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マスター:樹 シロカ
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2013/11/22


みんなの思い出



オープニング

●荒涼

 天使達の砦であった廃墟を、晩秋の気配が包み込んでいた。
 盛夏の頃には眩しい陽光を受け威容を誇った城門は既に無く、撃退士達が駆け巡った城壁もあらかた崩されていた。
 南東要塞と呼ばれていたそれは、既に廃墟と呼ぶに相応しかった。
 だが、人間の前に最後の矜持を示すかのように。城壁から伸びた回廊の集まる所、要塞の監視塔がほぼ手つかずのままで聳えている。

 先だっての作戦で力天使・ザインエルの作った天界ゲートのコアを破壊し、大天使や強力な使徒に打ち勝った久遠ヶ原学園の撃退士達だったが、それですべてが終わった訳ではない。
 多くの人命が救出されたものの、街は一般市民が戻って来られる状態ではなかった。
 復興計画自体は自治体関係者によるものだが、どうしても撃退士の力が必要な作業も多く残されている。
 時折現れるはぐれサーバントの対応もそうだが、まだ市内にはからっぽの巨大収容所や要塞が残っていた。天界の置き土産は、V兵器でしか崩せない。当然撃退庁職員だけでは手が足りず、久遠ヶ原学園にも協力要請が舞い込むことになる。

「……作業手順は以上。質問がなければ早速始めようか」
 久遠ヶ原学園大学部講師、ジュリアン・白川(jz0089)のよく通る声が響いた。
「くどい様だが、慎重に行ってくれたまえよ。作業担当者全員が巻き込まれたのでは、恰好悪いことこの上ないからね?」
 冗談めかして笑うが、誇張でも何でもなかった。

 監視塔には各所にカラーペイントの印がつけられていた。
 建築の専門家の調査によるものだ。なるべく安全に塔を順に突き崩し、最終的に瓦礫の山に変える為の手順を示している。
 担当者は、正確に印を狙って攻撃することを求められる。しかも、適度な力加減で。
 この面倒な作業の監督の為に、白川も駆り出されたという訳だ。


●望郷

 南東要塞の南門があった場所からすぐの広場には、久遠ヶ原学園の校章が入ったテントが幾つも並んでいた。
「こちらは予定通りに材料は届いていますか?」
 タブレットパソコンを手に、大八木 梨香(jz0061)が顔を覗かせると、給食担当の学生が手をあげる。
「大丈夫でーす」
「では宜しくお願いします」
 日の出ている間の短い作戦とはいえ、休みなく働けるものではない。
 交代で食事と休憩を取りつつ、作業を進めることになる。その準備や世話も必要不可欠な業務だ。
「おーっええ匂いやなあ……もうそんな時間やったんか」
 通りかかったヘルメットに作業服姿の男性が鼻をひくつかせた。自治体の職員だ。
 久遠ヶ原の学生に復興計画を説明する為、数人が一緒に行動している。
「もう少ししたら、お呼びできると思います。料理上手な者が多いですから、期待しててください」
「嬉しいなあ、まさに地獄に仏やわ。……ところでおたくさん、もしかして京都の人?」
 学園ではほぼ標準語の梨香だが、相手のイントネーションに釣られたらしい。
「……はい。中学まではずっと桂の方に」
「へえそうかいな。大変やろけど、お互いきばってこな」
 男は手を振って別れて行った。
 梨香はぺこりと頭を下げて、見送る。
(……そうよね、やっとここまで来たんだから。頑張らないと)
 シャンと顔をあげ、次のテントへ急ぐ。


●依頼

 通信機の呼び出し音が鳴り響いた。
 塔付近の学生達から目を離さず、白川は応答する。
「どうしたね? ……はあ? 猫?」
 眉根を寄せながらも、相手の話に耳を傾ける。
「成程、特徴を教えてくれるかね。……キジトラって何だ……ああ、あれか。よし判った、なるべく注意していよう」
 通信機を切ると、溜息をひとつ。そして大声をあげる。
「すまない、もう一度集まって貰っていいかね。少し厄介な追加依頼だ」
 学生達が顔を見合わせた。


