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マスター:清水裕
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2012/02/27


みんなの思い出



オープニング

●学生寮内をうごめくもの(バレンタイン偏)
 バレンタインが近づいた頃、学生寮の殆どで甘いカカオの香りが何処彼処にも広がり、女子達の姦しい声が響いていた。
 そして、その学生寮でも楽しいチョコ作りが行われており、食堂にカセットコンロが置かれ簡易式のキッチンが幾つも作られていた。
 熱湯でチョコレートを湯煎してトロトロになったチョコレートを普通に型に流し込む者、生クリームを入れて柔らかくしてから一口大に丸くしてココアパウダーを混ぜてトリュフにする者、ココアを混ぜてチョコレートスポンジにイチゴと生チョコクリームでデコレーションしてチョコレートケーキを作る者。
 他にも色んなチョコレートを作る女子達がいっぱい居た。
 だが、そんな中である異変が起きた。
「あれ、私のトリュフの数が足りない?」
「あ、あれ? わたしのイチゴ何処に行ったのー!?」
「ねえ、何か黒いのが動いたんだけど!!」
「ま、まさか……ゴキ――」
「「それ以上は言っちゃ駄目ー!!」」
 と、そんな事が起こり食堂は騒然と化した。
 そんな中、ただ一人だけ黙々とチョコレートを作っていた女の子がある事に気付いた。
「チョコレートが逃げちゃったわ」

●料理の腕は天才的です。(逆の意味で)
 秘密裏に学生寮の一室に呼ばれた撃退士達の前に、ボーっとしながら小日向 向日葵(jz0063)が立つ。
「チョコレートが逃げてしまったの、追いかけてくれないかしら?」
「……え、チョコレートって逃げるものなの?」
 いきなりの台詞に何を言ってるんだと言うレベルに彼らは哀れむ様な表情で向日葵を見る。
 きっと妖精さんとか居るって言う少女なんだろう。
 と思っていたら、向日葵がポケットから袋に入ったチョコレートを取り出した。
『シャゲー! ショアショアショアーゲーッ!』
「……えっと、なにこれ?」
「チョコレートよ」
 袋詰めされた小さな黒い化け物が何か分らずに尋ねると、まじめな顔で向日葵はチョコレートと言う。
「えっと、これって食べれるの? あと、何だか叫んでるんだけど……」
「普通の材料で作ったから食べれるわ。あと、叫んでるって何の事かしら?」
 そう言いながら向日葵は作ったチョコレートを食べる。
『ギョア、ゲギャギョガペギョピ――ギ』
 コリコリという音と共に、黒い化け物が断末魔の悲鳴を上げた。
(「……いやいや、絶対チョコレートじゃないしこれ絶対に化け物とか未知の生命体って言うのが正しいよな!?」)
「……うん、やっぱり生クリームを混ぜて柔らかくした方がいいわね。少し硬いわ」
「うん、大人しく市販のチョコレートを買うって選択肢が無いのだけは分った」
「それで話は戻るけれど、チョコレートが5個無くなってしまったの。もしかしたら食堂の中に残ってるかも知れないから探してもらえないかしら」
 そう言って、向日葵は話を終え食堂に視線を向けた。
 食堂からは……奇妙な鳴き声が5つ聞こえるのだった。


リプレイ本文

●捕獲準備
 あと数時間もすれば、食堂で不可思議なチョコを捕獲する為に行動しなければならない。
 その為の準備として撃退士・大谷 知夏(ja0041)は夕方の学園を走り回っていた。
「すみませんっす。捕獲器具を貸してくださいっす!」
 元気な掛け声と共に害虫処理系の部室の扉を知夏は開ける。
 そして簡単な事情(小日向 向日葵(jz0063)が作ったチョコが原因だと言うのを内緒にして)を話すと、食堂だったら早く何とかしないといけないだろう。と言って快く貸してくれた。
「あのー、それと効果的な罠の仕掛け方とか、仕掛け場所を知ってたら教えて欲しいっす!」
 と、お願いし、時間ぎりぎりまで話を聞こうとしていた。

