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マスター:樹 シロカ
シナリオ形態:イベント
難易度:難しい
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/07/10


みんなの思い出



オープニング

●大天使の不興

 暫くぶりに顔を合わせた主の前で、シュトラッサー・川上は膝を折り低頭する。
「京都の様子はどうなの。貴方の主観でいいわ」
 大天使グラディエルの澄んだ声が、冷え冷えと響いた。
 若い女天使は、長椅子に優雅に横たわりながら、少年のように短い金の巻き毛を指で弄んでいる。
 が、その青い瞳は笑っていない。
「率直に申し上げると、余り芳しくありません」
 川上は、京都の結界内の状況を簡単に説明する。
 管理を任されている代将ダレス・エルサメクが傷を負わされたこと、大収容所における攻防、そして八方を守護するはずの要塞が既に半数になっていること。
「忌々しいことね。ザインエル様のご心中はそんな物ではないでしょうけれど」
 グラディエルが苛立ちを表すように、足を組み替えた。
 だが、いくら歯痒く思えど、手出しはできない。手駒の使徒をこっそり様子見に派遣するのが関の山だ。
 グラディエルはまだ年若いが、自分の為すべき役割は心得ている。
 任務を任されたのはダレスなのだ。そしてダレスが無能ゆえの現状ではないことも、重々承知していた。
「それで、小青はどうなの。まだ使いものになりそうなの?」
 これは川上に向けられた言葉ではない。
 少し前で項垂れる下級天使が、身じろぎするのが判った。
 川上からは見えないが、おそらく彼自身より遥かに悲壮な表情であろうことは想像に難くない。
「怪我の方は問題ありません。回復次第また前線へ戻します」
「そう。貴方もいつまでも以前の不始末に祟られるわね」
 言葉が見えない刃物となって、天使に突き刺さる。
「仕事は他にもあるのだから。余り手間取るようなら、後始末は誰かに回すわよ」
 グラディエルが無言で手を払い、天使と川上はその場を辞した。

 先日の京都の南東要塞での戦いで、シュトラッサー小青は傷を負った。
 撤退する撃退士達を、満足に追撃できず取り逃がしたのはそのためである。
 傷はすぐにふさいだものの、完治には天界に戻り天使の力を得る必要があった。
 シュトラッサーはどの道、余り長く主と離れていられない。遅かれ早かれ帰還は避けられないのだ。
 幸い、撃退士達は並行して南西要塞攻略に乗り出した。
 戦力が分散しているこの隙に、南東要塞はサーバント達で持ち堪えさせ、急ぎ戻る。
 そう決めた川上と小青は、夜陰に乗じて南東要塞を抜けだし天界に戻って来たという次第だ。
「だがどうかな……少しあいつには好き勝手させすぎたかもしれんな」
 派手に動いて見せた以上、不在もすぐに露見する可能性がある。
 川上の懸念はすぐに現実となった。


●青蛇の不在

 かつての天界側南要塞に構えられた本陣に、報告がもたらされる。
 南東要塞の監視に当たっていた撃退士からのものだ。
 先日の攻防でこじ開けられた城門は、北側は既に修復されてしまっていた。南門は補修のために集まるサーバントを、遠距離攻撃で牽制している状況だ。
 報告に中山律紀(jz0021)が唸る。
「あのシュトラッサーが、ねえ」
 律紀は直接は見ていないが、同時作戦の別隊の報告は確認している。
 小青と名乗った、青い道服の双刀使いの少女。おそらくは南東要塞の指揮官。
 堕天使・はぐれ悪魔の撃退士を執拗に狙い、連れ去ろうとしていた。
 その使徒がここのところ、要塞に見当たらないのだという。
「うーん、どうなんだろうね。要塞を放り出して逃げるっていうのも考えにくいんだけど……」
 だが監視と陽動を兼ねて幾人か撃退士が至近距離まで近づいてみたが、以前のように翼を持つ者だけを狙ってくることもない。
「もしかしたら、だけど。案外弱っているのかもしれないね」
 先の戦闘で使徒と対峙した撃退士達は、手ぶらで帰還した訳ではない。
 負傷しながらも、相手に傷を負わせていたのは確かだ。

 楽観は禁物だ。
 だがこのままでは、南門もいずれ補修される。
 仮に指揮官が弱っているなら、今が再攻撃のチャンスなのかもしれない。
 それでなくとも、南西要塞を攻略に向かっている仲間がいる。ここで南東のサーバントを減らしておけば、互いの要塞に増援が向かうのを阻止できるのではないか。
「南要塞のときに取り逃がした奴だ。今度こそ逃げられないよう、ここで叩こう!」
 撃退士の中から声が沸き上がった。