リプレイ本文

●迷い猫

 今まさに作業に取り掛かろうとしていた一同が、手を止める。
「此処に居るとは限らないが、流石に強行はまずいな」
 ジュリアン・白川(jz0089)が嘆息すると、数人が迷い猫の捜索に名乗りを上げる。
「本来なら瓦礫の運搬に参加すべきなのだが……この傷では逆に足手まといになってしまうからな」
 憮然とした表情を崩さないままの中津 謳華(ja4212)だが、この大柄で口数の少ない青年が猫探しという事態にはどうしてもおかしみが付きまとう。
 だが流石に思うさま身体を動かすことができない程の負傷では仕方がない。
「成程、君の運搬の技量には期待していたのだがそれは仕方がないね。くれぐれも気をつけてくれたまえよ」
 白川が意味ありげに笑った。
 ジャージ姿で長い黒髪を三つ編みおさげにした深森 木葉(jb1711)が、袖を引く。
「先生、用意してほしいものがあるんですけど〜!」
 キャットフードが入手できればとのことだった。
 猫探しの依頼人を通じてそれが届くと、御堂・玲獅(ja0388)と手を繋いで要塞へと向かう。
「御堂ちゃん、よろしくなのですぅ〜」
 木葉の期待に微笑みで応え、玲獅が生命探知を使用する。
「いますね……でも一匹じゃない……みたい?」
 反応があった。但し、幾つも。
「ではそれぞれ別の方向から捜索しましょう」
 提案する黄昏ひりょ(jb3452)を、星杜 焔(ja5378)が呼びとめる。
「あ、そうだ〜ちょっと待って」
 焔は出汁用の煮干しをひとつかみ、ひりょに渡した。
「余り沢山あげたらだめだけどね〜匂いに釣られて出て来るかもしれない」
「有難うございます。では行ってきます!」
 ひりょは薄紙に包まれた煮干しを、大事そうにポケットに入れる。
 迷い猫捜索隊はそれぞれ回廊の別の入口へと向かった。

 後に続きながら、龍騎(jb0719)が見知った顔に声をかける。
「真里じゃん、今日は女連れてナイんだ?」
 そのぶしつけな物言いに、桜木 真里(ja5827)は怒りはしなかったが首を傾げた。
「女……?」
 軍手を嵌めながら考え、思い至るとちょっと苦笑いを浮かべた。どうやら彼女のことらしい。
「今日は一緒じゃないんだ。龍騎は猫探しに行くの?」
 真里の言葉に、龍騎が不満そうに口を曲げた。
「トラック運転したかったケド……足届かないからダメだって!」
 瓦礫運搬を手伝う予定だったのだが、こればかりはどうしようもない。
「そんなことないし、届くけど! したら下の方見えないから……」
「一緒に仕事ができないのは残念だけど、猫探しも大事な仕事だよ。頑張ってね」
 真里の柔らかな言葉に、龍騎が傲然と顔を上げた。
「別に残念じゃナイし! キジトラ超好きだし! すぐに見つけるカラ!」
 ふんっと鼻息荒く、龍騎は塔へと向かった。


「猫ちゃん、猫ちゃん、どこですかぁ〜」
 木葉が回廊を進みながら声を上げた。
「美味しいご飯もあるのですよぉ〜。出ておいでぇ〜」
 猫にこの言葉が通じるかどうかはわからないが、普段餌付けされているということなら、キャットフードの箱の音に反応するかもしれない。
 木葉は箱をガサガサ振りながら周囲を見回す。
 既に晩秋の頃でもあり、日の光の届かない石造り風の建物はひんやりと冷たい空気が満ちていた。
 何もない空間に、ただ足音が反響する。
「……いました、あの柱の影に」
 ナイトビジョンで暗闇を見透かした玲獅が、小声で注意を促した。
 木葉は猫が逃げて行かないように、少量の餌を足元に置くとそこから数歩下がってしゃがみ込んだ。
 警戒している間は、こちらからは近づかない。
 やがておずおずと現れた縞模様の猫は、餌の匂いを確かめるように鼻先を近づけた。
「もう大丈夫ですよ〜こわかったですか〜?」
 もっとないのかと催促するようににゃあと鳴く猫に、手を差し出す。
 その指にざらりとした舌先が当たると、そっと抱きあげた。
「良かった、ちょっとだけがまんしててくださいね〜。ここは危ないんですよ〜」
 玲獅の持参したゲージに入れ、鍵をかける。可哀相だが仕方がない。
「まだ他にもいますね。皆さんは見つけられたのでしょうか」
 もう一度生命探知を使い、玲獅がおよその位置を他のメンバーに連絡する。
 
「……ふむ、こっちか?」
 謳華は玲獅の導きに従い、回廊を進む。
「猫はこんな寒い所に、いつまでもいないって」
 龍騎が口をとがらせる。
「詳しいな。飼っているのか」
 謳華が小さく笑うのに気付かず、龍騎は壁の小さな明り取りの窓から空を見上げた。
「飼ってたよ、キジトラもいた。リュウの猫はシャムだった、今はいないよ」
 青く澄み渡る高い空。
 空はどこでも同じだろうと思うのだが、そこから見える京の空はやっぱり見覚えのある空だった。
(どーせなら北っ側の依頼に行けばよかった、かな?)
 龍騎の家はそちらの方角にあった。
 かつての結界内のこと、今はそれがどうなっているかも判らない。
 そもそも龍騎が覚えているのは、そちらの方角に家があった、ということだけだ。
 だがそこでの途切れがちの記憶の中に、猫の姿。
 記憶の猫が鳴いたように、小さな声が回廊に響いた。
「……ぬ、鳴き声……こっちか」
 謳華が足音をたてず、気配を消して近寄る。
 果たして壁と天井の隙間に、緑色の二つの目が輝いていた。
「見つけたぞ、お騒がせものめ」
 謳華の大きな手に、猫は大人しく抱かれた。
 その温かさが、冷たい回廊の中で不思議なほどに染み渡る。
(天魔の手に落ちながらも生き延びた命。必ず守らねば、な)
 龍騎は黙って猫を見つめた。
 勿論、彼の覚えているシャム猫ではない。ふいと目を逸らす。
(あの子も元気に野良してるとイイね)
 命の灯が失われたような廃墟の中にも、逞しく生きる存在があったこと。
 それはとても小さな、だが確かな希望だった。