「こんな感じでよろしいでしょうか」
 そう言って、撃退士・古雅 京(ja0228)は入手してきた複数の北京鍋と大鍋を床に置いた。
 床に置いた時、積み重ねて持ってきた鍋達が振動で軽く金属音を鳴らす。
 ちなみに北京鍋とは、その名の如く中国料理で良く使われる深い半球型のフライパンみたいな鍋である。
「んー、あとは……現地調達で大丈夫ですね」
 呟きながら京は北京鍋を掴むと、練習を兼ねてスイングを開始した。

「チョコの具代わりにピーナッツでも持ってくるか」
 そう言いながら、学園探偵・佐倉 哲平(ja0650)はスーパーの棚を見ながら呟く。
 ちなみに彼が持っているカゴの中には菓子とか食品類がタップリと詰め込まれていた。
「そして最後に……チョコレートとして認めるべきか否か……」
 呟きながら彼は先程見た不定形の生物を思い出すのだった。
 と、その時、哲平の視界に美少女探偵・エルレーン・バルハザード(ja0889)の姿が入った。
 何というかウキウキしながら凄い勢いでカゴの中へと色々放り込んでいた。
 いちご、バナナ、抹茶、レーズン、アーモンド、ウエハース、ポテトチップス……。
「ど、どれもおいしそう……うふふ」
 ……楽しそうだから、関わらないでそっとしておこう。そう思ったのか、声をかけずに哲平はその場を離れるのだった。

●夜の食堂
 そして、食堂が終了し調理師さんや食堂の小母ちゃんが帰宅し消灯して真っ暗になった頃、静かに食堂の扉が開かれた。
 暗闇に紛れるようにして9人はコソコソと準備した物を持ち食堂に入ると、京が扉へと阻霊陣を張って扉を閉めた。
 これで透過する事は出来ないだろう……というか、したらしたで笑えないと思う。
「チョコなのに動いて喋る。あまつさえ物を食べるって……ある意味凄いよね。これで天魔じゃないっていうんだから」
 そう言いながら、体操着とスパッツ姿の撃退士・猫野・宮子(ja0024)は軽く柔軟運動を行う。
「置いてある食材とか、残飯や生ゴミは一度外に移動させておくっす!」
 知夏が言うと同時にバタバタと走り厨房の方へと走っていった。
 続くように京が後を追うが、どうやら排水溝とか窓が開いていないかを確認しに行くようだ。
「……取り敢えず、罠からやってみるか」
 哲平が言うと、残ったメンバーも頷きトラップを仕掛け始める。
 鉄壁剛盾・高野 晃司(ja2733)が鍋の中に油を塗ると、作成した『物が入ったら蓋が閉まる装置』を鍋の中へと取り付ける。
 エルレーンは鉄製のザルを厨房から持ってくると、紐の付いたつっかえ棒を使って斜めに設置して、下にスーパーで買ったバナナを1本置く。
 何とも原始的な罠だが、彼女の瞳はキラキラと輝いていた。
「僕はどうやって捕まえようかな」
 周囲に使える物が無いかを探しながら、撃退士・紅葉 虎葵(ja0059)が呟く。
 そうして暫く探した結果、見つかったのは……やっぱり鉄製のザルだった。
「…………」
 そんな虎葵の肩を叩きながら、エルレーンはつっかえ棒とイチゴを差し出した。
 机と椅子を壁側へと寄せながらバレンタインってなに?・神楽坂 紫苑(ja0526)はブツブツと愚痴る。
「ったく、なんでチョコが逃げるんだよ? ちゃんと管理しろよ? 探すの、めんどうだろうが……」
「ごめんなさい。少し張り切りすぎて作り過ぎたから、何時の間にか消えていたの」
 それを隣で聞いてた向日葵が淡々とそう言って、机を2個ずつ一気に押していく。
 そんな彼女を見ながら、紫苑は心の何処かでこう思った。
(「スパルタでまともなチョコを作らせてみようか……」)
 と思っている内に、知夏と京が戻って来たから、彼らは行動を開始した。