リプレイ本文

●南門突破

 むんとする熱気が、静寂の支配する町に満ちていた。
 閉じられた都に、また夏が巡って来たのだ。
 石造りの西洋要塞の上に、骸骨の兵士と異形の武士が見て取れる。
「抵抗できないものを踏みつけて、支配者面か。下劣な」
 不動神 武尊(jb2605)が鼻を鳴らした。スレイプニルは主を背に、その命じるままに舞い上がる。
「まずはこの南門を越えないことには、な」
 楯を構えるキイ・ローランド(jb5908)の全身が、青白い光に包まれた。
「突入する」
 騎士らしく、堂々と。名乗りを上げる代わりのように『タウント』で敵の意識をひきつける。
 骸骨兵士の矢がキイに雨のように降り注ぐ。が、キイは歯を食いしばりそれに耐える。
 ブラウト=フランケンシュタイン(jb6022)が駆け出した。
「戦いましょう、勝つまでは! 何せ、戦わなければ生き残れないのDEATHから!」
(それにしてもあの鎧武者の中身はどうなっているのでしょう……一度見て見たいものですー)
 開いた魔法書から白と黒の矢が飛び出し、城壁上の骸骨兵に突き立つ。
 周防 水樹(ja0073)は静かに目を上げると、胸元に置いていた手を差し伸べた。具現化したリボルバーが火を噴く。
 城壁上のサーバント達の動きが、慌ただしくなった。
 武尊はスレイプニルを高度いっぱいまで上げると、城壁に接近。
 居並ぶ骸骨兵を召喚獣の体当たりと己の蹴りで、なぎ倒す。
「邪魔だ、どけ」
 己をして天界の戦車と自負する故に。只管猛進する。
 隅に陣取り辺りを見渡していたサブラヒナイトがその様に、弓を構えた。
 遮る骸骨兵士の壁が途切れた城壁上を、真っ直ぐに武尊目がけて炎の矢が迸る。
 構えた剣に遮られた蒼炎と、剣の放つ飛沫が煌めいた。
「……ッ!!」
 武尊は無言のまま、その衝撃に耐える。声を出すことを、彼の矜持が許さない。
 次の矢を番える鎧武者に、空から戦況を見ていたアステリア・ヴェルトール(jb3216)が、射程いっぱいから鋭い矢を放つ。
 
 既に見慣れたサブラヒナイトの姿を、夜来野 遥久(ja6843)が鋭く見据え、霊符を取り出した。
「三度目の正直、としたいですね」
 南東要塞に関わるのは、これで三度目。
 天界側も経験を積んでいる。最初のように簡単には、要塞を明け渡してはくれない。
 だが人間も様々な経験を経て、この地に居るのだ。
 鳳 静矢(ja3856)もその一人だ。
 今度こそ、こちらの駒をこの陣地に進めるために。
 仲間の支援攻撃に気を取られ、城門の護りにほんの僅かな隙が生じた。
「行くぞ」
 紫の光輝を彗星のように後に残し、前に。
 呼吸を合わせ、君田 夢野(ja0561)がアサルトライフルを連射。
 その銃弾は、要塞の向こう、眠り続ける人々に呼びかけるかのように。
(そろそろ囚われ姫で居続けるのにも疲れただろう? だから待つんだ、もうすぐ助けに行けるから)
 強力な一斉攻撃に、仮止めの城門はあえなく打ち崩される。

 敵意と敵意のぶつかり合い。
 斉凛(ja6571)は青ざめた顔で、両手をぎゅっと握りしめる。
 だがその表情は静かで、冷たい微笑すら浮かべていた。
 城門が開くのを見て、可憐な少女は冷酷な戦士へと変貌する。
「突入します。支援攻撃、開始してください」
『了解。くれぐれも気をつけて!』
 光信機の向こうから中山律紀(jz0021)の声。
 それと同時に、城壁上の敵を目がけ、色とりどりの光が花火のように降り注いだ。
「戦メイド参りました。華麗に闘いますわ」
 さらりと巻物を解き放ち、凛は飛び出す。


●敵陣深く

 城門に到達すると、城壁の幅の分だけ、上方からの攻撃を防いでくれる。
 その僅かな安全地帯で、六道 琴音(jb3515)が城門攻略で負傷した仲間の傷を癒す。
「いま回復します!」
 だが当然長居はできない。広場にひしめく骸骨兵の槍がぎらりと光る。
 Rehni Nam(ja5283)が身構える。
「蛇の居ぬ間に何とやら、ですね。勿論いなければの話ですが」
 琴音が控えめに頷いた。要塞攻略戦への参加は初めてだが、過去の資料には目を通してきた。確かに、サーバント達の動きには指揮官が『居る』感覚がない。
「ともかく、京都を取り戻すのに今回の作戦も重要です」
 決意とともに、阻霊符に力を籠める。

 遥久がカラーボールを取り出した。
「おそらくは、動かない個体が擬態している蛾でしょう。では」
 Rehni、琴音と頷きあう。それぞれが広場に意識を飛ばす。
 先行した撃退士が知らせた、鱗粉を飛ばす大毒蛾の存在。
 城門の傍、骸骨兵士が向かってくる足元、城壁の壁。それぞれが生命探知の網を張り巡らし、潜む蛾の居場所をあぶり出す。
「二時の方向、距離6mに一体。行きます」
 冥魔の気を帯びた彗星が、Rehniの身体から迸り出る。
 青白い光の残滓を受け、骸骨兵士の白い骨が砕けて飛び散った。その足元から、羽ばたくもの。
「音響効果も悪ぅないしな。思いきり謡わせて貰うでぇ!」
 亀山 淳紅(ja2261)の良く通る声が石壁に反響する。激しい炎が地を奔り、真っ直ぐに大毒蛾へ到達した。