 回廊の曲がり角でひりょは立ち止まる。
 腕には二匹の猫がいて、煮干しを満足そうに齧っていた。
「まずい。はぐれてしまったようだね」
 自分でも単独行動は厳禁だとわかっていた。
 方向音痴を自覚していたからだ。
 だが分かっていても迷うのが、迷子の達人。いつの間にか同行者の影は見えなくなっていた。
 折角の方位術も屋内では役に立たない。
 ひりょは、途中で引き抜いたエノコログサを所在なげに揺らす。
 だがそれが進路を示してくれるはずもなかった。
「どうしよう……」
 そこに天の助け。少女の声が近付いて来た。
「あ、こっちにもいました〜」
「あら黄昏さん、探していたんですよ」
 猫を抱いた玲獅の姿に、ひりょの表情が思わずほぐれる。
「良かった、これで外に出られます」
 ひりょは連絡用の発煙筒を取り出した。


●監視塔

 回廊の一角から発煙筒の煙が立ち上った。
 ポーラ(jb7759)が空を舞うヒリュウの目を通して確認し、皆に伝える。
「猫は見つかったみたいよ。もうすぐ皆戻って来るわ」
 上空から見る要塞は、京の都にあってやはり異質だった。
(全くこんな不自然なもの作って……)
 かつては天界の一員だったポーラの目から見ても、やはりこの地で育まれた文化はここの自然に溶け込んでいる。
 その美しさを台無しにする要塞は、天界の奢りそのもののようだった。
 一つ首を振ると、ポーラはヒリュウを呼び戻す。
(私にできることは後始末。人やその他のものを元通りにするのをお手伝いするだけね)
 その為に敢えてこの地に来たのだから。

「ふむ。他にはもう反応は無いようですね」
 猫を抱えた捜索班が戻ったのを確認し、夜来野 遥久(ja6843)が生命探知で念を押す。
 見取図を広げると、彼がこれまでに三度関わった要塞の今の姿とを見比べる。
(四度目は再生への第一歩、頑張りましょう)
 その為には、天使の置き土産を取り除かねばならない。
「あの印を狙ってどかーんやってバーンって感じ?」
 月居 愁也(ja6837)が回廊から監視塔を眺める。
 忌々しい建造物を思い切り壊すのだから、悪い気分ではない。
 だが思い切りやればいいというものではないことは、傍らの遥久の厳しい表情を見ればわかる。
(ま、難しい計算は遥久に任せておけばいいか)
 愁也がうずうずしていると、遥久が引率の教師に声をかけた。
「ところでミスター。もし宜しければ、先に手本を見せていただくことはできませんか」
 からかいや冗談は感じられなかった。
 その真剣な眼差しに、白川が笑みを返す。
「はは、私の実技テストか。これは緊張するね?」
 白川の手にライフルが現れる。
「図面にあるが、狙う場所と強さは記号とカラーで示されている。指定通りにやれば、瓦礫は内部に落ちるはずだ」
 説明しながら、数発。変化が見られなかった監視塔の一角が、続く一発で見事に崩れ落ちた。
「とまあ、このような具合だ。至近距離から狙う場合は、お互いに連絡を絶やさないように」
 遥久が腕組みのまま、崩れ落ちた監視塔を見つめる。
「……日々鍛錬、ですね」
「ま、今日の依頼もそうなんじゃねーの?」
 敢えて明るい調子で愁也が言った。
「そういうことかもしれないな」
 遥久がふと笑い、合図用のホイッスルを取り出した。

 各自が持ち場につき、作業に入る。
「思ったより固いなあ」
 亀山 淳紅(ja2261)が溜息をついた。
 強すぎる攻撃よりはと手加減していると、思ったように崩れてくれない。
「手っ取り早く行こう」
 霊符を手に、黒夜(jb0668)が小さく呟く。
 習得したてのグローリアカエルの試し撃ちにも、丁度良い機会だ。
 轟音と共に闇の弾丸が打ち出され、塔に小さな亀裂が入る。
「お、黒夜ちゃん、うまいな!」
 淳紅が拍手。黒夜が危険なことをしないか気になっていたが、大丈夫なようだ。
「ほな続けて行くで」
 激しい雷光が放たれ、確実に亀裂が大きくなっていく。
 それを確認し、ポーラが注意を促した。
「気をつけて! もう少ししたら上が崩れ落ちそうよ」
「わかった、気をつける」
 軽く手を上げて黒夜が応じた。