●大捕り物
「とりあえず罠の食材食べてくれれば美味しいチョコになるかな? イチゴ味だったり色々な味に」
 チョコが罠にかかるのを待ちながら宮子が話題の一つにそう言う。
 それに反応したのか、知夏もワクワクと子供のように目を輝かせて話しに乗る。
「知夏的には鳴いて動くチョコが凄く気になったので、全力で実物を拝みに来たっすよ♪」
「人とか食べたりしない……よな?」
「味わいの方も気になりますね」
 虎葵と京も話に加わり、向日葵の作ったチョコを話題に花を咲かせる。
 それを聞きながら、哲平は改めて思う。
「レシピ通りに作ってたんだよな……それ」
「と言うか、普通の材料を使ったんだよな……?」
 同じく疑問を抱いている紫苑も呟く。
 ちなみにそんな話をしている彼らの周囲は罠で張り巡らされており、少し動いただけでもトラップに掛かってしまう程だったりする。
 そんな中、エルレーンは真剣に自らが仕掛けた罠を見つめる。
「早く来ないかなあ……ん?」
 不意に暗闇に紛れてゴソゴソと動く物体の影が見え、エルレーンの罠へと近づいて行き……仕掛けたバナナに喰らい付いた!
 瞬間、エルレーンは握った紐を引き、紐に括り付けられた棒が外れ、鉄製のザルがソレを閉じ込める檻となった。
 そのまま止まる事無くエルレーンは立ち上がると、素早く二重にしたビニール袋でソレを回収する。
『ギョギャー! ショシャーッシャー!』
 絶叫の様な鳴き声がビニール袋から聞こえ、エルレーンは満面の笑みを浮かべた。
 同時に鳴き声に反応するように4つの動く音が食堂に響き渡る。
 居る……としか言えなかった。
 静かに耳を潜ませると……鍋に何かが落ちる音、軽い金属が落ちる音と共に引きずる音が響き渡った。
 そして、彼らの視界に動き回るザルが入った。
「罠にかかったね。後は……マジカル♪ ミャーコ(軽装版)が捕まえちゃうにゃ♪」
 宮子が猫耳尻尾をつけポーズを取ると、駆けるようにしてザルへと走り出した。
 追われている事に気付いたのか、ザルはスピードを速めて棚の後ろへと隠れようとする……が、ザルが邪魔で通れなかった。
 そのチャンスを逃すまいと宮子もといマジカルミャーコは、猫のように四つん這いになってザルに飛び掛った。
『ショゲー! ショアショアショゲー!』
 ザルを押し上げる力が無いのか鳴き声をあげながら、チョコ(?)はザルの中で動き回る。
「それにしてもこれ、本当にチョコなんだよにゃ。チョコなのにこれは……どうしてこうなったにゃ」
 そんな様子を見ながらミャーコは呟いた。
「チョコは食べられる存在だと言う事を、知夏が教えてあげるっすよ! さぁ、覚悟して捕まるっす!」
「鍋の中には……何も無いようだ……か」
 腕を組み、堂々と知夏が言う隣では晃司が近くに設置した罠の鍋を開き覗き込んでみる。
 その行動を見ながら、自分も仕掛けた罠を調べないと。と思ったのか知夏もネズミ捕り器を1個1個持ち上げてみる。
「あれ、イチゴがな――あいたーーっ!!?」
 途中、間違えて装置が動いたのか、昔ながらのネズミ捕りに知夏は指を挟み涙目となる。
 鍋を見ても何も居なかったからと、晃司は物陰を探してみる。
「まるでGさんだな、それで居たら」
