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マスター:樹 シロカ
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/07/26


みんなの思い出



オープニング

●沈黙の食堂

 それは突然の出来事だった。
 久遠ヶ原島内に、美味い、安い、量が多い、と一部で評判の食堂があった。
 多くの学生達(と一部教職員)がその食堂を愛し、足を運んでいた。
 その食堂の閉じられた扉に、夏のある日、一枚の紙片が張り出された。

『勝手乍ら、しばらくお休み致します』

 責任者の手書きと思しき紙片が、熱風に煽られていた。
 今日は中華そばにしようか、それとも鶏唐丼にしようかなどとやって来た者は、食堂の前で塩の柱にならんばかりの衝撃を受けた。
 大げさではない。多くの学生たちでごった返す久遠ヶ原学園内で、食堂の選択を間違うということは、下手をすれば昼食を食いはぐれるという危険に晒されることになるのだ。

 がっくりと膝を折る学生に、脇から出てきたおばちゃんが声をかけた。
「そこのあんた、ちょっといいかい?」
 困惑顔のおばちゃんが、手招きする。


●沈黙の孤島

 こうして食堂のおばちゃんからの依頼を受け、有志一同は船上の人となった。
 依頼内容は、食堂の責任者である瀬軽さんを発見し、連れ戻すこと。
 瀬軽さんはかつては有能な撃退士として各地を渡り歩き、今は引退して食堂で包丁を振るっているという人物だ。
 料理人としての腕は悪くないのだが、少し困ったことに素材にこだわるタイプだった。

「なんでもね、ラーメンのスープの材料が切れちゃったので、採りに行かなくちゃなんないんだって。その間、他の人に食堂を任せるのも不本意なので、閉めて行くってそう言うのよお」
 おばちゃん達も突然無期限休業を言い渡され、困っているのだという。
 正式な依頼とあれば、断ることもない。腰を上げた一同を、おばちゃんが制した。
「でも気をつけてね。瀬軽さん、ゲリラ戦のエキスパートなのよお。敵だと思われたらどうなるか判らないからね」
 ……どんなことになるんだろう。
 一抹の不安を残しつつ、瀬軽さん捕獲、もとい、確保作戦が決行されたのだった。


 船は快調に海を滑って行く。既に携帯電話は完全に圏外になっていた。
 GPSが示す地点に、小さな無人島が見つかる。
 近付いて来る島影を双眼鏡で眺めていた中山律紀(jz0021)が、顔をひきつらせながら呟いた。
「なんかさ……あの島影、俺、すっごい見覚えあるんだけど……」
 どこまでも続く青い波が、笑っているかのようだった。


リプレイ本文

●いざ孤島へ

 船は極めて慎重に、桟橋に接近する。
 相馬晴日呼(ja9234)は正直なところ、ついさっきまで思っていた。
(この依頼……地雷だったか……?)
 事前に地図を入手すべく去年の記録を読んだのだが、そのときはまず船がやられたらしい。
 僅かに身構えたが、特に異変もなく静かに接岸したことにひとまず安堵の息をつく。
 そこに、船のデッキから身を乗り出し、森に向かって叫ぶ者一名。
「無人島よ、あたしは帰ってきたぞーっ!」
 去年酷い目にあったにもかかわらず、また乗りこんできた夏木 夕乃(ja9092)だった。
 日下部 千夜(ja7997)は、その夕乃が船から落っこちないように服の裾を掴んでいる。
「……久しぶりの大自然か」
 何処か懐かしそうな様子で、そう呟いた。
 鑑夜 翠月(jb0681)は手をかざしながら辺りを見回す。
「いつも美味しいご飯を安く食べさせて頂いてますし。食材探しで少しでも恩返しをしたいですね」
 まさかその食材を、こんな所で調達しているとは思っていなかったが。
 ヴィクトール・グリム(ja8730)が逞しい腕に荷物を担ぎ、船を降りる。
「こんなとこまで来て、何やってんだよあのバアさん。拘りがあるのはいい事だがよォ……」
 見事に自然以外何もない光景だ。
 砂浜に降りた地堂 光(jb4992)も思わず呟く。
「味はともかく。食堂の食材探しにこんな所まで来るとは、瀬軽って奴もたいした根性だ」
 半ば感心、半ば呆れているのは、みな共通しているようだ。