 轟音の中、空を見上げ一条 朝陽(jb0294)が目を細める。
 記憶にないとはいえ、自分はここで生まれたのだ。不思議な懐かしさが胸に満ちる。
 だが感傷に浸っている暇はない。傍らの雀原 麦子(ja1553)に顔を向ける。
「あれだね、目印って。ようは爆薬の代わりかな?」
「特に建物破壊に詳しいわけでもないしね。指示通りにやりましょ♪」
 麦子の笑顔に釣られて、朝陽もにっこりと笑った。手を振って、回廊の上に合図を送る。
「こっち準備OKだよ!」
 ポーラが手を振り返した。
「よろしくね。こちらは暫く待機するわね」
 その声を耳にし麦子が愛刀を振りかぶる。その様を朝陽がじっと見守っている。
 朝陽の使う藤川一刀流は、本来対人剣術だ。破壊作業や天魔との戦いにそのまま使える訳ではない。撃退士として、この技術をどう活かして行くかを模索している朝陽には、他の剣術使いの技は興味深い。
「いっくわよ〜!」
 麦子の頬に、僅かな緊張が走る。
 踏み込んだ瞬間、光を放つ刀身が塔に突き込まれた。
 塔は崩れないが、地の底から響くような振動が足元から伝わる。
「ま、動かない相手だから、当然当たるわよね」
 麦子が頭を掻いた。
 続いて朝陽が意識を集中させる。
 次の瞬間、踏み込みざま抜刀。
(突き抜くんじゃなく……アウルの燃焼で一点に衝撃を与えるんだ……)
 一振りすると、納刀し突く構え。身の内のアウルを極限まで高める。
「藤川一刀流、虎震槍!」
 猛然と突き出された刀が、強く壁面を打った。


●思いを籠めて

 白い湯気がテントから漏れ出し、ゆらりと立ち上る。
「ごはんが美味しいのは嬉しいことだからね〜愛情をこめて精一杯美味しく作るのだよ」
 焔は大鍋一杯の琥珀色の液体から、丁寧に灰汁を取っては捨てる。
 慣れた作業の合間に、色々なことに思いを馳せる。
 総じて言ってしまえば『色々あった』ということなのだが。
 初めて京都での戦いに参加したあの頃、碌に知り合いもいなかったこと。
 取り残された人々を一人でも多く助け出す為の調査で、手ひどい一撃を背中に受けたこと。
 その痛みは今でも記憶に鮮明だが、それで一人の命が救えたこと。
「あの子が無事でよかったな……今どうしてるだろう」
 幸せで、美味しいご飯を食べていられたらいいと思う。

 焔が用意するのはすいとんと、焼き芋。
 すいとんには懐かしい思い出がある。その頃の楽しかった思いも込めて。
 ほくほくの芋の甘さは、疲れた身体をやさしく癒してくれるだろう。
 今の自分には、心癒す優しい家族が家に待っている。初めてこの地に来た頃には夢でしかなかったことが現実となっているのだ。
 生きていれば、悪いことばかりがあるわけではない。
「本当に、色々あったなあ」
 焔は鍋を前に心からの笑みを浮かべる。


 臨時の食堂となるテントの中、月野 現(jb7023)は忙しく動き回っていた。
「何をするにしてもまずは食事だからな……」
 テーブルを設置し、椅子を並べ。少しの時間でも快適に過ごせるように、丁寧に拭きあげていく。
 問題が山積みな現状だからこそ、食事は疎かに出来ない。
 生きる為には食べなければならないのだ。
 今日を生き抜くために、そして明日も生きて行く為に。
「力仕事をされる人達の為にもいっぱい作らないといけませんね」
 櫻井 悠貴(jb7024)が穏やかに微笑む。
 大量の食材を広げ、作業のしやすい順番に並べて行く。
「皆の休憩の予定を確認して来る。すぐ戻る」
 現はテントを出て行った。