「居ました、逃しませんよ」
 遥久が壁際に潜む大毒蛾に、カラーボールを投げつけた。
 バタバタと鱗粉を撒き散らしながら位置を変えるが、へばりつく塗料が目を引くだけだ。
 地面に伏せた所で、隆起した岩に貫かれる。
「次は? これで終わりじゃないわね」
 珠真 緑(ja2428)が銀の髪を揺らし、広場を睨む。
「いた。逃がさないわよ」
 大地から突き出た槍が、一体ずつ確実に蛾を駆逐して行く。

「東の壁、南から10m高さ2mに一体です」
「判りました、行きます」
 御堂・玲獅(ja0388)の注意喚起に、背後の鑑夜 翠月(jb0681)が応える。
 先は長い。指揮官が不在だとしても、充分厄介な敵がひしめくこの要塞内で、無理は禁物だ。
 玲獅の構える楯を頼りに、壁際を駆け抜け、東の城壁へ。
 なるべく多くの敵を巻き込み、尚且つ厄介な蛾に当たるよう。敵だけを撃つ鮮やかな炎が弾け飛ぶ。進み出た先で、玲獅はいまだ広場に散らばる骸骨兵士に向けアウルの彗星を放つ。
「少しでも、敵の動きを阻害できればいいのだけど」
 フィン・スターニス(ja9308)の岩柱が大地から突き立ち、骸骨兵士達の足並みが乱れた。
「早く、階段の確保を」
 キイが敢えて壁から離れた場所で、再びタウントを使った。骸骨兵士達の槍が、向きを変えるのが見て取れた。

 互いの攻撃が、無駄にならないように。
 数は多いが、後に控える敵に比べればまだ対応の余地のある骸骨兵で、消耗しすぎないように。
 一団は手分けして骸骨兵の集団を捩じ伏せ、東の壁沿いを、北へ。
 城壁上に居る敵は、幸い城外の仲間の攻撃に気を取られている。
 だが、然程長くはもつまい。
 慎重に、迅速に。階段目指し駆け抜ける一同に、猛る炎が地を舐めて迫る。


●北からの侵攻

 黒百合(ja0422)が目を細め、城壁を見上げた。
「あはァ、素敵な要塞じゃないのォ、壊し甲斐があるわァ……♪」
 低い建物の陰に潜み、要塞の北面を窺い、機を待つ。
 前回破壊された門は既に修復され、固く閉じられていた。
 その為か、城壁上の敵影は比較的少ない。
 南門からの撃退士の侵攻が始まってからは、その数が一層減っていた。
「今度こそ、南東要塞のサーバントを殲滅するよっ!」
 蒸姫 ギア(jb4049)の少女のように可憐な顔が引き締まる。
「あっ、べっ、別にこの前落とせなかったのが、悔しいわけじゃないんだからなっ! ギア、放っておいて、騒ぎが大きくなるのが嫌なだけなんだからな!」
 黒髪を揺らして何やら言い訳するギアの頬に、赤みが差した。
 だがその言葉とは裏腹に、握りしめた手に力が籠る。いつまでも取り戻せない都、眠る人々。
 唇を噛み締め、ギアはサーバントを睨みつけた。

 そこに夢野と静矢が到着した。
 南門を破壊した後、敵の射程外を駆け抜け、北へ回って来たのだ。
「待たせた。さて、敵に吠え面かかせてやろう」
 静矢が鎖鞭を取り出す。
「待ってたわよォ……お先に行くわねェ……♪」
 黒百合が壁走りで城壁を見る間に駆け上がる。
 闇の翼を広げ、ギアが舞い上がった。
 上空から見ると、敵の位置が手に取るように判った。
 散らばる骸骨兵士のほかに、北東に一体、西側城壁上に一体、サブラヒナイトがいる。
 他の鎧武者は中央指令塔付近に二体が南を警戒、残る四体が南の城壁外の撃退士と交戦中だ。
「ギアの万能蒸気の力、しっかり味わうと良いんだよ!」
 潜行したまま西のサブラヒナイトに接近すると、傍の骸骨兵士ごと『呪縛陣』に捉える。
「絡みつけ歯車の鎖……ギアストリーム! さぁ、今のうちに」
「次はあんたねェ……ほらほら、逃げるなら今のうちよォ?」
 逃がす気など全くない黒百合。その言葉が終わらぬうちに、腐泥と血飛沫を撒き散らす巨大な左腕が現れ、もう一体の鎧武者に掴みかかった。