「僕の鶏唐丼……早く瀬軽さんを見つけて、食料を調達しなければ」
 鈴代 征治(ja1305)の目つきは真剣そのものだった。
 あの日、今日は鶏唐丼と心に決めて食堂に着いた征治は、地面に膝をついた。
「僕の鶏唐丼がー!」
 悲痛な叫びに、数人が怯えた目で振り向いたという。
 食べたいと思い定めた物に裏切られた悲しみ。
 甘辛いたれの旨味と、被りついた瞬間の唐揚げの歯応え。溢れ出す肉汁。
 それに辿りつく為には、危険も厭わない。一途な男、征治。
 一方、ヒスイ(jb6437)はまだ『それ』を知らない。
 評判の店と聞いてわざわざ足を運んだその日が、件の日。
「……より早く美味いものにありつくには、手を貸すのが利口だな」
 そう結論付けると、すぐに参加を決めた。
「ところで容姿を知らんのだが、僕達以外イコール瀬軽さんで大丈夫か?」
「今まで何度か食べに行ったけど、ギアも、誰が作ってたかまでは……」
 蒸姫 ギア(jb4049)が小首を傾げる。
「普通はそんなものだな。まあ仕方ない。これも人助け、というやつか」
 ヒスイがもっともらしく頷く。
「別にギア、食堂のおばさんを気の毒に思ってとか、そんなんじゃないんだからなっ!
 ギアの舌が満足する料理を出す店がなかなか無いからなんだぞ」
 僅かに頬を染め、そっぽを向いた顎をツンと上げる。

 相賀翡翠(jb5879)がううむと唸る。
「でもそんなに美味いなら、拘りの食材に興味はあんな。獲れたら後で店にも食いに行かねぇと」
 学園に来るまでは料理人であり、現在も喫茶店を営む翡翠にとって、評判の食堂の実力は気になる所だ。
 しかも瀬軽の食堂では、この島の食材が必須だという。
(店主の目的の獲物以外にも、色々新鮮な幸がありそうだな……できたら持って帰りてぇな)
「瀬軽さんは、ラーメンのスープの材料を採りにきたのよね?」
 八神 翼(jb6550)は食材リストを眺め、整った眉を軽くひそめた。
「貝柱は使うかもしれないけど……サメやキノコってラーメンのスープ作りに使うのかしら?」
 世の中には、知らない方が幸せなことがある。例えば、ラーメンのスープの材料だ。
 美味しくいただいているなら尚の事、決して厨房をのぞいてはいけないのだ。
「軍鶏も獲るのであれば、トリガラがメインのスープかしら……是非食べてみたいわね」
 ……そういうことにしておこう。


●探索者たち

 船を降りた一同はベースキャンプを設営し、ひとまず予定について話し合う。
「余り広くはない島とはいえ、地形は複雑です。やはり分担して捜索するのが早いでしょう」
 御堂・玲獅(ja0388)の提案に、異論はなかった。
「以前の依頼資料の地図は持ってきた。通信機はそれぞれ大丈夫か」
 手早く準備を整える光の姿を、光坂 るりか(jb5577)は頼もしく思う。
(ふむふむ『男子三日会わざれば刮目して見よ』とはよく言ったものです)
 かつて同じ依頼に参加し、光と顔見知りになった。今の光は、以前に比べてぐっと心身共に成長したという印象だ。本人は気付いていないかもしれないが。
 ヒスイがずり落ちてきた顔の包帯持ちあげながら、地図を覗き込む。
「最優先事項は瀬軽さん確保だな。採取の分担地域にて下調べ込みで捜索するのが早いだろう」
 気になるのは食堂のおばちゃんの言葉――『敵だと思われたらどうなるか判らない』。
 この島に『敵』がいるというのか。とにかく充分な注意が必要だ。
「じゃあ、日没迄に全員ここに再集合でいいかな。休憩は各班の判断で適当にという感じで」
 晴日呼がピクニックの案内のように、呑気な調子で締めくくった。


 中山律紀(jz0021)は、軽くポンと頭に置かれた手に振り返る。
「よっ、中山、久しぶり」
 覗きこむように長身を屈め、鐘田将太郎(ja0114)が笑顔を見せる。
「あっ、鐘田さん。今回はよろしくお願いします」
 兄貴分に声をかけられ嬉しそうな律紀に、将太郎が内緒話のように囁く。
「おい、例のアレ、ちゃんと持ってきたか?」
「ははは……てっきり俺、これで鐘田さんも一緒にサメ獲りかと……」
 荷物から取り出す赤い褌。如月二十四日『褌の日』の男同士の絆を象徴するアイテムである。
 あれ、なんだか目から汗が。
「よしよし、何、手分けした方が早いからな。お互いに頑張って食材集めようぜ」
 律紀の頭をくしゃくしゃと撫で、将太郎は軍鶏獲りに向かう。

「で、これ何ですか……?」
 律紀は、いつの間にか腰に巻かれていた縄を握りしめる。
「んー、鵜飼いならぬ撃退士飼いってとこかしら?」
 雀原 麦子(ja1553)が平然と答えた。
「流石にサメ担当は皆泳げると思うよ! 俺が全員引き摺るの!?」
「もしもってこともあるんじゃない? 勿論必要なら私も助けに行くけど」
 麦子の笑顔を、律紀は嫌な予感と共に見遣る。
「でもどうしようかなあ……実は今回、水着忘れちゃったのよね。だから着衣水泳?
 そうなるとシャツが透けちゃうのよね〜。それでもりっちゃんが泳げっていうのなら……」
 いたいけな未成年男子に、ちらりと流し眼をくれる女子大生。
 遊ばれている。律紀はがくりと首を垂れる。
「ソレもありますしね。麦子さんが海に入らなくて済むように頑張ってきます」
 ソレとは、麦子が手にした缶ビールである。
「頑張ってね〜♪」
 麦子がひらひらと手を振った。