 そう呟いた瞬間、物陰でイチゴを齧っていたチョコと目が合った。
 晃司は何も言わずに、懐に持っていた山葵饅頭を差し出した。
『シャシャー、シャ、シャ、ッシャーー!』
 饅頭に齧りついたチョコが山葵の辛さに飛び出し、晃司と知夏の足元をすり抜けて行った。
 2人は顔を見合わせ……即座に追いかけた。
 一方、罠としてバケツの中に大量のピーナッツを詰め込んだ哲平の罠だったが、本人はたいした効果は無い。
 そう思っていた。思っていたのだが……バケツの中でチョコが美味しそうに無数の触手でピーナッツをポリポリと食べているのを発見した。
「……阻霊陣とかいらないよな?」
 若干疑問に思いながら、哲平はそっと蓋を閉めた。
「おや、当たりかな? ……聞いてるより大きいし、重いんだが」
 そう言いながら、紫苑はスルメイカを釣り糸に付けた物を引いていく。
 徐々に近づいて来るチョコを見て行くと……人一人程の大きさのチョコに虎葵が頭から食べられて宙に浮いていた。
 余りにもいきなりすぎたその光景に、流石の紫苑も呆気に取られた。
「いったい何が……」
「数分前にこんな事が起きたのよ」
 チョコに巻かれる様にして捕まって身動きが取れない向日葵が説明を始めた。
 京が北京鍋片手に机の上を逃げ回るチョコを回るようにして追いかける。
 だが、チョコも絶対逃げると言う意思があるのか、チャンスを窺い机から飛び降りる。
「かかりましたね。そこです!」
 手早く動かした北京鍋でチョコを掴むと、そのまま設置した大鍋に投げつけた。
 普通ならそのまま大鍋に叩き込まれただろう。だが、運が悪く進路上にバケツを持った哲平が移動していたのだ。
 投げつけられたチョコはバケツに命中し、バケツが宙を舞い……床にピーナッツが撒き散らされた。
「うわ、何っすかこれ――うわわっ!?」
「……大丈夫か?」
 直後、知夏の驚く声と尻餅が聞こえたのは、きっとピーナッツで足を滑らせて転んだのだろう。
「あ、あらまぁ……」
 と、苦笑している京の耳にある音が聞こえてきた。
 ――ポリ、ポリ、ペキ、ペキャ、シャゲー。
 音がする方を見ると3つのチョコが互いを食べながら混ざり合っていた。
「『チコ達が集まって……合体したようだ!』ってか?」
 晃司が呟きながらその様を見て行くと……最終的に人と同じくらいのサイズになった。
 何処からそんな質量が増えたか解らないのが色々と笑えないところだったりする。
「人とか食べないよね?」
 そう言いながら、虎葵が近づくと……頭から齧り付いたのだった。
 勿論チョコには歯が無いので食い込む心配は無いが、余りの甘い匂いの為に気絶し今に至る。
「と言うわけなのよ」
 と、向日葵の説明が終了した。
 その後ろで京がチョコの一部を削り取り、そのまま齧ったりアルコールランプで焙ってからパンに塗っているのが見えた。
 硬いながらもチョコはチョコなのか、首を傾げながら頷く。
 そしてチョコへと晃司が飛び掛り、厨房から持ってきたフライパンで思い切り頭を叩いた。
 すると、チョコはピキピキと音を立て……暫くするとバラバラに砕け散った。
『シャ、シャギャー……』
「あら、壊れてしまったわ」
 それを見ながら向日葵は淡々と呟いた。