 黒百合とギアが難敵の動きを止めているうちに、残る面々は城壁に取り付く。
 駆けつけた骸骨兵士が、城壁上から弓を構えた。
「弓ってのはこうやって使うんだぜっ」
 久遠 栄(ja2400)が長大な和弓を引き絞り、骸骨兵士の手元を狙う。
「よし、ここでこう引っかける!」
 夢野が鎖鎌を使い登り切ると、すぐに持参したロープを垂らした。イアン・J・アルビス(ja0084)がそれを伝い、城壁上に上がる。
 息つく暇も惜しいかのように、イアンはすぐさま楯を持ち身構えた。
 駆け寄る骸骨兵士をシールドで押し留め、全員が城壁に上がるまでの時間を稼ぐ。
「ここは通行止めです」
 伊達に前衛として経験を積んできた訳ではないのだ。狭い通路を進んで来る敵なら、防ぎきって見せる。簡単に抜かせたりはしない。
「よし、今のうちに」
 最後に栄がロープを伝い、城壁に到達した。


●急襲の行方

 城壁上で二手に分かれ、それぞれがサブラヒナイトを目指す。
「動かぬ相手なら、外しはせん」
 静矢が強烈な一打を撃ち込む。幻影の紫鳥が魔法の弾丸となって、動きを止めた鎧武者を襲う。鎧武者は、その場に縫いつけられたまま、長大な刀を取り出し静矢の攻撃を受け止めた。
「流石に堅いか。だが、いつまでそうしていられるかな」
 静矢は容赦なく、続く一撃。
 そこに動かぬ鎧武者を護衛するように、背後から現れた数体の骸骨兵士が弓を番える。
「余所見はさせませんよ」
 イアンがタウントで敵の意識をひきつけ、敢えて攻撃に身を晒した。
「経戦能力なら自信がありますからね。耐えて見せますよ」
 鎧武者の放った蒼矢を受けとめ、見事その場に踏みとどまる。
 その脇から壁を伝い、黒百合が突進。喜色満面、全身から漂う殺意は黒い靄のように。
「いいわァ、素敵よォ……大きな的を弄り殺しねェ、あはァ!」
 魔法書から現れた無数の雷が、サブラヒナイトを痛めつける。
 狭い城壁の上でなす術もなく強打を受け続け、さしもの鎧武者も遂に膝を折り、ぐらり揺れると、そのまま音を立てて広場へと落下して行った。
「徹底的に崩してあげます。覚悟してください」
 立ちあがったイアンは既に、前方を見据えている。
 東の城壁の敵を掃討し、地上組を迎えるべく駆け出した。
 
 迫り来る骸骨兵士を前に、青と赤の双剣を構え、夢野は口元に不敵な笑みを湛える。
「オーケィ、お熱いの一曲ハデに掻き鳴らそうか!」
 破壊を謳う猛攻が、数体のスケルトンを唯の動かぬ骨に返した。
 ギアの『呪縛陣』で動けぬ鎧武者が、その場で長大な弓を構える。
 夢野を目がけ、蒼い火矢が空を切った。
 栄が回避射撃でその切っ先を、僅かに逸らす。
 威力を弱められているとはいえ、まともに食らえばただでは済まない。
「くそっ、思ったよりも厄介だな……この程度で手間取るわけには……」
「こんな所で、止まってる訳にはいかないんだから!」
 ギアの視点からは、塔の近くにいたサブラヒナイトが位置を変えたのが見えた。
 地上から進行する撃退士の動きに合わせるように、城壁を南へと。
「全く、会いたくないのに、お前らとはよく会うな――――が、とっととサヨナラ願おう」
 夢野の剣が生み出す斬撃に、鎧武者の身体がぐらついた。
 だが倒れる前に踏みとどまると、身体を縛る鎖が切れたかのようにこちらへ重い歩みを進ませる。
「とにかく南へ急ごう。それが俺達の仕事だ」
 目前のサブラヒナイトだけに関わっている訳にはいかないのだ。
 栄は意を決して、己の弓に闇の気を纏わせる。
「当たれ……!」
 確かに矢は、鎧武者を貫いた。
 だがその突進はやまず、振りかぶった太刀が栄を目がけて空を切る。
「しまッ……!」
 激痛。ともすれば遠のきそうになる意識を捕まえ、栄は踏みとどまる。
「お前の為の葬送歌だ、受け取れ!」
 至近距離から踏み込んだ夢野が、首元に双刀を突き込む。
 夢野の足の付け根も大太刀に抉られていた。が、致命傷を負ったのは鎧武者の方だった。
 倒れ込む敵から素早く身を引くと、息をつき、夢野は傷口を縛り上げる。
「動ける!?」
 覗きこむギアの声に、栄が顔を上げた。
「ありがと、心配してくれて。まだ大丈夫だよ」
 無理に笑顔を作ってみせると、さっと頬を赤らめたギアが、ツンと横を向いた。
「……そんなんじゃないよ! 作戦がうまくいかなくなったら、困るからだよっ!」