●海辺にて

 眩い日差しが白い砂浜に降り注ぐ。
「本当に誰もいない島なのだよ。無人島でキャンプはしたことがないの事……楽しみだな!」
 目を輝かせ、Nicolas huit(ja2921)(ニコラ・ユィット)はつば広の帽子を僅かに持ちあげた。
 マリンシャツに合わせたオールインワンの裾からのぞく、真っ白い華奢な素足。砂浜に続くサンダルの跡を、波が打ち消して行く。
 どこから見ても、深窓のご令嬢のバカンスである。あ、ご令息だ。
「だって森って、葉っぱとか虫とか危ないのだよ。だから簡単な怪我なら任せてもいい。僕は保険部なのでな!」
 だから海。救護班が怪我してはいけないのだ。
 あと、依頼の内容が食材集めなら、カイバシラぐらいを手伝うのはヤブサカではない。
「んっと−、とげとげの白い貝があるといい」
 ニコラはキラキラした瞳で、波打ち際を見つめた。……たぶん、巻貝には貝柱はないが。

 高虎 寧(ja0416)は、前回サメが出たという崖の近くの海辺に立つ。
 いつもの眠そうな目は余り変わらないが、それでも油断なく海面を見つめる。
「まあ、それなりにうちも楽しむわよ」
 リゾートも、サメ狩りも。
「海に入る前に、教えてくださいね」
 玲獅が声をかけた。いくら撃退士とはいえ、野生生物、それも海中を自在に泳ぎ回るサメが相手ではさすがに分が悪い。アウルの鎧をかけて支援するつもりだ。

 ラグナ・グラウシード(ja3538)は古式ゆかしき褌姿で海辺に佇む。
 だが海を見つめる目に余り気合が入っていないのは、お気に入りの水着を無くしたせいではない。
 意識が、別に向いているのだ。
(ふふっ……やはり夏はいい……海はいい!)
 寧と玲獅が目の端を横切った。
 すらりとした長身の寧が纏うのは、スカイブルーの大胆なモノキニ。普段きっちり着こんでいるので、太陽の下に晒された素肌は眩いほどに白かった。
 一方で玲獅は、清楚な女子指定水着。本人は余り意識していないようだが、北欧系美少女の風貌にスクール水着はミスマッチ故のある種の色気を醸し出している。
(海は……いいぞぉッ!)
 実に若者らしい感動に浸りつつ、海に鼻血を落とすラグナ。


「貝柱があるような貝があるなら、磯や浅瀬か」
 久遠 仁刀(ja2464)は砂浜に敷いたシートに座りこみ、地図と実際の地形を照らし合わせる。
「どんな貝なのかな……」
 桐原 雅(ja1822)は何気ない風で声をかけながら、付かず離れずの距離に腰を下ろす。
 貝なんかより気になるのは当然、傍らの仁刀だ。
 海に入る依頼となれば、お気に入りの水着は必需品。鮮やかな青色のセパレートは思いの外大胆で、ちょっと気恥ずかしかったけれど。
(先輩、どうなのかな。こういうの嫌いかな)
 こっちを向いて欲しい。早く気付いて欲しい。何か言って欲しい。
 すらりと伸びた足の爪先で、そっと砂を蹴る。
「貝柱目的だから大きい貝なんだろうが、まずは下調べだな。砂浜で適時休憩しながら探そう。
 ……ところで、俺はいいとして」
 仁刀がいきなり振り向いたので、そっと横顔を窺っていた雅はどぎまぎする。
「女には夏の日差しは大敵なんじゃないだろうか。雅、大丈夫か? なんなら日差し対策を手伝うが」
「えっ……」
 身体を捻り、仁刀が背後の荷物に手を伸ばす。太陽を浴びた剥き出しの肩が、今にも触れそうな位置にある。素肌の感覚が近い。
「あの、じゃあ、サンオイルがあるから……背中とか、自分だと、届かないんだよ……」
 今度は仁刀が絶句する。
「えっ……サン、オイ、ル……?」
 手にしていたのは、大きめのバスタオル。日差しを遮るのに雅に掛けてやろうとしたものだ。
「あっ」
 赤面する雅。どうやら勘違いだったらしい。恥ずかしさの余り、思わず手で顔を覆う。
「いや、どうせ海に入るんだからな。対策は必要だろう。いいぞ、任せろ」
(自分から言い出した以上、受けて立つ! これはただの日焼け対策だ……!)
 敵には臆さぬ仁刀が、オイルの小瓶におののく。
 素肌に触れる、鍛錬で固くなった掌のぎこちない優しさ。
 背中に感じるぬくもりに、今度は羞恥とは別の涙が出そうになる雅。
「先輩、ありがとう、だよ……」
 小声で呟くのが精いっぱいだった。