●食べてみよう、作り直そう
「普通の材料使って、どうしてこうなるんだよ? ……で、誰かにやるつもりか」
「ええ、渡すわ。毎年お父様とお爺様に贈っているから今年も贈るわ」
 砕けたチョコを袋に小分けする向日葵に紫苑が問い掛けると、やっぱり平然と応えた。
「ちょっと待て、危険すぎる。手伝ってやるから、もう少しマシな物作ろうぜ」
「別に大丈夫だと思うけど、どうしてかしら」
 紫苑の説得に向日葵は首を傾げる……どうやら本当に解ってないらしい。
 そんな彼女へと哲平が眉間を押さえながら近づき問い掛ける。
「……ちゃんとレシピ通り、分量とか間違えずに作ったんだろうな」
「言われてみれば少し分量を間違ってたかも知れないわね。解ったわ、作り直すわ」
 と言って、承諾しチョコ作りが始まった。

『ギョギョギョ』
『ショッシャー、ショゲ』
『グギョギョギョ』
 食堂内に、奇妙な鳴き声が響き渡る。
 それらはすべて、大きな虫篭から聞こえていた。
 何か奇妙な虫でも捕らえたのかとツッコミたくなる……が、虫ではない。
 チョコだ、よく似た形だが色がチョコ色だったり、マーブルだったり、イチゴだったり、バナナだったり、ホワイトだったりとバリエーションが豊富だった。
 ソレを見ながら、エルレーンは周囲をキラキラさせながら指を指している。
「この子はちょこ太ちゃんで、そっちの子はまぶ美ちゃん、でそっちはいち子ちゃんで、ばな夫くんにしろ太ちゃん。うふふ、いっぱい居るね」
 どうやら全種類をふた付きの水槽で飼おうとしているらしい。
「んーよく見ると可愛いんだよな……それとも、俺の目がおかしいのか?」
 呟きながら晃司も一つ取ると飼う為に持ち帰ろうとする。
 その隣で、知夏がひょいひょいと幾つかチョコをゴム手袋で掴んで袋に詰めている。
「自室に持ち帰り、観察とか味見とかしてみたいっすよ♪」
「なんだろう……このチョコ達を見ていると、何かを思い出してしまいそうで……がはっ!?」
 どうやら頭からマ――食べられた事を忘れてしまっているのか、虎葵は思い出そうとし吐血する。
 意思のバランスが左右するほど、必死に記憶が忘れようとしているようだ。
「あらあら、大丈夫ですか紅葉さん?」
 切ったフランスパンに軽く焙って蕩けさせたチョコを塗って、京は美味しそうに齧りつく。
 その様子を見ながら宮子は興味深そうに見ている。
 ちなみにチョコは普通に板チョコを刻んで溶かし、生クリームと混ぜ合わせて、普通に成型していただけだった。
 なのに固まるにつれ、変な形を取り始め……気付けばああなっていたのだ。
「味は普通でもしゃべるチョコって食べ辛そうだよ……」
 過程を見ていたからこそ宮子はそう呟けた。そんな時……。
「出来たわ」
 もう何度目かわからないが、向日葵のその言葉に紫苑がフラフラと疲れ果てた様子でソレを見る。
 ちょっと分厚く不恰好だが、鳴いていないし動いてもいないそんなチョコがそこにはあった。
「上出来だ。そして……疲れた。どんだけ、ひどいんだよ? オレが手伝って此処までが限界だ……」
「頑張った、お前は頑張ったぞ……だから、眠れ」
 そう言うと、紫苑は力尽きたのかその場に倒れこんだ。
 そんな紫苑に哲平は賞賛の声を上げる。
 だが、紫苑のスパルタもあってか、本当に鳴かないし動かないそんなチョコが完成した。
「それじゃあ、これを贈るわね。ありがとう、神楽坂様」
 出来上がったチョコを持つと、向日葵は空輸を頼む為に歩きだした。
 そんな後姿を見ながら、哲平は思う。
(「ああいう動かないチョコって何かがとんでもない事になってたりするんじゃないか?」)
 だけど、哲平はそれを口にはしない。口にしたら紫苑の努力が無駄になるような気がしたから……。
 こうして、向日葵の作ったチョコ逃走事件は終了を迎えた。
 なお、時折食堂や事件に関わった者の部屋から奇妙な鳴き声が聞こえるという噂が広まったりしたのだった。


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: −
重体: −
面白かった!:9人

無念の褌大名・
猫野・宮子(ja0024)

大学部2年5組 女 鬼道忍軍
癒しのウサたん・
大谷 知夏(ja0041)

大学部1年68組 女 アストラルヴァンガード
堅刃の真榊・
紅葉 虎葵(ja0059)

卒業 女 ディバインナイト
撃退士・
古雅 京(ja0228)

大学部4年125組 女 阿修羅
命繋ぐ者・
神楽坂 紫苑(ja0526)

大学部9年41組 男 アストラルヴァンガード
一握の祈り・
佐倉 哲平(ja0650)

大学部5年215組 男 ルインズブレイド
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
覚悟せし者・
高野 晃司(ja2733)

大学部3年125組 男 阿修羅