●潜む敵影

 広場の前方に、監視塔がそびえる。その前に立ちふさがる壁の手前から、炎が延びた。
 顔を出したイフリートが、飛び交いながら撃退士達の行方を阻む。
 マキナ・ベルヴェルク(ja0067)が鋼糸を構えた。
 包帯を固く巻いた右腕から生じた黒い炎が激しく踊り、マキナは全てに終焉の幕を引く偽りの神たらんとする。
 目を上げれば、遥か高みに舞うアステリアの姿。
 共に戦った相手であれば、多くの言葉は不要。
 アステリアが黒焔を放つ。凄まじいまでの冥界の気が、天界に属する火精を貫いた。だが尚もイフリートは叫び声が具現化したような炎を吐き続ける。
 その炎が火精の位置を示し、マキナはそこに迷いなく突き進んだ。
 鋼糸が絡みつき、イフリートの半身が千々に引き裂かれる。
 その瞬間、蒼い火矢が上空を横切った。
 顔を上げたマキナの眼前で、アステリアの身体が跳ねるように宙で踊り、そのまま落下して来る。
 余りの破壊力に危険な存在と見做し、駆けつけたサブラヒナイトがアステリアを撃ったのだ。
「……リア!」
 マキナが駆け出し、危うく地面に叩きつけられる寸前で、アステリアを受け止める。
 その背後に、イフリートの炎が容赦なく襲いかかった。
 マキナはほんの僅かに顔を歪めたが、飽くまでもアステリアを庇い続ける。
「大丈夫!?」
 影野 明日香(jb3801)が、塹壕から顔をのぞかせたイフリートの頭をニーズヘッグで薙ぎ、牽制。
 火精が塹壕に消えたのを見届けると、すぐに駆け寄る。
 覗きこみ、慣れた様子で手早くアステリアの具合を確かめる。――息は、ある。
「良かったわ、取り敢えずは簡単に治しておくわよ」
 本当は、可能な限り癒してやりたい。だがまだ戦いの終わりは見えないのだ。
 明日香は心を鬼にして、最低限の治癒を施すにとどめる。

 塹壕の縁に身を顰め、玲獅が生命探知で割り出したイフリートの位置を示す。
「南側の塹壕に四体、東西の通路に二体潜んでいます、お気をつけて」
「おー! 俺今度はいっぱい暴れるんだぞー!」
 待ちかねていたように彪姫 千代(jb0742)が声を上げる。
 幾度か痛い目を見せられた、炎の精霊。今度こそ徹底的に叩き潰してやるぞと。
「可能な限り援護する」
 水樹が楯を構え、『庇護の翼』で千代の身を包む。
「おー! 頼りにしてるんだぞ!」
 二人は一度にイフリートの炎を浴びないよう気を配りながら、位置を整えた。
「いっけー『冥虎』! ドッカーンなんだぞー!」
 闇から生まれたような獣の幻影が塹壕に飛び込み、イフリートの喉元に食らいつく。
 激しい冥の気に、火精は仰け反る。
 ほとんど身動きもままならぬままに倒れた。
 ――まずは一体。

「この間の様にはいかないんだぞー!! 『剣虎』!」
 千代の声に応え、白銀の虎が出現。その体表から無数の刃が飛び出し、駆け寄るイフリートに向かって飛んだ。
 交差するように伸びる猛炎を、水樹がしのぐ。熱に焙られ、皮膚が裂ける。それでも水樹は表情も変えず、引こうともしない。
 千代の攻撃が効いているなら、一体でも多くイフリートを倒す。ギリギリまで耐えて見せる。
 ――二体目。

「――さぁ、此処が正念場だ……油断せずに行こう!」
 志堂 龍実(ja9408)の言葉に、フィンが穏やかに頷く。
 急な依頼での呼び出しだったが、共に戦場にいることが心強い。
「今度こそ、この要塞は落とすんだよ!」
 天羽 伊都(jb2199)が身の丈よりも長い剣を構えた。その手に黒い焔が渦を描く。
 あくまでもここは通過点。要塞の向こうに眠る人々との間を隔てるかのように、延びる塹壕。
 ここを越えなければ、市民に手は届かないのだと。まるでそう告げているようだ。
 息を顰め、伊都は機を待つ。
 先の戦いで、火精が顔を出す瞬間に飛び上がるのは判っていた。
「来ます!」
 玲獅の涼やかな声が、鋭く響いた。華奢な身体が、業火を真向から楯で受け止める。
「行くっすよ!」
 脇に回った伊都が、剣を振り下ろす。
 そこから生じた黒い炎が、塹壕に引っ込もうとするイフリートの横面をはたいた。
「当たった!」
「まだです、次!」
 玲獅の楯が別方向からの炎を、防ぐ。
 飛びあがり、炎を吐き、互いに位置を入れ替えながら、イフリート達は塹壕を行き来する。
「射程が長い相手は厄介……だなッ!」
 龍実は愛用の剣を霊符に持ち替えた。近寄りすぎるのは危険だと判断したのだ。
 距離を取り、飛び出すイフリートの頭を押さえる。
 そこにRehniの声が響いた。
「少し下がってください!」
 光の尾を長く引き、幾つもの流星が狭い塹壕に降り注ぐ。
 弱っていた一体が吹き飛び、隕石の重みに耐えかねたように別のイフリートの動きが鈍くなった。
 それを見逃さず、緑が『スタンエッジ』を撃ち込む。イフリートは塹壕に倒れ込み、身動きしない。
「一体ずつ確実に仕留めるっすよ!」
 伊都が塹壕に飛び込む。刃を下方に向け、己の身体の重みをかけ、イフリートを貫いた。
 ――これで四体。
 伊都が態勢を立て直す時間を稼ぐ為、玲獅が楯を構え、塹壕に舞い降りる。