 そんな光景も、うっかり目にしてしまったラグナ。
(前言撤回。海なんか……海なんかァ……ッ!)
 鼻血は血涙にとって代わられる。
 その怒りの波動は、崖にキノコを探す班にすら届いた。
「ふむふむ、ここが無人島ですか。お〜、自然豊かで良さそうな場所ですよー!
 ……アト、どうしたのです?」
 オルタ・サンシトゥ(jb2790)には、ヒリュウのアトルムが怯えたように見えたのだ。
「さてさて、遊んでいてはいけませんね。瀬軽さんを探さなくては」
 落ちつかせるように撫でてやると、共に上空高く舞い上がった。
 眼下に広がる青く澄んだ海と、深い緑の森。
 オルタは自分に堕天を決心させたこの世界の美しさに、改めて心打たれる。

 仁科 皓一郎(ja8777)は、小天使の翼で飛び、崖を丹念に調べていた。
「流石に、空にゃ罠はねェだろうが……まァ、一応気ィつけとくか」
 安全を確認した場所には後で使えるよう、命綱を取り付ける。
「ゲリラ戦のプロが潜む無人島、か……面白ェ、夏のイベントにゃ、ちょうどイイわ」
 元々、皓一郎は熱血タイプではない。
 だがこの学園に来て日々を過ごすうちに、いつの間にか他人との関わりや、突然のハプニングを案外楽しんでいる自分に気付いた。
 正確には、楽しんでいる自分を俯瞰で見て楽しんでいる、かもしれない。
「地堂、そっちはどうだ? なンかあったか」
 東西に分かれて崖を調べる光とも、今回が初めての顔合わせだ。
『見たところ特に怪しい点はない。残念だが「小天使の翼」じゃ高度が不十分だ』
 それほどに崖に連なる森は深かった。
「仕方ねェな。見える範囲で何かあったときに、向こうの班に知らせてやるしかねェわ」
 日差しに目を細め、皓一郎が空を仰いだ。


●森の探索

 軍鶏捜索班は、生き物の気配に満ちた森を慎重に進んで行く。
「しかし無人島所有たあ、瀬軽さんってすげえおばちゃんなんだな」
 将太郎が灌木を掻き分け、辺りを窺う。
「今度食堂に行ってみるかね、と。おーい、瀬軽さんいるかー?」
 森の奥に向かって、呼びかけてみた。何処かから視線を感じたからだ。
「鶏唐丼が、美味しいんですよ。瀬軽さーん、どこですかー!」
 征治は叫びながらも、足元に気を配る。罠といえば、鳴る子や落とし穴、吊り輪などか。
「あっ」
 雪夏(jb6442)の声に、将太郎と征治が鋭い目を向ける。
「す、すみません、美味しそうなフルーツがあそこに」
 翼を広げふわりと舞い上がると、手近の樹の上に実をつけた枇杷の様な果物を採る。
「おいおい、そんな簡単に食って大丈夫か?」
 将太郎の心配をよそに、雪夏は甘い果実を頬ばった。
「美味しいです! さて、改めて美味しい昼ごはんの為に頑張ります!」
 余った果物をカバンに入れ、元気いっぱい歩きだす。
「ふふ、そういうのも自然豊かな場所での楽しみですよね」
 翠月がふわりと笑いかけると、雪夏は嬉しそうに果物を差し出した。
「美味しそうですね。いただきます」
 元々、深い山奥で生まれ育った翠月は、野山の生物に詳しい。
 食べられる果物と判断し、その木の下に目を凝らす。踏み荒らした後があれば、『誰か』がいる痕跡と見ていいだろう。


 いち早く泉にたどり着いたエルナ ヴァーレ(ja8327)は、澄んだ水面に手をかざし意識を集中する。
「太古より今へ連なりし水脈よ、水精との契約により命ずる。我が問いに答えよ」
 魔女としての正攻法、占いによる探索である。
 突然、激しい風が木々を揺らし、エルナの外套の裾がはためく。
「わかったわ!」
 眼帯に覆われていない方の目をかっと見開く。
「瀬軽さんは、鉄とガラスに覆われし彼方、つまり高いビルの中に……あれ……?」
 そこにいないことだけは確かだ。消去法にしても厳しい。
 魔女はちょっと肩を落とし、メガホンを手にする。
「仕方がないわね……瀬軽さーん、いたら返事してくださーい」