 やがてまな板に包丁が当たる軽やかな音が響く。
 悠貴と新崎 ふゆみ(ja8965)が並んで、忙しく手を動かしていた。
「寒いから、ぽかぽか豚汁なんだよっ」
 ふゆみは見た者が思わず釣られて笑ってしまう様な微笑みを浮かべた。
 一方でその手つきは、幼少の頃から家事全般を担ってきた為、まるでお母さんのように鮮やかだ。
「また、この街が、みんなが笑って暮らせる街になるように☆ミ」
 瓦礫の撤去に頑張る仲間に、美味しいご飯を届けてあげたい。
 だがその穏やかな目は、半ば崩れてゆく塔に向くと険しい光を宿す。
「誰かの家とかシアワセを壊して、こんなもの作っちゃって……」
 ふゆみにとっては、家は幸せの象徴だ。
 集まって皆で囲む賑やかな食卓。温かいお風呂。心地よい寝床。
 ささやかな人間の営みは、天使によって奪われた。
「人間のモノを奪うことしかできないんだね、駄目な天魔」
 ぽつりと呟く。
 彼らの事情など、ふゆみにはどうでも良かった。
 ただ漠然と、誰かの涙の上に築かれる幸せは間違っていると思うだけだ。
「……やっぱり、あいつらはガイチューなんだねっ」
 手元に目を落とし、ふゆみは再び作業に取り掛かる。
「櫻井さん、新崎さん、材料は足りていますでしょうか?」
 大八木 梨香(jz0061)が声をかけた。
 はじめは手伝うことがないかと問うつもりだったが、ふたりの鮮やかな手つきを前にそれはひっこめた。
「あ、たぶん大丈夫ですっ! でき上がったらお椀が欲しいぐらいかな?」
 顔を上げたふゆみが小首を傾げる。
「分かりました、じゃあそちらは後で。作業はお任せしますね」
 梨香は頷いてメモをとった。


 テントを移った梨香は、白い割烹着に袖を通す。
 そこでは若杉 英斗(ja4230)が腕組みして、大きな炊飯器を睨んでいた。
「若杉先輩、お疲れ様です」
「うん。もうすぐお米が炊きあがるから」
 もうずいぶん冷たい水で手を真っ赤にしながら、英斗は大量の米を研いでいた。
 炊き出しを食べて、ほっこりとほぐれる皆の顔を見たいがために。
「あとは豚汁だな。豚汁は、野菜とか切るのがけっこう大変かもしれない……」
 そこで英斗は梨香を見た。
「大変かもしれない……」
 梨香は英斗の言わんとしていることを理解した。というか普通伝わる。
「大丈夫です。豚汁はあちらで上手な方が美味しいものを作ってくださってますから」
「よし。じゃあこっちはおにぎりをバッチリ準備しとこうか。がんばって作業してきた人達のための食事だからな」

 やがて米が炊きあがる。
 蓋を開けると、得も言われぬ香りと大量の蒸気。英斗と梨香の眼鏡が真っ白になった。
「若杉先輩は、おにぎりは得意なんですか?」
「俺のおにぎりの三角っぷりったら、おそらくは久遠ヶ原随一だ」
 意味も根拠も不明の言い切り。とりあえず眼鏡拭こうか。
 御幸浜 霧(ja0751)が車椅子を器用に操り近付く。
「わたくしもお手伝いさせてください」
「あ、是非お願いします」
 具は、梅干し、鮭、こんぶとスタンダードに。
 透明な手袋を嵌めた手で、アツアツのご飯を握る。
「料理はできないが、さすがにおにぎりぐらいは、作れる……ぜ!?」
 今度は英斗の表情が曇った。
 霧は丁寧に形を整え、小振りのおにぎりを並べて行く。
 色んな種類を食べられた方が、きっと楽しいだろうから。
「熱いですね」
 梨香が当たり前の感想を述べる。
「ふふ、そうですね。でもみなさんのためにも頑張らないと」
 霧が穏やかに微笑んだ。

 
 テントから溢れる味噌の香りに、交代で休憩をとる人々が鼻をひくつかせる。
 大和田 みちる(jb0664)は撃退士だけでなく、調整役の自治体の職員にも炊き出しを振る舞う。
 上方風の上品な昆布出汁の香る白味噌仕立ての豚汁に、すいとん。
 用意した焼きみかんも配る。
 現地で働いている人には、ようやく京都に戻ってきた人もいるはずだ。
 寒空の下の故郷を見て、心まで冷えてしまわぬよう。
 せめてあたたかい懐かしい味を届けたい。
「あー、沁みるわあ」
 舌鼓を打つ男性は、自治体の紋章の入った作業服姿だった。
「あの、すいません……」
 みちるは遠慮がちに声をかける。
 もしかしたら、この人は知っているかもしれない。
 自分のものと揃いの猫の根付をキーホルダーにした大学生の消息を……。
 この京都で離ればなれになったまま、行方の知れない兄。
「ちょっとわからへんなあ……ごめんやで。何か判ったら連絡させてもらうな」
 労わるような言葉に、みちるは頭を下げた。
「おにぎりもいかがですか」
 少し気まずいような空気を察し、霧が男におにぎりをすすめる。
「いやこりゃありがたいなあ。遠慮なしにいただきます」
「お茶もありますのでゆっくりどうぞ」
 みちるは霧にその場を任せ、そっと離れる。