 続いて龍実が飛び込んだ。
「そこがそちらだけの安全地帯だと思うなよッ!」
 すぐさま龍実が白色の剣を振るうと、イフリートの炎を圧する紫焔が躍り、敵を弾き飛ばす。
「援護しますわ、すぐに下がってくださいね」
 フィンが飛びあがるイフリートに雷を叩きつけ、龍実が下がる隙を作る。
 冥魔の気に寄った龍実がサーバントの焔を食らっては、痛手を被ることになるからだ。
「くれぐれもお気をつけて」
 遥久が塹壕を覗き込み、手近の者に『アウルの鎧』を纏わせる。
「あんまり無茶しないでよね!」
 一番最後に明日香が、ちょっと困ったような顔をして飛び込んだ。
 万一の際には、引き摺ってでも助けなければ。
「上にも気を付けてください」
 城壁の上の鎧武者に、フィンが渾身の一撃を見舞う。黒い翼の幻影が、背に現れ、散った。

 ほんの僅かな時間だが、敵の攻撃が止む。
 懐深く飛び込んできた敵をどう処理するか、思案しているかのようだった。
 そしてその僅かな時間が、撃退士達には必要だった。
「対イフリート班、塹壕へ。私も援護に回ります。後はよろしくお願いします!」
 凛が声をかけ、牽制に加わる。
「宜しくお願いします。では」
 遥久は残るイフリートの数を把握し、任せられると判断した。
 分かれた一隊は塹壕を飛び越え、城壁に開いた穴へと突入して行く。


●鎧武者たち

 少し湿っぽく暗い石造りの階段が、螺旋を描いて上へと延びる。
 遥久は楯を構え、慎重に石段を上がって行く。
「……ここにもいましたね。少し下がっていてください」
 生命探知の網に、動かない生き物がかかる。大毒蛾が一体、石段の壁に張り付いていた。
 狭い空間ではあるが、可能な限り距離を取り、霊符で仕留める。
 飛び散る鱗粉が収まるのを待ち、階段を駆け上がる。

 やがて階段は尽き、突然視界が開けた。
 辺りの建物の屋根は足元に、見上げた空を遮るものは何もない。
 だがその景色を堪能している暇はないのだ。
 咄嗟に構えた遥久の楯に、蒼い火矢の衝撃。
 塔周辺に張り付いていたサブラヒナイトの一体が、階段を見張っていたらしい。
「やっぱりいましたね!」
 Rehniは階段を上がる最中、『アウルディバイド』で回復し温存していた『コメット』を叩きつけた。
「後ろがお留守なのDEATH!」
 重い一撃に重心を移した鎧武者の脚に、白と黒の矢が突き刺さる。
 城壁の下のブラウトだ。
 してやったりの満足げな笑み。
「今年こそ。京都の紅葉見つつ、一曲歌いたいんよっ」
 淳紅の頬が、紅葉のように染まる。
 緑滴る山々の眩しさが、埃まみれの街並みとの対比で物悲しくすら思える。
 美しい街を、いつまで蹂躙させておけばいいのか。
 いつになればこの古都の美しさを、存分に謡い上げられるのか。
「せやから……早めに出てってもらいたいやんな!」
 生み出された激しい風の渦が鎧武者の足元に絡みつき、全身を包み込んだ。
 サブラヒナイトは足元を攫われ、城壁から転落する。
「無様な物ですね」
 尚も立ちあがろうとするサブラヒナイトに、マキナが終焉を告げる拳を撃ち込んだ。
 特殊な防御フィールドを持つとはいえ、一切打撃が効かない訳ではない。例え半減されても、その拳の威力は充分過ぎるほどだった。
 木乃伊の顔面が打ち砕かれ、ついに鎧武者は動かなくなる。

 その間に階段室を飛び出し、一同が城壁上に展開する。
「大丈夫だったか!」
 北側から駆けて来る、静矢、イアン、黒百合の姿。
 だが、ゆっくりと互いの無事を喜ぶ暇はない。狭い城壁上では、二人並ぶのが精一杯だ。
 眼下の塹壕では炎が猛り狂い、塔の西側付近では、一体のサブラヒナイトが下方を狙っている。
 そこに西側から連絡が入る。ギアだった。
『今、西南の階段に向かってるからねっ。司令塔の西側のサブラヒナイトをやっつけちゃうよ!』
 イフリートに対峙する仲間の負担を、少しでも軽くする。そのためには必要なことだった。
 だが、南側の四体を城壁外の部隊が押さえるのも、そろそろ限界らしかった。目に見えて、支援攻撃が弱くなっているのだ。
『ごめん、もう四体を牽制するのは、ちょっと厳しいみたい……!』
 光信機から漏れる律紀の声が悔しげだった。
 広場に意識を向ける暇を与えぬ程に射かけた以上、反撃も受ける。サブラヒナイトの矢に傷つき、少なくない離脱者が出ていたのだ。