 その間、夕乃と千夜は慎重に水場の周囲を観察する。
「夏場はどんな動物でも、水を大量に飲むでしょうから」
 妥当な判断である。糞や羽等の痕跡を探す。
 こちらもトラバサミ、括り縄、上からの網等の罠を警戒しながらの探索である。
「夕乃、ちょっと待って」
 先へ進もうとするのを千夜が呼びとめ、木々の間から見える山や海の方角を地図で確認する。地形把握は得意だ。
 どうやらこの水場の周辺には、大きな変化はないようだ。
「……静かに」
 千夜が、普段から大きくはない声を顰めた。
 鋭敏聴覚が捉えた、微かな物音。夕乃と共にそっと後ずさり、藪に身を顰める。
 何かが、いる。
「どっち!?」
 思わずエルナも身を屈め、目を凝らす。罠があるとすれば、やはり足元か。
 その目の前に、巨大な何かがどさり、と落ちた。
 思わず悲鳴を飲み込み、エルナが篭手を嵌めた腕を迷わず突き出した。
 仮に瀬軽がエキスパートなら、こんなへまはしない。
「……予想外だわぁ……」
 のたうつ巨大な蛇に、エルナはどっと疲れたような顔をする。

「罠なんか、ギアには効かないんだからなっ!」
 はぐれ悪魔の物質透過能力さえあれば、確かに普通の罠は無意味だ。
 不自然に草が倒れた場所を、慎重に覗き込む。
「……これも罠かっ」
 踏みしだかれたように見える草を除くと、その手前にトラバサミが仕掛けられてあった。
「瀬軽、自分の食堂をいつまでも放置するなんて、料理人らしくないぞっ!
 あと娘が人質になってたりもしないから、一緒に食材探して、大人しくかえ……」
 そこまで言ったところで、ギアの端正な口元がらしくない形に開いた。
「うるさいねえ。そんなに騒いじゃ、獲物が逃げちまうだろ!」
「おばちゃん……?」
 そこにいたのは、身長160センチ弱。迷彩服に身を包み、迷彩ペイントを顔に施した瀬軽艶子(55歳)だ。
「あ、鶏唐丼……、じゃなかった。瀬軽さん! 迎えに来ました!」
 心から嬉しそうな声と共に、征治が顔を出すと、合図のホイッスルを吹き鳴らした。


●一日目の夜

「しかしあんたらも暇だねえ」
 瀬軽は自分の事を棚に上げ、撃退士達に言った。
「実はとっくにアレで気付いてたんだけどね。あんたらがどれだけやれるか、ちょっと見させてもらったよ」
 麦子がからからと笑いながら、大鍋のカレーをかきまわす。
「さっすが、料理人ね! 匂いで気付いてくれると思ったのよね〜」
 確かに、カレーを作る野生動物や不審者は余りいないだろう。
「それでどうでしょう。食材探しに協力させていただけますか」
 神棟星嵐(jb1397)が生真面目に尋ねると、瀬軽がニヤリと笑った。
「覚悟しなよ。こき使うからね」

 持ちこんだ食材、目的外の採取物を調理したもの、そしてカレーで、賑やかな夕食となる。
「カレーは甘々の極楽カレーと、獄辛の地獄カレーの2種よ〜沢山あるからおかわりしてね♪」
 麦子がそう言いつつ、明らかに相手を選んで地獄カレーを手渡している。
「甘いのと、交互に食べると、丁度いいのかな……!!」
 顔を真っ赤にしながら律紀が咳き込む。
「うんいけるね、甘い方はうちの食堂に採用してもいいよ」
 瀬軽が笑った。

 そんな賑わいの片隅で、ラグナはがっくりと座りこむ。
 流血量も多かったが、精神的ダメージが相当大きかったようだ。
 カレー(甘)を手にニコラが近寄り、そっと様子を窺う。
「ラグナ、もしかしてネッチューショー? 一緒に休憩してあげる?」
 優しい言葉も、相手が男だと思えば物悲しく、ラグナは益々どんよりと沈む。
「ラグナもご飯食べて、寝ると良い」
 ぽんぽんとラグナの頭を軽く撫でるニコラに、晴日呼が声をかけた。
「土産にするんだろ?」
 色も形も様々な綺麗な貝殻を手に受けて、ニコラの顔がぱっと輝いた。
「僕も明日いっぱいひろって、ハルヒコにあげる! 約束だ」


 夕食の片付けも終わるころ、翼が疑問をふと口にした。
「ゲリラ戦のエキスパートというのなら、敵味方の区別ぐらいちゃんとつくわよね?
 どうして酷い目に遭うかもしれないって言われたのかしら」
 その答えは、すぐに判明することとなる。

 月のない夜空には、満天の星が瞬いていた。雨の心配はなさそうだ。
 皆がテントに引き取った後、光、るりか、皓一郎、星嵐が交替で焚火の番をする。
 野生動物に襲われる危険を考えての事だ。
「あれ、何だろう」
「船……かねェ?」
 星嵐と皓一郎が何かの気配を感じ、ナイトビジョンをかけた。桟橋の方から物音が聞こえる。
「来たね……不法侵入者だよ。行くよっ」
 いつの間にか傍にいた瀬軽が、駆け出す。
「おいおい、早ェな」
 皓一郎が苦笑いを漏らす程、瀬軽は早かった。
 桟橋には新たな船が停まっていた。
 るりかと共に駆けつけた光がトーチで明かりを作りだすと、数人の人影がこちらを向いた。
「やばい、逃げろ!」
「逃がしませんよ」
 星嵐が素早く一人を抑え込む間に、瀬軽が船に乗り込み、操船手を殴り倒す。
 陸地に逃げた連中も、小天使の翼で上から回り込んだ皓一郎とるりかによって簡単に捕えられた。
「こいつら密猟者でね。貴重な食材をごっそり持って行っちまうんだよ。お迎えが来るまで縛っとくかね」
 瀬軽はフンと鼻を鳴らした。


●ハンティング!