 青い空の下、色づく山に囲まれた京の街並み。
「……うちももう、撃退士になって一年ちょっと、か」
 やっと取り戻した街。だがみちるの兄がどこにいるのかはわからないという。
(それでもうちは、この街の復興に力を貸さなあかん)
 みちるは唇をきゅっとかみしめる。
 きっとそれは兄の為でもあるのだろうから。


●瓦礫を見つめて

 監視塔と回廊はかなり崩れつつあった。
 思えばかつてはサーバントに邪魔されながらも、叩き破ったことのある城壁である。
 むやみやたらと壊してはいけないという制約はあれど、壊せない物ではない。
 黒夜と淳紅は協力して、大きな塊を更に小さく崩す。
「……これ位でいいのかな」
「この大きさやったら、後で普通の人でも運べるやろ!」

 そこに賑やかな一団がやってきた。
「やぁ、せいが出るねー。風が冷たくなってきたから汗で濡れた体は冷えるから気をつけるんだよ」
 久遠 栄(ja2400)が声をかける。
「ま、温かいもの持ってきたからちょっと休憩しなよ、特製スープと熱々珈琲の差し入れだぜー」
 大きなお盆を持った菊開 すみれ(ja6392)が続く。
「みなさーんお疲れ様です。これ差し入れです。あまり無理しないで下さいね」
 休憩時間には食事も取れるが、作業の合間にも寒風が吹き付ける。
 少し温かいものをとれば、また元気に働けるというものだ。

「わ、ありがとう! 早速もらおっと」
 淳紅が差し出されたお絞りで手を拭き、すみれが手渡した包みを広げる。
「うわあ、ぬくぬくのおにぎりや。美味しそうやな……」
 同意を求めるように黒夜を見ると、さっと相手が目を逸らした。
「あっまたこの子はゼリー飲料ばっかり飲んでー! 身体に悪い言うてるやろ!」
 黒夜の主食はゼリー飲料だ。少食で固形物を食べようとしない黒夜を、淳紅はいつも心配している。
「そんな若いうちからそんなんばっか飲んでたら骨すっかすかになんでぽっきーいってまうで! ほらおにぎり食べなさい」
「いや、最近はゼリー飲料以外も食べて……おにぎりは勘弁してくれ」
 心配してくれるのは有難いが、喉を通らない物は仕方がない。
「あーかーん! 食べるまでお母さん見とくからね! 食べなさいよ!」
「汁物なら飲むから……てか、おたくは母親じゃねーだろ? そもそも性別変わってるぞ」
 不満そうに黒夜は汁をすする。勿論、豚汁の具は避けている。
 他の者の言うことであれば、無視してその場を離れているはずだ。
 だが淳紅のことは、撃退士の先輩としてはそれなりに尊敬している。
 尤も、偶に年齢が逆転しているような気もすることと、重体の回数だけは尊敬できないが。

「だめよ〜ちゃんと食べないと!」
 刀を肩に担いで、麦子がおどけた口調で言った。
 額には汗が浮かんでいる。
 さも働いて来たかのようだが、さにあらず。
「お相手ありがとうございました!」
 朝陽が生真面目に礼をとるのに、手をひらひらさせた。
「こっちこそ有難うね〜! 楽しかったわ♪」
 どうやら模擬戦の後らしい。
「どう? 黒夜ちゃんも手合わせして見る? おねーさんエネルギー余っちゃって」
「ほう……それはそれは。是非もうひと働きして貰わねばね」
 ぎくっと肩を震わせた麦子の背後に、白川が立っていた。
「えーと、労働後の美味しいビールの為に、汗を流して頑張って……マス」
 全力で逃亡する阿修羅に追いすがることができるのも、実技教官ならではか。
 黒夜はこっそり安堵の息を吐いて、麦子を見送った。


 瓦礫の山の前に、澤口 凪(ja3398)が台車を止める。
「もう運んじゃっていいのかな?」
「トラックは来てるからな、運べそうなのから運んで行こう」
 桐生 直哉(ja3043)は凪の用意した軍手を嵌め、適当な大きさの瓦礫を台車に載せる。
「手に気をつけてね」
「そっちこそ、張り切り過ぎて転ぶなよ?」
 凪がちょっとムッとした顔になる。
「だ、大丈夫だもん! ちゃんと運べるから」
「怪我しないように気をつけろよ」
 直哉が笑いながら、もう一つ小さめの瓦礫を持ちあげた。


 栗原 ひなこ(ja3001)はそんな光景をカメラに収める。
 近接から思い切り塔に拳を叩きこもうとして、遥久に窘められる愁也の姿。
 愛おしい物を見る目で、鍋をかきまわす焔の姿。
 まだ怪我が治りきっていない状態で、一生懸命おにぎりを作っている英斗の姿。
 互いに労わり合いながら作業を進める直哉と凪の姿。
 この取り戻した街で皆が見せる一瞬一瞬が、とても眩しかった。
(うん、やっとここを取り戻せたんだね……)
 皆が笑っている、それが何よりの証拠。
 最初に京都へ来た時は、ひなこはまだ高二だった。
 本当にいろんなことがあったと思う。
(折角だからこの景色も撮っておこうかな)
 今は優しく笑っているように見える山々にカメラを向けた。