 それでも武尊がいち早くたどり着いた城壁上を暴れ回り、骸骨兵士はほぼ駆逐されている。
 鎧武者はほぼ雑兵なしで、撃退士と戦っている状態だ。
 塹壕の傍からは、凛が互角と言っていい長射程の銃撃でサブラヒナイトを攪乱する。
(当たらなくても、狙いを逸らしさえすれば……!)
 広場ではブラウトが狙いを定められぬよう、常に動きまわりながら、サブラヒナイトを攻撃。
 琴音もタイミングを合わせ、城壁の真下から牽制攻撃を続ける。
 一撃ずつは、鎧武者にとって然程脅威ではない。
 それでも身を隠す場のない城壁上で、あらゆる方面から仕掛けられる攻撃のダメージは、時間と共に僅かずつ蓄積して行く。まだ戦えない程ではないにせよ、鎧武者たちも満身創痍だった。

 翠月が、小柄な体で精いっぱい伸びあがる。
「一体ずつ減らして行くしかありませんね。できるだけのことを、やるしかありません」
 遥久が楯を構え直す。
「ご一緒します。射程内まで後ろからどうぞ」
「有難うございます。気を付けていきましょうね」
 少女のような翠月の笑み。
 同時に、南へ。
 行く手に立ちふさがるサブラヒナイトが、こちらを向いた。一気に距離を詰めると、弓の代わりに大太刀が具現。鋭い一閃を、遥久は真っ向から受け止める。
「行きます!」
 背後から、翠月がひらりと現れる。小さな身体に常闇を纏い、激しい一撃を繰り出した。
 鎧武者の頑丈な身体が、そのたった一撃で、ほとんど半分吹き飛んだ。
 そうなって尚、最期の力で、大太刀を振り下ろすサブラヒナイト。
 遥久はその切っ先から翠月を庇い、剣を突き込み、抉った。巨体が音を立てて、落下して行く。
「まだまだァ……こんなもんじゃ足りないわよォ♪」
 壁を駆け抜け、黒百合が前へ。迫る鎧武者に、大鎌を振るう。
 真っ向から向かってくる小柄な少女を、汲み易しと見たか、サブラヒナイトは大太刀を翳した。
 唸りを上げて振り下ろされる刃を、黒百合は容易く回避する。
「あはァ。結構楽しませてくれるじゃなぁい?」
 シュールレアリスムの絵画のように、重力を無視した方向に城壁を駆け抜け、黒百合の斬撃が繰り出された。

「ジュンちゃん、行けますか?」
 きゅっと口元を引き結び、Rehniが顔を上げる。
「ええで。身動きとれんようにしたる」
 淳紅が魔法書を取り出す。と同時に、塹壕を見下ろす回廊へ駆け出した。
 下方へ向けて矢を番える鎧武者に向けて、Rehniが『ミカエルの翼』を投げる。それは真っ直ぐ飛ぶのではなく、ブーメランのように弧を描き、敵の脇腹を強かに打った。
『Canta! ‘Requiem’』
 淳紅の澄んだ声が響くと、鎧武者の足元に譜面が現れた。禍々しい無数の手が伸びあがると、抱きすくめるように具足の足を捉える。
 身を捩り、サブラヒナイトは咆哮を上げた。だが、その場から全く動けない。
「いまですっ!」
 装備を『影獅子』に変えたRehniが飛びかかり、暗黒の魔法の爪を振るった。
 大太刀でその爪を受け止める鎧武者の兜が、突然の雷に吹き飛ばされる。
「万能蒸気の力、思い知ると良いんだよっ!」
 ごついガントレットに挟んだ霊符を構え、ギアがふわりと城壁に降り立った。
「下は、どうなってる!?」
 ギアの背後から栄が塹壕を見下ろす。


●業火消えて

 塹壕の中、千代の『磁虎』がイフリートを釘づけにした。
 その背後から現れた新たな一体が、飛びあがり、焔を吐く。
「悪いが、次で限界だ。そこからは自力で何とか頼むぞ」
 水樹が喘ぐように言った。千代の受ける攻撃を肩代わりし続け、既に自力回復の手段は使いきった。次に受ける攻撃を凌げば、下手をすれば自分も倒れるだろう。
「おー、ありがとなんだぞ! おかげで俺、元気なんだぞー! もう一回だけ、頑張るんだぞー!!」
 ならば最後に、もう一体。
 水樹が火炎を受け止める間に、動きの鈍ったイフリートに千代の放った暗黒の虎の幻影が躍りかかった。
 その幻影が霧散すると同時に、水樹と千代がすぐさま塹壕から脱出。
「早く下がって。追撃されるわよ」
 二人の背後から顔をのぞかせた火精を、緑の雷が打ち据える。
 転がるように広場に脱出した水樹が、肩で息をする。その焼かれた肌から痛みがすっと消えていった。顔を上げると、明日香が覗きこんでいる。
「お疲れ様。もう大丈夫よ!」
 金の瞳が、励ますように細められた。