 翌日も快晴。
 光とヒスイは瀬軽に確認し、罠の位置を記した地図を作製していた。
 食材についても詳しく説明を受ける。
 貝はかなり大きなもので、腕を挟まれるとちょっと困ったことになるらしい。
「えっ……」
 それを聞いた翼が、手にしていた潮干狩り用の熊手と家庭用バケツを思わず取り落とした。
 さすがに大きさ的に無理である。
 次にサメだ。肉もさることながら、ヒレがふかひれの材料になる。但し獲りすぎはいけないので、ひとり1体までにするようにとのことだった。
「えーと、サメに封砲ぶっ放しても大丈夫か? 味が損なわねぇなら試すが」
 翡翠の質問に、瀬軽が首を振る。
 ヒレが傷つくし、何より肉片になってしまっては鮮度が落ちる。
「了解。先に聞いておいて良かったぜ」
 軍鶏は見つけ易いが、罠には注意すること。毒草や蛇などもいるが、昨日の様子なら大丈夫だろうと瀬軽が笑う。
 そして瀬軽はキノコ班に同行することになった。


 海面を睨み、ヴィクトールがクレイモアを担ぐ。
「しかしサメを獲るのはともかく、探すのが面倒だぜ……」
「それは何とかなると思います」
 玲獅が生命探知を使うことを提案する。大きさは判らないが、泳ぐ速度で判別がつくのではないかという訳だ。
「大きなサメみたいだから、単独行動は避けた方がいいでしょう」
 寧の言葉に、翡翠も頷いた。
「ただ倒せばいいってわけじゃねえしな」
 こうしてサメ捕獲、開始。
「来ます、あちらの方向!」
 玲獅の声に、寧が『水面歩行』で海面上に立ち上がる。現れたサメはおよそ2m。大物だ。
「動きを止めます」
 影縛りであっという間にサメは動けなくなる。
「後は任せろ」
 ヴィクトールがクレイモアを叩きつけると、失神したサメがぷかりと浮かび上がった。
「戦ってる気がしねえが、仕方ないか」
 無駄に血を流すと、サメが集まり過ぎる危険がある。勝てなくはないだろうが、乱獲は禁じられている。
「次、来るよ!」
 律紀が波間から顔を出して、接近する気配を知らせた。
「こちらでも確認した」
 上空を小天使の翼で舞っていたラグナが、急降下。アーマーチャージを見舞うと、サメの巨体が跳ね、一気に浅瀬に押しやられる。
「ふははっ、海の中では最強でも、陸の上では手も足も出まい! 鮫だけに!」
 上手いこと言ったとばかりのドヤ顔である。今日は立ち直ってるようだ。
 星嵐はヘルゴートで力を高めた拳を、サメの鼻っ面へ叩きこんだ。
 お互いの連携技が見事に決まり、7頭のサメが砂浜に並ぶ。
「あー終わった終わった。呆気なかったな」
 暴れ足りないヴィクトールが、逞しく張った肩を鳴らす。
 寧はとっくに、涼しい木陰で昼寝を決め込んでいた。寧ろ今回は起きていた時間が長いぐらいだろう。
 翡翠は色とりどりの魚や二枚貝を、物珍しそうに集めている。
「お、これも旨そうだ。後で瀬軽さんに調理法でも聞いてみっか」
 持参したクーラーボックスは満杯になりつつあった。


 少し離れた磯では、仁刀と雅がゴムボートを浮かべていた。
「あ、先輩、あそこにいるんだよ」
「よし」
 仁刀が潜り、掌を広げたよりも大きな貝を持って浮かび上がってくる。
「かなり採れたかな」
 ボートの外に吊るした網を覗き込むと、それなりの数だ。
「あ、じゃあもうひとつだけ」
 今度は雅が、人魚のように海中を泳ぐ。長い黒髪がゆらゆら揺れる。

 砂浜では大きなつばの帽子を被った翼が、貝を眺めている。
「確かにこれじゃ、バケツは無理ね……」
 瀬軽の指示通りに大きなドラム缶で貝を茹で、口の開いた貝殻から中身をはずすのだ。
 晴日呼が大きな網で、熱い湯から貝を取り上げる。
「……あー、海風で髪がもじゃもじゃ。ま、いいか」
 海の水につかり、潮風に煽られ、晴日呼の癖の強い髪が大変なことになっている。