 ゴミを回収しながら、栄が辺りを見回す。
(何度挑んだだろうか……やっとこの地で笑顔を見れるようになったんだな)
 傷だらけになって、沢山の悔しい思いをして。
 ようやく取り戻したこの京都で、今は活気を取り戻すために働けることが嬉しかった。
 ――俺たちは挫けない。
 京都だけでなく、いつか全ての場所で平和を勝ち取る日まで。
 改めて周囲を見ると、作業の手を止めてやはり瓦礫を見つめる真里に気がついた。
(京都を取り戻すことでいっぱいだったけど、それで終わりじゃないんだよね)
 瓦礫の山を前に、改めて思う。
 土地だけではない。そこにあった人の暮らしを取り戻してこその、奪還なのだと。
 そしてそれは、自分だけが足掻いてどうにか出来るものでもないのだ。
 ふと、栄と目があった。真里はいつも通りの柔らかな声で言う。
「ごめん、運ぶの手伝ってもらって良いかな」
 京都らしからぬ物でできた瓦礫の山は、ここに在っていいものではない。
「よし、帰りは手ぶらだからな。俺も頑張って運ぶぜ! ……えっとどこに運べばいいんだっけ?」
「私場所聞いてますから!」
 すみれが直ぐに軍手を取り出し、栄にも渡す。
 ひなこが台車を転がしてきた。
「あたしも手伝います〜!」
 瓦礫を台車に乗せ、すみれがしみじみと呟く。
「街は壊れてしまったけど、ここからまた一歩ずつ前に進んでいくんですよね」
 そして振り切るように、ぱっと上げた顔には輝く笑み。
「大丈夫ですよね。皆で頑張れば!」


●そして、ここから始まる

 賑やかな南東要塞をこっそり離れ、愁也はひとり北西要塞へとやって来た。
「そのまんまなんだな」
 要塞はかつて死闘を繰り広げたときのまま、時が止まったようにそこにあった。
 城壁に佇む愁也の目は、何もない空間を見つめている。
「人のまま生きていれば良かったって、お前があの世で悔しがるくらいの未来にしてやるよ」
 呟きは風に乗って、あの使徒に届くだろうか。
 怒りが消えたわけではない。
 ただ違った出会い方をしていれば、あいつにも違う人生があったのかもしれないと思うだけだ。
「……?」
 ふと、誰かが耳元で小さく笑った様な気がした。
「まさかな」
 愁也は踵を返し、北西要塞を立ち去った。


 南東要塞では既に監視塔は粗方崩され、瓦礫を小さく砕く作業に移りつつあった。
「さて、続きだな」
 不意に肩を叩かれ、愁也は振り向いた。
 遥久の青い瞳がじっと自分を見つめている。こちらの行動はお見通しだ。
「続き続き! さって、運ぶのは任せr」
 慌てて引っ張った台車が派手にひっくり返った。
「……さくさく運ぶぜー!」
 愁也は思いを振り切るように、台車を立て直す。


 一生懸命台車を押す凪に、直哉が声をかけた。
「そろそろ疲れただろう。一度休憩しよう」
「……はいっ!」
 温かい飲み物を貰い、二人並んで腰かける。来たときよりも視界は開けていた。
 直哉の脳裏に、京都の地での戦いの記憶がよみがえる。
 初めて前田と遭遇し、凪や仲間が大怪我をして、このまま挑み続けるか悩んだ事。
 蘆夜の幻惑にかかって遥久を撃ってしまった事。
 悩んで苦しんできた日々の中、気がつけばいつも傍には背中を押して励ましてくれた友達と仲間がいた。
「……本当に色々あったよな」
 傍らの凪の頭を撫でた。
「色々、ありましたね」
 余りにも色々あったので、そんな月並みな言葉しか返せなくて。
 凪は黙って俯く。
 学園に来て初めての、大きな戦場。
 この場所では、自分のように大切な『いつも』を無くした人がたくさんいたのだ。
 もしかしたら取り返せないかもしれない。そんな悔しくて情けない思いもしたけれど、ようやく土地は取り戻した。
 挫けずにここまで来られたのは、仲間達がいたから。そして……
「これからもあちこち引っ張り回すと思うけど、よろしくな」
 直哉の言葉に、多くを返す必要はない。万感の思いを籠めて、凪は笑顔を向ける。
「……はい!」
 これから何があるのか分からないけど、この人の隣にいられたら幸せ。
 京都の人たちも、そう在れる場所がまたできますように――。