「後、何体いるのかわかりますか!」
 PDWを構え、伊都が声をかけた。
「残り二体です。……通路から来ます!」
 玲獅の声に合わせ、伊都は出鼻に銃弾を撃ち込んだ。
「こっちは任せろ! ここからじゃ丸見えだぜ」
 城壁の上から、栄の声。
 躍り出た火精に、渾身の一矢が射ち込まれた。一度跳ね上がった身体は、そのまま塹壕の地面に叩きつけられる。
「よし、とどめももらった!」
 サブラヒナイトに痛めつけられた分のお返しとばかりに、強くひき絞られた弓から放たれた矢が、唸りを上げてイフリートの頭を貫いた。

「よし、やった! サブラヒナイトは? 味方はどうなったんすか!」
 残る一体を仕留めた伊都が、塹壕から這い上がり辺りを見回す。

 南東要塞には、城壁上と言わず広場と言わず、サーバントのなれの果てが累々と横たわっていた。
 城壁上の仲間が、手を振った。
 蒼い火矢も、業火も、もう何処からも飛んでこない。
 撃退士達の中から歓呼の声が湧き上がり、夏の空に響き渡る。


●蝙蝠の目

 南東要塞の上空を、音もなく一つの黒い影が舞っていた。
「サブラヒナイトが……全滅、だなどと……」
 怒りを含んだ少女の声が漏れる。
「案外、保たなかったな。まあ仕方ないだろう、多少頭があるとはいえ、所詮はサーバントだ」
 男の声は、どこか他人事のようだった。
「収容所さえ確保しておけば、機能上の問題はない。……行くぞ、そちらの方が重要だ」

 やがて蝙蝠は身を翻し、いずこへともなく飛び去った。


 この日、ついに人間は南東要塞にまで駒を進めた。
 少しずつ守りを失ってゆく中で、天使達が何を考え、どう動くのか。
 それはまだ誰も知らない。


<了>


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 守護司る魂の解放者・イアン・J・アルビス(ja0084)
 赫華Noir・黒百合(ja0422)
 前を向いて、未来へ・Rehni Nam(ja5283)
 蒼閃霆公の魂を継ぎし者・夜来野 遥久(ja6843)
 夜を紡ぎし翠闇の魔人・鑑夜 翠月(jb0681)
 撃退士・彪姫 千代(jb0742)
 撃退士・アステリア・ヴェルトール(jb3216)
 導きの光・六道 琴音(jb3515)
 災禍塞ぐ白銀の騎士・キイ・ローランド(jb5908)
重体: −
面白かった!:13人

撃退士・
マキナ・ベルヴェルク(ja0067)

卒業 女 阿修羅
消えない十字架を抱きて・
周防 水樹(ja0073)

大学部4年82組 男 ディバインナイト
守護司る魂の解放者・
イアン・J・アルビス(ja0084)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
サンドイッチ神・
御堂・玲獅(ja0388)

卒業 女 アストラルヴァンガード
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
Blue Sphere Ballad・
君田 夢野(ja0561)

卒業 男 ルインズブレイド
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
心眼の射手・
久遠 栄(ja2400)

大学部7年71組 男 インフィルトレイター
水神の加護・
珠真 緑(ja2428)

大学部6年40組 女 ダアト
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
蒼閃霆公の魂を継ぎし者・
夜来野 遥久(ja6843)

卒業 男 アストラルヴァンガード
マイネ・リーベ・
フィン・スターニス(ja9308)

大学部5年216組 女 ダアト
遥かな高みを目指す者・
志堂 龍実(ja9408)

卒業 男 ディバインナイト
夜を紡ぎし翠闇の魔人・
鑑夜 翠月(jb0681)

大学部3年267組 男 ナイトウォーカー
撃退士・
彪姫 千代(jb0742)

高等部3年26組 男 ナイトウォーカー
黒焔の牙爪・
天羽 伊都(jb2199)

大学部1年128組 男 ルインズブレイド
元・天界の戦車・
不動神 武尊(jb2605)

大学部7年263組 男 バハムートテイマー
撃退士・
アステリア・ヴェルトール(jb3216)

大学部3年264組 女 ナイトウォーカー
導きの光・
六道 琴音(jb3515)

卒業 女 アストラルヴァンガード
イケメンお姉さん・
影野 明日香(jb3801)

卒業 女 ディバインナイト
ツンデレ刑事・
蒸姫 ギア(jb4049)

大学部2年152組 男 陰陽師
災禍塞ぐ白銀の騎士・
キイ・ローランド(jb5908)

高等部3年30組 男 ディバインナイト
あい あむ あんでっど!・
ブラウト(jb6022)

大学部8年5組 女 アカシックレコーダー:タイプA