 同じ頃、キノコ班は瀬軽に追い立てられていた。
 目的の食材は、キノコというと想像する形とは違い、崖に張り付くサルノコシカケの様な菌類である。
「違うっこれは美味くない!」
 厳しいダメ出しが連続する。キノコの見分けは難しいのだ。
「キノコ採取って結構大変だったんですね……」
 ちょっと疲れた顔のるりか。
 油断すると不安定な足元が崖から離れる。が、小天使の翼のお陰で今のところ無事だった。
 昨夜の火の番もあって、光と皓一郎も同様にやや疲れ気味である。
「まあこんなもんだね。休んでていいよ」
 スキルも尽きる頃、ようやくお許しが出る。
「アト、もういいですよーお疲れ様」
 オルタがヒリュウを休ませる。
 だがヒスイはまだまだ元気だった。
「ついでにこの周辺に食用の野草等があれば知りたいところなのだが」
 闇の翼でふわふわ飛びながら、瀬軽にあれこれ質問を続けていた。


 一方、森の中には大ハッスルの軍鶏班。
「何が何でもゲットするぜ!」
 将太郎が感知スキルを最大限活用し、軍鶏の行方を追う。
「いたぞ、そっちに行った!」
「瀬軽さんのために諦めてください」
 言葉は丁寧だが、容赦なく追い込む翠月。肉がむちむちの軍鶏の身体を抑え込む。
 雪夏はヒリュウを召喚し、軍鶏を挟み打ち。
「軍鶏さん! 僕のお昼ごはんのために犠牲になって下さい!」
 だが断る。軍鶏が言葉を理解したらそう言っただろう。
 エルナは軽い準備運動で身体をほぐしている。
「実は一度、やってみたいことあったのよねぇ」
 そこに横切る軍鶏。エルナは一気に縮地で接近、がっしと逞しい両足を掴む。
「おぉ……撃退士ってすごいのね……?」
 感動の面持ちで、暴れる軍鶏を見つめるエルナ。今更としか言いようがない。
「うおおおおお! 鶏唐丼!」
 征治の気迫に、思わず軍鶏の方が逃げ出す。
 だが全力移動に全力跳躍とただ只管愚直に突進。枝葉で傷つくのも恐れず、逃げる軍鶏にスライディング。
「獲ったどー!!」
 目を見開き、高らかに獲物を天に翳す様は、普段の穏やかな彼とは別人の様だ。
 捕獲された軍鶏は、縄で絡められ、大木にくくりつけられている。
「食べちゃダメだ……食べちゃダメだ……」
 傍に膝を抱えて座り込んだ雪夏が、瞬きもせずに軍鶏を見つめ続けていた。


●二日目の夜

 ようやくすべての食材が集まった。
「お疲れさん、後はこっちでやっとくから」
 瀬軽は慣れた手つきで食材をさばくと、一部を洞窟に干しに行く。雨を避け風に晒すことで旨味が増すので、後日また取りに来るそうだ。
 夕乃は捉えた軍鶏を一羽、瀬軽の許可を貰って調理する。
 その間千夜が傍に立ち、夕乃の顔に飛んだ血をハンカチでそっと拭き取っていた。
 残酷というなかれ。人は命を頂いて生きるのだ。
 香り高い香草を詰め込み、バナナの様な大きな葉にくるんで火にくべると、軍鶏の野生焼きが出来上がる。
「たくさん召し上がれ」
 夕乃が差し出す鶏肉に、千夜は手を合わせた。そして残さず綺麗に平らげる。
 自然と命に、感謝を。

 星嵐は今日獲った魚を、綺麗にさばいている。
(昨日は塩焼きでしたから、今日はバター焼きにでもしますか……味を変えて)
 同じ食材を飽きがこないように、皆がおいしく食べられるように。

 翡翠は戻ってきた瀬軽に、何か珍しい物を作って欲しいと頼む。
「じゃあここでしか食べられないものでも作るかね」
 瀬軽はサメをさばき、身を薄く削ぐ。サメの身はアンモニアを多く含むので普通は食べられないのだが、新鮮な物はこうして刺身やしゃぶしゃぶで食べられるのだという。


「折角の夜だし、キャンプファイヤーでもやろう」
 誰ともなく声が上がり、やぐらが組まれた。
 夜の闇を焦がす炎に照らされ、それぞれが舌鼓を打つ。
「おぉ〜、これがキャンプファイヤーですか。凄く綺麗です!!」
 初めて見る光景に、またもオルタは感激する。
「ほらほら、アトも一緒に見ましょう」
 まだ少し眠そうなヒリュウだったが、オルタの嬉しそうな顔に、同意するように頬ずりした。