「こちらも休憩しよう」
 他の仲間の休憩時間の合間をみはからって、現が悠貴に声をかけた。
「はい、そうしましょう」
 温かい紅茶を手で包み込むと、指先からふうっと余計な力が抜けて行くようだ。
 だが日が傾きかけた頃の風は少し冷たくて、悠貴は軽く身震いする。
 先刻まで火の傍で働いていたのだから当然だ。
 現は来ていたコートを脱いで、悠貴に着せかけた。
「これなら寒くないよな……」
「あ、ありがとうございます」
 現のコートはとても温かかった。
 だがしばし無言で俯いていた悠貴は、躊躇いがちに口を開く。
「その……このままでは現さんが寒い、でしょうから……」
 ほんのり頬を染めながら、少し距離を詰めた。
 現は小さく笑うと、一緒にコートを羽織る。
「これで安心できるかな」
「まるで、抱きしめられているみたいです」
 悠貴が小さく囁いた。

 臨時食堂で炊き出しの豚汁をすすり、ポーラは改めて思う。
 大事な人がいること。美味しい物があること。
 本当に誰かの力になるのは恐怖じゃなくて、愛や喜びなのではないだろうか。
 いつか、かつての仲間達がそのことに気付いてくれるといい。
「……ご馳走様です」
 この言葉の意味するところも。


 猫救出班が連れ出した猫達は、ようやくゲージから出された。
 怯えて飛び出して行かないように、すみれが様子を見ながら声をかける。
「にゃーにゃー、おいでー」
 顔を出した途端、炊き出しの汁物に反応する猫に、ふゆみが小さく割ったクッキーを与える。
「あれはあちちだから、これあげる☆ミ」
「よかったねー、もう危ない所にいっちゃだめだよ?」
 朝陽が柔らかな身体をそっと抱きしめた。
「結局、随分沢山いたんですね」
 遥久が猫達を見回す。
「遥久、猫スキ?」
 龍騎が一匹のキジトラを抱き上げて見せた。
 他の猫と違い、ちょっと変わった飾りがついた首輪をしている猫だった。
「……ちょっと見せてもらって構わないかね」
 歩み寄って来た白川が、飾りを確かめるように覗き込む。
「どうかしましたか? ミスター」
 遥久がさり気なく白川の様子を窺った。
「いや……これが依頼人の探していた猫のようなのでね。確かめたかったのだよ」
 いつも通りの柔和な笑顔のまま、白川が答えた。


 夕暮れが迫る頃、南東要塞は瓦礫の山と帰した。
「一応目標は達成したが、次は桜を見に行けるようにな……」
 黒夜が呟いた。
 瓦礫も消え、薄紅の花が古都を包む頃。
 また新たな物語がここから生まれることだろう。
 

<了>


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:19人

サンドイッチ神・
御堂・玲獅(ja0388)

卒業 女 アストラルヴァンガード
意外と大きい・
御幸浜 霧(ja0751)

大学部4年263組 女 アストラルヴァンガード
夜のへべれけお姉さん・
雀原 麦子(ja1553)

大学部3年80組 女 阿修羅
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
心眼の射手・
久遠 栄(ja2400)

大学部7年71組 男 インフィルトレイター
懐かしい未来の夢を見た・
栗原 ひなこ(ja3001)

大学部5年255組 女 アストラルヴァンガード
未来へ願う・
桐生 直哉(ja3043)

卒業 男 阿修羅
君のために・
桐生 凪(ja3398)

卒業 女 インフィルトレイター
久遠の黒き火焔天・
中津 謳華(ja4212)

大学部5年135組 男 阿修羅
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
真ごころを君に・
桜木 真里(ja5827)

卒業 男 ダアト
リリカルヴァイオレット・
菊開 すみれ(ja6392)

大学部4年237組 女 インフィルトレイター
輝く未来を月夜は渡る・
月居 愁也(ja6837)

卒業 男 阿修羅
蒼閃霆公の魂を継ぎし者・
夜来野 遥久(ja6843)

卒業 男 アストラルヴァンガード
ひょっとこ仮面参上☆ミ・
新崎 ふゆみ(ja8965)

大学部2年141組 女 阿修羅
特攻斬天・
一条 朝陽(jb0294)

大学部3年109組 女 阿修羅
【流星】星を掴むもの・
大和田 みちる(jb0664)

大学部2年53組 女 陰陽師
撃退士・
黒夜(jb0668)

高等部1年1組 女 ナイトウォーカー
泡沫の狭間、標無き旅人・
龍騎(jb0719)

高等部2年1組 男 ナイトウォーカー
ねこのは・
深森 木葉(jb1711)

小等部1年1組 女 陰陽師
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
治癒の守護者・
月野 現(jb7023)

大学部7年255組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
櫻井 悠貴(jb7024)

大学部6年90組 女 バハムートテイマー
V兵器探究者・
ポーラ(jb7759)

大学部5年127組 女 バハムートテイマー