤って幼い肢体を傷付けてしまわない様にと優しく抱き締めて安心させ、膝の上へ。
こんなもの、撃退士の力をもってすれば平手打ちで充分なのです。
そーれ、ぺっちん♪
「ああんごめんなさい♪」
間違えてぷりっぷりの可愛いお尻を叩いちゃったわ♪
(やっぱり幼女やショタのお尻は最高ね♪)
え、退治? するわよ、でもこのお尻を充分に堪能してからね♪
「で、とりあえず誘導して集めた方が良さそうですが…」
和紗は自分の胸や尻を見下ろしてみた。
大きいという自覚はないが、下着のサイズ的に表現するならば堂々のEである。
「俺程度で寄って来るのでしょうか? あまりじし」
おっと危ない。
「人より優れているとは思えないのですが」
しかし物は試しと上着を脱いだ途端に。
ばちーん!
「…つい」
思わずシールドを発動してしまいました。
「…釣れる、とは」
淡々と言った言葉の端に、じわりと滲む驚きの色。
「しかも、複数…は別に良いのですが、多少絵面的に如何なものかと」
あ、写真は遠慮しておきます。
ひっそり生きる方が性に合ってますので。
「相手が私の視線から少し下に居るせいか、私の御尻に向かって来ませんね」
高さのせいで目に入らないなら、百歩譲って仕方がないと許してやっても良い。
だが、胸なら確実に視界に入っている筈。
「気のせいでしょうか…敵が私の胸を見て憐れみの雰囲気を出して他所に行ってる様な?」
雫は見た。
じっと見た。
そして確信を得た。
「そうですか…エロ天魔の分際で私を馬鹿にするのですね」
ダークサイド雫、覚醒。
「原型を留めて死ねると思わないで貰いましょうか!」
まずはデコイで敵を誘き寄せる!
服の中にボールを二つ仕込んで偽乳特戦t(げふん
そしてやはり、誰しも考える事は変わらない様で。
(なにか、まるいものをふたつ…めだてばこっちにくるかもしれない、です)
幼女の尻にはそれなりのコアな需要があるらしく、既に一匹はくっついている。
けれど、お仕事を効率良くこなす為にはきっと、お姉さん達の様に沢山の敵を引き付ける必要があると思うのです。
それには自前の装備では心許ないと感じた未来は、何か丸いものを探し始めた。
(…にくまん、とか? あんぱん…)
いやいや、たべもので遊んじゃいけません。
(それなら、これで…)
二つ並べたボールに布を被せて地面に置いてみる。
しかし、誰も寄って来ない。
(からだにつけないと、だめ、かな)
うん、まあ、地面から生えてる乳とか怪しすぎますもんね。
未来はそれを拾い上げると自分の胸に括り付けてみた。
(…うごきにくい…)
まあ、明らかにオーバーサイズですから。
「あっ」
ぷるん、ぽてん、ころころ逃げて転がるボール。
それを慌てて追いかける未来の目の前に、草むらから飛び出して来た猫の姿が!
小動物スキーの未来さんは、彼等を呼び捨てになどしないのです。
「あっ、ねこさん…! あっ」
がっぶぅっ!!
「他の方々も此方へ。ああ、食いちぎられないよう黙っていて下さいね」
前後に敵をくっつけたまま、和紗は被害者達をぞろぞろ引き連れ広めの場所へ。
そこには既に先客がいた。
「み、みなごろし」
黒百合は噛み付かれた者達を一列に並ばせ、高密度に圧縮された擬似電流を放って全てを薙ぎ倒す。
「し、したい」
次は影手裏剣で――おや、何故逃げるんです?
「ちゃんと敵味方の識別はしてるわよォ、ほら、誰も巻き込んでないでしょォ?」
にっこり笑って黒百合は容赦なく攻撃を続ける。勿論、例のしりとりと共に。
「い、いぬじに」
「に、にんじょうざた」
「た、たたきころす」
さて、そろそろ纏めて倒すには数が物足りなくなって来たか。
足りなければ集めれば良い。
「す、すいしたい…は、土左衛門とも言うわねェ」
その瞬間、他の者達に取り付いていたエロ天魔が黒百合に噛み付こうと一斉に飛び掛かって来た。
「きゃはァ…いらっしゃァい♪」
エロ天魔御一行様、地獄へご案内。
氷の夜想曲でお眠り下さい、永遠に。
「大丈夫、識別出来るから痛くない痛くない怖くない怖くない…恐らく」
真顔で弓を向ける和紗。
ノリと勢い?
「そんなもの俺に求めるのが間違いです」
弓弦をキリキリと引き絞り、バレットストーム発射!
暴風の様な猛射撃が人々を襲う!
「しりとり負けた事は無いです。…何故なら、相手がいなかった」
ドヤ!
「それじゃ、ボク達もそろそろ始めちゃうよぉ♪」
はい瑞穂ちゃん頑張ってー。
我慢に我慢を重ね、羞恥心と愉悦を醸造させた果ての戦華神槍!
純白のドレス姿となった瑞穂の背に光の翼が生じるが、身体の前後にはエロ天魔がくっついたままだ。
百合と薔薇の意匠が施された見目麗しい槍がその手から放たれ、アウルの花吹雪が舞うが、その身体にはエロ天魔以下略。
その一撃でアムルにくっついたものは歯型の跡を残して全滅、しかし自分に取り付いたものはどうする瑞穂!
「勿論、一網打尽にして差し上げ――」
がぶがぶがぶぅっ!!
乳の上下、横、天辺、そして尻がスプラッタです。
でも大丈夫、治療スキルがあるから…多分。
雫は偽乳に食らい付いたエロ天魔が、破裂したボールに驚いた瞬間を狙ってギロチンずどん。
「有効的ですが、虚しさが襲って来ます…」
それに、数を纏めて始末するには不向きだった。
こうなったら手当たり次第に狩る。
待っているだけでは駄目だ。
こちらから探し出して、一匹残らず駆逐してやる。
そして雫は宣言通りに、敵の原型を留めなくなるまで滅多切りにして討滅するのでありました。
「そろそろ普通の武器でも大丈夫か」
一般人をあらかた逃がした智美は、得物ををワイヤーに切り替えた。
「一番命中率高いし」
とにかく、一匹も逃がさない様に。
皆が天魔と戦っている間、霧依は幼児の尻を堪能していた。
「あら、ちゃんと仕事もしてるわよ?」
間違えたフリで幼いお尻を撫で回し、満足したらついでにエロ天魔を叩き潰し、噛まれた痕を目視で確認する為に下着を脱がし、至近距離で鑑賞…じゃない観察し、丹念に撫でまわして触診し――
「治療するから動かないでね…」
幼児の尻に口付けし、舌を這わせていますが、これはあくまで治療行為です。
決してヘンタイではありません。多分。
そして戦いは終わった。
後は怪我人の治療を終えれば一件落着。
しかし、格差社会(何の)との厳しい戦いは続く。
これからも、きっと未来永劫に――