 ニコラも眠い目をこすりつつ、炎を見つめる。昼間遊んだので眠くてたまらないのだが、何だかもったいなくて頑張って起きているのだ。
 エルナが魚をつつきながら、深い森の奥にある故郷を、少し懐かしく思いだす。
(あー……サバイバルとかちょっと懐かしい感じねぇ……)
 が、突然、隣の律紀に向かって思いついたように尋ねた。
「で、これって結局、食堂で割引とか効くの?」
「えっ!? 報酬出るから、どうだろう……?」
「こんなに頑張ったのよ、そこは交渉してよね!」
 どうも年上の女性には太刀打ちできない律紀である。

 雅は短い孤島の旅で、またちょっと近づいたように感じる仁刀の傍に座った。
 遠慮がちに肩を寄せると、小指を差し出す。
「また一緒に遊びに行こうね」
「また、か……そうだな、そう出来たらいいと思う」
 燃える炎をバックに、絡めた小指がひとつのシルエットとなる。

 風の音、波の音。
 そこにハーモニカの音が混じるのに、何人がはっきりと気付いただろう。
 皓一郎の奏でる控え目な音色は、自然の音に寄り添うように静かに流れて行った……。

 
 そして翌朝。
 ようやく空が白み始めた頃、火の番の征治、千夜、晴日呼、そして翠月に瀬軽が声をかける。
「今回はありがとね。食材がいたむ前に、私ゃ先に帰らせて貰うよ。
 ああ、相賀君のクーラーボックスも持って帰っとくから。戻ったら取りにおいでって伝えといて」
 見ると、砂浜にヘリコプターが降りて来る。
「皆1回ずつ位は、タダでお腹いっぱい食べさせたげるからねー!」
 そう言って荷物を積み込み、瀬軽を乗せたヘリは飛び去る。

「で、結局、瀬軽さんて一体何者?」
 飛び去るヘリを見送り、晴日呼は眠そうな目をしばたたかせたのだった。


<了>


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 最強の『普通』・鈴代 征治(ja1305)
 God Father・日下部 千夜(ja7997)
 撃退士・エルナ ヴァーレ(ja8327)
 撃退士・夏木 夕乃(ja9092)
 戦いの中で戦いを……・神棟星嵐(jb1397)
 道を拓き、譲らぬ・地堂 光(jb4992)
 非公式A級料理人認定・相賀翡翠(jb5879)
 久遠ヶ原の魔法使い(黒)・ヒスイ(jb6437)
 迅雷纏いし怨恨・八神 翼(jb6550)
重体: −
面白かった!:12人

いつか道標に・
鐘田将太郎(ja0114)

大学部6年4組 男 阿修羅
サンドイッチ神・
御堂・玲獅(ja0388)

卒業 女 アストラルヴァンガード
先駆けるモノ・
高虎 寧(ja0416)

大学部4年72組 女 鬼道忍軍
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
夜のへべれけお姉さん・
雀原 麦子(ja1553)

大学部3年80組 女 阿修羅
戦場を駆けし光翼の戦乙女・
桐原 雅(ja1822)

大学部3年286組 女 阿修羅
撃退士・
久遠 仁刀(ja2464)

卒業 男 ルインズブレイド
お洒落Boy・
Nicolas huit(ja2921)

大学部5年136組 男 アストラルヴァンガード
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
God Father・
日下部 千夜(ja7997)

卒業 男 インフィルトレイター
撃退士・
エルナ ヴァーレ(ja8327)

卒業 女 阿修羅
非公式A級ハンター認定・
ヴィクトール・グリム(ja8730)

大学部7年256組 男 ディバインナイト
気だるげな盾・
仁科 皓一郎(ja8777)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
夏木 夕乃(ja9092)

大学部1年277組 女 ダアト
子猫の瞳・
相馬 晴日呼(ja9234)

大学部7年163組 男 インフィルトレイター
夜を紡ぎし翠闇の魔人・
鑑夜 翠月(jb0681)

大学部3年267組 男 ナイトウォーカー
戦いの中で戦いを……・
神棟星嵐(jb1397)

大学部6年70組 男 ナイトウォーカー
仲良し撃退士・
オルタ・サンシトゥ(jb2790)

大学部3年208組 女 バハムートテイマー
ツンデレ刑事・
蒸姫 ギア(jb4049)

大学部2年152組 男 陰陽師
道を拓き、譲らぬ・
地堂 光(jb4992)

大学部2年4組 男 ディバインナイト
撃退士・
光坂 るりか(jb5577)

大学部8年160組 女 ディバインナイト
非公式A級料理人認定・
相賀翡翠(jb5879)

大学部6年184組 男 ルインズブレイド
久遠ヶ原の魔法使い(黒)・
ヒスイ(jb6437)

中等部3年1組 男 ナイトウォーカー
非公式A級ハンター認定・
雪夏(jb6442)

高等部3年27組 女 バハムートテイマー
迅雷纏いし怨恨・
八神 翼(jb6550)

大学部5年1組 女 ナイトウォーカー